JP3448989B2 - ピンチローラ昇降回動機構 - Google Patents

ピンチローラ昇降回動機構

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JP3448989B2
JP3448989B2 JP28022194A JP28022194A JP3448989B2 JP 3448989 B2 JP3448989 B2 JP 3448989B2 JP 28022194 A JP28022194 A JP 28022194A JP 28022194 A JP28022194 A JP 28022194A JP 3448989 B2 JP3448989 B2 JP 3448989B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビデオテープレコーダ
等に備えられ、ピンチローラを可動支持部材によって支
持するとともに、可動支持部材に昇降動及び回動を行わ
せて、ピンチローラをキャプスタンから離隔した状態あ
るいはキャプスタンに移動媒体を圧着する状態に維持す
るピンチローラ昇降回動機構に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気テープにビデオ信号を記録する記録
動作及び記録がなされた磁気テープからビデオ信号を再
生する再生動作を行うビデオテープレコーダ(VTR)
においては、記録動作もしくは再生動作に先立って、一
対のリール装着部に夫々装着された供給側テープリール
及び巻取側テープリールに巻装された磁気テープを引き
出して、回転ヘッドシリンダの外周面に巻付け、磁気テ
ープの走行路を設定する、所謂、テープローディングが
行われる。そして、回転ヘッドシリンダの外周面に巻付
けられた磁気テープが、キャプスタンモータにより回転
駆動されるキャプスタンにピンチローラによって圧着さ
れ、それらキャプスタン及びピンチローラによって弛み
を生じることなく設定された走行路に沿って走行せしめ
られることにより、記録動作もしくは再生動作が行われ
る。
【0003】このようなVTRにおいてキャプスタンに
磁気テープを圧着するピンチローラは、記録動作もしく
は再生動作が行われる際には、キャプスタンに圧着した
磁気テープの走行に伴って回転し、また、記録動作もし
くは再生動作が行われないもとでは、キャプスタンから
離隔した位置に維持されるものとされるが、斯かるピン
チローラの支持及びキャプスタンに対して移動させるた
めの駆動を、ピンチローラを回転可能に支持するものと
された可動レバーを昇降させるとともに回動させること
により行う、ピンチローラ昇降回動機構が提案されてい
る。
【0004】従来提案されているピンチローラ昇降回動
機構にあっては、例えば、カム溝が設けられた端面部を
有し、モータにより駆動されて回動する駆動力伝達歯車
と、駆動力伝達歯車の中心軸線に沿って伸びるものとし
て設けられた軸部材に嵌合し、駆動力伝達歯車により駆
動されて、ピンチローラを支持した可動レバーを伴った
状態で、軸部材に沿う昇降及び軸部材を回動中心とする
回動を行う昇降部材と、駆動力伝達歯車の端面部に設け
られたカム溝に選択的に係合せしめられる突出係合部が
設けられ、昇降部材と共に昇降するとともに、昇降部材
を伴って回動する回動伝達部材とが備えられる。
【0005】そして、可動レバーにより支持されたピン
チローラをキャプスタンから離隔した位置に維持するに
あたっては、昇降部材が、ピンチローラを支持した可動
レバー及び回動伝達部材の両者を伴ったもとで軸部材に
沿って上昇した位置をとるとともに、回動伝達部材に設
けられた突出係合部に、駆動力伝達歯車の端面部に設け
られたカム溝から離脱した状態をとらせ、また、可動レ
バーにピンチローラをキャプスタンから離隔させるべく
回動せしめられた位置をとらせるものとされる。
【0006】それに対して、ピンチローラをキャプスタ
ンから離隔した位置に維持する状態から移行して、ピン
チローラをキャプスタンに磁気テープを圧着して回転す
る位置に維持するにあたっては、昇降部材が、軸部材に
沿って上昇した位置から、ピンチローラを支持した可動
レバー及び回動伝達部材の両者を伴ったもとで軸部材に
沿って下降した位置に変位して、回動伝達部材に設けら
れた突出係合部を駆動力伝達歯車の端面部に設けられた
カム溝に係合させる。そして、斯かるもとで、駆動力伝
達歯車の回動に伴うカム溝の変位に応じて、カム溝に係
合した突出係合部を有する回動伝達部材が昇降部材を伴
って回動せしめられ、それにより、ピンチローラを支持
した可動レバーが回動せしめられて、ピンチローラをキ
ャプスタンに磁気テープを圧着するものとなす。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述の如くの、カム溝
が設けられた駆動力伝達歯車,駆動力伝達歯車の中心軸
線に沿って伸びる軸部材に嵌合し、駆動力伝達歯車によ
り駆動されて、ピンチローラを支持した可動レバーを伴
った状態で、軸部材に沿う昇降及び軸部材を回動中心と
する回動を行う昇降部材、及び、駆動力伝達歯車に設け
られたカム溝に選択的に係合せしめられる突出係合部が
設けられ、昇降部材と共に昇降するとともに昇降部材を
伴って回動する回動伝達部材が備えられて成るピンチロ
ーラ昇降回動機構にあっては、ピンチローラを支持した
可動レバーに加えて、可動レバーの回動を生じさせる回
動伝達部材までが、昇降部材と共に昇降するものとさ
れ、その昇降に応じて突出係合部が駆動力伝達歯車に設
けられたカム溝から離脱する状態とカム溝に係合する状
態とを選択的にとるものとされる。
【0008】そして、回動伝達部材が昇降部材に伴って
下降するとき、回動伝達部材に設けられた突出係合部が
駆動力伝達歯車に設けられたカム溝に係合せしめられる
ことになるが、その際、突出係合部がカム溝に円滑かつ
確実に係合せしめられるようにするには、カム溝及びそ
