JP3448420B2 - 電気かみそり - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 【０００１】 【発明の属する技術分野】本発明は電気かみそりの改良
に関し、とくに、毛止をケースの合わせ面に挟着するこ
となく組み立てできる電気かみそりに関する。 【０００２】 【従来の技術】電気かみそりは、プラスチック等で成形
されたケースに、モーター、駆動機構、電池等を内蔵し
ている。ケースは、縦に２分割できる形状に成形され
る。この構造のケースは、開いた状態でモーター等を収
納して、ケースを閉塞して組み立てられる。ケースは、
上部に外刃を装着し、この外刃の内面を摺動するよう
に、内刃を配設しており、外刃と内刃で髭剃りできるよ
うに構成している。振動する内刃は、ケースの開口窓か
ら突出される。外刃と内刃で切断された髭が、ケースの
内部に侵入しないように、ケースの開口窓には毛止を配
設する。毛止は、振動子と開口窓の間の隙間を閉塞す
る。毛止は、振動子の振動を阻害しないように、柔軟に
変形できるクッション性のあるプラスチックフォーム等
が使用される。 【０００３】毛止は、中心に振動子を挿通させる貫通孔
を有する。振動子は、貫通孔の内面に隙間なく密着す
る。毛止の外周部は、ケースの開口窓に隙間なく密着さ
れて、髭がケースに侵入するのを防止する。 【０００４】 【発明が解決しようとする課題】開口窓を毛止で閉塞す
る電気かみそりは、図１に示すように、振動子３を貫通
孔５に挿通した毛止４を、２分割したケース１の装着溝
６に案内して組み立てられる。ところが、この組み立て
工程において、図２に示すように、柔軟に変形できるク
ッション性のある毛止４が、ケース１の合わせ面に挟ま
れやすい欠点がある。毛止４が合わせ面に挟着される
と、ケース１を正確な状態で組み立てできなくなった
り、あるいは、ケース１が局部的に変形される等の弊害
が発生する。このため、ケース１を組み立てるときに、
毛止４が挟み込まれないように細心の注意を払う必要が
あり、毛止４が挟まれてしまうとケース１を開いて組み
直す必要があって、生産能率が低下している。 【０００５】本発明は、さらにこの欠点を解決すること
を目的に開発されたものである。本発明の重要な目的
は、ケースを組み立てるときに毛止がケースの合わせ面
に挟み込まれるのを有効に防止して能率よく組み立てで
きる電気かみそりを提供することにある。 【０００６】 【課題を解決するための手段】本発明の電気かみそり
は、周壁１ａに開口窓２を有するケース１と、このケー
ス１の開口窓２からケース１の外部に突出している内刃
９の振動子３と、ケース１の開口窓２に装着されて、ケ
ース１の周壁１ａと振動子３との隙間を閉塞している毛
止４とを有する。毛止４は、振動子３が自由に振動でき
るように、柔軟に変形できるクッション性を有する。こ
の毛止４は、開口窓２の隙間を閉塞して、開口窓２から
ケース１内に髭が侵入するのを阻止する。 【０００７】さらに、本発明の電気かみそりは、２分割
された一方のケース１の周壁１ａであって、毛止４を装
着する部分に、他方のケース１との合わせ面より突出す
る押さえ片２０を有する。押さえ片２０は、毛止(4)の
上下を挟持保持して、周壁１ａの合わせ面に毛止４が突
出して挟まれるのを防止して、２分割されたケース１が
組み立てられるように構成している。 【０００８】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態
は、本発明の技術思想を具体化するための電気かみそり
を例示するものであって、本発明は電気かみそりを下記
のものに特定しない。 【０００９】さらに、この明細書は、特許請求の範囲を
理解しやすいように、実施の形態に示される部材に対応
する番号を、「特許請求の範囲の欄」、および「課題を
解決するための手段の欄」に示される部材に付記してい
る。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施の形
