JP2007165052A - 異方導電性フィルム - Google Patents

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Abstract


【課題】面方向に隣接する端子間の短絡を防止し、上下の端子を確実に接続することができ、接続抵抗の上昇を抑制することができる異方導電性フィルムを提供することである。
【解決手段】異方導電性フィルム1は、絶縁性接着剤フィルム11と、導電性粒子12とを有する。異方導電性フィルム1を挟んで対向配置される接続部材(端子312、ITO膜322)を接続する前において、接続部材間に挟まれる導電性粒子数をAとし、接続部材を接続した後の接続部材間に存在する導電性粒子数をBとした場合、B/Aで示される異方導電性フィルム1の捕捉率の平均値は25%以上である。また、異方導電性フィルム1の樹脂フロー係数は、1.2以上、2.0以下であり、昇温速度10℃/分、周波数0.1Hzでの動的粘弾性測定において、異方導電性フィルム1の粘度上昇が始まる温度が60℃以上、130℃以下である。
【選択図】 図3

Description

本発明は、異方導電性フィルムに関する。
近年、液晶ディスプレイ(LCD)とテープキャリアパッケージ(TCP)との接続、TCPと印刷回路基板(PCB)との接続等の微細な回路接続の必要性が増大してきている。その接続方法には、絶縁性接着剤フィルム中に導電性粒子を分散させた異方導電性フィルムを使用する方法が用いられている。
この方法は、接続したい端子間に異方導電性フィルムを挟み加熱加圧することにより、面方向の隣接端子間では電気的絶縁性を保ちつつ、上下端子間では電気的に導通させるものである。
より詳細に説明すると、上下に対向する端子間で、異方導電性フィルムを挟むことで、導電性粒子が上下端子間に挟まれることとなり、電気的な接続が形成される。
一方で、面方向に隣接する端子間では、導電性粒子同士が接触していないため、電気的絶縁性が確保されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003‐208931号公報
近年、配線の高密度化や、回路の高精細化が進んでおり、異方導電性フィルムにより接続する端子の幅や、面方向に隣接する端子間のスペースが小さくなっている。
上下の端子の接続には、上下の端子間に少なくとも5個以上の導電性粒子が必要であると言われているが、端子の幅が狭くなるにつれて、上下の端子間に存在する導電性粒子数が少なくなってしまう。
そこで、異方導電性フィルム中の導電性粒子数を増加する方法が考えられる。
しかしながら、異方導電性フィルム中の導電性粒子数を増加させると、上下の端子を接続した際に、面方向に隣接する端子間に多量の導電性粒子が存在することとなり、面方向に隣接する端子間の短絡を起こす可能性がある。
本発明者らは、面方向に隣接する端子間の短絡を防止するとともに、上下の端子を確実に接続するためには、導電性粒子の捕捉率をあげることが重要であると考えた。
ここで、捕捉率を上げるには、上下の端子を接続する際に、上下の端子間にある導電性粒子が面方向に隣接する端子間に逃げないようにする必要がある。導電性粒子が面方向に隣接する端子間に逃げないようにするためには、例えば、異方導電性フィルムの流動性を低くするとともに、異方導電性フィルムの粘度上昇が始まる温度を低くする(硬化が低温で始まるようにする)こと等が考えられる。しかしながら、この場合、上下の端子間に絶縁性接着剤フィルムを構成する樹脂が多量に残存し、接続抵抗値が上がってしまうというと考えられる。
本発明の目的は、面方向に隣接する端子間の短絡を防止するとともに、上下の端子を確実に接続することができ、さらには、接続抵抗値の上昇を抑えることができる異方導電性フィルムを提供することである。
本発明者らは、異方導電性フィルムの流動性、粘度上昇が始まる温度等を適宜、調整することにより、従来にはない、高い捕捉率を有するとともに、接続抵抗値の上昇を防止した異方導電性フィルムを発案するに至った。
本発明によれば、絶縁性接着剤フィルムと、この絶縁性接着剤フィルムに固定された導電性粒子とを有する異方導電性フィルムであって、当該異方導電性フィルムを挟んで一対の接続部材を対向配置し、前記一対の接続部材を接続する前における、前記一対の接続部材間に存在する導電性粒子数をAとし、前記一対の接続部材を接続した後の前記一対の接続部材間に存在する導電性粒子数をBとした場合、(B/A)×100(%)で示される捕捉率の平均が25%以上であり、樹脂フロー係数が1.2以上、2.0以下であり、昇温速度10℃/分、周波数0.1Hzでの動的粘弾性測定において、前記異方導電性フィルムの粘度上昇が始まる温度が60℃以上、130℃以下であることを特徴とする異方導電性フィルムが提供される。
このような発明によれば、捕捉率の平均を25%以上としているため、本発明の異方導電性フィルムを挟んで上下に配置される端子を接続する際に、上下の端子間に残る導電性粒子数を増加させることができる。
これにより、導電性粒子の数を増加させることなく、端子間の接続を確実に確保することができる。そのため、面方向に隣接する端子間の短絡を防止することができる。
さらに、本発明では、異方導電性フィルムの樹脂フロー係数を1.2以上、2.0以下としている。
異方導電性フィルムの樹脂フロー係数を1.2以上とすることで、異方導電性フィルムを挟んで上下に配置される端子を接続する際に、異方導電性フィルムの流動性を確保することができ、端子間の接続抵抗値の上昇を抑えることができる。
また、異方導電性フィルムの樹脂フロー係数を2.0以下とすることで、異方導電性フィルムを挟んで上下に配置される端子を接続する際に、異方導電性フィルムが過度に流動してしまうことを防止することができ、捕捉率の平均値を25%以上とすることが可能となる。
また、本発明の異方導電性フィルムは、昇温速度10℃/分、周波数0.1Hzでの動的粘弾性測定において、粘度上昇が始まる温度が、60℃以上、130℃以下となっている。
異方導電性フィルムの粘度上昇が始まる温度が、60℃以上であるため、異方導電性フィルムの反応性が高すぎず、異方導電性フィルムを保存性のよいものとすることができる。
また、前述したように、一対の端子を接続する際には、端子間に異方導電性フィルムを挟み加熱加圧する。ここで、異方導電性フィルムが低温で硬化してしまうと、異方導電性フィルムが充分に流動しないため、端子間の接続抵抗が高くなってしまう。
これに対し、本発明では、異方導電性フィルムの粘度上昇が始まる温度を60℃以上としているため、一対の端子を接続する際に、異方導電性フィルムが低温で硬化してしまうことを防止することができる。これにより、端子間の接続抵抗の上昇を抑えることができる。
さらに、異方導電性フィルムの粘度上昇が始まる温度を130℃以下としているので、端子同士を異方導電性フィルムで接続する際に、異方導電性フィルムの硬化の開始が遅くなり、異方導電性フィルムが過度に流動してしまうことを防止できる。これにより、捕捉率の低下を防止することができ、捕捉率の平均を25%以上とすることができる。
さらに、本発明では、複数の前記導電性粒子のうち、少なくとも一部の導電性粒子は前記絶縁性接着剤フィルムの表面から露出していることが好ましい。
少なくとも一部の導電性粒子を絶縁性接着剤フィルムの表面から露出させることで、一対の接続部材を接続する際に、接続部材と、導電性粒子との間に摩擦が生じる。これにより、導電性粒子は、一対の接続部材間に挟まれやすくなる。そのため、捕捉率が高まることとなり、捕捉率の平均が25%以上の異方導電性フィルムを実現することが可能となる。
