JP3445082B2 - 中間転写体及びこの中間転写体を用いた電子写真装置 - Google Patents

中間転写体及びこの中間転写体を用いた電子写真装置

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JP3445082B2 JP00306797A JP306797A JP3445082B2 JP 3445082 B2 JP3445082 B2 JP 3445082B2 JP 00306797 A JP00306797 A JP 00306797A JP 306797 A JP306797 A JP 306797A JP 3445082 B2 JP3445082 B2 JP 3445082B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方法によ
る画像形成工程で画像を一時的に保持する中間転写体及
びこの中間転写体を用いた電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】中間転写体を使用した電子写真装置は、
複数の成分色画像を順次積層転写してカラー画像を作成
するのに非常に有効である。例えば特開昭63−301
960号公報中で述べられた転写方法よりも各色のトナ
ーが像を重ね合わせする際に色ずれを少なくすることが
できる。更に、特開昭63−301960号公報の図1
のような保持手段(例えばグリッパーに把持する、吸着
する、曲率を持たせる等)を必要とせずに中間転写体か
ら画像を被記録体に転写することができるため、被記録
体を多種多様に選択することができる。例えば、薄い紙
(40g/m2 紙)から厚い紙(200g/m2 紙)ま
で、また幅の広狭または長さの長短によらず転写可能で
ある。従って封筒、ハガキ、ラベル紙等まで転写が可能
である。
【0003】このような利点のため、すでに市場におい
て中間転写体を用いたカラー複写機、カラープリンター
等が稼働し始めている。
【0004】中間転写体の形状として、ドラム状或いは
ベルト状のものが考えられるが、装置全体のコストの引
き下げが可能であることや転写体配置設計の自由度が高
いこと等からベルト状中間転写体が有効である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、樹脂あ
るいはゴムからなる従来の中間転写ベルトを(ローラ
ー)で張架して繰返し使用した場合、以下のような課題
があった。 (1)中間転写ベルトの永久伸びが次第に大きくなり、
ベルトがローラー上で滑り、感光体上のトナーが中間転
写ベルトに転写する際(1次転写)に、各色トナー画像
間でズレ(色ズレ)が生じて鮮明な画像が得られない。 (2)ベルトがローラー上でサイドに偏ってしまった場
合、ベルト端部がフランジ等に当たって擦られ、破損し
てしまう場合がある。
【0006】このような問題に対し、例えば特開平3−
293385号公報では、ゴムからなる中間転写ベルト
をポリアミド織布で補強する提案がなされている。しか
し、この場合、ゴムと織布との電気抵抗差が大きくなり
過ぎるため、織布の材質、厚みによっては中間転写ベル
トの厚さ方向の電気抵抗値が非常に高くなってしまい、
良好な静電転写をすることができない。また、織布の跡
が画像に現れてしまい、高品位な画像を得ることができ
ない。
【0007】一方、特開平6−149079号公報で
は、PVDF、ポリカーボネートを材質として用いた中
間転写ベルトの開示があるが、これらのベルトは弾性を
ベルト自体が有していないため、転写不良、画像の輪郭
以外が転写しない、いわゆる中抜け画像が生じ、また繰
り返し使用時、樹脂疲労による断裂、亀裂が発生し易
く、耐久性に問題があった。
【0008】以上のほか、米国特許5409557号明
細書、特開昭62−293270号公報、特開平3−2
93385号公報、実開平3−69166号公報などに
は、中間転写ベルトを繊維等で補強することが記載され
ている。
【0009】そこで、本発明者らはゴムよりなる弾性部
材を繊維で補強した種々の中間転写ベルトを試作して評
価した。その結果、となりあう繊維の間隔が適切でない
と繊維の跡が画像上に濃度ムラとなって現れる(以後、
芯体跡画像と称する)という新たな問題が発生すること
を見い出した。
【0010】本発明の目的は、繰り返し使用しても永久
伸びが発生せず、耐久性に優れ、しかも芯体跡画像の発
生しない中間転写体を提供することにある。
【0011】また、本発明の他の目的は、上記の中間転
写体を用い、色ズレや芯体跡画像のない鮮明な画像の得
られる電子写真装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の中間転写体は、
基層内部に絶縁性繊維からなる芯体を有し、かつ隣り合
う前記繊維同士の間隔が50〜3000μmであり、且
つ前記繊維の直径をAとし、前記繊維の上端から外側面
までの厚みをBとしたとき、B/A≧1であることを特
徴とするものである
【0013】また、本発明の電子写真装置は、電子写真
感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段
と、帯電した前記電子写真感光体に対して像露光を行い
静電潜像を形成する像露光手段と、前記静電潜像を現像
して前記電子写真感光体上にトナー像を形成する現像手
段と、前記トナー像が転写される上記中間転写体とを有
するものである。
【0014】以下、本発明の中間転写体について、ベル
ト状の中間転写体を例にして説明するが、これに限定す
るものではない。
【0015】本発明の中間転写体は、図1に示すよう
に、基層1と、基層1の内部に埋め込まれた芯体2とを
有する。基層1はゴム、エラストマーあるいは樹脂等か
らなる弾性体で形成される。芯体2は、螺旋状、リング
状あるいは図2に示すように織布状にした繊維で形成さ
