JP2005025077A - 画像形成装置、位置ずれ補正処理プログラム及び記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】ベルトの速度を一定にさせ、ベルトの速度むらによる色ずれや色むらのない良質な画像を形成する画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像を形成する画像形成手段により形成された像を担う無端状の移動体(214)を移動させる従動ローラ(213)と、画像形成手段により形成された像が最終的に転写される転写材の位置を決定するレジストローラ(212)と、の両ローラ(212、213)の熱による速度変動を等しくさせ、従動ローラ(213)と、レジストローラ(212)と、の速度を均一にさせることで、画像の不具合を無くすことが可能となる。
【選択図】 図9
【解決手段】画像を形成する画像形成手段により形成された像を担う無端状の移動体(214)を移動させる従動ローラ(213)と、画像形成手段により形成された像が最終的に転写される転写材の位置を決定するレジストローラ(212)と、の両ローラ(212、213)の熱による速度変動を等しくさせ、従動ローラ(213)と、レジストローラ(212)と、の速度を均一にさせることで、画像の不具合を無くすことが可能となる。
【選択図】 図9
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式の画像形成装置に関し、特に、無端ベルト状中間転写体や無端ベルト状感光体等のベルト状のベルト状像担持体を用いて形成されたトナー像を転写材に転写する転写装置を具備する画像形成装置、該画像形成装置における位置ずれ補正処理プログラム及び記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式の画像形成装置には、複数の感光体上に形成される、異なる色のトナー画像を、直接転写紙上に重ねながら転写させる直接転写方式と、複数の感光体上に形成される、異なる色のトナー画像を中間転写体上に重ねながら転写させ、しかる後に転写紙上に一括して転写させる中間転写方式とがある。
【0003】
このような画像形成装置の転写方式は、複数の感光体を転写紙または中間転写体に対向させて並べて配置することから、タンデム方式と呼ばれており、感光体毎に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色に対して静電潜像の形成、現像などの電子写真プロセスを実行させ、直接転写方式では走行中の転写紙上に転写することとなり、中間転写方式においては走行中の中間転写体上に転写することとなる。
【0004】
これらの転写方式を用いたタンデム方式の画像形成装置において、直接転写方式では、転写紙を支持しながら走行する無端ベルトを採用するのが一般的であり、また、中間転写方式では、感光体から画像を受け取り担持する無端ベルトを採用するのが一般的である。そして、4個の感光体を含む作像ユニットをベルトの一走行辺に並べて設置されることとなる。このような、画像形成装置では、無端ベルトをお互いに外径の異なる駆動ローラと従動ローラとの間に架け渡し、駆動ローラの回転により、無端ベルトを走行させて画像形成処理を行っていた。
【0005】
このようなタンデム方式の画像形成装置では、各色のトナー像を精度よく重ねることは、色ズレの発生を防止するうえでは重要な条件となる。以下に、図9を参照しながら、この色ズレの発生を防止する方法を説明する。
【0006】
図9に示す制御装置の構成は、無端状ベルト214をお互いに外径の異なる駆動ローラ215と従動ローラ213との間に架け渡し、駆動ローラ215の回転により無端状べルト214を走行させて画像形成処理を行う画像形成装置において、従動ローラ213の角速度を検知するエンコーダ204により検知された角速度を、目標速度信号207とコンパレータ206とで比較し、その比較結果に基づいてコンパレータ206が制御信号をモータドライバ208に出力し、その出力信号に基づいてモータドライバ208が駆動モータ209を制御することで、常に無端状ベルト214の速度を一定にさせ、無端状ベルト214の速度ムラによる色ズレを押さえ込む制御装置である。
【0007】
また、本発明より先に出願された技術文献として、搬送ベルトに沿って配置された複数の感光ドラムを有する形式の画像形成装置において、搬送ベルトの周速及び感光体ドラムの周速を検知し、その検知結果に従いトナー像を感光体ドラムの表面に形成するタイミングを調整して、色ずれや色むらのない良好な画像を取得する画像形成装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開平10−31338号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図9のような制御装置がない場合は、従動ローラ213の温度膨張は無端状ベルト214の移動速度に影響はないが、温度が下がり従動ローラ213の径が小さくなると、無端状ベルト214の線速が一定の場合でも従動ローラ213の周長が短くなり、エンコーダ204は速い量の角速度を検出してしまい、駆動モータ209を遅くするための制御をしてしまうこととなる。また、温度が上がると、逆のことが起こり、駆動モータ209を速くするための制御をしてしまうこととなる。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ベルトの速度を一定にさせ、ベルトの速度むらによる色ずれや色むらのない良質な画像を形成する画像形成装置、位置ずれ補正処理プログラム及び記録媒体を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために本発明は以下のような特徴を有する。
請求項1記載の発明は、画像を形成する画像形成手段と、画像形成手段により形成された像を担う無端状の移動体と、無端状の移動体を駆動ローラと従動ローラとの間に架け渡し、無端状の移動体を回転移動する駆動手段と、画像形成手段により形成された像が最終的に転写される転写材の位置を決定するレジストローラと、従動ローラの角速度を検知する角速度検知手段と、角速度検知手段により検知した角速度を基に無端状の移動体の回転移動速度を制御する移動速度制御手段と、レジストローラの回転速度を制御するレジストローラ制御手段と、を有する画像形成装置であって、従動ローラと、レジストローラとの熱による速度変動を等しくさせることを特徴とする。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、従動ローラと、レジストローラとの両ローラを同径、且つ、同材質とすることを特徴とする。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の画像形成装置において、従動ローラとレジストローラとの熱による速度変動量の差に応じて、レジストローラの速度を制御することを特徴とする。
【0014】
請求項4記載の発明は、請求項1から3の何れか1項に記載の画像形成装置において、従動ローラとレジストローラとの熱による速度変動量の差に応じて、従動ローラの速度を制御することを特徴とする。
【0015】
請求項5記載の発明は、請求項3記載の画像形成装置において、従動ローラの速度に追従させてレジストローラの速度を制御することを特徴とする。
【0016】
請求項6記載の発明は、請求項4記載の画像形成装置において、レジストローラの速度に追従させて従動ローラの速度を制御することを特徴とする。
【0017】
請求項7記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、無端状の移動体は、中間転写ベルト、画像担持ベルト、または、シート搬送用ベルトであることを特徴とする。
【0018】
請求項8記載の発明は、画像を形成する画像形成手段と、画像形成手段により形成された像を担う無端状の移動体と、無端状の移動体を駆動ローラと従動ローラとの間に架け渡し、無端状の移動体を回転移動する駆動手段と、画像形成手段により形成された像が最終的に転写される転写材の位置を決定するレジストローラと、従動ローラの角速度を検知する角速度検知手段と、角速度検知手段により検知した角速度を基に無端状の移動体の回転移動速度を制御する移動速度制御手段と、レジストローラの回転速度を制御するレジストローラ制御手段とを有する画像形成装置において実行させる位置ずれ補正処理プログラムであって、移動速度制御手段またはレジストローラ制御手段に、従動ローラと、レジストローラとの熱による速度変動を等しくし、従動ローラとレジストローラとの速度を均一にさせる処理を実行させることを特徴とする。
【0019】
請求項9記載の発明は、請求項8記載の位置ずれ補正処理プログラムにおいて、レジストローラ制御手段に、従動ローラとレジストローラとの熱による速度変動量の差に応じて、レジストローラの速度を制御する処理を実行させることを特徴とする。
【0020】
請求項10記載の発明は、請求項8記載の位置ずれ補正処理プログラムにおいて、移動速度制御手段に、従動ローラとレジストローラとの熱による速度変動量の差に応じて、従動ローラの速度を制御する処理を実行させることを特徴とする。
【0021】
請求項11記載の発明は、請求項9記載の位置ずれ補正処理プログラムにおいて、レジストローラ制御手段に、レジストローラの速度を従動ローラの速度に追従させる制御を実行させることを特徴とする。
【0022】
請求項12記載の発明は、請求項10記載の位置ずれ補正処理プログラムにおいて、移動速度制御手段に、従動ローラの速度をレジストローラの速度に追従させる制御を実行させることを特徴とする。
【0023】
請求項13記載の発明は、請求項8から請求項12の何れか1項に記載の位置ずれ補正処理プログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録したことを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら本発明にかかる実施の形態について詳細に説明する。
【0025】
まず、図1を参照しながら、タンデム型の画像形成装置について説明する。
なお、タンデム型の画像形成装置は、図2に示すように、各感光体1上の画像を1次転写装置2によりいったん中間転写体4に順次転写し、その中間転写体4上の画像を2次転写装置5によりシートS上に一括転写する間接転写方式のものがある。
また、図3に示すように、各感光体1上の画像を転写装置2により、シート搬送ベルト3で搬送するシートs上に順次転写する直接転写方式のものがある。
【0026】
図2に示す間接転写方式の画像形成装置と、図3に示す直接転写方式の画像形成装置とを比較すると、図3に示す直接転写方式の画像形成装置は、感光体1を並べたタンデム型画像形成装置Tの上流側に給紙装置6を、下流側に定着装置7を配置しなければならず、大型化する欠点がある。これに対し、図2に示す間接転写方式の画像形成装置は、2次転写位置を比較的自由に設置することが可能なことから、給紙装置6および定着装置7をタンデム型画像形成装置Tと重ねて配置することができ、小型化が可能となる利点がある。
【0027】
また、図3に示す直接転写方式の画像形成装置は、大型化しないように定着装置7をタンデム型画像形成装置Tに接近して配置することとなり、シートsがたわむことができる十分な距離をもって定着装置7を配置することができず、シートsの先端が定着装置7に進入するときの衝撃や、定着装置7を通過するときのシート搬送速度差等で、定着装置7が後端側の画像形成に影響を及ぼす虞がある。
【0028】
これに対し、図2に示す間接転写方式の画像形成装置は、シートsがたわむことができる十分な距離をもって定着装置7を配置することができることから、定着装置7がほとんど画像形成に影響を及ぼすことのないように配置することができる。このようなことから、間接転写方式のタンデム型の画像形成装置が好ましい。
【0029】
そして、この種の間接転写方式の画像形成装置は、図2に示すように、1次転写後に感光体1上に残留する転写残トナーを、感光体クリーニング装置8で除去して感光体1の表面をクリーニングし、再度の画像形成に備えることとなる。また、2次転写後に中間転写体4上に残留する転写残トナーを、中間転写体クリーニング装置9で除去して中間転写体4表面をクリーニングし、再度の画像転写に備えることとなる。
【0030】
次に、図1を参照しながら、タンデム型間接転写方式の画像形成装置の構成について説明する。
【0031】
図1に示すタンデム型間接転写方式の画像形成装置は、複写機本体100と、複写機本体を載せる給紙テーブル200と、複写機本体100上に取り付けるスキャナ300と、スキャナ300の上に取り付ける原稿自動搬送装置(ADF)400とで構成される。
【0032】
複写機本体100には、中央部に、無端ベルト状の中間転写体10が設けられている。中間転写体10は、図4に示すように、ベース層11を、例えばフッ素樹脂や帆布などの伸びにくい材料を用いて作成し、そのベース層11の上に弾性層12を設けることとなる。弾性層12は、例えば、フッ素ゴムやアクリロニトリル−ブタジェン共重合ゴムなどの材料が適用可能となる。そして、その弾性層12の表面には、例えば、フッ素系樹脂をコーティングして平滑性のよいコート層13を被って構成されることとなる。
【0033】
