JP2004133042A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】回転する像担持体に形成した潜像を現像手段によりトナー画像化する作像装置を複数有していて、これら各作像部で作成されたトナー画像を転写部でベルト状をした中間転写体に順次重ねて重ねトナー画像を形成する画像形成装置において、中間転写体などのベルトに対向して配置されるセンサをトナー飛散による汚れから防ぐこと。
【解決手段】中間転写体10に対向する位置にセンサ201を設置する場合、該センサ201のトナー汚れ防止手段として該中間転写体10を張架するローラ14の曲率面と対向する部位(A部〜B部の間)に限定してセンサ201を設置することとした。
【選択図】図1
【解決手段】中間転写体10に対向する位置にセンサ201を設置する場合、該センサ201のトナー汚れ防止手段として該中間転写体10を張架するローラ14の曲率面と対向する部位(A部〜B部の間)に限定してセンサ201を設置することとした。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式の画像形成装置に係り、特に無端ベルト状中間転写体を使用して画像信号に応じて形成されたトナー像をシート状媒体など被転写材に転写する複写機、ファクシミリ、プリンタなどの画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
回転する像担持体に形成した潜像を現像手段によりトナー画像化する作像装置を複数有していて、これら各作像部で作成されたトナー画像を転写部でベルト状をした中間転写体に順次重ねて重ねトナー画像を形成する画像形成装置がある。
【0003】
また、両面画像形成用の画像形成装置として、回転する像担持体に形成した潜像を現像手段によりトナー画像化する作像装置を複数、無端ベルト状の第1中間転写体に沿わせて配置すると共に、該第1中間転写体の一端側にベルト状の第2中間転写体を対向して配置し、前記各作像部で作成されたトナー画像を前記第1中間転写体に順次重ねて先行片面画像を形成してこの先行片面画像を前記第2中間転写体に一括転写して保持し、次いで、前記第1中間転写体にトナー画像を順次重ねて後行片面画像を形成し、前記第1中間転写体と前記第2中間転写体との対向領域で形成される転写域を通るシート状媒体の片面に前記先行片面画像、該シート状媒体の他の片面に前記後行片面画像をそれぞれ一括転写して両面画像を得る画像形成装置がある。
【0004】
これらの画像形成装置において、トナー画像は最終的には被転写媒体であるシート状媒体に転写されて、定着され、排紙トレイに排紙されるようになっている。
【0005】
これらの画像形成装置は、複数個の像担持体及び現像ユニットにおいて作成された画像を、ベルト状の中間転写体が1回転を行う段階で順次重ねを行うタンデム型画像形成装置である。色重ねを行う場合、複数色の転写を行うために1色目のトナー画像を中間転写体に転写を行うべく電流、電圧を印加するが、多色重ねの場合は、1色目の転写において、中間転写体上に電位が残留し、次色を転写する場合にはより多くの電流、電圧が必要となることがある。一般的には転写ステップアップといわれている現象である。
【0006】
この現象は電位の自己放電が難しい108Ω・cm以上の抵抗率を持つ中間転写体にて発生が見られる。また多層にて構成される中間転写体の場合は全体の抵抗と共に表層の表面抵抗にも影響される。
【0007】
このステップアップ現象の結果、例えば一般的な電子写真の多色刷りの場合、4色構成で構成される場合が多いが、最終色を転写した後の中間転写体の電位が絶対値で2KVを超える場合も観察されている。
【0008】
また他方、ドットの再現性等により中間転写体の表面抵抗、体積抵抗を高めに設定することが多く、中間転写体の電位上昇が必然的に発生することとなっている。
【0009】
ここで問題として、先に示した転写ステップアップによる電位上昇により各色のトナー画像、特に最終色のトナー画像では中間転写体の電位が上昇することにより、また中間転写体に重ねたトナー像が電荷との反発力によって飛散したりする問題があった。
【0010】
これらトナー飛散は、トナー単位面積あたりのトナー量が大きくなれば発生率が高まることがわかってきた。また中間転写体を張架する内部のローラの電位とベルトの電位の差が大きいことにより電界が発生し、トナー飛散が発生することもわかってきた。
【0011】
これら問題は特に、中間転写体を使用する画像形成装置で、且つ像重ねを行う場合の問題となっている。
これらの問題に対し、中間転写体の抵抗にて電位をコントロールすることなども考えられるが、抵抗の環境での変動、また色重ねの回数など条件が異なることによりバラツキが発生するため、全ての条件にて最適条件を得ることができないのが現状であった。
【0012】
そのため飛散トナーが機内全体を汚染したり、時には機外まで排出されるなどの不具合の発生することなどもあった。また、トナー飛散により中間転写体に対向して配置されたセンサ、例えば、濃度検知センサ、画像の位置を検知するためのセンサなど、が汚れることも大きな問題であった。
【0013】
中間転写体に対向して配置されるこれらセンサをトナー飛散による汚れから防ぐ技術として、従来、次のものがある。
▲1▼ 紙などのシート状媒体にトナー転写された後のローラ(図14の符号15)の近傍にセンサを取り付ける等してトナーからセンサを遠ざける方法がある(例えば、特許文献1、2参照)。しかし、これらの方法では、場所が制約されてしまうという問題がある。
【0014】
▲2▼ センサの汚れ度合いを感知し、本体の操作パネルでユーザーに知らせる方法、もしくはプロセスコントロールで汚れ度合いに応じてセンサに補正を入れてしまう方法がある(例えば、特許文献3参照)。しかし、前者の方法では根本的な対策とならないし、後者の方法では、補正を入れるのにも限界がある。
【0015】
▲3▼ センサ回路を利用し、センサプローブに電気信号をかけることによりセンサプローブに付着したトナーなどの塵を飛ばす方法がある(例えば、特許文献4参照)。しかし、この方法では、センサ回路をスイッチで切り替え、付着するトナーを飛ばす電気信号用に回路が独占されてしまうため、センシングとトナー防止を同時に行なうことが困難である。
【0016】
【特許文献1】
特開平09−190023号公報
【特許文献2】
特開平09−146330号公報
【特許文献3】
特開平08−036298号公報
【特許文献4】
特開平09−138253号公報
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、中間転写体などのベルトに対向して配置されるセンサをトナー飛散による汚れから防ぐことにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を達成するため以下の構成とした。
(1). 回転する像担持体に形成した潜像を現像手段によりトナー画像化する作像装置を複数有していて、これら各作像部で作成されたトナー画像を転写部でベルト状をした中間転写体に順次重ねて重ねトナー画像を形成する画像形成装置において、前記中間転写体に対向する位置にセンサを設置する場合、該センサのトナー汚れ防止手段として該中間転写体を張架するローラの曲率面と対向する部位に限定して前記センサを設置することとした(請求項1)。
(2). 回転する像担持体に形成した潜像を現像手段によりトナー画像化する作像装置を複数有していて、これら各作像部で作成されたトナー画像を転写部でベルト状をした中間転写体に順次重ねて重ねトナー画像を形成する画像形成装置において、前記中間転写体に対向する位置にセンサを設置する場合、該センサのトナー汚れ防止手段として該センサ又は該センサを覆うセンサカバーに、トナーと同極性の電位を持たせることとした(請求項2)。
(3). 回転する像担持体に形成した潜像を現像手段によりトナー画像化する作像装置を複数有していて、これら各作像部で作成されたトナー画像を転写部でベルト状をした中間転写体に順次重ねて重ねトナー画像を形成する画像形成装置において、前記中間転写体に対向する位置にセンサを設置する場合、該センサのトナー汚れ防止手段として該センサを覆うセンサカバーを電気的なフロート状態にすることとした(請求項3)。
(4). 回転する像担持体に形成した潜像を現像手段によりトナー画像化する作像装置を複数有していて、これら各作像部で作成されたトナー画像を転写部でベルト状をした中間転写体に順次重ねて重ねトナー画像を形成する画像形成装置において、前記中間転写体に対向する位置にセンサを設置する場合、該センサのトナー汚れ防止手段として該センサを覆うセンサカバーに電気抵抗器を介して設置することとした(請求項4)。
(5). 回転する像担持体に形成した潜像を現像手段によりトナー画像化する作像装置を複数有していて、これら各作像部で作成されたトナー画像を転写部でベルト状をした中間転写体に順次重ねて重ねトナー画像を形成する画像形成装置において、前記中間転写体に対向する位置にセンサを設置する場合、該センサのトナー汚れ防止手段として該センサを覆うセンサカバーにツェナダイオードを介して設置することとした(請求項5)。
(6). 回転する像担持体に形成した潜像を現像手段によりトナー画像化する作像装置を複数有していて、これら各作像部で作成されたトナー画像を転写部でベルト状をした中間転写体に順次重ねて重ねトナー画像を形成する画像形成装置において、中間転写体に対向する位置にセンサを設置する場合、該センサのトナー汚れ防止手段として該センサ近傍、もしくは該センサに接する位置にトナーと同極性の電位を持たせた部材を設置することとした(請求項6)。
(7). 回転する像担持体に形成した潜像を現像手段によりトナー画像化する作像装置を複数有していて、これら各作像部で作成されたトナー画像を転写部でベルト状をした中間転写体に順次重ねて重ねトナー画像を形成する画像形成装置において、前記中間転写体に対向する位置にセンサを設置する場合、該センサのトナー汚れ防止手段として該センサ近傍、もしくは該センサに接する位置に電気的にフロート状態の部材を設置することとした(請求項7)。
(8). 回転する像担持体に形成した潜像を現像手段によりトナー画像化する作像装置を複数有していて、これら各作像部で作成されたトナー画像を転写部でベルト状をした中間転写体に順次重ねて重ねトナー画像を形成する画像形成装置において、前記中間転写体に対向する位置にセンサを設置する場合、該センサのトナー汚れ防止手段として該センサ近傍、もしくは該センサに接する位置に電気抵抗器を介した部材を設置することとした(請求項8)。
(9). 回転する像担持体に形成した潜像を現像手段によりトナー画像化する作像装置を複数有していて、これら各作像部で作成されたトナー画像を転写部でベルト状をした中間転写体に順次重ねて重ねトナー画像を形成する画像形成装置において、前記中間転写体に対向する位置にセンサを設置する場合、該センサのトナー汚れ防止手段として該センサ近傍、もしくは該センサに接する位置にツェナダイオードを介した部材を設置することとした(請求項9)。
(10). 回転する像担持体に形成した潜像を現像手段によりトナー画像化する作像装置を複数有していて、これら各作像部で作成されたトナー画像を転写部でベルト状をした中間転写体に順次重ねて重ねトナー画像を形成する画像形成装置において、前記中間転写体に対向する位置にセンサを設置する場合、該センサのトナー汚れ防止手段として該センサ近傍、もしくは該センサのカバーの近傍に電気的に切り離した状態でトナーと逆極性の電位を持たせた部材を設置することとした(請求項10)。
(11). トナーを担持して回転するベルト状をした回転体に対向する位置にセンサを設置している画像形成装置において、前記ベルト状をした回転体に対向する位置にセンサを設置する場合、該センサのトナー汚れ防止手段として請求項1乃至10の何れか一つに記載の、センサのトナー汚れ防止手段に係る構成を適用した(請求項11)。
(12). 回転する像担持体に形成した潜像を現像手段によりトナー画像化する作像装置を複数、無端ベルト状の第1中間転写体に沿わせて配置すると共に、該第1中間転写体の一端側にベルト状の第2中間転写体を対向して配置し、前記各作像部で作成されたトナー画像を前記第1中間転写体に順次重ねて先行片面画像を形成してこの先行片面画像を前記第2中間転写体に一括転写して保持し、次いで、前記第1中間転写体にトナー画像を順次重ねて後行片面画像を形成し、前記第1中間転写体と前記第2中間転写体との対向領域で形成される転写域を通るシート状媒体の片面に前記先行片面画像、該シート状媒体の他の片面に前記後行片面画像をそれぞれ一括転写して両面画像を得る画像形成装置において、前記第2中間転写体に対向する位置にセンサを設置する場合、該センサのトナー汚れ防止手段として(1)乃至(10)の何れか一つに記載の、センサのトナー汚れ防止手段に係る構成を適用した(請求項12)。
(13).(1)乃至(12)の何れか一つに記載の画像形成装置において、前記中間転写体又は前記ベルト状をした回転体の体積抵抗が108[Ω・cm]以上であることとした(請求項13)。
【0019】
【発明の実施の形態】
[1] タンデム式間接方式の画像形成装置概要
以下の説明においてはタンデム式の説明を行うが、本発明はタンデム式に限定されるものではなく、中間転写体を使用する画像形成装置に対して有効である。タンデム型の電子写真装置には、図20に示すように、回転する像担持体としての感光体40に帯電手段7により帯電した後、その感光体40に書込み光Lを照射して形成した潜像を現像手段61によりトナー画像化する作像装置18を複数、無端ベルト状の中間転写体10に沿わせて配置し、これら各作像部18で作成されたトナー画像を1次転写手段62が配置された転写部で中間転写体10に順次重ねて重ねトナー画像を形成し、この中間転写体10上の画像を2次転写ベルト24によりシート状媒体sに一括転写する間接転写方式のものと、図21に示すように、各作像装置18における感光体40上のトナー画像を転写手段62’により、シート搬送ベルト3で搬送されるシート状媒体sに順次転写する直接転写方式のものとがある。転写後の残トナーは感光体クリーニング装置63により除去される。
【0020】
直接転写方式のものと間接転写方式のものとを比較すると、直接転写方式(図21)は、複数の作像装置18を並べたタンデム型画像形成装置Tの上流側に給紙装置6を、下流側に定着装置25を配置しなければならず、大型化する欠点がある。
【0021】
これに対し、間接転写方式(図20)は、2次転写ベルト24の位置を比較的自由に設置することができるから、レジストローラ49を含む給紙手段及び定着装置25をタンデム型画像形成装置Tと重ねて配置することができ、小型化が可能となる利点がある。
【0022】
また、直接転写方式(図21)は、大型化しないように定着装置25をタンデム型画像形成装置Tに接近して配置することとなるから、シート状媒体sがたわむことができる十分な余裕をもって定着装置25を配置することができず、シート状媒体sの先端が定着装置25に進入するときの衝撃とか定着装置25を通過するときのシート搬送速度差とかで、定着装置25が後端側の画像形成に影響を及ぼす欠点がある。
【0023】
これに対し、間接転写方式(図20)は、シート状媒体sが撓むことができる十分な余裕をもって定着装置25を配置することができるから、定着装置25が殆ど画像形成に影響を及ぼさないようにすることができる。
このようなことから、最近は、電子写真方式のタンデム型画像形成装置の中の、特に間接転写方式のものが注目されてきている。
【0024】
この種のカラー電子写真装置では、図20に示すように、1次転写手段62による1次転写後に感光体1上に残留する転写残トナーを、感光体クリーニング装置63で除去して感光体1表面をクリーニングし、再度の画像形成に備える。また、図20に示すように2次転写ベルト24による2次転写後に中間転写体10上に残留する転写残トナーを、中間転写体クリーニング装置9で除去して中間転写体4表面をクリーニングし、再度の画像転写に備える。
【0025】
[2] タンデム式間接転写方式の画像形成装置詳細
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の形態を説明する。
図14は、この発明が適用されるカラーの画像形成装置の一実施形態を示すもので、タンデム型間接転写方式を採用しており、図中符号100は複写機本体、符号200はそれを載せる給紙テーブル、符号300は複写機本体100上に取り付けるスキャナ、400はさらにその上に取り付ける原稿自動搬送装置(ADF)である。
【0026】
複写機本体100には、中央に、無端ベルト状の中間転写体10を設けている。中間転写体10は、図15に示すように、ベース層11を、例えばフッ素樹脂や帆布などののびにくい材料でつくり、その上に弾性層12を設けている。弾性層12は、例えばフッ素ゴムやアクリロニトリル−ブタジェン共重合ゴムなどでつくる。この弾性層12の表面は、例えばフッ素系樹脂をコーティングして平滑性のよいコート層13で被ってなる。
【0027】
図14に示すとおり、中間転写体10は、3つのローラ14、15、16に掛け回して支持されていて、図中時計回りに回転搬送可能とする。この図示例では、3つのローラのうち、第2のローラ15の左に、画像転写後に中間転写体10上に残留する残留トナーを除去する中間転写体クリーニング装置17を設けている。
【0028】
3つのローラの中の第1のローラ14と第2のローラ15間に張り渡した中間転写体10上には、その搬送方向に沿って、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロの4つの作像装置18を横に並べて配置してタンデム画像形成装置20を構成している。このタンデム画像形成装置20の上には、図14に示すように、さらに露光装置21を設けている。
【0029】
一方、中間転写体10を挟んでタンデム画像形成装置20と反対の側には、2次転写装置22を備える。2次転写装置22は、図示例では、2つのローラ23、23間に、無端ベルトである2次転写ベルト24を掛け渡して構成し、中間転写体10を介して第3のローラ16に押し当てて配置し、中間転写体10上の画像をシート状媒体に転写する。
【0030】
2次転写装置22の横には、シート状媒体上の転写画像を定着する定着装置25を設けている。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26に加圧ローラ27を押し当てて構成する。
