JP3445130B2

JP3445130B2 - アンカー

Info

Publication number: JP3445130B2
Application number: JP33093597A
Authority: JP
Inventors: 正志山田
Original assignee: 正志山田
Priority date: 1997-11-13
Filing date: 1997-11-13
Publication date: 2003-09-08
Anticipated expiration: 2017-11-13
Also published as: JPH11140992A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、建築用のアンカー
に関する。

【０００２】

【従来の技術】石膏ボードやベニヤ板等に使用されるア
ンカーとして、従来、全体が金属製であって、かつ、雄
ねじ突条を軸部外周に突設して、セルフタッピングしつ
つ石膏ボード等に螺着し、その後に、被取付物を取付け
る螺着具を、このアンカーの孔部に螺着するものが、公
知であった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、建築の現場や
各家庭に於て、トイレットペーパーホルダや棚等の各種
のものをボードに取付ける際に、上述のような全体が金
属製のアンカーを使用すると、アンカーをボードに螺入
する際の摩擦抵抗が比較的大きく、ねじ込み作業をスム
ースに行うことができないため、作業性が低かった。

【０００４】そこで、本発明は上述の問題を解決して、
スムースに、かつ、効率良く取付け作業を行うことがで
きるアンカーを提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明に係るアンカーは、取付用螺着具が基端側
から先端方向へ螺着可能とされるプラスチック製アンカ
ー本体に、先端部から途中部までを上記螺着具の螺進に
伴って開脚可能なように、スリットにて分岐脚部を形成
し、かつ、上記アンカー本体の先端部に金属製刃片を、
上記螺着具の螺進に伴って上記分岐脚部が開脚して脱落
可能なように固着したものである。

【０００６】また、取付用螺着具が基端側から先端方向
へ螺着可能とされるプラスチック製アンカー本体に、先
端部から途中部までを上記螺着具の螺進に伴って開脚可
能なように、スリットにて分岐脚部を形成し、かつ、上
記アンカー本体の先端部に金属製刃片を、上記螺着具の
螺進に伴って上記分岐脚部が開脚して脱落可能なように
固着し、さらに、上記分岐脚部を、刃片倒れ防止用橋絡
部にて相互に連結すると共に、該橋絡部を螺着具の螺進
に伴って切断するように構成したものである。

【０００７】そして、スリットがアンカー本体を径方向
に横断するように形成されると共に分岐脚部が２本形成
され、刃片が、先端側から見て、スリットと一文字状に
連続するように、該スリットに差込まれている。また、
スリットがアンカー本体を径方向に横断するように形成
されると共に分岐脚部が２本形成され、かつ、アンカー
本体に、先端側から見て上記スリットと直交する差込溝
が形成されると共に、刃片が、上記スリットと直交する
ように、上記差込溝に差込まれている。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、実施の形態を示す図面に基
づき、本発明を詳説する。

【０００９】図１〜図４は、本発明に係るアンカーの実
施の一形態を示し、このアンカー１は、主として石膏ボ
ードに使用され、取付用螺着具が基端側から先端方向へ
螺着可能とされるプラスチック製アンカー本体２と、ア
ンカー本体２の先端部に固着される金属製刃片３と、か
ら成る。

【００１０】アンカー本体２は、軸部４と、その軸部４
の外周に突設された螺線状雄ねじ突条５と、を有してい
る。また、軸部４は、横断面の外形が円形状であって先
端側が僅かに縮径する緩いテーパ状に形成される。軸部
４の基端部には、図３と図６に示すように、ドライバー
等の回転具の先端部を嵌合可能な略十文字状の孔９が形
成される。

【００１１】しかして、アンカー本体２に、先端部から
途中部までを螺着具６の螺進に伴って開脚可能なよう
に、スリットＳにて分岐脚部７，７を形成する（図８参
照）。具体的には、図１と図４と図６に示すように、ス
リットＳがアンカー本体２を径方向に横断するように、
かつ、基端側の孔９に連通するように、形成されると共
に、分岐脚部７，７が２本形成される。さらに、その一
対の分岐脚部７，７を、刃片倒れ防止用橋絡部８…にて
相互に連結する。かつ、その橋絡部８…を前記螺着具６
の螺進に伴って切断するように構成する（図８の（ｂ）
参照）。

