JP3446720B2 - 磁気抵抗効果素子、その製造方法、及びそれを用いた磁気記録装置 - Google Patents

磁気抵抗効果素子、その製造方法、及びそれを用いた磁気記録装置

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JP3446720B2 JP2000160728A JP2000160728A JP3446720B2 JP 3446720 B2 JP3446720 B2 JP 3446720B2 JP 2000160728 A JP2000160728 A JP 2000160728A JP 2000160728 A JP2000160728 A JP 2000160728A JP 3446720 B2 JP3446720 B2 JP 3446720B2
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栄三 深見
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信作 斉藤
潤一 藤方
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久尚 柘植
敦 上條
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気媒体上に情報
信号を記録し、またその情報信号を読み取り・再生する
ための磁気抵抗効果素子、及びその製造方法、及びそれ
を用いた磁気記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来技術では、磁気抵抗センサ(以下、
「MRセンサ」という)またはヘッドと呼ばれる磁気読
み取り変換器が開示されており、これは、大きな線形密
度で磁性表面からデータを読み取れることがわかってい
る。MRセンサは、読み取り素子によって感知される磁
束の強さと方向の関数としての抵抗変化を介して磁界信
号を検出する。こうした従来技術のMRセンサは、読み
取り素子の抵抗の1成分が磁化方向と素子中を流れる感
知電流の方向の間の角度の余弦の2乗に比例して変化す
る、異方性磁気抵抗効果(以下、「AMR効果」とい
う)に基づいて動作する。AMR効果のより詳しい説明
は、D.A.トムプソン(Thompson)等の論
文"Memory,Storage,and Related Applications" IEEE T
rans. on Mag. MAG-11,p.1039 (1975)に記載されて
いる。AMR効果を用いた磁気ヘッドでは、バルクハウ
ゼンノイズを押えるために縦バイアスを印加することが
多いが、この縦バイアス印加材料として、FeMn、N
iMn、ニッケル酸化物などの反強磁性材料を用いる場
合がある。
【0003】さらに最近では、積層磁気センサの抵抗変
化が、非磁性層を介する磁性層間での電導電子のスピン
依存性伝送、及びそれに付随する層界面でのスピン依存
性散乱に帰される、より顕著な磁気抵抗効果が記載され
ている。この磁気抵抗効果は、「巨大磁気抵抗効果」や
「スピン・バルブ効果」など様々な名称で呼ばれてい
る。このような磁気抵抗センサは適当な材料で出来てお
り、AMR効果を利用するセンサで観察されるよりも、
感度が改善され、抵抗変化が大きい。この種のMRセン
サでは、非磁性層で分離された一対の強磁性体層の間の
平面内抵抗が、2つの層の磁化方向間の角度の余弦に比
例して変化する。
【0004】1988年6月に優先権主張されている特
開平2−61572には、磁性層内の磁化の反平行整列
によって生じる、高いMR変化をもたらす積層磁性構造
が記載されている。積層構造で使用可能な材料として、
上記明細書には強磁性の遷移金属及び合金が挙げられて
いる。また、中間層により分離している少なくとも2層
の強磁性層の一方に固定する層を付加した構造、および
固定する層としてFeMnが適当であることが開示され
ている。
【0005】1990年8月22日に出願されている、
特開平4−103014には、強磁性膜に他の中間層を
挿入して多層膜とした強磁性トンネル接合膜において、
少なくとも一層の強磁性層に反強磁性体からのバイアス
磁界が印加されていることを特徴とする強磁性トンネル
接合膜についての記載がある。強磁性トンネル接合膜を
用いた再生ヘッドにおいて、フリー層の磁区を制御する
層(縦バイアス層)がフリー層に接触しない構造におい
て、強磁性トンネル接合膜を構成する金属材料以外の材
料を成膜により形成させた例については、1996年1
1月27日に優先権主張されている、特開平10−16
2327に記述がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】強磁性トンネル接合膜
を用いたシールド型磁気抵抗効果素子としては、アルミ
ナ等の絶縁材料を用いて、縦バイアス層が強磁性トンネ
ル接合膜に直接接触しないようにした構造が提案されて
いた(特開平10−162327)。これは、強磁性ト
ンネル接合を用いたシールド型素子においては、センス
電流をトンネル接合部に垂直に流す必要があり、従来の
スピンバルブを用いたシールド型素子と類似した構造で
は、バリア層をバイパスして、それに近傍にあるより抵
抗値の低い縦バイアス部をセンス電流が流れてしまい、
抵抗変化の検出に寄与しないという課題を解決するもの
であった。しかし、この構造はあらかじめパターン化し
た強磁性トンネル接合膜端部にさらに成膜によりアルミ
ナを形成させるという手法を用いていたために、強磁性
トンネル接合膜をパターン化する際に、強磁性トンネル
接合膜を形成する層のうちバリア層より下部に位置する
層をパターン化する際に飛散した金属が、強磁性トンネ
ル接合膜を構成する層のうちですでにパターン化されて
いるバリア層を含む層の側壁に再付着し、素子として形
成されたときにセンス電流がバリア層をバイパスして再
付着層を通り、MR比が極端に低下するという問題があ
った。
【0007】本発明の目的は、作成が容易でしかもセン
ス電流がバリア層をバイパスすることのない、磁気抵抗
効果素子、その製造方法、及びこの磁気抵抗効果素子
用いた磁気記録装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、磁気抵抗効果素子であって、フリー層とこのフリー
層上に形成されたバリア層とこのバリア層上に形成され
た固定層、もしくは、固定層とこの固定層上に形成され
たバリア層とこのバリア層上に形成されたフリー層、
いずれかからなる磁気抵抗効果膜を含み、前記磁気抵抗
効果膜のうちの少なくとも前記バリア層よりも上の層が
パターン化されており、このパターン化されたパターン
の端部表面に、このパターン化された層のうちの少なく
とも一つを構成する金属材料の酸化物もしくは窒化物が
形成されていることを特徴とする。
【0009】請求項2に記載の発明は、磁気抵抗効果素
子であって、フリー層とこのフリー層上に形成されたバ
リア層とこのバリア層上に形成された固定層とこの固定
層上に形成された固定する層、もしくは、固定する層と
この固定する層上に形成された固定層とこの固定層上に
形成されたバリア層とこのバリア層上に形成されたフ
ー層、のいずれかからなる磁気抵抗効果膜を含み、前記
磁気抵抗効果膜のうちの少なくとも前記バリア層よりも
上の層がパターン化されており、このパターン化された
パターンの端部表面に、このパターン化された層のうち
の少なくとも一つを構成する金属材料の酸化物もしくは
窒化物が形成されていることを特徴とする。
【0010】請求項3に記載の発明は、磁気抵抗効果素
子であって、下地層とこの下地層上に形成されたフリー
層とこのフリー層上に形成されたバリア層とこのバリア
層上に形成された固定層とこの固定層上に形成された固
定する層、もしくは、下地層とこの下地層上に形成され
た固定する層とこの固定する層上に形成された固定層と
この固定層上に形成されたバリア層とこのバリア層上に
形成されたフリー層、のいずれかからなる磁気抵抗効果
膜を含み、前記磁気抵抗効果膜のうちの少なくとも前記
バリア層よりも上の層がパターン化されており、このパ
ターン化されたパターンの端部表面に、このパターン化
された層のうちの少なくとも一つを構成する金属材料の
酸化物もしくは窒化物が形成されていることを特徴とす
る。
【0011】請求項4に記載の発明は、フリー層とこの
フリー層上に形成されたバリア層とこのバリア層上に形
成された固定層、もしくは、固定層とこの固定層上に形
成されたバリア層とこのバリア層上に形成されたフリー
層、のうちのいずれかを基本構成とする磁気抵抗効果膜
を用いた用いた磁気抵抗効果素子を製造する方法におい
て、磁気抵抗効果膜をパターン化した後に、その磁気抵
抗効果膜の端部を酸化、もしくは窒化することを特徴と
する。
【0012】請求項5に記載の発明は、フリー層とこの
フリー層上に形成されたバリア層とこのバリア層上に形
成された固定層とこの固定層上に形成された固定する
層、もしくは、固定する層とこの固定する層上に形成さ
れた固定層とこの固定層上に形成されたバリア層とこの
バリア層上に形成されたフリー層、のうちのいずれかを
基本構成とする磁気抵抗効果膜を用いた磁気抵抗効果素
子を製造する方法において、磁気抵抗効果膜をパターン
化する際に、パターン化を磁気抵抗効果膜を構成 する層
の途中で止めておき、磁気抵抗効果膜のうちパターン化
が途中で止められている領域の少なくとも最表面を酸
化、もしくは窒化することを特徴とする。
【0013】請求項6に記載の発明は、磁気抵抗変換シ
ステムであって、請求項1〜3のいずれかに記載の磁気
抵抗効果素子、あるいは、請求項4又は請求項5に記載
の製造方法で製造した磁気抵抗効果素子と、前記磁気抵
抗効果素子をその一部に含む磁気抵抗センサを通る電流
を生じる電流発生回路と、検出される磁界の関数として
上記磁気抵抗センサの抵抗率変化を検出するデータ読取
