JP5939879B2 - ねじ付きアンカー - Google Patents

ねじ付きアンカー Download PDF

Info

Publication number
JP5939879B2
JP5939879B2 JP2012103527A JP2012103527A JP5939879B2 JP 5939879 B2 JP5939879 B2 JP 5939879B2 JP 2012103527 A JP2012103527 A JP 2012103527A JP 2012103527 A JP2012103527 A JP 2012103527A JP 5939879 B2 JP5939879 B2 JP 5939879B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tip
cutting
cylindrical shaft
shaft portion
cutting blade
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012103527A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013231473A (ja
Inventor
美里 松永
美里 松永
Original Assignee
若井ホールディングス株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 若井ホールディングス株式会社 filed Critical 若井ホールディングス株式会社
Priority to JP2012103527A priority Critical patent/JP5939879B2/ja
Publication of JP2013231473A publication Critical patent/JP2013231473A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5939879B2 publication Critical patent/JP5939879B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Joining Of Building Structures In Genera (AREA)
  • Dowels (AREA)

Description

この発明は、石膏ボードのような脆弱な壁面下地材に対して、各種器材等をビスで固定するための下地補強として用いるねじ付きアンカーに関する。
石膏ボードのような壁面下地材を用いて形成された中空壁に各種器材等をビスで固定する場合、前記下地材は材質的に脆弱であり、釘やねじを直接打ち込んだりねじ込んでも耐引抜効果が十分に得られないため、下地材を補強するためのねじ付きアンカーを用い、このねじ付きアンカーを下地材にねじ込み固定して保持力を高めた後、前記アンカーにねじ込むビスで各種器材等を壁面に固定することが行われている。
上記したねじ付きアンカーの基本構造は、外周に雄ねじが設けられた筒状軸部の先端に穿孔部と後端に頭部を設けてアンカーを形成し、このアンカーを下地材にねじ込み固定した状態で、筒状軸部の中央孔にビスをねじ込むようになっているが、下地材に対する保持力の更なる向上を図るため、前記筒状軸部に、先端から軸方向の途中にわたってスリットを設け、前記筒状軸部の中央孔にビスをねじ込むと、このビスで筒状軸部のスリットを設けた部分を押し開き、開いた部分が抜け止めと回り止めとして機能するようにしたねじ付きアンカーが提案されている。
このようなねじ付きアンカーは、穿孔部の先端を下地材に押し付けながらアンカーをねじ込み方向に回動させると、先ず、穿孔部が下地材に筒状軸部の外径に見合う下孔を形成し、続いて下孔に筒状軸部の雄ねじがしっかりと食い込むようにねじ込まれていき、壁面に頭部が当接した状態でアンカーが下地材に固定化される。
上記のような下地材に対するアンカーの固定状態で、器材を取付けるためのビスを上記筒状軸部の中央孔にねじ込めば、筒状軸部のスリットを設けた部分がビスで押し開かれ、アンカーの耐引抜強度を向上させて器材保持力を高めることになる。
従来、上記のような筒状軸部を押し開くタイプのねじ付きアンカーには、大別すると、筒状軸部に設ける穿孔部の構造の違いによって二種類があり、その一つは、筒状軸部の先端に延長状となるよう突設した穿孔部が断面略半円筒状で先鋭の半割容器状に形成され、その周縁を刃先とすると共に、この穿孔部内にビスの載り上げ部を設け、筒状軸部にねじ込んだビスが載り上げ部で傾斜することにより、筒状軸部に設けた一対のスリット間を押し広げる構造になっている(例えば特許文献1参照)。