【0031】
上述した2次転写装置22には、画像転写後のシート状媒体をこの定着装置25へと搬送するシート搬送機能も備えている。勿論、2次転写装置22として、非接触のチャージャを配置してもよく、そのような場合は、このシート搬送機能を併せて備えることは難しくなるので、別途、シート搬送用のベルトを設ける。
【0032】
なお、図示例では、このような2次転写装置22および定着装置25の下に、上述したタンデム画像形成装置20と平行に、シートの両面に画像を記録すべくシートを反転するシート反転装置28を備えている。
【0033】
さて、いまこのカラー画像形成装置を用いてコピーをとるときは、原稿自動搬送装置400の原稿台30上に原稿をセットする。または、原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じてそれで押さえる。
【0034】
そして、不図示のスタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットしたときは、原稿を搬送してコンタクトガラス32上へと移動して後、他方、コンタクトガラス32上に原稿をセットしたときは、直ちにスキャナ300を駆動し、第1走行体33および第2走行体34を走行する。
【0035】
そして、第1走行体33で光源から光を発射するとともに原稿面からの反射光をさらに反射して第2走行体34に向け、第2走行体34のミラーで反射して結像レンズ35を通して読取りセンサ36に入れ、原稿内容を読み取る。
【0036】
また、不図示のスタートスイッチを押すと、不図示の駆動モータでローラ14、15、16の1つを回転駆動し、他の2つのローラが従動回転し、中間転写体10を回転させて搬送する。同時に、個々の画像形成手段18でその感光体40を回転させて各作像装置18の各感光体40上にそれぞれ、ブラック、イエロ、マゼンタ、シアンの単色画像を形成する。
【0037】
そして、中間転写体10の搬送とともに、中間転写体10を間にして各感光体40に対向してそれぞれ設けられた1次転写手段62の機能により、これら各感光体40に形成された単色画像を順次転写して中間転写体10上に合成カラー画像を形成する。
【0038】
一方、不図示のスタートスイッチを押すと、給紙テーブル200の給紙ローラ42の1つを選択回転し、ペーパーバンク43に多段に備える給紙カセット44の1つからシートを繰り出し、分離ローラ45で1枚ずつ分離して給紙路46に入れ、搬送ローラ47で搬送して複写機本体100内の給紙路48に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。
【0039】
または、給紙ローラ50を回転して手差しトレイ51上のシートを繰り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。
【0040】
そして、中間転写体10上の合成カラー画像の移動にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転し、中間転写体10と2次転写装置22との間にシートを送り込み、2次転写装置22で中間転写体10上の重ねカラー画像をシート状媒体上に転写することで、フルカラー画像を記録する。
【0041】
フルカラートナー画像転写後のシート状媒体は、2次転写装置22で搬送されて定着装置25へ送り込まれ、定着装置25で熱と圧力とを加えられて転写画像が定着され、その後、切換爪55で切り換えられて排出ローラ56で排出され、排紙トレイ57上にスタックされる。
【0042】
または、切換爪55で切り換えられてシート反転装置28に入れられ、そこで反転されて再び転写位置へと導かれ、裏面にも画像が記録されて後、排出ローラ56で排紙トレイ57上に排出される。
【0043】
一方、画像転写後の中間転写体10は、画像転写後に中間転写体10上に残留する残留トナーを中間転写体クリーニング装置17で除去し、タンデム画像形成装置20による再度の画像形成に備えられる。
【0044】
ここで、レジストローラ49には、導電性ゴムローラを用い、バイアスを印加する。レジストローラ49は径φ18で、表面を1mm厚みの導電性NBRゴムとする。電気抵抗はゴム材の体積抵抗で10E9Ωcm程度であり、印加電圧はトナーを転写する側(表側)には−850V程度の電圧が印加されている。
【0045】
紙裏面側は+200V程度の電圧が印加されているが、特に裏面の紙粉転写を考慮する必要が少ない場合にはアースになっていても良い。また、印加電圧として、DCバイアスが印加されているが、これはDCオフセット成分を持ったAC電圧でも良い。
【0046】
AC重畳DCバイアスの方が紙表面を均一に帯電することができる。レジストローラ49を通過した後の紙表面は若干マイナス側に帯電している。よって、中間転写体10からシートへの転写では、レジストローラ49に電圧を印加しなかった場合に比べて転写条件が変わる場合があるので注意が必要である。
【0047】
さて、上述したタンデム画像形成装置20において、個々の画像形成手段18は、詳しくは、例えば図16に示すように、ドラム状の感光体40のまわりに、帯電手段60、現像手段61、1次転写手段62、感光体クリーニング装置63、除電装置64などを備えてなる。感光体40は、図示例では、アルミニウム等の素管に、感光性を有する有機感光材を塗布し、感光層を形成したドラム状であるが、無端ベルト状であってもよい。
【0048】
図示省略するが、少なくとも感光体40を設け、作像装置18を構成する部分の全部または一部でプロセスカートリッジを形成し、複写機本体100に対して一括して着脱自在としてメンテナンス性を向上するようにしてもよい。
【0049】
作像装置18を構成する部分のうち、帯電装置60は、図示例ではローラ状につくり、感光体40に接触して電圧を印加することによりその感光体40の帯電を行う。
【0050】
現像手段61は、一成分現像剤を使用してもよいが、図示例では、磁性キャリアと非磁性トナーとよりなる二成分現像剤を使用する。そして、その二成分現像剤を攪拌しながら搬送して現像スリーブ65に付着する攪拌部66と、その現像スリーブ65に付着した二成分現像剤のうちのトナーを感光体40に転移する現像部67とで構成し、その現像部67より攪拌部66を低い位置とする。
【0051】
攪拌部66には、平行な2本のスクリュ68を設ける。2本のスクリュ68の間は、両端部を除いて仕切り板69で仕切る(図19参照)。また、現像ケース70にトナー濃度センサ71を取り付ける。
【0052】
一方、現像部67には、現像ケース70の開口を通して感光体40と対向して現像スリーブ65を設けるとともに、その現像スリーブ65内にマグネット72を固定して設ける。また、その現像スリーブ65に先端を接近してドクタブレード73を設ける。図示例では、ドクタブレード73と現像スリーブ65間の最接近部における間隔は、500μmに設定してある。
【0053】
2成分現像剤を2本のスクリュ68で攪拌しながら搬送循環し、現像スリーブ65に供給する。現像スリーブ65に供給された現像剤は、マグネット72により汲み上げて保持し、現像スリーブ65上に磁気ブラシを形成する。磁気ブラシは、現像スリーブ65の回転とともに、ドクタブレード73によって適正な量に穂切りする。切り落とされた現像剤は、攪拌部66に戻される。
【0054】
他方、現像スリーブ65上の現像剤のうちトナーは、現像スリーブ65に印加する現像バイアス電圧により感光体40に転移してその感光体40上の静電潜像を可視像化する。可視像化後、現像スリーブ65上に残った現像剤は、マグネット72の磁力がないところで現像スリーブ65から離れて攪拌部66に戻る。この繰り返しにより、攪拌部66内のトナー濃度が薄くなると、それをトナー濃度センサ71で検知して攪拌部66にトナー補給する。
【0055】
ちなみに、図示例では、感光体40の線速を200mm/s、現像スリーブ65の線速を240mm/sとしている。感光体40の直径を50mm、現像スリーブ65の直径を18mmとして、現像工程が行われる。現像スリーブ65上のトナー帯電量は、−10〜−30μC/gの範囲である。感光体40と現像スリーブ65の間隙である現像ギャップGPは、従来の0.8mmから0.4mmの範囲で設定でき、値を小さくすることで現像効率の向上を図ることが可能である。
【0056】
感光体40の厚みを30μmとし、光学系のビームスポット径を50×60μm、光量を0.47mWとしている。また、感光体40の帯電(露光前)電位V0を−700V、露光後電位VLを−120Vとして現像バイアス電圧を−470Vすなわち現像ポテンシャル350Vとして現像工程が行われるものである。
【0057】
次に、1次転写手段62は、ローラ状とし、中間転写体10を挟んで感光体40に押し当てて設ける。別に、ローラ状に限らず、非接触のコロナチャージャなどであってもよい。
【0058】
感光体クリーニング装置63は、先端を感光体40に押し当てて、例えばポリウレタンゴム製のクリーニングブレード75を備えるとともに、外周を感光体40に接触して導電性のファーブラシ76を矢示方向に回転自在に備える。また、ファーブラシ76にバイアスを印加する金属製電界ローラ77を矢示方向に回転自在に備え、その電界ローラ77にスクレーパ78の先端を押し当てる。さらに、除去したトナーを回収する回収スクリュ79を設ける。
【0059】
感光体40に対してカウンタ方向に回転するファーブラシ76で、感光体40上の残留トナーを除去する。ファーブラシ76に付着したトナーは、ファーブラシ76に対して接触してカウンタ方向に回転する電界ローラ77でバイアスを印加して取り除く。電界ローラ77は、スクレーパ78でクリーニングする。感光体クリーニング装置63で回収したトナーは、回収スクリュ79で感光体クリーニング装置63の片側に寄せ、詳しくは後述するトナーリサイクル装置80で現像装置61へと戻して再利用する。
【0060】
除電装置64は、例えばランプであり、光を照射して感光体40の表面電位を初期化する。そして、感光体40の回転とともに、まず帯電装置60で感光体40の表面を一様に帯電し、次いでスキャナ300の読取り内容に応じて上述した露光装置21からレーザやLED等による書込み光Lを照射して感光体40上に静電潜像を形成する。
【0061】
その後、現像装置61により静電潜像にトナーを付着してその静電潜像を可視像化し、その可視像を1次転写手段62で中間転写体10上に転写する。画像転写後の感光体40の表面は、感光体クリーニング装置63で残留トナーを除去して清掃し、除電装置64で除電して再度の画像形成に備える。
【0062】
図17は、図14に示したカラー画像形成装置の要部拡大図である。同図においては、タンデム画像形成装置20の各画像形成手段18、その画像形成手段18の各感光体40、各現像装置61、各感光体クリーニング装置63、および各画像形成手段18の感光体40にそれぞれ対向して設ける各1次転写手段62の各符号の後に、それぞれブラックの場合はBK、イエロの場合はY、マゼンタの場合はM、シアンの場合はCの各符号を添えて示す。
【0063】
なお、図17中符号74は、図14および図16では図示省略するが、各1次転写装置62間において、中間転写体10のベース層11側に接触して設ける導電性ローラである。この導電性ローラ74は、転写時に各1次転写装置62により印加するバイアスが、中抵抗のベース層11を介して隣りの各画像形成手段18に流れ込むことを阻止するものである。
【0064】
また、ローラ16とローラ14間の中間転写体10の内側に接するように設けたローラ152及びローラ14には、トナー画像を中間転写体10に保持しておくため、トナー(―)と逆極性(+)の電圧を電源150により印加している。
【0065】
次に、図18及び図19には、トナーリサイクル装置80を示す。図18に示すとおり、感光体クリーニング装置63の回収スクリュ79には、一端に、ピン81を有するローラ部82を設ける。そして、このローラ部82に、トナーリサイクル装置80のベルト状回収トナー搬送部材83の一側を掛け、その回収トナー搬送部材83の長孔84にピン81を入れる。回収トナー搬送部材83の外周には一定間隔置きに羽根85を設けてなり、その他側は、回転軸86のローラ部87に掛ける。
【0066】
回収トナー搬送部材83は、回転軸86とともに、図19に示す搬送路ケース88内に入れる。搬送路ケース88は、カートリッジケース89と一体につくり、その現像手段61側の端部に、現像手段61の前述した2本のスクリュ68の1本を入れてなる。
【0067】
外部から駆動力を伝達して回収スクリュ79を回転するとともに、回収トナー搬送部材83を回転搬送し、感光体クリーニング装置63で回収したトナーを搬送路ケース88内を通して現像手段61へと搬送し、スクリュ68の回転で現像手段61内に入れる。その後、上述したとおり、2本のスクリュ68ですでに現像手段61内にある現像剤とともに攪拌しながら搬送循環し、現像スリーブ65に供給してドクタブレード73により穂切りして後、感光体40に転移してその感光体40上の潜像を現像する。
【0068】
トナーは、ポリエステル、ポリオ−ル、スチレンアクリル等の樹脂に帯電制御剤(CCA)、色剤を混合し、その周りにシリカ、酸化チタン等の物質を外添することでその帯電特性、流動性を高めている。添加剤の粒径は、通常、0.01〜1.5[μm]の範囲である。色剤は、カ−ボンブラック、フタロシアニンブル−、キナクリドン、カ−ミン等を挙げることができる。帯電極性は、図示例では負帯電である。
【0069】
トナーは、ワックス等を分散混合させた母体トナーに上記種類の添加剤を外添しているものも使用することができる。ここまでの説明で、トナーは、粉砕法で作成されたものであるが、重合法等で作成したものも使用可能である。一般に重合法、加熱法等で作成されたトナーは、形状係数を90%以上に形成することが可能で、さらに形状による添加剤の被覆率も極めて高くなる。
【0070】
ここで、形状係数は、本来ならば球形度となって、「粒子と同体積の球の表面積/実粒子の表面積*100%」で定義されるが、測定がかなり困難になるので、円形度で算出する。その定義は、「粒子と同じ投影面積を持つ円の周長/実粒子の投影輪郭長さ×100%」とする。そうすると、投影された円が真円に近づくほど、100%に近づくことになる。
【0071】
トナーの体積平均粒径の範囲は、3〜12μmが好適である。図示例では、6μmとし、1200dpi以上の高解像度の画像にも十分対応することが可能である。
【0072】
磁性粒子は、金属または樹脂をコアとしてフェライト等の磁性材料を含有し、表層はシリコン樹脂等で被覆されたものである。粒径は、20〜50μmの範囲が良好である。また、抵抗は、ダイナミック抵抗で104〜106Ωの範囲が最適である。ただし、測定方法は、磁石を内包したローラ(φ20;600RPM)に坦持して、幅65mm、長さ1mmの面積の電極をギャップ0.9mmで当接させ、耐圧上限レベル(高抵抗シリコンコートキャリアでは400Vから鉄粉キャリアでは数V)の印加電圧を印加した時の測定値である。
【0073】
現像スリーブ65は、非磁性の回転可能なスリーブ状の形状を持ち、内部には複数のマグネット72を配設している。マグネット72は、固定されているために現像剤が所定の場所を通過するときに磁力を作用させられるようになっている。図示例では、現像スリーブ65の直径をφ18とし、表面はサンドブラストまたは1〜数mmの深さを有する複数の溝を形成する処理を行い10〜30μmRZの範囲に入るようにあらしている。
【0074】
マグネット72は、ドクタブレード73の箇所から現像スリーブ65の回転方向にN1、S1、N2、S2、S3の5磁極を有する。マグネット72で形成された(トナー+磁性粒子)は、現像剤として現像スリーブ65上に坦持され、トナーは、磁性粒子と混合されることで規定の帯電量を得る。図示例では、−10〜−30[μC/g]の範囲が好適である。現像スリーブ65は、現像剤の磁気ブラシを形成した、マグネット72のS1側の領域に、感光体40に対向して配設されている。
【0075】
ところで、図示例では、図17に示すように、中間転写体クリーニング装置17に、クリーニング部材として2つのファーブラシ90、91を設ける。ファーブラシ90、91は、φ20mm、アクリルカーボン、6.25D/F、10万本/inch2、E+7Ωのものを使用し、中間転写体10に対して接触してカウンタ方向に回転するように設ける。そして、それぞれのファーブラシ90、91には、各々異なる極性のバイアスを印加する。
【0076】
そのようなファーブラシ90、91には、それぞれ金属ローラ92、93を接触して順方向に回転するように設ける。そして、この例では、中間転写体10の回転方向上流側の金属ローラ92に電源94から(−)電圧を印加し、下流側の金属ローラ93に電源95から(+)電圧を印加する。これらの金属ローラ92、93には、それぞれブレード96、97の先端を押し当てる。
【0077】
中間転写体10の矢示方向への回転とともに、はじめ上流側のファーブラシ90を用いて例えば(−)のバイアスを印加して中間転写体10表面のクリーニングを行う。仮に、金属ローラ92に−700V印加すると、ファーブラシ90は−400Vとなり、中間転写体10上の(+)トナーをファーブラシ90側に転移する。除去したトナーをさらに電位差によりファーブラシ90から金属ローラ92に転移し、ブレード96により掻き落とす。
【0078】
ファーブラシ90で中間転写体10上のトナーを除去するが、中間転写体10上にはまだ多くのトナーが残っている。それらのトナーは、ファーブラシ90に印加される(−)のバイアスにより、(−)に帯電される。これは、電荷注入または放電により帯電されるものと考えられる。
【0079】
しかし、次いで下流側のファーブラシ91を用いて今度は(+)のバイアスを印加してクリーニングを行うことにより、それらのトナーを除去することができる。除去したトナーは、電位差によりファーブラシ91から金属ローラ93に転移し、ブレード97により掻き落とす。ブレード96、97で掻き落としたトナーは、不図示のタンクに回収する。トナーリサイクル装置を用いて現像手段61に戻すようにしてもよい。
【0080】
ファーブラシ91でクリーニング後は、ほとんどのトナーが除去されるが、中間転写体10上にはまだ少しのトナーが残っている。それらのトナーは、ファーブラシ91に印加される(+)のバイアスにより、(+)に帯電される。しかし、2つのファーブラシ90、91で除去できずに中間転写体10上にトナーが残ったときにも、ブラックの1次転写位置で感光体40BK側に逆転写して感光体クリーニング装置63BKで回収することができる。