回路と、を備えたことを特徴とする。
【0014】請求項7に記載の発明は、磁気記録システ
ムであって、データ記録のための複数個のトラックを有
する磁気記録媒体と、請求項6に記載の磁気抵抗変換シ
ステムと、磁気抵抗変換システムを前記磁気記録媒体の
選択されたトラックへ移動させる第1のアクチュエータ
と、前記磁気記録媒体を回転駆動させる第2のアクチュ
エータと、を備えたことを特徴とする。
【0015】上記磁気抵抗効果素子においては、強磁性
トンネル接合膜(以下、「MTJ膜」という)を形成し
た後に、このMTJ膜のうちの少なくともバリア層より
上の層の側壁部分を酸化もしくは窒化する事により、こ
れらバリア層より上の層を構成する金属材料の酸化物若
しくは窒化物からなる層を形成することができるので、
作成がきわめて容易である。また、上述のようにパター
ン化されたMTJ膜の側壁部に、金属の再付着層が形成
された場合でも、製造工程で再付着層を酸化もしくは窒
化させてしまえば、形成された酸化物や窒化物は絶縁体
であるので、電気伝導に寄与しなくなり、電流がバリア
層をバイパスする事も無くなる。そのため、製造上の歩
留まりを向上させることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る磁気抵抗効果
素子の第一乃至第六の実施の形態について、図面を参照
して説明する。
【0017】[第一の実施の形態] 図1に、第一の実施形態に係る磁気抵抗効果素子をエア
ー・ベアリング表面(以下、「ABS面」という)に平
行に切った時の断面図を示す。この構成では、基体(図
示省略)上に下シールド層11および下電極層12が積
層される。その上に、フリー層2およびバリア層3が順
次積層される。バリア層3上であって左右の縦バイアス
層6の間の部分に、固定層4、固定する層5、上電極1
4が積層され、これらは図1のようにパターン化され
る。パターン化された、固定層4/固定する層5の側壁
には、固定層4及び固定する層5を構成している金属材
料の酸化物・窒化物からなる層(強磁性トンネル接合膜
を構成する金属材料の酸化物もしくは窒化物)が形成さ
れている。以下、こうした層を酸化層・窒化層と称する
こととし、符号1として示す。さらに、その左右には絶
縁層13が配置される。さらにその上に上電極層14お
よび上シールド層15が積層される。フリー層2/バリ
ア層3/固定層4/固定する層5、の部分が、MTJ膜
(強磁性トンネル接合膜)である。
【0018】図19に、上記磁気抵抗効果素子の平面図
を示す。この図において、Aは、下シールド層11/下
電極層12/フリー層2/バリア層3/絶縁層13が積
層されている部分を示している。以下同様に、Bは、下
シールド層11/下電極層12/フリー層2/バリア層
3/絶縁層13を、Cは、下シールド層11/下電極層
12/縦バイアス層6/フリー層2/バリア層3/絶縁
層13/上電極層14/上シールド層15を、Dは、下
シールド層11/下電極層12/フリー層2/バリア層
3/固定層4/固定する層5/上電極層14/上シール
ド層15を、Eは、下シールド層11/下電極層12/
フリー層2/バリア層3/絶縁層13/上電極層14/
上シールド層15を、Fは、下シールド層11/下電極
層12/フリー層2/バリア層3/酸化層・窒化層1/
上電極層14/上シールド層15を、各々示している。
【0019】この磁気抵抗効果素子においては、仮に図
中の上電極層14から下電極層12へ電流を流したとす
ると、電流は上電極層14から固定する層5、固定層
4、バリア層3、フリー層2を順次通過して、下電極層
12へと流れ、他の電流経路を通過することはない。
【0020】ここでは、下シールド層11上に下電極層
12を積層し、上電極層14上に上シールド層15を積
層した構造について述べたが、下シールド層11と下電
極層12との間、または上電極層14と上シールド層1
5との間に、ギャップ層として絶縁層を配置することも
可能である。また、下シールド層11と下電極層12、
または上電極層14と上シールド層15を兼用にするこ
ともできる。下電極層12とフリー層2との間には下地
層を、固定する層5と上電極層14との間には上部層を
設けることもできる。
【0021】このような本実施形態の他の例について、
図2乃至図12を用いて説明する。先ず、図2に、他の
一例に係る磁気抵抗効果素子をABS面に平行に切った
時の断面図を示す。この構成では、基体上に下シールド
層11、下ギャップ層21および下電極層12が積層さ
れる。その上に、下地層(図示略)/フリー層2/バリ
ア層3が積層される。下地層/フリー層2は、バリア層
3上の左右の縦バイアス層6の間の部分に、固定層4/
固定する層5/上部層20/上電極層14が積層され、
これらは図に示すようにパターン化される。パターン化
された固定層4/固定する層5の側壁には、酸化層・窒
化層1(固定層4及び固定する層5を構成している金属
材料の酸化物もしくは窒化物)が形成されている。さら
に、その左右には絶縁層13が配置される。さらにその
上に、上電極層14、上ギャップ層22および上シール
ド層15が積層される。下地層/フリー層2/バリア層
3/固定層4/固定する層5、の部分が、MTJ膜であ
る。
【0022】この構造では、仮に図中の上電極層14か
ら下電極層12へ電流を流したとすると、電流は上電極
層14から固定する層5、固定層4、バリア層3、フリ
ー層2を通過し、下電極層12へと流れ、他の電流経路
を通過することはない。なお、下ギャップ層21、上ギ
ャップ層22、下電極層12、上電極層14、フリー層
3の下地層あるいは上部層20は、省略する場合もあ
る。
【0023】図3は、図2の構造から下ギャップ層21
及び上ギャップ層22を省略した構造を示している。ま
た、図4は、図2の構造からさらに上電極層14を省略
した構造、すなわち、上シールド層15が上電極層14
を兼用する構造としたものを示している。ここでは、図
2における上部層20を省略し、代わりに保護層24を
形成するようにしている。更に、図5は、図4におい
て、下地層/フリー層2が縦バイアス層6の膜パターン
端部及びパターン上にも形成されている構造とした場合
を示している。
【0024】図6は、図4に示した構造において、バリ
ア層3の上部にも酸化層・窒化層1を形成させた場合を
示している。すなわち、固定層4、固定する層5、保護
層24のパターンの側面、およびバリア層3の上部に、
酸化層・窒化層1を形成させた場合である。具体的に
は、バリア層3上に固定層4を残しておいて、後に酸化
することにより形成する。この際に、固定層4、固定す
る層5、および保護層24の側面も酸化されている。パ
ターン化の際に、固定層4、固定する層5、保護層24
の側面に再付着した金属物質も酸化される。ここでは図
に示すように、縦バイアス層6上にも酸化層・窒化層1
を形成させた場合を示したが、これは無くてもかまわな
い。また固定層4、固定する層5、および保護層24の
側面のすべてに酸化層・窒化層1を形成させる必要はな
く、その一部のみに形成してもかまわない。更に、上部
層20、もしくはフリー層2の下地層は、省略する場合
もある。
【0025】図7は、図6に示した構造の変形例であ
る。バリア層3上にも縦バイアス層6上にも形成される
酸化層・窒化層1は、図6に示した場合のように、固定
層4の膜厚とほぼ等しい必要は必ずしもなく、このよう
に固定層4の膜厚と大きく異なっていてもかまわない。
また、バリア層3上の酸化層・窒化層1は、必ずしも固
定層4を構成する金属材料の酸化物もしくは窒化物であ
る必要はなく、その上に形成されている固定する層5も
しくは上部層20を構成する金属材料の酸化物もしくは
窒化物が含まれていてもかまわない。
【0026】図8は、図6に示した構造の他の変形例で
あり、酸化層・窒化層1が、固定層4/固定する層5/
上部層20の側面に形成されるだけでなく、バリア層3
上部の、固定層4/固定する層5/上部層20のパター
ン近傍にも形成される場合である。パターン化の際に、
固定層4/固定する層5/上部層20のパターン近傍の
バリア層3上に残しておいた固定層4を、後で酸化する
ことにより酸化層・窒化層1を形成させた場合が、この
構造になる。
【0027】図9は、図7に示した構造の変形例であ
り、縦バイアス層6のパターンの斜面上にも、酸化層・
窒化層1が形成されている場合である。
【0028】図10は、酸化層・窒化層1が、フリー層
2/バリア層3/固定層4/固定する層5/上部層20
の側面、および下電極層12上にも形成される場合の構
造である。パターン化の際に残しておいたフリー層2
を、後で酸化することにより酸化層・窒化層1を形成さ
せた場合が、この構造になる。ここでは図に示すよう
に、縦バイアス層6のパターン上には、酸化層・窒化層
1が形成されていない場合を示したが、形成されていて
もかまわない。また、ここでは縦バイアス層6のパター
ンの斜面上には、酸化層・窒化層1が形成されていない
場合を示したが、形成されていてもかまわない。
【0029】図11は、酸化層・窒化層1が、フリー層
2/バリア層3/固定層4/固定する層5/上部層20
の側面、およびフリー層2上にも形成される場合の構造
である。パターン化の際に残しておいたフリー層2の上
部を、後で酸化することにより酸化層・窒化層1を形成
させた場合が、この構造になる。ここでは図に示すよう
に、縦バイアス層6のパターン上には、酸化層・窒化層
1が形成されている場合を示したが、形成されていなく
てもかまわない。また、ここでは縦バイアス層6のパタ
ーンの斜面上には、酸化層・窒化層1が形成されていな
い場合を示したが、形成されていてもかまわない。
【0030】図12は、フリー層2/バリア層3/固定
層4/固定する層5/上部層20がパターン化されてい
て、そのパターン端部に、酸化層・窒化層1が形成され
ている場合である。この際、フリー層2の下地層がパタ
ーン化されているかどうかは適宜選択でき、下電極層1