他の一つは、筒状軸部に設けた穿孔部が、筒状軸部の先端でスリットを挟む両側の位置から軸方向前方に延在した一対の切削刃板と、両切削刃板の先端を結合する尖り先部とで形成され、スリットの途中に設けたカム部をビスで押し開くことにより、筒状軸部のスリットで二分された部分を両側に押し開き、これと同時に尖り先部を分断させる構造になっている(例えば特許文献2参照)。
ところで、上記特許文献1で示したねじ付きアンカーは、穿孔部が筒状軸部を半割りしたような先鋭の容器状に形成され、この穿孔部が筒状軸部の先端で片側半分から突出した構造となっているため、穿孔部の先端を下地材に押し付けながら回動させてアンカーをねじ込むとき、穿孔部が回転軸心の片側に偏在してバランスが悪いことにより、アンカーと回転工具を同軸心に保持して回動させる時の姿勢保持が難しく、狙った所へ真っ直ぐにアンカーを打ち込むのに慣れが必要になるという点及び、先鋭の半割り容器状に形成された穿孔部は、下地材に対する下孔の穿孔時に、下地材を円軸のブロック状に刳り抜くため、発生する切削切粉が大きくなり、この切削切粉が穿孔部と一体に回転して下孔周面と接触することで抵抗が発生し、下孔穿孔時に大きな力が必要になるという点で改善の余地が見られた。
これに対して、上記特許文献2で示したねじ付きアンカーは、穿孔部が筒状軸部から両側対称形状に突出したバランス性のよい形状になっているので、穿孔部の先端を下地材に押し付けながら回動させて下孔を形成するときの姿勢の安定性が向上し、アンカーと回転工具を同軸心に保持して回動させるねじ込み作業が特別な技術を必要とすることなく行えるという利点がある。
特許第3930960号公報 特許第4806684号公報
ところで、上記特許文献2で示したねじ付きアンカーは、筒状軸部を二分するために設けたスリットを筒状軸部の軸方向に沿ってジグザグの曲線状に形成し、ビスのねじ込みにより筒状軸部のスリットで二分された分離部を押し開くためのカム部を、前記スリットの屈曲部分によって生じたスリット幅方向への突出部分で形成した構造になっているので、スリットの形状及び構造が極めて複雑となり、アンカーの製作に困難性を伴うという問題がある。
また、両側のカム部は、スリットの屈曲部分によって生じたスリット幅方向への突出部分で形成しているので、筒状軸部のスリットで二分された部分に設ける二つのカム部は、筒状軸部の軸方向に沿って前後に変位することになるで、ビスのねじ込みによって筒状軸部のスリットを挟む両側分離部を押し開く時、前記両側分離部に対して押し開き力が交互に加わり、このように、先ず、最初のカム部によって片側の分離部にだけ押し開き力が発生すると、その反力で筒状軸部が反対側に押されて下地材を圧縮し、この後、次のカム部によって前記と逆方向の下地材圧縮が生じることで下地材と筒状軸部の間に隙間が発生し、これが原因で両側分離部の押し開き取付け後にもガタツキが発生し、アンカーの荷重支持強度が低下するという問題がある。
更に、特許文献2で示したねじ付きアンカーの上記穿孔部は、先の尖った平坦で厚みのある一枚の板状に形成され、先端を除く部分がスリットの細幅延長溝で二分された構造になっているため、穿孔部は回転方向の前方に向くフラットな前面の面積が広く、下孔形成時の下地材に対する回転抵抗の発生によって、下孔形成時に大きな力が必要になる。
また、上記穿孔部は、先の尖った平坦で厚みのある一枚の板状に形成されているため、下地材に下孔を形成するときに生じた切削屑の下孔外部への排出機能に乏しく、切削屑が穿孔部と一体に回転して下孔の周面と接触することで回転に対する摩擦抵抗が加わり、これによっても、下孔穿孔時に大きな力が必要になるという問題がある。
そこで、この発明の課題は、筒状軸部の先端に設けた穿孔部が両側対称に形成されたタイプのねじ付きアンカーにおいて、筒状軸部に設けるスリットの形状及び構造の簡素化を図り、筒状軸部のスリットを挟む両側分離部の押し開きが同時に生じるようにすることで、取付け後のガタツキや荷重支持強度の低下がなく、更に、穿孔部の切削機能と切削屑の排出機能を高め、下地材に対する下孔形成が効率よく行えるねじ付きアンカーを提供することにある。
上記のような課題を解決するため、この発明は、外周に雄ねじが設けられた筒状軸部の先端に下孔形成用の穿孔部と後端に頭部を設け、前記筒状軸部の中央孔にねじ込んだビスにより、筒状軸部のスリットで二分された分離部を押し開き、穿孔部を分断させるようにしたねじ付きアンカーにおいて、前記穿孔部が、スリットを挟む両側分離部の先端からそれぞれ軸方向前方に延在した一対の切削刃板と、両切削刃板の先端を結合する尖り先部とで形成され、前記切削刃板は、中空軸部の外周面に合わせた弧状外面と、弧状外面のねじ込み回転方向の前端縁から半径方向の内側に伸びる切削面と、この切削面の内端から弧状外面のねじ込み回転方向の後端縁に達する後続側面で、略扇形となる横断面形状に形成され、前記切削刃板は、分離部の先端に対してねじ込み回転方向の一方に片寄った位置に、一対の切削刃板がスリットを挟んで対峙するような配置で設けられているねじ付きアンカーにおいて、前記尖り先部は、切削刃板を後続側面の部分で結合する薄板で形成され、この尖り先部の先端側中央位置に設けた先鋭部が、筒状軸部の軸心上に位置し、上記先端刃先の先端よりも前方に突出しているようにしたものである。
