JP2002285128A - 異方導電性接着剤 - Google Patents

異方導電性接着剤

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JP2002285128A
JP2002285128A JP2001088429A JP2001088429A JP2002285128A JP 2002285128 A JP2002285128 A JP 2002285128A JP 2001088429 A JP2001088429 A JP 2001088429A JP 2001088429 A JP2001088429 A JP 2001088429A JP 2002285128 A JP2002285128 A JP 2002285128A
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Hiroshi Ito
浩志 伊藤
Masakazu Kawada
政和 川田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 LCDとTCPとの接続や、TCPとPCB
との接続などの微細回路同士の電気的接続において、特
に低温短時間での接続も可能で、且つ、接着性、接続信
頼性、保存安定性、リペア性にも優れる加熱硬化型異方
導電性接着剤を提供する。 【解決手段】接着性樹脂組成物中に導電性粒子を分散し
て得られる異方導電性接着剤において、その接着性樹脂
組成物がウレタンアクリレート樹脂、有機過酸化物、フ
ェノキシ樹脂、およびリン酸エステルからなる異方導電
性接着剤である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、LCD(液晶ディ
スプレイ)やPDP(プラズマディスプレイ)とTCP
(テープキャリヤパッケージ)との接続や、TCPとP
CB(プリント回路基板)との接続などの微細な回路同
士の電気的接続に使用される低温接続性と保存性を兼ね
備えた異方導電性接着剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、接着性樹脂中に導電性粒子を分散
させた異方導電性接着剤がLCDやPDPとTCPとの
接続やTCPとPCBとの接続など各種微細回路接続の
必要性が飛躍的に増大してきており、その接続方法とし
て異方導電性接着剤が使用されてきている。この方法
は、接続したい部材間に異方導電性接着剤を挟み加熱加
圧することにより、面方向の隣接端子間では電気的絶縁
性を保ち、上下の端子間では電気的に導通させるもので
ある。このような用途に異方導電性接着剤が多用されて
きたのは、被着体の耐熱性がないことや微細な回路では
隣接端子間で電気的にショートしてしまうなど、半田付
けなどの従来の接続方法が適用できないことが理由であ
る。
【0003】この異方導電性接着剤は、熱可塑タイプの
ものと熱硬化タイプのものに分類されるが、最近では熱
可塑タイプのものより、信頼性の優れたエポキシ樹脂系
の熱硬化タイプのものが広く用いられつつある。熱可塑
タイプの異方導電性接着剤については、SBS(スチレ
ン−ブタジエン−スチレン)、SIS(スチレン−イソ
プレン−スチレン)、SEBS(スチレン−エチレン−
ブタジエン−スチレン)等スチレン系共重合体が主とし
て用いられてきているが、これら熱可塑タイプの使用方
法は、基本的に溶融融着方式であり、その作業性は一般
的に条件を選べば熱硬化のものに比べて、比較的低温・
短時間での適用が可能であり良好であると考えられる
が、樹脂の耐湿性・耐薬品性などが低く、接続信頼性が
低いため長期環境試験に耐えうるものではなかった。
【0004】一方、現在主流となっている熱硬化タイプ
の異方導電性接着剤は、一般に保存安定性、硬化性のバ
ランスの良いエポキシ樹脂系の熱硬化タイプが広く用い
られている。しかし、実用上これらの熱硬化タイプのも
のは、保存安定性と樹脂の硬化性を両立させるため、そ
の硬化反応性から150〜200℃の温度で30秒前後
加熱、硬化することが必要とされ、たとえば150℃未
満の温度では実用的な接続時間で樹脂を硬化させること
は困難であった。
【0005】更に、保存安定性については、例えば、B
3アミン錯体、ジシアンジアミド、有機酸ヒドラジ
ド、イミダゾール化合物等の潜在性硬化剤を配合した系
のもの等が提案されているが、保存安定性に優れるもの
は硬化に長時間または高温を必要とし、低温・短時間で
硬化できるものは逆に保存安定性に劣るといった問題が
ありいずれも一長一短があった。
【0006】上記問題点に加えて、熱硬化タイプの異方
導電性接着剤を用いた微細な回路同士の接続作業性にお
いて、位置ずれ等の原因によって一度接続したものを、
被接続部材を破損または損傷せずに剥離して再度接合
(所謂リペア)したいという要求が多くでてきている。
しかし殆どのものが高接着力、高信頼性といった長所が
ある反面、この様な一見矛盾する要求に対しては対応が
極めて難しく、満足するものは得られていない。
【0007】特に最近は、LCDモジュールの大画面
化、高精細化、狭額縁化が急速に進み、これに伴って、