れに向かって下降する突出係合部の夫々を常時所定の位
置に精度良く位置決めする特別な位置決め手段が必要と
されることになり、それゆえ、全体構成の複雑化と大型
化がまねかれることになってしまう。また、カム溝及び
それに向かって下降する突出係合部の夫々が常時所定の
位置に的確に位置決めされるものとなされるもとにあっ
ても、例えば、カム溝に異物が入り込んでしまい、その
ため、下降した突出係合部がカム溝に適正に係合できな
いことになる事態が生じる虞がある。
【0009】さらに、突出係合部が設けられた回動伝達
部材が昇降部材と共に昇降するものとされることによ
り、回動伝達部材の周囲に、回動伝達部材の昇降時に他
の部材等との干渉が生じないようにするための、比較的
大なる昇降用スペースが必要とされ、それに伴って全体
が大型化されてしまい、例えば、VTRにおける他の部
材等の配置スペースの確保に不都合がきたされることに
もなる。
【0010】斯かる点に鑑み、本発明は、ピンチローラ
を可動支持部材によって支持するとともに、モータ等の
所定の駆動源から伝達される駆動力により可動支持部材
に昇降動及び回動を行わせて、ピンチローラをキャプス
タンから離隔した状態あるいはキャプスタンに磁気テー
プ等の移動媒体を圧着する状態に維持するにあたり、各
可動部材に対する特別な位置決め手段等が必要とされ
ず、全体構成の簡略化と小型化とが図られ、さらに、そ
の周囲に要されるスペースが比較的小とされるもとで、
確実な動作が得られるものとされるピンチローラ昇降回
動機構を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成すべ
く、本発明に係るピンチローラ昇降回動機構は、第1の
カム溝が設けられた端面部を有し、駆動源からの駆動力
により回動せしめられる駆動力伝達部材と、第2のカム
溝が設けられた外周部を有し、駆動力伝達部材の回動中
心軸と略平行に伸びる軸部材に回動可能に嵌合するもの
とされ、駆動力伝達部材に係合し、駆動力伝達部材の回
動に伴って軸部材を回動中心とする回動を行う回動部材
と、第2のカム溝に係合する係合部を有して回動部材に
移動可能に嵌合し、回動部材が軸部材を回動中心とする
回動を行うとき、第2のカム溝の変位に応じて軸部材に
沿う上昇もしくは下降を行う昇降部材と、第1のカム溝
に係合するとともに昇降部材に係合するものとされて、
回動部材に回動可能に嵌合し、駆動力伝達部材が回動す
るとき、第1のカム溝の変位に応じて回動して、昇降部
材に軸部材を回動中心とする回動を行わせる回動伝達部
材と、ピンチローラを支持し、昇降部材に従って軸部材
に沿う上昇もしくは下降あるいは軸部材を回動中心とす
る回動を行い、ピンチローラにキャプスタンから離隔し
た位置及びキャプスタンに移動媒体を圧着する位置を選
択的にとらせる可動支持部材とを備え、昇降部材及び回
動伝達部材の各々が、軸部材に沿う方向に伸びて常時相
互に係合する相互係合部が設けられたものとされ、昇降
部材及び回動伝達部材の夫々の相互係合部が、昇降部材
の軸部材に沿う上昇もしくは下降を妨げることなく、回
動伝達部材の回動を昇降部材に伝達するものとされて
構成される。
【0012】
【作用】上述の如くに構成される本発明に係るピンチロ
ーラ昇降回動機構にあっては、駆動力伝達部材が回動す
ることにより、それによって回動部材が回動せしめられ
て、回動部材に設けられた第2のカム溝に係合した昇降
部材が、第2のカム溝の変位に従って軸部材に沿う上昇
もしくは下降を、昇降部材に設けられた相互係合部が回
動伝達部材に設けられた相互係合部により軸部材に沿う
方向に案内される状態をもって、行うものとされ、それ
に伴い、ピンチローラを支持した可動支持部材が上昇も
しくは下降せしめられるとともに、駆動力伝達部材に設
けられた第1のカム溝に係合した回動伝達部材が、第1
のカム溝の変位に従って回動せしめられ、それにより、
昇降部材が、ピンチローラを支持した可動支持部材を伴
って、軸部材を回動中心とする回動を行うものとされ、
その結果、可動支持部材によって支持されたピンチロー
ラが、キャプスタンから離隔した位置、あるいは、キャ
プスタンに移動媒体を圧着する位置をとるものとされ
る。
【0013】その際、昇降部材は回動部材に設けられた
第2のカム溝に常時係合した状態におかれ、また、回動
伝達部材も、昇降動を行うことなく、駆動力伝達部材に
設けられた第1のカム溝に常時係合した状態におかれ
さらに、昇降部材及び回動伝達部材が、夫々における相
互係合部を通じて常時相互係合した状態におかれる。そ
れゆえ、昇降部材,回動部材,可動支持部材及び回動伝
達部材の夫々等に対する特別の位置決め手段等が設けら
れることが必要とされないもとで、可動支持部材によっ
て支持されたピンチローラにキャプスタンから離隔した
位置あるいはキャプスタンに移動媒体を圧着する位置を
とらせる動作が、確実に行われることになる。さらに、
昇降部材に可動支持部材を伴っての軸部材を回動中心と
する回動を行わせる役割を果たす回動伝達部材は、昇降
動を行わないものとされるので、その周囲に昇降用スペ
ースが設けられる必要がない。従って、本発明に係るピ
ンチローラ昇降回動機構は、全体構成の簡略化と小型化
とが図られ、さらに、その周囲に要されるスペースが比
較的小とされるもとで、確実な動作が得られるものとさ
れる。
【0014】
【実施例】図3及び図4は、本発明に係るピンチローラ
昇降回動機構の一例を、それが適用されたVTRと共に
示す。
【0015】図3及び図4に示されるVTRは、磁気テ
ープTが巻装された供給側テープリール1及び巻取側テ
ープリール2を内蔵したテープカセット3が装着される
ものとされており、カセット装着部5が設定された上方
基板6を備えている。上方基板6上には、カセット装着
部5から所定の距離だけ離隔した位置に、回転ヘッドシ
リンダ8が配されるとともに、テープローディング機構
の一部を成す複数の可動ガイドポストG1〜G8,キャ