上記一対の切削刃板は、スリットで二分された分離部の先端に対して、ねじ込み回転方向の後方に片寄った位置に配置され、この切削刃板は、弧状外面と切削面のなす角部が中空軸部の軸方向に延びる直線状の切削刃先になり、前記弧状外面の先端が、切削刃先からねじ込み回転方向に対して後方下がりに傾斜し、前記切削刃先との内角が鋭角状となる先端刃先になっているようにすることができる。
上記筒状軸部に設けたスリットは、先端から頭部に向けて直線状となり、長さ方向の範囲内で交差する雄ねじを分断しており、その長さ方向が筒状軸部の軸方向に対して傾斜するように設けられているようにしてもよい。
ここで、上記した筒状軸部は、外径が先端から後端の頭部に向けて大径となる緩いテーパーとなり、その軸線に沿って貫通する中央孔の頭部側後端が回転用工具の係合部に形成され、外径に設けた雄ねじは先端から後端の頭部に向けて漸次大径となるテーパー状になっている。
上記筒状軸部の先端側周壁を分離部に二分するスリットは、筒状軸部の先端から後端側に向けて途中で終わる直線状となり、筒状軸部の先端では筒状軸部の軸心を通る配置となり、この先端から筒状軸部の軸線に対して傾斜するように設けられ、上記分離部の先端側で中央孔の内側に設けた傾斜面は、先端側で互いに接近する傾斜になっている。
上記穿孔部の切削刃板は、分離部の先端でねじ込み回転方向の後方に位置する配置となり、両側切削刃板の先端をつなぐ尖り先部は、分離部の押し開き時に可破壊となる薄板に形成され、先端視が、筒状軸部の先端におけるスリットの長さ方向と傾斜角度をもって交差する配置になっている。
請求項1と2の発明によると、先端側がスリットで二分された分離部の先端に穿孔部を設け、前記筒状軸部の中央孔にねじ込んだビスで分離部を押し開き、穿孔部を分断させるようにしたねじ付きアンカーにおいて、前記穿孔部を、分離部の先端から軸方向前方に延在した一対の切削刃板と、両切削刃板の先端を結合する尖り先部とで形成し、この切削刃板を、中空軸部の外周面に合わせた弧状外面と、ねじ込み回転方向の前端縁から半径方向の内側に伸びる切削面と、ねじ込み回転方向の後端縁に達する後続側面で略扇形となる横断面形状に形成したので、切削刃板を両側に分離独立させた細い軸状とすることで、穿孔部の回転方向前方に向く前面の面積を小さくでき、下地材に対する穿孔時の進入抵抗が少なくなり、しかも、切削刃板間に確保した空間が、穿孔部で下地材に下孔を形成するときに生じる切削屑を効率よく排出することができ、これにより、下孔穿孔に要する力を小さくすることができる。
そして、切削刃板の先端をつなぐ尖り先部が薄板で形成され、この尖り先部の先端側中央位置に設けた先鋭部が、筒状軸部の軸心上に位置し、上記先端刃先の先端よりも前方に突出しているので、筒状軸部の先端に設けた穿孔部が両側対称の形状となり、下地材に下孔を形成するとき両側で同時に切り込んで行くことができ、アンカーの姿勢保持が安定し、特別な技術を要することなくアンカーをねじ込むことができる。
また、切削刃板を略扇形となる横断面形状に形成することにより、直線状の切削刃先により切り込んだ下地材の切削屑を切削面で内側に誘導することができ、切削屑を下孔と接触回転しないように排出することで抵抗の発生を少なくし、これによっても下孔穿孔に要する力を小さくすることができる。
請求項の発明によると、筒状軸部に設けたスリットを直線状とすることにより、スリットの形状及び構造が極めて簡素化でき、アンカーの製作が容易になると共に、直線状となるスリットをその長さ方向が筒状軸部の軸方向に対して傾斜するように設けたので、スリットで二分された分離部をビスによって押し開いた時に、単純に両側へ開くだけでなく斜め方向への開きが加わり、ねじ込み後の耐引抜力に加え、耐回転力を向上させることができる。
この発明のねじ付きアンカーを示す正面図 この発明のねじ付きアンカーを示す右側面図 この発明のねじ付きアンカーを示す底面図 図2の矢印B−B´での縦断正面図 図1の矢印C−C´での縦断正面図 切削刃板の断面形状を示す図1の矢印A−A´での拡大した横断平面図 この発明のねじ付きアンカーを示す使用時のビスねじ込み初期状態を示す縦断側面図 この発明のねじ付きアンカーを示す使用時のビスねじ込み途中で、切削刃板が開脚した状態を示す縦断側面図 この発明のねじ付きアンカーを示す使用時のビスねじ込み完了の部材固定状態を示す縦断側面図