さらに、本発明では、前記絶縁性接着剤フィルムは、エポキシ樹脂と、エラストマーと、マイクロカプセル化イミダゾール誘導体エポキシ化合物とを含有し、エポキシ樹脂と、マイクロカプセル化イミダゾール誘導体エポキシ化合物との合計100重量部に対して、前記エラストマーが10重量部以上、200重量部以下であることが好ましい。
このようにすることで、絶縁性接着剤フィルムの流動性が調整され、捕捉率の平均が25%以上の異方導電性フィルムを実現することが可能となる。
また、本発明では、前記絶縁性接着剤フィルムは、マイクロカプセル化イミダゾール誘導体エポキシ化合物を含有し、前記マイクロカプセル化イミダゾール誘導体エポキシ化合物のカプセル膜厚が0.2μm未満であることが好ましい。
潜在性硬化剤であるマイクロカプセル化イミダゾール誘導体エポキシ化合物のカプセル膜厚を0.2μm未満とすることで、絶縁性接着剤フィルムの硬化速度を速めることができる。絶縁性接着剤フィルムの硬化速度を速めることで、一対の接続部材を接続する際に、接続部材間に存在する導電性粒子が、接続部材の外方に流れにくくなる。これにより、捕捉率が高まることとなり、捕捉率の平均が25%以上の異方導電性フィルムを実現することが可能となる。
また、本発明では、前記絶縁性接着剤フィルムは、ラジカル重合性樹脂と、ラジカル開始剤と、エラストマーとを含有し、前記ラジカル重合性樹脂と前記エラストマーとの重合比が30:70〜80:20であるものであってもよい。
このようにすることで、絶縁性接着剤フィルムの流動性が調整され、捕捉率の平均が25%以上の異方導電性フィルムを実現することができるとともに、接着性、接続信頼性および作業性のバランスに優れた異方導電性フィルムを提供することができる。
この際、前記ラジカル重合性樹脂と前記エラストマーとの合計100重量部に対して、ラジカル開始剤が0.1重量部以上、10重量部以下であることが好ましい。
ラジカル開始剤が0.1重量部未満であると、上下の端子を接続する際の熱圧着時に発生するラジカルが足りなくなり、ラジカル重合性樹脂の重合反応が進行せず、接着性及び接続信頼性が低下する。
また、ラジカル開始剤が10重量部を超えてしまうと、熱圧着時にラジカル重合樹脂の重合反応が爆発的に起こるため、上下の端子間の樹脂が排除出来ず、接続抵抗値が高くなってしまう。これに加え、熱圧着時にラジカル重合樹脂の重合反応が爆発的に起こるため、気泡が多数発生するため接着性が低下する。
ラジカル重合性樹脂とエラストマーとの合計100重量部に対して、ラジカル開始剤を0.1重量部以上、10重量部以下とすることで、このような問題が生じない。
さらには、前記導電性粒子の径は、3μm以上であることが好ましい。
導電性粒子の径は、3μm以上であることが好ましいが、なかでも、3μm以上、5μm以下であることが好ましい。
導電性粒子の径を3μm以上とすることで、一対の接続部材間に導電性粒子が挟まりやすくなる。これにより、捕捉率が高まることとなり、捕捉率の平均が25%以上の異方導電性フィルムを実現することが可能となる。
本発明によれば、面方向に隣接する端子間の短絡を防止するとともに、上下の端子を確実に接続することができ、さらに、接続抵抗の上昇を抑制することができる異方導電性フィルムが提供される。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1および図2には、本実施形態にかかる異方導電性フィルム1が示されている。
まず、異方導電性フィルム1の概要について説明する。
異方導電性フィルム1は、絶縁性接着剤フィルム11と、絶縁性接着剤フィルム11に固定された導電性粒子12とを有する。
異方導電性フィルム1を挟んで対向配置される接続部材(端子312、ITO膜322、図3参照)を接続する前において、一対の接続部材(端子312、ITO膜322)間に挟まれる導電性粒子数をAとし、一対の接続部材(端子312、ITO膜322)を接続した後の接続部材(端子312、ITO膜322)間に存在する導電性粒子数をBとした場合、B/Aで示される異方導電性フィルム1の捕捉率の平均は25%以上である。
本実施形態の異方導電性フィルム1では、捕捉率の平均を25%以上としているため、異方導電性フィルム1を挟んで上下に配置される端子41,51(図9参照)を接続する際に、端子41,51間に残る導電性粒子12の数を増加させることができる。
これにより、導電性粒子12の数を増加させることなく、端子41,51間の接続を確保することができる。そのため、面方向に隣接する端子41間,端子51間の短絡を防止することができる。
また、異方導電性フィルム1の樹脂フロー係数は、1.2以上、2.0以下である。
異方導電性フィルム1の樹脂フロー係数を1.2以上とすることで、異方導電性フィルムを挟んで上下に配置される端子41,51を接続する際に、異方導電性フィルム1の流動性を確保することができ、端子41,51間の接続抵抗の上昇を抑えることができる。
ここで、異方導電性フィルム1の樹脂フロー係数は、1.5以上であることがさらに好ましい。
また、異方導電性フィルム1の樹脂フロー係数を2.0以下とすることで、異方導電性フィルム1を挟んで上下に配置される端子41,51を接続する際に、異方導電性フィルム1が過度に流動してしまうことを防止することができ、捕捉率の平均値を25%以上とすることができる。
ここで、異方導電性フィルム1の樹脂フロー係数は、1.9以下であることがさらに好ましい。
さらに、異方導電性フィルム1は、昇温速度10℃/分、周波数0.1Hzでの動的粘弾性測定において、粘度上昇が始まる温度が60℃以上、130℃以下である。
異方導電性フィルム1の粘度上昇が始まる温度が、60℃以上であるため、異方導電性フィルム1が常温付近で硬化せず、異方導電性フィルム1の保存性を高めることができる。
また、端子41,51を接続する際には、端子41,51間に異方導電性フィルム1を挟み加熱加圧する。ここで、異方導電性フィルム1が低温で硬化してしまうと、異方導電性フィルム1が充分に流動しないため、端子41,51間の接続抵抗が高くなってしまう。
これに対し、本実施形態では、異方導電性フィルム1の粘度上昇が始まる温度を60℃以上としているため、端子41,51を接続する際に、異方導電性フィルム1が低温で硬化してしまうことを防止することができる。これにより、端子41,51間の接続抵抗の上昇を抑えることができる。
さらに、異方導電性フィルム1の粘度上昇が始まる温度を130℃以下としているので、端子41,51同士を異方導電性フィルム1で接続する際に、異方導電性フィルム1の硬化の開始が遅くなり、異方導電性フィルム1が過度に流動してしまうことを防止できる。これにより、捕捉率の低下を防止することができ、捕捉率の平均を25%以上とすることができる。
ここで、異方導電性フィルム1の粘度上昇が始まる温度は、100℃以下であることがより好ましい。
また、異方導電性フィルム1の粘度上昇が始まる温度は、80℃以上であることがより好ましい。
次に、この異方導電性フィルム1について詳細に説明する。
(絶縁性接着剤フィルム11について)
絶縁性接着剤フィルム11は、長尺状に延びるフィルムである。
この絶縁性接着剤フィルム11の材料としては、特に限定されず、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等を使用することができる。
なかでも、