プスタンモータ9により駆動されるキャプスタン10、
及び、キャプスタン10との間で磁気テープTを挟む位
置を選択的にとるものとされるピンチローラ11が配さ
れている。
【0016】複数の可動ガイドポストG1〜G8は、上
方基板6に配されたローディングモータ13の作動時
に、所定の経路に沿って移動せしめられる。そして、可
動ガイドポストG1〜G8は、図3に示される如くの、
可動ガイドポストG1〜G6がカセット装着部5内に配
置されるとともに、可動ガイドポストG7及びG8が比
較的大なる相互距離を置いてカセット装着部5外に配置
されるアンローディング位置と、図4に示される如く
の、カセット装着部5に装着されたテープカセット3か
ら磁気テープTを引き出し、カセット装着部5外におい
て、可動ガイドポストG1〜G4が回転ヘッドシリンダ
8に近接して配置されるとともに、可動ガイドポストG
5及びG6が比較的大なる相互間距離を置いて配置さ
れ、さらに、可動ガイドポストG7及びG8が比較的小
なる相互間距離を置いて配置されることになるローディ
ング位置とを選択的にとるものとされる。
【0017】上方基板6におけるカセット装着部5に
は、テープカセット3が装着されたとき、テープカセッ
ト3に収容された供給側テープリール1が装着されるリ
ール台14と、供給側テープリール1と共にテープカセ
ット3に収容された巻取側テープリール2が装着される
リール台15とが設けられている。リール台14には、
供給側テープリール1にそれを回動させ得る状態をもっ
て係合するリール係合部14Aが設けられており、ま
た、リール台15にも、巻取側テープリール2にそれを
回動させ得る状態をもって係合するリール係合部15A
が設けられている。
【0018】さらに、リール台14及びリール台15に
は、歯車14B及び歯車15Bが夫々設けられている。
リール台14は、図示が省略された歯車を通じて歯車1
4Bに伝達されるリール駆動モータ16の駆動力により
回転せしめられ、また、リール台15も、図示が省略さ
れた歯車を通じて歯車15Bに伝達されるリール駆動モ
ータ16の駆動力により回転せしめられる。
【0019】図3に示される如くに、カセット装着部5
にテープカセット3が装着されていないもとでは、複数
の可動ガイドポストG1〜G8がアンローディング位置
におかれるとともに、ピンチローラ11が、キャプスタ
ン10から離隔した位置におかれる。そして、図4に示
される如くに、カセット装着部5にテープカセット3が
装着されて、テープカセット3に収容されるとともに磁
気テープTが巻装された供給側テープリール1及び巻取
側テープリール2が、カセット装着部5に設けられたリ
ール台14及び15に夫々装着される状態がとられる
と、可動ガイドポストG1〜G6は、テープカセット3
に設けられたテープ引出用開口部3Aにおいて、そのテ
ープ引出用開口部3Aから外部に臨むものとされた磁気
テープTの内側に入るものとされ、その後、テープカセ
ット3から磁気テープTを引き出して、回転ヘッドシリ
ンダ8の外周面に巻き付けるテープローディングを行う
べく、アンローディング位置からローディング位置に向
かって移動するものとされ、また、それとともに、可動
ガイドポストG7及びG8も、テープカセット3から引
き出された磁気テープTに所定の経路をとらせるべく、
アンローディング位置からローディング位置に向かって
移動するものとされる。
【0020】このようにしてテープローディングが完了
すると、リール台14に装着された供給側テープリール
1が回動可能な状態にされるとともに、ピンチローラ1
1が、キャプスタン10に向かって移動せしめられ、キ
ャプスタン10に磁気テープTを圧着する状態をとるも
のとされる。斯かるもとで、キャプスタン10が、キャ
プスタンモータ9の作動によって回転し、それにより、
ピンチローラ11により圧着せしめられた磁気テープT
を、供給側テープリール1から回転ヘッドシリンダ8を
経て巻取側テープリール2に向かう方向、もしくは、巻
取側テープリール2から回転ヘッドシリンダ8を経て供
給側テープリール1に向かう方向に走行させる。その
際、ピンチローラ11も、磁気テープTの走行に従って
回転する。
【0021】そして、磁気テープTが、供給側テープリ
ール1から回転ヘッドシリンダ8を経て巻取側テープリ
ール2に向かう方向に走行せしめられるもとで、回転ヘ
ッドシリンダ8に備えられた回転磁気ヘッドによってビ
デオ信号が磁気テープTに記録される記録動作、あるい
は、回転ヘッドシリンダ8に備えられた回転磁気ヘッド
によって磁気テープTに記録されたビデオ信号が読み取
られて再生される通常再生動作,早送再生動作等が行わ
れる。また、磁気テープTが、巻取側テープリール2か
ら回転ヘッドシリンダ8を経て供給側テープリール1に
向かう方向に走行せしめられるもとで、回転ヘッドシリ
ンダ8に備えられた回転磁気ヘッドによって磁気テープ
Tに記録されたビデオ信号が読み取られる巻戻再生動作
等が行われる。
【0022】このようにして行われる記録動作,通常再
生動作,早送再生動作,巻戻再生動作等の動作が終了し
たときには、リール台14に装着された供給側テープリ
ール1が回動規制されるとともに、ピンチローラ11が
キャプスタン10から離隔した位置へと移動せしめら
れ、さらに、ローディングモータ13の作動によってロ
ーディング位置におかれた可動ガイドポストG1〜G8
がアンローディング位置へと移動せしめられる。その
際、リール駆動モータ16が作動状態におかれ、その駆
動力が歯車15Bを通じて伝達されるリール台15が、
巻取側テープリール2に磁気テープTを巻き取らせるも
のとなす方向に回転せしめられる。
【0023】上述の如くにキャプスタン10に対して近
接及び離隔する移動を選択的に行うピンチローラ11
は、図1及び図2に示される如くの、上方基板6に取り
付けられて上下方向に伸びる軸部材20に嵌合した可動
