JP2001164210A - 異方導電フィルム及びそれを用いた電子機器 - Google Patents

異方導電フィルム及びそれを用いた電子機器

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JP2001164210A
JP2001164210A JP35359499A JP35359499A JP2001164210A JP 2001164210 A JP2001164210 A JP 2001164210A JP 35359499 A JP35359499 A JP 35359499A JP 35359499 A JP35359499 A JP 35359499A JP 2001164210 A JP2001164210 A JP 2001164210A
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anisotropic conductive
conductive film
connection
resin
conductive particles
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Masakazu Kawada
政和 川田
Tetsuya Miyamoto
哲也 宮本
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラスチック基板のLCDパネルでも基板へ
のダメージを防止でき、優れた接着性および接続信頼性
が得られ、極めて低温・低圧・短時間での接続が可能と
なる異方導電フィルムを提供する。 【構成】 絶縁性接着剤樹脂中に導電性粒子を分散させ
た異方導電フィルムにおいて、該絶縁性接着剤樹脂が少
なくともラジカル重合性樹脂、有機過酸化物、熱可塑性
エラストマーを含むものであり、且つ該導電性粒子が1
0%圧縮変形荷重の平均粒径に対する比が0.01〜
0.05で且つ回復率が3〜20%である異方導電フィ
ルムである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微細な回路同志の
電気的接続、更に詳しくは液晶ディスプレイ(LCD)
とフレキシブル回路基板の接続等に用いることのできる
異方導電フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近の電子機器の小型化・薄型化に伴
い、微細な回路同志の接続、微小部分と微細な回路の接
続等の必要性が飛躍的に増大してきており、その接続方
法として、半田接合技術の進展とともに、新しい材料と
して、異方性の導電性接着剤やフィルムが使用されてい
る(例えば、特開昭59-120436、60-84718、60ー191228、
61ー55809、61ー274394、61ー287974、62ー244142、63ー1535
34、63ー305591、64ー47084、64ー81878、特開平1ー46549、
1ー251787各号公報等)。特に、最近、半田付けでは対応
できないLCDパネルとドライバICを搭載したTCP
(テープキャリアパッケージ)との接続に適用され、L
CDには必要不可欠の接続材料となっている。
【0003】この方法は、接続したい部材間に異方導電
フィルムを挟み加熱加圧することにより、面方向の隣接
端子間では電気的絶縁性を保ち、上下の端子間では電気
的に導通させるものである。このような用途に異方導電
フィルムが多用されてきたのは、被着体の耐熱性がない
ことや微細な回路では隣接端子間で電気的にショートし
てしまうなど半田付けなどの従来の接続方法が適用でき
ないことが理由である。
【0004】この異方導電フィルムは、熱可塑タイプの
ものと熱硬化タイプのものに分類されるが、最近では熱
可塑タイプのものより、信頼性の優れたエポキシ樹脂系
の熱硬化タイプのものが広く用いられつつある。
【0005】熱可塑タイプの異方導電フィルムについて
は、SBS(スチレン−ブタジエン−スチレン)、SI
S(スチレン−イソプレン−スチレン)、SEBS(ス
チレン−エチレン−ブタジエン−スチレン)等スチレン
系共重合体が主として用いられてきているが、これら熱