れる。製作の容易さ、コストの点から繊維を螺旋状ある
いは織布状にして基層1の内部に埋め込むのが好まし
い。
【0016】このように、基層1の内部に芯体2を埋め
込むとこにより、中間転写体の永久伸びを防ぎ、耐久性
に優れた中間転写体とすることができる。
【0017】繊維を螺旋状に基層1内部に埋め込んだ場
合、図3に示すように、基層内部では隣り合う繊維同士
がほぼ平行となる。
【0018】本発明の中間転写体においては、隣り合う
繊維の間隔が50〜3000μmである。更には、10
0〜2000μm、特に200〜1800μmが好まし
い。繊維間隔が50μmよりも小さいと、繊維の電気抵
抗値が基層の電気抵抗値と大きく異なっているために、
中間転写体の電気特性が大幅に変化し、良好な静電転写
が困難になるという弊害がある。逆に繊維間隔が300
0μmより大きいと、中間転写体表面でうねりが目立つ
ようになり、中間転写体表面の凹凸に起因する画像濃度
ムラ(芯体跡画像)が発生しやすくなる。
【0019】芯体が織布の場合にも、図5に示すよう
に、繊維間隔は織布の縦と横の両方向で50〜3000
μm、好ましくは100〜2000μm、更には200
〜1800μmである。
【0020】芯体がリング状繊維を並べて構成されてい
る場合も、繊維間隔は50〜3000μm、好ましくは
100〜2000μm、更には200〜1800μmで
ある。
【0021】本発明において、隣り合う繊維同士の間隔
とは、図4に示すように、任意に選ばれた隣り合う6本
の繊維の各間隔I1 、I2 、I3 、I4 、I5 (つま
り、間隔は5ヵ所)の相加平均をいう。また、本発明に
おいて隣り合う6本の繊維は、トナー像が担持される確
率の一番高い場所、即ち図1に示すように中間転写体の
中心線Cから5cmの範囲内、換言すれば図1の線Cを
中心線とする幅10cmの範囲内で任意に選ばれる。
【0022】また、複数の織布を重ねて芯体とする場合
もあるが、この場合は中間転写体の外側面に最も近い織
布の繊維間隔が50〜3000μmの範囲にあることが
必要である。これは、一番外側面に近い織布が中間転写
体の表面物性に一番影響を与えるからである。尚、中間
転写体の外側面とは、トナー画像が担持される面をい
う。
【0023】基層1に用いる弾性体としては、天然ゴ
ム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタ
ジエンゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、
エチレン−プロピレンターポリマー、クロロプレンゴ
ム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレ
ン、アクリロニトリルブタジエンゴム、ウレタンゴム、
シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン、エピクロ
ロヒドリンゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、フッ
素ゴム、多硫化ゴム、ポリノルボルネンゴム、水素化ニ
トリルゴム、熱可塑性エラストマー(例えばポリスチレ
ン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレ
タン系、ポリアミド系、ポリエステル系、フッ素樹脂
系)、ポリスチレン、クロロポリスチレン、ポリ−α−
メチルスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチ
レン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重
合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アク
リル酸エステル共重合体(スチレン−アクリル酸メチル
共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチ
レン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル
酸オクチル共重合体及びスチレン−アクリル酸フェニル
共重合体等)、スチレン−メタクリル酸エステル共重合
体(スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン
−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル
酸フェニル共重合体等)、スチレン−α−クロルアクリ
ル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−ア
クリル酸エスチル共重合体等のスチレン系樹脂(スチレ
ンまたはスチレン置換体を含む単重合体または共重合
体)、メタクリル酸メチル樹脂、メタクリル酸ブチル樹
脂、アクリル酸エチル樹脂、アクリル酸ブチル樹脂、変
性アクリル樹脂(シリコーン変性アクリル樹脂、塩化ビ
ニル樹脂変性アクリル樹脂、アクリル・ウレタン樹脂
等)、塩化ビニル樹脂、スチレン−酢酸ビニル共重合
体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ロジン変性マレ
イン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエス
テル樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニリ
デン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコー
ン樹脂、フッ素樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルア
クリレート共重合体、キシレン樹脂及びポリビニルブチ
ラール樹脂、ポリアミド樹脂、変性ポリフェニレンオキ