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図示のように、この発明のねじ付きアンカー1は、外周に雄ねじ2が設けられた筒状軸部3と、この筒状軸部3の先端に設けられた穿孔部4と、筒状軸部3の後端に設けた頭部5とで形成され、前記筒状軸部3の周壁には、軸心を挟む対向位置に先端から軸方向の途中にわたってスリット6が設けられ、前記スリット6によって、筒状軸部3の先端から軸方向の途中が一対の分離部3a、3aになっている。ちなみに、ねじ付きアンカー1は、金属又は硬質の合成樹脂を材料に用いて形成されている。
図7乃至図9のように、このねじ付きアンカー1には、上記筒状軸部3に形成した中央孔7にねじ込むためのビス8が組み合わせ使用され、筒状軸部3の中央孔7に前記ビス8をねじ込むと、ねじ付きアンカー1は、筒状軸部3の分離部3a、3aが同時に押し開かれ、穿孔部4が分断するようになっている。
上記筒状軸部3は、外径が先端から後端の頭部5に向けて大径となる緩いテーパーの円筒状となり、その軸線に沿って貫通する中央孔7の頭部側後端が回転用工具の係合部9に形成され、外径に設けた雄ねじ2の山径は先端から後端の頭部5に向けて、筒状軸部3と同様、漸次大径となるテーパー状になっている。なお、頭部5は、雄ねじ2の最大径と同径かそれよりも少し大径に形成されている。
上記筒状軸部3の周壁を分離部3a、3a二分するスリット6は、筒状軸部3の先端から後端側に向けて途中で終わる直線状となり、分離部3a、3aの先端において両側に位置するスリット6の先端を結ぶ中心線が筒状軸部3の軸心を通る配置となり、この先端から頭部5側に延びる部分が筒状軸部3の軸線に対して傾斜するように設けられ、筒状軸部3の外径に設けた雄ねじ2は、スリット6と交差する部分が該スリット6によって分断されている。
このスリット6で二分された分離部3a、3aの先端で中央孔7の内側に、前記中央孔7にねじ込んだビス8で分離部3a、3aを押し開くため、図4のように、先端側で互いに接近するテーパーの傾斜面10が設けられ、この傾斜面10は、分離部3a、3aにおける中央孔7の先端側内部をそれぞれ閉鎖し、図3のように、両傾斜面10の先端間が両側のスリット6をつなぐ接続スリット6aを形成し、前記接続スリット6aが筒状軸部3の軸心を通過する配置になっている。
上記穿孔部4は、スリット6で二分された分離部3a、3aの先端に設けられ、スリット6を挟む両側の位置から軸方向前方に延在した一対の切削刃板11と、両切削刃板11の先端を結合する尖り先部12とで形成され、図3乃至図6のように、前記切削刃板11は、中空軸部3の外周面に合わせて周方向に所定の幅を有する弧状外面13と、弧状外面13のねじ込み回転方向の前端縁から回転方向の後方に向かう刃先形成面14と、刃先形成面14の後端から半径方向の内側に伸びる切削先導面15と、この切削先導面15の内端から弧状外面13のねじ込み回転方向の後端縁に達する切削屑の逃がし面16とで、略扇形となる横断面形状の軸状に形成されている。
上記切削刃板11の弧状外面13と刃先形成面14のなす長さ方向の鋭角縁が中空軸部3の軸方向に沿って延びる直線状の切削刃先17になり、この切削刃先17の先端から始まる前記弧状外面13の先端縁が、切削刃先17からねじ込み回転方向に対して後方下がりに傾斜する切り込み刃先18になり、前記切削刃先17と切り込み刃先18の内角が鋭角状となる先端刃先19に形成され、前記弧状外面13と切削屑の逃がし面16のなす角部が切り込み刃先18の後端から連なって分離部3aの先端に達する直線の鋭角縁20になっている。
上記した一対となる切削刃板11は、前記弧状外面13の根元部分の幅が分離部3aの外周の半分程度に設定され、かつ、分離部3aの先端に対してねじ込み回転方向の後方へ片寄った位置に、スリット6を挟んで対峙するような配置で設けられ、両者の切削刃先17が中空軸部3の軸線を挟んで両側に位置している。
上記一対の切削刃板11の先端をつなぐ尖り先部12は、両切削刃板11を切削屑の逃がし面16の部分で結合し、筒状軸部3の押し開き時に可破壊となる強度を有するV字状の薄板に形成され、図3に示す先端視において、分離部3a、3aの先端における接続スリット6aの長さ方向と傾斜角度をもって交差する配置になっていると共に、この尖り先部12の先端側中央位置に設けた先鋭部12aが筒状軸部3の軸線上に位置し、上記先端刃先19よりも前方に突出する配置になっている。
この発明のねじ付きアンカーは、上記のような構成であり、例えば、石膏ボードやプラスタボードのような下地材aを用いた中空壁に各種器材を固定したり吊り下げるために用いられ、図7乃至図9に示すように、筒状軸部3の中央孔7にねじ込むためのビス8が組み合わせ使用される。
使用に際しては、穿孔部4における尖り先部12の先鋭部12aを、下地材aの壁面に対して取付け目的位置に押し当て、頭部5側の係合部9に係合させた回転用工具でねじ付きアンカー1を、壁面への押し付け力を加えながら先鋭部12aを中心に雄ねじ2のねじ込み方向に回転させる。