態の部材に特定するものでは決してない。 【００１０】図３は電気かみそりのケース１を開いた状
態を示す。この図の電気かみそりは、ケース１に、電池
７と、この電池７で駆動されるモーター８と、モーター
８で振動される振動子３と、この振動子３の先端に装着
される内刃９とを備える。さらに、図示しないが、ケー
ス１の上部には、すでに市販されている電気かみそりの
ように、外刃（図示せず）が装着される。外刃は、多数
の髭剃り孔のある薄いプレートである。外刃を脱着自在
に装着するために、図３のケース１は、上部の両端に弾
性凸起１０を設けている。外刃は、弾性凸起１０に係止
されるカバー（図示せず）を介して、ケース１に装着さ
れる。 【００１１】電気かみそりのケース１はプラスチック製
で、図４に示すように、２分割できる形状に成形されて
いる。２分割して成形されたケース１は、外周に同じ形
状の周壁１ａを有し、周壁１ａを連結して閉鎖構造のケ
ースとなる。２分割されたケース１を連結するために、
図３のケース１は、上部の２カ所と、下部の２カ所にネ
ジ止めするボス穴１１を設けている。この図のケース１
に連結されるもう一方のケースは、図示しないが、ボス
穴１１の位置に止ネジを貫通させる貫通孔を成形する。
止ネジは、貫通孔からボス穴１１にねじ込まれて、２分
割されたケースを連結する。 【００１２】ケース１は、振動子３を外部に突出させる
開口窓２を上部に有する。ケース１の上部を、図４の斜
視図に示す。この図に示すケース１は、上面周壁１ａの
中央に凹部１２を成形して、開口窓２としている。この
開口窓２のほぼ中心に、振動子３の中心ロッド１３を配
設している。振動子３は、図３に示すように、両側に設
けられた弾性アーム１４の上端を、ケース１に設けられ
た嵌着孔１５に嵌入して、中心ロッド１３を開口窓２の
中心に配設している。弾性アーム１４は、先端を太く成
形して嵌入部として、嵌入部をケース１の嵌着孔１５に
入れて固定している。振動子３は、弾性アーム１４を弾
性変形させて、中心ロッド１３を矢印の方向に振動させ
る。 【００１３】振動子３は、コンロッド１６を介して、モ
ーター８の回転軸に固定されるカム軸１７に連結され
る。モーター８が回転されると、カム軸１７とコンロッ
ド１６によって、振動子３は矢印の方向に振動される。 【００１４】振動子３の中心ロッド１３と開口窓２の間
は、毛止４で閉塞される。開口窓２から髭が侵入しない
ようにするためである。毛止４は、髭の侵入を阻止する
が、振動子３をスムーズに振動させるために、柔軟に変
形できるクッション性のある材質、たとえば、ウレタン
フォーム等の軟質プラスチック発泡体である。毛止４
は、中心に貫通孔５を有する。貫通孔５に振動子３の中
心ロッド１３が挿通される。中心ロッド１３が、貫通孔
５に隙間なく密着するように、貫通孔５の内形は、中心
ロッド１３の外形よりも多少小さい。さらに、毛止４
は、ケース１の周壁１ａの内側に密着して、開口窓２に
隙間なく密着する形状に裁断されている。柔軟に変形で
きるクッション性のある毛止４は、外形を多少大きく成
形することにより、ケース１の開口窓２に弾性的に押圧
されて隙間なく密着する。 【００１５】毛止４を開口窓２の定位置に装着するため
に、図３と図５に示すように、ケース１は、周壁１ａの
内側に保持凹部１８を成形している。保持凹部１８は、
上面周壁１ａの下方に設けられている。図３のケース１
は、毛止４が縦方向に位置ずれするのを阻止するストッ
パーリブ１９を一体成形している。さらに、毛止４の両
側面は、図６に示すように、ケース１の内面に隙間なく
当接する。 【００１６】さらに、図３ないし図７に示すケース１
は、片方のケース（図４〜図７において左側のケース１
Ａ）の周壁１ａに、ケース１を組み立てるときに、毛止
４が周壁１ａの合わせ面に挟み込まれるのを阻止するた
めの押さえ片２０を一体成形している。押さえ片２０
は、毛止４を装着する部分であって、他方のケース（図
４〜図７において右側のケース１Ｂ）の周壁１ａの合わ
せ面に向かって突出するように成形されている。押さえ
片２０は、毛止４が周壁１ａの合わせ面に突出して挟ま
