JP3447087B2 - 電動パワーステアリング制御装置 - Google Patents

電動パワーステアリング制御装置

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JP3447087B2
JP3447087B2 JP24885593A JP24885593A JP3447087B2 JP 3447087 B2 JP3447087 B2 JP 3447087B2 JP 24885593 A JP24885593 A JP 24885593A JP 24885593 A JP24885593 A JP 24885593A JP 3447087 B2 JP3447087 B2 JP 3447087B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、操舵力を電動モータ
によりパワーアシストする電動パワーステアリングの制
御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電動パワーステアリングの従来技術とし
て、例えば出願人が既に出願している特願平5−103
619に記載された技術(図8)が存在する。この技術
における電動モータのON、OFF制御は、ハンドルか
ら入力されるマニュアルステアリング力により発生する
回転トルクを機械的な動きに変換し、この動きがあった
ときにON、OFFを行うものである。即ち、回転トル
クが発生するとセレクトギヤ1は上または下方向へ移動
する。この移動の際に、セレクトギヤの突起部3が操舵
トルクセンサ5であるスイッチを押圧し、電動モータが
ONする。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来技術では電動モータのON、OFF制御を行うために
操舵トルクセンサ5を設ける必要がある。この操舵トル
クセンサ5は高価であり、また操舵トルクセンサ5の故
障の可能性の問題があった。本発明は、以上の問題点を
解決するために成されたもので、従来の操舵トルクセン
サを設けること無く、電動モータのON、OFF制御を
行うことのできる電動パワーステアリング制御装置を提
供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するた
めに、本発明は、スタブシャフトと、このスタブシャフ
トに同軸に回転自在に設けられた第1従動傘歯車と、ピ
ニオンシャフトと、このピニオンシャフトに同軸に回転
自在に設けられ、上記第1従動傘歯車と対向する第2従
動傘歯車と、上記第1従動傘歯車と上記第2従動傘歯車
に噛み合っている駆動傘歯車と、上記スタブシャフトと
上記ピニオンシャフトとを連結するトーションバと、ス
タブシャフトとピニオンシャフトとの相対回転に応じて
一方または他方に移動するセレクトギヤと、このセレク
トギヤと上記第1従動傘歯車との接触部分に設けられた
第1クラッチと、上記セレクトギヤと上記第2従動傘歯
車との接触部分に設けられた第2クラッチと、上記駆動
傘歯車にモータ軸を連結した電動モータとを備え、マニ
ュアルステアリング力が加わることで上記スタブシャフ
トが回転すると、この回転トルクによってトーションバ
がねじれ、スタブシャフトとピニオンシャフトとが相対
回転すると、上記セレクトギヤは一方または他方に移動
し、その移動方向に応じて第1クラッチまたは第2クラ
ッチが入ってピニオンシャフト及びスタブシャフトが上
記駆動傘歯車を介して上記電動モータのモータ軸と接続
し、このモータ軸が回転する電動パワーステアリングを
前提とする。この電動パワーステアリング制御装置は、
上記電動モーの電源をON,OFFするON/OFF
手段と、マニュアルステアリング力によりモータ軸が回
転されることで上記電動モータに発生する誘起電圧を検
出する誘起電圧検出手段と、回転トルクが働かなくなり
クラッチが切れることで、上記電動モータにかかる負荷
が無くなった場合に上記電動モータに流れる小さな無負
荷電流を検出する無負荷電流検出手段と、記誘起電圧
検出手段による誘起電圧の検出があったときにON/O
FF手段へON作動を指令し、記無負荷電流検出手段
による無負荷電流の検出があったときにON/OFF手
段へOFF作動を指令するコントローラと、を備えたこ
とを特徴とする。また、誘起電圧検出手段は、ON/O
FF手段がOFF作動をした後に所定秒経過してから検
出を再開するものとすることができる。
【0005】
【作用】電動モータの電源がOFFの状態で、この電動
モータのモータ軸がマニュアルステアリング力により回
転されると、電動モータには誘起電圧が発生する。この