2上にはフリー層2の下地層が残されていてもかまわな
い。縦バイアス層6のパターン上もしくはパターン端部
上には、フリー層2が残されていてもかまわない。な
お、この例においては、下シールド層11が下電極層1
2を兼用する構造としたものを示しており、その上には
ギャップ調整導電層25が形成されている。
【0031】なお、上記図4から図12に示した構造に
おいては、フリー層2に下地層がある場合を示したが、
下地層は省略する場合もある。
【0032】[第二の実施の形態] 図13に、第二の実施形態に係る磁気抵抗効果素子をA
BS面に平行に切った時の断面図を示す。この構成で
は、基体(図示省略)上に下シールド層11、下電極層
12およびフリー層2が積層される。その上に、図のよ
うにパターン化された縦バイアス層6が積層される。フ
リー層2上であって左右の縦バイアス層6の間の部分
に、バリア層3、固定層4、固定する層5、及び上電極
層14が順次積層され、これらは図のようにパターン化
される。さらに、その左右には絶縁層13が配置され
る。フリー層2/バリア層3/固定層4/固定する層5
の部分が、MTJ膜である。パターン化された、固定層
4/固定する層5の側壁には、酸化層・窒化層(固定層
4及び固定する層5を構成している、金属材料の酸化物
・窒化物からなる層)1が形成される。
【0033】なお、図20に、上記磁気抵抗効果素子
平面図を示す。この図において、Aは、下シールド層1
1/下電極層12が積層されている部分を示している。
以下同様に、Bは、下シールド層11/下電極層12/
フリー層2/絶縁層13を、Cは、下シールド層11/
下電極層12/フリー層2/縦バイアス層6/絶縁層1
3/上シールド層15を、Dは、下シールド層11/下
電極層12/フリー層2/バリア層3/固定層4/固定
する層5/上電極層14/上シールド層15を、Eは、
下シールド層11/下電極層12/フリー層2/絶縁層
13/上シールド層15を、Fは、下シールド層11/
下電極層12/フリー層2/絶縁層13/上電極層14
/上シールド層15を、Gは、下シールド層11/下電
極層12/フリー層2/絶縁層13/上電極層14を、
Hは、下シールド層11/下電極層12/フリー層2/
絶縁層13/上シールド層15を、Iは、下シールド層
11/下電極層12/フリー層2/酸化層・窒化層1/
上電極層14/上シールド層15を、各々示している。
【0034】この磁気抵抗効果素子においては、仮に図
中の上電極層14から下電極層12へ電流を流したとす
ると、電流は上電極層14から固定する層5、固定層
4、バリア層3、フリー層2を順次通過して、下電極層
12へと流れ、他の電流経路を通過することはない。
【0035】ここでは、下シールド層11上に下電極層
12を積層した構造について述べたが、下シールド層1
1と下電極層12との間に、ギャップ層として絶縁層を
配置することも可能である。また、下シールド層11と
下電極層12を兼用にすることもできる。下電極層12
とフリー層2との間には、下地層を設けることもでき
る。
【0036】[第三の実施の形態] 図14に、第三の実施形態に係る磁気抵抗効果素子をA
BS面に平行に切った時の断面図を示す。この構成で
は、基体(図示省略)上に下シールド層11、下電極層
12が積層される。その上に、図のようにパターン化さ
れた、固定する層5、固定層4、バリア層3、フリー層
2が順次積層される。固定する層5/固定層4/バリア
層3/フリー層2の側壁には、酸化層・窒化層(固定す
る層5、固定層4、バリア層3及びフリー層2を構成す
る、金属材料の酸化物・窒化物からなる層)1が形成さ
れる。さらにその外側に、絶縁層13が配置されてい
る。また、フリー層2の左右には、縦バイアス層6が配
置されている。さらにその上部には、上電極層14およ
び上シールド層15が積層される。固定する層5/固定
層4/バリア層3/フリー層2の部分が、MTJ膜であ
る。
【0037】なお、図21に、上記磁気抵抗効果素子
平面図を示す。この図において、Aは、下シールド層1
1/下電極層12が積層されている部分を示している。
以下同様に、Bは、下シールド層11/下電極層12/
絶縁層13を、Cは、下シールド層11/下電極層12
/縦バイアス層6/上電極層14/上シールド層15
を、Dは、下シールド層11/下電極層12/固定する
層5/固定層4/バリア層3/フリー層2/上電極層1
4/上シールド層15を、Eは、下シールド層11/下
電極層12/絶縁層13/上電極層14/上シールド層
15を、Fは、下シールド層11/下電極層12/固定
する層5/固定層4/バリア層3/フリー層2/酸化層
・窒化層1/絶縁層13/縦バイアス層6/上電極層1
4/上シールド層15を、各々示している。
【0038】この磁気抵抗効果素子においては、仮に図
中の上電極層14から下電極層12へ電流を流したとす
ると、電流は上電極層14からフリー層2、バリア層
3、固定層4、固定する層5を順次通過して、下電極層
12へと流れ、他の電流経路を通過することはない。
【0039】ここでは、下シールド層11上に下電極層
12を積層し、上電極層14上に上シールド層15を積
層した構造について述べたが、下シールド層11と下電
極層12との間、または上電極層14と上シールド層1
5との間に、ギャップ層として絶縁層を配置することも
可能である。また、下シールド層11と下電極層12
を、または上電極層14と上シールド層15を兼用にす
ることもできる。下電極層12とフリー層2との間には
下地層を、フリー層2と上電極層14との間には上部層
を設けることもできる。また、ここではMTJ膜のう
ち、固定する層5/固定層4/バリア層3/フリー層2
をパターン化した場合について示したが、少なくともフ
リー層2がパターン化されていればよく、それ以下の部
分を、どこまでパターン化するかは適宜選択することが
できる。
【0040】図15は、図14に示した構造の変形例で
ある。図14に示した構造との違いは、フリー層2のパ
ターン上に保護層24を介して縦バイアス層6のパター
ンが乗り上げている点である。この際に、保護層24は
省略することもできる。
【0041】[第四の実施の形態] 図16に、第四の実施形態に係る磁気抵抗効果素子をA
BS面に平行に切った時の断面図を示す。この構成で
は、基体(図示省略)上に下シールド層11、下電極層
12、固定する層5、固定層4およびバリア層3が順次
積層される。その上に、図のようにパターン化された、
固定する層5、固定層4、バリア層3、フリー層2が順
次積層される。固定する層5/固定層4/バリア層3/
フリー層2の側壁には、酸化層・窒化層(固定する層
5、固定層4、バリア層3及びフリー層2を構成する、
金属材料の酸化物・窒化物からなる層)1が形成され
る。さらにその外側に、絶縁物質からなる縦バイアス層
6が配置されている。さらにその上部には、上電極層1
4および上シールド層15が積層される。固定する層5
/固定層4/バリア層3/フリー層2の部分が、MTJ
膜である。
【0042】この構造では、仮に図中の上電極層14か
ら下電極層12へ電流を流したとすると、電流は上電極
層14からフリー層2、バリア層3、固定層4、固定す
る層5を順次通過して、下電極層12へと流れ、他の電
流経路を通過することはない。
【0043】なお、図22に、上記磁気抵抗効果素子
平面図を示す。この図において、Aは、下シールド層1
1/下電極層12が積層されている部分を示している。
以下同様に、Bは、下シールド層11/下電極層12/
絶縁層13を、Cは、下シールド層11/下電極層12
/縦バイアス層6/上電極層14/上シールド層15
を、Dは、下シールド層11/下電極層12/固定する
層5/固定層4/バリア層3/フリー層2/上電極層1
4/上シールド層15を、Eは、下シールド層11/下
電極層12/絶縁層13/上電極層14/上シールド層
15を、Fは、下シールド層11/下電極層12/固定
する層5/固定層4/バリア層3/フリー層2/酸化層
・窒化層1/縦バイアス層6/上電極層14/上シール
ド層15を、各々示している。
【0044】ここでは、下シールド層11上に下電極層
12を積層し、上電極層14上に上シールド層15を積
層した構造について述べたが、下シールド層11と下電
極層12との間、または上電極層14と上シールド層1
5との間に、ギャップ層として絶縁層を配置することも
可能である。下シールド層11と下電極層12を、また
は上電極層14と上シールド層15を兼用にすることも
できる。下電極層12と固定する層5との間には下地層
を、フリー層2と上電極層層14との間には上部層を設
けることもできる。また、ここではMTJ膜のうち、固
定する層5/固定層4/バリア層3/フリー層2をパタ
ーン化した場合について示したが、少なくともフリー層
2がパターン化されていればよく、それ以下の部分は、
どこまでパターン化するかは適宜選択することができ
る。
【0045】[第五の実施の形態] 図17に、第五の実施形態に係る磁気抵抗効果素子をA
BS面に平行に切った時の断面図を示す。この構成で
は、基体(図示省略)上に下シールド層11、下電極層
12が積層される。その上に、図のようにパターン化さ
れた、固定する層5、固定層4、バリア層3、フリー層
2、界面制御層7、縦バイアス層6が順次積層される。
縦バイアスは、界面制御層7により印加される大きさが
コントロールされた後に、フリー層2に印加される。固
定する層5/固定層4/バリア層3/フリー層2/界面
制御層7/縦バイアス層6の側壁には、酸化層・窒化層
(固定する層5、固定層4、バリア層3、フリー層2、
界面制御層7、縦バイアス層6を構成する、金属材料の
酸化物・窒化物からなる層)1が形成される。さらにそ
の外側には、絶縁層13が配置されている。さらにその
上部には、上電極層14および上シールド層15が積層
される。固定する層5/固定層4/バリア層3/フリー
層2の部分が、MTJ膜である。