サイド樹脂等からなる群より選ばれる1種類あるいは2
種類以上を使用することができる。ただし、上記材料に
限定されるものではない。
【0024】基層1は、転写不良、特に画像の輪郭以外
の部分が十分に転写されない、いわゆる“中抜け画像”
が生じないように、硬度が10〜95°、より好ましく
は20〜80°、更に25〜70°の範囲にあることが
好ましい。本発明において硬度の測定方法はJIS−A
の方式に従うものとする。
【0025】従って、基層1に使用される材料として
は、前記材料の内でも、ゴム、エラストマーあるいは軟
質の樹脂を利用することが好ましい。
【0026】基層1には、抵抗値を調節するために導電
剤を添加してもよい。導電剤としては特に限定されるも
のではないが、例えば、カーボン、アルミニウムやニッ
ケル等の金属粉末、酸化チタン等の金属酸化物、4級ア
ンモニウム塩含有ポリメタクリル酸メチル、ポリビニル
アニリン、ポリビニルピロール、ポリジアセチレン、ポ
リエチレンイミン、含硼素高分子化合物及びポリピロー
ル等の導電性高分子化合物等からなる群より選ばれる1
種類あるいは2種類以上を使用することができる。ただ
し、上記導電剤に限定されるものではない。導電剤を添
加する場合、含有量は基層の材料(ゴム、エラストマ
ー、樹脂等)100重量部に対して導電剤5〜40重量
が好ましい。
【0027】基層1の厚みは、0.3〜2mmが好まし
い。基層1の厚みが厚すぎると、円滑な駆動が難しくな
る。また基層1が薄すぎると、機械的強度が得られなく
なる。
【0028】芯体2に使用する繊維としては、例えば
綿、絹、麻、羊毛等の天然繊維、キチン繊維、アルギン
酸繊維、再生セルロース繊維等の再生繊維、アセテート
繊維等の半合成繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊
維、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維、ポリビニルア
ルコール繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデ
ン繊維、ポリウレタン繊維、ポリアルキルパラオキシベ
ンゾエート繊維、ポリアセタール繊維、アラミド繊維、
ポリフロロエチレン繊維、フェノール繊維等の合成
維、硝子繊維等の無機繊維からなる群より選ばれる1種
あるいは2種以上を用いることができる。
【0029】繊維の太さは、直径2〜500μm、更に
は20〜200μm、特に50〜180μmが好まし
い。繊維が細すぎると、中間転写体の機械強度が低くな
り、耐久性に不安を有する。また繊維が太すぎると、こ
の繊維の太さに起因する芯体跡が目立つ傾向にある。
【0030】尚、本発明における繊維の太さは以下のよ
うに定義するものとする。
【0031】〈繊維の太さの測定方法〉 1.中間転写ベルトを厚み方向に切断し、その切断を顕
微鏡など任意の手段によって適当に拡大する(図4)。 2.任意の繊維を選び出し、繊維の断面形状が円の場
合、繊維の直径を繊維の太さとする。繊維の断面形状が
円でない場合、該繊維の断面積を求め、該面積と同一面
積を持つ円の直径を繊維の太さとする。
【0032】本発明で使用する繊維は、1本の単繊維
(フィラメント)であっても、複数のフィラメントを撚
ったものであってもよく、右撚り、左撚り、片撚糸、諸
撚糸、双糸等どのような撚り方であってもよい。また、
複数種の繊維を混紡してもよい。
【0033】本発明においては、隣り合う繊維の間隔を
3000μm以下として芯体跡画像の発生を防止してい
るが、図4に示すように繊維の上端から中間転写体の外
側面までの厚さB(μm)と、繊維の直径A(μm)と
がB/A≧1であると、中間転写体の外側面の硬度ム
ラ、うねりが更に目立たなくなり好ましい。
【0034】Bが厚すぎると、中間転写ベルトの剛直性
が増し、中間転写ベルトを円滑に駆動することが困難に
なるために好ましくない。従って、Bは2μm〜150
0μmが好ましい。
【0035】ここで、A、B及びB/Aは、繊維の間隔
の場合と同様に、隣り合う5本の繊維についての相加平
均である。即ち、任意に選んだ隣り合う5本の繊維のそ
れぞれについて、直径及び繊維の上端から中間転写体の
外側面までの厚さを測定して相加平均を求めA、B及び
B/Aとする。
【0036】中間転写体の表面には、さらし粉などによ
る表面処理を行うことにより、または必要に応じ図6の
ように被覆面101を設けることにより、表面の離型性
を向上させるとよい。
【0037】被覆層101としては、前記した基層1と
同じ材料が使用できるが、水の接触角が80度以上であ
ることが好ましい。このため、被覆層101にはシリコ
ーン樹脂微粉末等の添加剤を含有するとよい。被覆層の
厚みは基層の柔軟性を損なわない程度に薄層することが
好ましく、具体的には1〜500μm、更には5〜20
0μmが好ましい。被覆層にも、基層の場合と同様に導
電剤を添加してもよい。導電剤の含有量は被覆層の材料
100重量部に対して導電剤5〜40重量が好ましい。
【0038】芯体2の位置は、図4に示すように中間転
写体の内側面(外側面とは反対側の面)から芯体2まで
の距離Hが0.1mm以上であることが好ましい。距離
Hが0.1mmよりも小さいと、中間転写体の外側面の
疲労が激しく、被覆層が設けられている場合には被覆層
に亀裂が入る場合もある。
【0039】距離Hが0.1mmより小さいと中間転写
体の外側面の疲労が激しくなるのは、以下のように考え
られる。
【0040】図7に示すように、中間転写体20の任意
の部分の長さをLとする。この部分がローラー65に差
しかかったとき、外側面は伸び、内側面は縮むことにな
る。この時、基層1と比べて芯体2の引っ張り弾性率が
大きいため、芯体2はほとんど伸縮しない。一方、内側
面は長さがL−α(αは正の数)に縮み、外側面は長さ
がL+β(βは正の数)に伸びることになる。