【００１２】具体的には、分岐脚部７，７の左右両側縁
部に橋絡部８を２つずつ合計４つ一体に形成して、分岐
脚部７，７を相互に連結する。なお、橋絡部８を分岐脚
部７，７の左右両側縁部に１つずつ合計２つ形成しても
よい。あるいは、３つ以上としたり膜状に形成してもよ
い。

【００１３】さらに、図４に示すように、刃片３を、先
端側から見て、スリットＳと一文字状に連続するよう
に、スリットＳに差込む。即ち、刃片３の基端側をスリ
ットＳに差込む。その刃片３は、図５と図６に示すよう
に、一つ山型の刃先部10と、基端側へ向くと共にアンカ
ー本体２の橋絡部８，８に当接して刃片３がアンカー本
体２に対して基端側へ移動しないようにする当接面11,
11を有する。当接面11,11は、刃片３の両側辺を切欠い
て形成される。

【００１４】しかして、このアンカー１の作用効果を使
用方法と共に説明すると、先ず、図７の（ａ）に示すよ
うに、ドライバー等の回転具13の先端をアンカー本体２
の基端の孔９に嵌入し、刃片３の先端を石膏ボードやベ
ニヤ板等のボード12に当接させて、アンカー１を回転さ
せる。このとき、刃片３は金属製であるから、ボード12
に下孔14を効率良く開けることができる。しかも、アン
カー本体２の分岐脚部７，７は、刃片倒れ防止用橋絡部
８…にて相互に連結されているので、刃片３がぐらつい
たり倒れたりすることが無く、下孔14を確実にかつ正確
に開けることができる。

【００１５】引き続いて、図７の（ｂ）と図８の（ａ）
に示すように、下孔14にアンカー本体２がねじ込まれ
る。このとき、アンカー本体２はプラスチック製である
から、アンカー本体２の外周面とボード12の下孔14の内
周面の間の摩擦抵抗が小さく、比較的小さなトルクにて
スムースにねじ込むことができる。

【００１６】次に、図８の（ｂ）に示すように、被取付
部材15の貫孔16に取付用螺着具６のねじ軸部を挿通させ
ると共に、そのねじ軸部をアンカー１の孔９からスリッ
トＳへと螺入する。これにより、螺着具６にて分岐脚部
７，７が押し開かれると共にその押し開く力により橋絡
部８が切断される。かつ、その分岐脚部７，７の開脚に
伴って、刃片３がアンカー本体２から脱落する。このよ
うに刃片３が脱落するので、刃片３が螺着具６の螺進を
邪魔することが無く、螺着具６が長い場合でも最後まで
確実に螺入できる。

【００１７】そして、図８の（ｃ）に示すように、アン
カー本体２のみがボード12に残ると共に、分岐脚部７，
７が開脚して雄ねじ突条５がボード12に食い込んで抜け
止めされる。従って、アンカー本体２と螺着具６を介し
て、孔被取付部材15をボード12に、強固に取付けること
ができる。

【００１８】上述のように、このアンカー１によれば、
アンカー本体２がプラスチック製であるにもかかわら
ず、刃片３にて、ボード12に、下孔14を確実に、かつ、
スムースに、かつ、迅速に開けることができる。従っ
て、作業能率が著しく高くなる。そして、硬質のボー
ド、及び、ベニヤ板や合板にでも、スムースに穿孔でき
る。

【００１９】上述のように、このアンカー１によれば、
アンカー本体２がプラスチック製であるにもかかわら
ず、刃片３にて、ボード12に、下孔14を確実に、かつ、
スムースに、かつ、迅速に開けることができる。そし
て、ベニヤ板にでも、スムースに穿孔できる。さらに、
アンカー本体２をボード12の下孔14にスムースにねじ込
むことができる。従って、作業能率が著しく高くなる。

【００２０】次に、図９は、他の実施の形態を示し、ア
ンカー本体２の分岐脚部７，７の先端寄りの左右方向中
間部を、１つの橋絡部８にて、相互に連結したものであ
る。金属製刃片３の基端側中間部に、橋絡部８が挿通さ
れる切欠部17が形成され、その切欠部17の基端側へ向く
面が、橋絡部８に当接する。他は、図１〜図８のものと
同様である。このアンカー１によれば、ボードへの穿孔
の際にアンカー本体２に対して刃片３が基端側へ移動し
ないように一層確実に保持でき、かつ、刃片３の倒れを
防止する。

