JP2003313533A - 異方導電性接着剤 - Google Patents

異方導電性接着剤

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JP2003313533A
JP2003313533A JP2002120283A JP2002120283A JP2003313533A JP 2003313533 A JP2003313533 A JP 2003313533A JP 2002120283 A JP2002120283 A JP 2002120283A JP 2002120283 A JP2002120283 A JP 2002120283A JP 2003313533 A JP2003313533 A JP 2003313533A
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JP2002120283A
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Hiroshi Ito
浩志 伊藤
Masakazu Kawada
政和 川田
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 LCDとTCPとの接続や、TCPとPCB
との接続などの微細回路同士の電気的接続において、特
に低温短時間での接続も可能で、且つ、接着性、接続信
頼性、保存安定性、リペア性にも優れる加熱硬化型異方
導電性接着剤を提供する。 【解決手段】 接着性樹脂組成物中に導電性粒子を分散
して得られる異方導電性接着剤において、その接着性樹
脂組成物が一般式(1)に示される構造を有するウレタ
ンアクリレート樹脂、有機過酸化物、一般式(2)で表
されるフェノキシ樹脂、および一般式(3)で表される
リン酸エステルを必須成分とする樹脂組成物中に式
(4)で表される構造を有するアクリル樹脂エラストマ
ーを含有する異方導電性接着剤である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、LCD(液晶ディ
スプレイ)やPDP(プラズマディスプレイ)とTCP
(テープキャリヤパッケージ)との接続や、TCPとP
CB(プリント回路基板)との接続などの微細な回路同
士の電気的接続に使用される、低温接続性と保存性を兼
ね備えた異方導電性接着剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、接着性樹脂中に導電性粒子を分散
させた異方導電性接着剤がLCDやPDPとTCPとの
接続やTCPとPCBとの接続など各種微細回路接続の
必要性が飛躍的に増大してきており、その接続方法とし
て異方導電性接着剤が使用されてきている。この方法
は、接続したい部材間に異方導電性接着剤を挟み加熱加
圧することにより、面方向の隣接端子間では電気的絶縁
性を保ち、上下の端子間では電気的に導通させるもので
ある。このような用途に異方導電性接着剤が多用されて
きたのは、被着体の耐熱性がないことや微細な回路では
隣接端子間で電気的にショートしてしまうなど、半田付
けなどの従来の接続方法が適用できないことが理由であ
る。
【0003】この異方導電性接着剤は、熱可塑タイプの
ものと熱硬化タイプのものに分類されるが、最近では熱
可塑タイプのものより、信頼性の優れたエポキシ樹脂系
の熱硬化タイプのものが広く用いられつつある。
【0004】熱可塑タイプの異方導電性接着剤について
は、SBS(スチレン−ブタジエン−スチレン)、SI
S(スチレン−イソプレン−スチレン)、SEBS(ス
チレン−エチレン−ブタジエン−スチレン)等スチレン
系共重合体が主として用いられてきているが、これら熱
可塑タイプの使用方法は、基本的に溶融融着方式であ
り、その作業性は一般的に条件を選べば熱硬化のものに
比べて、比較的低温・短時間での適用が可能であり良好
であると考えられるが、樹脂の耐湿性・耐薬品性などが
低く、接続信頼性が低いため長期環境試験に耐えうるも
のではなかった。
【0005】一方、現在主流となっている熱硬化タイプ
の異方導電性接着剤は、一般に保存安定性、硬化性のバ
ランスの良いエポキシ樹脂系の熱硬化タイプが広く用い
られている。しかし、実用上これらの熱硬化タイプのも
のは、保存安定性と樹脂の硬化性を両立させるため、そ