なお、中間転写体10は、図1に示すように、3つの支持ローラ14,15,16に掛け回して時計回りに回転搬送されることとなる。本実施の形態における画像形成装置では、3つの支持ローラ14,15,16のうち、第2の支持ローラ15の左に、画像転写後に中間転写体10上に残留する残留トナーを除去する中間転写体クリーニング装置17を設ける。
【0034】
また、3つの支持ローラ14,15,16のうち、第1の支持ローラ14と第2の支持ローラ15との間に張り渡した中間転写体10上には、その搬送方向に沿って、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)の4つの画像形成手段18を横に並べて配置してタンデム型の画像形成装置20を構成する。
そして、そのタンデム画像形成装置20の上には、露光装置21が設けられている。
【0035】
一方、中間転写体10を挟んでタンデム画像形成装置20と反対側方向には、2次転写装置22が設けられている。なお、本実施の形態における2次転写装置22は、2つのローラ23間に、無端ベルトである2次転写ベルト24を掛け渡して構成されており、中間転写体10を介して第3の支持ローラ16に押し当てて配置し、中間転写体10上の画像をシート上に転写することとする。
【0036】
また、2次転写装置22の横には、シート上の転写画像を定着する定着装置25が設けられている。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26に加圧ローラ27を押し当てて構成される。なお、上述した2次転写装置22には、画像転写後のシートをこの定着装置25へと搬送するシート搬送機能も備えている。もちろん、2次転写装置22として非接触のチャージャを配置することも可能である。
【0037】
なお、図1に示す画像形成装置では、2次転写装置22および定着装置25の下に、タンデム画像形成装置20と平行に、シートの両面に画像を記録すべくシートを反転するシート反転装置28が設けられている。
【0038】
次に、図1に示す画像形成装置を用いて画像形成を行うときの処理動作について説明する。
【0039】
まず、原稿自動搬送装置400の原稿台30上に原稿をセットする。または、原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じて原稿を押さえる。そして、操作部上に設けられたスタートスイッチ(図示せず)を押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットした場合は、原稿を搬送してコンタクトガラス32上へと移動して、また、コンタクトガラス32上に原稿をセットした場合は、直ちにスキャナ300を駆動し、第1走行体33および第2走行体34を走行する。そして、第1走行体33で光源から光を照射するとともに原稿面からの反射光をさらに反射して第2走行体34に向け、第2走行体34のミラーで反射して結像レンズ35を通して読み取りセンサ36に入れ、原稿内容を読み取る。
【0040】
また、操作部上に設けられたスタートスイッチ(図示せず)を押すと、駆動モータ(図示せず)で支持ローラ14,15,16の1つを回転駆動して他の2つの支持ローラを従動回転し、中間転写体10を回転搬送する。同時に、個々の画像形成手段18でその感光体40を回転して各感光体40上にそれぞれ、ブラック(K)、イエロ(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の単色画像を形成する。そして、中間転写体10の搬送と共に、それらの単色画像を順次転写して中間転写体10上に合成カラー画像を形成する。
【0041】
一方、操作部上に設けられたスタートスイッチ(図示せず)を押すと、給紙テーブル200の給紙ローラ42の1つを選択回転し、ペーパーバンク43に多段に備える給紙カセット44の1つからシートを繰り出し、分離ローラ45で1枚ずつ分離して給紙路46に入れ、搬送ローラ47で搬送して複写機本体100内の給紙路48に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。
【0042】
または、給紙ローラ50を回転して手差しトレイ51上のシートを繰り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。
【0043】
そして、中間転写体10上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転し、中間転写体10と2次転写装置22との間にシートを送り込み、2次転写装置22で転写してシート上にカラー画像を記録する。
【0044】
画像転写後のシートは、2次転写装置22で搬送して定着装置25へと送り込み、定着装置25で熱と圧力とを加えて転写画像を定着した後、切換爪55で切り換えて排出ローラ56で排出し、排紙トレイ57上にスタックする。または、切換爪55で切り換えてシート反転装置28に入れ、そこで反転して再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録した後、排出ローラ56で排紙トレイ57上に排出する。
【0045】
一方、画像転写後の中間転写体10は、中間転写体クリーニング装置17で、画像転写後に中間転写体10上に残留する残留トナーを除去し、タンデム画像形成装置20による再度の画像形成に備える。ここで、レジストローラ49には、導電性ゴムローラを用い、バイアスを印加する。なお、導電性ゴムローラは、径φ18で、表面が厚み1mmの導電性NBRゴムとする。電気抵抗はゴム材の体積抵抗で10E9Ωcm程度であり、印加電圧はトナーを転写する側(表側)には−850V程度の電圧が印加されている。
【0046】
紙裏面側は+200V程度の電圧が印加されているが、特に裏面の紙粉転写を考慮する必要が少ない場合にはアースになっていても良い。また、印加電圧として、DCバイアスが印加されているが、これはDCオフセット成分を持ったAC電圧でも良い。なお、AC重畳DCバイアスの方が紙表面を均一に帯電することから好ましい。なお、レジストローラ49を通過した後の紙表面は若干マイナス側に帯電していることから、中間転写体10からシートへの転写では、レジストローラ49に電圧を印加しない場合に比べて転写条件が変わる場合があるので注意が必要となる。
【0047】
次に、図5を参照しながら、上記のタンデム画像形成装置20における、個々の画像形成手段18の構成について詳細に説明する。
【0048】
個々の画像形成手段18は、例えば図5に示すように、ドラム状の感光体40のまわりに、帯電装置60、現像装置61、1次転写装置62、感光体クリーニング装置63、除電装置64などを備えて構成されている。なお、感光体40は、アルミニウム等の素管に、感光性を有する有機感光材を塗布し、感光層を形成したドラム状であるが、無端ベルト状であっても良く特に限定しないこととする。
【0049】
また、本実施の形態における画像形成装置では、少なくとも感光体40を設け、画像形成手段18を構成する部分の全部または一部でプロセスカートリッジを形成し、複写機本体100に対して一括して着脱自在としてメンテナンス性を向上させることも可能である。
【0050】
なお、画像形成手段18を構成する帯電装置60は、ローラ状の装置を設け、感光体40に接触して電圧を印加することでその感光体40の帯電を行う。
【0051】
現像装置61は、一成分現像剤を使用してもよいが、磁性キャリアと非磁性トナーとからなる二成分現像剤を使用する。なお、現像装置61は、その二成分現像剤を攪拌しながら搬送して現像スリーブ65に付着する攪拌部66と、その現像スリーブ65に付着した二成分現像剤のうちのトナーを感光体40に転移する現像部67とで構成し、その現像部67より攪拌部66を低い位置とする。
【0052】
攪拌部66には、平行な2本のスクリュ68を設ける。また、2本のスクリュ68の間は、両端部を除いて仕切り板69で仕切ることとする(図6参照)。また、現像ケース70にトナー濃度センサ71を取り付ける。
【0053】
一方、現像部67には、現像ケース70の開口を通して感光体40と対向して現像スリーブ65を設けるとともに、その現像スリーブ65内にマグネット72を固定して設ける。また、その現像スリーブ65に先端を接近してドクタブレード73を設ける。なお、本実施の形態では、ドクタブレード73と現像スリーブ65間の最接近部における間隔は、500μmに設定してある。そして、2成分現像剤を2本のスクリュ68で攪拌しながら搬送循環し、現像スリーブ65に供給する。現像スリーブ65に供給された現像剤は、マグネット72により汲み上げて保持し、現像スリーブ65上に磁気ブラシを形成する。磁気ブラシは、現像スリーブ65の回転とともに、ドクタブレード73によって適正な量に穂切りする。切り落とされた現像剤は、攪拌部66に戻される。
【0054】
他方、現像スリーブ65上の現像剤のうちトナーは、現像スリーブ65に印加する現像バイアス電圧により感光体40に転移してその感光体40上の静電潜像を可視像化する。そして、可視像化した後、現像スリーブ65上に残った現像剤は、マグネット72の磁力がないところで現像スリーブ65から離れて攪拌部66に戻る。この繰り返しにより、攪拌部66内のトナー濃度が薄くなると、それをトナー濃度センサ71で検知して攪拌部66にトナー補給する。
【0055】
ちなみに、本実施の形態では、感光体40の線速を200mm/S、現像スリーブ65の線速を240mm/Sとして、また、感光体40の直径を50mm、現像スリーブ65の直径を18mmとして、現像行程が行われる。現像スリーブ65上のトナー帯電量は、−10〜−30μC/gの範囲である。感光体40と現像スリーブ65との間隙である現像ギャップGpは、従来の0.8mm〜0.4mmの範囲で設定でき、値を小さくすることで現像効率の向上を図ることが可能となる。
【0056】
また、感光体40の厚みを30μmとし、光学系のビームスポット径を50×60μm、光量を0.47mWとしている。また、感光体40の帯電(露光前)電位V0 を−700V、露光後電位VL を−120Vとして現像バイアス電圧を−470Vすなわち現像ポテンシャル350Vとして現像工程が行われるものとする。
【0057】
次に、1次転写装置62は、ローラ状とし、中間転写体10を挟んで感光体40に押し当てて設けることとする。なお、本実施の形態では、ローラ状に限らず、非接触のコロナチャージャなどであってもよく、特に限定しない。
【0058】
感光体クリーニング装置63は、先端を感光体40に押し当てて、例えばポリウレタンゴム製のクリーニングブレード75を備えるとともに、外周を感光体40に接触して導電性のファーブラシ76を矢示方向に回転自在に備える。また、ファーブラシ76にバイアスを印加する金属製電界ローラ77を矢示方向に回転自在に備え、その電界ローラ77にスクレーパ78の先端を押し当てる。さらに、除去したトナーを回収する回収スクリュ79を設ける。
【0059】
そして、感光体40に対してカウンタ方向に回転するファーブラシ76で、感光体40上の残留トナーを除去する。ファーブラシ76に付着したトナーは、ファーブラシ76に対して接触してカウンタ方向に回転する電界ローラ77でバイアスを印加して取り除く。電界ローラ77は、スクレーパ78でクリーニングする。感光体クリーニング装置63で回収したトナーは、回収スクリュ79で感光体クリーニング装置63の片側に寄せ、詳しくは後述するトナーリサイクル装置80で現像装置61へと戻して再利用する。
【0060】
除電装置64は、例えばランプであり、光を照射して感光体40の表面電位を初期化する。そして、感光体40の回転とともに、まず帯電装置60で感光体40の表面を一様に帯電し、次に、図1に示すスキャナ300の読み取り内容に応じて上述した露光装置21からレーザやLED等による書込み光Lを照射して感光体40上に静電潜像を形成する。
【0061】
その後、現像装置61によりトナーを付着してその静電潜像を可視像化し、その可視像を1次転写装置62で中間転写体10上に転写する。画像転写後の感光体40の表面は、感光体クリーニング装置63で残留トナーを除去して清掃し、除電装置64で除電して再度の画像形成に備える。
【0062】
図7は、図1に示す画像形成装置の要部拡大図である。図7に示す画像形成装置20は、画像形成手段18、その画像形成手段18の感光体40、現像装置61、感光体クリーニング装置63、および画像形成手段18の感光体40にそれぞれ対向して設ける1次転写装置62とを各々が有している。なお、符号の後に、ブラックの場合はBKを、イエローの場合はYを、マゼンタの場合はMを、シアンの場合はCを付して示している。
【0063】
なお、本実施の形態の画像形成装置は、導電性ローラ74が、各1次転写装置62間において、中間転写体10のベース層11(図4参照)側に接触して設けられる。この導電性ローラ74は、転写時に各1次転写装置62により印加するバイアスが、中抵抗のベース層11(図4参照)を介して隣の各画像形成手段18に流れ込むことを阻止するものである。
【0064】
次に、図6、図8を参照しながら、トナーリサイクル装置80について説明する。図6に示す感光体クリーニング装置63の回収スクリュ79には、図8に示すように、一端に、ピン81を有するローラ部82を設ける。そして、そのローラ部82に、トナーリサイクル装置80のベルト状回収トナー搬送部材83の一側を掛け、その回収トナー搬送部材83の長孔84にピン81を入れる。回収トナー搬送部材83の外周には一定間隔置きに羽根85が設けられており、その他側は、回転軸86のローラ部87に掛けることとなる。