上記尖り先部12の先鋭部12aは、ねじ付きアンカー1の軸線上に位置するので、軸線を中心にねじ付きアンカー1を安定して回転させることができ、前記穿孔部4は、尖り先部12aが下地材aを削り込むことにより先導切削孔を削ると、両切削刃板11の切り込み刃先18が下地材aの切り込みを開始し、この両切削刃板11は、切り込み刃先18に連続してねじ込み回転方向の前方縁が直線状の切削刃先17になっているので、尖り先部12による先導切削孔に続いて、前記切り込み刃先18と切削刃先17で下地材aを円形に切り込むことになる。
両切削刃板11は、弧状外面13がねじ付きアンカー1の軸線を中心とする円弧になっているので、弧状外面13の外径に一致する直径で下地材aを円形に切り込み、切削刃先17は切り込んだ下地材aの前記した円形切り込みの内側を削り込み、これにより、切削屑を生じさせながら下地材aに下孔を形成して行く。
このとき、穿孔部4の両切削刃板11は、尖り先部12の先鋭部12aを挟んで両側対称に配置された形状になっているので、切り込み刃先18と切削刃先17で下地材aを円形に切り込むとき、ねじ付きアンカー1の回転と押し込みの安定した姿勢を保つことができ、これにより、下地材aに対して下孔を直角に形成でき、下孔の形成工程が熟練した技術を要することなく円滑に行える。
上記切削刃板11の断面構造は、切削刃先17のねじ込み回転方向の後方が切削先導面15で、この切削先導面15の後方が逃がし面16となり、かつ、両切削刃板11間は尖り先部12を除く部分が空間部になっているので、切削屑を切削先導面15で空間部に向けて内側に誘導し、空間部に溜まった切削屑はこの空間部の壁面外部に位置する部分から排出される。
このように、切削屑を外部に排出しないと、閉じ込められて圧縮された切削屑が下孔の内周面に押し付けられ、ねじ付きアンカー1と一体に回動することにより、下孔との摩擦でねじ込み回転の抵抗が発生することになり、従って、前記のような摩擦による抵抗を少なくすることで、穿孔部4による下孔の穿孔作業が小さな力で可能になる。
上記のようにして、下地材aに下孔を形成した穿孔部4の全長が下地材aに進入すると、回転と押し込みを続けることで、穿孔部4による下孔形成を続けながら、筒状軸部3の外周に設けた雄ねじ2が下孔に喰いついてねじ込まれることで筒状軸部3が下孔に進入し、頭部5が壁面に当接して回転と押し込みに抵抗が生じることで、ねじ込み作業を停止する。
上記筒状軸部3は、頭部5側に向けて大径となる緩いテーパーになっているので、下孔に進入すると、その外周面が下孔の内周面に対して押し広げ状に密着し、下地材aへの雄ねじ2のねじ込みとにより、ねじ付きアンカー1を下地材aに固定することができる。
上記のように、下地材aにねじ付きアンカー1を固定すると、図7のように、下地材aに重ねた部材bの下孔からねじ付きアンカー1の中央孔7にタッピングビス8をねじ込み、ビス8の先端が両側の傾斜面10に当接してこれを押し開くと、筒状軸部3の分離部3a、3aが、スリット6の終端部分を基点として両側に押し開かれ、図8のように、この押し開きによって両切削刃板11も同方向に離開しようとすることで、両切削刃板11をつなぐ尖り先部12に引張力が加わり、これにより、尖り先部12が途中から分断すると共に、ビス8が両傾斜面10間に進入することで、筒状軸部3の分離部3a、3aが最大量だけ両側に押し開かれる。このような尖り先部12の分断が円滑に得られるよう、尖り先部12の中間部位置を薄肉厚としたり、中間部の位置に切れ目を設けておくようにすることができる。
このとき、分離部3a、3aにおける中央孔7の先端に設けた傾斜面10は、スリット6を挟んで両側の等しい位置に配置されているので、ビス8によって分離部3a、3aを同時に押し開くことができ、従って、ビス8による押し広げ時にねじ付きアンカー1に片寄った力が加わるようなことがなく、押し開き時の反力でねじ付きアンカー1に傾斜を生じさせたり、下地材aとの間に生じた隙間によるガタツキを発生させるようなことがない。
また、スリット6が筒状軸部3の軸方向に対して傾斜しているので、分離部3a、3aが両側へ押し開かれるとき、筒状軸部3の周方向へ向けての相反する開きが加わり、これにより、分離部3a、3aの押し広げ量が増大する。
このように、筒状軸部3の分離部3a、3aが押し開かれることでアンカー機能が発生し、下地材aに対するねじ付きアンカー1の耐引抜性が向上し、図9のように、前記ねじ付きアンカー1にねじ込んだビス8の頭部で部材bを締め付け固定することができ、アンカー1によって部材bを固定したり吊り下げたときの支持強度を確保することができる。
1 ねじ付きアンカー
2 雄ねじ
3 筒状軸部
3a 分離部
4 穿孔部
5 頭部
6 スリット
6a 接続スリット
7 中央孔
8 ビス
9 係合部
10 傾斜面
11 切削刃板
12 尖り先部
12a 先鋭部
13 弧状外面
14 刃先形成面
15 切削先導面
16 切削屑の逃がし面
17 切削刃先
18 切り込み刃先
19 先端刃先
20 鋭角縁
a 下地材

