JPH064430Y2 - カセツト式磁気記録再生装置のカセツトリ−ル駆動装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案はカセット式磁気記録再生装置のカセットリール
駆動装置に係り、特に標準型カセットのリールは勿論、
標準型カセットより小型のカセットのリールも駆動しう
るカセット式磁気記録再生装置のカセットリール駆動装
置に関する。

従来の技術 現在、ビデオテープレコーダ用のカセットとして、標準
型のカセットと、これより小型のテープカセットが市販
されている。標準型カセット用のビデオテープレコーダ
において、小型カセットを装着して再生する場合には、
標準型カセットと同じ大きさのアダプタを使用し、小型
カセットをアダプタに収めてビデオテープレコーダに装
着している。このため、操作が繁雑となるばかりか、ア
ダプタがないと小型カセットを再生できない。

アダプタを使用せずに小型カセットを装着しうる装置が
例えば特開昭６０−１０９０５２号に示されている。こ
の装置では、リール台を移動可能とし、リール台を移動
させる機構を設け、装着されるカセットのサイズに対応
してリール台を移動させてリール台の間隔を装着される
カセットのリール間寸法と一致させる構成である。

考案が解決しようとする問題点 この装置は、リール台を移動可能に設け、リール台を移
動させる機構を設けた構成であるため、構造が複雑であ
り、部品点数の増加、組立作業の煩雑化、コスト高とい
う問題点があった。

本考案は上記問題点を解決したカセット式磁気記録再生
装置のカセットリール駆動装置を提供することを目的と
する。

問題点を解決するための手段 本考案のカセット式磁気記録再生装置のカセットリール
駆動装置は、供給リール軸と巻取リール軸との間に、小
型のカセットの巻取リール駆動用のギヤ部材を各リール
軸の軸線と平行な方向に移動可能に且つばねにより上方
に付勢して、更には巻取リール軸によりギヤ駆動される
ように設けてなる。

作用 標準型カセットは、各リールを対応するリール軸と嵌合
させて装着され、各リールをリール軸により駆動され
る。巻取リールの下側フランジの周囲をギヤ部とされこ
のギヤ部の一部がケースより露出した構成の小型カセッ
トは、供給リールを供給リール軸に嵌合させ、巻取リー
ルはギヤ部を前記ギヤ部材と噛合させて装着され、供給
リールは供給リール軸により巻取リール軸は巻取リール
軸によりギヤ部材を介して駆動される。標準型カセット
の装着時には、ギヤ部材は標準型カセットの底面により
押し下げられ巻取リール軸の周囲のギヤ部との噛合が解
除され、回転しない。

実施例 第１図（Ａ），（Ｂ）は本考案の１実施例になるカセッ
トリール駆動装置を示し、第４図はこのカセットリール
駆動装置が組み込まれたカセット式磁気記録再生装置を
示す。

第１図（Ａ），（Ｂ）中、１は供給リール軸、２は巻取
リール軸であり、夫々シャーシ３に固定されたモータ
４，５に直結してある。リール１，２は第２図に示す標
準型カセット６の供給リール軸７と巻取リール軸８との
間の寸法と等しい距離離して配してある。巻取リール８
の下部の周囲には、ギヤ部９が設けてある。

１０はギヤ組立体であり、供給リール軸１と巻取リール
軸２との間のうち巻取リール軸２寄りの個所に配設して
あり、第３図に示す小型カセット１１の巻取リールを駆
動するのに使用される。

ギヤ組立体１０は、軸１４に固定された第１のギヤ１２
と第２のギヤ１３とよりなり、軸１４を、シャーシ３に
ねじ止めされた支持部材１５に支承されており、回転可
能で且つ矢印Ａ_１，Ａ_２で示すようにリール軸１，２の
軸線１ａ，２ａと同方向に摺動可能である。

ギヤ組立体１０は、コイルばね１６により矢印Ａ_１方向
（上方）に付勢されている。ギヤ組立体１０は、通常第
１図（Ｂ）に示すように矢印Ａ_１方向に移動しており、
第２のギヤ１３の空のカセットホルダ１７の開口窓１８
を通してこの内部に突出しており、第１のギヤ１２はギ
ヤ部９と噛合している。

標準型カセット６は、第２図（Ａ），（Ｂ）に示すよう
に、カセットホルダ１７内に挿入されて、供給リール７
を供給リール軸１に嵌合され、巻取リール８を巻取リー
ル軸２に嵌合されて装着される。各リール７，８はモー
タ４，５により回転されるリール軸１，２により回転駆
動される。