【0065】
図8に示す回収トナー搬送部材83は、回転軸86とともに、図6に示す搬送路ケース88内に入れることとなる。搬送路ケース88は、カートリッジケース89と一体につくり、その現像装置61側の端部に、現像装置61の前述した2本のスクリュ68の1本を入れて構成される。
【0066】
そして、外部から駆動力を伝達して回収スクリュ79を回転するとともに、回収トナー搬送部材83を回転搬送し、感光体クリーニング装置63で回収したトナーを、搬送路ケース88内を通して現像装置61へと搬送し、スクリュ68の回転で現像装置61内に入れる。その後、上述したとおり、2本のスクリュ68で既に現像装置61内にある現像剤と共に攪拌しながら搬送循環し、現像スリーブ65に供給してドクタブレード73により穂切りした後、感光体40に転移してその感光体40上の潜像を現像する。
【0067】
なお、トナーは、ポリエステル、ポリオ−ル、スチレンアクリル等の樹脂に帯電制御剤(CCA)、色剤を混合し、その周りにシリカ、酸化チタン等の物質を外添することでその帯電特性、流動性を高めている。添加剤の粒径は、通常、0.1〜1.5[μm]の範囲である。色剤は、カ−ボンブラック、フタロシアニンブル−、キナクリドン、カ−ミン等が挙げられる。帯電極性は、本実施の形態では負帯電である。
【0068】
トナーは、ワックス等を分散混合させた母体トナーに上記種類の添加剤を外添しているものを使用することができる。なお、ここまでの説明で、トナーは、粉砕法で作成されたものであるが、重合法等で作成したものを使用することも可能である。一般に重合法、加熱法等で作成されたトナーは、形状係数を90%以上に形成することも可能で、さらに、形状による添加剤の被覆率も極めて高くなる。
【0069】
ここで、形状係数は、本来ならば球形度となって、「粒子と同体積の球の表面積/実粒子の表面積×100%」で定義されるが、測定がかなり困難になるので、円形度で算出する。その定義は、「粒子と同じ投影面積を持つ円の周長/実粒子の投影輪郭長さ×100%」とする。そうすると、投影された円が真円に近づくほど、100%に近づくことになる。
【0070】
トナーの体積平均粒径の範囲は、3〜12μmが好適である。本実施の形態では、6μmとし、1200dpi以上の高解像度の画像にも十分対応することが可能である。
【0071】
磁性粒子は、金属または樹脂をコアとしてフェライト等の磁性材料を含有し、表層はシリコーン樹脂等で被覆されたものである。粒径は、20〜50μmの範囲が良好である。また、抵抗は、ダイナミック抵抗で104 〜106 Ωの範囲が最適である。ただし、測定方法は、磁石を内包したローラ(φ20:600RPM)に坦持して、幅65mm、長さ1mmの面積の電極をギャップ0.9mmで当接させ、耐圧上限レベル(高抵抗シリコンコートキャリアでは400Vから鉄粉キャリアでは数V)の印加電圧を印加した時の測定値である。
【0072】
図5に示す現像スリーブ65は、非磁性の回転可能なスリーブ状の形状を持ち、内部には複数のマグネット72を配設している。マグネット72は、固定されているために現像剤が所定の場所を通過するときに磁力を作用させられるようになっている。本実施の形態では、現像スリーブ65の直径をφ18とし、表面はサンドブラストまたは1〜数mmの深さを有する複数の溝を形成する処理を行い10〜30μmRZの範囲に入るようにあらしている。
【0073】
マグネット72は、ドクタブレード73の箇所から現像スリーブ65の回転方向にN1 、S1 、N2 、S2 、S3 の5磁極を有する。マグネット72で形成された(トナー+磁性粒子)は、現像剤として現像スリーブ65上に坦持され、トナーは、磁性粒子と混合されることで規定の帯電量を得る。本実施の形態では、−10〜−30[μC/g]の範囲が好適である。現像スリーブ65は、現像剤の磁気ブラシを形成した、マグネット72のS1側の領域に、感光体40に対向して配設されている。
【0074】
ところで、本実施の形態では、図7に示すように、クリーニング装置17に、クリーニング部材として2つのファーブラシ90,91を設ける。ファーブラシ90,91は、φ20mm、アクリルカーボン、6.25D/F、10万本/inch2 E+7Ωのものを使用し、中間転写体10に対して接触してカウンタ方向に回転するように設ける。そして、それぞれのファーブラシ90,91には、不図示の電源から各々異なる極性のバイアスを印加する。
【0075】
そのようなファーブラシ90,91には、それぞれ金属ローラ92,93を接触して順方向に回転するように設ける。そして、この例では、中間転写体10の回転方向上流側の金属ローラ92に電源94から(−)電圧を印加し、下流側の金属ローラ93に電源95から(+)電圧を印加する。それらの金属ローラ92,93には、それぞれブレード96,97の先端を押し当てる。
【0076】
そして、中間転写体10の矢示方向への回転とともに、上流側のファーブラシ90を用いて、例えば(−)のバイアスを印加して中間転写体10表面のクリーニングを行う。仮に、金属ローラ92に−700V印加すると、ファーブラシ90は−400Vとなり、中間転写体10上の(+)トナーをファーブラシ90側に転移する。そして、除去したトナーをさらに電位差によりファーブラシ90から金属ローラ92に転移し、ブレード96により掻き落とす。
【0077】
さて、ファーブラシ90で中間転写体10上のトナーを除去するが、中間転写体10上にはまだ多くのトナーが残っている。それらのトナーは、ファーブラシ90に印加される(−)のバイアスにより、(−)に帯電される。これは、電荷注入または放電により帯電されるものと考えられる。
【0078】
しかし、次いで下流側のファーブラシ91を用いて今度は(+)のバイアスを印加してクリーニングを行うことにより、それらのトナーを除去することができる。除去したトナーは、電位差によりファーブラシ91から金属ローラ93に転移し、ブレード97により掻き落とすこととなる。
【0079】
ブレード96,97で掻き落としたトナーは、不図示のタンクに回収する。なお、トナーリサイクル装置を用いて現像装置61に戻すようにしてもよい。
【0080】
さて、ファーブラシ91でクリーニング後は、ほとんどのトナーが除去されるが、中間転写体10上にはまだ少しのトナーが残っている。それらのトナーは、ファーブラシ91に印加される(+)のバイアスにより、(+)に帯電される。しかし、2つのファーブラシ90,91で除去できずに中間転写体10上にトナーが残ったときにも、ブラックの1次転写位置で感光体40BK側に逆転写して感光体クリーニング装置63BKで回収することができる。
【0081】
電子写真を利用した画像形成装置では、電子写真プロセスにて画像形成された画像を担持する像担持体が具備されて構成される。なお、本実施の形態では中間転写体である中間転写ベルトに相当する。
【0082】
中間転写ベルトには、弗素系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂等の材質が従来から使用されてきていたが、近年、ベルトの全層や、ベルトの一部を弾性部材にした弾性ベルトが使用されてきている。
【0083】
なお、樹脂ベルトを用いたカラー画像の転写には以下の課題がある。
(1)カラー画像は通常4色の着色トナーで形成される。1枚のカラー画像には、1層から4層までのトナー層が形成されている。そのため、トナー層は1次転写(感光体から中間転写ベルトへの転写)や、2次転写(中間転写ベルトからシートへの転写)を通過することで圧力を受け、トナー同士の凝集力が高くなる。このため、トナー同士の凝集力が高くなると文字の中抜けやベタ部画像のエッジ抜けの現象が発生しやすくなる。
【0084】
(2)樹脂ベルトは硬度が高くトナー層に応じて変形しないため、トナー層を圧縮させやすく文字の中抜け現象が発生しやすくなる。
【0085】
(3)最近はフルカラー画像を様々な用紙、例えば和紙や意図的に凹凸を付けや用紙に画像を形成したいという要求が高くなってきている。しかし、平滑性の悪い用紙は転写時にトナーと空隙が発生しやすく、転写抜けが発生しやすくなる。密着性を高めるために2次転写部の転写圧を高めると、トナー層の凝縮力を高めることになり、上述したような文字の中抜けを発生させることになる。
【0086】
なお、弾性ベルトは樹脂ベルトより硬度が低いため、転写部でトナー層、平滑性の悪い用紙に対応して変形する。つまり、局部的な凹凸に追従して弾性ベルトは変形するため、過度にトナー層に対して転写圧を高めることなく、良好な密着性が得られ文字の中抜けのない、平面性の悪い用紙に対しても均一性の優れた転写画像を得ることが可能となる。
【0087】
弾性ベルトに好適な樹脂としては、ポリカーボネート、フッ素系樹脂(ETFE,PVDF)、ポリスチレン、クロロポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体(スチレン−アクリル酸メチル共重合体,スチレン−アクリル酸エチル共重合体,スチレン−アクリル酸ブチル共重合体,スチレン−アクリル酸オクチル共重合体及びスチレン−アクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体(スチレン−メタクリル酸メチル共重合体,スチレン−メタクリル酸エチル共重合体,スチレン−メタクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂(スチレンまたはスチレン置換体を含む単重合体または共重合体)、メタクリル酸メチル樹脂、メタクリル酸ブチル樹脂、アクリル酸エチル樹脂、アクリル酸ブチル樹脂、変性アクリル樹脂(シリコーン変性アクリル樹脂,塩化ビニル樹脂変性アクリル樹脂,アクリル・ウレタン樹脂等)、塩化ビニル樹脂、スチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニリデン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂及びポリビニルブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、変性ポリフェニレンオキサイド樹脂等からなる群より選ばれる1種類あるいは2種類以上を使用することができる。ただし、上記材料に限定されるものではなく、従来から弾性ベルトに用いられる公知の樹脂であれば適用可能である。
【0088】
なお、弾性材ゴム、エラストマーとしては、ブチルゴム、フッ素系ゴム、アクリルゴム、EPDM、NBR、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンゴム天然ゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレンターポリマー、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ウレタンゴム、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン、エピクロロヒドリン系ゴム、リコーンゴム、フッ素ゴム、多硫化ゴム、ポリノルボルネンゴム、水素化ニトリルゴム、熱可塑性エラストマー(例えばポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリアミド系、ポリウレア、ポリエステル系、フッ素樹脂系)等からなる群より選ばれる1種類あるいは2種類以上を使用することができる。ただし、上記材料に限定されるものではなく、従来から弾性ゴム、エラストマーに用いられる公知のものであれば適用可能である。
【0089】
また、抵抗値調節用導電剤には、例えば、カーボンブラック、グラファイト、アルミニウムやニッケル等の金属粉末、酸化錫、酸化チタン、酸化アンチモン、酸化インジウム、チタン酸カリウム、酸化アンチモン−酸化錫複合酸化物(ATO)、酸化インジウム−酸化錫複合酸化物(ITO)等の導電性金属酸化物、導電性金属酸化物は、硫酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の絶縁性微粒子を被覆したものでもよい。ただし、上記導電剤に限定されるものではなく、従来から抵抗値調節用導電剤に用いられる公知のものであれば適用可能である。
【0090】
また、表層材料に制限はないが、転写ベルト表面へのトナーの付着力を小さくして2次転写性を高めるものが要求される。例えば、ポリウレタン、ポリエステル、エポキシ樹脂等の1種類あるいは2種類以上を使用し表面エネルギーを小さくし潤滑性を高める材料、例えば、フッ素樹脂、フッ素化合物、フッ化炭素、2酸化チタン、シリコンカーバイト等の粉体、粒子を1種類あるいは2種類以上または粒径を異ならしたものを分散させ使用することができる。
【0091】
また、フッ素系ゴム材料のように熱処理を行うことで表面にフッ素リッチな層を形成させ表面エネルギーを小さくさせたものを使用することもできる。
【0092】
また、ベルトの製造方法には、以下の製造方法が挙げられる。
(1)回転する円筒形の型に材料を流し込みベルトを形成する遠心成型法。
(2)表層の薄い膜を形成させるスプレイ塗工法。
(3)円筒形の型を材料の溶液の中に浸けて引き上げるディッピング法。
(4)内型、外型の中に注入する注型法。
(5)円筒形の型にコンパウンドを巻き付け、加硫研磨を行う方法。