【0041】すなわち、中間転写体20はローラー65
を通過する度に、外側面が伸縮運動を繰り返しているこ
とが分かる。このため、繰り返し使用すると中間転写体
の外側面が激しく疲労するものと考えられる。
【0042】従って、中間転写体の外側面の疲労を回避
するためには、βをできるだけ小さくすれば良い。
【0043】つまり、中間転写体の内側面から芯体2ま
での距離Hを大きくとれば、芯体2が外側面に近づくこ
とになり、βを小さくすることができる。
【0044】ここで距離Hは、繊維の間隔の場合と同様
に隣り合う5本の繊維についての相加平均である。即
ち、任意に選んだ隣り合う5本の繊維のそれぞれについ
て、中間転写体の内側面からの距離を測定して相加平均
を求めHとする。
【0045】本発明の中間転写体は、無端ベルト状ある
いは筒状であり、継ぎ目のないものが好ましい。
【0046】本発明の中間転写体の電気抵抗値は、1×
104 Ω以上、1×1011Ω以下が好ましい。中間転写
体の抵抗値が高過ぎると、転写バイアスが中間転写体内
で降下してしまい、2色目以降の現像剤を1次転写する
際に、それ以前に1次転写を終了した現像剤が第1の画
像担持体に戻ってしまい、目的とする色あいの画像が得
られなくなってしまう。また、中間転写体の抵抗値が低
過ぎると、1次転写を受けた部分とそうでない部分とで
中間転写体の抵抗値に大きな差ができてしまうために、
2色目以降の現像剤を効率よく転写することができなく
なってしまい、やはり目的とする色あいの画像が得られ
なくなってしまう。
【0047】本発明において中間転写体の電気抵抗は以
下の方法で測定した値である。
【0048】〈中間転写体の抵抗値の測定方法〉 (1)中間転写体を図8に示したように張架し、該中間
転写体を2本の金属ローラ202及び203で挟み、直
流電源、適当な抵抗値を持つ抵抗器、電位差計をつな
ぐ。 (2)駆動ロールにて中間転写体表面の移動速度が12
0mm/秒になるようにする。 (3)直流電流から+1kVを回路に印加し、抵抗器の
両端の電位差Vr を電位差計にて読む。なお、測定時の
雰囲気は、気温23±5℃、湿度50±10%RHとす
る。 (4)得られた電位差Vr から、回路に流れる電流値I
を求める。 (5)中間転写体の抵抗値=印加電圧(1kV)/電流
値I。
【0049】なお、図8において、200は駆動ロー
ラ、201は金属ローラ、204は電源、205は抵抗
器、206は電位差計である。
【0050】本発明の中間転写体の製造方法は特に限定
されるものではないが、例えば以下のようにして製造す
ることができる。
【0051】まず、弾性体材料を金型に巻く。次いで弾
性体材料層上に芯体を巻き、更に、筒状に形成した弾性
体材料を被せる。芯体には接着剤を塗っておくとよい。
最後に、加硫し、表面を研磨する。こうして、内部に芯
体を有する中間転写体が得られる。必要に応じて設ける
被覆層は、例えばスプレー塗装、浸漬塗装、静電塗装等
で形成することができる。
【0052】図9を参照して本発明の電子写真装置を説
明する。
【0053】100は第1の画像担持体として繰り返し
使用される回転ドラム型の電子写真感光体(以下感光ド
ラムと記す)であり、矢示の時計方向に所定の周速度
(プロセススピード)をもって回転駆動される。第1の
画像担持体としては、少なくとも最外層に四フッ化エチ
レン樹脂(PTFE)の微粉末を含有する感光ドラムを
用いると、より高い転写効率が得られるために好まし
い。これは、PTFEの微粉末を含有することにより、
該感光ドラム最外層の表面エネルギーが低下し、トナー
の離型性が向上するためではないかと考えられる。
【0054】感光ドラム100は回転過程で、1次帯電
器102により所定の極性・電位に一様に帯電処理さ
れ、次いで不図示の像露光手段3(カラー原稿画像の色
分解・結像露光光学系、画像情報の時系列電気デジタル
画素信号に対応して変調されたレーザービームを出力す
るレーザースキャナによる走査露光系等)による画像露
光を受けることにより目的のカラー画像の第1の色成分
像(例えばイエロー色成分像)に対応した静電潜像が形
成される。
【0055】次いで、その静電潜像が第1の現像器(イ
エロー色現像器41)により第1色であるイエロートナ
ーYにより現像される。この時第2〜第4の現像器(マ
ゼンタ色現像器42、シアン色現像器43、ブラック色
現像器44)の各現像器は作動−オフになっていて感光
ドラム100には作用せず、上記第1色のイエロートナ
ー画像は上記第2〜第4の現像器により影響を受けな
い。
【0056】中間転写体20はローラー64、65及び
66に支持され、時計方向に感光ドラム100と同じ周
速度をもって回転駆動されている。
【0057】感光ドラム100上に形成担持された上記
第1色のイエロートナー画像が、感光ドラム100と中
間転写体20とのニップ部を通過する過程で、1次転写
ローラ62から中間転写ベルト20に印加される1次転
写バイアスにより形成される電界により、中間転写ベル
ト20の外周面に順次中間転写(1次転写)されてい
く。
【0058】中間転写体20に対応する第1色のイエロ
ートナー画像の転写を終えた感光ドラム100の表面
は、クリーニング装置13により清掃される。
【0059】以下、同様に第2色のマゼンタトナー画
像、第3色のシアントナー画像、第4色のブラックトナ
ー画像が順次中間転写体20上に重ね合わせて転写さ
れ、目的のカラー画像に対応した合成カラートナー画像
が形成される。
【0060】63は2次転写ローラで、2次転写対抗ロ
ーラ64に対応し平行に軸受させて中間転写体20の下
面部に離間可能な状態に配置してある。
【0061】感光ドラム100から中間転写体20への
第1〜第4色のトナー画像の順次重畳転写のための1次
転写バイアスは、トナーとは逆極性(+)でバイアス電
源29から印加される。その印加電圧は例えば+100
V〜+2kVの範囲が好ましい。