可塑タイプの使用方法は、基本的に溶融融着方式であ
り、その作業性は一般的に条件を選べば熱硬化のものに
比べて、比較的低温・短時間での適用が可能であり良好
であると考えられるが、樹脂の耐湿性・耐薬品性などが
低いため、接続信頼性が低く長期環境試験に耐えうるも
のではなかった。
【0006】一方、現在主流となっている熱硬化タイプ
の異方導電フィルムは、一般に保存安定性、硬化性のバ
ランスが良いエポキシ樹脂系の熱硬化タイプが広く用い
られている。しかし、実用上これらの熱硬化タイプのも
のは、保存安定性と樹脂の硬化性を両立させるため、そ
の硬化反応性から150〜200℃の温度で30秒前後
加熱、硬化することが必要とされ、たとえば150℃以
下の温度では実用的な接続時間で樹脂を硬化させること
は困難であった。
【0007】保存安定性については、例えば、BF3
ミン錯体、ジシアンジアミド、有機酸ヒドラジド、イミ
ダゾール化合物等の潜在性硬化剤を配合した系のもの等
が提案されているが、保存安定性に優れるものは硬化に
長時間または高温を必要とし、低温・短時間で硬化でき
るものは逆に保存安定性に劣るといった問題がありいず
れも一長一短があった。
【0008】前期問題点に加えて、熱硬化タイプの異方
導電フィルムを用いた微細な回路同士の接続作業性にお
いて、位置ずれ等の原因によって一度接続したものを被
接続部材を破損または損傷せずに剥離して、再度接合
(所謂リペア)したいという要求が多くでてきている。
しかし殆どのものが高接着力、高信頼性といった長所が
ある反面、この様な一見矛盾する要求に対しては対応が
極めて難しく、満足するものは得られていない。
【0009】特に最近は、LCDモジュールの大画面
化、高精細化、狭額縁化が急速に進み、これに伴って、
接続ピッチの微細化や接続の細幅化も急速に進んでき
た。このため、たとえば、LCDとTCP接続において
は、接続時のTCPののびのため接続パターンずれが生
じたり、接続部が細幅のため接続時の温度でLCD内部
の部材が熱的影響を受けるなどの問題が生じてきた。ま
た、TCPとPCBの接続においては、PCBが長尺化
してきたため接続時の加熱によりPCBとLCDが反
り、TCPの配線が断線するという問題も生じてきた。
【0010】また、最近、割れない軽いという特長を生
かして、ガラス基板ではなくプラスチック基板を使った
LCDパネルが出てきている。このパネルの場合にもガ
ラス基板と同様によりTCPやFPC(フレキシブルプ
リント回路板)を接続する必要があるが、基板の耐熱性
が無いため異方導電フィルムを接続した場合に、基板が
変形したり基板上の回路に応力がかかって電気的に断線
するなどの不具合が生じていた。
【0011】そこで、より低温で接続することによりこ
れらの問題を解決することが考えられたが、たとえば、
従来の熱可塑性タイプの異方導電フィルムで接続しよう
とすると、比較的低温での接続は可能であるが樹脂の耐
湿性・耐熱性が低いため接続信頼性が悪いという問題が
あった。また、熱硬化タイプの主流であるエポキシ樹脂
系の異方導電フィルムで低温で接続しようとすると、樹
脂を硬化させるために接続時間を長くする必要があり、
実用上適用できるものではなかった。
【0012】低温接続を可能とする異方導電フィルムと
して、カチオン重合性物質とスルホニウム塩とを配合し
た接着性樹脂中に導電性粒子を分散させたもの(特開平
7−90237号公報)や、エポキシ樹脂等と4−(ジ
アルキルアミノ)ピリジン誘導体に導電性粒子を分散さ
せたもの(特開平4−189883号公報)も提案され
ているが、接着剤樹脂の保存性や被接続回路端子の腐食
等の問題があり実用には至っていない。
【0013】最近では、低温接続を可能にするものとし
て、ラジカル重合性樹脂、有機過酸化物、熱可塑性エラ
ストマーを配合した樹脂組成物中に導電性粒子を分散さ
せた熱硬化型異方導電フィルムや、ラジカル重合性樹脂
としてフェノール性水酸基を有する(メタ)アクリロイ
ル化ノボラック樹脂を適用したり、さらに、接着性、接
続信頼性を改良する目的でアミノシランカップリング剤
やリン酸エステルやエポキシシランカップリング剤を組
み合わせることにより、硬化性、作業性、高温・高湿処