ただし、上記方法に限定されるものではなく、従来からベルトの製造方法に用いられる公知の製造方法が適用可能であり、また、複数の製法を組み合わせてベルトを製造することも可能である。
【0093】
なお、本実施の形態において使用した弾性ベルトの製造方法について以下に説明する。
【0094】
PVDF:100重量部に対してカーボンブラック:18重量部、分散剤:3重量部、トルエン:400重量部を均一に分散させた分散液に円筒形の型を浸け10mm/secで静かに引き上げ室温にて乾燥をさせ75μmのPVDFの均一な膜を形成した。
【0095】
次に、75μmの膜が形成されている型を繰り返し上記条件にて溶液に円筒形の型を浸け、10mm/secで静かに引き上げ、室温乾燥させ150μmのPVDFベルトを形成した。これに、ポリウレタンプレポリマー:100重量部,硬化剤(イソシアネート):3重量部,カーボンブラック:20重量部,分散剤:3重量部,MEK:500重量部を均一分散させた分散液に上記150μmのPVDFが形成されている円筒形型を浸け、30mm/secで引き上げを行い、自然乾燥を行った。乾燥後繰り返し行い狙いの150μmのウレタンポリマー層を形成させた。
【0096】
さらに表層用にポリウレタンプレポリマー:100重量部,硬化剤(イソシアネート):3重量部,PTFE微粉末粉体:50重量部,分散剤:4重量部,MEK:500重量部を均一分散させた。
【0097】
上記150μmのウレタンプレポリマーが形成されている円筒形型を浸け、30mm/secで引き上げを行い、自然乾燥を行った。乾燥後繰り返し行い5μmのPTFEが均一に分散されたウレタンポリマーの表層を形成させた。そして、室温で乾燥後130℃、2時間の架橋を行い、樹脂層:150μm,弾性層:150μm,表層:5μmの3層構成転写ベルトを得た。
【0098】
弾性ベルトとして伸びを防止する方法としては、上記のように伸びの少ない芯体樹脂層にゴム層を形成する方法、芯体層に伸びを防止する材料を入れる方法等があるが、特に製法に関わるものではない。
【0099】
伸びを防止する芯体層を構成する材料は、例えば、綿、絹、などの天然繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、ポリウレタン繊維、ポリアセタール繊維、ポリフロロエチレン繊維、フェノール繊維などの合成繊維、炭素繊維、ガラス繊維、ボロン繊維などの無機繊維、鉄繊維、銅繊維などの金属繊維からなる群より選ばれる1種あるいは2種以上を用い織布状あるいは糸状のものができる。もちろん上記材料に限定されるものではない。
【0100】
糸は1本または複数のフィラメントを撚ったもの、片撚糸、諸撚糸、双糸等、どのような撚り方であってもよい。また、例えば上記材料群から選択された材質の繊維を混紡してもよい。もちろん糸に適当な導電処理を施して使用することもできる。
【0101】
一方織布は、メリヤス織り等どのような織り方の織布でも使用可能であり、もちろん交織した織布も使用可能であり当然導電処理を施すこともできる。
【0102】
芯体層を設ける製造方法は特に限定されるものではない、例えば、筒状に織った織布を金型等に被せ、その上に被覆層を設ける方法、筒状に織った織布を液状ゴム等に浸漬して芯体層の片面あるいは両面に被覆層を設ける方法、糸を金型等に任意のピッチで螺旋状に巻き付け、その上に被覆層を設ける方法等が適用可能である。
【0103】
弾性層の厚さは、弾性層の硬度にもよるが、厚すぎると表面の伸縮が大きくなり表層に亀裂の発生しやすくなる。また、伸縮量が大きくなることから画像に伸縮が大きくなること等から厚すぎることは好ましくない(およそ1mm以上)。
【0104】
弾性層の硬度の適正範囲は10≦HS≦65゜(JIS−A)である。ベルトの層厚によって最適硬度の調整は必要となる。硬度10゜JIS−Aより下のものは寸法精度良く成形する事が非常に困難である。これは成型時に収縮・膨張を受け易いことに起因する。また柔らかくする場合には、基材へオイル成分を含有させることが一般的な方法であるが、加圧状態で連続作動させるとオイル成分が滲み出してくるという欠点を有している。これにより中間転写体表面に接触する感光体を汚染し横帯状ムラを発生させることが分かった。一般的に離型性向上のために表層を設けているが、完全に浸みだし防止効果を与えるためには表層は耐久品質等要求品質の高いものになり、材料の選定、特性等の確保が困難になってくる。
【0105】
これに対して硬度65゜JIS−A以上のものは硬度が上がった分、精度良く成形できるのと、オイル含有量を含まない、または、少なく抑えることが可能となるので、感光体に対する汚染性は低減可能であるが、文字の中抜け等転写性改善の効果が得られなくなり、ローラへの張架が困難となる。
【0106】
次に、本実施の形態における特徴部分について説明する。なお、図9は、本実施形態の特徴部分である転写ユニットの色ズレ制御装置の概略図である。
本実施の形態の制御装置は、従動ローラとレジストローラとの熱による速度変動を等しくさせることとする。
【0107】
本実施の形態における画像形成装置は、無端状ベルト214をお互いに外径の異なる駆動ローラ215と従動ローラ213との間に架け渡し、駆動ローラ215の回転により無端状べルト214を走行させて画像形成処理を行う画像形成装置である。そして、従動ローラ213の角速度を検知するエンコーダ204により検知された角速度を目標速度信号207とコンパレータ206とで比較し、その比較結果に基づいてコンパレータ206は制御信号をモータドライバ208に出力し、モータドライバ208は、その出力制御信号に基づいて駆動モータ209を制御することで、常に無端状ベルト214の移動速度を一定にさせ、ベルトの速度ムラによる色ずれを押さえ込むことが可能となる。
【0108】
また、モータドライバ202は、目標速度信号203の制御信号を基に、駆動モータ201を制御することで、レジストローラの回転速度を制御する。なお、モータドライバ202に適用可能なものとして、DCモータと、ステッピングモータと、があるので、以下に各々の場合の制御動作について説明する。
【0109】
まず、モータドライバ202がDCモータドライバの場合について説明する。
まず、パルス波からなる目標速度信号203をDCドライバ202に入力し、DCドライバ202は、入力された目標速度信号に応じた電流を駆動モータ201に出力し、駆動モータ201は、その電流値の大きさに応じた回転数で駆動し、レジストローラ212を制御することとなる。
【0110】
次に、モータドライバ202がステッピングモータドライバの場合について説明する。
まず、パルス波からなる目標速度信号203をステッピングモータドライバ202に入力し、ステッピングモータドライバ202は、入力された目標速度信号に応じたパルスを出力し、駆動モータ201は、そのパルス数に応じた回転数で駆動し、レジストローラ212を制御することとなる。
【0111】
なお、従来の画像形成装置は、装置内部の温度が下がり従動ローラ213の径が小さくなる場合は、無端状ベルト214の線速(移動速度)が一定の場合でも従動ローラ213の周長が短くなりエンコーダ204は速い量の角速度を検出してしまい、駆動モータ209を遅くする制御をしてしまうこととなる。また温度が上がる場合は逆のことが起こり、駆動モータ209を速くする制御をしてしまうこととなる。
【0112】
しかしながら、本実施の形態の画像形成装置は、図9の従動ローラ213とレジストローラ212の両ローラを同径、同材質とすることで、例えば、装置内部の温度が上がった場合は、従動ローラ213が膨張して径が大きくなる程、駆動モータ209は速くなり、無端状ベルト214の線速(移動速度)は速くなる。一方、レジストローラ212は従動ローラ213と同量の径が大きくなり、その量の線速が速くなり、無端状ベルト214の線速(移動速度)と一致することとなる。
【0113】
逆に、装置内部の温度が下がった場合は、従動ローラ213が収縮して径が小さくなる程、駆動モータ209は遅くなり、無端状ベルト214の線速(移動速度)は遅くなる。一方、レジストローラ212は従動ローラ213と同量の径が収縮し、その量の線速が遅くなり、無端状ベルト214の線速(移動速度)と一致することとなる。なお、本実施の形態の画像形成装置における制御装置は、目標速度信号を、熱による速度変動の量の差で補正する。
【0114】
このように、本実施の形態の画像形成装置は、従動ローラ213とレジストローラ212の両ローラを同径、同材質とすることで、転写ベルト214とレジストローラ212の膨張量の差による線速差がなくなり、この線速差による画像のショックジターと呼ばれる画像の不具合を解消することが可能となる。
【0115】
また、従動ローラとレジストローラとの熱による速度変動量の差に応じて、レジストローラの速度を制御することで、無端状ベルトとレジストローラとの速度差がなくなることとなる。
【0116】
また、従動ローラとレジストローラとの熱による速度変動量の差に応じて、従動ローラの速度を制御することでも、無端状ベルトとレジストローラとの速度差がなくなることとなる。
【0117】
また、従動ローラの速度に追従させて前記レジストローラの速度を制御することでも、無端状ベルトとレジストローラとの速度差がなくなることとなる。
【0118】
また、レジストローラの速度に追従させて従動ローラの速度を制御することでも、無端状ベルトとレジストローラとの速度差がなくなることとなる。なお、無端状ベルトには、中間転写ベルト、画像担持ベルト、または、シート搬送用ベルトが適用可能となる。
【0119】
なお、上述する実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更実施が可能である。例えば、上記実施の形態においては、転写搬送ベルト60上に感光体ドラム11Y(イエロー)、11M(マゼンタ)、11C(シアン)、11K(ブラック)が複数並べて配設されるタンデム式の画像形成装置の具備する転写ユニットに適用したが、本発明が適用可能な画像形成装置及びベルト駆動装置はこの構成に限るものではなく、複数のローラに張架された無端状ベルトをそのローラのうちの少なくとも1以上のローラで回転駆動するベルト駆動装置を有する画像形成装置であれば適用可能である。
【0120】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように本発明は以下のような効果を奏する。
本発明にかかる画像形成装置、位置ずれ補正処理プログラム及び記録媒体は、画像を形成する画像形成手段により形成された像を担う無端状の移動体を移動させる従動ローラと、画像形成手段により形成された像が最終的に転写される転写材の位置を決定するレジストローラと、の両ローラの熱の速度変動を等しくさせ、従動ローラと、レジストローラと、の速度を均一にさせることで、画像の不具合を無くすことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる画像形成装置の概略構成を示す図である。
【図2】中間転写方式の転写ユニットの概略構成を示す図である。
【図3】直接転写方式の転写ユニットの概略構成を示す図である。
【図4】転写材の層構成を示す図である。
【図5】図1に示す画像形成装置の具備する個々の画像形成手段の構成を示す図である。
【図6】図1に示す画像形成装置の具備するトナーリサイクル装置の概略構成を示す図である。
【図7】図1に示す画像形成装置の具備する転写ユニットの概略構成を示す図である。
【図8】図6に示すトナーリサイクル装置を構成する際の部品の組み立て説明図である。
【図9】画像形成装置の色ずれを制御する制御装置の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
201、209 駆動モータ
202、208 モータドライバ
203、207 目標速度信号
204 エンコーダ
205 FV速度変換部
206 コンパレータ
212 レジストローラ
213 従動ローラ
214 無端状ベルト
215 駆動ローラ
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式の画像形成装置に関し、特に、無端ベルト状中間転写体や無端ベルト状感光体等のベルト状のベルト状像担持体を用いて形成されたトナー像を転写材に転写する転写装置を具備する画像形成装置、該画像形成装置における位置ずれ補正処理プログラム及び記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式の画像形成装置には、複数の感光体上に形成される、異なる色のトナー画像を、直接転写紙上に重ねながら転写させる直接転写方式と、複数の感光体上に形成される、異なる色のトナー画像を中間転写体上に重ねながら転写させ、しかる後に転写紙上に一括して転写させる中間転写方式とがある。
【0003】
このような画像形成装置の転写方式は、複数の感光体を転写紙または中間転写体に対向させて並べて配置することから、タンデム方式と呼ばれており、感光体毎に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色に対して静電潜像の形成、現像などの電子写真プロセスを実行させ、直接転写方式では走行中の転写紙上に転写することとなり、中間転写方式においては走行中の中間転写体上に転写することとなる。
【0004】