支持部材22により支持されている。この可動支持部材
22は、ピンチローラ11をキャプスタン10から離隔
した位置及びキャプスタン10に磁気テープTを圧着す
る位置を選択的にとるものとなす、本発明に係るピンチ
ローラ昇降回動機構の一例の部分を構成している。
【0024】本発明に係るピンチローラ昇降回動機構の
一例は、図1,図2及び図5に示される如く、ピンチロ
ーラ11を支持した可動支持部材22に加えて、上方基
板6における軸部材20の近傍部分に設けられた開口部
内に配された駆動力伝達部材25,軸部材20に回動可
能に嵌合した回動部材30,回動部材30に昇降可能及
び回動可能に嵌合した昇降部材35、及び、回動部材3
0に回動可能に嵌合して昇降部材35に係合した回動伝
達部材40を備えて構成されている。
【0025】駆動力伝達部材25は、全体として、厚み
が比較的大である円板状を成すものとされており、図示
が省略された駆動力伝達手段を通じて伝達されるローデ
ィングモータ13からの駆動力によって、軸部材26を
回動中心軸として回動せしめられる。そして、ローディ
ングモータ13が、可動ガイドポストG1〜G8をアン
ローディング位置からローディング位置に移動させる作
動状態をとるとき、駆動力伝達部材25が、図2におい
て矢印aにより示される方向(a方向)に回動し、ま
た、ローディングモータ13が、可動ガイドポストG1
〜G8をローディング位置からアンローディング位置に
移動させる作動状態をとるとき、駆動力伝達部材25
が、a方向とは逆の方向に回動する。
【0026】駆動力伝達部材25の外周部には、歯車部
25Aが設けられていて、駆動力伝達部材25は、軸部
材26を回動中心軸として回動せしめられる際には、平
歯車としての役割を果たす。また、駆動力伝達部材25
の上方側端面部には、軸部材26を中心とする円弧状に
形成された円弧状部分27Aとその円弧状部分27Aか
ら伸びるものとして形成された延長部分27Bとから成
るカム溝27が設けられている。
【0027】軸部材20は、上方基板6上に、駆動力伝
達部材25の回動中心軸である軸部材26と略平行に伸
びるものとして立設されている。この軸部材20に回動
可能に嵌合した回動部材30は、最下方部分が歯車部3
0Aとされ、その上方にフランジ部30Bが設けられ、
さらにその上方側の部分が円筒状部30Cとされたもの
となされており、円筒状部30Cの外周部には、傾斜状
部分を有したカム溝31が設けられている。そして、歯
車部30Aが、駆動力伝達部材25における歯車部25
Aに噛合しており、駆動力伝達部材25が回動すると
き、その回動が相互に噛合する歯車部25A及び歯車部
30Aによって回動部材30に伝達され、回動部材30
の全体が軸部材20を回動中心とする回動を行う。
【0028】昇降部材35は、回動部材30における円
筒状部30Cに嵌合し、その円筒状部30Cに対しての
昇降及び回動が可能なものとされた円筒状部36を有し
ている。そして、円筒状部36の上端部分からは、アー
ム状部37が軸部材20に直交する方向に伸びている。
また、円筒状部36におけるアーム状部37の下方とな
る外面部分には、軸部材20に沿う方向に伸びる係合突
出部36Aが設けられており、さらに、円筒状部36に
おける内面部分には、回動部材30における円筒状部3
0Cの外周部に設けられたカム溝31に係合する係合突
起部36Bが設けられている。
【0029】このように、昇降部材35の円筒状部36
における内面部分に設けられた係合突起部36Bが、回
動部材30における円筒状部30Cの外周部に設けられ
たカム溝31に係合していることにより、回動部材30
が軸部材20を回動中心とする回動を行うとき、それに
伴うカム溝31の変位に応じて、昇降部材35における
係合突起部36Bが移動せしめられて、昇降部材35の
全体が、回動部材30に対して上昇もしくは下降せしめ
られ、従って、軸部材20に沿う上昇もしくは下降を行
うものとされる。
【0030】回動伝達部材40は、回動部材30におけ
る円筒状部30Cに嵌合し、その円筒状部30Cに対し
ての回動が可能なものとされた環状部41を有してお
り、この環状部41は、回動部材30に設けられたフラ
ンジ部30B上に配されて、回動部材30における円筒
状部30Cに嵌合した昇降部材35の円筒状部36の下
方となる位置、即ち、フランジ部30Bと昇降部材35
の円筒状部36との間の位置におかれるものとされてい
る。そして、回動伝達部材40の環状部41には、軸部
材20に直交する方向に突出する突出部42が設けられ
ており、さらに、突出部42の先端部分には、下方に向
かって突出する係合ピン部42Aが設けられている。こ
の係合ピン部42Aは、駆動力伝達部材25の上方側端
面部に設けられた円弧状部分27Aと延長部分27Bと
から成るカム溝27に係合している。
【0031】このように、回動伝達部材40の環状部4
1から突出する突出部42に設けられた係合ピン部42
Aが、駆動力伝達部材25の上方側端面部に設けられた
カム溝27に係合していることにより、駆動力伝達部材
25が軸部材26を回動中心軸として回動するとき、そ
れに伴うカム溝27の変位に応じて、回動伝達部材40
における係合ピン部42Aが移動せしめられて、回動伝
達部材40の全体が、回動部材30に対して回動せしめ
られ、従って、軸部材20を回動中心とする回動を行う
ものとされる。
【0032】また、回動伝達部材40の環状部41に
は、軸部材20に沿って上方に伸びる一対の係合部43
A及び43Bが設けられており、これら一対の係合部4
3A及び43Bは、環状部41の上方に位置する昇降部
材35の円筒状部36における外面部分に設けられた係
合突出部36Aに、それを挟むようにして、かつ、昇降
部材35の軸部材20に沿う上昇もしくは下降を妨げる
ことなく、係合している。
【0033】このように、回動伝達部材40の環状部4
1から上方に向けて突出する一対の係合部43A及び4