(i)エラストマー、エポキシ樹脂、カップリング剤、潜在性硬化剤としてマイクロカプセル化イミダゾール誘導体エポキシ化合物を含有するもの、或いは、
(ii)エラストマー、ラジカル重合性樹脂、ラジカル開始剤を含有するもの
が好ましい。
(i)の組成、(ii)の組成におけるエラストマーは、特に限定するものではないが、フィルム形成性があるようなもの、例えば、フェノキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリブタジエン、ポリプロピレン、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ブチルゴム、クロロプレンゴム、ポリアミド樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−メタクリル酸共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリ酢酸ビニル樹脂、ナイロン、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体などを用いることができ、単独、あるいは2種以上混合しても良い。
また、エラストマーとして、ニトリル基とエポキシ基を有する樹脂を用いることができる。このような樹脂として、たとえばアクリルゴムを用いることができる。
アクリルゴムとしては、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルまたはアクリロニトリルのうち少なくともひとつをモノマー成分とした重合体または共重合体があげられ、中でもグリシジルエーテル基を含有するグリシジルアクリレートやグリシジルメタクリレートを含む共重合体系アクリルゴムが好適に用いられる。
アクリルゴムは、具体的には、たとえば、下記一般式(1)で示される化合物とすることができる。
Figure 2007165052
ただし、上記一般式(1)において、R1、R2は、それぞれ独立に、水素、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基のいずれかを示す。また、R1とR2とが同じ基であっても異なる基であってもよい。
さらに、R3は、水素、メチル基のいずれかを示す。
また、上記一般式(1)において、Xは40mol%以上98.5mol%以下、Yは1mol%以上50mol%以下、Zは0.5mol%以上10mol%以下である。また、上記一般式(1)に示したアクリルゴムの分子量は、たとえば、10000以上1500000以下である。上記一般式(1)に示したアクリルゴムを用いることにより、密着性および接続信頼性をさらに向上させることができる。
(i)の組成のエポキシ樹脂は、1分子中に少なくとも2個以上のエポキシ基を有するものであればよい。たとえば、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂またはナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂とすることができる。また、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等を用いてもよい。エポキシ樹脂は、これらに限定されるものではなく、単独でも混合して用いても差し支えない。
(i)の組成のマイクロカプセル化イミダゾール誘導体エポキシ化合物の粒子の平均粒径は、たとえば0.1μm以上、好ましくは1μm以上とすることができる。
マイクロカプセル化イミダゾール誘導体エポキシ化合物粒子の平均粒径は、たとえば3μm以下であり、好ましくは2μm以下である。
このように、マイクロカプセル化イミダゾール誘導体エポキシ化合物粒子の平均粒径を3μm以下とすることで、潜在性硬化剤と樹脂との反応点の増加により硬化反応性を高め、低温でかつ短時間での接続が可能となる。
絶縁性接着剤フィルム11の硬化速度を速めることで、一対の接続部材(端子312、ITO膜322)を接続する際に、接続部材(端子312、ITO膜322)間に存在する導電性粒子12が、接続部材(端子312、ITO膜322)の外方に流れにくくなる。これにより、捕捉率が高まることとなり、捕捉率の平均が25%以上の異方導電性フィルム1を実現することが可能となる。
なかでも、マイクロカプセル化イミダゾール誘導体エポキシ化合物粒子の平均粒径を2μm以下とすることで、より顕著に捕捉率を高めることが可能となる。
なお、マイクロカプセル化イミダゾール誘導体エポキシ化合物の平均粒径は、レーザー回折型測定装置RODOS SR型(SYMPATEC HEROS&RODOS)での体積換算平均粒径とした。
また、マイクロカプセル化イミダゾール誘導体エポキシ化合物のカプセル膜厚は、0.001μm以上、好ましくは0.01μm以上とすることができる。こうすることにより、カプセルの強度を充分に確保するとともに、欠陥のないカプセルを作製することができる。
さらに、マイクロカプセル化イミダゾール誘導体エポキシ化合物のカプセル膜厚は、たとえば0.2μm未満、さらには、0.1μm以下とすることがより好ましい。こうすることにより、カプセルが破壊するまでの時間を充分に短くすることができる。
これにより、絶縁性接着剤フィルム11の硬化速度を速めることができ、一対の接続部材(端子312、ITO膜322)を接続する際に、接続部材(端子312、ITO膜322)間に存在する導電性粒子が、接続部材(端子312、ITO膜322)の外方に流れにくくなる。これにより、捕捉率が高まることとなり、捕捉率の平均が25%以上の異方導電性フィルム1を実現することが可能となる。
なお、マイクロカプセル化イミダゾール誘導体エポキシ化合物のカプセル膜厚は、たとえばマイクロカプセル化イミダゾール誘導体エポキシ化合物の断面の透過型電子顕微鏡(TEM)観察により求めることができる。
マイクロカプセル化イミダゾール誘導体エポキシ化合物は、イミダゾール誘導体とエポキシ化合物との反応生成物をマイクロカプセル化し微粉末化したものであれば特に限定するものではない。マイクロカプセル化イミダゾール誘導体エポキシ化合物とイソシアネート化合物とを反応させ、耐薬品性および貯蔵安定性を高めたものもさらに好適である。
マイクロカプセル化イミダゾール誘導体エポキシ化合物に用いるエポキシ化合物としては、たとえば、ビスフェノールA、ビスフェノールFおよびブロム化ビスフェノールA等のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ダイマー酸ジグリシジルエステル、フタル酸ジグリシジルエステル等が挙げられる。
また、ここで用いられるイミダゾール誘導体としては、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−エチルイミダゾール、1−ベンジル−2−エチル−5−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシジメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール等が挙げられる。
マイクロカプセル化イミダゾール誘導体エポキシ化合物の添加量は特に限定するものではないが、エラストマーとエポキシ樹脂の合計100重量部に対して5重量部以上200重量部以下であることが好ましい。配合量が大きすぎると、異方導電性フィルム1の耐熱性や耐湿性が低下するため、接続信頼性が低下する懸念がある。また、配合量が小さすぎると、硬化性の低下が懸念される。