【0062】感光ドラム100から中間転写体20への
第1〜第3色のトナー画像の1次転写工程において、2
次転写ローラ63は中間転写体20から離間することも
可能である。
【0063】中間転写体20上に転写された合成カラー
トナー画像の第2の画像担持体である記録紙等の転写材
Pへの転写は、2次転写ローラ63が中間転写体20に
当接されると共に、給紙ローラ11から転写材ガイド1
0を通って、中間転写体20と2次転写ローラ63との
当接ニップに所定のタイミングで転写材Pが給送され、
2次転写バイアスが電源28から2次転写ローラ63に
印加される。この2次転写バイアスにより中間転写体2
0から第2の画像担持体である転写材Pへ合成カラート
ナー画像が転写(2次転写)される。トナー画像の転写
を受けた転写材Pは定着器15へ導入され加熱定着され
る。
【0064】転写材Pへの画像転写終了後、中間転写体
20にはクリーニング用帯電部材7が当接され、感光ド
ラム100とは逆極性のバイアスを印加することによ
り、転写材Pに転写されずに中間転写体20上に残留し
ているトナー(転写残トナー)に感光ドラム100と逆
極性の電荷が付与される。26はバイアス電源である。
【0065】前記転写残トナーは、感光ドラム100と
のニップ部及びその近傍において感光ドラム100に静
電的に転写されることにより、中間転写体がクリーニン
グされる。
【0066】中間転写体のクリーニングは、ブレードク
リーニング、ファーブラシクリーニング、静電クリーニ
ング、あるいはそれらの組み合わせ等、任意のクリーニ
ング装置が使用可能であるが、装置の小型化、低コスト
化の観点から、好ましいクリーニング方式の例として、
図9に示すごとく、転写残現像剤を感光ドラム100に
静電的に転写することにより中間転写体をクリーニング
する方法である。
【0067】図9において、クリーニング用帯電部材7
は、金属ロール、導電性を有する弾性ロール、導電性を
有するファーブラシ、導電性を有するブレード等、種々
の形態をとることができる。
【0068】なお、図9の画像形成装置においては、感
光ドラム100から中間転写体20に現像剤を1次転写
すると同時に、前回の画像形成ステップで発生した中間
転写ベルト20上の転写残現像剤を感光ドラム100に
戻してもよい(以後、1次転写同時クリーニング方式と
称する)。1次転写同時クリーニング方式は、クリーニ
ングステップを特に必要としないために、スループット
の低下がないという利点を有している。
【0069】また、図10に示すごとく、転写残現像剤
回収部材8を設けてもよい。
【0070】転写残現像剤回収部材8も、金属ロール、
導電性を有する弾性ロール、導電性を有するファーブラ
シ、導電性を有するブレード等、種々の形態をとること
ができる。27はバイアス電源である。
【0071】転写残現像剤回収部材8には、クリーニン
グ用帯電部材7に印加される電圧とは逆極性の電圧が印
加され、転写残現像剤を静電的にクリーニングすること
ができる。
【0072】また、図10の装置において、例えば電源
投入時等に転写残現像剤回収部材8に感光ドラム100
と逆極性のバイアスを印加して、転写残現像剤回収容器
9内の転写残現像剤を帯電させ、感光ドラムのクリーニ
ング装置13に回収することも考えられる。この方式
は、転写残現像剤回収容器9を小型化できるという利点
を有している。
【0073】以上、ベルト状の中間転写体について説明
したが、本発明の中間転写体は、図11に示すようにド
ラム状とすることもできる。
【0074】図11に示す中間転写体は、円筒状の金属
支持体103上に、芯体を埋め込んだ基層1が設けられ
ている。基層1上には必要に応じ被覆層101を設けて
もよい。
【0075】
【発明の実施の形態】
(実施例1)円筒状の金型に、下記配合のゴムコンパウ
ンドを厚さ0.4mmで均一に巻き付けた。次に、接着
剤を表面に塗ったポリエステル糸(より糸、直径100
μm)を、隣り合う繊維の間隔が0.05mmになるよ
うに、前コンパウンド上に螺旋状に巻き付けた。その上
に、あらかじめチューブ状に押し出した下記配合のゴム
コンパウンドを被せ、加硫および研磨を行うことによ
り、厚さ0.8mm、長さ250mm、外周の長さ(展
開自由長)435mmの芯体入りゴムベルトを得た。
【0076】 ゴム配合: SBRゴム 30部(重量部、以下同様) EPDMゴム 70部 加硫剤(沈降硫黄) 1.5部 加硫助剤(亜鉛華) 2部 加硫促進剤(メルカプトベンゾチアゾール、以下MBT)1.5部 加硫促進剤 (テトラメチルチウラムモノスルフィド、以下TMTM)1.2部 導電剤(カーボンブラック) 25部 分散助剤(ステアリン酸) 1部 可塑剤(ナフテン系プロセスオイル) 40部
【0077】次に、該ベルト表面をサラシ粉を含む水溶
液で処理することにより、表面離型性を向上させ、中間
転写ベルトを得た。
【0078】この中間転写ベルトを図9に示されるフル
カラー電子写真装置に装着し、色ずれ、芯体跡画像、転
写性の評価を行なった。
【0079】なお、中間転写ベルトのクリーニング方式
は、クリーニング用帯電部材7に1×108 (Ω)の抵
抗を持つ弾性ローラを用いた1次転写同時クリーニング
方式とし、フルカラー画像1万枚の連続プリントを行な
った。このとき、バイアス電源26からクリーニング用
帯電部材7に印加した電流値は+40(μA)である。
【0080】初期より良好な静電転写を行なうことがで
き、芯体跡画像もなく、フルカラー1万枚耐久後も該ベ
ルトの永久伸びに起因する色ズレのない良好な画像を得
ることができた。
【0081】結果を表2に示す。
【0082】以下に本実施例の作像条件を示す。
【0083】非画像部表面電位:−550V 画像部表面電位:−150V カラー現像剤(4色共に):非磁性1成分トナー 1次転写電圧:+500V 2次転写電圧:+1500V プロセススピード:120mm/sec 現像バイアス:Vdc=−400V Vac=1600Vpp 周波数=1800Hz