の硬化反応性から150〜200℃の温度で30秒前後
加熱、硬化することが必要とされ、たとえば150℃未
満の温度では実用的な接続時間で樹脂を硬化させること
は困難であった。
【0006】更に、保存安定性については、例えば、B
3アミン錯体、ジシアンジアミド、有機酸ヒドラジ
ド、イミダゾール化合物等の潜在性硬化剤を配合した系
のもの等が提案されているが、保存安定性に優れるもの
は硬化に長時間または高温を必要とし、低温・短時間で
硬化できるものは逆に保存安定性に劣るといった問題が
ありいずれも一長一短があった。
【0007】上記問題点に加えて、熱硬化タイプの異方
導電性接着剤を用いた微細な回路同士の接続作業性にお
いて、位置ずれ等の原因によって一度接続したものを、
被接続部材を破損または損傷せずに剥離して再度接合
(所謂リペア)したいという要求が多くでてきている。
しかし殆どのものが高接着力、高信頼性といった長所が
ある反面、この様な一見矛盾する要求に対しては対応が
極めて難しく、満足するものは得られていない。
【0008】特に最近は、LCDモジュールの大画面
化、高精細化、狭額縁化が急速に進み、これに伴って、
接続ピッチの微細化や接続の細幅化も急速に進んでき
た。このため、たとえば、LCDとTCP接続において
は、接続時のTCPの伸びのため接続パターンにずれが
生じたり、接続部が細幅のため接続時の温度でLCD内
部の部材が熱的影響を受けるなどの問題が生じてきた。
また、TCPとPCBの接続においては、PCBが長尺
化してきたため接続時の加熱によりPCBとLCDが反
り、TCPの配線が断線するという問題も生じてきた。
【0009】そこで、より低温で接続することによりこ
れらの問題を解決することが考えられたが、たとえば従
来の熱可塑性タイプの異方導電性接着剤で接続しようと
すると、比較的低温での接続は可能であるが樹脂の耐湿
性・耐熱性が低いため接続信頼性が悪いという問題があ
った。また、熱硬化タイプの主流であるエポキシ樹脂系
の異方導電性接着剤で、低温で接続しようとすると、樹
脂を硬化させるために接続時間を長くする必要があり、
実用上適用できるものではなかった。
【0010】低温接続を可能とする異方導電性接着剤と
して、カチオン重合性物質とスルホニウム塩とを配合し
た接着性樹脂中に導電性粒子を分散させたもの(特開平
7−90237号公報)や、エポキシ樹脂等と4−(ジ
アルキルアミノ)ピリジン誘導体に導電性粒子を分散さ
せたもの(特開平4−189883号公報)も提案され
ているが、接着剤樹脂の保存性や被接続回路端子の腐食
等の問題があり実用には至っていない。
【0011】また、低温接続を可能にするものとして、
ラジカル重合性樹脂、有機過酸化物、熱可塑性エラスト
マー、マレイミドとを配合した樹脂組成物中に導電性粒
子を分散させた熱硬化型異方導電性接着剤において、ラ
ジカル重合性樹脂がフェノール性水酸基を有する(メ
タ)アクリロイル化ノボラック樹脂で有ることを特徴と
する異方導電性接着剤や、さらに接着性、接続信頼性を
改良する目的でアミノシランカップリング剤を加えたも
の、より高い接着性を持たせるため、金属に対して良好
な接着性を有するリン酸エステル構造を有する物質と、
フェノキシ樹脂などとの水酸基含有樹脂とを併用したも
のも提案されている。
【0012】しかし、フェノール性水酸基を有する(メ
タ)アクリロイル化ノボラック樹脂を使用したものにつ
いては、低温域での樹脂の流動性や硬化性が不足するた
め、低温域で十分な接続信頼性と接着力を得る事ができ
ず、またリン酸エステル構造を有する物質と水酸基含有
樹脂とを併用したものでは接着性樹脂の吸湿性が比較的
強いため信頼性や保存性に問題があった。以上のよう
に、硬化性、作業性、高温・高湿処理後の接着性、接続
信頼性、保存性等の全てをバランス良く満足する樹脂系
は未だ得られておらず、そのためより低温短時間で接続
でき、且つ、耐熱性、接着性、接続信頼性、保存安定
性、リペア性等に優れる異方導電性接着剤は得られてい
なかった。
【0013】そのような問題を解決するものとして、ラ
ジカル重合性樹脂にウレタンアクリレート樹脂を用いた
もの(特開2000−256641号公報)が提案され
ている。このものは、ウレタンアクリレート樹脂がその
エーテル結合による硬化物の可とう性とウレタン結合に
より、優れた接着性を有し、同時に配合された一般式
(3)で表されるリン酸エステルとウレタンアクリレー