理後の接着性、接続信頼性、保存性等の全てをバランス
良く満足する樹脂が得られてきている。
【0014】このように低温接続化については接着剤樹
脂の改良によりかなり低温での接続が可能になり、ガラ
ス基板のLCDパネルでは課題が改善されつつあるが、
たとえばプラスチック基板を用いたLCDパネルの場
合、前述のような低温硬化が可能な接着剤樹脂を適用す
れば接続時の基板の熱によるダメージは解決できるが、
硬いガラス基板では問題の無かった導電性粒子がつぶれ
る際に生じる基板へのめりこみが生じ、基板上の回路の
断線などが問題となっている。
【0015】これらを解決するために、半田などの柔ら
かい金属粒子を適用する事も考えられている。この場
合、基板へのめりこみは低減できるが、接続する際に導
電性粒子と電極端子間の間の樹脂を十分除去することが
できず導通が十分にとれなかったり、基板に形成された
回路上にある汚れなどの絶縁性薄膜を破って接続するこ
とができなかったり、十分安定した接続が得られなくな
る。また、導電性粒子の粒径を揃えることが困難なため
大きな粒子により隣接端子間の電気的短絡が生じる可能
性が高く、微細な回路同士の接続への適用には限界があ
った。また、接続直後には導通していた場合でも、金属
粒子は塑性変形して弾性を保つことができなくなるた
め、高温高湿処理や温度サイクル処理などの処理に入れ
ると周辺の樹脂の寸法変化に追従できず接続が不安定に
なったり、金属粒子が酸化などの変化を起こし接続が不
安定になるなどの問題もあった。
【0016】一方、高分子核材に金属被覆を施した導電
性粒子では、高分子核材粒子の作製方法によってはその
粒度分布をきわめてシャープにできるため、金属粒子よ
りも更に微細な回路接続にも対応可能であり、特に外層
に金被覆を施すと前述のような長期環境処理により粒子
表面が酸化するなどの変化は少ないという長所がある
が、反面、通常の高分子核材はある程度の硬さを持って
いるため、接続時にプラスチック基板にダメージを与
え、回路の断線などの問題が生じていた。柔らかい高分
子核材であれば、このダメージは改善できるが、柔らか
いほど粒子をつぶした際に弾性を維持できる加圧力の範
囲が狭く接続の際の加圧力の管理マージンが狭くなり歩
留まりが悪くなるなどの障害が生じていた。また、柔ら
かい粒子では、潰れすぎると塑性変形してしまうため、
高分子核材の弾性変形による接続安定性という特長を生
かせず、金属粒子と同様に長期環境試験での接続が不安
定になるなどの問題があった。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来の欠点を問題を鑑みて種々の検討の結果なされたも
のであり、特にプラスチック基板を用いたLCDパネル
とTCPとの接続などの微細回路同士の電気的接続にお
いて、低温短時間での接続が可能で、接着性、接続信頼
性、保存安定性、リペア性にも優れ、且つ基板に対して
ダメージを与えない信頼性の高い加熱硬化型異方導電性
フィルムを提供しようとするものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、絶縁
性接着剤樹脂中に導電性粒子を分散させた異方導電フィ
ルムにおいて、該絶縁性接着剤樹脂が少なくともラジカ
ル重合性樹脂、有機過酸化物、熱可塑性エラストマーを
含むものであり、且つ該導電性粒子が10%圧縮変形荷
重の平均粒径に対する比が0.01〜0.05で、回復
率が3〜20%である異方導電フィルムである。更に好
ましい形態としては、導電性粒子が、高分子核材の表面
に金属膜をほどこしたものであり、導電性粒子の平均粒
径が2〜15μmである異方導電フィルムである。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0020】図1は異方導電フィルムの構造を示す断面
模式図、図2は異方導電フィルムを使った接続方法を説
明するための断面模式図である。
【0021】本発明の異方導電フィルムは、図1のよう
に平均粒径に対して10%変形荷重が0.01〜0.0
5の範囲にある回復率3〜20%の導電性粒子(2)を
少なくともラジカル重合性樹脂、有機過酸化物、熱可塑
性エラストマーを含む絶縁性接着剤樹脂(1)に分散さ