Claims (3)

  1. 外周に雄ねじが設けられた筒状軸部の先端に下孔形成用の穿孔部と後端に頭部を設け、前記筒状軸部の中央孔にねじ込んだビスにより、筒状軸部のスリットで二分された分離部を押し開き、穿孔部を分断させるようにしたねじ付きアンカーにおいて、前記穿孔部が、スリットを挟む両側分離部の先端からそれぞれ軸方向前方に延在した一対の切削刃板と、両切削刃板の先端を結合する尖り先部とで形成され、前記切削刃板は、中空軸部の外周面に合わせた弧状外面と、弧状外面のねじ込み回転方向の前端縁から半径方向の内側に伸びる切削面と、この切削面の内端から弧状外面のねじ込み回転方向の後端縁に達する後続側面で、略扇形となる横断面形状に形成され、前記切削刃板は、分離部の先端に対してねじ込み回転方向の一方に片寄った位置に、一対の切削刃板がスリットを挟んで対峙するような配置で設けられているねじ付きアンカーにおいて、前記尖り先部は、切削刃板を後続側面の部分で結合する薄板で形成され、この尖り先部の先端側中央位置に設けた先鋭部が、筒状軸部の軸心上に位置し、上記先端刃先の先端よりも前方に突出していることを特徴とするねじ付きアンカー。
  2. 上記一対の切削刃板は、分離部の先端に対して、ねじ込み回転方向の後方に片寄った位置に配置され、この切削刃板は、弧状外面と切削面のなす角部が中空軸部の軸方向に延びる直線状の切削刃先になり、前記弧状外面の先端が、切削刃先からねじ込み回転方向に対して後方下がりに傾斜し、前記切削刃先との内角が鋭角状となる先端刃先になっていることを特徴とする請求項1に記載のねじ付きアンカー。
  3. 上記筒状軸部に設けたスリットは、先端から頭部に向けて直線状となり、長さ方向の範囲内で交差する雄ねじを分断しており、その長さ方向が筒状軸部の軸方向に対して傾斜するように設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のねじ付きアンカー。
JP2012103527A 2012-04-27 2012-04-27 ねじ付きアンカー Active JP5939879B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012103527A JP5939879B2 (ja) 2012-04-27 2012-04-27 ねじ付きアンカー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012103527A JP5939879B2 (ja) 2012-04-27 2012-04-27 ねじ付きアンカー