ト樹脂との共重合により、耐熱性と特に金属に対する接
着性にも優れた異方導電性接着剤が得られ、同時にリン
酸エステルを用いた場合の欠点であった樹脂の吸湿性を
比較的低くできることから保存性・信頼性の両立が可能
になった。さらに一般式(2)で表されるフェノキシ樹
脂が、高い凝集力を持った強靭で延性のある熱可塑性樹
脂であり、極性のある被着体との濡れや結合を高める水
酸基を有し、耐熱性にも優れ、接着剤樹脂を加熱硬化さ
せる際にも変質せず、非晶性ポリマーであるので冷却後
も結晶化せず、平滑な塗膜を得ることができ、フィルム
化も容易となることから、このものを上記と併用するこ
とにより、優れた異方導電性接着剤を得ることも考えら
れた。
【0014】しかし、ウレタンアクリレート樹脂とフェ
ノキシ樹脂とは比較的相溶性が低く、ミクロ的に見た場
合にそれぞれが相分離しているため、各成分の実力を十
分に発揮できず、逆に接着力のバラツキや性能低下に結
びつくという問題があった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術の
このようなフェノキシ樹脂とウレタンアクリレート樹脂
との低い相溶性に基づく、接着力バラツキや性能低下の
発生問題に鑑みて種々の検討の結果なされたものであ
り、その目的とするところは、LCDとTCPとの接続
や、TCPとPCBとの接続などの微細回路同士の電気
的接続において、特に低温短時間での接続も可能で、且
つ耐熱性、接着性、接続信頼性、保存安定性、リペア性
にも優れる加熱硬化型異方導電性接着剤を提供しようと
するものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】一般式(1)に示される
構造を有するウレタンアクリレート樹脂、有機過酸化
物、一般式(2)で表されるフェノキシ樹脂、一般式
(3)で表されるリン酸エステル及び分子中に式(4)
で表される構造を有するアクリル樹脂エラストマーを必
須成分とする接着性樹脂組成物中に導電性粒子を分散し
て得られる異方導電性接着剤である。
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【0017】更に好ましい形態といては、式(4)で表
される構造を有するアクリル樹脂エラストマーの数平均
分子量が1万〜10万の範囲にあり、式(4)で表わさ
れる構造を有するアクリル樹脂エラストマーの含有量
が、一般式(2)式で表されるフェノキシ樹脂に対して
1〜50重量部である異方導電性接着剤である。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明に関して詳細に説明
する。本発明の異方導電性接着剤は、異方導電性接着剤
を構成する樹脂組成物が一般式(1)に示される構造を
有するウレタンアクリレート樹脂、有機過酸化物、一般
式(2)で表されるフェノキシ樹脂、および一般式
(3)で表されるリン酸エステルを必須成分とし、その
樹脂組成物中に式(4)の構造を有するアクリル樹脂エ
ラストマーを含有することことが特徴であり、一般式
(1)に示されるウレタンアクリレート樹脂と一般式
(2)で表されるフェノキシ樹脂とが、式(4)の構造
を有するアクリル樹脂エラストマーの存在によって相溶
性が改善されている。それは、式(4)の構造を有する
アクリル樹脂エラストマーが、一般式(1)に示される
ウレタンアクリレート樹脂と一般式(2)で示されるフ
ェノキシ樹脂との双方に対して良好な相溶性を有するた
めであり、それによって従来問題となっていた相分離に
よる性能バラツキや性能低下の発生を抑えることが可能
になることを見出した。その結果、熱圧着時の硬化性と
流動性、硬化物の可とう性、吸湿性、硬化物の耐熱性の
バランスが、従来のウレタンアクリレート樹脂やフェノ
キシ樹脂を用いた異方導電性接着剤に比べて優れてお
り、LCD用途のLCDとTCPとの接続、TCPとP
CBとの接続などに使用した場合、従来の異方導電性接
着剤では得られなかったより高い接着性、高い信頼性を
得ることができる。
【0019】本発明で用いられるウレタンアクリレート
樹脂としては、一般式(1)に示される構造を有するも
のであれば、特に限定されるものではないが、中でも繰
り返し単位数nが5〜20のウレタンアクリレートを用
いるのがより望ましい。この範囲より繰り返し単位数n