【0046】なお、図23に、上記磁気抵抗効果素子
平面図を示す。この図において、Aは、下シールド層1
1/下電極層12が積層されている部分を示している。
以下同様に、Bは、下シールド層11/下電極層12/
絶縁層13を、Cは、下シールド層11/下電極層12
/絶縁層13/上電極層14/上シールド層15を、D
は、下シールド層11/下電極層12/固定する層5/
固定層4/バリア層3/フリー層2/界面制御層7/縦
バイアス層6/上電極層14/上シールド層15を、E
は、下シールド層11/下電極層12/固定する層5/
固定層4/バリア層3/フリー層2/界面制御層7/縦
バイアス層6/酸化層・窒化層1/上電極層14/上シ
ールド層15を、各々示している。
【0047】この構造では、仮に図中の上電極層14か
ら下電極層12へ電流を流したとすると、電流は上電極
層14から縦バイアス層6、界面制御層7、フリー層
2、バリア層3、固定層4、固定する層5を順次通過し
て、下電極層12へと流れ、他の電流経路を通過するこ
とはない。
【0048】ここでは、下シールド層11上に下電極層
12を積層し、上電極層14上に上シールド層15を積
層した構造について述べたが、下シールド層11と下電
極層12との間、または上電極層14と上シールド層1
5との間に、ギャップ層として絶縁層を配置することも
可能である。また、下シールド層11と下電極層12、
または上電極層14と上シールド層15を兼用にするこ
ともできる。下電極層12と固定する層5との間には下
地層を、また縦バイアス層6と上電極層14との間には
上部層を設けることもできる。縦バイアス層6を構成す
る材料に適当な材料を選べば、界面制御層7を省略する
こともできる。また、ここではMTJ膜8のうち、固定
する層5/固定層4/バリア層3/フリー層2をパター
ン化した場合について示したが、少なくともフリー層2
がパターン化されていればよく、それ以下の部分はどこ
までパターン化するかは適宜選択することができる。
【0049】[第六の実施の形態] 図18に、第六の実施形態に係る磁気抵抗効果素子をA
BS面に平行に切った時の断面図を示す。この構成で
は、基体(図示省略)上に、下電極層12を兼用した下
シールド層11が積層される。その上に、ギャップ調整
導電層25が積層され、更に下地層(図示省略)/固定
する層5/固定層4/バリア層3/フリー層2/保護層
24が成膜されパターン化される。下地層/固定する層
5/固定層4/バリア層3/フリー層2/保護層24の
パターンが、MTJ膜である。MTJ膜パターン側壁に
は、酸化層・窒化層1が形成されている。さらに、その
左右には絶縁層13が配置される。縦バイアス層6は、
絶縁層13を介してMTJ膜パターンの左右に形成され
る。縦バイアス層6のパターンと下シールド層11兼下
電極層12の間、もしくは縦バイアス層6と上シールド
層15兼上電極層14との間には、絶縁層が13が形成
されている。さらにその上に上シールド層兼上電極層1
4が積層される。
【0050】この際に、下シールド層11と下電極層1
2、または上シールド層15と上電極層14とは、兼用
にしないで別々に設けることもできる。さらに、上電極
層14と上シールド層15との間に上ギャップ層、下シ
ールド層11と下電極層12との間に下ギャップ層を設
けることもできる。また、固定する層5の下地層及びフ
リー層2上の保護層24は省略することもできる。ま
た、ここでは下地層/固定する層5/固定層4/バリア
層3/フリー層2/保護層24すべてをパターン化した
場合を示したが、このうちのどこまでパターン化するか
は適宜選択することができる。
【0051】なお、上記各実施形態においては、縦バイ
アス形状として上から見て長方形のものを図19乃至図
23に示したが、実際には種々の形状のものを用いるこ
とができる。
【0052】以下にそれぞれの構造の詳細、および作成
手順の代表的な例について記述する。また、記録再生ヘ
ッドへの適用例についても記述する。
【0053】各層を構成する要素として、以下にその有
用な材料の例を示す。基体10としては、アルチック、
SiC、アルミナ、アルチック/アルミナ、SiC/ア
ルミナが挙げられる。
【0054】下シールド層11としては、NiFe、C
oZr、CoFeB、CoZrMo、CoZrNb、C
oZr、CoZrTa、CoHf、CoTa、CoTa
Hf、CoNbHf、CoZrNb、CoHfPd、C
oTaZrNb、CoZrMoNi合金、FeAlS
i、窒化鉄系材料、MnZnフェライト、NiZnフェ
ライト、MgZnフェライトからなる単体、多層膜、お
よび混合物が挙げられる。
【0055】下電極層12としては、Au、Ag、C
u、Mo、W、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、P
t、Taからなる単体、多層膜、および混合物が挙げら
れる。
【0056】界面制御層7としては、Al酸化物、Si酸
化物、窒化アルミニウム、窒化シリコン、ダイヤモンド
ライクカーボン、Au、Ag、Cu、Mo、W、Y、T
i、Zr、Hf、V、Pt、Nb、Taからなる単体、
多層膜、および混合物が挙げられる。
【0057】上電極層14としては、Au、Ag、C
u、Mo、W、Y、Pt、Ti、Zr、Hf、V、N
b、Taからなる単体、多層膜、および混合物が挙げら
れる。
【0058】上シールド層15としては、NiFe、C
oZr、CoFeB、CoZrMo、CoZrNb、C
oZr、CoZrTa、CoHf、CoTa、CoTa
Hf、CoNbHf、CoZrNb、CoHfPd、C
oTaZrNb、CoZrMoNi合金、FeAlS
i、窒化鉄系材料、MnZnフェライト、NiZnフェ
ライト、MgZnフェライトからなる単体、多層膜、お
よび混合物が挙げられる。
【0059】絶縁層13としては、Al酸化物、Si酸
化物、窒化アルミニウム、窒化シリコン、ダイヤモンド
ライクカーボンからなる単体、多層膜、および混合物が
挙げられる。
【0060】下ギャップ層21あるいは上ギャップ層2
2としては、Al酸化物、Si酸化物、窒化アルミニウ
ム、窒化シリコン、ダイヤモンドライクカーボンからな
る単体、多層膜、および混合物が挙げられる。
【0061】上部層20としては、Au、Ag、Cu、
Mo、W、Y、Ti、Pt、Zr、Hf、V、Nb、T
aからなる単体、多層膜、および混合物が挙げられる。
【0062】縦バイアス層6としては、CoCrPt、
CoCr、CoPt、CoCrTa、FeMn、NiM
n、Ni酸化物、NiCo酸化物、Fe酸化物、NiF
e酸化物、IrMn、PtMn、PtPdMn、ReM
n、Coフェライト、Baフェライトからなる単体、多
層膜、および混合物が挙げられる。
【0063】MTJ膜(磁気抵抗効果膜)としては、以
下の構成のものを用いることができる。第一に、基体/
下地層/フリー層/第1MRエンハンス層/バリア層/
第2MRエンハンス層/固定層/固定する層/保護層、
からなるものである。第二に、基体/下地層/固定する
層/固定層/第1MRエンハンス層/バリア層/第2M
Rエンハンス層/フリー層/保護層、からなるものであ
る。第三に、基体/下地層/第1の固定する層/第1固
定層/第1MRエンハンス層/バリア層/第2MRエン
ハンス層/フリー層/第3MRエンハンス層/バリア層
/第4MRエンハンス層/第2固定層/第2の固定する
層/保護層、からなるものである。第四に、基体/下地
層/固定層/第1MRエンハンス層/バリア層/第2M
Rエンハンス層/フリー層/保護層、からなるものであ
る。第五に、基体/下地層/フリー層/第1MRエンハ
ンス層/バリア層/第2MRエンハンス層/固定層/保
護層からなるものである。
【0064】下地層としては、金属、酸化物、窒化物か
らなる単層膜、混合物膜、または多層膜を用いる。具体
的には、Ta、Hf、Zr、W、Cr、Ti、Mo、P
t、Ni、Ir、Cu、Ag、Co、Zn、Ru、R
h、Re、Au、Os、Pd、Nb、Vおよびこれらの
材料の酸化物あるいは窒化物、からなる単層膜、混合物
膜、または多層膜を用いる。添加元素として、Ta、H
f、Zr、W、Cr、Ti、Mo、Pt、Ni、Ir、
Cu、Ag、Co、Zn、Ru、Rh、Re、Au、O
s、Pd、Nb、Vを用いることもできる。なお、上記
の通り、下地層は用いない場合もある。
【0065】フリー層2としては、NiFe、CoF
e、NiFeCo、FeCo、CoFeB、CoZrM
o、CoZrNb、CoZr、CoZrTa、CoH
f、CoTa、CoTaHf、CoNbHf、CoZr
Nb、CoHfPd、CoTaZrNb、CoZrMo
Ni合金、またはアモルファス磁性材料を用いることが
できる。
【0066】バリア層3としては、酸化物、窒化物、酸
化物と窒化物の混合物もしくは金属/酸化物2層膜、金
属/窒化物2層膜、金属/(酸化物と窒化物との混合
物)2層膜、を用いる。Ti、V、Cr、Co、Cu、
Zn、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、P
d、Ag、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、
Au、Si、Al、Ti、Ta、Pt、Ni、Co、R
e、Vの酸化物および窒化物の単体、多層膜、混合物、
またはこれらとTi、V、Cr、Co、Cu、Zn、
Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、A
g、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、
Si、Al、Ti、Ta、Pt、Ni、Co、Re、V
の酸化物および窒化物の単体、多層膜、混合物との積層
膜は有力な候補となる。
【0067】第1および第2MRエンハンス層として
は、Co、NiFeCo、FeCo等、またはCoFe
B、CoZrMo、CoZrNb、CoZr、CoZr