せたことが特徴である。
【0022】異方導電フィルムによる接続は、前述のよ
うに図2のように接続しようとする回路基板(例えばT
CP(3)とLCDパネル)間に所定量の導電性粒子を
含有する接着剤またはフィルムをはさみ、所定の温度・
圧力・時間により熱圧着する事によって回路基板間の電
気的接続を行うと同時に隣接する回路端子間には絶縁性
を確保させるものである。
【0023】最近の増えてきたプラスチック基板のLC
Dパネルにおける接続の場合、図2のようにTCP
(3)とLCDパネルを異方導電フィルムを用いて接続
した場合、回路端子は導電性粒子によって機械的に接触
し、上下間の安定した電気的接続を得ることができる。
この時、従来の異方導電フィルムでは、プラスチックの
LCDパネル基板(5)へ導電性粒子がめり込んで基板
に応力がかかり、基板上のITO回路端子(4)が断線
したり、長期信頼性試験にかけた場合に接続不良が生じ
るという問題が発生するのに対し、本発明の異方導電フ
ィルムでは、導電性粒子がプラスチック基板やその上の
回路端子にダメージを与えず、しかも導電性粒子と端子
間の樹脂を十分に排除して安定した接続を得ることが可
能となる。
【0024】本発明で用いる導電性粒子は、平均粒径に
対して10%圧縮変形荷重の比が0.01〜0.05の
範囲にあり、回復率が3〜20%の範囲のものであれば
特に制限はない。平均粒径に対する10%圧縮変形荷重
の比が0.01未満の場合、粒子が柔らかすぎて導電性
粒子と回路端子の間の樹脂を十分に排除して安定した接
続を得ることができない。また、0.05より大きい場
合は、粒子が硬すぎて基板へのめり込みが大きくなり、
回路端子の断線などが生じる。10%圧縮変形荷重は、
微小圧縮試験機(島津製作所製)で測定した値で、粒子
に荷重をかけていき、粒子径(単位;μm)を元の径よ
りも10%小さく(圧縮率10%)変形させるのに必要
な荷重(単位;g)である。回復率は、粒子一粒に1g
の荷重をかけた場合の変形量と荷重を解放した場合の戻
り量との比であり、回復率が3%未満の場合、粒子が潰
れた際に反発力が非常に弱く長期環境試験などにかけた
場合に周辺の接着剤樹脂の変化に追従できず接続が不安
定になる。また、回復率が20%より大きい場合は粒子
の反発力が大きすぎ、接続時に基板へ粒子がめりこむな
ど基板へのダメージが大きくなる。また、長期環境試験
にかけて周辺の接着剤樹脂が柔らかくなった際には、L
CDパネルとTCPなどを引き剥がす方向に力が働き、
接続信頼性が低下する。
【0025】本発明に用いられる導電性粒子は、導電性
を有するものであれば特に制限するものではなく、ニッ
ケル、鉄、銅、アルミニウム、錫、鉛、クロム、コバル
ト、銀、金など各種金属や金属合金、金属酸化物、カー
ボン、グラファイト、ガラスやセラミック、高分子粒子
の表面に金属をコートしたもの等が適用できるが、接続
の信頼性や微細な回路接続への適用を考慮すると高分子
核材に金属被覆を施したものが望ましい。
【0026】ここで、高分子核材は特に組成などの制限
はなく、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、メラミ
ン樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル
樹脂、スチレン樹脂、スチレンブタジエン共重合体等の
ポリマー中から1種単独あるいは2種以上組み合わせて
使用すれば良い。
【0027】高分子核材の表面に施す金属被覆には特に
制限は無いが、導通の安定性を考慮すると通常適用され
るニッケルと金の被覆が望ましい。
【0028】被膜の厚さには特に制限はないが、厚すぎ
ると凝集が生じるなどの問題があるため、0.01〜
0.2μm程度が望ましい。また、被覆の形成方法で
は、この被覆と高分子核材との密着力・導電性などを考
慮し、均一に形成されている方が良いことは言うまでも
なく、従来から用いられているメッキなどが望ましい。
【0029】導電性粒子の粒径や配合量は、接続したい
回路のピッチやパターン、回路端子の厚みや材質等によ
って適切なものを選ぶことができる。
【0030】導電性粒子の粒径は、特に制限はするもの
ではないが、望ましくは平均2〜15μmである方がよ