3Bが、昇降部材35の円筒状部36における外面部分
に設けられた係合突出部36Aにそれを挟むようにして
係合していることにより、回動伝達部材40が軸部材2
0を回動中心とする回動を行うとき、それに伴って、ア
ーム状部37を含む昇降部材35の全体が、回動部材3
0に対して回動せしめられ、従って、軸部材20を回動
中心とする回動を行うものとされる。
【0034】ピンチローラ11を支持した可動支持部材
22は、軸部材20に回動可能に嵌合するとともに、昇
降部材35に、その上部を形成するアーム状部37上に
載置され、アーム状部37に対して回動可能とされた状
態をもって取り付けられている。斯かる可動支持部材2
2の昇降部材35に対する取付けは、軸部材20に摺動
及び回動可能に嵌合せしめられた環状係止部材45を介
してなされている。
【0035】そして、可動支持部材22は、環状係止部
材45に係合した基部22Aと、基部22Aから所定の
相互角度間隔をおいて軸部材20に直交する方向に伸び
る第1のアーム部22B及び第2のアーム部22Cとを
有しており、ピンチローラ11は、第1のアーム部22
Bの先端部分によって回転可能に支持されている。第2
のアーム部22Cは、その先端部分が、昇降部材35に
おけるアーム状部37の先端部分に設けられた係止部3
7Aに、弾性部材であるコイルスプリング46を介して
連結されている。また、第2のアーム部22Cは、昇降
部材35におけるアーム状部37に設けられた回動規制
部37B当接して、その回動範囲が規制されるものとな
されている。それにより、第2のアーム部22Cは、コ
イルスプリング46によって、常時、昇降部材35にお
けるアーム状部37に近接する方向に軸部材20を回動
中心とした回動を行うべく付勢されるとともに、回動規
制部37Bによる回動規制を受ける状態におかれてい
る。
【0036】このような基部22A,第1のアーム部2
2B及び第2のアーム部22Cを有し、軸部材20に摺
動及び回動可能に嵌合せしめられた環状係止部材45を
介して、昇降部材35に対して回動可能に取り付けられ
た可動支持部材22は、昇降部材35と一体的に軸部材
20に沿う上昇もしくは下降を行うとともに、昇降部材
35の軸部材20を回動中心とする回動がコイルスプリ
ング46を介して伝達されるものとされることになる。
【0037】上述の如くに構成される本発明に係るピン
チローラ昇降回動機構の一例にあっては、可動ガイドポ
ストG1〜G8がアンローディング位置にあるときに
は、図2に示される如く、回動伝達部材40が、その環
状部41から突出する突出部42に設けられた係合ピン
部42Aが駆動力伝達部材25に設けられたカム溝27
における円弧状部分27Aの一端部側に係合した状態に
おかれる。そして、このように、回動伝達部材40が、
それに設けられた係合ピン部42Aが駆動力伝達部材2
5に設けられたカム溝27における円弧状部分27Aの
一端部側に係合した状態におかれているもとでは、昇降
部材35が、図1に示される如くに、その円筒状部36
における内面部分に設けられた係合突起部36Bが、回
動部材30における円筒状部30Cの外周部に設けられ
たカム溝31における上端部分に係合していて、その全
体が軸部材20に沿って上昇した位置をとるものとされ
るとともに、その円筒状部36における外面部分に設け
られた係合突出部36Aに係合した、回動伝達部材40
の環状部41に設けられた一対の係合部43A及び43
Bによって、図2に示される如くに、そのアーム状部3
7が、その回動範囲内におけるキャプスタン10に関し
ての近接側の位置におかれることになる回動位置をとる
ものとされる。
【0038】そして、斯かるもとでは、ピンチローラ1
1を支持した可動支持部材22は、昇降部材35と共に
軸部材20に沿って上昇した位置をとり、さらに、昇降
部材35におけるアーム状部37が、その回動範囲内に
おけるキャプスタン10に関しての近接側の位置におか
れることにより、コイルスプリング46を介してアーム
状部37に連結された第2のアーム部22Cが、アーム
状部37に設けられた回動規制部37Bに当接した位置
に位置規制されることになるものとされる。それによ
り、可動支持部材22における第1のアーム部22Bの
先端部分により支持されたピンチローラ11は、図2に
示される如くに、キャプスタン10から離隔した位置に
維持される。
【0039】このように、昇降部材35が、可動支持部
材22を伴って軸部材20に沿って上昇した位置をとる
とともに、そのアーム状部37がその回動範囲内におけ
るキャプスタン10に関しての近接側の位置におかれる
ことになる回動位置をとるものとされたもとで、ローデ
ィングモータ13が、アンローディング位置にある可動
ガイドポストG1〜G8をローディング位置へと移動さ
せる作動状態にされると、駆動力伝達部材25がa方向
に回動せしめられる。それにより、駆動力伝達部材25
の回動が相互に噛合する歯車部25A及び歯車部30A
を介して伝達される回動部材30が、軸部材20を回動
中心としてのa方向とは逆の方向への回動を行う状態に
おかれ、回動部材30の回動に伴うカム溝31の変位に
従って、カム溝31に係合した係合突起部36Bを有し
た昇降部材35が、可動支持部材22を伴い、軸部材2
0に沿って下降せしめられる。
【0040】斯かる際、駆動力伝達部材25に設けられ
たカム溝27に係合した回動伝達部材40の環状部41
に設けられた係合ピン部42Aは、カム溝27における
円弧状部分27A内にある。従って、駆動力伝達部材2
5のa方向の回動に伴ってカム溝27が変位しても、カ
ム溝27に係合した回動伝達部材40における係合ピン
部42Aは、それに対してカム溝27における円弧状部
分27Aが移動するものとされて、移動を生じないもの
とされる。それゆえ、回動伝達部材40は、軸部材20
を回動中心とする回動を行うことなく、静止状態に維持
される。
【0041】その結果、軸部材20に沿って下降せしめ