なお、マイクロカプセル化イミダゾール誘導体エポキシ化合物は、配合品を用いてもよい。たとえば、マイクロカプセル化イミダゾール誘導体エポキシ化合物とエポキシ樹脂との配合品を用いてもよい。この場合、マイクロカプセル化イミダゾール誘導体エポキシ化合物の配合品に含まれるエポキシ樹脂の量を考慮して、マイクロカプセル化イミダゾール誘導体エポキシ化合物の添加量をたとえば上記範囲に調製することができる。
ここで、(i)の組成において、エラストマーの配合量は特に限定されないが、エポキシ樹脂とマイクロカプセル化イミダゾール誘導体エポキシ化合物の合計100重量部に対して10重量部以上、200重量部以下であることが好ましい。
このようにすることで、絶縁性接着剤フィルム11の流動性が調整され、捕捉率が25%以上の異方導電性フィルム1を実現することが可能となる。
(ii)の組成におけるラジカル重合性樹脂としては、特に限定されるものではなく、分子中に一個以上の炭素−炭素二重結合を有し、ラジカル重合可能なものであればよい。例えば、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、(メタ)アクリレート樹脂、マレイミド樹脂、フェノール性水酸基を有する(メタ)アクリロイル化フェノールノボラック樹脂などが挙げられる。中でも硬化性と保存性、硬化物の耐熱性、耐湿性、耐薬品性を兼ね備えた(メタ)アクリレート樹脂を好適に用いることができる。(メタ)アクリレート樹脂としては、例えば、ウレタンアクリレート 、ポリエステルアクリレート 、エポキシアクリレート等があげられる。
これらの樹脂は、単独で使用してもよく、二種以上混合して使用してもよい。
(ii)の組成におけるラジカル開始剤としては、例えば、有機過酸化物や、アゾビスイソブチロニトニル等のアゾ系化合物を使用することができる。
なかでも、有機過酸化物を使用することが好ましい。
ここで、有機過酸化物としては、例えば1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等が挙げられる。これらの有機過酸化物は単独あるいは2種類以上を混合して用いることが可能である。
ここで、(ii)の組成において、ラジカル重合性樹脂とエラストマーとの重合比が30:70〜80:20であることが好ましい。
このようにすることで、絶縁性接着剤フィルム11の流動性が調整され、捕捉率の平均が25%以上の異方導電性フィルムを実現することができるとともに、接着性、接続信頼性および作業性のバランスに優れた異方導電性フィルム1を提供することができる。
さらに、ラジカル重合性樹脂とエラストマーとの合計100重量部に対して、ラジカル開始剤が0.1重量部以上、10重量部以下であることが好ましい。
ラジカル開始剤が0.1重量部未満であると、上下の端子41,51を接続する際の熱圧着時に発生するラジカルが足りなくなり、ラジカル重合性樹脂の重合反応が進行せず、接着性及び接続信頼性が低下する。
また、ラジカル開始剤が10重量部を超えてしまうと、熱圧着時にラジカル重合樹脂の重合反応が爆発的に起こるため、上下の端子41,51間の樹脂が排除出来ず、接続抵抗が高くなってしまう。これに加え、気泡が多数発生するため接着性が低下する。
ラジカル重合性樹脂とエラストマーとの合計100重量部に対して、ラジカル開始剤を0.1重量部以上、10重量部以下とすることで、このような問題が発生することを防止できる。
(その他)
以上のような絶縁性接着剤フィルム11には、必要に応じてカップリング剤を適量添加してもよい。カップリング剤を添加することにより、絶縁性接着剤フィルム11の接着界面の接着性を改質することができる。また、絶縁性接着剤フィルム11の耐熱性、耐湿性を向上することができる。
カップリング剤としては特に限定するものではないが、シランカップリング剤を好適に使用することができ、たとえば、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ―メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等が挙げられるが、1種あるいは2種以上混合してもよい。
さらに、絶縁性接着剤フィルム11には、樹脂の相溶性、安定性、作業性等の各種特性向上のため、各種添加剤、たとえば、非反応性希釈剤、反応性希釈剤、揺変性付与剤、増粘剤、無機充填剤等を適宜添加してもよい。
(導電性粒子12について)
本発明に用いられる導電性粒子12の組成は限定されるものではない。導電性粒子12の粒径や材質、配合量は接続する端子のピッチやパターン、端子の厚みや材質等に応じて適宜選択することができる。たとえば、金属粒子や、樹脂製の核材に金属被覆をした粒子を用いることができる。
金属粒子としては、金、銀、亜鉛、錫、半田、インジウム、パラジウム等の単体もしくは2種以上を組み合わせてもよい。
また、樹脂製の核材に金属被覆をした導電性粒子を使用する場合には、樹脂製の核材として、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体などのポリマーの中から選択することができ、これらのポリマーを単体で使用してもよく、また、2種以上組み合わせたものを使用してもよい。
また、金属薄膜皮膜としては、金、ニッケル、銀、銅、亜鉛、錫、インジウム、パラジウム、アルミニウムなどの中から選択することができ、これらの金属を単体で使用してもよく、2種以上組み合わせてよい。
金属薄膜皮膜の厚さに特に制限はないが、たとえば0.01μm以上、1μm以下とすることができる。金属薄膜皮膜の厚さが薄すぎると、接続が不安定になり、厚すぎると凝集が生じるため、絶縁不良を起こす可能性がある。また、金属薄膜皮膜は、樹脂製の核材の表面に均一に被覆されていることが好ましい。均一に被覆することにより、皮膜のむらや欠けをなくし、電気的接続性を向上させることができる。
また、導電性粒子12の径は、3μm以上であることが好ましく、なかでも、3μm以上、5μm以下であることが好ましい。
導電性粒子12の径を3μm以上とすることで、異方導電性フィルム1を挟んで配置される接続部材(端子312、ITO膜322)に導電性粒子12が挟まりやすくなる。これにより、導電性粒子12の捕捉率を高め、捕捉率25%以上の異方導電性フィルム1を実現することができる。
このような導電性粒子12は、図1に示すように、絶縁性接着剤フィルム11のフィルム面を平面視した場合に、多数列配列されている。
絶縁性接着剤フィルム11に固着された導電性粒子12の一部は、一次粒子となっており、残りは、凝集した二次凝集粒子である。
導電性粒子12の各列は、互いに平行に配置されており、絶縁性接着剤フィルム11の長手方向(X軸方向)に沿って並んでいる。また、導電性粒子12の各列は、絶縁性接着剤フィルム11の長手方向(図1のX軸方向)に対し、傾斜している。
さらに各列の傾斜角度θは、前記絶縁性接着剤フィルム11の長手方向と略直交する方向(図1のY軸方向)に対し、15°以下である。
導電性粒子12の列の傾斜角度を絶縁性接着剤フィルム11の長手方向と略直交する方向に対し、15°以下とすることで、上下の端子41,51間の接続抵抗のばらつきを抑えることができることができる。
すなわち、導電性粒子12の列の傾斜角度を15°以下とすることで、端子41,51の配置位置によらず、端子41,51の辺に沿って配置される導電性粒子12の数を低減できるとともに、上下の端子41,51の配置位置による上下の端子41,51間に存在する導電性粒子12の数のばらつきを抑えることができるのである。