い。2μmより小さい場合では、微細な回路接続で高い
接続信頼性を得るために導電性粒子数を多く配合するこ
とは可能であるが、凝集することなく高分子核材に均一
に金属被覆を施すことは現状の技術では極めて困難であ
り、実際には微細な回路の接続を安定して行うことは困
難である。逆に、15μmより大きい場合には、凝集な
く均一に金属被覆を施すことは可能であるが、微細な回
路を接続する場合には、端子間の電気的絶縁性が保てな
くなるため、粒子数はあまり多く配合できず、接続信頼
性の向上にも限界がでてくる。例えば、LCDパネルと
TCPやFPCとの接続、特に50μmピッチ程度の極
ファインピッチ回路の接続においては、平均粒径3〜5
μm程度が望ましい。もちろん粒度分布がシャープな方
が好ましいことは言うまでもなく、平均粒径±10%以
内であればなお好ましい。
【0031】絶縁性接着剤に対する配合量は、特に制限
はないが、0.1〜10体積%であるほうが好ましい。
0.1%より配合量が少ない場合には接続面積が少なく
なるため接続信頼性が低下し、逆に10%より配合量が
多い場合には隣接端子間の絶縁性が低下し短絡の発生に
もつながる。
【0032】本発明で用いられるラジカル重合性樹脂と
しては、フェノール性水酸基を有する(メタ)アクリロ
イル化フェノールノボラック樹脂、ビニルエステル樹
脂、ウレタンアクリレート樹脂等のアクリレート類、不
飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、マレ
イミド樹脂などが挙げられる。中でも硬化性と保存性、
硬化物の耐熱性、耐湿性、耐薬品性を兼ね備えたフェノ
ール性水酸基を有する(メタ)アクリロイル化フェノー
ルノボラック樹脂、ビニルエステル樹脂、ウレタンアク
リレート樹脂、マレイミド樹脂を好適に用いる事が出来
る。
【0033】また、その保存性を確保するために、予め
キノン類、多価フェノール類、フェノール類等の重合禁
止剤を添加することも可能である(例えば、特開平4−
146951号公報など)。さらに硬化性、加熱時の流
動性、作業性を改良するため、トリメチロールプロパン
トリアクリレート(TMPTA)、ペンタエリスリトー
ルジアリレートモノステアレート、テトラエチレングリ
コールジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラア
クリレートなどのアクリレート類やスチレンなど各種モ
ノマー類や一般的な反応性希釈剤で希釈して使用するこ
とが可能である。
【0034】本発明で用いられる有機過酸化物としては
特に限定されるものではなく、例えば1,1,3,3−
テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネー
ト、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、
t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、
1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−
トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシ
ルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサ
ン、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシ
ジカーボネート等が挙げられる。これらの過酸化物は単
独あるいは硬化性をコントロールするため2種類以上の
有機過酸化物を混合して用いることも可能である。ま
た、保存性を改良するため各種重合禁止剤を予め添加し
ておく事も可能である。さらに樹脂への溶解作業を容易
にするため溶剤等に希釈して用いる事もできる。本発明
で用いられる有機過酸化物の種類や配合量は各過酸化物
を配合した場合の接着剤の硬化性と保存性との兼ね合い
で決定されることは当然である。
【0035】本発明で用いられる熱可塑性エラストマー
としては特に制限はないが、例えばポリエステル樹脂