られる昇降部材35は、その円筒状部36に設けられた
係合突出部36Aが、回動伝達部材40の環状部41に
設けられた一対の係合部43A及び43Bにより軸部材
20に沿う方向に案内される状態におかれて、軸部材2
0を回動中心とする回動は行わないものとされる。そし
て、図6に示される如くに、昇降部材35は、その下端
面部が回動伝達部材40の環状部41の上端面部に当接
する状態をもって下降を終了し、軸部材20に沿って下
降した位置をとるものとされる。このようにして、昇降
部材35が軸部材20に沿って下降した位置に到達する
とき、駆動力伝達部材25のカム溝27に係合した回動
伝達部材40における係合ピン部42Aが、カム溝27
における円弧状部分27Aとそれから伸びる延長部分2
7Bとの相互連結部内に位置するように、カム溝27が
設定されている。
【0042】そして、駆動力伝達部材25は、昇降部材
35が軸部材20に沿って下降した位置に到達した後に
あっても、さらにa方向の回動を行うものとされ、それ
に伴ってカム溝27がさらに変位せしめられる。このと
き、駆動力伝達部材25のカム溝27に係合した回動伝
達部材40における係合ピン部42Aが、カム溝27に
おける延長部分27Bの変位に従って移動せしめられ、
それに伴って、回動伝達部材40が、軸部材20を回動
中心としてのa方向とは逆の方向への回動を行うものと
される。
【0043】それにより、回動伝達部材40の環状部4
1に設けられた一対の係合部43A及び43Bが、昇降
部材35の円筒状部36に設けられた係合突出部36A
に係合して、軸部材20を回動中心とするa方向とは逆
の方向への回動を行うことになり、軸部材20に沿って
下降した位置におかれた昇降部材35が、可動支持部材
22を伴って、軸部材20を回動中心としてのa方向と
は逆の方向に回動せしめられる。そして、昇降部材35
におけるアーム状部37が、その回動範囲内におけるキ
ャプスタン10に関しての離隔側の位置をとるべく移動
せしめられる。
【0044】斯かる昇降部材35におけるアーム状部3
7の移動が、コイルスプリング46を介して、可動支持
部材22における第2のアーム部22Cに伝達され、第
2のアーム部22Cが昇降部材35におけるアーム状部
37の移動に従って移動し、それに伴って、可動支持部
材22の全体が、軸部材20を回動中心としてのa方向
とは逆の方向に回動せしめられる。その結果、可動支持
部材22における第1のアーム部22Bの先端部分によ
り支持されたピンチローラ11が、キャプスタン10に
向けて移動せしめられ、図7に示される如くに、キャプ
スタン10に磁気テープTを圧着する状態をとるものと
される。
【0045】可動支持部材22における第1のアーム部
22Bにより支持されたピンチローラ11がキャプスタ
ン10に磁気テープTを圧着する状態をとるものとされ
た後、昇降部材35におけるアーム状部37は、さらに
移動せしめられて、図7に示される如くに、その回動範
囲内におけるキャプスタン10に関しての離隔側の位置
をとるものとされる。それに対して、可動支持部材22
における第2のアーム部22Cは、第1のアーム部22
Bにより支持されたピンチローラ11がキャプスタン1
0に磁気テープTを圧着する状態をとるものとされるこ
とにより移動が阻止される。その結果、図7に示される
如く、昇降部材35におけるアーム状部37に設けられ
た回動規制部37Bが、可動支持部材22における第2
のアーム部22Cから離隔し、可動支持部材22におけ
る第2のアーム部22Cが、コイルスプリング46の弾
性力によって昇降部材35におけるアーム状部37側に
付勢される状態がとられる。従って、可動支持部材22
における第1のアーム部22Bにより支持され、キャプ
スタン10に磁気テープTを圧着する状態をとるものと
されたピンチローラ11は、実質的に、そのキャプスタ
ン10に磁気テープTを圧着する状態をコイルスプリン
グ46の弾性力によって維持するものとされる。
【0046】そして、昇降部材35及び可動支持部材2
2の夫々が図6に示される如くに軸部材20に沿って下
降した位置におかれ、かつ、図7に示される如くの回動
位置をとるものとされたもとで、ローディングモータ1
3の作動が停止せしめられ、駆動力伝達部材25がa方
向の回動を停止する。このとき、駆動力伝達部材25に
設けられたカム溝27に係合した回動伝達部材40の環
状部41に設けられた係合ピン部42Aは、図7に示さ
れる如くに、カム溝27における延長部分27Bの一端
部に係合しており、また、昇降部材35の円筒状部36
の内面部分に設けられた係合突起部36Bが、回動部材
30における円筒状部30Cの外周部に設けられたカム
溝31の下端部分に係合している。このようにして、駆
動力伝達部材25のa方向の回動が停止せしめられるこ
とにより、昇降部材35及び可動支持部材22の夫々
が、図6に示される如くの軸部材20に沿って下降した
位置及び図7に示される如くの回動位置に維持されて、
可動支持部材22における第1のアーム部22Bにより
支持されたピンチローラ11が、図7に示される如く
の、キャプスタン10に磁気テープTを圧着する状態を
コイルスプリング46の弾性力によって維持するものと
される。なお、キャプスタン10に磁気テープTを圧着
する状態をとるピンチローラ11は、磁気テープTの走
行に伴って回転する。
【0047】その後、ローディングモータ13が、ロー
ディング位置にある可動ガイドポストG1〜G8をアン
ローディング位置へと移動させる作動状態にされると、
駆動力伝達部材25がa方向とは逆の方向に回動せしめ
られる。
【0048】このとき、駆動力伝達部材25のカム溝2
7における延長部分27Bに係合した回動伝達部材40
における係合ピン部42Aが、カム溝27における延長
部分27Bの変位に従って移動せしめられ、それに伴っ
て、回動伝達部材40が、軸部材20を回動中心として