Ta、CoHf、CoTa、CoTaHf、CoNbH
f、CoZrNb、CoHfPd、CoTaZrNb、
CoZrMoNi合金またはアモルファス磁性材料を用
いる。MRエンハンス層を用いない場合は、用いた場合
に比べて若干MR比が低下するが、用いない分だけ作製
に要する工程数は低減する。
【0068】固定層4としては、NiFe、CoFe、
NiFeCo、FeCo、CoFeB、CoZrMo、
CoZrNb、CoZr、CoZrTa、CoHf、C
oTa、CoTaHf、CoNbHf、CoZrNb、
CoHfPd、CoTaZrNb、CoZrMoNi合
金またはアモルファス磁性材料を用いることができる。
または、これらと、Ti、V、Cr、Co、Cu、Z
n、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、
Ag、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、A
u、Si、Al、Ti、Ta、Pt、Ni、Co、R
e、Vをベースとするグループからなる単体、合金、ま
たは積層膜とを、組み合わせた積層膜を用いることも可
能である。 特に、Co/Ru/Co、CoFe/Ru
/CoFe、CoFeNi/Ru/CoFeNi、Co
/Cr/Co、CoFe/Cr/CoFe、CoFeN
i/Cr/CoFeNiは有力な候補である。
【0069】固定する層5としては、FeMn、NiM
n、IrMn、RhMn、PtPdMn、ReMn、P
tMn、PtCrMn、CrMn、CrAl、TbC
o、Ni酸化物、Fe酸化物、Ni酸化物とCo酸化物
の混合物、Ni酸化物とFe酸化物の混合物、Ni酸化
物/Co酸化物2層膜、Ni酸化物/Fe酸化物2層
膜、CoCr、CoCrPt、CoCrTa、PtCo
などを用いることができる。PtMnもしくはPtMn
にTi、V、Cr、Co、Cu、Zn、Y、Zr、N
b、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Hf、T
a、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Si、Al、
Ti、Taを添加した材料は有力な候補である。
【0070】保護層24としては、酸化物、窒化物、酸
化物と窒化物の混合物もしくは金属/酸化物2層膜、金
属/窒化物2層膜、金属/(酸化物と窒化物との混合
物)2層膜、を用いる。Ti、V、Cr、Co、Cu、
Zn、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、P
d、Ag、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、
Au、Si、Al、Ti、Ta、Pt、Ni、Co、R
e、Vの酸化物および窒化物の単体、多層膜、混合物、
またはこれらとTi、V、Cr、Co、Cu、Zn、
Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、A
g、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、
Si、Al、Ti、Ta、Pt、Ni、Co、Re、V
の酸化物および窒化物の単体、多層膜、混合物との積層
膜が有力な候補となる。上部層20は、用いない場合も
ある。
【0071】次に、第一乃至第六の実施形態に係る磁気
抵抗効果素子の作成手順についての例を、図24乃至図
27を用いて説明する。
【0072】図24は、第一の実施形態に係る磁気抵抗
効果素子の作成手順の例であり、(1)から(9)の順で作成
される。先ず、基体10上に下シールド層11、下電極
層12を順次形成する((1))。 その上にステンシル
PR21を形成し((2))、縦バイアス層6を成膜した
後にリフトオフする((3))。更に、MTJ膜8、上電
極層14を成膜し((4))、PR22を形成しミリング
する((5))。次に、パターン化されたMTJ膜8の側
壁部を酸化または窒化する((6))。酸化は、大気中、
酸素を不活性元素で希釈した雰囲気中、もしくは圧力を
下げた酸素雰囲気中において自然酸化する方法でも、酸
素を不活性元素で希釈し圧力を調節した雰囲気中でプラ
ズマを発生させ、プラズマに素子を接触させる方法(プ
ラズマ酸化法)でもかまわない。窒化は、窒素を不活性
ガスで希釈し圧力を調節した雰囲気中でプラズマを発生
させ、接触させる方法で作成する方がよい。あるいは、
ミリングを行う際にミリングガス中に酸素もしくは窒素
を適量導入し、ミリングを行いながらMTJ膜8の側壁
部を酸化もしくは窒化する事もできる。酸化もしくは窒
化行程が終わったら絶縁層13を成膜し、リフトオフす
る((7))。さらに下電極が露出するまで絶縁層13を
穴あけし((8))、上シールド層15を形成する
((9))。
【0073】図25は、第二の実施形態に係る磁気抵抗
効果素子の作成手順の例であり、(1)から(8)の順で作成
される。先ず、基体10上に、下シールド層11、下電
極層12、MTJ膜8、上電極層14を順次形成する
((1))。その上にステンシルPR21を形成し、ミリ
ングする((2))。次に、パターン化されたMTJ膜8
の側端部を酸化または窒化する((3))。酸化は、大気
中、酸素を不活性元素で希釈した雰囲気中、もしくは圧
力を下げた酸素雰囲気中において自然酸化する方法で
も、酸素を不活性元素で希釈し圧力を調節した雰囲気中
でプラズマを発生させ、プラズマに素子を接触させる方
法(プラズマ酸化法)でもかまわない。窒化は、窒素を不
活性ガスで希釈し圧力を調節した雰囲気中でプラズマを
発生させ、接触させる方法で作成する方がよい。あるい
は、ミリングを行う際にミリングガス中に酸素もしくは
窒素を適量導入し、ミリングを行いながらMTJ膜8の
側壁部を酸化もしくは窒化する事もできる。酸化もしく
は窒化行程が終わったらステンシルPR21を除去す
る。更に、PR22を形成し((4))、縦バイアス層6
を成膜した後、リフトオフする((5))。次に絶縁層1
3を成膜し、ケミカルメカニカルポリッシング(CM
P)により絶縁層13を上電極層14が露出するところ
まで削る((6))。下電極層12が露出するまで絶縁層
13を穴あけし((7))、上シールド層15を形成する
((8))。
【0074】図26は、第三の実施形態に係る磁気抵抗
効果素子の作成手順の例であり、(1)から(8)の順で作成
される。先ず、基体10上に、下シールド層11、下電
極層12、MTJ膜8を順次形成する((1))。その上
にステンシルPR21を形成し((2))ミリングした
((3))後に、絶縁層13および縦バイアス層6を順次
形成し、リフトオフする((4))。更に、PR22を形
成しミリングした後((6))に、次にパターン化された
MTJ膜端部を酸化または窒化する((6))。酸化は、
大気中、酸素を不活性元素で希釈した雰囲気中、もしく
は圧力を下げた酸素雰囲気中において自然酸化する方法
でも、酸素を不活性元素で希釈し圧力を調節した雰囲気
中でプラズマを発生させ、プラズマに素子を接触させる
方法(プラズマ酸化法)でもかまわない。窒化は、窒素
を不活性ガスで希釈し圧力を調節した雰囲気中でプラズ
マを発生させ、接触させる方法で作成する方がよい。あ
るいは、ミリングを行う際にミリングガス中に酸素もし
くは窒素を適量導入し、ミリングを行いながらMTJ膜
側壁部を酸化もしくは窒化する事もできる。酸化もしく
は窒化行程が終わったらPR22を除去する((6))。
下電極層12が露出するまで絶縁層13を穴あけし
((7))、上シールド層15を形成する((8))。
【0075】第四の実施形態に係る磁気抵抗効果素子
作成手順の例は、上記第四の実施形態において示した作
成手順と同様であるので、説明は省略する。
【0076】図27は、第五の実施形態に係る磁気抵抗
効果素子の作成手順の例であり、(1)から(6)の順で作成
される。基体10上に、下シールド層11、下電極層1
2、MTJ膜8、界面制御層7、縦バイアス層6を順次
形成する((1))。その上にステンシルPR21を形成
し((2))、ミリングした後に、パターン化されたMT
J膜8の側壁部を酸化または窒化する((3))。酸化
は、大気中、酸素を不活性元素で希釈した雰囲気中、も
しくは圧力を下げた酸素雰囲気中において自然酸化する
方法でも、酸素を不活性元素で希釈し圧力を調節した雰
囲気中でプラズマを発生させ、プラズマに素子を接触さ
せる方法(プラズマ酸化法)でもかまわない。窒化は、
窒素を不活性ガスで希釈し圧力を調節した雰囲気中でプ
ラズマを発生させ、接触させる方法で作成する方がよ
い。あるいは、ミリングを行う際にミリングガス中に酸
素もしくは窒素を適量導入し、ミリングを行いながらM
TJ膜8側壁部を酸化もしくは窒化する事もできる。酸
化もしくは窒化行程が終わったら絶縁層13を成膜し、
リフトオフする((4))。下電極層12が露出するまで
絶縁層13を穴あけし((5))、上電極層14及び上シ
ールド層15を形成する((6))。
【0077】次に、本発明に係る磁気抵抗効果素子を、
磁気記録再生ヘッド及び磁気記録システムへ適用した例
を示す。図28は、本発明に係る磁気抵抗効果素子を適
用した、磁気記録再生ヘッドの概略図である。この磁気
記録再生ヘッド130は、基体42上に設けられ磁気抵
抗効果素子をその一部に含む再生ヘッド45と、磁極4
3、コイル41、上磁極44からなる記録ヘッド46と
から構成されている。この際、上部シールド膜と下部磁
性膜とを共通にしても、別に設けてもかまわない。この
ヘッドにより、記録媒体上に信号を書き込み、また、記
録媒体から信号を読み取るのである。再生ヘッドの感知
部分と、記録ヘッドの磁気ギャップはこのように同一ス
ライダ上に重ねた位置に形成することで、同一とラック
に同時に位置決めができる。このヘッドをスライダに加
工し、磁気記録システムに搭載するようにした。