これらの転写方式を用いたタンデム方式の画像形成装置において、直接転写方式では、転写紙を支持しながら走行する無端ベルトを採用するのが一般的であり、また、中間転写方式では、感光体から画像を受け取り担持する無端ベルトを採用するのが一般的である。そして、4個の感光体を含む作像ユニットをベルトの一走行辺に並べて設置されることとなる。このような、画像形成装置では、無端ベルトをお互いに外径の異なる駆動ローラと従動ローラとの間に架け渡し、駆動ローラの回転により、無端ベルトを走行させて画像形成処理を行っていた。
【0005】
このようなタンデム方式の画像形成装置では、各色のトナー像を精度よく重ねることは、色ズレの発生を防止するうえでは重要な条件となる。以下に、図9を参照しながら、この色ズレの発生を防止する方法を説明する。
【0006】
図9に示す制御装置の構成は、無端状ベルト214をお互いに外径の異なる駆動ローラ215と従動ローラ213との間に架け渡し、駆動ローラ215の回転により無端状べルト214を走行させて画像形成処理を行う画像形成装置において、従動ローラ213の角速度を検知するエンコーダ204により検知された角速度を、目標速度信号207とコンパレータ206とで比較し、その比較結果に基づいてコンパレータ206が制御信号をモータドライバ208に出力し、その出力信号に基づいてモータドライバ208が駆動モータ209を制御することで、常に無端状ベルト214の速度を一定にさせ、無端状ベルト214の速度ムラによる色ズレを押さえ込む制御装置である。
【0007】
また、本発明より先に出願された技術文献として、搬送ベルトに沿って配置された複数の感光ドラムを有する形式の画像形成装置において、搬送ベルトの周速及び感光体ドラムの周速を検知し、その検知結果に従いトナー像を感光体ドラムの表面に形成するタイミングを調整して、色ずれや色むらのない良好な画像を取得する画像形成装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開平10−31338号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図9のような制御装置がない場合は、従動ローラ213の温度膨張は無端状ベルト214の移動速度に影響はないが、温度が下がり従動ローラ213の径が小さくなると、無端状ベルト214の線速が一定の場合でも従動ローラ213の周長が短くなり、エンコーダ204は速い量の角速度を検出してしまい、駆動モータ209を遅くするための制御をしてしまうこととなる。また、温度が上がると、逆のことが起こり、駆動モータ209を速くするための制御をしてしまうこととなる。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ベルトの速度を一定にさせ、ベルトの速度むらによる色ずれや色むらのない良質な画像を形成する画像形成装置、位置ずれ補正処理プログラム及び記録媒体を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために本発明は以下のような特徴を有する。
請求項1記載の発明は、画像を形成する画像形成手段と、画像形成手段により形成された像を担う無端状の移動体と、無端状の移動体を駆動ローラと従動ローラとの間に架け渡し、無端状の移動体を回転移動する駆動手段と、画像形成手段により形成された像が最終的に転写される転写材の位置を決定するレジストローラと、従動ローラの角速度を検知する角速度検知手段と、角速度検知手段により検知した角速度を基に無端状の移動体の回転移動速度を制御する移動速度制御手段と、レジストローラの回転速度を制御するレジストローラ制御手段と、を有する画像形成装置であって、従動ローラと、レジストローラとの熱による速度変動を等しくさせることを特徴とする。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、従動ローラと、レジストローラとの両ローラを同径、且つ、同材質とすることを特徴とする。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の画像形成装置において、従動ローラとレジストローラとの熱による速度変動量の差に応じて、レジストローラの速度を制御することを特徴とする。
【0014】
請求項4記載の発明は、請求項1から3の何れか1項に記載の画像形成装置において、従動ローラとレジストローラとの熱による速度変動量の差に応じて、従動ローラの速度を制御することを特徴とする。
【0015】
請求項5記載の発明は、請求項3記載の画像形成装置において、従動ローラの速度に追従させてレジストローラの速度を制御することを特徴とする。
【0016】
請求項6記載の発明は、請求項4記載の画像形成装置において、レジストローラの速度に追従させて従動ローラの速度を制御することを特徴とする。
【0017】
請求項7記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、無端状の移動体は、中間転写ベルト、画像担持ベルト、または、シート搬送用ベルトであることを特徴とする。
【0018】
請求項8記載の発明は、画像を形成する画像形成手段と、画像形成手段により形成された像を担う無端状の移動体と、無端状の移動体を駆動ローラと従動ローラとの間に架け渡し、無端状の移動体を回転移動する駆動手段と、画像形成手段により形成された像が最終的に転写される転写材の位置を決定するレジストローラと、従動ローラの角速度を検知する角速度検知手段と、角速度検知手段により検知した角速度を基に無端状の移動体の回転移動速度を制御する移動速度制御手段と、レジストローラの回転速度を制御するレジストローラ制御手段とを有する画像形成装置において実行させる位置ずれ補正処理プログラムであって、移動速度制御手段またはレジストローラ制御手段に、従動ローラと、レジストローラとの熱による速度変動を等しくし、従動ローラとレジストローラとの速度を均一にさせる処理を実行させることを特徴とする。
【0019】
請求項9記載の発明は、請求項8記載の位置ずれ補正処理プログラムにおいて、レジストローラ制御手段に、従動ローラとレジストローラとの熱による速度変動量の差に応じて、レジストローラの速度を制御する処理を実行させることを特徴とする。
【0020】
請求項10記載の発明は、請求項8記載の位置ずれ補正処理プログラムにおいて、移動速度制御手段に、従動ローラとレジストローラとの熱による速度変動量の差に応じて、従動ローラの速度を制御する処理を実行させることを特徴とする。
【0021】
請求項11記載の発明は、請求項9記載の位置ずれ補正処理プログラムにおいて、レジストローラ制御手段に、レジストローラの速度を従動ローラの速度に追従させる制御を実行させることを特徴とする。
【0022】
請求項12記載の発明は、請求項10記載の位置ずれ補正処理プログラムにおいて、移動速度制御手段に、従動ローラの速度をレジストローラの速度に追従させる制御を実行させることを特徴とする。
【0023】
請求項13記載の発明は、請求項8から請求項12の何れか1項に記載の位置ずれ補正処理プログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録したことを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら本発明にかかる実施の形態について詳細に説明する。
【0025】
まず、図1を参照しながら、タンデム型の画像形成装置について説明する。
なお、タンデム型の画像形成装置は、図2に示すように、各感光体1上の画像を1次転写装置2によりいったん中間転写体4に順次転写し、その中間転写体4上の画像を2次転写装置5によりシートS上に一括転写する間接転写方式のものがある。
また、図3に示すように、各感光体1上の画像を転写装置2により、シート搬送ベルト3で搬送するシートs上に順次転写する直接転写方式のものがある。
【0026】
図2に示す間接転写方式の画像形成装置と、図3に示す直接転写方式の画像形成装置とを比較すると、図3に示す直接転写方式の画像形成装置は、感光体1を並べたタンデム型画像形成装置Tの上流側に給紙装置6を、下流側に定着装置7を配置しなければならず、大型化する欠点がある。これに対し、図2に示す間接転写方式の画像形成装置は、2次転写位置を比較的自由に設置することが可能なことから、給紙装置6および定着装置7をタンデム型画像形成装置Tと重ねて配置することができ、小型化が可能となる利点がある。
【0027】
また、図3に示す直接転写方式の画像形成装置は、大型化しないように定着装置7をタンデム型画像形成装置Tに接近して配置することとなり、シートsがたわむことができる十分な距離をもって定着装置7を配置することができず、シートsの先端が定着装置7に進入するときの衝撃や、定着装置7を通過するときのシート搬送速度差等で、定着装置7が後端側の画像形成に影響を及ぼす虞がある。
【0028】
これに対し、図2に示す間接転写方式の画像形成装置は、シートsがたわむことができる十分な距離をもって定着装置7を配置することができることから、定着装置7がほとんど画像形成に影響を及ぼすことのないように配置することができる。このようなことから、間接転写方式のタンデム型の画像形成装置が好ましい。
【0029】
そして、この種の間接転写方式の画像形成装置は、図2に示すように、1次転写後に感光体1上に残留する転写残トナーを、感光体クリーニング装置8で除去して感光体1の表面をクリーニングし、再度の画像形成に備えることとなる。また、2次転写後に中間転写体4上に残留する転写残トナーを、中間転写体クリーニング装置9で除去して中間転写体4表面をクリーニングし、再度の画像転写に備えることとなる。
【0030】
次に、図1を参照しながら、タンデム型間接転写方式の画像形成装置の構成について説明する。
【0031】
図1に示すタンデム型間接転写方式の画像形成装置は、複写機本体100と、複写機本体を載せる給紙テーブル200と、複写機本体100上に取り付けるスキャナ300と、スキャナ300の上に取り付ける原稿自動搬送装置(ADF)400とで構成される。
【0032】
複写機本体100には、中央部に、無端ベルト状の中間転写体10が設けられている。中間転写体10は、図4に示すように、ベース層11を、例えばフッ素樹脂や帆布などの伸びにくい材料を用いて作成し、そのベース層11の上に弾性層12を設けることとなる。弾性層12は、例えば、フッ素ゴムやアクリロニトリル−ブタジェン共重合ゴムなどの材料が適用可能となる。そして、その弾性層12の表面には、例えば、フッ素系樹脂をコーティングして平滑性のよいコート層13を被って構成されることとなる。
【0033】
なお、中間転写体10は、図1に示すように、3つの支持ローラ14,15,16に掛け回して時計回りに回転搬送されることとなる。本実施の形態における画像形成装置では、3つの支持ローラ14,15,16のうち、第2の支持ローラ15の左に、画像転写後に中間転写体10上に残留する残留トナーを除去する中間転写体クリーニング装置17を設ける。
【0034】
また、3つの支持ローラ14,15,16のうち、第1の支持ローラ14と第2の支持ローラ15との間に張り渡した中間転写体10上には、その搬送方向に沿って、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)の4つの画像形成手段18を横に並べて配置してタンデム型の画像形成装置20を構成する。
そして、そのタンデム画像形成装置20の上には、露光装置21が設けられている。
【0035】
一方、中間転写体10を挟んでタンデム画像形成装置20と反対側方向には、2次転写装置22が設けられている。なお、本実施の形態における2次転写装置22は、2つのローラ23間に、無端ベルトである2次転写ベルト24を掛け渡して構成されており、中間転写体10を介して第3の支持ローラ16に押し当てて配置し、中間転写体10上の画像をシート上に転写することとする。
【0036】
また、2次転写装置22の横には、シート上の転写画像を定着する定着装置25が設けられている。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26に加圧ローラ27を押し当てて構成される。なお、上述した2次転写装置22には、画像転写後のシートをこの定着装置25へと搬送するシート搬送機能も備えている。もちろん、2次転写装置22として非接触のチャージャを配置することも可能である。
【0037】
なお、図1に示す画像形成装置では、2次転写装置22および定着装置25の下に、タンデム画像形成装置20と平行に、シートの両面に画像を記録すべくシートを反転するシート反転装置28が設けられている。
【0038】
次に、図1に示す画像形成装置を用いて画像形成を行うときの処理動作について説明する。
【0039】
まず、原稿自動搬送装置400の原稿台30上に原稿をセットする。または、原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じて原稿を押さえる。そして、操作部上に設けられたスタートスイッチ(図示せず)を押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットした場合は、原稿を搬送してコンタクトガラス32上へと移動して、また、コンタクトガラス32上に原稿をセットした場合は、直ちにスキャナ300を駆動し、第1走行体33および第2走行体34を走行する。そして、第1走行体33で光源から光を照射するとともに原稿面からの反射光をさらに反射して第2走行体34に向け、第2走行体34のミラーで反射して結像レンズ35を通して読み取りセンサ36に入れ、原稿内容を読み取る。