誘起電圧の検出があったときに前記電源をONにする。
また電源がONの状態で電動モータにかかる負荷がなく
なると、電動モータへの電流は小さくなり、無負荷電流
となる。この無負荷電流の検出があったときに前記電源
をOFFにする。また、電動モータの電源がOFFにな
った直後は電動モータは慣性により回転しており、検出
される電圧が慣性回転による誘起電圧なのかマニュアル
ステアリング力による誘起電圧なのか判別が難しいの
で、電源がOFFになった後に所定秒経過し慣性回転が
なくなってから誘起電圧検出手段は検出を再開する。
【0006】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1乃至図7にお
いて説明する。本実施例の図1に示す電動パワーステア
リングは、図8に示す従来の電動パワーステアリングに
対し操舵トルクセンサ5が設けられていない。以下、こ
の電動パワーステアリングの概略を説明する。図示しな
いハンドルによりステアリング操舵力が加わるとスタブ
シャフト7が回転する。スタブシャフト7はトーション
バ9を介してピニオンシャフト11に連結している。し
たがって、前記操舵力により回転トルクが発生すると、
トーションバ9がねじれ、スタブシャフト7とピニオン
シャフト11との間に相対的な回転変位が生じる。スタ
シャフト7側には第1従動傘歯車13が同軸に回転自
在に設けられ、ピニオンシャフト11側にも第2従動傘
歯車15が同軸に回転自在に設けられている。第1従動
傘歯車13と第2従動傘歯車15は互いに向かい合って
いる。これらの従動傘歯車13,15には一つの駆動傘
歯車17が常時噛み合っている。この駆動傘歯車17に
はモータ軸19を介して図示しない電動モータから回転
駆動力が伝えられる。
【0007】前記スタブシャフト7とピニオンシャフト
11との対向側を筒状にし、その内部に前記トーション
バ9を位置させている。そして、スタブシャフト7の下
端の外周にはストレートスプライン21が形成され、ピ
ニオンシャフト11上端の外周にはヘリカルスプライン
23が形成されている。そして、これらのスプライン2
1、23にまたがってセレクトギヤ1が設けられる。セ
レクトギヤ1は内周面の上方にストレートスプライン2
1が形成され、下方にヘリカルスプライン23が形成さ
れている。これにより、スタブシャフト7とピニオンシ
ャフト11とが相対回転すると、この回動方向により、
セレクトギヤ1は上または下方向に移動する。上へ移動
すると、セレクトギヤ1の上面が第1従動傘歯車13の
下面に接触する。この接触部分にはそれぞれ第1クラッ
チのシュウ25が設けられており、接触によりクラッチ
が入る。また、セレクトギヤ1が下へ移動すると、同様
に、第2クラッチのシュウ27により第2従動傘歯車1
5についてクラッチが入る。
【0008】このようにして、電動モータによる駆動傘
歯車17の回転方向が常に同じでも、発生する回転トル
クの方向により、セレクトギヤ1が上または下に移動
し、従って右または左方向へのパワーアシストを行うこ
とができる。さて、本実施例では、電動モータの寿命を
ばし、しかも、車載バッテリーがあがってしまうのを
防止するために、パワーアシストを必要とするときだ
け、電動モータの電源をONにするようにしている。こ
のようなON,OFF制御を、従来の操舵トルクセンサ
5(図8)に変わり、図2に示す制御装置によって行
う。バッテリー29からの電力は、ステアリングのパワ
ーアシストを行う電動モータ31へ供給される。この供
給を行う回路33の途中には小さな抵抗35が設けら
れ、この抵抗35の両端にモータ電流検出回路37が設
けられる。このモータ電流検出回路37は前記抵抗35
の両端の電位差を検出し、これにより回路に流れる電流
を検出するもので、本実施例にかかる無負荷電流検出手
段を兼ねる。
【0009】上記回路33の途中にはモータON/OF
Fリレー39が設けられ、コントローラ41からの指令
信号によりON,OFF作動を行い、本実施例のON/
OFF手段となる。また、回路33において電動モータ
31のバッテリー29のプラス側(接地側でない方)に
はモータ誘起電圧検出回路43が設けられ、回路33の
電位を検出しコントローラ41へ検出信号を出力するも
のとなっており、本実施例の誘起電圧検出手段となって
いる。電動モータ31にはサーミスタ45が設けられ、
電動モータ31の温度を監視しており、温度検出信号を
モータ温度信号入力回路47を介して、コントローラ4
1へ入力する。更に、図示しない車速検出手段からの車
速パルスが、車速信号入力回路49を経て、コントロー
ラ41へ入力される。また、図示しないエンジン回転検