接続ピッチの微細化や接続の細幅化も急速に進んでき
た。このため、たとえば、LCDとTCPの接続におい
ては、接続時のTCPののびのため接続パターンにずれ
が生じたり、接続部が細幅のため接続時の温度でLCD
内部の部材が熱的影響を受けるなどの問題が生じてき
た。また、TCPとPCBの接続においては、PCBが
長尺化してきたため接続時の加熱によりPCBとLCD
が反り、TCPの配線が断線するという問題も生じてき
た。
【0008】そこで、より低温で接続することによりこ
れらの問題を解決することが考えられたが、たとえば従
来の熱可塑性タイプの異方導電性接着剤で接続しようと
すると、比較的低温での接続は可能であるが樹脂の耐湿
性・耐熱性が低いため接続信頼性が悪いという問題があ
った。また、熱硬化タイプの主流であるエポキシ樹脂系
の異方導電性接着剤で、低温で接続しようとすると、樹
脂を硬化させるために接続時間を長くする必要があり、
実用上適用できるものではなかった。
【0009】低温接続を可能とする異方導電性接着剤と
して、カチオン重合性物質とスルホニウム塩とを配合し
た接着性樹脂中に導電性粒子を分散させたもの(特開平
7−90237号公報)や、エポキシ樹脂等と4−(ジ
アルキルアミノ)ピリジン誘導体に導電性粒子を分散さ
せたもの(特開平4−189883号公報)も提案され
ているが、接着剤樹脂の保存性や被接続回路端子の腐食
等の問題があり実用には至っていない。
【0010】また、低温接続を可能にするものとして、
ラジカル重合性樹脂、有機過酸化物、熱可塑性エラスト
マー、マレイミドとを配合した樹脂組成物中に導電性粒
子を分散させた熱硬化型異方導電性接着剤において、ラ
ジカル重合性樹脂がフェノール性水酸基を有する(メ
タ)アクリロイル化ノボラック樹脂で有ることを特徴と
する異方導電性接着剤や、さらに接着性、接続信頼性を
改良する目的でアミノシランカップリング剤を加えたも
の、より高い接着性を持たせるため、金属に対して良好
な接着性を有するリン酸エステル構造を有する物質と、
フェノキシ樹脂などの水酸基含有樹脂とを併用したもの
も提案されている。
【0011】しかし、フェノール性水酸基を有する(メ
タ)アクリロイル化ノボラック樹脂を使用したものにつ
いては、低温域での樹脂の流動性や硬化性が不足するた
め、低温域で十分な接続信頼性と接着力を得る事ができ
ず、またリン酸エステル構造を有する物質と水酸基含有
樹脂とを併用したものでは接着性樹脂の吸湿性が比較的
強いため信頼性や保存性に問題があった。以上のよう
に、硬化性、作業性、高温・高湿処理後の接着性、接続
信頼性、保存性等の全てをバランス良く満足する樹脂系
は未だ得られておらず、そのためより低温短時間で接続
でき、且つ、耐熱性、接着性、接続信頼性、保存安定
性、リペア性等に優れる異方導電性接着剤は得られてい
なかった。
【0012】そのような問題を解決するものとして、ラ
ジカル重合性樹脂にウレタンアクリレート樹脂を用いた
もの(特開2000−256641号公報)が提案され
ている。このものは、ウレタンアクリレート樹脂がその
エーテル結合による硬化物の可とう性とウレタン結合に
より、優れた接着性を有し、同時に配合された(3)式
で表されるリン酸エステルとウレタンアクリレート樹脂
との共重合により、耐熱性と特に金属に対する接着性に
も優れた異方導電性接着剤が得られ、同時にリン酸エス
テルを用いた場合の欠点であった樹脂の吸湿性を比較的
低くできることから保存性・信頼性の両立が可能になっ
た。中でも(4)式に示される2官能のウレタンアクリ
レートにおいては(5)式のイソホロンジイソシアネー
ト構造を有することにより耐熱性が向上するためより好
適に用いることができる。しかし、逆に繰り返し単位中
において、そのイソホロンジイソシアネート構造の占め
る割合が比較的多いため、接着時に硬化する際、流動性
低下が早く、ベーキング処理などにより被着体の表面が
乾燥し樹脂に対する濡れ性が低下している場合には、十
分な接着力の得られない場合があるため、接着力にバラ
ツキが生じていた。
【0013】
【化4】
【化5】
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術の
このような、被着体の表面の濡れ性低下による、接着力
バラツキの発生問題に鑑みて種々の検討の結果なされた
ものであり、その目的とするところは、LCDとTCP
との接続や、TCPとPCBとの接続などの微細回路同
士の電気的接続において、特に低温短時間での接続も可
能で、且つ、耐熱性、接着性、接続信頼性、保存安定
性、リペア性にも優れ、特にベーキング処理などにより
被着体の表面が乾燥し樹脂に対する濡れ性が低下してい
る場合でも、十分な接着力を有する加熱硬化型異方導電
性接着剤を提供しようとするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、接着性樹脂組
成物中に導電性粒子を分散して得られる異方導電性接着
剤において、その接着性樹脂組成物が(1)式に示され
る構造を有するウレタンアクリレート樹脂、有機過酸化
物、(2)式で表されるフェノキシ樹脂、および(3)