【0040】
また、操作部上に設けられたスタートスイッチ(図示せず)を押すと、駆動モータ(図示せず)で支持ローラ14,15,16の1つを回転駆動して他の2つの支持ローラを従動回転し、中間転写体10を回転搬送する。同時に、個々の画像形成手段18でその感光体40を回転して各感光体40上にそれぞれ、ブラック(K)、イエロ(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の単色画像を形成する。そして、中間転写体10の搬送と共に、それらの単色画像を順次転写して中間転写体10上に合成カラー画像を形成する。
【0041】
一方、操作部上に設けられたスタートスイッチ(図示せず)を押すと、給紙テーブル200の給紙ローラ42の1つを選択回転し、ペーパーバンク43に多段に備える給紙カセット44の1つからシートを繰り出し、分離ローラ45で1枚ずつ分離して給紙路46に入れ、搬送ローラ47で搬送して複写機本体100内の給紙路48に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。
【0042】
または、給紙ローラ50を回転して手差しトレイ51上のシートを繰り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。
【0043】
そして、中間転写体10上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転し、中間転写体10と2次転写装置22との間にシートを送り込み、2次転写装置22で転写してシート上にカラー画像を記録する。
【0044】
画像転写後のシートは、2次転写装置22で搬送して定着装置25へと送り込み、定着装置25で熱と圧力とを加えて転写画像を定着した後、切換爪55で切り換えて排出ローラ56で排出し、排紙トレイ57上にスタックする。または、切換爪55で切り換えてシート反転装置28に入れ、そこで反転して再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録した後、排出ローラ56で排紙トレイ57上に排出する。
【0045】
一方、画像転写後の中間転写体10は、中間転写体クリーニング装置17で、画像転写後に中間転写体10上に残留する残留トナーを除去し、タンデム画像形成装置20による再度の画像形成に備える。ここで、レジストローラ49には、導電性ゴムローラを用い、バイアスを印加する。なお、導電性ゴムローラは、径φ18で、表面が厚み1mmの導電性NBRゴムとする。電気抵抗はゴム材の体積抵抗で10E9Ωcm程度であり、印加電圧はトナーを転写する側(表側)には−850V程度の電圧が印加されている。
【0046】
紙裏面側は+200V程度の電圧が印加されているが、特に裏面の紙粉転写を考慮する必要が少ない場合にはアースになっていても良い。また、印加電圧として、DCバイアスが印加されているが、これはDCオフセット成分を持ったAC電圧でも良い。なお、AC重畳DCバイアスの方が紙表面を均一に帯電することから好ましい。なお、レジストローラ49を通過した後の紙表面は若干マイナス側に帯電していることから、中間転写体10からシートへの転写では、レジストローラ49に電圧を印加しない場合に比べて転写条件が変わる場合があるので注意が必要となる。
【0047】
次に、図5を参照しながら、上記のタンデム画像形成装置20における、個々の画像形成手段18の構成について詳細に説明する。
【0048】
個々の画像形成手段18は、例えば図5に示すように、ドラム状の感光体40のまわりに、帯電装置60、現像装置61、1次転写装置62、感光体クリーニング装置63、除電装置64などを備えて構成されている。なお、感光体40は、アルミニウム等の素管に、感光性を有する有機感光材を塗布し、感光層を形成したドラム状であるが、無端ベルト状であっても良く特に限定しないこととする。
【0049】
また、本実施の形態における画像形成装置では、少なくとも感光体40を設け、画像形成手段18を構成する部分の全部または一部でプロセスカートリッジを形成し、複写機本体100に対して一括して着脱自在としてメンテナンス性を向上させることも可能である。
【0050】
なお、画像形成手段18を構成する帯電装置60は、ローラ状の装置を設け、感光体40に接触して電圧を印加することでその感光体40の帯電を行う。
【0051】
現像装置61は、一成分現像剤を使用してもよいが、磁性キャリアと非磁性トナーとからなる二成分現像剤を使用する。なお、現像装置61は、その二成分現像剤を攪拌しながら搬送して現像スリーブ65に付着する攪拌部66と、その現像スリーブ65に付着した二成分現像剤のうちのトナーを感光体40に転移する現像部67とで構成し、その現像部67より攪拌部66を低い位置とする。
【0052】
攪拌部66には、平行な2本のスクリュ68を設ける。また、2本のスクリュ68の間は、両端部を除いて仕切り板69で仕切ることとする(図6参照)。また、現像ケース70にトナー濃度センサ71を取り付ける。
【0053】
一方、現像部67には、現像ケース70の開口を通して感光体40と対向して現像スリーブ65を設けるとともに、その現像スリーブ65内にマグネット72を固定して設ける。また、その現像スリーブ65に先端を接近してドクタブレード73を設ける。なお、本実施の形態では、ドクタブレード73と現像スリーブ65間の最接近部における間隔は、500μmに設定してある。そして、2成分現像剤を2本のスクリュ68で攪拌しながら搬送循環し、現像スリーブ65に供給する。現像スリーブ65に供給された現像剤は、マグネット72により汲み上げて保持し、現像スリーブ65上に磁気ブラシを形成する。磁気ブラシは、現像スリーブ65の回転とともに、ドクタブレード73によって適正な量に穂切りする。切り落とされた現像剤は、攪拌部66に戻される。
【0054】
他方、現像スリーブ65上の現像剤のうちトナーは、現像スリーブ65に印加する現像バイアス電圧により感光体40に転移してその感光体40上の静電潜像を可視像化する。そして、可視像化した後、現像スリーブ65上に残った現像剤は、マグネット72の磁力がないところで現像スリーブ65から離れて攪拌部66に戻る。この繰り返しにより、攪拌部66内のトナー濃度が薄くなると、それをトナー濃度センサ71で検知して攪拌部66にトナー補給する。
【0055】
ちなみに、本実施の形態では、感光体40の線速を200mm/S、現像スリーブ65の線速を240mm/Sとして、また、感光体40の直径を50mm、現像スリーブ65の直径を18mmとして、現像行程が行われる。現像スリーブ65上のトナー帯電量は、−10〜−30μC/gの範囲である。感光体40と現像スリーブ65との間隙である現像ギャップGpは、従来の0.8mm〜0.4mmの範囲で設定でき、値を小さくすることで現像効率の向上を図ることが可能となる。
【0056】
また、感光体40の厚みを30μmとし、光学系のビームスポット径を50×60μm、光量を0.47mWとしている。また、感光体40の帯電(露光前)電位V0 を−700V、露光後電位VL を−120Vとして現像バイアス電圧を−470Vすなわち現像ポテンシャル350Vとして現像工程が行われるものとする。
【0057】
次に、1次転写装置62は、ローラ状とし、中間転写体10を挟んで感光体40に押し当てて設けることとする。なお、本実施の形態では、ローラ状に限らず、非接触のコロナチャージャなどであってもよく、特に限定しない。
【0058】
感光体クリーニング装置63は、先端を感光体40に押し当てて、例えばポリウレタンゴム製のクリーニングブレード75を備えるとともに、外周を感光体40に接触して導電性のファーブラシ76を矢示方向に回転自在に備える。また、ファーブラシ76にバイアスを印加する金属製電界ローラ77を矢示方向に回転自在に備え、その電界ローラ77にスクレーパ78の先端を押し当てる。さらに、除去したトナーを回収する回収スクリュ79を設ける。
【0059】
そして、感光体40に対してカウンタ方向に回転するファーブラシ76で、感光体40上の残留トナーを除去する。ファーブラシ76に付着したトナーは、ファーブラシ76に対して接触してカウンタ方向に回転する電界ローラ77でバイアスを印加して取り除く。電界ローラ77は、スクレーパ78でクリーニングする。感光体クリーニング装置63で回収したトナーは、回収スクリュ79で感光体クリーニング装置63の片側に寄せ、詳しくは後述するトナーリサイクル装置80で現像装置61へと戻して再利用する。
【0060】
除電装置64は、例えばランプであり、光を照射して感光体40の表面電位を初期化する。そして、感光体40の回転とともに、まず帯電装置60で感光体40の表面を一様に帯電し、次に、図1に示すスキャナ300の読み取り内容に応じて上述した露光装置21からレーザやLED等による書込み光Lを照射して感光体40上に静電潜像を形成する。
【0061】
その後、現像装置61によりトナーを付着してその静電潜像を可視像化し、その可視像を1次転写装置62で中間転写体10上に転写する。画像転写後の感光体40の表面は、感光体クリーニング装置63で残留トナーを除去して清掃し、除電装置64で除電して再度の画像形成に備える。
【0062】
図7は、図1に示す画像形成装置の要部拡大図である。図7に示す画像形成装置20は、画像形成手段18、その画像形成手段18の感光体40、現像装置61、感光体クリーニング装置63、および画像形成手段18の感光体40にそれぞれ対向して設ける1次転写装置62とを各々が有している。なお、符号の後に、ブラックの場合はBKを、イエローの場合はYを、マゼンタの場合はMを、シアンの場合はCを付して示している。
【0063】
なお、本実施の形態の画像形成装置は、導電性ローラ74が、各1次転写装置62間において、中間転写体10のベース層11(図4参照)側に接触して設けられる。この導電性ローラ74は、転写時に各1次転写装置62により印加するバイアスが、中抵抗のベース層11(図4参照)を介して隣の各画像形成手段18に流れ込むことを阻止するものである。
【0064】
次に、図6、図8を参照しながら、トナーリサイクル装置80について説明する。図6に示す感光体クリーニング装置63の回収スクリュ79には、図8に示すように、一端に、ピン81を有するローラ部82を設ける。そして、そのローラ部82に、トナーリサイクル装置80のベルト状回収トナー搬送部材83の一側を掛け、その回収トナー搬送部材83の長孔84にピン81を入れる。回収トナー搬送部材83の外周には一定間隔置きに羽根85が設けられており、その他側は、回転軸86のローラ部87に掛けることとなる。
【0065】
図8に示す回収トナー搬送部材83は、回転軸86とともに、図6に示す搬送路ケース88内に入れることとなる。搬送路ケース88は、カートリッジケース89と一体につくり、その現像装置61側の端部に、現像装置61の前述した2本のスクリュ68の1本を入れて構成される。
【0066】
そして、外部から駆動力を伝達して回収スクリュ79を回転するとともに、回収トナー搬送部材83を回転搬送し、感光体クリーニング装置63で回収したトナーを、搬送路ケース88内を通して現像装置61へと搬送し、スクリュ68の回転で現像装置61内に入れる。その後、上述したとおり、2本のスクリュ68で既に現像装置61内にある現像剤と共に攪拌しながら搬送循環し、現像スリーブ65に供給してドクタブレード73により穂切りした後、感光体40に転移してその感光体40上の潜像を現像する。
【0067】
なお、トナーは、ポリエステル、ポリオ−ル、スチレンアクリル等の樹脂に帯電制御剤(CCA)、色剤を混合し、その周りにシリカ、酸化チタン等の物質を外添することでその帯電特性、流動性を高めている。添加剤の粒径は、通常、0.1〜1.5[μm]の範囲である。色剤は、カ−ボンブラック、フタロシアニンブル−、キナクリドン、カ−ミン等が挙げられる。帯電極性は、本実施の形態では負帯電である。
【0068】
トナーは、ワックス等を分散混合させた母体トナーに上記種類の添加剤を外添しているものを使用することができる。なお、ここまでの説明で、トナーは、粉砕法で作成されたものであるが、重合法等で作成したものを使用することも可能である。一般に重合法、加熱法等で作成されたトナーは、形状係数を90%以上に形成することも可能で、さらに、形状による添加剤の被覆率も極めて高くなる。
【0069】
ここで、形状係数は、本来ならば球形度となって、「粒子と同体積の球の表面積/実粒子の表面積×100%」で定義されるが、測定がかなり困難になるので、円形度で算出する。その定義は、「粒子と同じ投影面積を持つ円の周長/実粒子の投影輪郭長さ×100%」とする。そうすると、投影された円が真円に近づくほど、100%に近づくことになる。
【0070】
トナーの体積平均粒径の範囲は、3〜12μmが好適である。本実施の形態では、6μmとし、1200dpi以上の高解像度の画像にも十分対応することが可能である。
【0071】
磁性粒子は、金属または樹脂をコアとしてフェライト等の磁性材料を含有し、表層はシリコーン樹脂等で被覆されたものである。粒径は、20〜50μmの範囲が良好である。また、抵抗は、ダイナミック抵抗で104 〜106 Ωの範囲が最適である。ただし、測定方法は、磁石を内包したローラ(φ20:600RPM)に坦持して、幅65mm、長さ1mmの面積の電極をギャップ0.9mmで当接させ、耐圧上限レベル(高抵抗シリコンコートキャリアでは400Vから鉄粉キャリアでは数V)の印加電圧を印加した時の測定値である。