【0078】図29は、図28に示した磁気記録再生ヘ
ッドを備えた磁気抵抗変換システムを示す概略図であ
り、スライダを構成する基板129に磁気記録再生ヘッ
130が形成され、保護膜132によって保護されて
いる。基板129は、例えばAl−TiO複合セ
ラミックス等から構成され、保護膜132は、例えばD
LC(ダイヤモンドライクカーボン)から構成されてい
る。この記録再生素子部130には、記録ヘッドに接続
された電極端子131a、及び再生ヘッドに接続された
電極端子131bが各々形成されている。電極端子13
1aは、記録ヘッドに駆動電流を印加し記録動作を生じ
させる電流駆動回路133に接続されている。また、電
極端子131bは、再生ヘッドにセンス電流を流す電流
発生回路134と、再生ヘッドの抵抗率変化により発生
する電圧変化を検出される磁界の関数として検出し、記
録媒体上の記録データ情報を読みとるためのデータ読取
回路135とに接続されている。このように磁気抵抗変
換システムは、磁気記録再生ヘッド130と、電流発生
回路134と、データ読取回路135と、を備えてい
る。
【0079】図30は、図29に示した磁気抵抗変換シ
ステムを用いた磁気記録システムの一例を示す概略図で
ある。この磁気記録システムは、磁気抵抗変換システム
と、磁気抵抗変換システムのうちの磁気記録再生ヘッド
(図中符号103)と、データ記録のための複数個のト
ラック有する磁気記録媒体102と、磁気記録再生ヘッ
ド103を磁気記録媒体102上の所定の位置に移動さ
せるVCM(ヴォイスコイルモータ)(第1のアクチュ
エータ)106と、磁気記録媒体102を回転駆動させ
るモータ(第2のアクチュエータ)101と、を備えて
いる。この図において、駆動用のモータ101により回
転される磁気記録媒体102の磁気記録面に対向して磁
気記録再生ヘッド103が、サスペンション104、ア
ーム105により取り付けられ、VCM106によりト
ラッキングされる。記録再生動作は、磁気記録再生ヘッ
ド103への記録再生チャネル107からの信号により
行われる。この記録再生チャネル107と、ヘッドの位
置決めを行うVCM106と、記録媒体102を回転さ
せるモータ101とは、制御ユニット108により連動
するように制御されている。
【0080】図31は、磁気記録システムの具体例を示
した斜視図である。この例においては、ヘッドスライダ
ーを兼ねる基板52上に、磁気記録再生ヘッド103
(再生ヘッド51および記録ヘッド50)が形成されて
おり、これを磁気記録媒体53上に位置ぎめして再生を
行う。磁気記録媒体53は回転し、ヘッドスライダーは
磁気記録媒体53の上を、0.2μm以下の高さ、ある
いは接触状態で対抗して相対運動する。この機構によ
り、再生ヘッド51は磁気記録媒体53に記録された磁
気的信号を、その漏れ磁界54から読み取ることのでき
る位置に設定されるのである。
【0081】
【実施例】本発明に係る磁気抵抗効果素子の第一乃至第
四の実施例について、以下に説明する。
【0082】[第一の実施例] 上記第一の実施形態に係る磁気抵抗効果素子である、図
8の構造の素子を作成した。この際MTJ膜としては、
Ta(3nm)/Ni82Fe18(5nm)/Co90F
e10(0.5nm)/Al酸化物(0.7nm)/Co9
0Fe10(2nm)/Ru(0.7nm)/Co90Fe
10(2nm)/Pt46Mn54(15nm)/Ta(3
nm)、を用いた。膜形成後には、250℃、5時間の熱
処理を成膜時の磁界とは直交する方向に500Oeの磁
界を印加しつつ行った。素子試作の際のMTJ膜部のパ
ターニングでは、MTJ膜は固定層(Co90Fe10
(2nm)/Ru(0.7nm)/Co90Fe10(2n
m))の途中までミリングによりパターニングした。M
TJ膜パターン化、およびパターン化したMTJ膜端部
の酸化には、通常のミリング+プラズマ酸化の手法を用
いた。具体的には、MTJ膜を通常のミリング装置によ
り0.3Paの純Arガス雰囲気中でミリングした後に、
プラズマ酸化装置(アッシング装置)に移し、MTJ膜端
面および固定層のミリング残りを酸化した。アッシング
条件は0.3PaのAr、0.1PaのO雰囲気中に、2
00WのRFパワーを印加して発生したプラズマに20
分間MTJ膜端部を接触させることにより行った。比較
のためにプラズマ酸化工程を省略して作成した素子も試
作した。素子を構成する各要素としては以下のものを用
いた。 基体…厚さ2nmのアルチック上にアルミナを10μm積層
したもの 下シールド層…厚さ1μmのCo65Ni12Fe23
(組成はat%、以下同じ) 下電極層…Ta(1.5nm)/Pt(10nm)/Ta
(10nm) 上電極層…Ta(1.5nm)/Au(20nm)/Ta
(3nm) 上シールド層…厚さ1μmのCo89Zr4Ta4Cr
3 絶縁層…厚さ40nmのアルミナ 縦バイアス層…Cr(10nm)/Co74.5Cr1
0.5Pt15(36nm) 界面制御層…なし 下ギャップ層…なし 上ギャップ層…なし 上部層…なし
【0083】この素子を、図28のような記録再生一体
型ヘッドに加工およびスライダ加工し、CoCrTa系
媒体上にデータを記録再生した。この際、書き込みトラ
ック幅は3μm、書き込みギャップは0.2μm、読み
込みトラック幅は2μmとした。書き込みヘッド部のコ
イル部作成時のフォトレジスト硬化工程は250℃、2
時間とした。この工程により本来は素子高さ方向を向い
ていなければならない固定層および固定する層の磁化方
向が回転し、磁気抵抗効果素子として正しく動作しなく
なったので、再生ヘッド部および記録ヘッド部作成終了
後に、200℃、500Oe磁界中、1時間の着磁熱処
理を行った。この着磁熱処理によるフリー層の磁化容易
軸の着磁方向への回転は、磁化曲線からほとんど観測さ
れなかった。
【0084】まったく作成手順において10個のヘッド
を作成した。媒体の保磁力は3.0kOe、MrTは
0.35memu/cm2とした。試作したヘッドを用いて、再
生出力を測定した。 10個のヘッドの再生出力測定結
果を以下に示す。MTJ膜端面および固定層残りのプラ
ズマ酸化無しの場合は、再生出力が3mV以上のものは1
個もなく、10個中9個までが1mV以下であった。3mV
以上を合格とすると、ヘッドとしての歩留まりはゼロで
ある。ほとんどゼロのヘッドでは抵抗が極めて小さく、
MTJ膜パターン化時に発生したバリかあるいはミリン
グ残りの固定層による通電面積の広がりによりセンス電
流のバイパス経路が形成されていることがわかった。一
方、通常ミリング+プラズマ酸化の場合は、10個中8
個までは再生出力が3mV以上であり、歩留まりが80%
と向上した。 MTJ膜端面および固定層のミリング残
りがプラズマ酸化されることによりセンス電流のバイパ
ス経路が無くなり、出力が向上したのである。
【表1】
【表2】
【0085】[第二の実施例] 上記第三の実施形態に係る磁気抵抗効果素子を作成し
た。この際MTJ膜としては、Ta(3nm)/Pt46
Mn54(15nm)/Co90Fe10(2nm)/Ru
(0.8nm)/Co90Fe10(2nm)/Al酸化物
(1.5nm)/Co90Fe10(0.5nm)/Ni8
2Fe18(5nm)/Ta(3nm)を用いた。膜形成後
には250℃、5時間の熱処理を成膜時の磁界とは直交
する方向に500Oeの磁界を印加しつつ行った。素子
試作の際のMTJ部のパターニングでは、MTJ膜は最
下層のTaまですべてミリングによりパターニングし
た。MTJ膜パターン化、およびパターン化したMTJ
膜端部の酸化及び窒化には以下の5種類の手法を用い
た。
【0086】1.通常のミリング+プラズマ酸化 MTJ膜を通常のミリング装置により0.3Paの純Ar
ガス雰囲気中でミリングした後に、プラズマ酸化装置
(アッシング装置)に移し、MTJ膜端面を酸化した。
アッシング条件は、0.3PaのAr、0.1PaのO
囲気中に200WのRFパワーを印加して発生したプラ
ズマに20分間MTJ膜端部を接触させることにより行
った。
【0087】2.通常のミリング+自然酸化 MTJ膜を通常のミリング装置により0.3Paの純Ar
ガス雰囲気中でミリングした後に、MTJ膜端部を1気
圧の乾燥酸素雰囲気中に1時間放置することにより行っ
た。
【0088】3.通常のミリング+窒化 MTJ膜を通常のミリング装置により0.3Paの純Ar
ガス雰囲気中でミリングした後に、プラズマ酸化装置
(アッシング装置)に0.5PaのAr、0.5PaのN
囲気中に200WのRFパワーを印加して発生したプラ
ズマに120分間MTJ膜端部を接触させることにより
行った。
【0089】4.(酸素+Ar)雰囲気中ミリング ミリング装置にAr0.3Paと酸素0.1Paを同時に導
入し、ミリングとMTJ膜端部の酸化を同時に行った。
【0090】5.(窒素+Ar)雰囲気中ミリング ミリング装置にAr0.3Paと窒素0.1Paを同時に導
入し、ミリングとMTJ膜端部の窒化を同時に行った。
【0091】比較のためにプラズマ酸化工程を省略して
作成した素子も試作した。素子を構成する各要素として
は以下のものを用いた。 基体…厚さ2nmのアルチック上にアルミナを10μm積
層したもの 下シールド層…厚さ1μmのCo65Ni12Fe23
(組成はat%、以下同じ) 下電極層…Ta(1.5nm)/Mo(80nm)/Ta
(3nm) 上電極層…Ta(1.5nm)/Au(40nm)/Ta
(3nm) 上シールド層…厚さ1μmのCo89Zr4Ta4Cr
3 絶縁層…厚さ40nmのアルミナ 縦バイアス層…Cr(10nm)/Co74.5Cr1
0.5Pt15(36nm) 界面制御層…なし 下ギャップ層…なし 上ギャップ層…なし 上部層…なし
【0092】この磁気抵抗効果素子を、図28のような
記録再生一体型ヘッドに加工およびスライダ加工し、C
oCrTa系媒体上にデータを記録再生した。この際、
書き込みトラック幅は3μm、書き込みギャップは0.