【0081】
[3]中間転写体
中間転写体として利用されるベルトは、従来からフッ素系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂等が使用されてきていたが、近年ベルトの全層や、ベルトの一部を弾性部材にした弾性ベルトが使用されてきている。
【0082】
樹脂ベルトを用いたカラー画像の転写は以下の課題がある。カラー画像は通常4色の着色トナーで形成される。1枚のカラー画像には、1層から4層までのトナー層が形成されている。
【0083】
トナー層は1次転写(感光体から中間転写ベルトへの転写)や、2次転写(中間転写ベルトからシート状媒体への転写)を通過することで圧力を受け、トナー同士の凝集力が高くなる。トナー同士の凝集力が高くなると文字の中抜けやベタ部画像のエッジ抜けの現象が発生しやすくなる。
【0084】
樹脂ベルトは硬度が高くトナー層に応じて変形しないため、トナー層を圧縮させやすく文字の中抜け現象が発生しやすくなる。また、最近はフルカラー画像を様々な用紙、例えば和紙や意図的に凹凸を付けや用紙に画像を形成したいという要求が高くなってきている。しかし、平滑性の悪い用紙は転写時にトナーと空隙が発生しやすく、転写抜けが発生しやすくなる。密着性を高めるために2次転写部の転写圧を高めると、トナー層の凝縮力を高めることになり、上述したような文字の中抜けを発生させることになる。
【0085】
弾性ベルトは次の狙いで使用される。
弾性ベルトは樹脂ベルトより硬度が低いため、転写部でトナー層、平滑性の悪い用紙に対応して変形する。つまり、局部的な凹凸に追従して弾性ベルトは変形するため、過度にトナー層に対して転写圧を高めることなく、良好な密着性が得られ文字の中抜けの無い、平面性の悪い用紙に対しても均一性の優れた転写画像を得ることができる。
【0086】
弾性ベルトの樹脂はポリカーボネート、フッ素系樹脂(ETFE、PVDF)、ポリスチレン、クロロポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体(スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体及びスチレン−アクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体(スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂(スチレンまたはスチレン置換体を含む単重合体または共重合体)、メタクリル酸メチル樹脂、メタクリル酸ブチル樹脂、アクリル酸エチル樹脂、アクリル酸ブチル樹脂、変性アクリル樹脂(シリコーン変性アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂変性アクリル樹脂、アクリル・ウレタン樹脂等)、塩化ビニル樹脂、スチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニリデン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂及びポリビニルブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、変性ポリフェニレンオキサイド樹脂等からなる群より選ばれる1種類あるいは2種類以上を使用することができる。ただし、上記材料に限定されるものではないことは当然である。
【0087】
弾性材ゴム、エラストマーとしては、ブチルゴム、フッ素系ゴム、アクリルゴム、EPDM、NBR、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンゴム天然ゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレンターポリマー、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ウレタンゴム、シンジオタクチック1、2−ポリブタジエン、エピクロロヒドリン系ゴム、リコーンゴム、フッ素ゴム、多硫化ゴム、ポリノルボルネンゴム、水素化ニトリルゴム、熱可塑性エラストマー(例えばポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリアミド系、ポリウレア、ポリエステル系、フッ素樹脂系)等からなる群より選ばれる1種類あるいは2種類以上を使用することができる。ただし、上記材料に限定されるものではないことは当然である。
【0088】
抵抗値調節用導電剤に特に制限はないが、例えば、カーボンブラック、グラファイト、アルミニウムやニッケル等の金属粉末、酸化錫、酸化チタン、酸化アンチモン、酸化インジウム、チタン酸カリウム、酸化アンチモン−酸化錫複合酸化物(ATO)、酸化インジウム−酸化錫複合酸化物(ITO)等の導電性金属酸化物、導電性金属酸化物は、硫酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の絶縁性微粒子を被覆したものでもよい。上記導電剤に限定されるものではないことは当然である。
【0089】
表層材料に制限はないが、転写ベルト表面へのトナーの付着力を小さくして2次転写性を高めるものが要求される。例えば、ポリウレタン、ポリエステル、エポキシ樹脂等の1種類あるいは2種類以上を使用し表面エネルギーを小さくし潤滑性を高める材料、たとえばフッ素樹脂、フッ素化合物、フッ化炭素、2酸化チタン、シリコンカーバイト等の粉体、粒子を1種類あるいは2種類以上または粒径を異ならしたものを分散させ使用することができる。また、フッ素系ゴム材料のように熱処理を行うことで表面にフッ素リッチな層を形成させ表面エネルギーを小さくさせたものを使用することもできる。
【0090】
ベルトの製造方法としては、以下の製法があるが、これに限定されるものではない。
a.回転する円筒形の型に材料を流し込みベルトを形成する遠心成型法
b.表層の薄い膜を形成させるスプレイ塗工法
c.円筒形の型を材料の溶液の中に浸けて引き上げるディッピング法
d.内型、外型の中に注入する注型法
e.円筒形の型にコンパウンドを巻き付け、加硫研磨を行う方法
これらの、複数の製法を組み合わせてベルトを製造することができるのは当然である。
【0091】
≪本例に使用した弾性ベルトの製造方法≫
PVDF 100重量部に対してカーボンブラック 18重量部 分散剤 3重量部 トルエン 400重量部を均一に分散させた分散液に円筒形の型を浸け10mm/secで静かに引き上げ室温にて乾燥をさせ75μmのPVDFの均一な膜を形成した。75μmの膜が形成されている型を繰り返し上記条件で溶液に円筒形の型を浸け10mm/secで静かに引き上げ室温乾燥させ150μmのPVDFベルトを形成した。これに、ポリウレタンフ゜レポリマー 100重量部、硬化剤(イソシアネート) 3重量部、 カーボンブラック20重量部、分散剤 3重量部、 MEK 500重量部を均一分散させた分散液に上記150μmPVDFが形成されている円筒形型を浸け30mm/secで引き上げを行い自然乾燥を行った。乾燥後繰り返しを行い狙いの150μmのウレタンポリマー層を形成させた。
【0092】
さらに表層用にポリウレタンプレポリマー100重量部、硬化剤(イソシアネート)3重量部、PTFE微粉末粉体50重量部、分散剤 4重量部 MEK 500重量部を均一分散させた。
上記150μmのウレタンプレポリマーが形成されている円筒形型を浸け30mm/secで引き上げを行い自然乾燥を行った。乾燥後繰り返しを行い5μmのPTFEが均一に分散されたウレタンポリマーの表層を形成させた。室温で乾燥後130°C、2時間の架橋を行い 樹脂層;150μm、弾性層;150μm、表層;5μmの3層構成転写ベルトを得た。
【0093】
弾性ベルトトして伸びを防止する方法として、上記実施例のように伸びの少ない芯体樹脂層にゴム層を形成する方法、芯体層に伸びを防止する材料を入れる方法等があるが、特に製法に関わるものではない。
【0094】
伸びを防止する芯体層を構成する材料は、例えば、綿、絹、などの天然繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、ポリウレタン繊維、ポリアセタール繊維、ポリフロロエチレン繊維、フェノール繊維などの合成繊維、炭素繊維、ガラス繊維、ボロン繊維などの無機繊維、鉄繊維、銅繊維などの金属繊維からなる群より選ばれる1種あるいは2種以上を用い織布状あるいは糸状のものができる。もちろん上記材料に限定されるものではない。
【0095】
糸は1本または複数のフィラメントを撚ったもの、片撚糸、諸撚糸、双糸等、どのような撚り方であってもよい。また、例えば上記材料群から選択された材質の繊維を混紡してもよい。もちろん糸に適当な導電処理を施して使用することもできる。
【0096】
一方織布は、メリヤス織り等どのような織り方の織布でも使用可能であり、もちろん交織した織布も使用可能であり当然導電処理を施すこともできる。芯体層を設ける製造方法は特に限定されるものではない、例えば筒状に織った織布を金型等に被せ、その上に被覆層を設ける方法、筒状に織った織布を液状ゴム等に浸漬して芯体層の片面あるいは両面に被覆層を設ける方法、糸を金型等に任意のピッチで螺旋状に巻き付け、その上に被覆層を設ける方法等を挙げることができる。
【0097】
弾性層の厚さは、弾性層の硬度にもよるが、厚すぎると表面の伸縮が大きくなり表層に亀裂の発生しやすくなる。又、伸縮量が大きくなることから画像に伸び縮みが大きくなること等から厚すぎることは好ましくない(およそ1mm以上)。
【0098】
弾性層の硬度の適正範囲は10≦HS≦65゜(JIS−A)である。ベルトの層厚によって最適硬度の調整は必要となる。 硬度10゜JIS−Aより下のものは寸法精度良く成形する事が非常に困難である。これは成型時に収縮・膨張を受け易い事に起因する。また柔らかくする場合には基材へオイル成分を含有させる事が一般的な方法であるが、加圧状態で連続作動させるとオイル成分が滲みだして来るという欠点を有している。
【0099】
これにより中間転写体表面に接触する感光体を汚染し横帯状ムラを発生させる事が分かった。一般的に離型性向上のために表層を設けているが、完全に浸みだし防止効果を与えるためには表層は耐久品質等要求品質の高いものになり、材料の選定、特性等の確保が困難になってくる。
【0100】
これに対して硬度65゜JIS−A以上のものは硬度が上がった分精度良く成形できるのと、オイル含有量を含まない、または少なく抑えることが可能となるので、感光体に対する汚染性は低減可能であるが、文字の中抜け等転写性改善の効果が得られなくなり、ローラへの張架が困難となる。
【0101】
ここで、中間転写ベルトの体積抵抗は一般的には109Ω・cm以上のものを使用する。また、転写チリ等の対策のため1012Ω・cm以上のベルトを使用することも多い。これら抵抗のベルトを使用した場合最終色を重ねた後、実験ではベルト電位は色重ねを行ったトナーベタ部分では−1200V、トナーのない白部においては−700V程度の電位を有することとなった。
【0102】
また実験の結果、最もトナー飛散を起こし易いのはベルトを張架しているローラとベルトの接触点近傍であった。接触点近傍にトナーに対する電界が飛散方向に強まるものと考えられる。またこれら抵抗のベルトを利用すると先にも示したがベルトのトナーが存在しない部位でさえ、−700V程度の電位を持ちこれら電位の反発力の影響も受けやすくなってしまう。
【0103】
また画像処理の新たなる問題も分かってきている。これはベタ画像より、ライン画像の方が電界が強くなる傾向があることに起因する。画像処理においては各色のドットを重ならないようにする誤差拡散法などがあるが、近年は画像の鮮明さなどの問題から線基調の万線パターンを使用することが増えてきている。この万線の場合は線基調のためトナー量の局所的な差が生じ、誤差拡散などより先に示した電界が強まる傾向がある。また電界はトナーを飛散させる方向に働く。これら画処理が加わった場合、更にトナー飛散がひどくなる新たなる問題もある。
【0104】
以下の各例では、中間転写体などベルトに対向してセンサを設ける例が開示されるが、その場合でも、該ベルト部分のうち、特に該ローラを支持するローラ部分においてベルト(中間転写体など)に対向してセンサを設ける例を主として挙げている。これは、ベルトを支持するローラについては、ベルトの表面変動が少なく、センサによる検知精度を得る上で好都合だから、というのが一つの理由である。また、レイアウト上の制約という理由もある。
【0105】
ちなみに、例えば、ローラで支持されたベルトの中間部分においては、ベルトクリーニング装置に対してベルトを接離するなどの関係で、テンションローラを可動とすることで、ベルトの表面位置が変動する構成となる場合が多く、該部にセンサを設置することはセンサの検知精度を得る上で好ましくない。
【0106】
[4] 請求項1の説明
図17の一部に相当する部位を示した図1において、中間転写体10に対向する位置にセンサ201を設置する場合、該センサ201のトナー汚れ防止手段として中間転写体10を張架するローラ14のローラ曲率面上に限定してセンサ201を設置する。センサ201に接続された回路205は、センサを機能状態におくための電気回路であり、センサに付帯して設けられるものを一般的に示したものである(以下、同様)。
【0107】
ローラ14に掛け回された中間転写体10は、ベルト状をなす該中間転写体10がローラ14と接し始める部位、離間し始める部位にそれぞれ相当する図1のA部とB部で飛散が激しく、これ以外の部位、例えば、A部を越えてローラ外周をめぐりB部の直前に至る部位では飛散が全くない。
これは、電位の急激な変化と関係があると考えられ、A部とB部でのトナー飛散およびA部からB部に至る曲率部におけるトナー飛散無しの現象は実機において本発明者により確認されている。
【0108】
図11は、図1のローラ14近傍の詳細図であり、該図11において、ローラ14ではA部を越えてローラの外周部をめぐりB部の直前に至る区間に相当する曲率部Lではトナーは全く飛散しない。曲率部Lの長さはローラ14の直径Dと中間転写体10の張られた角度θより次の(1式)のように表される。
【0109】
L=−D/2(θ―π) ただし 0<θ<π …(1式)
そこで、本例では、この曲率部Lの部位(但し、A部、B部は除く)に対向させてセンサ201を設置することで、トナーによるセンサの汚染を免れることができるようになった。
【0110】
図11に示した例では、ローラ14を頂点として対向するベルトが次第に互いの間隔を開いていく傾向の設定であったが、これとは逆に、図12に示した例では、ローラ14を頂点として掛けまわされことで対向する2つのベルト部がローラから離間するに従い次第に互いの間隔を狭めていく傾向の設定である。
【0111】
かかる図12に示した例の構成では、中間転写体10(ベルト)の張り方が図12のようにベルト状をなす該中間転写体10がローラ14と接し始める部位であるA部、離間し始める部位であるB部がローラ14の直径を越えている。
【0112】
図12においてA部をとおるローラ14の直径D上の他方の交点を通る接線Kに対して、中間転写体10が角度ηをなして内側に向かうとき、曲率部Lの長さは次の(2式)のように表される。
【0113】
L=D/2(η+π) ただし 0<η<π …(2式)
この曲率部Lの部位(但し、A部、B部を除く)にセンサ201を配置することにより中間転写体10上にトナーが多色重ねされ、飛散しやすい状態であっても飛散トナーがセンサ201に付着することはない。
【0114】
[5] 請求項2の説明
図17の一部に相当する部位を示した図2において、中間転写体10に対向する位置にセンサ201を設置する場合、該センサ201のトナー汚れ防止手段として該センサ201を覆うセンサカバー202にトナーと同極性の電位を持たせるように電源204を設置する。
【0115】
センサカバー202には、中間転写体(ベルト)10の表面電位と同極で同等以上(同等以下でも効果がある)の電圧を印加すると最も効果がある。例えば中間転写ベルト10上での重ねトナー像によるトナー堆積部のベルト電位が−1200Vだとしたらセンサカバー202を構成する導電材にはトナーと同極の負極、−1200Vより負に大きい電圧を印加する。
【0116】
また、センサカバー202を構成する導電材に印加する電圧については、その値を限定するものではないが、導電材から中間転写体10への放電等を考慮してなるべく絶対値を低く抑えることが望ましい。実機で確認したところベルト電位を超えない2kV近辺が最も効果的であることから2kV以下にすることにより副作用を少なく且つ効率的な飛散防止が行えることがわかった。
【0117】
[6] 請求項3の説明
図17の一部に相当する部位を示した図3において、中間転写体10に対向する位置にセンサ201を設置する場合、該センサ201のトナー汚れ防止手段としてセンサ201及びセンサを覆うセンサカバー202を含め、電気的なフロート状態にする。電気的なフロート状態にするとは、電気の流れがない状態にすることであり、本例ではセンサカバー202を絶縁材にする。或いは導電性であっても、絶縁材を介して支持部材に取り付けることで電気の流れが生じない状態とし、電気的なフロート状態を得る。
【0118】
中間転写体10には、転写トナー側のベルト表面電位が作り出す電界、つまり、重ねトナー像による電界があるが、電気的にフローとにすることで、センサカバー202がこの電界の電位と同極の同電位に近くなるため飛散したトナー(―)が同極であれば、電気的な反発力が作用するので、トナーはセンサ201に近づきにくくなる。
【0119】
[7] 請求項4の説明
図17の一部に相当する部位を示した図4において、中間転写体10に対向する位置にセンサ201を設置する場合、該センサ201のトナー汚れ防止手段として電気抵抗器を介して設置する。本例では、センサ201を覆うセンサカバー202に電気抵抗器204−1を介して接地している。
【0120】
中間転写体10には、転写トナー側のベルト表面電位が作り出す電界、つまり、重ねトナー像による電界があるが、この電界の電位と同極の電位が、電気抵抗器204にかかりこのためセンサカバー202が転写トナー側のベルト表面電位と同極の同電位に近くなるため、飛散したトナーがセンサカバー202ひいてはセンサ201に近づきにくくなる。