出手段からエンジン回転パルスがエンジン回転入力回路
51を経てコントローラ41へ入力される。
【0010】この図2のモータ誘起電圧検出回路43及
びモータ電流検出回路37によるON,OFF制御の原
理を図3及び図4において説明する。図3においてバッ
テリー29のON制御について説明する。ハンドルを回
しスタブシャフト7(図1参照)を回転すると、車輪の
接地抵抗などによりピニオンシャフト11に回転抵抗が
あると、トルクが発生し(同図(a))、トーション
9がねじれ、スタブシャフト7とピニオンシャフト11
との間に相対回転が生じる。この相対回転により、前述
したようにセレクトギヤ1が移動し、クラッチが入って
ピニオンシャフト11及びスタブシャフト7が電動モー
タ31(図2)側と接続する(同図(b))。この接続
により、マニュアルステアリング力による回転力が、電
動モータ31のモータ軸19を回転する(同図
(c))。この回転により誘起電圧が電動モータ31に
発生する(同図(d))。この誘起電圧が発生すること
を一つの必要条件として、電源がONされ電動モータに
通電されて(同図(e))、電動モータ31が回転しモ
ータトルクが立ち上がる(同図(f))。このように電
動モータ31に通電が行われると電動モータ31の回転
数は更に多くなり(同図(c)),モータ電圧は更に高
くなる(同図(d))。なお、モータ電圧に表れる前
誘起電圧の説明は、後述する図5において行う。
【0011】次に、図4においてOFF制御の説明をす
る。ハンドルが回されなくなり従ってマニュアルステア
リング力が入力されなくなり、あるいはピニオンシャフ
ト11側の回転抵抗がなくなると、トーション9にト
ルクが働かなくなり(図4(a))、クラッチが切れ
(図4(b))、電動モータ31の負荷がなくなるので
モータ回転数Nは大きくなる(図4(c))。また電動
モータ31に流れる電流は非常に小さくなり無負荷電流
となる(図4(d))。この無負荷電流が検出されると
電源がOFFされる(図4(e))。なお、電動モータ
31の負荷が無くなることでモータトルクも無くなる
(図4(f))。この電動モータ31の負荷がなくなる
と、小さな無負荷電流が表れることを後述する図5にお
いて説明する。以上のように本実施例においては、電動
モータ31にマニュアルステアリング力による誘起電圧
が発生する。この誘起電圧を利用して電源をONにす
る。また、モータ負荷がなくなり、モータ電流が無負荷
電流になることを利用して電源をOFFにするが、この
ような誘起電圧と無負荷電流の発生する原理を図5で説
明する。
【0012】まず、説明を簡単にするために図2の回路
の中から電動モータ31と、電源であるバッテリー29
との関係を取り出すと、図5(a)のようになる。そし
て、一般的に電動モータ31の働きは、図5(b)に示
すように、電動モータ31のコイル53に通電されるこ
とによって生じる磁界により、ロータである磁石55が
引き付けられ、この引き付けられる力によりロータが回
転するものである。ところで、コイル53に、バッテリ
ー29から通電を行わない状態で、ロータである磁石5
5を近けると、図5(c)に示すように、この近
る動きに抵抗するように、コイル53に電流が流れる磁
界を発生する。この磁界の向きは、先程の図5(b)の
磁界の向きとは逆方向である。従って、この磁界をつく
る電流を流そうとする電圧、即ち誘起電圧も、前記バッ
テリー29の電圧の方向とは逆方向となる。この誘起電
圧は、ロータである磁石55が外力で動く場合であって
も、通電で動く場合であっても、同様に生じる。そし
て、誘起電圧の方向は、ロータである磁石55の動きの
方向によって決まる。
【0013】この図5(c)を考慮すると前記図5
(a)は、図5(d)のような等価回路に表せる。即
ち、電動モータ31はバッテリー29とは逆方向を向く
電源57と、コイルを表す抵抗59との組み合わせとす
ることができる。分かりやすくするため図5(d)の回
路を直線的に表現し(図5(e))、各部分における電
位を表す(図5(fから(h))。
【0014】図5(f)は、電源(バッテリー29)が
ONで電動モータ31が一定の負荷をうけて回転してい
る状態を示す。負荷がかかっていることで電動モータ3
1の回転数は小さく、誘起電圧VMは小さい。そして抵
抗59としてのコイルにかかる電圧は、バッテリー電圧
VBと誘起電圧VMとの差になる。負荷が大きければVM
は小さくなるので、この差は大きくなり、大きな電圧が
コイルにかかるため大きな電流が流れる。これに対し図
5(g)は無負荷あるいは負荷の小さい状態を表す。V
BとVMの差は小さく、従ってコイルには余り大きな電圧