【0084】(実施例2)〜(実施例6) 実施例2〜実施例6では、表1に示す条件以外は実施例
1と同様にして中間転写ベルトを作り、画像評価を行な
った。
【0085】各々の結果を表2に示す。
【0086】
【表1】
【0087】(実施例7)下記配合のゴムコンパウンド
を溶解した溶液を円筒状の金型上に塗布することによ
り、金型上に厚さ0.07mmの未加硫ゴム層を形成し
た。次に、接着剤を表面に塗った綿糸(直径100μ
m)を、隣り合う繊維の間隔が0.70mmになるよう
に、前コンパウンド上に螺旋状に巻き付けた。その上
に、あらかじめチューブ状に押し出した下記配合のゴム
コンパウンドを被せ、加硫および研磨を行なうことによ
り、厚さ1.2mm、長さ250mm、外周の長さ(展
開自由長)435mmの芯体入りゴムベルトを得た。
【0088】 ゴム配合: NBRゴム 60部(重量部、以下同様) EPDMゴム 40部 加硫剤(沈降硫黄) 1.5部 加硫助剤(亜鉛華) 2部 加硫促進剤(MBT) 1.5部 加硫促進剤(TMTM) 1.5部 導電剤(カーボンブラック) 27部 分散助剤(ステアリン酸) 1.2部 可塑剤(ナフテン系プロセスオイル) 20部
【0089】得られたゴムベルト上に更にもう1層の被
覆層(最外層)を得るための塗料を、下記処方にて作成
した。
【0090】 塗料配合 ポリウレタンプレポリマー 100部(重量部、以下同様) 硬化剤(イソシアネート) 4部 PTFE樹脂微粉末(一次粒子の平均粒径0.3μm) 70部 メチルエチルケトン 400部 N−メチルピロリドン 50部
【0091】上記塗料を前記ベルトにスプレー塗布し、
室温にて指触乾燥後120℃で2時間加熱することによ
り残存溶剤を除去し、かつ被膜に架橋を施し、厚さ30
μmの強靭な被覆層(最外層)を有する中間転写ベルト
を得た。
【0092】得られた中間転写ベルトを図9に示される
フルカラー電子写真装置に装着し、色ずれ、芯体跡画
像、転写性の評価を行なった。更に本実施例では、被覆
層の疲労状況をみるために、10001枚目からはベタ
黒画像としトータル15000枚の連続プリントを行な
った。
【0093】なお、中間転写ベルトのクリーニング方式
は、クリーニング用帯電部材7に1×107 (Ω)の抵
抗を持つ弾性ローラを用いた1次転写同時クリーニング
方式とした。
【0094】初期より良好な静電転写を行なうことがで
き、10000万まで何の問題もなかった。しかし、フ
ルカラー15000枚耐久後は、色ズレはなかったもの
の、被覆層に多少亀裂が生じた。しかし、実用上許容で
きる範囲のものであった。
【0095】結果を表2に示す。
【0096】なお、その他の作像条件は実施例1と同様
である。
【0097】(実施例8)金型上に形成した未加硫ゴム
層の厚さを0.10mmとした以外は実施例7と同様に
して中間転写ベルトを得た。
【0098】得られた中間転写ベルトを図9に示される
フルカラー電子写真装置に装着し、実施例7と同様の評
価を行なった。
【0099】初期より良好な静電転写を行なうことがで
き、芯体跡画像もなかった。フルカラー15000枚耐
久後も、色ズレや被覆層の亀裂もなく、良好な画像を得
ることができた。
【0100】結果を表2に示す。
【0101】(実施例9)実施例7と同一配合のゴムコ
ンパウンドを厚さ0.3mmでチューブ状に押し出し、
これを金型に被せた。次に、接着剤を表面に塗った綿糸
(直径100μm)を、隣り合う繊維の間隔が0.70
mmになるように、前コンパウンド上に螺旋状に巻き付
けた。その上に、あらかじめチューブ状に押し出した実
施例7と同一配合のゴムコンパウンドを被せ、加硫およ
び研磨を行なうことにより、厚さ1.2mmの芯体入り
ゴムベルトを得た。
【0102】得られたゴムベルト上に、実施例7と同一
配合の塗料をスプレー塗布し、室温にて指触乾燥後12
0℃で2時間加熱することにより残存溶剤を除去し、か
つ被膜に架橋を施し、厚さ30μmの強靭な被覆層を有
する中間転写ベルトを得た。
【0103】得られた中間転写ベルトを図9に示される
フルカラー電子写真装置に装着し、実施例7と同様の評
価を行なった。
【0104】初期より良好な静電転写を行なうことがで
き、芯体跡画像もなかった。フルカラー15000枚耐
久後も、色ズレや被覆層の亀裂もなく、良好な画像を得
ることができた。
【0105】結果を表2に示す。
【0106】(実施例10)金型表面に被せたチューブ
の厚さを1.0mmとした以外は実施例9と同様にし
て、中間転写ベルトを得た。
【0107】得られた中間転写ベルトを図9に示される
フルカラー電子写真装置に装着し、実施例7と同様の評
価を行なった。
【0108】初期より良好な静電転写を行なうことがで
き、芯体跡画像もなかった。フルカラー15000枚耐
久後も、色ズレや被覆層の亀裂もなく、良好な画像を得
ることができた。
【0109】結果を表2に示す。
【0110】(実施例11)あらかじめ厚さ0.6mm
のチューブ状に押し出した実施例7と同一配合のゴムコ
ンパウンドを、円筒状の金型に被せた。次に、接着剤を
表面に塗ったポリエステル糸(直径200μm)を、隣
り合う繊維の間隔が1.0mmになるように、前コンパ
ウンド上に螺旋状に巻き付けた。その上に、あらかじめ
チューブ状に押し出した実施例7と同一配合のゴムコン
パウンドを被せ、加硫および研磨を行なうことにより、
厚さ0.9mmの芯体入りゴムベルトを得た。
【0111】次に、実施例7と同一配合の塗料を前記ゴ
ムベルトスプレー塗布し、室温にて指触乾燥後120℃
で2時間加熱することにより残存溶剤を除去し、かつ被
膜に架橋を施し、厚さ40μmの強靭な被覆層(最外
層)を有する中間転写ベルトを得た。
【0112】該ゴムベルトにおいて、芯体の厚みAは2
00μm、表面(像担持面)から芯体までの距離Bは1
40μm、従って、B/Aは0.7であった。