ギヤ組立体１０は、標準型カセット６のケース１９の底
板２０により押されてばね１６に抗して矢印Ａ_２方向に
押し下げられ、第１のギヤ１３のギヤ部９に対する噛合
が解除される。従って、ギヤ組立体１０は回転せず、動
力のロスが無い。

小型カセット１１は、第３図（Ａ），（Ｂ）に示すよう
に上記のケース１９より小型のケース２１内に供給リー
ル２２及び巻取リール２３を収納してなる。供給リール
２２は供給リール軸１と嵌合しうる構成であり、巻取リ
ール２３は周囲をギヤ部２４とされた下側フランジ２５
を有する構成である。ケース２１のうち底板２６と右側
板２７とが会する部分が開口２８としてあり、こゝより
上記ギヤ部２４の一部が露出している。

上記の小型カセット１１は、第３図（Ａ），（Ｂ）に示
すように、カセットホルダ１７内に挿入されて、供給リ
ール２２を供給リール軸１に嵌合され、ギヤ部２４が第
２のギヤ１３に噛合して装着される。供給リール２２は
モータ４により回転される供給リール軸１により回転駆
動され、巻取リール２３はモータ４により巻取リール軸
２、ギヤ部９、ギヤ組立体１０を介してテープ巻取方向
に回転駆動される。

次に上記のカセットリール駆動装置を適用したカセット
式磁気記録再生装置について、第４図以下を参照して説
明する。

第４図は停止モード時の状態を示す。同図中、３０はロ
ーディングリング、３１は第１のローディングアーム、
３２は第２のローディングアーム、３３は第３のローデ
ィングである。

リング３０はモータ３４によりギヤ機構を介して回動さ
れる。

第１のアーム３１は、モータ３５によりウォームギヤを
介して回動される。第２のアーム３２は、リング３０の
回動により、リング３０上のリブ３６により押されて回
動するアーム３７を介して回動される。第３のアーム３
３は、リング３０の回動により、減速ギヤ列３８を介し
て回動される。

標準型カセット６は、第２図（Ｂ）に示すように、リー
ル７，８を対応するリール軸１，２に嵌合させて、且つ
第４図に示すように前面側の切欠３９内にローディング
ポール３１ａ，３２ａ、切欠４０内にローディングポー
ル３３ａが嵌入して装着される。

この後、例えば再生（又は記録）操作をすると、モータ
３４が起動し、リング３０が反時計方向に回動し、第２
のアーム３２及び第３のアーム３３が時計方向に回動
し、且つモータ３５が起動して第１のアーム３１が反時
計方向に回動する。これによりテープローディング動作
が行なわれ、装置は第５図に示す状態を経て、第６図に
示す状態となり、磁気テープ４１は標準型カセット６外
に引き出され、全幅消去ヘッド４２に添接し、ビデオヘ
ッドを有するガイドドラム４３に巻装され、オーディオ
・コントロールヘッド４４に添接したテープパスに装填
され、ピンチローラ４５とキャプスタン４６とにより挟
持駆動されて走行し、再生（又は記録）される。

小型カセット１１をカセットホルダ１７（第１図参照）
内に挿入されると、カセットの幅を検出するセンサ手段
（図示せず）が挿入されたカセットが小型カセット１１
であると判断し、モータ３４，３５が起動して逆転す
る。これにより、第７図に示すように、リング３０が時
計方向に回動して第２、第３のアーム３２，３３が反時
計方向に回動し、第１のアーム３１が時計方向に回動
し、ポール３１ａ，３２ａ，３３ａが小型カセット１１
の前面の切欠内に嵌入しうる位置に移動する。

この動作が完了した後カセットホルダ１７は下降し、小
型カセット１１は、第３図（Ｂ）に示すように供給リー
ル２２を供給リール軸１に嵌合させ、巻取リール２３の
ギヤ部２４を第１のギヤ１２と噛合させ、且つ第７図に
示すように、前面側の切欠４７内にポール３１ａ，３２
ａ、切欠４８内にポール３３ａが嵌入して装着される。

この後、例えば再生（又は記録）操作すると、前記の場
合と同様にテープローディング動作が行なわれ、装置は
第８図に示す状態を経て第９図に示す状態となり、磁気
テープ４９は小型カセット１１外に引き出されて所定の
テープパスに装填されて走行し、再生（又は記録）され
る。