類、ポリウレタン樹脂類、ポリイミド樹脂、ポリブタジ
エン、ポリプロピレン、スチレン−ブタジエン−スチレ
ン共重合体、ポリアセタール樹脂、ポリビニルブチラー
ル樹脂、ブチルゴム、クロロプレンゴム、ポリアミド樹
脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロ
ニトリル−ブタジエン−メタクリル酸共重合体、アクリ
ロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリ酢酸
ビニル樹脂、ナイロン、スチレン−イソプレン共重合
体、スチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体、
スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重
合体、ポリメチルメタクリレート樹脂などを用いること
ができる。その中で異方導電性フィルムとした時の接着
性、接続信頼性などの特性を考えるとアクリロニトリル
−ブタジエン−メタクリル酸共重合体、ポリエステル、
ポリアミド樹脂、ナイロン、ポリビニルブチラール樹
脂、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック
共重合体等をより好適に用いることができる。
【0036】本発明によれば、ラジカル重合性樹脂、有
機過酸化物、熱可塑性エラストマーとを配合した接着剤
中に導電性粒子を分散させる事により得られる異方導電
性フィルムにおいて、圧縮変形特性と回復率を最適化し
た導電性粒子を用いれば、プラスチック基板のLCDパ
ネルでも基板へのダメージを防止でき、優れた接着性お
よび接続信頼性が得られ、極めて低温・低圧・短時間で
の接続が可能となり、接着性、接続信頼性、保存安定
性、リペア性に優れた異方導電フィルムが得られる。
【0037】更に、本発明の異方導電性フィルムは、プ
リント回路基板、フレキシブルプリント回路基板、液晶
ディスプレイパネル、テープキャリアパッケージ等の電
子・電機部品の電気的接合に用いることができる。それ
らの電気的接合はLCDなどの各種画像表示モジュー
ル、コンピュータ、テレビ、計測機器、通信機器、その
他の電子機器に用いることができ、これらを用いること
により電子機器の小型化、軽量化、製作の容易性を達成
すると同時に修復の容易性も併せて達成している。上記
の電気接合の方法及び電子機器の組立方法は従来の公知
の方法を用いることができる。
【0038】
【実施例】以下、本発明による実施例および従来方法に
よる比較例を示す。
【0039】<実施例1>ラジカル重合樹脂として、
(11)式の構造を有するウレタンアクリレート樹脂1
00重量部と(12)式の構造を有するメタアクリロイ
ル化フェノールノボラック樹脂(n/m+n=0.7/
1、m+n=8)をメチエチルケトンに溶解した50%
溶液を60重量部、有機過酸化物として1,1,3,
3,−テトラメチルパーオキシエチルヘキサノエートを
3重量部、熱可塑性エラストマーとして(13)式構造
を有するアクリロニトリルーブタジエンーメタクリル酸
共重合体をメチルエチルケトンに溶解した20%溶液を
100重量部、(14)式の構造を有するポリビニルブ
チラール樹脂(重合度800,ブチラール化度70mo
l%、フロー軟化点130℃)をメチルエチルケトンに
溶解した20%溶液を300重量部、を混合した接着剤
を準備する。この中に、アクリル樹脂を核材とし、厚さ
0.1μmのニッケル/金被覆を0.05μm形成した
平均粒径10μm、10%圧縮変形荷重0.25g(平
均粒径に対する圧縮変形荷重の比=0.25/10=
0.025)、回復率18%の導電性粒子を2体積%を
分散させ、離型処理を施したポリエチレンテレフタレー
トフィルム(PET)の上に乾燥後の厚さが15μmに
なるように塗布・乾燥したものを、1.5mm幅にスリ
ットして異方導電フィルムを作製した。
【0040】作製した異方導電フィルムを、ポリエーテ
ルスルホン(PES)基板の表面にITO回路を形成し
た基板の回路端子部に置き、70℃、0.5MPa、2
secの条件で加熱加圧して仮圧着を行った。その後、
表面のPETフィルムを剥がし、TCPと位置あわせを