れないように、図４の斜視図と図５と図６の断面図に示
すように、毛止４の上面を押圧している。 【００１７】図４と図７のケース１は、周壁１ａに設け
られた開口窓２の両側に押さえ片２０を一体成形してい
る。さらに、押さえ片２０は、とくに毛止４が挟まれや
すい、開口窓２の付近で長く、その他の部分で短くして
いる。２分割されたケース１を連結したときに、押さえ
片２０が他方のケース１Ｂの周壁１ａの合わせ面に衝突
しないように、他方のケース１Ｂは周壁１ａの下面に、
図６に示すように、押さえ片２０を挿入する挿入凹部２
１を設けている。 【００１８】さらに、これ等の図に示すケース１は、保
持凹部１８の上下面に押さえ片２０を一体成形してい
る。この構造のケース１は、図４の斜視図と図６の断面
図に示すように、押さえ片２０で毛止４の上下を挟着保
持して、ケース１を組み立てでき、組み立てた状態で
も、毛止４を押さえ片２０で挟着して定位置に保持でき
る特長がある。 【００１９】この構造の電気かみそりは、組み立てた状
態で図３に示すように、毛止４の両端面にストッパーリ
ブ１９を位置させ、図６に示すように毛止４の両側面に
２分割されたケース１の内面を当接して定位置に保持す
る。 【００２０】 【発明の効果】本発明の電気かみそりは、ケースを組み
立てるときに、柔軟な毛止がケースの合わせ面に挟み込
まれるのを防止して、簡単かつ容易に、しかも能率よく
組み立てできる特長がある。それは、本発明の電気かみ
そりが、ケースの周壁に、毛止が合わせ面に突出するの
を阻止する押さえ片を設けているからである。さらに、
押さえ片を有するケースは、押さえ片で毛止を保持する
形状とすることも可能で、この構造にすることにより、
毛止を定位置に配設して、さらにケースを能率よく組み
立てできる特長がある。

【図面の簡単な説明】 【図１】従来の電気かみそりのケースを組み立てる状態
を示す断面図 【図２】図１の電気かみそりで毛止がケースの合わせ面
に挟まれた状態を示す断面図 【図３】本発明の一実施の形態を示す電気かみそりの断
面図 【図４】図３に示す電気かみそりのケース上部を示す斜
視図 【図５】図３に示す電気かみそりのケースで振動子を挟
着する構造を示す側面断面図 【図６】図３に示す電気かみそりのケースで振動子を挟
着する構造を示す側面断面図 【図７】図３に示す電気かみそりのケースで振動子を挟
着する構造を示す上面図 【符号の説明】 １…ケース １ａ…周壁 １Ａ…左側のケース １Ｂ…右側のケース ２…開口窓 ３…振動子 ４…毛止 ５…貫通孔 ６…装着溝 ７…電池 ８…モーター ９…内刃 １０…弾性凸起 １１…ボス穴 １２…凹部 １３…中心ロッド １４…弾性アーム １５…嵌着孔 １６…コンロッド １７…カム軸 １８…保持凹部 １９…ストッパーリブ ２０…押さえ片 ２１…挿入凹部

Claims (1)

1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】 周壁(1a)に開口窓(2)が設けられている
   ケース(1)と、このケース(1)の開口窓(2)からケース(1)
   の外部に突出している内刃(9)の振動子(3)と、ケース
   (1)の開口窓(2)に装着されて、ケース(1)の周壁(1a)と
   振動子(3)との隙間を閉塞している毛止(4)とを有し、毛
   止(4)は、柔軟に変形できるクッション性を有し、か
   つ、開口窓(2)の隙間を閉塞して開口窓(2)からケース
   (1)内に髭が侵入するのを阻止するように構成されてな
   る電気かみそりにおいて、 ２分割された一方のケース(1)の周壁(1a)であって、毛
   止(4)を装着する部分に、他方のケース(1)との合わせ面
   より突出する押さえ片(20)が設けられており、該押さえ
   片(20)が、毛止(4)の上下を挟持保持して、 周壁(1a)の合わせ面に毛止(4)が突出して挟まれるのを
   防止して、２分割されたケース(1)が組み立てられるよ
   うに構成されてなることを特徴とする電気かみそり。