がかからないので、小さな電流が流れる。無負荷の場合
には、この電流はとりわけ小さく無負荷電流として検知
される(図4(d))。また、図5(h)は電源(バッ
テリー29)がOFFであり、従ってVBが電動モータ
31から切り離されている。電動モータ31は外力(本
実施例によればマニュアルステアリング力)によって正
回転方向(バッテリー29により通電され回転される方
向と同じ方向)に回転されるものとする。マニュアルス
テアリング力による回転数が大ければこのVMも大き
くなる。このVMを検出することで電動モータの電源を
ONにするタイミングをつかむことができる(図3
(d)(e))。
【0015】また、このようにバッテリー電圧VBは電
動モータ31の回転数Nによって決まる(図5(b)
(c))ので図3(c)と(d)の変化はよく似たもの
になる。電源がONになった直後のピーク状態が図3
(c)にあるのに比べ、図3(d)にはこのようなピー
クが無い理由は、図3(d)のモータ電圧はバッテリー
電圧VBを越えることがないため(図5(g))であ
る。ところで、前記図3(d)のようにモータ電圧に表
れる誘起電圧を検出する際に、その誘起電圧がマニュア
ルステアリング力によるものなのか、電動モータの慣性
力によるものなのかを判別しなければならない。即ち、
電源がOFFになった直後において電動モータ31が瞬
時に停止できないタイプのものである場合は、電動モー
タ31は慣性により回転し続け、この回転によっても誘
起電圧を発生する。判別は、誘起電圧が減少を続けてい
るか増加を続けているかを検出することで行うことも可
能であるが、本実施例においては、図6に示すように、
電源がOFFになった直後に所定秒、例えば0.5秒経
過した後に誘起電圧の検出を再開することにより、慣性
回転による誘起電圧の検出を排除する。即ち、誘起電圧
検出手段であるモータ誘起電圧検出回路43(図2)は
図示しないアイドルタイマーを有し、電源OFF後0.
5秒経過して初めて検出を再開する。なお、アイドルタ
イマーはコントローラ41内に内蔵するものであっても
良い。
【0016】更に、本実施例におけるON,OFF制御
は誘起電圧の検出及び無負荷電流の検出を条件とするの
みならず、他の条件をも満たした場合に行われる(表
1)。
【表1】この表1のうち、電源をONにし電動モータ3
1を起動する条件、及び電源をOFFにし電動モータ3
1を停止する条件について、図7のフローチャートを基
に説明する。即ち、エンジンが回転しているか否かを監
視し(図7(S1))、回転していなければ、電動モー
31の寿命を延ばすとともに、車載されたバッテリー
29の上がり防止や省エネのために、電源ONにはされ
ない。回転中であれば、車速により車が停車中(ある一
定車速以下)であるか否かを見て(S2)、停車中でな
いときは、車が動いていることによりステアリングはマ
ニュアルでもある程度容易であり従って電動パワーステ
アリングを働かせる必要がないものとして、電源ONは
行わない。逆に、一定以下の車速であれば、例えば停車
中の据えぎりに必要なパワーアシストをするため電源O
Nが必要となる。次に、電動モータ31が過熱していな
いかどうかを見て(S3)、過熱していれば電源ONは
しない。
【0017】過熱していなければ、次に誘起電圧を検出
したか否かを見(S4)、検出していなければ電源ON
を行わない。検出していれば、ハンドルが回転され、操
舵トルクが発生しトーション9(図1)がねじれセレ
クトギヤ1が移動しマニュアルステアリング力により電
動モータ31が回転されていることを示すので、電源が
ONされ電動モータ31の通電が行われ電動パワーステ
アリングが働く(S5)。次に、電源がONの状態で、
エンジンが回転しなくなれば(T1)電源がOFFされ
る。また、車がある車速以上で動いている場合には前記
S2と同様に電源はOFFされる(T5)。また、電動
モータ31が過熱する場合には前記S3と同様に電源は
OFFにされる(T5)。
【0018】更に、エンジンが回転中であり(T1)一
定車速以下であり(T2)電動モータが過熱しておらず
(T3)しかも無負荷電流が検出されて30秒経過した
後にも(T4)、電源がOFFとなる。また30秒経過
しない間は、電源をOFFにしない。その効果は、電動
モータ31の停止後(電源OFF後)、違和感を減少す
ることができ、しかも、ON−OFF回数が少なくな
り、リレー寿命を延ばすことができる。そして電源がO
FFになった直後、電動モータ31が自己のロータの慣
性力により回転し続けることを考慮して、この回転が成
されるであろう極めて短い所定秒、ここでは0.5秒が