式で表されるリン酸エステルからなる異方導電性接着剤
である。更に好ましい形態としては、(1)式で示され
る構造を有するウレタンアクリレートにおける繰り返し
単位の数nが5〜20であり、(2)式で表されるフェ
ノキシ樹脂の数平均分子量が1万〜10万の範囲にある
異方導電性接着剤である。
【0016】
【化6】
【化7】
【化8】
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明に関して詳細に説明
する。本発明の異方導電性接着剤は、異方導電性接着剤
を構成する樹脂組成物が(1)式に示される構造を有す
るウレタンアクリレート樹脂、有機過酸化物、(2)式
で表されるフェノキシ樹脂、および(3)式で表される
リン酸エステルを必須成分とすることが特徴であり、
(1)式に示されるウレタンアクリレート樹脂の構造に
よって、特に(2)式で表されるフェノキシ樹脂及び
(3)式のリン酸エステルと併用した場合に、熱圧着時
の硬化性と流動性、硬化物の可とう性、吸湿性、硬化物
の耐熱性のバランスが、従来のウレタンアクリレート樹
脂やフェノキシ樹脂を用いた異方導電性接着剤に比べて
優れていることを見いだした。特にTCP製造工程にお
ける加熱処理により被着体の表面が乾燥し、異方導電性
接着剤に対する被着体の濡れ性が低下している場合で
も、十分な接着力を得ることができるため、LCD用途
のLCDとTCPとの接続、TCPとPCBとの接続な
どに使用した場合、従来の異方導電性接着剤では得られ
なかった高接着性、高信頼性を得ることができる。
【0018】本発明で用いられるウレタンアクリレート
樹脂としては(1)式に示される構造を有するものであ
れば、特に限定されるものではないが、中でも繰り返し
単位数nが5〜20のウレタンアクリレートを用いるの
がより望ましい。この範囲より繰り返し単位数nが小さ
い場合には、被着体に対する濡れ性には優れるものの、
圧着時の樹脂の流れが大きすぎて周囲に流れ出す可能性
がある。一方、この範囲より繰り返し単位数nが大きい
場合は、樹脂の流動性が小さくなるため被着体に対する
濡れ性が低下する可能性がある。
【0019】これらのウレタンアクリレートは繰り返し
単位数の異なるものを単独あるいは熱圧着時の流動性を
コントロールするため2種類以上を混合して用いること
も可能である。また、耐熱性やリペア性、接続時の流動
性を改良するため、例えばフェノール性水酸基を有する
(メタ)アクリロイル化フェノールノボラック樹脂、ビ
ニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリル
フタレート樹脂、マレイミド樹脂、トリメチロールプロ
パントリアクリレート(TMPTA)、ペンタエリスリ
トールジアリレートモノステアレート、テトラエチレン
グリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールテト
ラアクリレートなど、他のラジカル重合性樹脂と混合し
て用いることも可能である。さらに樹脂への溶解作業を
容易にするため溶剤等に希釈する事もできる。本発明で
用いられるウレタンアクリレート樹脂の配合量は被着体
との接着性や作業性との兼ね合いで決定されることは当
然であるが、樹脂成分中に10〜90重量%を占めるの
が好ましい。10重量%より少ないと樹脂全体としての
流動性が低下し、結果として被着体に対する濡れ性が低
下するため、当初の接着性向上効果が得られないという
問題や初期の接続抵抗が上昇するなどの問題があり、9
0重量%を越えると、逆に樹脂全体としての流動性が大
きすぎて被着体の接着部より外側へ樹脂が流れ出し接着
に有効な樹脂量が不足して、接着力や信頼性が低下する
という問題がある。
【0020】本発明で用いられる有機過酸化物としては
特に限定されるものではなく、例えば、1,1,3,3
−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネ
ート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネー
ト、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサネー
ト、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,
5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘ
キシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘ
キサン、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオ
キシジカーボネート等が挙げられる。これらの過酸化物
は単独あるいは硬化性をコントロールするため2種類以
上の有機過酸化物を混合して用いることも可能である。
また、保存性を改良するため各種重合禁止剤を予め添加
しておく事も可能である。さらに樹脂への溶解作業を容
易にするため溶剤等に希釈して用いる事もできる。本発
明で用いられる有機過酸化物の種類や配合量は各過酸化