2μm、読み込みトラック幅は2μmとした。書き込みヘ
ッド部のコイル部作成時のフォトレジスト硬化工程は2
50℃、2時間とした。この工程により本来は素子高さ
方向を向いていなければならない固定する層および固定
する層の磁化方向が回転し、磁気抵抗効果素子として正
しく動作しなくなったので、再生ヘッド部および記録ヘ
ッド部作成終了後に、200℃、500Oe磁界中、1
時間の着磁熱処理を行った。この着磁熱処理によるフリ
ー層の磁化容易軸の着磁方向への回転は、磁化曲線から
ほとんど観測されなかった。
【0093】まったく同様の作成手順において、10個
のヘッドを作成した。媒体の保磁力は3.0kOe、M
rTは0.35memu/cmとした。試作したヘッドを用
いて、再生出力を測定した。10個のヘッドの再生出力
測定結果を以下に示す。MTJ膜端面のプラズマ酸化無
しの場合は、再生出力が3mV以上と大ききいものが2個
あったが、8個は出力が小さく、そのうち5個は再生出
力がほとんどゼロであった。3mV以上を合格とすると、
ヘッドとしての歩留まりは20%と低いことがわかる。
再生出力がほとんどゼロのヘッドでは抵抗が極めて小さ
く、MTJ膜パターン化時に発生したバリにより固定す
る層とフリー層とが短絡していることがわかった。一
方、通常ミリング+プラズマ酸化の場合は、10個中8
個までは再生出力が3mV以上であり、歩留まりが80%
と向上した。通常ミリング+自然酸化の場合は歩留まり
70%、通常ミリング+窒化の場合は60%、(酸素+A
r)雰囲気中ミリングの場合は50%、(窒素+Ar)
雰囲気中ミリングの場合は40%と、なにも処理をしな
かった場合よりは歩留まりが向上した。これら、本発明
を適用した場合は、MTJ膜パターン化時に発生したバ
リが酸化または窒化され絶縁物に変わったため、MR比
を下げる原因ではなくなったためと考えられる。今回
は、通常ミリング+プラズマ酸化が最も良好な特性が得
られたが、それ以外の場合もミリング及びMTJ端面酸
化及び窒化の条件最適化によりプラズマ酸化と同等の特
性が得られる可能性がある。
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【0094】[第三の実施例] 上記第四の実施形態に係る磁気抵抗効果素子を作成し
た。この際MTJ膜としては、Ta(3nm)/Pt46
Mn54(15nm)/Co90Fe10(2nm)/Ru
(0.8nm)/Co90Fe10(2nm)/Al酸化物
(1.5nm)/Co90Fe10(0.5nm)/Ni8
2Fe18(5nm)/Ta(3nm)を用いた。膜形成後
には250℃、5時間の熱処理を成膜時の磁界とは直交
する方向に500Oeの磁界を印加しつつ行った。素子
試作の際のMTJ部のパターニングでは、MTJ膜は最
下層のTaまですべてミリングによりパターニングし
た。MTJ膜を通常のミリング装置により0.3Paの純
Arガス雰囲気中でミリングした後に、プラズマ酸化装
置(アッシング装置)に移し、MTJ膜端面を酸化した。
アッシング条件は、0.3PaのAr、0.1PaのO
囲気中に200WのRFパワーを印加して発生したプラ
ズマに、20分間MTJ膜端部を接触させることにより
行った。比較のためにプラズマ酸化工程を省略して作成
した素子も試作した。素子を構成する各要素としては以
下のものを用いた。 基体…厚さ2nmのアルチック上にアルミナを10μm積
層したもの 下シールド層…厚さ1μmのCo65Ni12Fe23
(組成はat%、以下同じ) 下電極層…Ta(1.5nm)/Mo(80nm)/Ta
(3nm) 上電極層…Ta(1.5nm)/Au(40nm)/Ta
(3nm) 上シールド層…厚さ1μmのCo89Zr4Ta4Cr
3 絶縁層…厚さ40nmのアルミナ 縦バイアス層…Cr(10nm)/Co74.5Cr1
0.5Pt15(36nm) 界面制御層…なし 下ギャップ層…なし 上ギャップ層…なし 上部層…なし
【0095】この素子を、図28のような記録再生一体
型ヘッドに加工およびスライダ加工し、CoCrTa系
媒体上にデータを記録再生した。この際、書き込みトラ
ック幅は3μm、書き込みギャップは0.2μm、読み込
みトラック幅は2μmとした。書き込みヘッド部のコイ
ル部作成時のフォトレジスト硬化工程は250℃、2時
間とした。この工程により本来は素子高さ方向を向いて
いなければならない固定する層および固定する層の磁化
方向が回転し、磁気抵抗効果素子として正しく動作しな
くなったので、再生ヘッド部および記録ヘッド部作成終
了後に、200℃、500Oe磁界中、1時間の着磁熱
処理を行った。この着磁熱処理によるフリー層の磁化容
易軸の着磁方向への回転は、磁化曲線からほとんど観測
されなかった。
【0096】まったく同様の作成手順において10個の
ヘッドを作成した。媒体の保磁力は3.0kOe、MrT
は0.35memu/cmとした。試作したヘッドを用い
て、再生出力を測定した。 10個のヘッドの再生出力
測定結果を以下に示す。MTJ膜端面のプラズマ酸化無
しの場合は、再生出力が3mV以上と大ききいものが1個
あったが、9個は出力が小さかった。3mV以上を合格と
すると、ヘッドとしての歩留まりは10%と低いことが
わかる。再生出力がほとんどゼロのヘッドでは抵抗が極
めて小さく、MTJ膜パターン化時に発生したバリによ
り固定する層とフリー層とが短絡していることがわかっ
た。一方、通常ミリング+プラズマ酸化の場合は、10
個中9個までは再生出力が3mV以上であり、歩留まりが
90%と向上した。本発明を適用した場合はMTJ膜パ
ターン化時に発生したバリが酸化され絶縁物に変わった
ため、MR比を下げる原因ではなくなったためと考えら
れる。
【表9】
【表10】
【0097】[第四の実施例] 上記第五の実施形態に係る磁気抵抗効果素子を作成し
た。この際MTJ膜としては、Ta(3nm)/Pt46
Mn54(15nm)/Co90Fe10(2nm)/Ru
(0.8nm)/Co90Fe10(2nm)/Al酸化物
(1.5nm)/Co90Fe10(0.5nm)/Ni8
2Fe18(5nm)/Ta(3nm)を用いた。膜形成後
には250℃、5時間の熱処理を成膜時の磁界とは直交
する方向に500Oeの磁界を印加しつつ行った。素子
試作の際のMTJ部のパターニングでは、MTJ膜は最
下層のTaまですべてミリングによりパターニングし
た。MTJ膜を通常のミリング装置により0.3Paの純
Arガス雰囲気中でミリングした後に、プラズマ酸化装
置(アッシング装置)に移し、MTJ膜端面を酸化した。
アッシング条件は0.3PaのAr、0.1PaのO雰囲
気中に200WのRFパワーを印加して発生したプラズ
マに、20分間MTJ膜端部を接触させることにより行
った。比較のためにプラズマ酸化工程を省略して作成し
素子も試作した。ヘッドを構成する各要素としては以
下のものを用いた。 基体…厚さ2nmのアルチック上にアルミナを10μm積
層したもの 下シールド層…厚さ1μmのCo65Ni12Fe23
(組成はat%、以下同じ) 下電極層…Ta(1.5nm)/Mo(80nm)/Ta
(3nm) 上電極層…Ta(1.5nm)/Au(40nm)/Ta
(3nm) 上シールド層…厚さ1μmのCo89Zr4Ta4Cr
3 絶縁層…厚さ40nmのアルミナ 縦バイアス層…Cr(10nm)/Co74.5Cr1
0.5Pt15(36nm) 界面制御層…なし 下ギャップ層…なし 上ギャップ層…なし 上部層…なし
【0098】この素子を、図28のような記録再生一体
型ヘッドに加工およびスライダ加工し、CoCrTa系
媒体上にデータを記録再生した。この際、書き込みトラ
ック幅は3μm、書き込みギャップは0.2μm、読み込
みトラック幅は2μmとした。書き込みヘッド部のコイ
ル部作成時のフォトレジスト硬化工程は250℃、2時
間とした。この工程により本来は素子高さ方向を向いて
いなければならない固定する層および固定する層の磁化
方向が回転し、磁気抵抗効果素子として正しく動作しな
くなったので、再生ヘッド部および記録ヘッド部作成終
了後に、200℃、500Oe磁界中、1時間の着磁熱
処理を行った。この着磁熱処理によるフリー層の磁化容
易軸の着磁方向への回転は、磁化曲線からほとんど観測
されなかった。
【0099】まったく作成手順において10個のヘッド
を作成した。媒体の保磁力は3.0kOe、MrTは
0.35memu/cmとした。試作したヘッドを用いて、
再生出力を測定した。10個のヘッドの再生出力測定結
果を以下に示す。MTJ膜端面のプラズマ酸化無しの場
合は、再生出力が3mV以上と大ききいものが1個あった
が、9個は出力が小さかった。3mV以上を合格とする
と、ヘッドとしての歩留まりは10%と低いことがわか
る。再生出力がほとんどゼロのヘッドでは抵抗が極めて
小さく、MTJ膜パターン化時に発生したバリにより固
定する層とフリー層とが短絡していることがわかった。
一方、通常ミリング+プラズマ酸化の場合は、10個中
8個までは再生出力が3mV以上であり、歩留まりが80
%と向上した。本発明を適用した場合はMTJ膜パター
ン化時に発生したバリが酸化され絶縁物に変わったた
め、MR比を下げる原因ではなくなったためと考えられ
る。
【表11】
【表12】
【0100】次に、本発明を適用して試作された磁気記
録装置の説明をする。磁気記録装置は、ベース上に3枚
の磁気ディスク(磁気記録媒体)を備え、ベース裏面に
ヘッド駆動回路および信号処理回路と入出力インターフ
ェイスとを収めている。外部とは32ビットのバスライ
ンで接続される。磁気ディスクの両面には6個のヘッド
が配置されている。ヘッドを駆動するためのロータリー
アクチュエータ(アクチュエータ手段)とその駆動及び
制御回路、ディスク回転用スピンドル直結モータが搭載
されている。ディスクの直径は46mmであり、データ面
は直径10mmから40mmまでを使用する。埋め込みサー
ボ方式を用い、サーボ面を有しないため高密度化が可能
である。本装置は、小型コンピューターの外部記録装置
として直接接続が可能になっている。入出力インターフ
ェイスには、キャッシュメモリを搭載し、転送速度が毎
秒5から20メガバイトの範囲であるバスラインに対応
する。また、外部コントローラを置き、本装置を複数台
接続することにより、大容量の磁気ディスク装置を構成
することも可能である。
【0101】
【発明の効果】本発明の適用により、 従来のものより
再生波形のノイズが少なく、S/N比及びビットエラー
レートが良好な磁気抵抗効果素子を得ることができる。
また、この磁気抵抗効果素子を用いて、高性能な磁気記
録再生装置、磁気記録装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る磁気抵抗効果素子の第一の実施
形態の一例を示す概略側断面図である。