【0121】
電気抵抗器の抵抗値が高いほどトナー飛散を低減できる。抵抗値を極めて高くして絶縁状態にしてもよい。事実上、抵抗値無限大である導電部材を浮かす(電気的にフロート状態にする)。その場合には、前記請求項3に相当する。トナー飛散による汚染防止について高い効果を得る。なお、センサカバー202自体を絶縁材としても効果があることは既に述べた。
【0122】
[8] 請求項5の説明
図17の一部に相当する部位を示した図5において、中間転写体10に対向する位置にセンサ201を設置する場合、該センサ201のトナー汚れ防止手段としてセンサ201を覆うセンサカバー202を導電材で構成し、該センサかバー202にツェナダイオード204−2を介して接地する。
【0123】
これにより、転写トナー側のベルト表面電位が作り出す電界、つまり中間転写体10側の電界により、この電界の電位と同極(―)の電位が、ツェナダイオード204−2にかかり、このためセンサカバー202が転写トナー側のベルト表面電位と同極の同電位に近くなるため、飛散したトナーがセンサカバー202ひいてはセンサ201に近づきにくくなる。
【0124】
[9] 請求項6の説明
図17の一部に相当する部位を示した図6において、中間転写体10に対向する位置にセンサ201を設置する場合、該センサ201のトナー汚れ防止手段としてセンサ201を覆うセンサカバー202近傍にトナー(―)と同極性の電位(―)を持たせるように電源204−3を介した部材301を配置することによりトナーが近づきにくくする。部材301はセンサ201或いはセンサカバーに接して設けてもよい。
【0125】
[10] 請求項7の説明
図17の一部に相当する部位を示した図7において、中間転写体10に対向する位置にセンサ201を設置する場合、該センサ201のトナー汚れ防止手段としてセンサ201を覆うセンサカバー202近傍に電気的にフロート状態の部材301−1を設置しても効果がある。部材301は絶縁材がよい。
【0126】
転写トナー側のベルト表面電位が作り出す電界、つまり、中間転写体10側の電界により、部材301−1がこの電界の電位と同極(―)の同電位に近くなるため飛散したトナー(―)がセンサ近傍の部材301−1に近づきにくくなるので、センサ201もトナー飛散から免れる。
【0127】
[11] 請求項8の説明
図17の一部に相当する部位を示した図8において、中間転写体10に対向する位置にセンサ201を設置する場合、該センサ201のトナー汚れ防止手段としてセンサ201を覆うセンサカバー202近傍に電気抵抗器204―4を介して接地した部材301−2を設置しても効果がある。
【0128】
これにより、転写トナー側のベルト表面電位が作り出す電界、つまり、中間転写体10側の電界により、この電界の電位と同極(―)の電位が、電気抵抗器204−4にかかりこのため部材301−2が転写トナー側のベルト表面電位と同極(―)の同電位に近くなるため、飛散したトナーが部材301−1ひいてはセンサ201に近づきにくくなる。
【0129】
[12] 請求項9の説明
図17の一部に相当する部位を示した図9において、中間転写体10に対向する位置にセンサ201を設置する場合、該センサ201のトナー汚れ防止手段としてセンサ201を覆うセンサカバー202近傍にトナー(―)と同極性(―)の電位を持たせるように、ツェナダイオード204−5を介して接地した部材301−3を設置しても効果がある。
【0130】
これにより、転写トナー側のベルト表面電位が作り出す電界、つまり、中間転写体10側の電界により、この電界の電位と同極(―)の電位が、ツェナダイオード204−5にかかり、このため部材301−3が転写トナー側のベルト表面電位と同極(―)の同電位に近くなるため飛散したトナーが該部材301−3に近づきにくくなり、ひいてはセンサ201にもトナーが近づきにくくなる。
【0131】
[13] 請求項10の説明
図17の一部に相当する部位を示した図10において、中間転写体10に対向する位置にセンサ201を設置する場合、該センサ201のトナー汚れ防止手段としてセンサ201を覆うセンサカバー202近傍にトナー(―)と逆極性(+)の電位を持たせるように電源204−6を介した部材の301−4を配置した。
【0132】
これにより、センサ201に付着するはずの飛散したトナー(―)が部材301−4に引き寄せられる。これにより、トナーがセンサ201に近づきにくくなり、飛散したトナーがセンサカバー202ひいてはセンサ201に近づきにくくなる。
【0133】
[14] 請求項11の説明
これまでの説明では、中間転写ベルト10に対向して設けたセンサに対するトナーの飛散による汚染防止であった。帯電したトナーを担持して回転するベルト状の回転体を有する画像形成装置において、かかる回転体に対向してセンサを設ける場合には、これまで説明したトナー汚れ防止手段を適用することで、該センサの汚れを防止することができる。
【0134】
かかるベルト状の回転体としては、例えば、図21で説明した直接転写方式におけるシート搬送ベルト3を挙げることができる。かかるシート搬送ベルト3においても、該ベルトの両端部がローラ120、121で支持されている。
【0135】
シート搬送ベルト3にはシート状媒体が載置されて搬送され、4つの作像装置18の最下流側の作像装置を通過した状態で重ねトナー像が形成されるが、シート搬送ベルト3上であって該シート状媒体の外側にも若干のトナー付着があり、かかるトナーの飛散により、例えばローラ120に対向してセンサを設置する場合には、これまでの説明における中間転写体10に対向して設けたセンサのトナー汚染と同じ問題が生じ得る。その場合において、これまで説明した[4]〜[13]の例に準じてトナー汚れ防止手段を適用することで、該センサの汚れを防止することができる。
【0136】
また、中間転写ベルトを使用するカラー画像形成装置として、前記したようなタンデム方式の画像形成装置でなく、ドラム状をした感光体を1個設け、かつ、該感光体に対向してローラで支持されたベルト状の中間転写体を設けた構成とし、該感光体の周りには電子写真プロセス用の各部材を設け、現像手段として多色現像用の所謂リボルバー型の現像装置を設置することで、該感光体の1回転毎に該リボルバー型の現像装置により単色のトナー像をつくり、このトナー像を該中間転写体に転写するという工程を、シアン、マゼンタ、イエロ、ブラックの各色ごとに繰返すことで、中間転写体上に重ねトナー像を形成し、該トナー画像をシート状媒体に一括転写してフルカラー画像を得るカラー画像形成装置がある。
【0137】
かかる画像形成装置における中間転写体についても、これまで説明した中間転写体10と機能的、構成的に変わらないので、該中間転写体に対向してセンサを設ける場合には、これまで説明した[4]〜[13]の例に準じてトナー汚れ防止手段を適用することで、該センサの汚れを防止することができる。
【0138】
さらに、中間転写体に限らず、電子写真プロセスで画像形成する画像形成装置において、感光体をローラで支持するベルト状の回転体で構成する例があり、かかる回転体についても、これに対向してセンサを設置する場合については、これまで説明した[4]〜[13]の例に準じてトナー汚れ防止手段を適用することで、該センサの汚れを防止することができる。
【0139】
[15] 請求項12の説明
図13に示すカラーの画像形成装置は、両面画像形成を可能とするタイプである。基本的には、前記図14に示した画像形成装置と共通の構成部分を具備している。
【0140】
かかる画像形成装置について、両面画像の形成プロセスを画像形成装置の構成と共に説明する。
図13において、回転する像担持体としての感光体40に形成した潜像を現像手段61によりトナー画像化する作像装置18を4つ、無端ベルト状の第1中間転写体10−1に沿わせて配置する構成を具備する。第1中間転写体10−1は、ローラ14、15、16により支持されて回転可能である。
【0141】
作像装置18の構成は、前記図14における構成に準じているので、同じ符号で表示している。また、作像装置18の内部構成については、帯電手段60、現像手段61、感光体クリーニング装置63などについて、繁雑を避けるため、任意の1つの作像装置18について、図14におけるものと同じ符号で示している。
【0142】
各作像装置18の下方には、各感光体40に書込み光Lを照射して静電潜像を形成する露光装置21が設けられている。各感光体40に形成された静電潜像はそれぞれの感光体に設けた現像手段61により所定の色(シアン、マゼンタ、イエロ、ブラックの対応する色)のトナーにより可視像化され、単色のトナー画像が形成される。
【0143】
各感光体40と対向する部位には、第1中間転写体10−1を間にして1次転写手段62が配置されており、回転する第1中間転写体10−1には、回転に従い、順次、単色のカラートナー画像が重ね転写されフルカラーのトナー画像が形成される。
【0144】
つまり、各作像部18で作成された単色のトナー画像は第1中間転写体10−1に順次重ねて転写されてトナー画像となり、このトナー画像を先行片面画像と称する。
【0145】
ここで、第1中間転写体10−1の一端側には、ベルト状の第2中間転写体10−2が、第1中間転写体10−1の張設方向(水平方向)に交差する張設方向をなして、第1中間転写体10−1を一端側で支持するローラ16に対向近接する状態で、ローラ130、131などに支持されて回転可能に配置されている。
【0146】
第2中間転写体10−2について、ローラ16と対向する部位を挟むようにして、該ベルトの内側には2次転写手段としての転写ローラ122、123が配置されていて転写領域を構成している。該転写領域において該転写ローラ122、123により与えられるバイアス電圧により、前記先行片面画像は第2中間転写体10−2に一括転写して保持される。
【0147】
次いで、第1中間転写体10−1に対して、各作像装置18を用いて、前記先行片面画像の形成プロセスに準じて単色トナー画像を順次重ねて後行片面画像を形成する。この第1中間転写体10−1上の後行片面画像と、第2中間転写体10−2上に保持されている先行片面画像とは、同じタイミングで第1中間転写体10−1と第2中間転写体10−2とが対向する対向領域(転写領域)にて会合するように調整されている。また、この対向領域よりも第2中間転写体10−2の回転方向少し下流側の部位にはチャージャCHが設けられていて、該部も転写領域を構成している。
【0148】
先行片面画像と後行片面画像とが会合するのと同じタイミングで、会合するように給紙部280より給紙コロ27によりシート状媒体sが送り出され、レジストローラ125で一端停止しタイミングが精密に調整されて再度送り出され、第1中間転写体10−1と第2中間転写体10−2との対向領域で形成される転写域を通るシート状媒体sの片面に先行片面画像、該シート状媒体sの他の片面に後行片面画像がそれぞれ一括転写されて両面画像が得られる。
【0149】
こうして、両面画像を得たシート状媒体sは定着装置25を通過する間に両面のトナー画像を定着されて、排紙コロ260を経て排紙トレイ270に排出される。
【0150】
なお、第1の中間転写体10−1については、転写後の残留トナーは、中間転写体クリーニング装置17−1によりクリーニングされて次の画像形成に備えられる。同様に、第2の中間転写体10−2についても、転写後の残留トナーは、中間転写体クリーニング装置17−2によりクリーニングされて次の画像形成に備えられる。
【0151】
かかる構成の画像形成装置において、第1中間転写体10−1および第2中間転写体10−2は、その材質、構成などは、前記した中間転写体10に準ずる。第1中間転写体101については、ローラ14の部位は、既に中間転写体クリーニング装置17−1を通過した後であるので、残トナーの付着はなく、センサの設置に際して本発明の適用の必要性は少ないと考えられる。
【0152】
これに対して、第2中間転写体10−2については、第1中間転写体10−1と同期して先行片面画像を保持した状態で少なくとも1回転して転写領域に回帰する関係上、ローラ130、131の何れについても、該部において該第2中間転写体10−2に対向してセンサを設ける場合には、トナー飛散を受ける可能性が大である。
【0153】
例えば、ローラ131まわりについて、第2中間転写体10−2に対向してセンサ201−1を設置する場合には、これまで説明した[4]〜[13]の例に準じてトナー汚れ防止手段を適用することで、該センサ201−1の汚れを防止することができる。
【0154】
[16] 請求項13の説明
本明細書の従来技術の欄で、転写ステップアップ現象について述べ、該転写ステップアップ現象は電位の自己放電が難しい108Ω・cm以上の抵抗率を持つ中間転写体にて発生が見られると説明した。そして、転写ステップアップによる電位上昇により各色のトナー画像、特に最終色のトナー画像では中間転写体の電位が上昇することにより、また中間転写体に重ねたトナー像、つまり、トナーが電荷との反発力によって飛散したりする問題があったと述べた。
【0155】
従って、前記[4]〜[13]で述べた本発明の適用対象となる中間転写体は、108Ω・cm以上の抵抗率を持つものに対して特に有益であるといえる。
【0156】
【発明の効果】
請求項1〜10記載の発明では、中間転写体に対向して配置されるセンサをトナー飛散による汚れから防ぐことができる。
【0157】
請求項11記載の発明では、ベルト状回転体に対向して配置されるセンサをトナー飛散による汚れから防ぐことができる。
【0158】
請求項13記載の発明では、体積抵抗が108[Ω・cm]以上の中間転写体又はベルト状をした回転体に対向して配置されるセンサをトナー飛散による汚れから防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるセンサの配置を説明した中間転写体の支持ローラ部の部分正面図である。
【図2】本発明にかかるセンサの配置を説明した中間転写体の支持ローラ部の部分正面図である。
【図3】本発明にかかるセンサの配置を説明した中間転写体の支持ローラ部の部分正面図である。
【図4】本発明にかかるセンサの配置を説明した中間転写体の支持ローラ部の部分正面図である。
【図5】本発明にかかるセンサの配置を説明した中間転写体の支持ローラ部の部分正面図である。
【図6】本発明にかかるセンサの配置を説明した中間転写体の支持ローラ部の部分正面図である。
【図7】本発明にかかるセンサの配置を説明した中間転写体の支持ローラ部の部分正面図である。
【図8】本発明にかかるセンサの配置を説明した中間転写体の支持ローラ部の部分正面図である。
【図9】本発明にかかるセンサの配置を説明した中間転写体の支持ローラ部の部分正面図である。
【図10】本発明にかかるセンサの配置を説明した中間転写体の支持ローラ部の部分正面図である。
【図11】本発明にかかるローラの曲率部を説明した中間転写体の支持ローラ部の部分正面図である。
【図12】本発明にかかるローラの曲率部を説明した中間転写体の支持ローラ部の部分正面図である。
【図13】本発明が適用される両面画像形成可能な画像形成装置の概略構成図である。
【図14】本発明が適用されるカラー画像形成装置の概略構成図である。
【図15】中間転写体の部分断面図である。
【図16】カラー画像形成装置の要部構成を説明した図である。
【図17】カラー画像形成装置の作像装置部及び中間転写体部分の要部構成を説明した図である。
【図18】トナーリサイクル装置の要部を説明した分解斜視図である。
【図19】トナーリサイクル装置の斜視図である。
【図20】間接転写方式の作像装置部及び中間転写体部分の要部構成を説明した図である。
【図21】直接転写方式の作像装置部及びシート状媒体搬送部分の要部構成を説明した図である。
【符号の説明】
10 中間転写体
14 ローラ
201、201−1 センサ
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式の画像形成装置に係り、特に無端ベルト状中間転写体を使用して画像信号に応じて形成されたトナー像をシート状媒体など被転写材に転写する複写機、ファクシミリ、プリンタなどの画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
回転する像担持体に形成した潜像を現像手段によりトナー画像化する作像装置を複数有していて、これら各作像部で作成されたトナー画像を転写部でベルト状をした中間転写体に順次重ねて重ねトナー画像を形成する画像形成装置がある。
【0003】
また、両面画像形成用の画像形成装置として、回転する像担持体に形成した潜像を現像手段によりトナー画像化する作像装置を複数、無端ベルト状の第1中間転写体に沿わせて配置すると共に、該第1中間転写体の一端側にベルト状の第2中間転写体を対向して配置し、前記各作像部で作成されたトナー画像を前記第1中間転写体に順次重ねて先行片面画像を形成してこの先行片面画像を前記第2中間転写体に一括転写して保持し、次いで、前記第1中間転写体にトナー画像を順次重ねて後行片面画像を形成し、前記第1中間転写体と前記第2中間転写体との対向領域で形成される転写域を通るシート状媒体の片面に前記先行片面画像、該シート状媒体の他の片面に前記後行片面画像をそれぞれ一括転写して両面画像を得る画像形成装置がある。
【0004】
これらの画像形成装置において、トナー画像は最終的には被転写媒体であるシート状媒体に転写されて、定着され、排紙トレイに排紙されるようになっている。
【0005】
これらの画像形成装置は、複数個の像担持体及び現像ユニットにおいて作成された画像を、ベルト状の中間転写体が1回転を行う段階で順次重ねを行うタンデム型画像形成装置である。色重ねを行う場合、複数色の転写を行うために1色目のトナー画像を中間転写体に転写を行うべく電流、電圧を印加するが、多色重ねの場合は、1色目の転写において、中間転写体上に電位が残留し、次色を転写する場合にはより多くの電流、電圧が必要となることがある。一般的には転写ステップアップといわれている現象である。
【0006】
この現象は電位の自己放電が難しい108Ω・cm以上の抵抗率を持つ中間転写体にて発生が見られる。また多層にて構成される中間転写体の場合は全体の抵抗と共に表層の表面抵抗にも影響される。
【0007】
このステップアップ現象の結果、例えば一般的な電子写真の多色刷りの場合、4色構成で構成される場合が多いが、最終色を転写した後の中間転写体の電位が絶対値で2KVを超える場合も観察されている。
【0008】