経過してから(S6)再び、電源をONにするためのソ
フトループ(S1からS5)に復帰する。なお、以上の
図7のフローチャートには示さないが、ある状態が検出
されることで直ちに電動モータ31への通電を停止する
ため電源をOFFにするフェールセーフ機能を有する
(表1の右欄)。
【0019】即ち、車速センサーの異常、即ち車速が急
変したり、エンジンが高回転であるにも拘らず車速0を
示したりするような場合には、電源がOFFになる。ま
た電動モータ31の地絡や短絡などにより過電流が流れ
る場合、モータON/OFFリレー39がOFF状態で
あるにも拘らず電動モータ31に電流が流れているなど
によりリレー39の溶着が考えられる場合、あるいはモ
ータ電圧の異常な低下によりバッテリー電圧低下が考え
られる場合などには、電源をOFFにし、安全を確保す
る。以上説明したように、本実施例の電動パワーステア
リング制御装置では、従来技術(図8)のような操舵ト
ルクセンサ5を設けなくても、モータ電圧に誘起電圧が
表れることで電源(バッテリ−29)をONにし、モー
タ電流に無負荷電流が表れることで電源をOFFにする
ことにより、電動パワーステアリングの電動モータ31
を必要な場合にのみ働かせることができる。
【0020】必要な場合にのみ働かせることで、電動
ータ31の寿命を延ばせるし、バッテリー29の上がり
を防止するとともに、全体的にも省エネルギーを達成で
きる。また、一定の車速以上では電源をOFFにするこ
とで、アシスト力の必要性の小さな走行時には電動モー
タ31を使用せず電動モータ31の寿命をばすことが
できる。また、モータ電流に無負荷電流が表れてからも
30秒の間は電動モータ31の回転を続け、30秒経過
後に電源をOFFにすることで、クラッチ接続の違和
感を減少することができる。さらに、左右への繰り返し
操舵においても、不必要にリレーのON−OFFを繰り
返すことなく、リレー寿命を長くすることができる。
【0021】電源がOFFになった後に0.5秒経過し
てから誘起電圧の検出を再開することで、電動モータ
の停止直後の慣性回転による誘起電圧を、マニュアル
ステアリング力による誘起電圧と誤って検出してしま
い、電動モータ31がエンドレスに回転してしまう恐れ
を完全に無くすことができる。更に、種々のフェールセ
ーフ機能(表1欄)を設けることで、従来のような機
械的な操舵トルクセンサを用いるかわりに電圧や電流
の検出により制御を行う際に、制御の信頼性を向上する
ことができる。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の電動パワ
ーステアリング制御装置によれば、マニュアルステアリ
ング力により回転されることで電動モータに発生する誘
起電圧が検出されたときに、電動モータの電源をONに
し、電動モータにかかる負荷がなくなったことを示す無
負荷電流が検出されたときに電源をOFFにすること
で、電動モータのON、OFF制御を行うので、従来の
ように操舵トルクセンサを設けて電源のON/OFF制
御を行う必要がなくなり、操舵トルクセンサを省略でき
装置全体のコストを押さえることができ、操舵トルクセ
ンサの故障の可能性をなくすことができる。誘起電圧検
出手段が、電源のOFFの後に所定秒経過してから検出
を再開することで、電動モータが瞬時に停止できないタ
イプのものであっても電源OFF直後の慣性回転による
誘起電圧を、マニュアルステアリング力による誘起電圧
として誤って検出することを防止できる。また、無負荷
電流が一定時間継続してからモータをOFFにすると、
クラッチ接続時の違和感を減少させることができる。さ
らに、左右に繰り返し操舵の場合でも、必要以上なON
−OFFをせず、リレー寿命を延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例に係る電動パワーステアリングの
機械的な部分を示す断面図である。
【図2】図1の駆動傘歯車を回転する電動モータを制御
するためのブロック図である。
【図3】モータ電圧に表れる誘起電圧によって電源のO
N制御を行う説明図であり、 (a)は操舵トルクを示す図 (b)はクラッチ接続を示す図 (c)はモータ回転を示す図 (d)はモータ電圧を示す図 (e)は電動モータの電源の電圧を示す図 (f)はモータトルクを示す図
【図4】モータ電流に表れる無負荷電流によって電動モ
ータのOFF制御を行う説明図であり (a)は操舵トルクを示す図 (b)はクラッチ接続を示す図 (c)はモータ回転を示す図 (d)はモータ電流を示す図 (e)は電動モータの電源の電圧を示す図 (f)はモータトルクを示す図
【図5】モータ電圧に表れる誘起電圧及びモータ電流に