【0072】
図5に示す現像スリーブ65は、非磁性の回転可能なスリーブ状の形状を持ち、内部には複数のマグネット72を配設している。マグネット72は、固定されているために現像剤が所定の場所を通過するときに磁力を作用させられるようになっている。本実施の形態では、現像スリーブ65の直径をφ18とし、表面はサンドブラストまたは1〜数mmの深さを有する複数の溝を形成する処理を行い10〜30μmRZの範囲に入るようにあらしている。
【0073】
マグネット72は、ドクタブレード73の箇所から現像スリーブ65の回転方向にN1 、S1 、N2 、S2 、S3 の5磁極を有する。マグネット72で形成された(トナー+磁性粒子)は、現像剤として現像スリーブ65上に坦持され、トナーは、磁性粒子と混合されることで規定の帯電量を得る。本実施の形態では、−10〜−30[μC/g]の範囲が好適である。現像スリーブ65は、現像剤の磁気ブラシを形成した、マグネット72のS1側の領域に、感光体40に対向して配設されている。
【0074】
ところで、本実施の形態では、図7に示すように、クリーニング装置17に、クリーニング部材として2つのファーブラシ90,91を設ける。ファーブラシ90,91は、φ20mm、アクリルカーボン、6.25D/F、10万本/inch2 E+7Ωのものを使用し、中間転写体10に対して接触してカウンタ方向に回転するように設ける。そして、それぞれのファーブラシ90,91には、不図示の電源から各々異なる極性のバイアスを印加する。
【0075】
そのようなファーブラシ90,91には、それぞれ金属ローラ92,93を接触して順方向に回転するように設ける。そして、この例では、中間転写体10の回転方向上流側の金属ローラ92に電源94から(−)電圧を印加し、下流側の金属ローラ93に電源95から(+)電圧を印加する。それらの金属ローラ92,93には、それぞれブレード96,97の先端を押し当てる。
【0076】
そして、中間転写体10の矢示方向への回転とともに、上流側のファーブラシ90を用いて、例えば(−)のバイアスを印加して中間転写体10表面のクリーニングを行う。仮に、金属ローラ92に−700V印加すると、ファーブラシ90は−400Vとなり、中間転写体10上の(+)トナーをファーブラシ90側に転移する。そして、除去したトナーをさらに電位差によりファーブラシ90から金属ローラ92に転移し、ブレード96により掻き落とす。
【0077】
さて、ファーブラシ90で中間転写体10上のトナーを除去するが、中間転写体10上にはまだ多くのトナーが残っている。それらのトナーは、ファーブラシ90に印加される(−)のバイアスにより、(−)に帯電される。これは、電荷注入または放電により帯電されるものと考えられる。
【0078】
しかし、次いで下流側のファーブラシ91を用いて今度は(+)のバイアスを印加してクリーニングを行うことにより、それらのトナーを除去することができる。除去したトナーは、電位差によりファーブラシ91から金属ローラ93に転移し、ブレード97により掻き落とすこととなる。
【0079】
ブレード96,97で掻き落としたトナーは、不図示のタンクに回収する。なお、トナーリサイクル装置を用いて現像装置61に戻すようにしてもよい。
【0080】
さて、ファーブラシ91でクリーニング後は、ほとんどのトナーが除去されるが、中間転写体10上にはまだ少しのトナーが残っている。それらのトナーは、ファーブラシ91に印加される(+)のバイアスにより、(+)に帯電される。しかし、2つのファーブラシ90,91で除去できずに中間転写体10上にトナーが残ったときにも、ブラックの1次転写位置で感光体40BK側に逆転写して感光体クリーニング装置63BKで回収することができる。
【0081】
電子写真を利用した画像形成装置では、電子写真プロセスにて画像形成された画像を担持する像担持体が具備されて構成される。なお、本実施の形態では中間転写体である中間転写ベルトに相当する。
【0082】
中間転写ベルトには、弗素系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂等の材質が従来から使用されてきていたが、近年、ベルトの全層や、ベルトの一部を弾性部材にした弾性ベルトが使用されてきている。
【0083】
なお、樹脂ベルトを用いたカラー画像の転写には以下の課題がある。
(1)カラー画像は通常4色の着色トナーで形成される。1枚のカラー画像には、1層から4層までのトナー層が形成されている。そのため、トナー層は1次転写(感光体から中間転写ベルトへの転写)や、2次転写(中間転写ベルトからシートへの転写)を通過することで圧力を受け、トナー同士の凝集力が高くなる。このため、トナー同士の凝集力が高くなると文字の中抜けやベタ部画像のエッジ抜けの現象が発生しやすくなる。
【0084】
(2)樹脂ベルトは硬度が高くトナー層に応じて変形しないため、トナー層を圧縮させやすく文字の中抜け現象が発生しやすくなる。
【0085】
(3)最近はフルカラー画像を様々な用紙、例えば和紙や意図的に凹凸を付けや用紙に画像を形成したいという要求が高くなってきている。しかし、平滑性の悪い用紙は転写時にトナーと空隙が発生しやすく、転写抜けが発生しやすくなる。密着性を高めるために2次転写部の転写圧を高めると、トナー層の凝縮力を高めることになり、上述したような文字の中抜けを発生させることになる。
【0086】
なお、弾性ベルトは樹脂ベルトより硬度が低いため、転写部でトナー層、平滑性の悪い用紙に対応して変形する。つまり、局部的な凹凸に追従して弾性ベルトは変形するため、過度にトナー層に対して転写圧を高めることなく、良好な密着性が得られ文字の中抜けのない、平面性の悪い用紙に対しても均一性の優れた転写画像を得ることが可能となる。
【0087】
弾性ベルトに好適な樹脂としては、ポリカーボネート、フッ素系樹脂(ETFE,PVDF)、ポリスチレン、クロロポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体(スチレン−アクリル酸メチル共重合体,スチレン−アクリル酸エチル共重合体,スチレン−アクリル酸ブチル共重合体,スチレン−アクリル酸オクチル共重合体及びスチレン−アクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体(スチレン−メタクリル酸メチル共重合体,スチレン−メタクリル酸エチル共重合体,スチレン−メタクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂(スチレンまたはスチレン置換体を含む単重合体または共重合体)、メタクリル酸メチル樹脂、メタクリル酸ブチル樹脂、アクリル酸エチル樹脂、アクリル酸ブチル樹脂、変性アクリル樹脂(シリコーン変性アクリル樹脂,塩化ビニル樹脂変性アクリル樹脂,アクリル・ウレタン樹脂等)、塩化ビニル樹脂、スチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニリデン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂及びポリビニルブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、変性ポリフェニレンオキサイド樹脂等からなる群より選ばれる1種類あるいは2種類以上を使用することができる。ただし、上記材料に限定されるものではなく、従来から弾性ベルトに用いられる公知の樹脂であれば適用可能である。
【0088】
なお、弾性材ゴム、エラストマーとしては、ブチルゴム、フッ素系ゴム、アクリルゴム、EPDM、NBR、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンゴム天然ゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレンターポリマー、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ウレタンゴム、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン、エピクロロヒドリン系ゴム、リコーンゴム、フッ素ゴム、多硫化ゴム、ポリノルボルネンゴム、水素化ニトリルゴム、熱可塑性エラストマー(例えばポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリアミド系、ポリウレア、ポリエステル系、フッ素樹脂系)等からなる群より選ばれる1種類あるいは2種類以上を使用することができる。ただし、上記材料に限定されるものではなく、従来から弾性ゴム、エラストマーに用いられる公知のものであれば適用可能である。
【0089】
また、抵抗値調節用導電剤には、例えば、カーボンブラック、グラファイト、アルミニウムやニッケル等の金属粉末、酸化錫、酸化チタン、酸化アンチモン、酸化インジウム、チタン酸カリウム、酸化アンチモン−酸化錫複合酸化物(ATO)、酸化インジウム−酸化錫複合酸化物(ITO)等の導電性金属酸化物、導電性金属酸化物は、硫酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の絶縁性微粒子を被覆したものでもよい。ただし、上記導電剤に限定されるものではなく、従来から抵抗値調節用導電剤に用いられる公知のものであれば適用可能である。
【0090】
また、表層材料に制限はないが、転写ベルト表面へのトナーの付着力を小さくして2次転写性を高めるものが要求される。例えば、ポリウレタン、ポリエステル、エポキシ樹脂等の1種類あるいは2種類以上を使用し表面エネルギーを小さくし潤滑性を高める材料、例えば、フッ素樹脂、フッ素化合物、フッ化炭素、2酸化チタン、シリコンカーバイト等の粉体、粒子を1種類あるいは2種類以上または粒径を異ならしたものを分散させ使用することができる。
【0091】
また、フッ素系ゴム材料のように熱処理を行うことで表面にフッ素リッチな層を形成させ表面エネルギーを小さくさせたものを使用することもできる。
【0092】
また、ベルトの製造方法には、以下の製造方法が挙げられる。
(1)回転する円筒形の型に材料を流し込みベルトを形成する遠心成型法。
(2)表層の薄い膜を形成させるスプレイ塗工法。
(3)円筒形の型を材料の溶液の中に浸けて引き上げるディッピング法。
(4)内型、外型の中に注入する注型法。
(5)円筒形の型にコンパウンドを巻き付け、加硫研磨を行う方法。
ただし、上記方法に限定されるものではなく、従来からベルトの製造方法に用いられる公知の製造方法が適用可能であり、また、複数の製法を組み合わせてベルトを製造することも可能である。
【0093】
なお、本実施の形態において使用した弾性ベルトの製造方法について以下に説明する。
【0094】
PVDF:100重量部に対してカーボンブラック:18重量部、分散剤:3重量部、トルエン:400重量部を均一に分散させた分散液に円筒形の型を浸け10mm/secで静かに引き上げ室温にて乾燥をさせ75μmのPVDFの均一な膜を形成した。
【0095】
次に、75μmの膜が形成されている型を繰り返し上記条件にて溶液に円筒形の型を浸け、10mm/secで静かに引き上げ、室温乾燥させ150μmのPVDFベルトを形成した。これに、ポリウレタンプレポリマー:100重量部,硬化剤(イソシアネート):3重量部,カーボンブラック:20重量部,分散剤:3重量部,MEK:500重量部を均一分散させた分散液に上記150μmのPVDFが形成されている円筒形型を浸け、30mm/secで引き上げを行い、自然乾燥を行った。乾燥後繰り返し行い狙いの150μmのウレタンポリマー層を形成させた。
【0096】
さらに表層用にポリウレタンプレポリマー:100重量部,硬化剤(イソシアネート):3重量部,PTFE微粉末粉体:50重量部,分散剤:4重量部,MEK:500重量部を均一分散させた。
【0097】
上記150μmのウレタンプレポリマーが形成されている円筒形型を浸け、30mm/secで引き上げを行い、自然乾燥を行った。乾燥後繰り返し行い5μmのPTFEが均一に分散されたウレタンポリマーの表層を形成させた。そして、室温で乾燥後130℃、2時間の架橋を行い、樹脂層:150μm,弾性層:150μm,表層:5μmの3層構成転写ベルトを得た。
【0098】
弾性ベルトとして伸びを防止する方法としては、上記のように伸びの少ない芯体樹脂層にゴム層を形成する方法、芯体層に伸びを防止する材料を入れる方法等があるが、特に製法に関わるものではない。
【0099】
伸びを防止する芯体層を構成する材料は、例えば、綿、絹、などの天然繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、ポリウレタン繊維、ポリアセタール繊維、ポリフロロエチレン繊維、フェノール繊維などの合成繊維、炭素繊維、ガラス繊維、ボロン繊維などの無機繊維、鉄繊維、銅繊維などの金属繊維からなる群より選ばれる1種あるいは2種以上を用い織布状あるいは糸状のものができる。もちろん上記材料に限定されるものではない。
【0100】