また他方、ドットの再現性等により中間転写体の表面抵抗、体積抵抗を高めに設定することが多く、中間転写体の電位上昇が必然的に発生することとなっている。
【0009】
ここで問題として、先に示した転写ステップアップによる電位上昇により各色のトナー画像、特に最終色のトナー画像では中間転写体の電位が上昇することにより、また中間転写体に重ねたトナー像が電荷との反発力によって飛散したりする問題があった。
【0010】
これらトナー飛散は、トナー単位面積あたりのトナー量が大きくなれば発生率が高まることがわかってきた。また中間転写体を張架する内部のローラの電位とベルトの電位の差が大きいことにより電界が発生し、トナー飛散が発生することもわかってきた。
【0011】
これら問題は特に、中間転写体を使用する画像形成装置で、且つ像重ねを行う場合の問題となっている。
これらの問題に対し、中間転写体の抵抗にて電位をコントロールすることなども考えられるが、抵抗の環境での変動、また色重ねの回数など条件が異なることによりバラツキが発生するため、全ての条件にて最適条件を得ることができないのが現状であった。
【0012】
そのため飛散トナーが機内全体を汚染したり、時には機外まで排出されるなどの不具合の発生することなどもあった。また、トナー飛散により中間転写体に対向して配置されたセンサ、例えば、濃度検知センサ、画像の位置を検知するためのセンサなど、が汚れることも大きな問題であった。
【0013】
中間転写体に対向して配置されるこれらセンサをトナー飛散による汚れから防ぐ技術として、従来、次のものがある。
▲1▼ 紙などのシート状媒体にトナー転写された後のローラ(図14の符号15)の近傍にセンサを取り付ける等してトナーからセンサを遠ざける方法がある(例えば、特許文献1、2参照)。しかし、これらの方法では、場所が制約されてしまうという問題がある。
【0014】
▲2▼ センサの汚れ度合いを感知し、本体の操作パネルでユーザーに知らせる方法、もしくはプロセスコントロールで汚れ度合いに応じてセンサに補正を入れてしまう方法がある(例えば、特許文献3参照)。しかし、前者の方法では根本的な対策とならないし、後者の方法では、補正を入れるのにも限界がある。
【0015】
▲3▼ センサ回路を利用し、センサプローブに電気信号をかけることによりセンサプローブに付着したトナーなどの塵を飛ばす方法がある(例えば、特許文献4参照)。しかし、この方法では、センサ回路をスイッチで切り替え、付着するトナーを飛ばす電気信号用に回路が独占されてしまうため、センシングとトナー防止を同時に行なうことが困難である。
【0016】
【特許文献1】
特開平09−190023号公報
【特許文献2】
特開平09−146330号公報
【特許文献3】
特開平08−036298号公報
【特許文献4】
特開平09−138253号公報
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、中間転写体などのベルトに対向して配置されるセンサをトナー飛散による汚れから防ぐことにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を達成するため以下の構成とした。
(1). 回転する像担持体に形成した潜像を現像手段によりトナー画像化する作像装置を複数有していて、これら各作像部で作成されたトナー画像を転写部でベルト状をした中間転写体に順次重ねて重ねトナー画像を形成する画像形成装置において、前記中間転写体に対向する位置にセンサを設置する場合、該センサのトナー汚れ防止手段として該中間転写体を張架するローラの曲率面と対向する部位に限定して前記センサを設置することとした(請求項1)。
(2). 回転する像担持体に形成した潜像を現像手段によりトナー画像化する作像装置を複数有していて、これら各作像部で作成されたトナー画像を転写部でベルト状をした中間転写体に順次重ねて重ねトナー画像を形成する画像形成装置において、前記中間転写体に対向する位置にセンサを設置する場合、該センサのトナー汚れ防止手段として該センサ又は該センサを覆うセンサカバーに、トナーと同極性の電位を持たせることとした(請求項2)。
(3). 回転する像担持体に形成した潜像を現像手段によりトナー画像化する作像装置を複数有していて、これら各作像部で作成されたトナー画像を転写部でベルト状をした中間転写体に順次重ねて重ねトナー画像を形成する画像形成装置において、前記中間転写体に対向する位置にセンサを設置する場合、該センサのトナー汚れ防止手段として該センサを覆うセンサカバーを電気的なフロート状態にすることとした(請求項3)。
(4). 回転する像担持体に形成した潜像を現像手段によりトナー画像化する作像装置を複数有していて、これら各作像部で作成されたトナー画像を転写部でベルト状をした中間転写体に順次重ねて重ねトナー画像を形成する画像形成装置において、前記中間転写体に対向する位置にセンサを設置する場合、該センサのトナー汚れ防止手段として該センサを覆うセンサカバーに電気抵抗器を介して設置することとした(請求項4)。
(5). 回転する像担持体に形成した潜像を現像手段によりトナー画像化する作像装置を複数有していて、これら各作像部で作成されたトナー画像を転写部でベルト状をした中間転写体に順次重ねて重ねトナー画像を形成する画像形成装置において、前記中間転写体に対向する位置にセンサを設置する場合、該センサのトナー汚れ防止手段として該センサを覆うセンサカバーにツェナダイオードを介して設置することとした(請求項5)。
(6). 回転する像担持体に形成した潜像を現像手段によりトナー画像化する作像装置を複数有していて、これら各作像部で作成されたトナー画像を転写部でベルト状をした中間転写体に順次重ねて重ねトナー画像を形成する画像形成装置において、中間転写体に対向する位置にセンサを設置する場合、該センサのトナー汚れ防止手段として該センサ近傍、もしくは該センサに接する位置にトナーと同極性の電位を持たせた部材を設置することとした(請求項6)。
(7). 回転する像担持体に形成した潜像を現像手段によりトナー画像化する作像装置を複数有していて、これら各作像部で作成されたトナー画像を転写部でベルト状をした中間転写体に順次重ねて重ねトナー画像を形成する画像形成装置において、前記中間転写体に対向する位置にセンサを設置する場合、該センサのトナー汚れ防止手段として該センサ近傍、もしくは該センサに接する位置に電気的にフロート状態の部材を設置することとした(請求項7)。
(8). 回転する像担持体に形成した潜像を現像手段によりトナー画像化する作像装置を複数有していて、これら各作像部で作成されたトナー画像を転写部でベルト状をした中間転写体に順次重ねて重ねトナー画像を形成する画像形成装置において、前記中間転写体に対向する位置にセンサを設置する場合、該センサのトナー汚れ防止手段として該センサ近傍、もしくは該センサに接する位置に電気抵抗器を介した部材を設置することとした(請求項8)。
(9). 回転する像担持体に形成した潜像を現像手段によりトナー画像化する作像装置を複数有していて、これら各作像部で作成されたトナー画像を転写部でベルト状をした中間転写体に順次重ねて重ねトナー画像を形成する画像形成装置において、前記中間転写体に対向する位置にセンサを設置する場合、該センサのトナー汚れ防止手段として該センサ近傍、もしくは該センサに接する位置にツェナダイオードを介した部材を設置することとした(請求項9)。
(10). 回転する像担持体に形成した潜像を現像手段によりトナー画像化する作像装置を複数有していて、これら各作像部で作成されたトナー画像を転写部でベルト状をした中間転写体に順次重ねて重ねトナー画像を形成する画像形成装置において、前記中間転写体に対向する位置にセンサを設置する場合、該センサのトナー汚れ防止手段として該センサ近傍、もしくは該センサのカバーの近傍に電気的に切り離した状態でトナーと逆極性の電位を持たせた部材を設置することとした(請求項10)。
(11). トナーを担持して回転するベルト状をした回転体に対向する位置にセンサを設置している画像形成装置において、前記ベルト状をした回転体に対向する位置にセンサを設置する場合、該センサのトナー汚れ防止手段として請求項1乃至10の何れか一つに記載の、センサのトナー汚れ防止手段に係る構成を適用した(請求項11)。
(12). 回転する像担持体に形成した潜像を現像手段によりトナー画像化する作像装置を複数、無端ベルト状の第1中間転写体に沿わせて配置すると共に、該第1中間転写体の一端側にベルト状の第2中間転写体を対向して配置し、前記各作像部で作成されたトナー画像を前記第1中間転写体に順次重ねて先行片面画像を形成してこの先行片面画像を前記第2中間転写体に一括転写して保持し、次いで、前記第1中間転写体にトナー画像を順次重ねて後行片面画像を形成し、前記第1中間転写体と前記第2中間転写体との対向領域で形成される転写域を通るシート状媒体の片面に前記先行片面画像、該シート状媒体の他の片面に前記後行片面画像をそれぞれ一括転写して両面画像を得る画像形成装置において、前記第2中間転写体に対向する位置にセンサを設置する場合、該センサのトナー汚れ防止手段として(1)乃至(10)の何れか一つに記載の、センサのトナー汚れ防止手段に係る構成を適用した(請求項12)。
(13).(1)乃至(12)の何れか一つに記載の画像形成装置において、前記中間転写体又は前記ベルト状をした回転体の体積抵抗が108[Ω・cm]以上であることとした(請求項13)。
【0019】
【発明の実施の形態】
[1] タンデム式間接方式の画像形成装置概要
以下の説明においてはタンデム式の説明を行うが、本発明はタンデム式に限定されるものではなく、中間転写体を使用する画像形成装置に対して有効である。タンデム型の電子写真装置には、図20に示すように、回転する像担持体としての感光体40に帯電手段7により帯電した後、その感光体40に書込み光Lを照射して形成した潜像を現像手段61によりトナー画像化する作像装置18を複数、無端ベルト状の中間転写体10に沿わせて配置し、これら各作像部18で作成されたトナー画像を1次転写手段62が配置された転写部で中間転写体10に順次重ねて重ねトナー画像を形成し、この中間転写体10上の画像を2次転写ベルト24によりシート状媒体sに一括転写する間接転写方式のものと、図21に示すように、各作像装置18における感光体40上のトナー画像を転写手段62’により、シート搬送ベルト3で搬送されるシート状媒体sに順次転写する直接転写方式のものとがある。転写後の残トナーは感光体クリーニング装置63により除去される。
【0020】
直接転写方式のものと間接転写方式のものとを比較すると、直接転写方式(図21)は、複数の作像装置18を並べたタンデム型画像形成装置Tの上流側に給紙装置6を、下流側に定着装置25を配置しなければならず、大型化する欠点がある。
【0021】
これに対し、間接転写方式(図20)は、2次転写ベルト24の位置を比較的自由に設置することができるから、レジストローラ49を含む給紙手段及び定着装置25をタンデム型画像形成装置Tと重ねて配置することができ、小型化が可能となる利点がある。
【0022】
また、直接転写方式(図21)は、大型化しないように定着装置25をタンデム型画像形成装置Tに接近して配置することとなるから、シート状媒体sがたわむことができる十分な余裕をもって定着装置25を配置することができず、シート状媒体sの先端が定着装置25に進入するときの衝撃とか定着装置25を通過するときのシート搬送速度差とかで、定着装置25が後端側の画像形成に影響を及ぼす欠点がある。
【0023】
これに対し、間接転写方式(図20)は、シート状媒体sが撓むことができる十分な余裕をもって定着装置25を配置することができるから、定着装置25が殆ど画像形成に影響を及ぼさないようにすることができる。
このようなことから、最近は、電子写真方式のタンデム型画像形成装置の中の、特に間接転写方式のものが注目されてきている。
【0024】
この種のカラー電子写真装置では、図20に示すように、1次転写手段62による1次転写後に感光体1上に残留する転写残トナーを、感光体クリーニング装置63で除去して感光体1表面をクリーニングし、再度の画像形成に備える。また、図20に示すように2次転写ベルト24による2次転写後に中間転写体10上に残留する転写残トナーを、中間転写体クリーニング装置9で除去して中間転写体4表面をクリーニングし、再度の画像転写に備える。
【0025】
[2] タンデム式間接転写方式の画像形成装置詳細
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の形態を説明する。
図14は、この発明が適用されるカラーの画像形成装置の一実施形態を示すもので、タンデム型間接転写方式を採用しており、図中符号100は複写機本体、符号200はそれを載せる給紙テーブル、符号300は複写機本体100上に取り付けるスキャナ、400はさらにその上に取り付ける原稿自動搬送装置(ADF)である。
【0026】
複写機本体100には、中央に、無端ベルト状の中間転写体10を設けている。中間転写体10は、図15に示すように、ベース層11を、例えばフッ素樹脂や帆布などののびにくい材料でつくり、その上に弾性層12を設けている。弾性層12は、例えばフッ素ゴムやアクリロニトリル−ブタジェン共重合ゴムなどでつくる。この弾性層12の表面は、例えばフッ素系樹脂をコーティングして平滑性のよいコート層13で被ってなる。
【0027】
図14に示すとおり、中間転写体10は、3つのローラ14、15、16に掛け回して支持されていて、図中時計回りに回転搬送可能とする。この図示例では、3つのローラのうち、第2のローラ15の左に、画像転写後に中間転写体10上に残留する残留トナーを除去する中間転写体クリーニング装置17を設けている。
【0028】
3つのローラの中の第1のローラ14と第2のローラ15間に張り渡した中間転写体10上には、その搬送方向に沿って、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロの4つの作像装置18を横に並べて配置してタンデム画像形成装置20を構成している。このタンデム画像形成装置20の上には、図14に示すように、さらに露光装置21を設けている。
【0029】
一方、中間転写体10を挟んでタンデム画像形成装置20と反対の側には、2次転写装置22を備える。2次転写装置22は、図示例では、2つのローラ23、23間に、無端ベルトである2次転写ベルト24を掛け渡して構成し、中間転写体10を介して第3のローラ16に押し当てて配置し、中間転写体10上の画像をシート状媒体に転写する。
【0030】
2次転写装置22の横には、シート状媒体上の転写画像を定着する定着装置25を設けている。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26に加圧ローラ27を押し当てて構成する。
【0031】
上述した2次転写装置22には、画像転写後のシート状媒体をこの定着装置25へと搬送するシート搬送機能も備えている。勿論、2次転写装置22として、非接触のチャージャを配置してもよく、そのような場合は、このシート搬送機能を併せて備えることは難しくなるので、別途、シート搬送用のベルトを設ける。
【0032】
なお、図示例では、このような2次転写装置22および定着装置25の下に、上述したタンデム画像形成装置20と平行に、シートの両面に画像を記録すべくシートを反転するシート反転装置28を備えている。
【0033】
さて、いまこのカラー画像形成装置を用いてコピーをとるときは、原稿自動搬送装置400の原稿台30上に原稿をセットする。または、原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じてそれで押さえる。
【0034】
そして、不図示のスタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットしたときは、原稿を搬送してコンタクトガラス32上へと移動して後、他方、コンタクトガラス32上に原稿をセットしたときは、直ちにスキャナ300を駆動し、第1走行体33および第2走行体34を走行する。
【0035】
そして、第1走行体33で光源から光を発射するとともに原稿面からの反射光をさらに反射して第2走行体34に向け、第2走行体34のミラーで反射して結像レンズ35を通して読取りセンサ36に入れ、原稿内容を読み取る。
【0036】
また、不図示のスタートスイッチを押すと、不図示の駆動モータでローラ14、15、16の1つを回転駆動し、他の2つのローラが従動回転し、中間転写体10を回転させて搬送する。同時に、個々の画像形成手段18でその感光体40を回転させて各作像装置18の各感光体40上にそれぞれ、ブラック、イエロ、マゼンタ、シアンの単色画像を形成する。
【0037】
そして、中間転写体10の搬送とともに、中間転写体10を間にして各感光体40に対向してそれぞれ設けられた1次転写手段62の機能により、これら各感光体40に形成された単色画像を順次転写して中間転写体10上に合成カラー画像を形成する。
【0038】
一方、不図示のスタートスイッチを押すと、給紙テーブル200の給紙ローラ42の1つを選択回転し、ペーパーバンク43に多段に備える給紙カセット44の1つからシートを繰り出し、分離ローラ45で1枚ずつ分離して給紙路46に入れ、搬送ローラ47で搬送して複写機本体100内の給紙路48に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。
【0039】
または、給紙ローラ50を回転して手差しトレイ51上のシートを繰り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。
【0040】
そして、中間転写体10上の合成カラー画像の移動にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転し、中間転写体10と2次転写装置22との間にシートを送り込み、2次転写装置22で中間転写体10上の重ねカラー画像をシート状媒体上に転写することで、フルカラー画像を記録する。
【0041】
フルカラートナー画像転写後のシート状媒体は、2次転写装置22で搬送されて定着装置25へ送り込まれ、定着装置25で熱と圧力とを加えられて転写画像が定着され、その後、切換爪55で切り換えられて排出ローラ56で排出され、排紙トレイ57上にスタックされる。
【0042】
または、切換爪55で切り換えられてシート反転装置28に入れられ、そこで反転されて再び転写位置へと導かれ、裏面にも画像が記録されて後、排出ローラ56で排紙トレイ57上に排出される。