が小さい場合には、被着体に対する濡れ性には優れるも
のの、圧着時の樹脂の流れが大きすぎて周囲に流れ出
し、結果として接着力や信頼性低下につながる。一方、
この範囲より繰り返し単位数nが大きい場合は、樹脂の
流動性が小さくなるため被着体に対する濡れ性が低下
し、また硬化性も低下するため、同じく接着力や信頼性
低下を生じる。
【0020】これらのウレタンアクリレートは繰り返し
単位数の異なるものを単独あるいは熱圧着時の流動性を
コントロールするため2種類以上を混合して用いること
も可能である。また、耐熱性やリペア性、接続時の流動
性を改良するため、例えばフェノール性水酸基を有する
(メタ)アクリロイル化フェノールノボラック樹脂、ビ
ニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリル
フタレート樹脂、マレイミド樹脂、トリメチロールプロ
パントリアクリレート(TMPTA)、ペンタエリスリ
トールジアリレートモノステアレート、テトラエチレン
グリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールテト
ラアクリレートなど、他のラジカル重合性樹脂と混合し
て用いることも可能である。さらに樹脂への溶解作業を
容易にするため溶剤等に希釈する事もできる。本発明で
用いられるウレタンアクリレート樹脂の配合量は被着体
との接着性や作業性との兼ね合いで決定されることは当
然である。
【0021】本発明で用いられる有機過酸化物としては
特に限定されるものではなく、例えば、1,1,3,3
−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネ
ート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネー
ト、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサネー
ト、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,
5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘ
キシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘ
キサン、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオ
キシジカーボネート等が挙げられる。これらの過酸化物
は単独あるいは硬化性をコントロールするため2種類以
上の有機過酸化物を混合して用いることも可能である。
また、保存性を改良するため各種重合禁止剤を予め添加
しておく事も可能である。さらに樹脂への溶解作業を容
易にするため溶剤等に希釈して用いる事もできる。本発
明で用いられる有機過酸化物の種類や配合量は各過酸化
物を配合した場合の接着剤の硬化性と保存性との兼ね合
いで決定することもできる。
【0022】本発明で用いられるフェノキシ樹脂として
は一般式(2)の構造を有するものであればとくに限定
されるものではなく、これらの各種構造を有するフェノ
キシ樹脂を単独或いは2種以上併用して用いても良い。
また、これらのフェノキシ樹脂のなかでも、数平均分子
量で1万から10万の範囲にあることがより望ましい。
この範囲より小さい分子量では、靭性が不足し接着力が
低下する。また、この範囲より大きい分子量では、熱圧
着時の樹脂流動性が不足し、接続抵抗が上昇する。
【0023】本発明におけるリン酸エステルとは、一般
式(3)で表されるものであれば特に限定される物では
なく、単独或いは2種以上併用して用いても良い。具体
的なリン酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリ
ロイルオキシエチルアシッドホスフェート、(メタ)ア
クリロイルオキシプロピルアシッドホスフェート、(メ
タ)アクリロイルオキシイソプロピルアシッドホスフェ
ート、(メタ)アクリロリルオキシポリオキシエチレン
グリコールアシッドホスフェート、(メタ)アクリロイ
ルオキシポリオキシプロピレングリコールアシッドホス
フェート、カプロラクトン変性(メタ)アクリロイルオ
キシエチルアシッドホスフェート、ジ(メタ)アクリロ
イルオキシプロピルアシッドホスフェート、ジ[カプロ