【0113】得られた中間転写ベルトを図9に示される
フルカラー電子写真装置に装着し、実施例1と同様の評
価を行なった。
【0114】初期より色ずれもなく、良好な静電転写を
行なうことができたが、B/Aが1以下であったため、
軽微な芯体跡画像が発生した。なお、この芯体跡画像は
実用上許容できる範囲であった。
【0115】結果を表2に示す。
【0116】なお、その他の作像条件は実施例1と同様
である。
【0117】(実施例12)あらかじめ厚さ0.6mm
のチューブ状に押し出した実施例7と同一配合のゴムコ
ンパウンドを、円筒状の金型に被せた。次に、接着剤を
表面に塗ったポリエステル糸(直径140μm)を、隣
り合う繊維の間隔が1.0mmになるように、前コンパ
ウンド上に螺旋状に巻き付けた。その上に、あらかじめ
チューブ状に押し出した実施例7と同一配合のゴムコン
パウンドを被せ、加硫および研磨を行なうことにより、
厚さ0.8mmの芯体入りゴムベルトを得た。
【0118】次に、実施例11と同様の手順で被覆層を
設け、中間転写ベルトを得た。
【0119】該ゴムベルトにおいて、芯体の厚みAは1
40μm、表面(像担持面)から芯体までの距離Bは1
40μm、従って、B/Aは1.0であった。
【0120】得られた中間転写ベルトを図9に示される
フルカラー電子写真装置に装着し、実施例1と同様の評
価を行なった。
【0121】初期より色ずれもなく、良好な静電転写を
行なうことができたが、また、B/Aが1以上であった
ため、芯体跡画像の発生もなかった。
【0122】結果を表2に示す。
【0123】その他の作像条件は実施例1と同様であ
る。
【0124】(実施例13)あらかじめ厚さ0.6mm
のチューブ状に押し出した実施例7と同一配合のゴムコ
ンパウンドを、円筒状の金型に被せた。次に、接着剤を
表面に塗ったポリエステル糸(直径100μm)を、隣
り合う繊維の間隔が1.0mmになるように、前コンパ
ウンド上に螺旋状に巻き付けた。その上に、あらかじめ
チューブ状に押し出した実施例7と同一配合のゴムコン
パウンドを被せ、加硫および研磨を行なうことにより、
厚さ1.0mmの芯体入りゴムベルトを得た。
【0125】次に、実施例11と同様の手順で被覆層を
設け、中間転写ベルトを得た。
【0126】該ゴムベルトにおいて、芯体の厚みAは1
00μm、表面(像担持面)から芯体までの距離Bは3
40μm、従って、B/Aは3.4であった。
【0127】得られた中間転写ベルトを図9に示される
フルカラー電子写真装置に装着し、実施例1と同様の評
価を行なった。
【0128】初期より色ずれもなく、良好な静電転写を
行なうことができたが、また、B/Aが1以上であった
ため、芯体跡画像の発生もなかった。
【0129】結果を表2に示す。
【0130】その他の作像条件は実施例1と同様であ
る。
【0131】(実施例14)あらかじめ厚さ0.4mm
のチューブ状に押し出した実施例7と同一配合のゴムコ
ンパウンドを、円筒状の金型に被せた。次に、接着剤を
表面に塗ったポリエステル糸(直径100μm)を、隣
り合う繊維の間隔が1.0mmになるように、前コンパ
ウンド上に螺旋状に巻き付けた。その上に、あらかじめ
チューブ状に押し出した実施例7と同一配合のゴムコン
パウンドを被せ、加硫および研磨を行なうことにより、
厚さ1.2mmの芯体入りゴムベルトを得た。
【0132】次に、実施例11と同様の手順で被覆層を
設け、中間転写ベルトを得た。
【0133】該ゴムベルトにおいて、芯体の厚みAは1
00μm、表面(像担持面)から芯体までの距離Bは7
40μm、従って、B/Aは7.4であった。
【0134】得られた中間転写ベルトを図9に示される
フルカラー電子写真装置に装着し、実施例1と同様の評
価を行なった。
【0135】初期より色ずれもなく、良好な静電転写を
行なうことができたが、また、B/Aが1以上であった
ため、芯体跡画像の発生もなかった。
【0136】結果を表2に示す。
【0137】その他の作像条件は実施例1と同様であ
る。
【0138】(実施例15)あらかじめ厚さ0.4mm
のチューブ状に押し出した実施例7と同一配合のゴムコ
ンパウンドを、円筒状の金型に被せた。次に、接着剤を
表面に塗ったポリエステル糸(直径100μm)を、隣
り合う繊維の間隔が1.0mmになるように、前コンパ
ウンド上に螺旋状に巻き付けた。その上に、あらかじめ
チューブ状に押し出した実施例7と同一配合のゴムコン
パウンドを被せ、加硫および研磨を行なうことにより、
厚さ2.0mmの芯体入りゴムベルトを得た。
【0139】次に、実施例11と同様の手順で被覆層を
設け、中間転写ベルトを得た。
【0140】該ゴムベルトにおいて、芯体の厚みAは1
00μm、表面(像担持面)から芯体までの距離Bは1
540μm、従って、B/Aは15.4であった。
【0141】得られた中間転写ベルトを図9に示される
フルカラー電子写真装置に装着し、実施例1と同様の評
価を行なった。
【0142】初期より色ずれもなく、良好な静電転写を
行なうことができたが、また、B/Aが1以上であった
ため、芯体跡画像の発生もなかった。
【0143】結果を表2に示す。
【0144】その他の作像条件は実施例1と同様であ
る。
【0145】(比較例1)隣り合う繊維の間隔を0.0
45mmとした以外は、実施例1と同様にして中間転写
ベルトを作成した。
【0146】得られた中間転写ベルトを図9に示される
フルカラー電子写真装置に装着し、実施例1と同様の評
価を行なった。
【0147】色ずれはなかったものの、隣り合う繊維の
間隔が0.045mmと小さいため、芯体が絶縁層のよ
うに働き、良好な静電転写を行なうことができなかっ
た。
【0148】結果を表2に示す。
【0149】その他の作像条件は実施例1と同様であ
る。
【0150】(比較例2)隣り合う繊維の間隔を3.5
mmとした以外は、実施例1と同様にして中間転写ベル
トを作成した。