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013231473A JP2013231473A (ja) 2013-11-14
JP5939879B2 true JP5939879B2 (ja) 2016-06-22

Family

ID=49678098

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012103527A Active JP5939879B2 (ja) 2012-04-27 2012-04-27 ねじ付きアンカー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5939879B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
USD860770S1 (en) 2017-09-15 2019-09-24 Fischerwerke Gmbh & Co. Kg Anchor

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2511769B2 (ja) * 1991-05-30 1996-07-03 エヌ.ジアンヌズィ ルイス 自己ドリルアンカ―
JP3007453U (ja) * 1994-08-03 1995-02-14 国際鋲螺株式会社 アンカー
JPH09250524A (ja) * 1996-03-19 1997-09-22 Koyo Kizai Kk 自己穿孔拡開インサート
FR2776034B1 (fr) * 1998-03-16 2000-04-14 Spit Soc Prospect Inv Techn Cheville d'ancrage pour materiau friable
US6382892B1 (en) * 2001-01-16 2002-05-07 Dave C. Hempfling Wall anchor with improved drilling tip
US7001124B2 (en) * 2004-02-05 2006-02-21 Illinois Tool Works Inc. Anchor
JP2007100810A (ja) * 2005-10-03 2007-04-19 Naoyuki Matsumoto 石膏ボード用のアンカー

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013231473A (ja) 2013-11-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3930960B2 (ja) ねじ付きアンカー
US4257307A (en) Hole-drilling self-tapping screw
JP4279495B2 (ja) 改良された穿孔尖端を有する壁アンカー
US4480951A (en) Self-drilling screw
CA2999618C (en) Thread-forming screw with separate thread spiral and different part flank angles
CA3072757C (en) Sheet metal screw
US1084643A (en) Screw.
AU2016217402A1 (en) Dust suction drill and dust suction unit
EP1371861B1 (en) Cutting insert for fasteners
EP0468089B1 (en) Drill screw having cutting edges each forming an arc curving to a head side
JP5939879B2 (ja) ねじ付きアンカー
US4064784A (en) Drill tip and threaded fastener
CN105813787B (zh) 刀片安装机构、旋转切削工具、工具主体、楔子部件及调整部件
AU683538B2 (en) Lamina-shaped borepiece for self-boring fastening elements
JP6629080B2 (ja) 樹脂製拡開アンカー
JPH04228912A (ja) 締着具
US20070065252A1 (en) Screw with multiple cutting ridges in end section
JP4178998B2 (ja) スローアウェイ式ドリル
US20080206014A1 (en) Self-drilling and slotting fastener with retainer
EP3153268A1 (en) Sectional hob
JP4031125B2 (ja) ねじ付きアンカー
CA2452521C (en) Self-tapping screw for composite materials
JP4171239B2 (ja) ねじ付きアンカー
JP3107272U (ja) 木ねじ
US11739783B2 (en) Concrete fastener

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150323

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20151222

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160126

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160309

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160510

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160517

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5939879

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250