【図2】 本発明に係る磁気抵抗効果素子の第一の実施
形態の他の一例を示す概略側断面図である。
【図3】 本発明に係る磁気抵抗効果素子の第一の実施
形態の更に他の一例を示す概略側断面図である。
【図4】 本発明に係る磁気抵抗効果素子の第一の実施
形態の更に他の一例を示す概略側断面図である。
【図5】 本発明に係る磁気抵抗効果素子の第一の実施
形態の更に他の一例を示す概略側断面図である。
【図6】 本発明に係る磁気抵抗効果素子の第一の実施
形態の更に他の一例を示す概略側断面図である。
【図7】 本発明に係る磁気抵抗効果素子の第一の実施
形態の更に他の一例を示す概略側断面図である。
【図8】 本発明に係る磁気抵抗効果素子の第一の実施
形態の更に他の一例を示す概略側断面図である。
【図9】 本発明に係る磁気抵抗効果素子の第一の実施
形態の更に他の一例を示す概略側断面図である。
【図10】 本発明に係る磁気抵抗効果素子の第一の実
施形態の更に他の一例を示す概略側断面図である。
【図11】 本発明に係る磁気抵抗効果素子の第一の実
施形態の更に他の一例を示す概略側断面図である。
【図12】 本発明に係る磁気抵抗効果素子の第一の実
施形態の更に他の一例を示す概略側断面図である。
【図13】 本発明に係る磁気抵抗効果素子の第二の実
施形態の一例を示す概略側断面図である。
【図14】 本発明に係る磁気抵抗効果素子の第三の実
施形態の一例を示す概略側断面図である。
【図15】 本発明に係る磁気抵抗効果素子の第三の実
施形態の他の一例を示す概略側断面図である。
【図16】 本発明に係る磁気抵抗効果素子の第四の実
施形態の一例を示す概略側断面図である。
【図17】 本発明に係る磁気抵抗効果素子の第五の実
施形態の一例を示す概略側断面図である。
【図18】 本発明に係る磁気抵抗効果素子の第六の実
施形態の一例を示す概略側断面図である。
【図19】 本発明に係る磁気抵抗効果素子の第一の実
施形態の一例を示す概略平面図である。
【図20】 本発明に係る磁気抵抗効果素子の第二の実
施形態の一例を示す概略平面図である。
【図21】 本発明に係る磁気抵抗効果素子の第三の実
施形態の一例を示す概略平面図である。
【図22】 本発明に係る磁気抵抗効果素子の第四の実
施形態の一例を示す概略平面図である。
【図23】 本発明に係る磁気抵抗効果素子の第五の実
施形態の一例を示す概略平面図である。
【図24】 上記第一の実施形態に係る磁気抵抗効果
の作成手順を示す平面図である。
【図25】 上記第二の実施形態に係る磁気抵抗効果
の作成手順を示す平面図である。
【図26】 上記第三の実施形態に係る磁気抵抗効果
の作成手順を示す平面図である。
【図27】 上記第五の実施形態に係る磁気抵抗効果
の作成手順を示す平面図である。
【図28】 本発明に係る磁気抵抗効果素子を適用し
た、磁気記録再生ヘッドの斜視図である。
【図29】 上記磁気記録再生ヘッドを備えた磁気抵抗
変換システムを示す概略図である。
【図30】 上記磁気抵抗変換システムを備えた磁気記
録システムを示す概略図である。
【図31】 本発明に係る磁気記録システムの具体例を
示す斜視図である。
【符号の説明】
1…酸化層・窒化層(金属材料の酸化物もしくは窒化
物) 2…フリー層 3…バリア層 4…固定層 5…固定する層 6…縦バイアス層 7…界面制御層 8…MTJ膜(強磁性トンネル接合膜) 10…基体 11…下シールド層 12…下電極層 13…絶縁層 14…上電極層 15…上シールド層 20…上部層 21…下ギャップ層 22…上ギャップ層 24…保護層 25…ギャップ調整導電層 41…コイル 42…基体 43…磁極 44…上磁極 45…再生ヘッド 46…ABS面(エアー・ベアリング表面) 50…記録ヘッド 51…再生ヘッド 52…ヘッドスライダーを兼ねる基板 53…記録媒体 54…媒体からの漏れ磁界 101…モータ(第2のアクチュエータ) 102…磁気記録媒体 106…VCM(第1のアクチュエータ) 133…電流駆動回路 134…電流発生回路 135…データ読取回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石綿 延行 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気 株式会社内 (72)発明者 深見 栄三 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気 株式会社内 (72)発明者 永原 聖万 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気 株式会社内 (72)発明者 本庄 弘明 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気 株式会社内 (72)発明者 斉藤 信作 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気 株式会社内 (72)発明者 藤方 潤一 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気 株式会社内 (72)発明者 石原 邦彦 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気 株式会社内 (72)発明者 森 茂 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気 株式会社内 (72)発明者 柘植 久尚 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気 株式会社内 (72)発明者 上條 敦 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気 株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 5/39 H01L 43/08 H01L 43/12

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フリー層とこのフリー層上に形成された
    バリア層とこのバリア層上に形成された固定層、もしく
    は、固定層とこの固定層上に形成されたバリア層とこの
    バリア層上に形成されたフリー層、のいずれかからなる
    磁気抵抗効果膜を含み、 前記磁気抵抗効果膜のうちの少なくとも前記バリア層よ
    りも上の層がパターン化されており、 このパターン化されたパターンの端部表面に、このパタ
    ーン化された層のうちの少なくとも一つを構成する金属
    材料の酸化物もしくは窒化物が形成されていることを特
    徴とする磁気抵抗効果素子。
  2. 【請求項2】 フリー層とこのフリー層上に形成された
    バリア層とこのバリア層上に形成された固定層とこの固
    定層上に形成された固定する層、もしくは、固定する層
    とこの固定する層上に形成された固定層とこの固定層上
    に形成されたバリア層とこのバリア層上に形成されたフ
    リー層、のいずれかからなる磁気抵抗効果膜を含み、 前記磁気抵抗効果膜のうちの少なくとも前記バリア層よ
    りも上の層がパターン化されており、 このパターン化されたパターンの端部表面に、このパタ
    ーン化された層のうちの少なくとも一つを構成する金属
    材料の酸化物もしくは窒化物が形成されていることを特
    徴とする磁気抵抗効果素子。
  3. 【請求項3】 下地層とこの下地層上に形成されたフリ
    ー層とこのフリー層上に形成されたバリア層とこのバリ
    ア層上に形成された固定層とこの固定層上に形成された
    固定する層、もしくは、下地層とこの下地層上に形成さ
    れた固定する層とこの固定する層上に形成された固定層
    とこの固定層上に形成されたバリア層とこのバリア層上
    に形成されたフリー層、のいずれかからなる磁気抵抗効
    果膜を含み、 前記磁気抵抗効果膜のうちの少なくとも前記バリア層よ
    りも上の層がパターン化されており、 このパターン化されたパターンの端部表面に、このパタ
    ーン化された層のうちの少なくとも一つを構成する金属
    材料の酸化物もしくは窒化物が形成されていることを特
    徴とする磁気抵抗効果素子。
  4. 【請求項4】 フリー層とこのフリー層上に形成された
    バリア層とこのバリア層上に形成された固定層、もしく
    は、固定層とこの固定層上に形成されたバリア層とこの
    バリア層上に形成されたフリー層、のうちのいずれかを
    基本構成とする磁気抵抗効果膜を用いた用いた磁気抵抗
    効果素子を製造する方法において、磁気抵抗効果膜 をパターン化した後に、その磁気抵抗効
    果膜の端部を酸化、もしくは窒化することを特徴とする
    磁気抵抗効果素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 フリー層とこのフリー層上に形成された
    バリア層とこのバリア層上に形成された固定層とこの固
    定層上に形成された固定する層、もしくは、固定する層
    とこの固定する層上に形成された固定層とこの固定層上
    に形成されたバリア層とこのバリア層上に形成されたフ
    リー層、のうちのいずれかを基本構成とする磁気抵抗効
    果膜を用いた磁気抵抗効果素子を製造する方法におい
    て、磁気抵抗効果膜 をパターン化する際に、パターン化を磁
    気抵抗効果を構成する層の途中で止めておき、磁気抵
    抗効果のうちパターン化が途中で止められている領域
    の少なくとも最表面を酸化、もしくは窒化することを特
    徴とする磁気抵抗効果素子の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜のいずれかに記載の磁気抵
    抗効果素子、あるいは、請求項4又は請求項5に記載の
    製造方法で製造した磁気抵抗効果素子と、 前記磁気抵抗効果素子をその一部に含む磁気抵抗センサ
    を通る電流を生じる電流発生回路と、 検出される磁界の関数として上記磁気抵抗センサの抵抗
    率変化を検出するデータ読取回路と、 を備えた磁気抵抗変換システム。
  7. 【請求項7】 データ記録のための複数個のトラックを
    有する磁気記録媒体と、請求項6 に記載の磁気抵抗変換システムと、 磁気抵抗変換システムを前記磁気記録媒体の選択された
    トラックへ移動させる第1のアクチュエータと、前記磁
    気記録媒体を回転駆動させる第2のアクチュエータと、 を備えた磁気記録システム。
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