【0043】
一方、画像転写後の中間転写体10は、画像転写後に中間転写体10上に残留する残留トナーを中間転写体クリーニング装置17で除去し、タンデム画像形成装置20による再度の画像形成に備えられる。
【0044】
ここで、レジストローラ49には、導電性ゴムローラを用い、バイアスを印加する。レジストローラ49は径φ18で、表面を1mm厚みの導電性NBRゴムとする。電気抵抗はゴム材の体積抵抗で10E9Ωcm程度であり、印加電圧はトナーを転写する側(表側)には−850V程度の電圧が印加されている。
【0045】
紙裏面側は+200V程度の電圧が印加されているが、特に裏面の紙粉転写を考慮する必要が少ない場合にはアースになっていても良い。また、印加電圧として、DCバイアスが印加されているが、これはDCオフセット成分を持ったAC電圧でも良い。
【0046】
AC重畳DCバイアスの方が紙表面を均一に帯電することができる。レジストローラ49を通過した後の紙表面は若干マイナス側に帯電している。よって、中間転写体10からシートへの転写では、レジストローラ49に電圧を印加しなかった場合に比べて転写条件が変わる場合があるので注意が必要である。
【0047】
さて、上述したタンデム画像形成装置20において、個々の画像形成手段18は、詳しくは、例えば図16に示すように、ドラム状の感光体40のまわりに、帯電手段60、現像手段61、1次転写手段62、感光体クリーニング装置63、除電装置64などを備えてなる。感光体40は、図示例では、アルミニウム等の素管に、感光性を有する有機感光材を塗布し、感光層を形成したドラム状であるが、無端ベルト状であってもよい。
【0048】
図示省略するが、少なくとも感光体40を設け、作像装置18を構成する部分の全部または一部でプロセスカートリッジを形成し、複写機本体100に対して一括して着脱自在としてメンテナンス性を向上するようにしてもよい。
【0049】
作像装置18を構成する部分のうち、帯電装置60は、図示例ではローラ状につくり、感光体40に接触して電圧を印加することによりその感光体40の帯電を行う。
【0050】
現像手段61は、一成分現像剤を使用してもよいが、図示例では、磁性キャリアと非磁性トナーとよりなる二成分現像剤を使用する。そして、その二成分現像剤を攪拌しながら搬送して現像スリーブ65に付着する攪拌部66と、その現像スリーブ65に付着した二成分現像剤のうちのトナーを感光体40に転移する現像部67とで構成し、その現像部67より攪拌部66を低い位置とする。
【0051】
攪拌部66には、平行な2本のスクリュ68を設ける。2本のスクリュ68の間は、両端部を除いて仕切り板69で仕切る(図19参照)。また、現像ケース70にトナー濃度センサ71を取り付ける。
【0052】
一方、現像部67には、現像ケース70の開口を通して感光体40と対向して現像スリーブ65を設けるとともに、その現像スリーブ65内にマグネット72を固定して設ける。また、その現像スリーブ65に先端を接近してドクタブレード73を設ける。図示例では、ドクタブレード73と現像スリーブ65間の最接近部における間隔は、500μmに設定してある。
【0053】
2成分現像剤を2本のスクリュ68で攪拌しながら搬送循環し、現像スリーブ65に供給する。現像スリーブ65に供給された現像剤は、マグネット72により汲み上げて保持し、現像スリーブ65上に磁気ブラシを形成する。磁気ブラシは、現像スリーブ65の回転とともに、ドクタブレード73によって適正な量に穂切りする。切り落とされた現像剤は、攪拌部66に戻される。
【0054】
他方、現像スリーブ65上の現像剤のうちトナーは、現像スリーブ65に印加する現像バイアス電圧により感光体40に転移してその感光体40上の静電潜像を可視像化する。可視像化後、現像スリーブ65上に残った現像剤は、マグネット72の磁力がないところで現像スリーブ65から離れて攪拌部66に戻る。この繰り返しにより、攪拌部66内のトナー濃度が薄くなると、それをトナー濃度センサ71で検知して攪拌部66にトナー補給する。
【0055】
ちなみに、図示例では、感光体40の線速を200mm/s、現像スリーブ65の線速を240mm/sとしている。感光体40の直径を50mm、現像スリーブ65の直径を18mmとして、現像工程が行われる。現像スリーブ65上のトナー帯電量は、−10〜−30μC/gの範囲である。感光体40と現像スリーブ65の間隙である現像ギャップGPは、従来の0.8mmから0.4mmの範囲で設定でき、値を小さくすることで現像効率の向上を図ることが可能である。
【0056】
感光体40の厚みを30μmとし、光学系のビームスポット径を50×60μm、光量を0.47mWとしている。また、感光体40の帯電(露光前)電位V0を−700V、露光後電位VLを−120Vとして現像バイアス電圧を−470Vすなわち現像ポテンシャル350Vとして現像工程が行われるものである。
【0057】
次に、1次転写手段62は、ローラ状とし、中間転写体10を挟んで感光体40に押し当てて設ける。別に、ローラ状に限らず、非接触のコロナチャージャなどであってもよい。
【0058】
感光体クリーニング装置63は、先端を感光体40に押し当てて、例えばポリウレタンゴム製のクリーニングブレード75を備えるとともに、外周を感光体40に接触して導電性のファーブラシ76を矢示方向に回転自在に備える。また、ファーブラシ76にバイアスを印加する金属製電界ローラ77を矢示方向に回転自在に備え、その電界ローラ77にスクレーパ78の先端を押し当てる。さらに、除去したトナーを回収する回収スクリュ79を設ける。
【0059】
感光体40に対してカウンタ方向に回転するファーブラシ76で、感光体40上の残留トナーを除去する。ファーブラシ76に付着したトナーは、ファーブラシ76に対して接触してカウンタ方向に回転する電界ローラ77でバイアスを印加して取り除く。電界ローラ77は、スクレーパ78でクリーニングする。感光体クリーニング装置63で回収したトナーは、回収スクリュ79で感光体クリーニング装置63の片側に寄せ、詳しくは後述するトナーリサイクル装置80で現像装置61へと戻して再利用する。
【0060】
除電装置64は、例えばランプであり、光を照射して感光体40の表面電位を初期化する。そして、感光体40の回転とともに、まず帯電装置60で感光体40の表面を一様に帯電し、次いでスキャナ300の読取り内容に応じて上述した露光装置21からレーザやLED等による書込み光Lを照射して感光体40上に静電潜像を形成する。
【0061】
その後、現像装置61により静電潜像にトナーを付着してその静電潜像を可視像化し、その可視像を1次転写手段62で中間転写体10上に転写する。画像転写後の感光体40の表面は、感光体クリーニング装置63で残留トナーを除去して清掃し、除電装置64で除電して再度の画像形成に備える。
【0062】
図17は、図14に示したカラー画像形成装置の要部拡大図である。同図においては、タンデム画像形成装置20の各画像形成手段18、その画像形成手段18の各感光体40、各現像装置61、各感光体クリーニング装置63、および各画像形成手段18の感光体40にそれぞれ対向して設ける各1次転写手段62の各符号の後に、それぞれブラックの場合はBK、イエロの場合はY、マゼンタの場合はM、シアンの場合はCの各符号を添えて示す。
【0063】
なお、図17中符号74は、図14および図16では図示省略するが、各1次転写装置62間において、中間転写体10のベース層11側に接触して設ける導電性ローラである。この導電性ローラ74は、転写時に各1次転写装置62により印加するバイアスが、中抵抗のベース層11を介して隣りの各画像形成手段18に流れ込むことを阻止するものである。
【0064】
また、ローラ16とローラ14間の中間転写体10の内側に接するように設けたローラ152及びローラ14には、トナー画像を中間転写体10に保持しておくため、トナー(―)と逆極性(+)の電圧を電源150により印加している。
【0065】
次に、図18及び図19には、トナーリサイクル装置80を示す。図18に示すとおり、感光体クリーニング装置63の回収スクリュ79には、一端に、ピン81を有するローラ部82を設ける。そして、このローラ部82に、トナーリサイクル装置80のベルト状回収トナー搬送部材83の一側を掛け、その回収トナー搬送部材83の長孔84にピン81を入れる。回収トナー搬送部材83の外周には一定間隔置きに羽根85を設けてなり、その他側は、回転軸86のローラ部87に掛ける。
【0066】
回収トナー搬送部材83は、回転軸86とともに、図19に示す搬送路ケース88内に入れる。搬送路ケース88は、カートリッジケース89と一体につくり、その現像手段61側の端部に、現像手段61の前述した2本のスクリュ68の1本を入れてなる。
【0067】
外部から駆動力を伝達して回収スクリュ79を回転するとともに、回収トナー搬送部材83を回転搬送し、感光体クリーニング装置63で回収したトナーを搬送路ケース88内を通して現像手段61へと搬送し、スクリュ68の回転で現像手段61内に入れる。その後、上述したとおり、2本のスクリュ68ですでに現像手段61内にある現像剤とともに攪拌しながら搬送循環し、現像スリーブ65に供給してドクタブレード73により穂切りして後、感光体40に転移してその感光体40上の潜像を現像する。
【0068】
トナーは、ポリエステル、ポリオ−ル、スチレンアクリル等の樹脂に帯電制御剤(CCA)、色剤を混合し、その周りにシリカ、酸化チタン等の物質を外添することでその帯電特性、流動性を高めている。添加剤の粒径は、通常、0.01〜1.5[μm]の範囲である。色剤は、カ−ボンブラック、フタロシアニンブル−、キナクリドン、カ−ミン等を挙げることができる。帯電極性は、図示例では負帯電である。
【0069】
トナーは、ワックス等を分散混合させた母体トナーに上記種類の添加剤を外添しているものも使用することができる。ここまでの説明で、トナーは、粉砕法で作成されたものであるが、重合法等で作成したものも使用可能である。一般に重合法、加熱法等で作成されたトナーは、形状係数を90%以上に形成することが可能で、さらに形状による添加剤の被覆率も極めて高くなる。
【0070】
ここで、形状係数は、本来ならば球形度となって、「粒子と同体積の球の表面積/実粒子の表面積*100%」で定義されるが、測定がかなり困難になるので、円形度で算出する。その定義は、「粒子と同じ投影面積を持つ円の周長/実粒子の投影輪郭長さ×100%」とする。そうすると、投影された円が真円に近づくほど、100%に近づくことになる。
【0071】
トナーの体積平均粒径の範囲は、3〜12μmが好適である。図示例では、6μmとし、1200dpi以上の高解像度の画像にも十分対応することが可能である。
【0072】
磁性粒子は、金属または樹脂をコアとしてフェライト等の磁性材料を含有し、表層はシリコン樹脂等で被覆されたものである。粒径は、20〜50μmの範囲が良好である。また、抵抗は、ダイナミック抵抗で104〜106Ωの範囲が最適である。ただし、測定方法は、磁石を内包したローラ(φ20;600RPM)に坦持して、幅65mm、長さ1mmの面積の電極をギャップ0.9mmで当接させ、耐圧上限レベル(高抵抗シリコンコートキャリアでは400Vから鉄粉キャリアでは数V)の印加電圧を印加した時の測定値である。
【0073】
現像スリーブ65は、非磁性の回転可能なスリーブ状の形状を持ち、内部には複数のマグネット72を配設している。マグネット72は、固定されているために現像剤が所定の場所を通過するときに磁力を作用させられるようになっている。図示例では、現像スリーブ65の直径をφ18とし、表面はサンドブラストまたは1〜数mmの深さを有する複数の溝を形成する処理を行い10〜30μmRZの範囲に入るようにあらしている。
【0074】
マグネット72は、ドクタブレード73の箇所から現像スリーブ65の回転方向にN1、S1、N2、S2、S3の5磁極を有する。マグネット72で形成された(トナー+磁性粒子)は、現像剤として現像スリーブ65上に坦持され、トナーは、磁性粒子と混合されることで規定の帯電量を得る。図示例では、−10〜−30[μC/g]の範囲が好適である。現像スリーブ65は、現像剤の磁気ブラシを形成した、マグネット72のS1側の領域に、感光体40に対向して配設されている。
【0075】
ところで、図示例では、図17に示すように、中間転写体クリーニング装置17に、クリーニング部材として2つのファーブラシ90、91を設ける。ファーブラシ90、91は、φ20mm、アクリルカーボン、6.25D/F、10万本/inch2、E+7Ωのものを使用し、中間転写体10に対して接触してカウンタ方向に回転するように設ける。そして、それぞれのファーブラシ90、91には、各々異なる極性のバイアスを印加する。
【0076】
そのようなファーブラシ90、91には、それぞれ金属ローラ92、93を接触して順方向に回転するように設ける。そして、この例では、中間転写体10の回転方向上流側の金属ローラ92に電源94から(−)電圧を印加し、下流側の金属ローラ93に電源95から(+)電圧を印加する。これらの金属ローラ92、93には、それぞれブレード96、97の先端を押し当てる。
【0077】
中間転写体10の矢示方向への回転とともに、はじめ上流側のファーブラシ90を用いて例えば(−)のバイアスを印加して中間転写体10表面のクリーニングを行う。仮に、金属ローラ92に−700V印加すると、ファーブラシ90は−400Vとなり、中間転写体10上の(+)トナーをファーブラシ90側に転移する。除去したトナーをさらに電位差によりファーブラシ90から金属ローラ92に転移し、ブレード96により掻き落とす。
【0078】
ファーブラシ90で中間転写体10上のトナーを除去するが、中間転写体10上にはまだ多くのトナーが残っている。それらのトナーは、ファーブラシ90に印加される(−)のバイアスにより、(−)に帯電される。これは、電荷注入または放電により帯電されるものと考えられる。
【0079】
しかし、次いで下流側のファーブラシ91を用いて今度は(+)のバイアスを印加してクリーニングを行うことにより、それらのトナーを除去することができる。除去したトナーは、電位差によりファーブラシ91から金属ローラ93に転移し、ブレード97により掻き落とす。ブレード96、97で掻き落としたトナーは、不図示のタンクに回収する。トナーリサイクル装置を用いて現像手段61に戻すようにしてもよい。
【0080】
ファーブラシ91でクリーニング後は、ほとんどのトナーが除去されるが、中間転写体10上にはまだ少しのトナーが残っている。それらのトナーは、ファーブラシ91に印加される(+)のバイアスにより、(+)に帯電される。しかし、2つのファーブラシ90、91で除去できずに中間転写体10上にトナーが残ったときにも、ブラックの1次転写位置で感光体40BK側に逆転写して感光体クリーニング装置63BKで回収することができる。
【0081】
[3]中間転写体
中間転写体として利用されるベルトは、従来からフッ素系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂等が使用されてきていたが、近年ベルトの全層や、ベルトの一部を弾性部材にした弾性ベルトが使用されてきている。
【0082】
樹脂ベルトを用いたカラー画像の転写は以下の課題がある。カラー画像は通常4色の着色トナーで形成される。1枚のカラー画像には、1層から4層までのトナー層が形成されている。
【0083】
トナー層は1次転写(感光体から中間転写ベルトへの転写)や、2次転写(中間転写ベルトからシート状媒体への転写)を通過することで圧力を受け、トナー同士の凝集力が高くなる。トナー同士の凝集力が高くなると文字の中抜けやベタ部画像のエッジ抜けの現象が発生しやすくなる。
【0084】
樹脂ベルトは硬度が高くトナー層に応じて変形しないため、トナー層を圧縮させやすく文字の中抜け現象が発生しやすくなる。また、最近はフルカラー画像を様々な用紙、例えば和紙や意図的に凹凸を付けや用紙に画像を形成したいという要求が高くなってきている。しかし、平滑性の悪い用紙は転写時にトナーと空隙が発生しやすく、転写抜けが発生しやすくなる。密着性を高めるために2次転写部の転写圧を高めると、トナー層の凝縮力を高めることになり、上述したような文字の中抜けを発生させることになる。
【0085】
弾性ベルトは次の狙いで使用される。
弾性ベルトは樹脂ベルトより硬度が低いため、転写部でトナー層、平滑性の悪い用紙に対応して変形する。つまり、局部的な凹凸に追従して弾性ベルトは変形するため、過度にトナー層に対して転写圧を高めることなく、良好な密着性が得られ文字の中抜けの無い、平面性の悪い用紙に対しても均一性の優れた転写画像を得ることができる。
【0086】
弾性ベルトの樹脂はポリカーボネート、フッ素系樹脂(ETFE、PVDF)、ポリスチレン、クロロポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体(スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体及びスチレン−アクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体(スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂(スチレンまたはスチレン置換体を含む単重合体または共重合体)、メタクリル酸メチル樹脂、メタクリル酸ブチル樹脂、アクリル酸エチル樹脂、アクリル酸ブチル樹脂、変性アクリル樹脂(シリコーン変性アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂変性アクリル樹脂、アクリル・ウレタン樹脂等)、塩化ビニル樹脂、スチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニリデン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂及びポリビニルブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、変性ポリフェニレンオキサイド樹脂等からなる群より選ばれる1種類あるいは2種類以上を使用することができる。ただし、上記材料に限定されるものではないことは当然である。
【0087】