考案の効果 上述の如く、本考案のカセット式磁気記録再生装置のカ
セットリール駆動装置によれば、アダプタを使用せずと
も小型カセットのリールを駆動することが出来、また従
来のようにリール台を移動させるような複雑な機構を必
要とせずに極めて簡単な構成とし得、部品点数の削減、
組立作業の簡易化、コストの低減を図ることが出来、ま
た標準型カセットが装着された場合には、ギヤ部材が巻
取リール軸のギヤ部より外れるため、動力ロスを無くす
ことが出来、またギヤ部材を巻取リール軸のギヤ部より
外すための操作は必要でないため、操作性もよいという
等の特長を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図（Ａ），（Ｂ）は夫々本考案のカセットリール駆
動装置の平面図、正面図、第２図（Ａ），（Ｂ）は夫々
装着された標準型カセットのリールを駆動する状態を示
す図、第３図（Ａ），（Ｂ）は夫々装着された小型カセ
ットのリールを駆動する状態を示す図、第４図は本考案
のカセットリール駆動装置が適用されたカセット式磁気
記録再生装置の１例の停止モード時の状態を示す図、第
５図、第６図は夫々標準型カセットが装着されてローデ
ィングが行なわれたときのローディング途中の状態及び
完了後の状態を示す図、第７図は小型カセットを装着し
たときの状態を示す図、第８図、第９図は夫々小型カセ
ットが装着されてローディングが行なわれたときのロー
ディング途中の状態及び完了後の状態を示す図である。 １……供給リール軸、２……巻取リール軸、３……シャ
ーシ、４，５……モータ、６……標準型カセット、７…
…供給リール、８……巻取リール、９……ギヤ部、１０
……ギヤ組立体、１１……小型カセット、１２……第１
のギヤ、１３……第２のギヤ、１４……軸、１５……支
持部材、１６……コイルばね、２０……底板、２２……
供給リール、２３……巻取リール、２４……ギヤ部、２
５……下側フランジ、２８……開口、３０……ローディ
ングリング、３１，３２，３３……ローディングアー
ム、３１ａ，３２ａ，３３ａ……ローディングポール、
４１，４９……磁気テープ、４３……ガイドドラム、４
５……ピンチローラ、４６……キャプスタン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】標準型カセットとこれより小型のカセット
   を選択的に装着され、装着されたカセットより磁気テー
   プを引き出し所定のテープパスを形成して記録再生を行
   なうカセット式磁気記録再生装置において、 上記小型カセットは、供給リールと、周囲をギヤ部とさ
   れた下側フランジを有する巻取リールとをケース内に収
   容し、該ギヤ部の一部が該ケースの底板と側板との会す
   る部分の開口より露出した構成を有し、 上記標準型カセットの供給リール及び上記小型カセット
   の供給リールと嵌合する供給リール軸と、 周囲にギヤ部を有し、上記標準型カセットの巻取リール
   が嵌合する巻取リール軸と、 上記ギヤ部と噛合しており該巻取リール軸により回転さ
   れる第１のギヤと、該第１のギヤと一体的に回転し、上
   記小型カセットの巻取リールの上記ギヤ部が噛合する第
   ２のギヤとを有するギヤ部材と、 該ギヤ部材を該巻取リール軸の軸線方向に変位可能に支
   持する支持体と、 該ギヤ部材を上方へ付勢するばね部材とよりなり、 上記小型カセットはその供給リールを上記供給リール軸
   に嵌合させ、その巻取リールのギヤ部を上記第２のギヤ
   部に噛合させて装着され、該供給リールを該供給リール
   軸により、該巻取リールを上記巻取リール軸により上記
   ギヤ部材を介して夫々駆動され、 標準型カセットは、その供給リール及び巻取リールを夫
   々上記供給リール軸及び巻取リール軸に嵌合させて装着
   され、該供給リール及び該巻取リールを夫々該供給リー
   ル軸及び巻取リール軸により駆動され、 該ギヤ部材は装着された該標準型テープカセットの底板
   により上記ばね部材に抗して押し下げられ、その第２の
   ギヤの上記巻取リール軸の周囲のギヤ部との噛合が解除
   される構成のカセット式磁気記録再生装置のカセットリ
   ール駆動装置。