糸は1本または複数のフィラメントを撚ったもの、片撚糸、諸撚糸、双糸等、どのような撚り方であってもよい。また、例えば上記材料群から選択された材質の繊維を混紡してもよい。もちろん糸に適当な導電処理を施して使用することもできる。
【0101】
一方織布は、メリヤス織り等どのような織り方の織布でも使用可能であり、もちろん交織した織布も使用可能であり当然導電処理を施すこともできる。
【0102】
芯体層を設ける製造方法は特に限定されるものではない、例えば、筒状に織った織布を金型等に被せ、その上に被覆層を設ける方法、筒状に織った織布を液状ゴム等に浸漬して芯体層の片面あるいは両面に被覆層を設ける方法、糸を金型等に任意のピッチで螺旋状に巻き付け、その上に被覆層を設ける方法等が適用可能である。
【0103】
弾性層の厚さは、弾性層の硬度にもよるが、厚すぎると表面の伸縮が大きくなり表層に亀裂の発生しやすくなる。また、伸縮量が大きくなることから画像に伸縮が大きくなること等から厚すぎることは好ましくない(およそ1mm以上)。
【0104】
弾性層の硬度の適正範囲は10≦HS≦65゜(JIS−A)である。ベルトの層厚によって最適硬度の調整は必要となる。硬度10゜JIS−Aより下のものは寸法精度良く成形する事が非常に困難である。これは成型時に収縮・膨張を受け易いことに起因する。また柔らかくする場合には、基材へオイル成分を含有させることが一般的な方法であるが、加圧状態で連続作動させるとオイル成分が滲み出してくるという欠点を有している。これにより中間転写体表面に接触する感光体を汚染し横帯状ムラを発生させることが分かった。一般的に離型性向上のために表層を設けているが、完全に浸みだし防止効果を与えるためには表層は耐久品質等要求品質の高いものになり、材料の選定、特性等の確保が困難になってくる。
【0105】
これに対して硬度65゜JIS−A以上のものは硬度が上がった分、精度良く成形できるのと、オイル含有量を含まない、または、少なく抑えることが可能となるので、感光体に対する汚染性は低減可能であるが、文字の中抜け等転写性改善の効果が得られなくなり、ローラへの張架が困難となる。
【0106】
次に、本実施の形態における特徴部分について説明する。なお、図9は、本実施形態の特徴部分である転写ユニットの色ズレ制御装置の概略図である。
本実施の形態の制御装置は、従動ローラとレジストローラとの熱による速度変動を等しくさせることとする。
【0107】
本実施の形態における画像形成装置は、無端状ベルト214をお互いに外径の異なる駆動ローラ215と従動ローラ213との間に架け渡し、駆動ローラ215の回転により無端状べルト214を走行させて画像形成処理を行う画像形成装置である。そして、従動ローラ213の角速度を検知するエンコーダ204により検知された角速度を目標速度信号207とコンパレータ206とで比較し、その比較結果に基づいてコンパレータ206は制御信号をモータドライバ208に出力し、モータドライバ208は、その出力制御信号に基づいて駆動モータ209を制御することで、常に無端状ベルト214の移動速度を一定にさせ、ベルトの速度ムラによる色ずれを押さえ込むことが可能となる。
【0108】
また、モータドライバ202は、目標速度信号203の制御信号を基に、駆動モータ201を制御することで、レジストローラの回転速度を制御する。なお、モータドライバ202に適用可能なものとして、DCモータと、ステッピングモータと、があるので、以下に各々の場合の制御動作について説明する。
【0109】
まず、モータドライバ202がDCモータドライバの場合について説明する。
まず、パルス波からなる目標速度信号203をDCドライバ202に入力し、DCドライバ202は、入力された目標速度信号に応じた電流を駆動モータ201に出力し、駆動モータ201は、その電流値の大きさに応じた回転数で駆動し、レジストローラ212を制御することとなる。
【0110】
次に、モータドライバ202がステッピングモータドライバの場合について説明する。
まず、パルス波からなる目標速度信号203をステッピングモータドライバ202に入力し、ステッピングモータドライバ202は、入力された目標速度信号に応じたパルスを出力し、駆動モータ201は、そのパルス数に応じた回転数で駆動し、レジストローラ212を制御することとなる。
【0111】
なお、従来の画像形成装置は、装置内部の温度が下がり従動ローラ213の径が小さくなる場合は、無端状ベルト214の線速(移動速度)が一定の場合でも従動ローラ213の周長が短くなりエンコーダ204は速い量の角速度を検出してしまい、駆動モータ209を遅くする制御をしてしまうこととなる。また温度が上がる場合は逆のことが起こり、駆動モータ209を速くする制御をしてしまうこととなる。
【0112】
しかしながら、本実施の形態の画像形成装置は、図9の従動ローラ213とレジストローラ212の両ローラを同径、同材質とすることで、例えば、装置内部の温度が上がった場合は、従動ローラ213が膨張して径が大きくなる程、駆動モータ209は速くなり、無端状ベルト214の線速(移動速度)は速くなる。一方、レジストローラ212は従動ローラ213と同量の径が大きくなり、その量の線速が速くなり、無端状ベルト214の線速(移動速度)と一致することとなる。
【0113】
逆に、装置内部の温度が下がった場合は、従動ローラ213が収縮して径が小さくなる程、駆動モータ209は遅くなり、無端状ベルト214の線速(移動速度)は遅くなる。一方、レジストローラ212は従動ローラ213と同量の径が収縮し、その量の線速が遅くなり、無端状ベルト214の線速(移動速度)と一致することとなる。なお、本実施の形態の画像形成装置における制御装置は、目標速度信号を、熱による速度変動の量の差で補正する。
【0114】
このように、本実施の形態の画像形成装置は、従動ローラ213とレジストローラ212の両ローラを同径、同材質とすることで、転写ベルト214とレジストローラ212の膨張量の差による線速差がなくなり、この線速差による画像のショックジターと呼ばれる画像の不具合を解消することが可能となる。
【0115】
また、従動ローラとレジストローラとの熱による速度変動量の差に応じて、レジストローラの速度を制御することで、無端状ベルトとレジストローラとの速度差がなくなることとなる。
【0116】
また、従動ローラとレジストローラとの熱による速度変動量の差に応じて、従動ローラの速度を制御することでも、無端状ベルトとレジストローラとの速度差がなくなることとなる。
【0117】
また、従動ローラの速度に追従させて前記レジストローラの速度を制御することでも、無端状ベルトとレジストローラとの速度差がなくなることとなる。
【0118】
また、レジストローラの速度に追従させて従動ローラの速度を制御することでも、無端状ベルトとレジストローラとの速度差がなくなることとなる。なお、無端状ベルトには、中間転写ベルト、画像担持ベルト、または、シート搬送用ベルトが適用可能となる。
【0119】
なお、上述する実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更実施が可能である。例えば、上記実施の形態においては、転写搬送ベルト60上に感光体ドラム11Y(イエロー)、11M(マゼンタ)、11C(シアン)、11K(ブラック)が複数並べて配設されるタンデム式の画像形成装置の具備する転写ユニットに適用したが、本発明が適用可能な画像形成装置及びベルト駆動装置はこの構成に限るものではなく、複数のローラに張架された無端状ベルトをそのローラのうちの少なくとも1以上のローラで回転駆動するベルト駆動装置を有する画像形成装置であれば適用可能である。
【0120】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように本発明は以下のような効果を奏する。
本発明にかかる画像形成装置、位置ずれ補正処理プログラム及び記録媒体は、画像を形成する画像形成手段により形成された像を担う無端状の移動体を移動させる従動ローラと、画像形成手段により形成された像が最終的に転写される転写材の位置を決定するレジストローラと、の両ローラの熱の速度変動を等しくさせ、従動ローラと、レジストローラと、の速度を均一にさせることで、画像の不具合を無くすことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる画像形成装置の概略構成を示す図である。
【図2】中間転写方式の転写ユニットの概略構成を示す図である。
【図3】直接転写方式の転写ユニットの概略構成を示す図である。
【図4】転写材の層構成を示す図である。
【図5】図1に示す画像形成装置の具備する個々の画像形成手段の構成を示す図である。
【図6】図1に示す画像形成装置の具備するトナーリサイクル装置の概略構成を示す図である。
【図7】図1に示す画像形成装置の具備する転写ユニットの概略構成を示す図である。
【図8】図6に示すトナーリサイクル装置を構成する際の部品の組み立て説明図である。
【図9】画像形成装置の色ずれを制御する制御装置の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
201、209 駆動モータ
202、208 モータドライバ
203、207 目標速度信号
204 エンコーダ
205 FV速度変換部
206 コンパレータ
212 レジストローラ
213 従動ローラ
214 無端状ベルト
215 駆動ローラ
Claims (13)
- 画像を形成する画像形成手段と、前記画像形成手段により形成された像を担う無端状の移動体と、前記無端状の移動体を駆動ローラと従動ローラとの間に架け渡し、前記無端状の移動体を回転移動する駆動手段と、前記画像形成手段により形成された像が最終的に転写される転写材の位置を決定するレジストローラと、前記従動ローラの角速度を検知する角速度検知手段と、前記角速度検知手段により検知した角速度を基に前記無端状の移動体の回転移動速度を制御する移動速度制御手段と、前記レジストローラの回転速度を制御するレジストローラ制御手段と、を有する画像形成装置であって、
前記従動ローラと、前記レジストローラとの熱による速度変動を等しくさせることを特徴とする画像形成装置。 - 前記従動ローラと、前記レジストローラとの両ローラを同径、且つ、同材質とすることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 前記従動ローラと前記レジストローラとの熱による速度変動量の差に応じて、前記レジストローラの速度を制御することを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置。
- 前記従動ローラと前記レジストローラとの熱による速度変動量の差に応じて、前記従動ローラの速度を制御することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の画像形成装置。
- 前記従動ローラの速度に追従させて前記レジストローラの速度を制御することを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
- 前記レジストローラの速度に追従させて前記従動ローラの速度を制御することを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
- 前記無端状の移動体は、
中間転写ベルト、画像担持ベルト、または、シート搬送用ベルトであることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。 - 画像を形成する画像形成手段と、前記画像形成手段により形成された像を担う無端状の移動体と、前記無端状の移動体を駆動ローラと従動ローラとの間に架け渡し、前記無端状の移動体を回転移動する駆動手段と、前記画像形成手段により形成された像が最終的に転写される転写材の位置を決定するレジストローラと、前記従動ローラの角速度を検知する角速度検知手段と、前記角速度検知手段により検知した角速度を基に前記無端状の移動体の回転移動速度を制御する移動速度制御手段と、前記レジストローラの回転速度を制御するレジストローラ制御手段と、を有する画像形成装置において実行させる位置ずれ補正処理プログラムであって、
前記移動速度制御手段または前記レジストローラ制御手段に、
前記従動ローラと、前記レジストローラとの熱による速度変動を等しくし、前記従動ローラと前記レジストローラとの速度を均一にさせる処理を実行させることを特徴とする位置ずれ補正処理プログラム。 - 前記レジストローラ制御手段に、前記従動ローラと前記レジストローラとの熱による速度変動量の差に応じて、前記レジストローラの速度を制御する処理を実行させることを特徴とする請求項8記載の位置ずれ補正処理プログラム。
- 前記移動速度制御手段に、前記従動ローラと前記レジストローラとの熱による速度変動量の差に応じて、前記従動ローラの速度を制御する処理を実行させることを特徴とする請求項8記載の位置ずれ補正処理プログラム。
- 前記レジストローラ制御手段に、前記レジストローラの速度を前記従動ローラの速度に追従させる制御を実行させることを特徴とする請求項9記載の位置ずれ補正処理プログラム。
- 前記移動速度制御手段に、前記従動ローラの速度を前記レジストローラの速度に追従させる制御を実行させることを特徴とする請求項10記載の位置ずれ補正処理プログラム。
- 請求項8から請求項12の何れか1項に記載の位置ずれ補正処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060905 |