弾性材ゴム、エラストマーとしては、ブチルゴム、フッ素系ゴム、アクリルゴム、EPDM、NBR、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンゴム天然ゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレンターポリマー、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ウレタンゴム、シンジオタクチック1、2−ポリブタジエン、エピクロロヒドリン系ゴム、リコーンゴム、フッ素ゴム、多硫化ゴム、ポリノルボルネンゴム、水素化ニトリルゴム、熱可塑性エラストマー(例えばポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリアミド系、ポリウレア、ポリエステル系、フッ素樹脂系)等からなる群より選ばれる1種類あるいは2種類以上を使用することができる。ただし、上記材料に限定されるものではないことは当然である。
【0088】
抵抗値調節用導電剤に特に制限はないが、例えば、カーボンブラック、グラファイト、アルミニウムやニッケル等の金属粉末、酸化錫、酸化チタン、酸化アンチモン、酸化インジウム、チタン酸カリウム、酸化アンチモン−酸化錫複合酸化物(ATO)、酸化インジウム−酸化錫複合酸化物(ITO)等の導電性金属酸化物、導電性金属酸化物は、硫酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の絶縁性微粒子を被覆したものでもよい。上記導電剤に限定されるものではないことは当然である。
【0089】
表層材料に制限はないが、転写ベルト表面へのトナーの付着力を小さくして2次転写性を高めるものが要求される。例えば、ポリウレタン、ポリエステル、エポキシ樹脂等の1種類あるいは2種類以上を使用し表面エネルギーを小さくし潤滑性を高める材料、たとえばフッ素樹脂、フッ素化合物、フッ化炭素、2酸化チタン、シリコンカーバイト等の粉体、粒子を1種類あるいは2種類以上または粒径を異ならしたものを分散させ使用することができる。また、フッ素系ゴム材料のように熱処理を行うことで表面にフッ素リッチな層を形成させ表面エネルギーを小さくさせたものを使用することもできる。
【0090】
ベルトの製造方法としては、以下の製法があるが、これに限定されるものではない。
a.回転する円筒形の型に材料を流し込みベルトを形成する遠心成型法
b.表層の薄い膜を形成させるスプレイ塗工法
c.円筒形の型を材料の溶液の中に浸けて引き上げるディッピング法
d.内型、外型の中に注入する注型法
e.円筒形の型にコンパウンドを巻き付け、加硫研磨を行う方法
これらの、複数の製法を組み合わせてベルトを製造することができるのは当然である。
【0091】
≪本例に使用した弾性ベルトの製造方法≫
PVDF 100重量部に対してカーボンブラック 18重量部 分散剤 3重量部 トルエン 400重量部を均一に分散させた分散液に円筒形の型を浸け10mm/secで静かに引き上げ室温にて乾燥をさせ75μmのPVDFの均一な膜を形成した。75μmの膜が形成されている型を繰り返し上記条件で溶液に円筒形の型を浸け10mm/secで静かに引き上げ室温乾燥させ150μmのPVDFベルトを形成した。これに、ポリウレタンフ゜レポリマー 100重量部、硬化剤(イソシアネート) 3重量部、 カーボンブラック20重量部、分散剤 3重量部、 MEK 500重量部を均一分散させた分散液に上記150μmPVDFが形成されている円筒形型を浸け30mm/secで引き上げを行い自然乾燥を行った。乾燥後繰り返しを行い狙いの150μmのウレタンポリマー層を形成させた。
【0092】
さらに表層用にポリウレタンプレポリマー100重量部、硬化剤(イソシアネート)3重量部、PTFE微粉末粉体50重量部、分散剤 4重量部 MEK 500重量部を均一分散させた。
上記150μmのウレタンプレポリマーが形成されている円筒形型を浸け30mm/secで引き上げを行い自然乾燥を行った。乾燥後繰り返しを行い5μmのPTFEが均一に分散されたウレタンポリマーの表層を形成させた。室温で乾燥後130°C、2時間の架橋を行い 樹脂層;150μm、弾性層;150μm、表層;5μmの3層構成転写ベルトを得た。
【0093】
弾性ベルトトして伸びを防止する方法として、上記実施例のように伸びの少ない芯体樹脂層にゴム層を形成する方法、芯体層に伸びを防止する材料を入れる方法等があるが、特に製法に関わるものではない。
【0094】
伸びを防止する芯体層を構成する材料は、例えば、綿、絹、などの天然繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、ポリウレタン繊維、ポリアセタール繊維、ポリフロロエチレン繊維、フェノール繊維などの合成繊維、炭素繊維、ガラス繊維、ボロン繊維などの無機繊維、鉄繊維、銅繊維などの金属繊維からなる群より選ばれる1種あるいは2種以上を用い織布状あるいは糸状のものができる。もちろん上記材料に限定されるものではない。
【0095】
糸は1本または複数のフィラメントを撚ったもの、片撚糸、諸撚糸、双糸等、どのような撚り方であってもよい。また、例えば上記材料群から選択された材質の繊維を混紡してもよい。もちろん糸に適当な導電処理を施して使用することもできる。
【0096】
一方織布は、メリヤス織り等どのような織り方の織布でも使用可能であり、もちろん交織した織布も使用可能であり当然導電処理を施すこともできる。芯体層を設ける製造方法は特に限定されるものではない、例えば筒状に織った織布を金型等に被せ、その上に被覆層を設ける方法、筒状に織った織布を液状ゴム等に浸漬して芯体層の片面あるいは両面に被覆層を設ける方法、糸を金型等に任意のピッチで螺旋状に巻き付け、その上に被覆層を設ける方法等を挙げることができる。
【0097】
弾性層の厚さは、弾性層の硬度にもよるが、厚すぎると表面の伸縮が大きくなり表層に亀裂の発生しやすくなる。又、伸縮量が大きくなることから画像に伸び縮みが大きくなること等から厚すぎることは好ましくない(およそ1mm以上)。
【0098】
弾性層の硬度の適正範囲は10≦HS≦65゜(JIS−A)である。ベルトの層厚によって最適硬度の調整は必要となる。 硬度10゜JIS−Aより下のものは寸法精度良く成形する事が非常に困難である。これは成型時に収縮・膨張を受け易い事に起因する。また柔らかくする場合には基材へオイル成分を含有させる事が一般的な方法であるが、加圧状態で連続作動させるとオイル成分が滲みだして来るという欠点を有している。
【0099】
これにより中間転写体表面に接触する感光体を汚染し横帯状ムラを発生させる事が分かった。一般的に離型性向上のために表層を設けているが、完全に浸みだし防止効果を与えるためには表層は耐久品質等要求品質の高いものになり、材料の選定、特性等の確保が困難になってくる。
【0100】
これに対して硬度65゜JIS−A以上のものは硬度が上がった分精度良く成形できるのと、オイル含有量を含まない、または少なく抑えることが可能となるので、感光体に対する汚染性は低減可能であるが、文字の中抜け等転写性改善の効果が得られなくなり、ローラへの張架が困難となる。
【0101】
ここで、中間転写ベルトの体積抵抗は一般的には109Ω・cm以上のものを使用する。また、転写チリ等の対策のため1012Ω・cm以上のベルトを使用することも多い。これら抵抗のベルトを使用した場合最終色を重ねた後、実験ではベルト電位は色重ねを行ったトナーベタ部分では−1200V、トナーのない白部においては−700V程度の電位を有することとなった。
【0102】
また実験の結果、最もトナー飛散を起こし易いのはベルトを張架しているローラとベルトの接触点近傍であった。接触点近傍にトナーに対する電界が飛散方向に強まるものと考えられる。またこれら抵抗のベルトを利用すると先にも示したがベルトのトナーが存在しない部位でさえ、−700V程度の電位を持ちこれら電位の反発力の影響も受けやすくなってしまう。
【0103】
また画像処理の新たなる問題も分かってきている。これはベタ画像より、ライン画像の方が電界が強くなる傾向があることに起因する。画像処理においては各色のドットを重ならないようにする誤差拡散法などがあるが、近年は画像の鮮明さなどの問題から線基調の万線パターンを使用することが増えてきている。この万線の場合は線基調のためトナー量の局所的な差が生じ、誤差拡散などより先に示した電界が強まる傾向がある。また電界はトナーを飛散させる方向に働く。これら画処理が加わった場合、更にトナー飛散がひどくなる新たなる問題もある。
【0104】
以下の各例では、中間転写体などベルトに対向してセンサを設ける例が開示されるが、その場合でも、該ベルト部分のうち、特に該ローラを支持するローラ部分においてベルト(中間転写体など)に対向してセンサを設ける例を主として挙げている。これは、ベルトを支持するローラについては、ベルトの表面変動が少なく、センサによる検知精度を得る上で好都合だから、というのが一つの理由である。また、レイアウト上の制約という理由もある。
【0105】
ちなみに、例えば、ローラで支持されたベルトの中間部分においては、ベルトクリーニング装置に対してベルトを接離するなどの関係で、テンションローラを可動とすることで、ベルトの表面位置が変動する構成となる場合が多く、該部にセンサを設置することはセンサの検知精度を得る上で好ましくない。
【0106】
[4] 請求項1の説明
図17の一部に相当する部位を示した図1において、中間転写体10に対向する位置にセンサ201を設置する場合、該センサ201のトナー汚れ防止手段として中間転写体10を張架するローラ14のローラ曲率面上に限定してセンサ201を設置する。センサ201に接続された回路205は、センサを機能状態におくための電気回路であり、センサに付帯して設けられるものを一般的に示したものである(以下、同様)。
【0107】
ローラ14に掛け回された中間転写体10は、ベルト状をなす該中間転写体10がローラ14と接し始める部位、離間し始める部位にそれぞれ相当する図1のA部とB部で飛散が激しく、これ以外の部位、例えば、A部を越えてローラ外周をめぐりB部の直前に至る部位では飛散が全くない。
これは、電位の急激な変化と関係があると考えられ、A部とB部でのトナー飛散およびA部からB部に至る曲率部におけるトナー飛散無しの現象は実機において本発明者により確認されている。
【0108】
図11は、図1のローラ14近傍の詳細図であり、該図11において、ローラ14ではA部を越えてローラの外周部をめぐりB部の直前に至る区間に相当する曲率部Lではトナーは全く飛散しない。曲率部Lの長さはローラ14の直径Dと中間転写体10の張られた角度θより次の(1式)のように表される。
【0109】
L=−D/2(θ―π) ただし 0<θ<π …(1式)
そこで、本例では、この曲率部Lの部位(但し、A部、B部は除く)に対向させてセンサ201を設置することで、トナーによるセンサの汚染を免れることができるようになった。
【0110】
図11に示した例では、ローラ14を頂点として対向するベルトが次第に互いの間隔を開いていく傾向の設定であったが、これとは逆に、図12に示した例では、ローラ14を頂点として掛けまわされことで対向する2つのベルト部がローラから離間するに従い次第に互いの間隔を狭めていく傾向の設定である。
【0111】
かかる図12に示した例の構成では、中間転写体10(ベルト)の張り方が図12のようにベルト状をなす該中間転写体10がローラ14と接し始める部位であるA部、離間し始める部位であるB部がローラ14の直径を越えている。
【0112】
図12においてA部をとおるローラ14の直径D上の他方の交点を通る接線Kに対して、中間転写体10が角度ηをなして内側に向かうとき、曲率部Lの長さは次の(2式)のように表される。
【0113】
L=D/2(η+π) ただし 0<η<π …(2式)
この曲率部Lの部位(但し、A部、B部を除く)にセンサ201を配置することにより中間転写体10上にトナーが多色重ねされ、飛散しやすい状態であっても飛散トナーがセンサ201に付着することはない。
【0114】
[5] 請求項2の説明
図17の一部に相当する部位を示した図2において、中間転写体10に対向する位置にセンサ201を設置する場合、該センサ201のトナー汚れ防止手段として該センサ201を覆うセンサカバー202にトナーと同極性の電位を持たせるように電源204を設置する。
【0115】
センサカバー202には、中間転写体(ベルト)10の表面電位と同極で同等以上(同等以下でも効果がある)の電圧を印加すると最も効果がある。例えば中間転写ベルト10上での重ねトナー像によるトナー堆積部のベルト電位が−1200Vだとしたらセンサカバー202を構成する導電材にはトナーと同極の負極、−1200Vより負に大きい電圧を印加する。
【0116】
また、センサカバー202を構成する導電材に印加する電圧については、その値を限定するものではないが、導電材から中間転写体10への放電等を考慮してなるべく絶対値を低く抑えることが望ましい。実機で確認したところベルト電位を超えない2kV近辺が最も効果的であることから2kV以下にすることにより副作用を少なく且つ効率的な飛散防止が行えることがわかった。
【0117】
[6] 請求項3の説明
図17の一部に相当する部位を示した図3において、中間転写体10に対向する位置にセンサ201を設置する場合、該センサ201のトナー汚れ防止手段としてセンサ201及びセンサを覆うセンサカバー202を含め、電気的なフロート状態にする。電気的なフロート状態にするとは、電気の流れがない状態にすることであり、本例ではセンサカバー202を絶縁材にする。或いは導電性であっても、絶縁材を介して支持部材に取り付けることで電気の流れが生じない状態とし、電気的なフロート状態を得る。
【0118】
中間転写体10には、転写トナー側のベルト表面電位が作り出す電界、つまり、重ねトナー像による電界があるが、電気的にフローとにすることで、センサカバー202がこの電界の電位と同極の同電位に近くなるため飛散したトナー(―)が同極であれば、電気的な反発力が作用するので、トナーはセンサ201に近づきにくくなる。
【0119】
[7] 請求項4の説明
図17の一部に相当する部位を示した図4において、中間転写体10に対向する位置にセンサ201を設置する場合、該センサ201のトナー汚れ防止手段として電気抵抗器を介して設置する。本例では、センサ201を覆うセンサカバー202に電気抵抗器204−1を介して接地している。
【0120】
中間転写体10には、転写トナー側のベルト表面電位が作り出す電界、つまり、重ねトナー像による電界があるが、この電界の電位と同極の電位が、電気抵抗器204にかかりこのためセンサカバー202が転写トナー側のベルト表面電位と同極の同電位に近くなるため、飛散したトナーがセンサカバー202ひいてはセンサ201に近づきにくくなる。
【0121】
電気抵抗器の抵抗値が高いほどトナー飛散を低減できる。抵抗値を極めて高くして絶縁状態にしてもよい。事実上、抵抗値無限大である導電部材を浮かす(電気的にフロート状態にする)。その場合には、前記請求項3に相当する。トナー飛散による汚染防止について高い効果を得る。なお、センサカバー202自体を絶縁材としても効果があることは既に述べた。
【0122】
[8] 請求項5の説明
図17の一部に相当する部位を示した図5において、中間転写体10に対向する位置にセンサ201を設置する場合、該センサ201のトナー汚れ防止手段としてセンサ201を覆うセンサカバー202を導電材で構成し、該センサかバー202にツェナダイオード204−2を介して接地する。
【0123】
これにより、転写トナー側のベルト表面電位が作り出す電界、つまり中間転写体10側の電界により、この電界の電位と同極(―)の電位が、ツェナダイオード204−2にかかり、このためセンサカバー202が転写トナー側のベルト表面電位と同極の同電位に近くなるため、飛散したトナーがセンサカバー202ひいてはセンサ201に近づきにくくなる。
【0124】
[9] 請求項6の説明
図17の一部に相当する部位を示した図6において、中間転写体10に対向する位置にセンサ201を設置する場合、該センサ201のトナー汚れ防止手段としてセンサ201を覆うセンサカバー202近傍にトナー(―)と同極性の電位(―)を持たせるように電源204−3を介した部材301を配置することによりトナーが近づきにくくする。部材301はセンサ201或いはセンサカバーに接して設けてもよい。
【0125】
[10] 請求項7の説明
図17の一部に相当する部位を示した図7において、中間転写体10に対向する位置にセンサ201を設置する場合、該センサ201のトナー汚れ防止手段としてセンサ201を覆うセンサカバー202近傍に電気的にフロート状態の部材301−1を設置しても効果がある。部材301は絶縁材がよい。
【0126】
転写トナー側のベルト表面電位が作り出す電界、つまり、中間転写体10側の電界により、部材301−1がこの電界の電位と同極(―)の同電位に近くなるため飛散したトナー(―)がセンサ近傍の部材301−1に近づきにくくなるので、センサ201もトナー飛散から免れる。
【0127】
[11] 請求項8の説明
図17の一部に相当する部位を示した図8において、中間転写体10に対向する位置にセンサ201を設置する場合、該センサ201のトナー汚れ防止手段としてセンサ201を覆うセンサカバー202近傍に電気抵抗器204―4を介して接地した部材301−2を設置しても効果がある。
【0128】
これにより、転写トナー側のベルト表面電位が作り出す電界、つまり、中間転写体10側の電界により、この電界の電位と同極(―)の電位が、電気抵抗器204−4にかかりこのため部材301−2が転写トナー側のベルト表面電位と同極(―)の同電位に近くなるため、飛散したトナーが部材301−1ひいてはセンサ201に近づきにくくなる。
【0129】
[12] 請求項9の説明
図17の一部に相当する部位を示した図9において、中間転写体10に対向する位置にセンサ201を設置する場合、該センサ201のトナー汚れ防止手段としてセンサ201を覆うセンサカバー202近傍にトナー(―)と同極性(―)の電位を持たせるように、ツェナダイオード204−5を介して接地した部材301−3を設置しても効果がある。
【0130】
これにより、転写トナー側のベルト表面電位が作り出す電界、つまり、中間転写体10側の電界により、この電界の電位と同極(―)の電位が、ツェナダイオード204−5にかかり、このため部材301−3が転写トナー側のベルト表面電位と同極(―)の同電位に近くなるため飛散したトナーが該部材301−3に近づきにくくなり、ひいてはセンサ201にもトナーが近づきにくくなる。