a方向への回動を行うものとされる。それにより、回動
伝達部材40の環状部41に設けられた一対の係合部4
3A及び43Bが、昇降部材35の円筒状部36に設け
られた係合突出部36Aに係合して、軸部材20を回動
中心とするa方向の回動を行うことになり、軸部材20
に沿って下降した位置におかれた昇降部材35が、可動
支持部材22を伴って、軸部材20を回動中心としてa
方向に回動せしめられる。そして、昇降部材35におけ
るアーム状部37が、その回動範囲内におけるキャプス
タン10に関しての近接側の位置をとるべく移動せしめ
られる。
【0049】斯かる昇降部材35におけるアーム状部3
7の移動により、アーム状部37に設けられた回動規制
部37Bが、可動支持部材22における第2のアーム部
22Cに当接してその第2のアーム部22Cを移動さ
せ、それに伴って、可動支持部材22の全体が、軸部材
20を回動中心としてa方向に回動せしめられる。その
結果、可動支持部材22における第1のアーム部22B
の先端部分により支持されたピンチローラ11が、キャ
プスタン10から離隔する方向に移動せしめられる。
【0050】また、駆動力伝達部材25がa方向とは逆
の方向に回動せしめられることにより、回動部材30
が、軸部材20を回動中心としてa方向への回動を行う
状態におかれ、回動部材30の回動に伴うカム溝31の
変位に従って、カム溝31に係合した係合突起部36B
を有した昇降部材35が、可動支持部材22を伴い、軸
部材20に沿って上昇せしめられる。斯かる際、駆動力
伝達部材25に設けられたカム溝27に係合した回動伝
達部材40の環状部41に設けられた係合ピン部42A
は、カム溝27における延長部分27B内から円弧状部
分27A内へと移動している。従って、駆動力伝達部材
25のa方向とは逆の方向の回動に伴ってカム溝27が
変位しても、カム溝27に係合した回動伝達部材40に
おける係合ピン部42Aは、それに対してカム溝27に
おける円弧状部分27Aが移動するものとされて、移動
を生じないものとされる。それゆえ、回動伝達部材40
は、軸部材20を回動中心とする回動を行うことなく、
静止状態に維持される。
【0051】その結果、軸部材20に沿って上昇せしめ
られる昇降部材35は、その円筒状部36に設けられた
係合突出部36Aが、回動伝達部材40の環状部41に
設けられた一対の係合部43A及び43Bにより軸部材
20に沿う方向に案内される状態におかれて、軸部材2
0を回動中心とする回動は行わないものとされる。そし
て、昇降部材35及び可動支持部材22の夫々は、図1
に示される如くの、軸部材20に沿って上昇した位置を
とるものとされ、昇降部材35及び可動支持部材22の
夫々が軸部材20に沿って上昇した位置に到達すると、
ローディングモータ13の作動が停止せしめられ、駆動
力伝達部材25がa方向とは逆方向の回動を停止する。
このとき、駆動力伝達部材25に設けられたカム溝27
に係合した回動伝達部材40の環状部41に設けられた
係合ピン部42Aは、図2に示される如くに、カム溝2
7における円弧状部分27Aの一端部に係合しており、
また、昇降部材35の円筒状部36の内面部分に設けら
れた係合突起部36Bが、回動部材30における円筒状
部30Cの外周部に設けられたカム溝31の上端部分に
係合している。このようにして、駆動力伝達部材25の
a方向とは逆の方向への回動が停止せしめられることに
より、昇降部材35及び可動支持部材22の夫々が、図
1に示される如くの軸部材20に沿って上昇した位置及
び図2に示される如くの回動位置に維持されて、可動支
持部材22における第1のアーム部22Bにより支持さ
れたピンチローラ11が、図2に示される如くの、キャ
プスタン10から離隔した位置に維持される。
【0052】
【発明の効果】以上の説明から明らかな如く、本発明に
係るピンチローラ昇降回動機構にあっては、駆動力伝達
部材が回動することにより回動部材が回動せしめられ、
回動部材に設けられた第2のカム溝に係合した昇降部材
が、第2のカム溝の変位に従って軸部材に沿う上昇もし
くは下降を、昇降部材に設けられた相互係合部が回動伝
達部材に設けられた相互係合部により軸部材に沿う方向
に案内される状態をもって、行い、それにより、ピンチ
ローラを支持した可動支持部材が上昇もしくは下降せし
められるとともに、駆動力伝達部材に設けられた第1の
カム溝に係合した回動伝達部材が、第1のカム溝の変位
に従って回動し、それにより、昇降部材がピンチローラ
を支持した可動支持部材を伴って軸部材を回動中心とす
る回動を行うものとされ、その結果、可動支持部材によ
って支持されたピンチローラが、キャプスタンから離隔
した位置、あるいは、キャプスタンに磁気テープ等の移
動媒体を圧着する位置をとるものとされる。
【0053】そして、このような動作が行われるにあた
り、昇降部材は回動部材に設けられた第2のカム溝に常
時係合した状態におかれ、また、回動伝達部材も、昇降
動を行うことなく、駆動力伝達部材に設けられた第1の
カム溝に常時係合した状態におかれ、さらに、昇降部材
及び回動伝達部材が、夫々における相互係合部を通じて
常時相互係合した状態におかれる。それゆえ、昇降部
材,回動部材,可動支持部材及び回動伝達部材の夫々等
に対する特別の位置決め手段等が設けられることが必要
とされないもとで、可動支持部材によって支持されたピ
ンチローラにキャプスタンから離隔した位置あるいはキ
ャプスタンに磁気テープ等の移動媒体を圧着する位置を
とらせる動作が確実に行われることになる。さらに、昇
降部材に可動支持部材を伴っての軸部材を回動中心とす
る回動を行わせる役割を果たす回動伝達部材は、昇降動
を行わないものとされるので、その周囲に昇降用スペー
スが設けられる必要がない。
【0054】従って、本発明に係るピンチローラ昇降回
動機構によれば、全体構成の簡略化と小型化とが図ら
れ、さらに、その周囲に要されるスペースが比較的小と
されるもとで、ピンチローラにキャプスタンから離隔し