なかでも傾斜角度θは、3°以上、10°以下であることが好ましい。
傾斜角度を3°未満とした場合には、絶縁性接着剤フィルム11に対し、端子41,51がわずかに傾いて設置された場合に、端子41,51の辺と導電性粒子12の列の傾きとが略等しくなって、端子41,51の辺上に多くの導電性粒子12が配置されることとなる。そのため、絶縁性接着剤フィルム11に対し、端子41,51を傾き無く正確に配置する必要があり、端子41,51の設置に手間を要する。
傾斜角度を3°以上とすることでこのような問題が生じにくくなる。
また、傾斜角度を10°以下とすることで異方導電性フィルムの製造を容易化することができる。
本実施形態では、導電性粒子12の配列の各列の配列ピッチDは、各列における隣接する導電性粒子12のピッチdよりも小さく、配列ピッチDと、ピッチdとは異なっている。
ここで、D/dは、1/5以上であることが好ましい。
なかでも、D/dは、1/3以上、2以下とすることが好ましい。
D/dを2を超えるものとした場合には、面方向に隣接する端子41間、端子51間の間隔や、各列における導電性粒子12のピッチdにもよるが、導電性粒子12の各列の配列ピッチDが広くなってしまい、端子41,51上に存在する導電性粒子12の数が少なくなってしまう可能性がある。この場合には、安定した接続抵抗を得ることが困難となる可能性がある。
一方で、D/dを1/5未満とした場合には、導電性粒子12の各列の配列ピッチDが小さくなるとともに、各列における導電性粒子12のピッチdが大きくなる。この場合には、絶縁性接着剤フィルム11の長手方向に沿って、導電性粒子12が密に配置する可能性がある。そのため、面方向に隣接する端子51間、端子41間での短絡が起こりやすくなる。
また、面方向に隣接する端子51間、端子41間の短絡を防止するために、導電性粒子12の各列の配列ピッチDを広くとってしまうと、各列における導電性粒子12間のピッチdが非常に広くなってしまうため、端子51,41上に存在する導電性粒子12の数が少なくなってしまう可能性がある。
なお、D/dは、1/5以上であればよいが、D/dを1/3以上とすることでこのような課題を確実に解決することが可能となる。
例えば、本実施形態では、各列の配列ピッチDは、30μmであり、各列における導電性粒子12のピッチdは、39μmである。
なお、配列ピッチDは、絶縁性接着剤フィルム11の長手方向に隣接する各列の導電性粒子12の略中心間を結んだ距離である。また、ピッチdは各列における導電性粒子12の略中心間を結んだ距離である。
さらに、導電性粒子12の各列の配列ピッチDは、接続すべき端子51,41の幅寸法(端子51,41の異方導電性フィルム1の長手方向に沿った幅寸法)Wよりも大きくなっている。例えば、Dは30μmであり、Wは、20μmである。
なお、端子51,41は、平面略矩形形状であり、その長手方向が、絶縁性接着剤フィルム11の短辺方向(Y軸方向)に沿って延びるように配置される。
また、導電性粒子12は、絶縁性接着剤フィルム11の一方の表面側に固着しており、図2に示すように、複数の導電性粒子12のうち、一部の導電性粒子12が絶縁性接着剤フィルム11の表面から突出して配置されている。他の一部の導電性粒子12は、絶縁性接着剤フィルム11内部に埋没している。
絶縁性接着剤フィルム11の表面から露出している導電性粒子12は、外周面の略全面が、露出するように絶縁性接着剤フィルム11に固着されていてもよく、また、導電性粒子12の外周面の一部が、絶縁性接着剤フィルム11に埋没するように固着されていてもよい。
なお、ここでは、一部の導電性粒子12は、絶縁性接着剤フィルム11内部に埋没しているとしたが、全ての導電性粒子12が絶縁性接着剤フィルム11から露出するように配置されていてもよい。
なお、図2に示す符号13は、剥離フィルム13である。
少なくとも一部の導電性粒子12を絶縁性接着剤フィルム11の表面から露出させることで、一対の接続部材(端子312、ITO膜322)を接続する際に、接続部材(端子312、ITO膜322)と、導電性粒子12との間に摩擦が生じる。これにより、導電性粒子12は、一対の接続部材(端子312、ITO膜322)間に挟まれやすくなる。そのため、捕捉率が高まることとなり、捕捉率の平均が25%以上の異方導電性フィルム1を実現することが可能となる。
(捕捉率について)
次に、図3、4を参照して、異方導電性フィルム1の捕捉率の測定方法について説明する。
本発明では、COF(Chip on Flexible-Printed-Circuit)31と、LCD32とを異方導電性フィルム1にて接続し、捕捉率を測定する。
COF31としては、ポリイミド基材311と、このポリイミド基材311上に設けられた複数の接続部材である端子312(電極)とを有する。
ポリイミド基材311は厚みDが38μmであり、その幅寸法W1は、20mmである。
また、ポリイミド基材311の平面における寸法は、20mm(W1)×20mm(長さ)である。
端子312は、銅製であり、ポリイミド基材311上にスパッタリングされている。
端子312は、平面矩形形状であり、ポリイミド基材311の対向する一対の辺のうち、一方の辺から他方の辺に向かって延びるように配置されている。端子312の奥行き寸法(図3の紙面直交方向の寸法、図4のW4)は1000μmである
さらに、この端子312は、断面略台形形状であり、幅W2=25μm、幅W3=20μmである。また、端子312の厚み寸法S=8μmである。
端子312間の間隔Tは25μmであり、ポリイミド基材311上には、複数本(400本)の端子312が配列している。
このようなポリイミド基材311および端子312を覆うように、厚み0.4μmのSnメッキ(図示略)が施されている。
LCD32としては、図3に示すように、透明なガラス基板321と、このガラス基板321の一方の表面全面を覆うように設けられたITO膜(接続部材)322とを有する。
LCD32の平面における寸法は、20mm×30mmである。
異方導電性フィルム1の捕捉率の測定においては、端子312と、ITO膜322とを異方導電性フィルム1により電気的に接続する。
次に、異方導電性フィルム1の捕捉率の測定手順について説明する。
まず、LCD32のITO膜322上に、異方導電性フィルム1を設置する。異方導電性フィルム1の絶縁性接着剤フィルム11の表面から導電性粒子12が露出している場合には、導電性粒子12が露出した面と、ITO膜322とが当接するように、異方導電性フィルム1を設置する。
なお、絶縁性接着剤フィルム11の両面から導電性粒子12が露出しているような場合には、露出している導電性粒子12の数が多い面が、ITO膜322に接触するように配置する。
次に、異方導電性フィルム1の剥離フィルム13をはがし、その後、絶縁性接着剤フィルム11の裏面側にCOF31を当接させる。
このとき、COF31と、LCD32との位置関係は、図4のようになる。なお、図4では、一部の端子312のみを図示している。
そして、異方導電性フィルム1を挟んで対向配置されたCOF31の各端子312と、LCD32のITO膜322との間にある導電性粒子12の数をカウントする。
具体的には、光学顕微鏡を用い、LCD32側から、ITO膜322と、各端子312との間の導電性粒子12の数を目視によりカウントする。このとき、カウントした導電性粒子12の数をAとする。
その後、70〜80℃、1MPa、2〜3秒の条件で加熱・加圧し、仮圧着を行う。加圧する際には、COF31からLCD32に向けて圧力をかける。