【0131】
[13] 請求項10の説明
図17の一部に相当する部位を示した図10において、中間転写体10に対向する位置にセンサ201を設置する場合、該センサ201のトナー汚れ防止手段としてセンサ201を覆うセンサカバー202近傍にトナー(―)と逆極性(+)の電位を持たせるように電源204−6を介した部材の301−4を配置した。
【0132】
これにより、センサ201に付着するはずの飛散したトナー(―)が部材301−4に引き寄せられる。これにより、トナーがセンサ201に近づきにくくなり、飛散したトナーがセンサカバー202ひいてはセンサ201に近づきにくくなる。
【0133】
[14] 請求項11の説明
これまでの説明では、中間転写ベルト10に対向して設けたセンサに対するトナーの飛散による汚染防止であった。帯電したトナーを担持して回転するベルト状の回転体を有する画像形成装置において、かかる回転体に対向してセンサを設ける場合には、これまで説明したトナー汚れ防止手段を適用することで、該センサの汚れを防止することができる。
【0134】
かかるベルト状の回転体としては、例えば、図21で説明した直接転写方式におけるシート搬送ベルト3を挙げることができる。かかるシート搬送ベルト3においても、該ベルトの両端部がローラ120、121で支持されている。
【0135】
シート搬送ベルト3にはシート状媒体が載置されて搬送され、4つの作像装置18の最下流側の作像装置を通過した状態で重ねトナー像が形成されるが、シート搬送ベルト3上であって該シート状媒体の外側にも若干のトナー付着があり、かかるトナーの飛散により、例えばローラ120に対向してセンサを設置する場合には、これまでの説明における中間転写体10に対向して設けたセンサのトナー汚染と同じ問題が生じ得る。その場合において、これまで説明した[4]〜[13]の例に準じてトナー汚れ防止手段を適用することで、該センサの汚れを防止することができる。
【0136】
また、中間転写ベルトを使用するカラー画像形成装置として、前記したようなタンデム方式の画像形成装置でなく、ドラム状をした感光体を1個設け、かつ、該感光体に対向してローラで支持されたベルト状の中間転写体を設けた構成とし、該感光体の周りには電子写真プロセス用の各部材を設け、現像手段として多色現像用の所謂リボルバー型の現像装置を設置することで、該感光体の1回転毎に該リボルバー型の現像装置により単色のトナー像をつくり、このトナー像を該中間転写体に転写するという工程を、シアン、マゼンタ、イエロ、ブラックの各色ごとに繰返すことで、中間転写体上に重ねトナー像を形成し、該トナー画像をシート状媒体に一括転写してフルカラー画像を得るカラー画像形成装置がある。
【0137】
かかる画像形成装置における中間転写体についても、これまで説明した中間転写体10と機能的、構成的に変わらないので、該中間転写体に対向してセンサを設ける場合には、これまで説明した[4]〜[13]の例に準じてトナー汚れ防止手段を適用することで、該センサの汚れを防止することができる。
【0138】
さらに、中間転写体に限らず、電子写真プロセスで画像形成する画像形成装置において、感光体をローラで支持するベルト状の回転体で構成する例があり、かかる回転体についても、これに対向してセンサを設置する場合については、これまで説明した[4]〜[13]の例に準じてトナー汚れ防止手段を適用することで、該センサの汚れを防止することができる。
【0139】
[15] 請求項12の説明
図13に示すカラーの画像形成装置は、両面画像形成を可能とするタイプである。基本的には、前記図14に示した画像形成装置と共通の構成部分を具備している。
【0140】
かかる画像形成装置について、両面画像の形成プロセスを画像形成装置の構成と共に説明する。
図13において、回転する像担持体としての感光体40に形成した潜像を現像手段61によりトナー画像化する作像装置18を4つ、無端ベルト状の第1中間転写体10−1に沿わせて配置する構成を具備する。第1中間転写体10−1は、ローラ14、15、16により支持されて回転可能である。
【0141】
作像装置18の構成は、前記図14における構成に準じているので、同じ符号で表示している。また、作像装置18の内部構成については、帯電手段60、現像手段61、感光体クリーニング装置63などについて、繁雑を避けるため、任意の1つの作像装置18について、図14におけるものと同じ符号で示している。
【0142】
各作像装置18の下方には、各感光体40に書込み光Lを照射して静電潜像を形成する露光装置21が設けられている。各感光体40に形成された静電潜像はそれぞれの感光体に設けた現像手段61により所定の色(シアン、マゼンタ、イエロ、ブラックの対応する色)のトナーにより可視像化され、単色のトナー画像が形成される。
【0143】
各感光体40と対向する部位には、第1中間転写体10−1を間にして1次転写手段62が配置されており、回転する第1中間転写体10−1には、回転に従い、順次、単色のカラートナー画像が重ね転写されフルカラーのトナー画像が形成される。
【0144】
つまり、各作像部18で作成された単色のトナー画像は第1中間転写体10−1に順次重ねて転写されてトナー画像となり、このトナー画像を先行片面画像と称する。
【0145】
ここで、第1中間転写体10−1の一端側には、ベルト状の第2中間転写体10−2が、第1中間転写体10−1の張設方向(水平方向)に交差する張設方向をなして、第1中間転写体10−1を一端側で支持するローラ16に対向近接する状態で、ローラ130、131などに支持されて回転可能に配置されている。
【0146】
第2中間転写体10−2について、ローラ16と対向する部位を挟むようにして、該ベルトの内側には2次転写手段としての転写ローラ122、123が配置されていて転写領域を構成している。該転写領域において該転写ローラ122、123により与えられるバイアス電圧により、前記先行片面画像は第2中間転写体10−2に一括転写して保持される。
【0147】
次いで、第1中間転写体10−1に対して、各作像装置18を用いて、前記先行片面画像の形成プロセスに準じて単色トナー画像を順次重ねて後行片面画像を形成する。この第1中間転写体10−1上の後行片面画像と、第2中間転写体10−2上に保持されている先行片面画像とは、同じタイミングで第1中間転写体10−1と第2中間転写体10−2とが対向する対向領域(転写領域)にて会合するように調整されている。また、この対向領域よりも第2中間転写体10−2の回転方向少し下流側の部位にはチャージャCHが設けられていて、該部も転写領域を構成している。
【0148】
先行片面画像と後行片面画像とが会合するのと同じタイミングで、会合するように給紙部280より給紙コロ27によりシート状媒体sが送り出され、レジストローラ125で一端停止しタイミングが精密に調整されて再度送り出され、第1中間転写体10−1と第2中間転写体10−2との対向領域で形成される転写域を通るシート状媒体sの片面に先行片面画像、該シート状媒体sの他の片面に後行片面画像がそれぞれ一括転写されて両面画像が得られる。
【0149】
こうして、両面画像を得たシート状媒体sは定着装置25を通過する間に両面のトナー画像を定着されて、排紙コロ260を経て排紙トレイ270に排出される。
【0150】
なお、第1の中間転写体10−1については、転写後の残留トナーは、中間転写体クリーニング装置17−1によりクリーニングされて次の画像形成に備えられる。同様に、第2の中間転写体10−2についても、転写後の残留トナーは、中間転写体クリーニング装置17−2によりクリーニングされて次の画像形成に備えられる。
【0151】
かかる構成の画像形成装置において、第1中間転写体10−1および第2中間転写体10−2は、その材質、構成などは、前記した中間転写体10に準ずる。第1中間転写体101については、ローラ14の部位は、既に中間転写体クリーニング装置17−1を通過した後であるので、残トナーの付着はなく、センサの設置に際して本発明の適用の必要性は少ないと考えられる。
【0152】
これに対して、第2中間転写体10−2については、第1中間転写体10−1と同期して先行片面画像を保持した状態で少なくとも1回転して転写領域に回帰する関係上、ローラ130、131の何れについても、該部において該第2中間転写体10−2に対向してセンサを設ける場合には、トナー飛散を受ける可能性が大である。
【0153】
例えば、ローラ131まわりについて、第2中間転写体10−2に対向してセンサ201−1を設置する場合には、これまで説明した[4]〜[13]の例に準じてトナー汚れ防止手段を適用することで、該センサ201−1の汚れを防止することができる。
【0154】
[16] 請求項13の説明
本明細書の従来技術の欄で、転写ステップアップ現象について述べ、該転写ステップアップ現象は電位の自己放電が難しい108Ω・cm以上の抵抗率を持つ中間転写体にて発生が見られると説明した。そして、転写ステップアップによる電位上昇により各色のトナー画像、特に最終色のトナー画像では中間転写体の電位が上昇することにより、また中間転写体に重ねたトナー像、つまり、トナーが電荷との反発力によって飛散したりする問題があったと述べた。
【0155】
従って、前記[4]〜[13]で述べた本発明の適用対象となる中間転写体は、108Ω・cm以上の抵抗率を持つものに対して特に有益であるといえる。
【0156】
【発明の効果】
請求項1〜10記載の発明では、中間転写体に対向して配置されるセンサをトナー飛散による汚れから防ぐことができる。
【0157】
請求項11記載の発明では、ベルト状回転体に対向して配置されるセンサをトナー飛散による汚れから防ぐことができる。
【0158】
請求項13記載の発明では、体積抵抗が108[Ω・cm]以上の中間転写体又はベルト状をした回転体に対向して配置されるセンサをトナー飛散による汚れから防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるセンサの配置を説明した中間転写体の支持ローラ部の部分正面図である。
【図2】本発明にかかるセンサの配置を説明した中間転写体の支持ローラ部の部分正面図である。
【図3】本発明にかかるセンサの配置を説明した中間転写体の支持ローラ部の部分正面図である。
【図4】本発明にかかるセンサの配置を説明した中間転写体の支持ローラ部の部分正面図である。
【図5】本発明にかかるセンサの配置を説明した中間転写体の支持ローラ部の部分正面図である。
【図6】本発明にかかるセンサの配置を説明した中間転写体の支持ローラ部の部分正面図である。
【図7】本発明にかかるセンサの配置を説明した中間転写体の支持ローラ部の部分正面図である。
【図8】本発明にかかるセンサの配置を説明した中間転写体の支持ローラ部の部分正面図である。
【図9】本発明にかかるセンサの配置を説明した中間転写体の支持ローラ部の部分正面図である。
【図10】本発明にかかるセンサの配置を説明した中間転写体の支持ローラ部の部分正面図である。
【図11】本発明にかかるローラの曲率部を説明した中間転写体の支持ローラ部の部分正面図である。
【図12】本発明にかかるローラの曲率部を説明した中間転写体の支持ローラ部の部分正面図である。
【図13】本発明が適用される両面画像形成可能な画像形成装置の概略構成図である。
【図14】本発明が適用されるカラー画像形成装置の概略構成図である。
【図15】中間転写体の部分断面図である。
【図16】カラー画像形成装置の要部構成を説明した図である。
【図17】カラー画像形成装置の作像装置部及び中間転写体部分の要部構成を説明した図である。
【図18】トナーリサイクル装置の要部を説明した分解斜視図である。
【図19】トナーリサイクル装置の斜視図である。
【図20】間接転写方式の作像装置部及び中間転写体部分の要部構成を説明した図である。
【図21】直接転写方式の作像装置部及びシート状媒体搬送部分の要部構成を説明した図である。
【符号の説明】
10 中間転写体
14 ローラ
201、201−1 センサ
Claims (13)
- 回転する像担持体に形成した潜像を現像手段によりトナー画像化する作像装置を複数有していて、これら各作像部で作成されたトナー画像を転写部でベルト状をした中間転写体に順次重ねて重ねトナー画像を形成する画像形成装置において、
前記中間転写体に対向する位置にセンサを設置する場合、該センサのトナー汚れ防止手段として該中間転写体を張架するローラの曲率面と対向する部位に限定して前記センサを設置することを特徴とする画像形成装置。 - 回転する像担持体に形成した潜像を現像手段によりトナー画像化する作像装置を複数有していて、これら各作像部で作成されたトナー画像を転写部でベルト状をした中間転写体に順次重ねて重ねトナー画像を形成する画像形成装置において、
前記中間転写体に対向する位置にセンサを設置する場合、該センサのトナー汚れ防止手段として該センサ又は該センサを覆うセンサカバーに、トナーと同極性の電位を持たせることを特徴とする画像形成装置。 - 回転する像担持体に形成した潜像を現像手段によりトナー画像化する作像装置を複数有していて、これら各作像部で作成されたトナー画像を転写部でベルト状をした中間転写体に順次重ねて重ねトナー画像を形成する画像形成装置において、
前記中間転写体に対向する位置にセンサを設置する場合、該センサのトナー汚れ防止手段として該センサを覆うセンサカバーを電気的なフロート状態にすることを特徴とする画像形成装置。 - 回転する像担持体に形成した潜像を現像手段によりトナー画像化する作像装置を複数有していて、これら各作像部で作成されたトナー画像を転写部でベルト状をした中間転写体に順次重ねて重ねトナー画像を形成する画像形成装置において、
前記中間転写体に対向する位置にセンサを設置する場合、該センサのトナー汚れ防止手段として該センサを覆うセンサカバーに電気抵抗器を介して設置することを特徴とする画像形成装置。 - 回転する像担持体に形成した潜像を現像手段によりトナー画像化する作像装置を複数有していて、これら各作像部で作成されたトナー画像を転写部でベルト状をした中間転写体に順次重ねて重ねトナー画像を形成する画像形成装置において、
前記中間転写体に対向する位置にセンサを設置する場合、該センサのトナー汚れ防止手段として該センサを覆うセンサカバーにツェナダイオードを介して設置することを特徴とする画像形成装置。 - 回転する像担持体に形成した潜像を現像手段によりトナー画像化する作像装置を複数有していて、これら各作像部で作成されたトナー画像を転写部でベルト状をした中間転写体に順次重ねて重ねトナー画像を形成する画像形成装置において、
中間転写体に対向する位置にセンサを設置する場合、該センサのトナー汚れ防止手段として該センサ近傍、もしくは該センサに接する位置にトナーと同極性の電位を持たせた部材を設置することを特徴とする画像形成装置。 - 回転する像担持体に形成した潜像を現像手段によりトナー画像化する作像装置を複数有していて、これら各作像部で作成されたトナー画像を転写部でベルト状をした中間転写体に順次重ねて重ねトナー画像を形成する画像形成装置において、
前記中間転写体に対向する位置にセンサを設置する場合、該センサのトナー汚れ防止手段として該センサ近傍、もしくは該センサに接する位置に電気的にフロート状態の部材を設置することを特徴とする画像形成装置。 - 回転する像担持体に形成した潜像を現像手段によりトナー画像化する作像装置を複数有していて、これら各作像部で作成されたトナー画像を転写部でベルト状をした中間転写体に順次重ねて重ねトナー画像を形成する画像形成装置において、
前記中間転写体に対向する位置にセンサを設置する場合、該センサのトナー汚れ防止手段として該センサ近傍、もしくは該センサに接する位置に電気抵抗器を介した部材を設置することを特徴とする画像形成装置。 - 回転する像担持体に形成した潜像を現像手段によりトナー画像化する作像装置を複数有していて、これら各作像部で作成されたトナー画像を転写部でベルト状をした中間転写体に順次重ねて重ねトナー画像を形成する画像形成装置において、
前記中間転写体に対向する位置にセンサを設置する場合、該センサのトナー汚れ防止手段として該センサ近傍、もしくは該センサに接する位置にツェナダイオードを介した部材を設置することを特徴とする画像形成装置。 - 回転する像担持体に形成した潜像を現像手段によりトナー画像化する作像装置を複数有していて、これら各作像部で作成されたトナー画像を転写部でベルト状をした中間転写体に順次重ねて重ねトナー画像を形成する画像形成装置において、
前記中間転写体に対向する位置にセンサを設置する場合、該センサのトナー汚れ防止手段として該センサ近傍、もしくは該センサのカバーの近傍に電気的に切り離した状態でトナーと逆極性の電位を持たせた部材を設置することを特徴とする画像形成装置。 - トナーを担持して回転するベルト状をした回転体に対向する位置にセンサを設置している画像形成装置において、
前記ベルト状をした回転体に対向する位置にセンサを設置する場合、該センサのトナー汚れ防止手段として請求項1乃至10の何れか一つに記載の、センサのトナー汚れ防止手段に係る構成を適用したことを特徴とする画像形成装置。 - 回転する像担持体に形成した潜像を現像手段によりトナー画像化する作像装置を複数、無端ベルト状の第1中間転写体に沿わせて配置すると共に、該第1中間転写体の一端側にベルト状の第2中間転写体を対向して配置し、前記各作像部で作成されたトナー画像を前記第1中間転写体に順次重ねて先行片面画像を形成してこの先行片面画像を前記第2中間転写体に一括転写して保持し、次いで、前記第1中間転写体にトナー画像を順次重ねて後行片面画像を形成し、前記第1中間転写体と前記第2中間転写体との対向領域で形成される転写域を通るシート状媒体の片面に前記先行片面画像、該シート状媒体の他の片面に前記後行片面画像をそれぞれ一括転写して両面画像を得る画像形成装置において、
前記第2中間転写体に対向する位置にセンサを設置する場合、該センサのトナー汚れ防止手段として請求項1乃至10の何れか一つに記載の、センサのトナー汚れ防止手段に係る構成を適用したことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至12の何れか一つに記載の画像形成装置において、
前記中間転写体又は前記ベルト状をした回転体の体積抵抗が108[Ω・cm]以上であることを特徴とする画像形成装置。
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