【００２１】次に、図10と図11は別の実施の形態を示
し、アンカー本体２に、先端側から見てスリットＳと直
交する差込溝18が形成されると共に、刃片３が、スリッ
トＳと直交するように、差込溝18に差込まれている。他
は図１〜図８と同様である。

【００２２】また、図12は他の金属製刃片３を示し、
（ａ）は刃先部10が正面から見て水平直線状とされると
共に側面から見て小山型に形成されている。（ｂ）は刃
先部10が正面から見て一つ山型とされ、かつ、前面と後
面の左右方向中間部に三角山型突条19, 19が形成され
る。この突条19，19は、刃片３の倒れ防止の役目をな
す。（ｃ）は刃先部10が三つ山型とされている。なお、
刃先部10の形状は、これら以外にも変更自由である。

【００２３】

【発明の効果】本発明は上述の如く構成されるので、次
に記載する効果を奏する。

【００２４】請求項１記載のアンカーによれば、アンカ
ー本体２がプラスチック製であるにもかかわらず、金属
製の刃片３にて、建築用のボードに、下孔を確実に、か
つ、スムースに、かつ、迅速に開けることができる。そ
して、ベニヤ板や合板にでも、スムースに穿孔できる。
さらに、ボードに開けられた下孔にアンカー本体２をス
ムースにねじ込むことができる。従って、作業能率が著
しく高くなる。また、分岐脚部７が開脚すると刃片３が
脱落するので、不注意で長過ぎる螺着具６を作業に用い
たとしても、その螺進を妨害しない。

【００２５】さらに、刃片３にてボードに穿孔する際
に、刃片３がぐらついたり倒れたりせず、確実に、か
つ、正確に下孔を開けることができる。かつ、螺着具６
をアンカー本体２に螺入させれば、分岐脚部７，７を確
実に開脚させることができる。また、分岐脚部７が開脚
すると刃片３が脱落するので、不注意で長過ぎる螺着具
６を作業に用いたとしても、その螺進を妨害しない。

【００２６】請求項２記載のアンカーによれば、スリッ
トＳに刃片３が差込まれるので、構造が簡単となり、容
易に製造できる。請求項３記載のアンカーによれば、刃
片３が差込まれる差込溝18が、スリットＳとは別に形成
されるので、刃片３をアンカー本体２により確実に固着
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のアンカーの実施の一形態を示す側面図
である。

【図２】正面図である。

【図３】平面図である。

【図４】底面図である。

【図５】金属製刃片の斜視図である。

【図６】断面正面図である。

【図７】作用説明図である。

【図８】作用説明図である。

【図９】他の実施の形態の説明図である。

【図10】別の実施の形態の一部破断した正面図である。

【図11】底面図である

【図12】他の金属製刃片の斜視図である。

【符号の説明】

２アンカー本体３刃片６螺着具７分岐脚部８橋絡部 18 差込溝Ｓスリット

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】取付用螺着具６が基端側から先端方向へ
螺着可能とされるプラスチック製アンカー本体２に、先
端部から途中部までを上記螺着具６の螺進に伴って開脚
可能なように、スリットＳにて分岐脚部７を形成し、か
つ、上記アンカー本体２の先端部に金属製刃片３を、上
記螺着具６の螺進に伴って上記分岐脚部７が開脚して脱
落可能なように固着し、さらに、上記分岐脚部７を、刃
片倒れ防止用橋絡部８にて相互に連結すると共に、該橋
絡部８を螺着具６の螺進に伴って切断するように構成し
たことを特徴とするアンカー。
【請求項２】スリットＳがアンカー本体２を径方向に
横断するように形成されると共に分岐脚部７，７が２本
形成され、刃片３が、先端側から見て、スリットＳと一
文字状に連続するように、該スリットＳに差込まれてい
る請求項１記載のアンカー。
【請求項３】スリットＳがアンカー本体２を径方向に
横断するように形成されると共に分岐脚部７，７が２本
形成され、かつ、アンカー本体２に、先端側から見て上
記スリットＳと直交する差込溝18が形成されると共に、
刃片３が、上記スリットＳと直交するように、上記差込
溝18に差込まれている請求項１記載のアンカー。