【0151】得られた中間転写ベルトを図9に示される
フルカラー電子写真装置に装着し、実施例1と同様の評
価を行なった。
【0152】色ずれはなかったものの、隣り合う繊維の
間隔が3.5mmと大きいため、芯体跡画像が発生し
た。
【0153】結果を表2に示す。
【0154】その他の作像条件は実施例1と同様であ
る。
【0155】(比較例3)あらかじめチューブ状に押し
出した実施例1と同一配合のゴムコンパウンドを被せ、
加硫および研磨を行なうことにより、厚さ1.0mmの
芯体を有しないゴムベルトを得た。
【0156】次に、該ベルト表面をサラシ粉を含む水溶
液で処理することにより、表面離型性を向上させ、中間
転写ベルトを得た。
【0157】得られた中間転写ベルトを図9に示される
フルカラー電子写真装置に装着し、実施例1と同様の評
価を行なった。
【0158】芯体を有していないため、当然のことなが
ら芯体跡画像の発生はなかった。しかし、弾性層を芯体
で補強していないために色ずれが大きく、実用に耐える
フルカラー画像は得られなかった。
【0159】結果を表2に示す。
【0160】その他の作像条件は実施例1と同様であ
る。
【0161】
【表2】
【0162】
【発明の効果】本発明の中間転写体によれば、基体内部
に繊維からなる芯体を有し、かつ隣り合う繊維間隔を5
0〜3000μmとしているため、画像に芯体跡が発生
せず、しかも耐久性に優れるため色ずれや転写不良が発
生しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の中間転写体の一例を示す斜視図であ
る。
【図2】本発明の中間転写体の他の例を示す斜視図であ
る。
【図3】本発明の中間転写体内に埋め込まれた芯体の一
例を示す部分断面図である。
【図4】本発明の中間転写体内に埋め込まれた芯体の配
置の一例を示す断面図である。
【図5】本発明の中間転写体内に埋め込まれた芯体の他
の例を示す部分断面図である。
【図6】被覆層を有する本発明の中間転写体の一例を示
す部分図である。
【図7】本発明の中間転写体とローラーとの関係を示す
部分図である。
【図8】本発明の中間転写体の電気抵抗値を測定するた
めの装置の一例を示す側面図である。
【図9】本発明の電子写真装置の一例を示す側面図であ
る。
【図10】本発明の電子写真装置の他の例を示す側面図
である。
【図11】本発明の中間転写体の他の例を示す斜視図で
ある。
【符号の説明】
1 基層 2 芯体 7 クリーニング用帯電部材 8 転写残現像剤回収部材 9 転写残現像剤回収容器 11 給紙ローラ 13 感光ドラムのクリーニング装置 15 定着器 20 中間転写体 41 イエロー色現像装置 42 マゼンタ色現像装置 43 シアン色現像装置 43 ブラック色現像装置 100 感光体 101 被覆層 102 1次帯電器
フロントページの続き (72)発明者 草場 隆 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 田中 篤志 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−77467(JP,A)

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基層内部に絶縁性繊維からなる芯体を有
    し、かつ隣り合う前記繊維同士の間隔が50〜3000
    μmであり、且つ前記繊維の直径をAとし、前記繊維の
    上端から外側面までの厚みをBとしたとき、B/A≧1
    であることを特徴とする中間転写体。
  2. 【請求項2】 前記繊維同士の間隔が100〜2000
    μmである請求項1記載の中間転写体。
  3. 【請求項3】 前記繊維同士の間隔が200〜1800
    μmである請求項2記載の中間転写体。
  4. 【請求項4】 前記芯体が螺旋状である請求項1記載の
    中間転写体。
  5. 【請求項5】 前記芯体が織布である請求項1記載の中
    間転写体。
  6. 【請求項6】 前記芯体が、リング状繊維を並べて構成
    したものである請求項1記載の中間転写体。
  7. 【請求項7】 前記基層上に被覆層を有する請求項1記
    載の中間転写体。
  8. 【請求項8】 前記被覆層が、水の接触角80度以上で
    ある請求項7記載の中間転写体。
  9. 【請求項9】 内側面から前記芯体までの距離が0.1
    mm以上である請求項1記載の中間転写体。
  10. 【請求項10】 前記基層上に被覆層を有する請求項9
    記載の中間転写体。
  11. 【請求項11】 電気抵抗が1×10Ω以上、1×1
    11Ω以下である請求項1記載の中間転写体。
  12. 【請求項12】 前記基層が、導電剤を含んでいる請求
    項1記載の中間転写体。
  13. 【請求項13】 電子写真感光体と、前記電子写真感光
    体を帯電させる帯電手段と、帯電した前記電子写真感光
    体に対して像露光を行い静電潜像を形成する像露光手段
    と、前記静電潜像を現像して前記電子写真感光体上にト
    ナー像を形成する現像手段と、前記トナー像が転写され
    る請求項1記載の中間転写体とを有する電子写真装置。
  14. 【請求項14】 前記トナー像が、色の異なる複数のト
    ナー像で形成される請求項13記載のカラー電子写真装
    置。
  15. 【請求項15】 前記電子写真感光体の少なくとも最外
    層に四フッ化エチレン樹脂を含有する請求項13記載の
    電子写真装置。
  16. 【請求項16】 前記中間転写体上に転写されずに残っ
    た前記トナーに電荷を付与し、その後前記トナーを電気
    的に回収する請求項13記載の電子写真装置。
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