物を配合した場合の接着剤の硬化性と保存性との兼ね合
いで決定することもできる。
【0021】本発明で用いられるフェノキシ樹脂として
は(2)式の構造を有するものであればとくに限定され
るものではなく、これらの各種構造を有するフェノキシ
樹脂を単独或いは2種以上併用して用いても良い。ま
た、これらのフェノキシ樹脂のなかでも、数平均分子量
で1万から10万の範囲にあることがより望ましい。こ
の範囲より小さい分子量では、靭性が不足し接着力が低
下する可能性がある。また、この範囲より大きい分子量
では、熱圧着時の樹脂流動性が不足し、接続抵抗が上昇
する可能性がある。また、他の熱可塑性エラストマーと
して、例えばポリイミド樹脂、ポリブタジエン、ポリプ
ロピレン、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、
ポリアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ブチ
ルゴム、クロロプレンゴム、ポリアミド樹脂、アクリロ
ニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブ
タジエン−メタクリル酸共重合体、アクリロニトリル−
ブタジエン−スチレン共重合体、ポリ酢酸ビニル樹脂、
ナイロン、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−
ブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチ
レン−ブチレン−スチレンブロック共重合体、ポリメチ
ルメタクリレート樹脂などを併用することも可能であ
る。フェノキシ樹脂の配合量としては、樹脂成分中に1
0〜90重量%を占めるのが好ましく、90重量%を越
えると樹脂全体としての流動性が低下し、結果として被
着体に対する濡れ性が低下するため、当初の接着性向上
効果が得られないという問題や初期の接続抵抗が上昇す
るなどの問題があり、10重量%より少ない場合には、
逆に樹脂全体としての流動性が大きすぎて被着体の接着
部より外側へ樹脂が流れ出し接着に有効な樹脂量が不足
して、接着力や信頼性が低下するという問題がある。
【0022】本発明におけるリン酸エステルとは、
(3)式で表されるものであれば特に限定される物では
なく、単独或いは2種以上併用して用いても良い。具体
的なリン酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリ
ロイルオキシエチルアシッドホスフェート、(メタ)ア
クリロイルオキシプロピルアシッドホスフェート、(メ
タ)アクリロイルオキシイソプロピルアシッドホスフェ
ート、(メタ)アクリロリルオキシポリオキシエチレン
グリコールアシッドホスフェート、(メタ)アクリロイ
ルオキシポリオキシプロピレングリコールアシッドホス
フェート、カプロラクトン変性(メタ)アクリロイルオ
キシエチルアシッドホスフェート、ジ(メタ)アクリロ
イルオキシプロピルアシッドホスフェート、ジ[カプロ
ラクトン変性(メタ)アクリロイルオキシエチル]アシ
ッドホスフェート等が挙げられる。(3)式以外のリン
酸エステルでは、ラジカル重合性樹脂と被着体の金属部
分とのカップリング効果は低く、(3)式のリン酸エス
テルのみが比較的低温短時間でカップリング効果を得る
ことが出来る。リン酸エステルの配合量としては、樹脂
成分中に0.1〜20重量%を占めるのが好ましい。
0.1重量%より少ないと金属に対する接着力が不足
し、被着体端子との密着力不足から信頼性低下を生じる
という問題があり、20重量%を越えると接着性樹脂や
その硬化物の吸湿性が増すため、保存性低下や信頼性低
下を生じるという問題がある。
【0023】本発明に用いられる導電性粒子は、導電性
を有するものであれば特に制限するものではなく、例え
ば、ニッケル、鉄、銅、アルミニウム、錫、鉛、クロ
ム、コバルト、銀、金など各種金属や金属合金、金属酸
化物、カーボン、グラファイト、ガラスやセラミック、
プラスチック粒子の表面に金属をコートしたもの等が適
用できる。これらの導電性粒子の粒径や材質、配合量
は、接続したい回路のピッチやパターン、回路端子の厚
みや材質等によって適切なものを選ぶことができること
当然である。
【0024】また、より接着性を高めるため、例えば、
β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメト
キシシラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エ
チルトリエトキシシラン、β−(3,4エポキシシクロ
ヘキシル)エチルジメトキシメチルシラン、β−(3,
4エポキシシクロヘキシル)エチルメトキシジメチルシ
ラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルジ
エトキシエチルシラン、β−(3,4エポキシシクロヘ
キシル)エチルエトキシジエチルシラン,γ−グリシド
キシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピル
メチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメ
トキシジメチルシラン、γ−グリシドキシプロピルエチ
ルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエトキ
シジエチルシラン等のシランカップリング剤を被着体に
合わせて併用することも可能である。
【0025】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例により説明
する。なお、表1に本発明の実施例及び比較例で使用し
た物質の一覧を示す。
【0026】
【表1】
【0027】
【化9】
【0028】
【化10】
【0029】
【化11】
【0030】<実施例1>表2に示すように、(1)式
の構造を有するウレタンアクリレート樹脂(n=10)
を500重量部、及び1,1,3,3−テトラメチルブ
チルパーオキシヘキサノエート2重量部、(6)式に示
されるフェノキシ樹脂(Mn=5万)をメチルエチルケ
トンに溶解した20%溶液を500重量部、カプロラク
トン変性(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホ
スフェートを2重量部、Ni/Auメッキポリスチレン
粒子2.8重量部を混合し、均一に分散させた後、離型
処理を施したポリエチレンテレフタレートフィルム上に
乾燥後の厚さが45μmになるように流延・乾燥して異
方導電性接着剤を得た。
【0031】<実施例2〜実施例12>表2に示す配合
により、実施例1と同様に異方導電性電接着剤を得た。
【0032】<比較例1〜8>表2に示す配合により、
実施例1と同様にして異方導電性接着剤を得た。
【0033】上記、実施例・比較例によって得られた異
方導電性接着剤は、以下に示す方法で評価した。 <異方導電性接着剤評価方法> 1.評価サンプルの作製 被着体は銅箔/ポリイミド=25/75μmに0.5μ
mの錫メッキを施したTCP(ピッチ0.30mm、端
子数60本)を150℃で90分間ベーキングしたもの
及び0.8mm厚4層板(FR−4)内層・外層銅箔
18μmフラッシュ金メッキPCB(ピッチ0.30m
m、端子数60本)を用いた。 2.接着強度測定方法 150℃、30kg/cm2、15sの条件で圧着し、9
0°剥離試験によって評価を行った。 3.接続信頼性測定方法 サンプル作製直後および温度−40℃〜150℃の熱衝
撃試験、100回処理後の接続抵抗を測定した。測定で
きないものを導通不良(OPEN)とした。 4.保存性測定方法 異方導電フィルムを25℃雰囲気中に4週間保存後、1
50℃、30kg/cm2、15sの条件で圧着し、接続
抵抗を測定した。1.5Ω以下を○、1.5Ωを越える
と×とした。
【0034】
【表2】
【0035】
【発明の効果】本発明の異方導電性接着剤を用いること
により150℃前後の低温での微細な回路電極の接続が
可能であり、優れた耐熱性、接着性および接続信頼性が
得られ、極めて低温・短時間での接続も可能であり、接
着性、接続信頼性、保存安定性、リペア性にも優れた異
方導電性接着剤が得られる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01B 1/20 H01B 1/20 D 5/16 5/16 H01R 11/01 H01R 11/01 C Fターム(参考) 4J040 EE061 EF221 EF321 FA211 FA281 FA291 GA07 GA08 GA27 HA026 HA036 HA066 HA136 HA346 HB41 JB02 JB10 KA03 KA07 KA12 KA32 LA01 LA05 LA06 LA07 LA09 NA19 PA40 5G301 DA05 DA10 DA29 DA42 DA59 DD03 5G307 HA02 HB01 HB02 HB03 HB05 HC01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 接着性樹脂組成物中に導電性粒子を分散
    して得られる異方導電性接着剤において、その接着性樹
    脂組成物が(1)式に示される構造を有するウレタンア
    クリレート樹脂、有機過酸化物、(2)式で表されるフ
    ェノキシ樹脂、および(3)式で表されるリン酸エステ
    ルからなることを特徴とする異方導電性接着剤。 【化1】 【化2】 【化3】
  2. 【請求項2】 (1)式で示されるウレタンアクリレー
    ト樹脂における繰り返し単位の数nが5〜20である請
    求項1記載の異方導電性接着剤。
  3. 【請求項3】 (2)式で表されるフェノキシ樹脂の数
    平均分子量が1万〜10万の範囲である請求項1記載の
    異方導電性接着剤。
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Cited By (6)

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