ラクトン変性(メタ)アクリロイルオキシエチル]アシ
ッドホスフェート等が挙げられる。一般式(3)以外の
リン酸エステルでは、ラジカル重合性樹脂と被着体の金
属部分とのカップリング効果は低く、一般式(3)のリ
ン酸エステルのみが比較的低温短時間でカップリング効
果を得ることが出来る。
【0024】本発明に用いられるアクリル樹脂エラスト
マーは式(4)の構造を分子中に含有するものであれ
ば、特に限定されるものではなく、これらの構造を有す
る各種アクリル樹脂エラストマーを単独或いは2種以上
併用して用いても良い。また、これらのアクリル樹脂エ
ラストマーのなかでも、数平均分子量が1万〜10万の
範囲であり、含有量が1〜50重量部の範囲であること
がより望ましい。この範囲より分子量が小さい場合に
は、硬化後の樹脂の靭性が不足し接着力が低下する。ま
た、この範囲より大きい分子量では、熱圧着時の樹脂流
動性が不足し、接続抵抗が上昇する。含有量がこの範囲
より、小さい場合にはウレタンアクリレートとフェノキ
シ樹脂とに対して十分な相溶効果が得られず、接着力低
下やバラツキの発生を引き起こす。またこの範囲より大
きい場合には、ウレタンアクリレートとフェノキシ樹脂
とが持つ、優れた接着性や接続信頼性を低下させる結果
となり好ましくない。アクリル樹脂エラストマーの具体
的な例としては、例えば、メタクリル酸メチル、メタク
リル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソ
ブチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリ
ル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシルやアクリル酸、メタ
クリル酸、マレイン酸、アクリル酸ヒドロキシエチル、
メタクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシ
プロピル、アクリル酸アミド、アクリロニトリル、N−
メチロールアクリルアミド、メタクリル酸ジメチルアミ
ノメチルなどのモノマーの重合あるいは共重合物があ
る。
【0025】本発明に用いられる導電性粒子は、導電性
を有するものであれば特に制限するものではなく、ニッ
ケル、鉄、銅、アルミニウム、錫、鉛、クロム、コバル
ト、銀、金など各種金属や金属合金、金属酸化物、カー
ボン、グラファイト、ガラスやセラミック、プラスチッ
ク粒子の表面に金属をコートしたもの等が適用できる。
これらの導電性粒子の粒径や材質、配合量は、接続した
い回路のピッチやパターン、回路端子の厚みや材質等に
よって適切なものを選ぶことができること当然である。
【0026】また、より接着性を高めるため、例えば、
β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメト
キシシラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エ
チルトリエトキシシラン、β−(3,4エポキシシクロ
ヘキシル)エチルジメトキシメチルシラン、β−(3,
4エポキシシクロヘキシル)エチルメトキシジメチルシ
ラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルジ
エトキシエチルシラン、β−(3,4エポキシシクロヘ
キシル)エチルエトキシジエチルシラン,γ−グリシド
キシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピル
メチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメ
トキシジメチルシラン、γ−グリシドキシプロピルエチ
ルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエトキ
シジエチルシラン等のシランカップリング剤を被着体に
合わせて併用することも可能である。
【0027】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例により説明
する。なお、表1に本発明の実施例及び比較例で使用し
た物質の一覧を示す。
【0028】
【表1】
【0029】
【化9】
【0030】
【化10】
【0031】<実施例1>表2に示すように、一般式