さらに、180℃、3MPa、10秒の条件で、加熱・加圧し、本圧着を行う。加圧する際には、COF31からLCD32に向けて圧力をかける。
これにより、LCD32と、COF31とが異方導電性フィルム1により接続されることとなる。
その後、COF31の各端子312と、LCD32のITO膜322との間にある導電性粒子12の数をカウントする。
具体的には、光学顕微鏡を用い、LCD32側から、ITO膜322と、各端子312との間の導電性粒子12の数を目視によりカウントする。このとき、カウントした導電性粒子12の数をBとする。捕捉率は、(B/A)×100(%)として算出される。
そして、算出された捕捉率の和を、計測した端子312の数で割ることで、捕捉率の平均を算出することができる。
なお、導電性粒子12の数をカウントする際には、導電性粒子12が凝集している場合には、凝集塊を構成する各粒子の数をカウントし、粒子数とする。
(樹脂フロー係数について)
異方導電性フィルム1の樹脂フロー係数の測定方法について説明する。
測定対象となる異方導電性フィルムを2枚のガラス(基板)間に挟み、下記の条件で圧着する。
サンプルサイズ(異方導電性フィルム1のサイズ) : 1.5mm×5.0mm×15μm(厚み)
基板 : 20mm×30mm×0.5mm(厚み)のガラス
圧着ヘッド幅 : 3.0mm
圧着条件 : 120℃、10秒
圧着後の異方導電性フィルムの面積を算出し、樹脂フロー係数を以下のように算出した。
樹脂フロー係数(%)={圧着後の異方導電性フィルムの面積/圧着前の異方導電性フィルムの面積}×100
(粘度上昇が始まる温度の測定について)
100μm厚の異方導電性フィルム1を準備し、動的粘弾性装置であるレオメータ(ハーケ社製、レオストレス、RS150)で周波数0.1Hz、昇温速度10℃/分で動的粘弾性測定を行なった。測定温度範囲は、30℃〜200℃である。
そして、粘度(複素動的粘度)上昇が始まる温度を観察した。
(接続抵抗値について)
異方導電フィルムの接続抵抗値の測定方法について説明する。
サンプルサイズ(異方導電性フィルム1のサイズ) : 1.5mm×15μm(厚み)
圧着ヘッド幅 : 1.0mm
圧着条件 : 180℃、2MPa、10秒
このような条件で、前述したCOF31と、LCD32とを接続した。なお、LCD32のITO膜のシート抵抗は、5Ω/□である。
そして、隣接する端子312間の接続抵抗値を2端子法で測定した。測定データは、15隣接端子分の平均値とした。
(絶縁抵抗値について)
異方導電フィルムの絶縁抵抗値の測定方法について説明する。
サンプルサイズ(異方導電性フィルム1のサイズ) : 1.5mm×15μm(厚み)
COF :50μmピッチ(端子幅20μm、端子間間隔30μm)プレーティング基材COF、ポリイミド基材の厚み/端子(Cu)厚み=38μm/8μm、なお、端子上には、Snメッキが0.4μm施されている。
ガラス : 20mm×30mmのガラス基板にITO電極(端子)が50μmピッチで形成されたもの(端子幅/端子間間隔=25μm/25μm)
圧着ヘッド幅 : 1.0mm
圧着条件 : 180℃、2MPa、10秒
上記条件で試験サンプルを作製し、50v×60秒の印加条件で隣接端子間の絶縁抵抗値を測定した。測定データは、5隣接端子分の平均値とした。
(製造方法)
次に、図5〜図8を参照して、以上のような異方導電性フィルム1の製造方法について説明する。
異方導電性フィルム1は、磁性媒体21の特定領域21Aに導電性粒子12を配置した後、配置された導電性粒子12を絶縁性接着剤フィルム11に転写することで製造される。
具体的には、異方導電性フィルム1の製造工程は、以下の工程を含んで構成される。
(i)磁性媒体21の特定領域21Aに磁気記録を行う第一工程
(ii)前記磁性媒体21上に導電性粒子12を配置する第二工程、
(iii)配置させた導電性粒子12を絶縁性接着剤フィルム11上に転写・固定化する第三工程
(i)第一工程
第一工程では、導電性粒子12を規則的に配置するために、任意波形発生装置から発生させた電気信号を、磁気記録装置を用いて磁気信号に変換し、磁性媒体21の特定領域21Aに磁気記録を行う。図5に示すように磁性媒体21へ磁気記録することにより磁気記録領域21Aと無記録領域21Bとを作る。磁気記録領域21Aと、無記録領域21Bとの比率は、信号における一波長当たりのパルス幅(デューティ)を調整することにより変更でき、また、それぞれの領域21A,21Bの大きさは、磁気記録装置にて磁性媒体21へ磁気記録する際の走行速度に対して任意波形発生装置で設定する周波数を調整することで、調整が可能である。磁気記録装置として、カセットテープレコーダーやビデオカセットレコーダーを用いることが出来る。
任意波形発生装置より発生させる電気信号には、一般に方形波、三角波、正弦波、のこ
ぎり波等があるが、好ましくは方形波である。方形波を発生させる条件に特に制限は無い
が、周波数10kHz〜500kHz、デューティ0.05%〜50.0%、振幅1V〜30Vの範囲として設定することが好ましい。更に好ましくは周波数数100kHz〜200kHz、デューティ0.5%〜30.0%、振幅10V〜20Vの範囲である。
ここで用いる磁性媒体21は、磁気記録した領域に導電性粒子12を捕捉できるものであれば特に制限は無く、1種類の磁性体単独、2種類以上の磁性体を複合化したもの、非磁性体の基材に磁性体を複合化したもの、いずれも利用できる。
(ii)第二工程
第二工程では、磁性媒体21上の磁気記録領域21Aに導電性粒子12を配置する。磁性媒体21に磁性体である導電性粒子12を捕捉出来る方法であれば、特に制限は無く、スプレーで導電性粒子12を噴霧する方式、導電性粒子12を分散させた分散液を滴下する方式、導電性粒子12を分散させた分散液中に磁性媒体21を浸漬させる方式などの方法が挙げられる。なかでも、図6に示す導電性粒子12を分散させた分散液22中に磁性媒体21を浸漬させる方式が好ましい。この方法では、分散媒中に導電性粒子12を分散し、磁気記録を行った磁性媒体21を一定時間浸漬させた後、引き上げる。
これにより、図7に示すように、磁性媒体21の磁気記録領域21Aに導電性粒子12が配置される。また、磁性媒体21を引き上げた後に、過剰に付着した導電性粒子12を取り除く工程を加えてもかまわない。
第二工程において、導電性粒子12を分散させる分散媒には特に制限は無く、トルエン、エタノール、メタノール、ヘキサン等が挙げられるが、導電性粒子12の分散性が良く、揮発性の高い溶剤が良い。また、ここで用いる分散媒中の導電性粒子12の割合は0.01wt%〜1.0wt%が好ましく、更に好ましくは0.01wt%〜0.40wt%であり、最も好ましくは0.05wt%〜0.20wt%である。
分散媒中の導電性粒子12を分散させる方式として、超音波、攪拌機によるもの等特に制限は無く、好ましくは超音波を用いた攪拌が良い。超音波の周波数は適宜設定すれば良く、通常は28kHz〜100kHz程度、好ましくは28〜45kHzとすれば良い。
磁性媒体21を分散液22に浸漬する方法として、浸漬方向は磁気記録した面が液面に対して垂直方向・水平方向等特に制限は無いが、液面に対して垂直に浸漬させる方法が望ましい。また、磁性媒体21の浸漬時間は10秒〜20分程度とするのが良いが、かかる範囲外となっても差し支えない。
また、分散液22から磁性媒体21を引き上げた後、分散媒揮発時に、磁性媒体21上に配置した導電性粒子12が移動し、凝集することを防止するために、導電性粒子12を配置した磁性媒体21の逆の面から磁力を加え、導電性粒子12の移動を防いでも良い。