表れる無負荷電流の発生を説明する図であり (a)は図2における電源と電動モータの関係を簡単に
表す回路図 (b)はモータが通電されて回転する際の電流を説明す
る図 (c)はモータに外力が加わって回転し誘起電圧によっ
て発生する電流を説明する図 (d)は(a)を等価的に表す回路図 (e)は(d)を直線的に示す図 (f)はモータが負荷回転を行う際の電圧を示す図 (g)はモータが無負荷回転する際の電圧を示す図 (h)はモータに通電されず外力によって回転する際の
電圧を示す図
【図6】図3(d)における追加説明を行うための図
【図7】本実施例の制御のフローチャート図
【図8】従来の電動パワーステアリングの縦断面図
【符号の説明】 1 セレクトギヤ 3 突起部 5 操舵トルクセンサ 7 スタブシャフト 9 トーションバ 11 ピニオンシャフト 13 第1従動傘歯車 15 第2従動傘歯車 17 駆動傘歯車 19 モータ軸 21 ストレートスプライン 23 ヘリカルスプライン 25 第1クラッチのシュウ 27 第2クラッチのシュウ 29 バッテリー 31 電動モータ 33 回路 35 抵抗 37 無負荷電流検出手段(モータ電流検出回路) 39 ON/OFF手段(モータON/OFFリレー) 41 コントローラ 43 誘起電圧検出手段(モータ誘起電圧検出回路) 45 サーミスタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−293266(JP,A) 特開 昭60−226359(JP,A) 特開 昭63−270281(JP,A) 特開 平6−211142(JP,A) 特開 昭62−34852(JP,A) 特開 平6−344939(JP,A) 特開 平10−104094(JP,A) 実開 昭62−144773(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62D 5/04 B62D 6/00 - 6/06

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スタブシャフトと、このスタブシャフト
    に同軸に回転自在に設けられた第1従動傘歯車と、ピニ
    オンシャフトと、このピニオンシャフトに同軸に回転自
    在に設けられ、上記第1従動傘歯車と対向する第2従動
    傘歯車と、上記第1従動傘歯車と上記第2従動傘歯車に
    噛み合っている駆動傘歯車と、上記スタブシャフトと上
    記ピニオンシャフトとを連結するトーションバと、スタ
    ブシャフトとピニオンシャフトとの相対回転に応じて一
    方または他方に移動するセレクトギヤと、このセレクト
    ギヤと上記第1従動傘歯車との接触部分に設けられた第
    1クラッチと、上記セレクトギヤと上記第2従動傘歯車
    との接触部分に設けられた第2クラッチと、上記駆動傘
    歯車にモータ軸を連結した電動モータとを備え、マニュ
    アルステアリング力が加わることで上記スタブシャフト
    が回転すると、この回転トルクによってトーションバが
    ねじれ、スタブシャフトとピニオンシャフトとが相対回
    転すると、上記セレクトギヤは一方または他方に移動
    し、その移動方向に応じて第1クラッチまたは第2クラ
    ッチが入ってピニオンシャフト及びスタブシャフトが上
    記駆動傘歯車を介して上記電動モータのモータ軸と接続
    し、このモータ軸が回転する電動パワーステアリングに
    おいて、上記電動モーの電源をON,OFFするON
    /OFF手段と、マニュアルステアリング力によりモー
    タ軸が回転されることで上記電動モータに発生する誘起
    電圧を検出する誘起電圧検出手段と、回転トルクが働か
    なくなりクラッチが切れることで、上記電動モータにか
    かる負荷が無くなった場合に上記電動モータに流れる
    さな無負荷電流を検出する無負荷電流検出手段と、
    誘起電圧検出手段による誘起電圧の検出があったときに
    ON/OFF手段へON作動を指令し、記無負荷電流
    検出手段による無負荷電流の検出があったときにON/
    OFF手段へOFF作動を指令するコントローラと、を
    備えた電動パワーステアリング制御装置。
  2. 【請求項2】誘起電圧検出手段は、ON/OFF手段が
    OFF作動をした後に所定秒経過してから検出を再開す
    る請求項1記載の電動パワーステアリング制御装置。
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