行い、150℃、2MPa、15secの条件で加熱加
圧して圧着接続を行った。ここで用いたポリエーテルス
ルホン基板は、200μm厚で、ITOはシート抵抗2
00Ω/□で100μmピッチで回路を形成したもので
ある。TCPは、75μmのポリイミド基材と18μm
の銅箔からできたものであり、100μmピッチで20
0端子の回路加工後、表面をSnメッキしたものであ
る。
【0041】PESとTCPを接続したサンプルを使っ
て評価を行った。隣接端子間の接続抵抗値は全端子2Ω
以下と良好であった。また、ITOへのめりこみは深さ
0.2μmで、顕微鏡観察の結果ではITOにはクラッ
クなどは見られなかった。このサンプルを高温高湿(6
0℃90%)250hr処理したところ、接続抵抗値は
全て2Ω以下と良好であり、接続部外観の変化も見られ
なかった。
【0042】<実施例2>〜<実施例8>導電性粒子以
外は実施例1と同様にして異方導電フィルムを作製し、
実施例1と同様の評価を行った。いずれも接続抵抗値、
ITOへのめりこみ深さ、ITOのクラック、高温高湿
処理後の接続抵抗値、圧着外観など良好であった。使用
した導電性粒子の内容は表1に示す。
【0043】<比較例1>〜<比較例3>導電性粒子以
外は実施例1と同様にして異方導電フィルムを作製し、
実施例1と同様の評価を行った。回復率が35%になる
とITOのクラックが生じ、高温高湿処理後にはLCD
パネルとTCPが剥離しために気泡が生じた(比較例
1)。平均粒径に対する10%圧縮変形加重の比が0.
07になると圧着後ITOクラックが多数生じ(比較例
2)、0.006になると初期接続抵抗値および高温高
湿処理後の抵抗値が高くなった(比較例3)。使用した
導電性粒子の内容は表1に示す。
【0044】実施例及び比較例の評価結果を表1に示
す。
【表1】
【0045】
【発明の効果】本発明の異方導電フィルムを用いること
により、プラスチック基板のLCDパネルでも基板への
ダメージを防止でき、優れた接着性および接続信頼性が
得られ、極めて低温・低圧・短時間での接続が可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明による異方導電フィルムの断面
模式図である。
【図2】図2は、異方導電フィルムを使った接続方法を
説明するための断面模式図である。
【符号の説明】 1.絶縁性接着剤樹脂 2.導電性粒子 3.TCP 4.ITO回路端子 5.LCDパネル基板

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性接着剤樹脂中に導電性粒子を分散
    させた異方導電フィルムにおいて、該絶縁性接着剤樹脂
    が少なくともラジカル重合性樹脂、有機過酸化物、熱可
    塑性エラストマーを含むものであり、且つ該導電性粒子
    が10%圧縮変形荷重の平均粒径に対する比が0.01
    〜0.05で且つ回復率が3〜20%であることを特徴
    とする異方導電フィルム。
  2. 【請求項2】 該導電性粒子が、高分子核材の表面に金
    属膜をほどこしたものである請求項第1項記載の異方導
    電フィルム。
  3. 【請求項3】 該導電性粒子の平均粒径が2〜15μm
    である請求項第1又は2項記載の異方導電フィルム。
  4. 【請求項4】 該導電性粒子を絶縁性接着剤中に0.1
    〜10体積%含有している請求項第1、2又は3項記載
    の異方導電フィルム。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の異方導
    電フィルムを用いて、電子・電気部品の電気的な接続が
    行われている電子機器。
  6. 【請求項6】 該電子・電気部品が、液晶ディスプレイ
    (LCD)パネル、プリント配線板、テープキャリアパ
    ッケージ(TCP)である請求項5記載の電子機器。
  7. 【請求項7】 該電子機器が、画像表示モジュール、コ
    ンピュータ、テレビ、計測機器、通信機器である請求項
    5記載の電子機器。
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