(iii)第三工程
第三工程を、図8を参照して説明する。
磁性媒体21上の導電性粒子12を絶縁性接着剤フィルム11上に転写し、固定する。
図8(A)に示すように、剥離フィルム13上に、薄く絶縁性接着剤を塗布し、絶縁性接着剤フィルム11を形成する。次に、絶縁性接着剤フィルム11の硬化が進まない程度に加熱するとともに、図8(B)に示すように、磁性媒体21を絶縁性接着剤フィルム11に対向配置させる。
そして、磁性媒体21を絶縁性接着剤フィルム11に押圧することにより、図8(C)に示すように、導電性粒子12を絶縁性接着剤フィルム11上に転写する。
以上のような製造方法で得られた異方導電性フィルム1は、以下のようにして端子51,41を接続する。
図9(A)に示すように、LCDパネル5の端子(電極)51が設けられた面と、異方導電性フィルム1の導電性粒子12が固着された表面とを対向配置させる。
その後、異方導電性フィルム1側からLCDパネル5側に向けて圧力をかけるとともに、加熱し、異方導電性フィルム1と、LCDパネル5とを仮圧着する。
次に、異方導電性フィルム1の剥離フィルム13を剥離する。
その後、図9(B)に示すように、異方導電性フィルム1の裏面側に端子41を有するCOF4を乗せ、加圧して仮止めを行う。
さらに、図9(C)に示すように、COF4側からLCDパネル5に向かって圧力をかけるとともに、加熱し、COF4と、LCDパネル5との本圧着を行う。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、導電性粒子12の各列は、絶縁性接着剤フィルム11の長手方向(図1のX軸方向)に対し、傾斜して配置されるとしたが、絶縁性接着剤フィルム11の長手方向(図1のX軸方向)に対し、直交して配置されていてもよい。
次に、本発明の実施例について説明する。
(実施例1〜3)
表1に示す配合の3種類の異方導電性フィルムを製造した。
各異方導電性フィルムは、導電性粒子の径のみが異なっている。
Figure 2007165052
アクリルゴム、コアシェル型アクリルゴム、エポキシ樹脂、シランカップリング剤を表1に示す配合割合で、溶媒に溶解し、固形分20%のワニスを得た。溶媒は、トルエンを50重量部、酢酸エチルを47重量部、シクロヘキサンを3重量部の割合で混合したものである。
次に、前記ワニスに表1に示した潜在性硬化剤を、表1に示す配合割合で加え、攪拌し、塗工ワニスを得た。
さらに、塗工ワニスを剥離フィルム(両面をシリコン処理したポリエチレンテレフタレートフィルム、厚み50μm)にコータで塗布した。そして、70℃で3分間乾燥させ、厚み15μmの絶縁性接着剤フィルムを得た。
次に、前記実施形態と同様の方法で、任意波形発生装置から、パルス状の電気信号を発生させ、磁気記録装置を用いて磁気信号に変換し、磁性媒体の特定領域に磁気記録を行った。
また、表1に示した導電性粒子を分散させた分散溶液を作製し、この分散溶液中に、磁性媒体を浸漬させ、磁性媒体上に導電性粒子を配列させた。
その後、前記実施形態と同様の方法で、絶縁性接着剤フィルムに対し、磁性媒体上の導電性粒子を転写させた。
このようにして製造された実施例1〜3の各異方導電性フィルムにおいては、前記実施形態と同様に導電性粒子が配列している。
異方導電性フィルムのフィルム面から平面視した場合に、導電性粒子は、複数列配列しており、各列は、絶縁性接着剤フィルムの長手方向に対し、傾斜して配置されている。
また、導電性粒子の各列は、略平行に配置されていた。
各列の絶縁性接着剤フィルムの短辺(絶縁性接着剤フィルムの長手方向と直交する方向)に対する傾斜角度θは、約5°である。
導電性粒子の配列ピッチは14.5μmであり、各列における導電性粒子のピッチは39μmであった。
さらに、導電性粒子の一部は、絶縁性接着剤フィルムから露出しており、導電性粒子の他の一部は、絶縁性接着剤フィルム内部に埋まっていた。
なお、異方導電性フィルムの短辺の長さ寸法は、1.5mmであり、長辺の長さ寸法は、20mmであった。
次に、前記実施形態と同様の方法で、実施例1〜3の各異方導電性フィルムの捕捉率の平均、樹脂フロー係数、粘度上昇の始まる温度、接続抵抗値、絶縁抵抗値を測定した。結果を表2に示す。
なお、捕捉率の平均を算出する際に計測した端子の数は9本である。
Figure 2007165052
(実施例4〜6)
表3に示す配合の3種類の異方導電性フィルムを製造した。
Figure 2007165052
表3の単位は重量部である。
導電性粒子としては、表1に示す導電粒子Aを0.5重量部、使用した。
エラストマー、(メタ)アクリレート樹脂、カップリング剤を表3に示す配合割合で、メチルエチルケトンに溶解し、固形分50%のワニスを得た。溶媒は、トルエンを50重量部、酢酸エチルを47重量部、シクロヘキサンを3重量部の割合で混合したものである。
次に、前記ワニスに表3に示した有機過酸化物を、表3に示す配合割合で加え、攪拌し、塗工ワニスを得た。
さらに、塗工ワニスを剥離フィルム(両面をシリコン処理したポリエチレンテレフタレートフィルム、厚み50μm)にコータで塗布した。そして、70℃で3分間乾燥させ、厚み15μmの絶縁性接着剤フィルムを得た。
次に、前記実施形態と同様の方法で、任意波形発生装置から、パルス状の電気信号を発生させ、磁気記録装置を用いて磁気信号に変換し、磁性媒体の特定領域に磁気記録を行った。
また、導電性粒子Aを分散させた分散溶液を作製し、この分散溶液中に、磁性媒体を浸漬させ、磁性媒体上に導電性粒子を配列させた。
その後、前記実施形態と同様の方法で、絶縁性接着剤フィルムに対し、磁性媒体上の導電性粒子を転写させた。
実施例4〜6の異方導電性フィルムにおける導電性粒子の配置状態は、実施例1〜3と同じである。
次に、実施例1〜3と同様の方法で、実施例4〜6の各異方導電性フィルムの捕捉率、樹脂フロー係数、粘度上昇の始まる温度、接続抵抗値、絶縁抵抗値を測定した。結果を表4に示す。
Figure 2007165052
(実施例1〜6の結果)
実施例1〜6の異方導電性フィルムを用いて、LCDパネルと、COFとを接続したところ、面方向に隣接する端子間の短絡を防止できた。さらに、異方導電性フィルムを挟んで上下に配置される端子の接続を確実に行うことができた。また、所定の接続抵抗値(1.5Ω)以下であり、所定の通電容量を確保することができ、さらには、接続抵抗の上昇を抑えることができた。
また、絶縁抵抗値は、いずれも1.0×1011Ω以上であり、面方向に隣接する端子間で短絡が起きていないことが確認された。
(比較例1)
実施例の異方導電性フィルムと同様の組成の異方導電性フィルムを作製した。
ただし、比較例1においては、実施例と製造方法が異なっている。
比較例1においては、まず、アクリルゴム、コアシェル型アクリルゴム、エポキシ樹脂、シランカップリング剤を表1に示す配合割合で、溶媒に溶解し、固形分20%のワニスを得た。溶媒は、トルエンを50重量部、酢酸エチルを47重量部、シクロヘキサンを3重量部の割合で混合したものである。
次に、前記ワニスに表1に示した配合割合で、導電性粒子を加え、充分な攪拌を行い、導電性粒子を均一に分散させた。
その後、導電性粒子を分散させたワニスに表1に示した潜在性硬化剤を表1に示す配合割合で加え、攪拌し、塗工ワニスを得た。
さらに、塗工ワニスを剥離フィルム(両面をシリコン処理したポリエチレンテレフタレートフィルム、厚み50μm)にコータで塗布した。そして、70℃で3分間乾燥させ、厚み15μmの異方導電性フィルムを得た。