(1)の構造を有するウレタンアクリレート樹脂(n=
10)を500重量部、及び1,1,3,3−テトラメ
チルブチルパーオキシヘキサノエート2重量部、(5)
式に示されるアクリル樹脂エラストマー(Mn=3万)
をメチルエチルケトンに溶解した20%溶液を200重
量部、(6)式に示されるフェノキシ樹脂(Mn=5
万)をメチルエチルケトンに溶解した20%溶液を30
0重量部、カプロラクトン変性(メタ)アクリロイルオ
キシエチルアシッドホスフェートを2重量部、Ni/A
uメッキポリスチレン粒子2.8重量部を混合し、均一
に分散させた後、離型処理を施したポリエチレンテレフ
タレートフィルム上に乾燥後の厚さが45μmになるよ
うに流延・乾燥して異方導電性接着剤を得た。
【0032】<実施例2〜実施例19>表2に示す配合
により、実施例1と同様に異方導電性電接着剤を得た。
表2の配合は重量部で表した。
【0033】<比較例1>表2に示す配合により、実施
例1と同様にして異方導電性接着剤を得た。
【0034】上記、実施例・比較例によって得られた異
方導電性接着剤は、以下に示す方法で評価した。
【0035】(異方導電性接着剤評価方法) 1.評価サンプルの作製 被着体は銅箔/ポリイミド=25/75μmに0.5μ
mの錫メッキを施したTCP(ピッチ0.30mm、端
子数60本)及び0.8mm厚4層板(FR−4)内層
・外層銅箔18μmフラッシュ金メッキPCB(ピッチ
0.30mm、端子数60本)を用いた。 2.接着強度測定方法 150℃、30kg/cm2、15sの条件で圧着し、9
0°剥離試験によって評価を行った。 3.接続信頼性測定方法 サンプル作製直後および温度−40℃〜150℃の熱衝
撃試験、100回処理後の接続抵抗を測定した。測定で
きないものを導通不良(OPEN)とした。 4.保存性測定方法 異方導電フィルムを25℃雰囲気中に4週間保存後、1
50℃、30kg/cm2、15sの条件で圧着し、接続
抵抗を測定した。1.5Ω以下を○、1.5Ωを越える
と×とした。
【0036】評価結果を表2に示す。
【表2】
【0037】
【発明の効果】本発明の異方導電性接着剤を用いること
により150℃前後の低温での微細な回路電極の接続が
可能であり、優れた耐熱性、接着性および接続信頼性が
得られ、極めて低温・短時間での接続も可能であり、接
着性、接続信頼性、保存安定性、リペア性にも優れた異
方導電性接着剤が得られる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J040 DF041 DF051 DF081 DF101 EE061 EF181 HA026 HA066 HA076 HA136 HB41 HD23 JB02 KA32 LA01 LA05 LA06 LA09 NA19 NA20 5G301 DA02 DA03 DA04 DA05 DA06 DA07 DA10 DA18 DA19 DA23 DA29 DA42 DA59 DD03

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)に示される構造を有するウ
    レタンアクリレート樹脂、有機過酸化物、一般式(2)
    で表されるフェノキシ樹脂、一般式(3)で表されるリ
    ン酸エステル及び分子中に式(4)で表される構造を有
    するアクリル樹脂エラストマーを必須成分とする接着性
    樹脂組成物中に導電性粒子を分散して得られることを特
    徴とする異方導電性接着剤。 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】
  2. 【請求項2】 式(4)で表される構造を有するアクリ
    ル樹脂エラストマーの数平均分子量が1万〜10万の範
    囲にある請求項1に記載の異方導電性接着剤。
  3. 【請求項3】 式(4)で表わされる構造を有するアク
    リル樹脂エラストマーの含有量が、一般式(2)式で表
    されるフェノキシ樹脂に対して1〜50重量部である請
    求項1に記載の異方導電性接着剤。
JP2002120283A 2002-04-23 2002-04-23 異方導電性接着剤 Pending JP2003313533A (ja)

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