た位置をとらせる動作,ピンチローラにキャプスタンに
磁気テープ等の移動媒体を圧着する位置をとらせる動
作、さらには、ピンチローラを各位置に維持する動作
が、的確に行われることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るピンチローラ昇降回動機構の一例
の構成及び動作の説明に供される断面図である。
【図2】本発明に係るピンチローラ昇降回動機構の一例
の構成及び動作の説明に供される平面図である。
【図3】本発明に係るピンチローラ昇降回動機構の一例
がVTRに適用された状態を示す平面図である。
【図4】本発明に係るピンチローラ昇降回動機構の一例
がVTRに適用された状態を示す平面図である。
【図5】本発明に係るピンチローラ昇降回動機構の一例
についての分解斜視図である。
【図6】本発明に係るピンチローラ昇降回動機構の一例
の動作説明に供される断面図である。
【図7】本発明に係るピンチローラ昇降回動機構の一例
の動作説明に供される平面図である。
【符号の説明】
10 キャプスタン 11 ピンチローラ 13 ローディングモータ 20 軸部材 22 可動支持部材 22A 基部 22B 第1のアーム部 22C 第2のアーム部 25 駆動力伝達部材 27,31 カム溝 27A 円弧状部分 27B 延長部分 30 回動部材 35 昇降部材 36 円筒状部 36A 係合突出部 36B 係合突起部 37 アーム状部 37B 回動規制部 40 回動伝達部材 41 環状部 42 突出部 42A 係合ピン部 43A,43B 係合部 46 コイルスプリング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 秋元 勝司 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソ ニー株式会社内 (72)発明者 高瀬 昌毅 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソ ニー株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−276457(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 15/29 BEILSTEIN(STN)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1のカム溝が設けられた端面部を有し、
    駆動源からの駆動力により回動せしめられる駆動力伝達
    部材と、 第2のカム溝が設けられた外周部を有し、上記駆動力伝
    達部材の回動中心軸と略平行に伸びる軸部材に回動可能
    に嵌合するものとされ、上記駆動力伝達部材に係合し、
    該駆動力伝達部材の回動に伴って上記軸部材を回動中心
    とする回動を行う回動部材と、 上記第2のカム溝に係合する係合部を有して上記回動部
    材に移動可能に嵌合し、該回動部材が上記軸部材を回動
    中心とする回動を行うとき、上記第2のカム溝の変位に
    応じて上記軸部材に沿う上昇もしくは下降を行う昇降部
    材と、 上記第1のカム溝に係合するとともに上記昇降部材に係
    合するものとされて、上記回動部材に回動可能に嵌合
    し、上記駆動力伝達部材が回動するとき、上記第1のカ
    ム溝の変位に応じて回動して、上記昇降部材に上記軸部
    材を回動中心とする回動を行わせる回動伝達部材と、 ピンチローラを支持し、上記昇降部材に従って上記軸部
    材に沿う上昇もしくは下降あるいは上記軸部材を回動中
    心とする回動を行い、上記ピンチローラにキャプスタン
    から離隔した位置及びキャプスタンに移動媒体を圧着す
    る位置を選択的にとらせる可動支持部材と、を備え 上記昇降部材及び回動伝達部材の各々が、上記軸部材に
    沿う方向に伸びて常時相互に係合する相互係合部が設け
    られたものとされ、該昇降部材及び回動伝達部材の夫々
    の相互係合部が、上記昇降部材の上記軸部材に沿う上昇
    もしくは下降を妨げることなく、上記回動伝達部材の回
    動を上記昇降部材に伝達するものとされることを特徴と
    する ピンチローラ昇降回動機構。
  2. 【請求項2】駆動力伝達部材及び回動部材の各々が相互
    に噛合する歯車部を有したものとされ、上記駆動力伝達
    部材による駆動力が上記歯車部により上記回動部材に伝
    達されることを特徴とする請求項1記載のピンチローラ
    昇降回動機構。
  3. 【請求項3】駆動力伝達部材,回動部材及び回動伝達部
    材が、相互間における軸部材に沿う方向の相対変位を行
    わないものとされることを特徴とする請求項1または2
    記載のピンチローラ昇降回動機構。
  4. 【請求項4】可動支持部材が、軸部材に回動可能に嵌合
    する状態をもって昇降部材に取り付けられ、上記昇降部
    材と一体的に上記軸部材に沿う上昇もしくは下降を行う
    とともに、上記昇降部材の回動が弾性部材を介して伝達
    されるものとされることを特徴とする請求項1記載のピ
    ンチローラ昇降回動機構。
  5. 【請求項5】昇降部材が、可動支持部材に当接して該可
    動支持部材の回動範囲を規制する回動規制部が設けられ
    ものとされることを特徴とする請求項記載のピンチ
    ローラ昇降回動機構。
  6. 【請求項6】可動支持部材が、ピンチローラが取り付け
    られた第1のアーム部とスプリング部材を介して昇降部
    材に連結された第2のアーム部とを有するものとされる
    ことを特徴とする請求項5記載のピンチローラ昇降回動
    機構。
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