この比較例の異方導電性フィルムでは、導電性粒子は、異方導電性フィルムの表面から露出していない。
また、比較例の異方導電性フィルムでは、導電性粒子は分散しており、異方導電性フィルムのフィルム面から平面視した場合に、複数列に配列していない。
次に、前記実施形態と同様の方法で、比較例の異方導電性フィルムの捕捉率を測定した。捕捉率は、22.00%であった。
このような比較例の異方導電性フィルムを用いて、LCDパネルと、COFとを接続したところ、面方向に隣接する端子間に導電性粒子が集まり、面方向に隣接する端子間で短絡が生じた。
さらに、異方導電性フィルムを挟んで上下に配置される端子の接続を確実に行うことが難しく、所定の通電容量を確保することが困難であった。
(比較例2,3)
表5に示す配合の2種類の異方導電性フィルムを製造した。
製造方法は、実施例1〜3と同様である。また、比較例2,3の異方導電性フィルムの導電性粒子の配置は、実施例1〜3と同様であった。
Figure 2007165052
前記実施形態と同様の方法で、比較例2,3の各異方導電性フィルムの捕捉率の平均、樹脂フロー係数、粘度上昇の始まる温度、接続抵抗値、絶縁抵抗値を測定した。結果を表6に示す。
なお、捕捉率の平均を算出する際に計測した端子の数は9本である。
Figure 2007165052
比較例2では、LCDパネルと、COFとを接続したところ接続抵抗値が所定値(1.5Ω)を超えるものであり、接続抵抗値が大きくなってしまった。
これは、比較例2では、樹脂フロー係数が1.2未満であるため、上下の端子間に多くの樹脂が存在し、接続抵抗値が大きくなってしまったものと考えられる。
また、比較例3では、樹脂フロー係数が2.0を超えており、LCDパネルと、COFとを接続する際に、樹脂が過度に流動してしまい、上下の端子間に存在する導電性粒子数が少なくなってしまった。これにより、接続抵抗値が所定値(1.5Ω)を超え、さらには、面方向に隣接する端子間に多量の導電性粒子が存在することとなり、面方向に隣接する端子間の短絡を起こした。これは、絶縁抵抗値が低くなってしまったことからも明らかである。
(比較例4,5)
表7に示す配合の2種類の異方導電性フィルムを製造した。製造条件、製造方法は、実施例4〜6と同様である。
Figure 2007165052
表7の単位は重量部である。
前記実施形態と同様の方法で、比較例4,5の各異方導電性フィルムの捕捉率の平均、樹脂フロー係数、粘度上昇の始まる温度、接続抵抗値、絶縁抵抗値を測定した。結果を表8に示す。
なお、捕捉率の平均を算出する際に計測した端子の数は9本である。
Figure 2007165052
比較例4では、LCDパネルと、COFとを接続したところ接続抵抗値が所定値(1.5Ω)を超えるものであり、接続抵抗値が大きくなってしまった。
これは、比較例4では、樹脂フロー係数が1.2未満であり、さらには、粘度上昇の始まる温度が60℃未満であるため、上下の端子間に多くの樹脂が存在し、接続抵抗値が大きくなってしまったものと考えられる。
また、比較例5では、樹脂フロー係数が2.0を超えており、さらには、粘度上昇の始まる温度が130℃を超えているため、LCDパネルと、COFとを接続する際に、樹脂が過度に流動してしまい、上下の端子間に存在する導電性粒子数が少なくなってしまった。これにより、面方向に隣接する端子間に多量の導電性粒子が存在することとなり、面方向に隣接する端子間の短絡を起こした。これは、絶縁抵抗値が低くなってしまったことからも明らかである。
本発明の実施形態にかかる異方導電性フィルムを示す平面図である。 異方導電性フィルムの断面を模式的に示した図である。 本発明にかかる捕捉率の測定方法を説明するための図である。 本発明にかかる捕捉率の測定方法を説明するための図である。 磁性媒体を示す平面図である。 磁性媒体上に導電性粒子を配置する工程を示す模式図である。 磁性媒体の磁気記録領域に、導電性粒子が固着した状態を示す断面図である。 磁性媒体上の導電性粒子を絶縁性接着剤フィルム上に転写する工程を示す模式図である。 異方導電性フィルムを用いて、端子を接続する工程を示す模式図である。
符号の説明
1 異方導電性フィルム
1A〜1C 異方導電性フィルム
5 LCDパネル
11 絶縁性接着剤フィルム
12 導電性粒子
13 剥離フィルム
21 磁性媒体
21A 磁気記録領域(特定領域)
21B 無記録領域
22 分散液
25 捕捉率
31 COF
32 LCD
41 端子
51 端子
311 ポリイミド基材
312 端子(接続部材)
321 ガラス基板
322 ITO膜(接続部材)
d ピッチ
D 配列ピッチ
S 寸法
T 間隔
W1 幅寸法
W2 幅
W3 幅

Claims (7)

  1. 絶縁性接着剤フィルムと、
    この絶縁性接着剤フィルムに固定された導電性粒子とを有する異方導電性フィルムであって、
    当該異方導電性フィルムを挟んで一対の接続部材を対向配置し、
    前記一対の接続部材を接続する前における、前記一対の接続部材間に存在する導電性粒子数をAとし、
    前記一対の接続部材を接続した後の前記一対の接続部材間に存在する導電性粒子数をBとした場合、(B/A)×100(%)で示される捕捉率の平均が25%以上であり、
    樹脂フロー係数が1.2以上、2.0以下であり、
    昇温速度10℃/分、周波数0.1Hzでの動的粘弾性測定において、当該異方導電性フィルムの粘度上昇が始まる温度が60℃以上、130℃以下であることを特徴とする異方導電性フィルム。
  2. 請求項1に記載の異方導電性フィルムにおいて、
    複数の前記導電性粒子のうち、少なくとも一部の導電性粒子は前記絶縁性接着剤フィルムの表面から露出していることを特徴とする異方導電性フィルム。
  3. 請求項1または2に記載の異方導電性フィルムにおいて、
    前記絶縁性接着剤フィルムは、エポキシ樹脂と、エラストマーと、マイクロカプセル化イミダゾール誘導体エポキシ化合物とを含有し、エポキシ樹脂と、マイクロカプセル化イミダゾール誘導体エポキシ化合物との合計100重量部に対して、前記エラストマーが10重量部以上、200重量部以下
    であることを特徴とする異方導電性フィルム。
  4. 請求項3に記載の異方導電性フィルムにおいて、
    前記絶縁性接着剤フィルムは、マイクロカプセル化イミダゾール誘導体エポキシ化合物を含有し、
    前記マイクロカプセル化イミダゾール誘導体エポキシ化合物のカプセル膜厚が0.2μm未満であることを特徴とする異方導電性フィルム。
  5. 請求項1または2に記載の異方導電性フィルムにおいて、
    前記絶縁性接着剤フィルムは、ラジカル重合性樹脂と、ラジカル開始剤と、エラストマーとを含有し、
    前記ラジカル重合性樹脂と前記エラストマーとの重合比が30:70〜80:20であることを特徴とする異方導電性フィルム。
  6. 請求項5に記載の異方導電性フィルムにおいて、
    前記ラジカル重合性樹脂と前記エラストマーとの合計100重量部に対して、ラジカル開始剤が0.1重量部以上、10重量部以下であることを特徴とする異方導電性フィルム。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の異方導電性フィルムにおいて、
    前記導電性粒子の径は、3μm以上であることを特徴とする異方導電性フィルム。

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