JP3444434B2 - ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物 - Google Patents
ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物Info
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Description
ィド樹脂組成物に関し、更に詳しくは色相及び熱安定性
に優れたポリアリーレンスルフィド樹脂組成物に関す
る。
下、PASと略すことがある)を射出成形等により加工
すると、PASの熱安定性が低いために、作業性、物性
及び外観のいずれにおいても十分満足し得る結果が得ら
れなかった。また、得られた成形品の色相が悪化すると
いう問題もあった。
れている。
は、重合反応時にフェノール性芳香族スルホン酸アルカ
リ金属塩、アルカリ金属水酸化物及び/又はアルカリ金
属アルコラート並びに硫酸アルカリ金属塩の夫々一種以
上を存在させることにより、熱安定性及び白色度の優れ
たPASを製造する方法が記載されている。しかし、該
方法では、上記物質を添加するため、PASの製造コス
トが増大して、工業化を図るには大変不利である。ま
た、未反応の上記物質を無公害に製品から分離回収処理
を行うには、多大な付帯設備と技術と費用が必要であ
り、この面からも不利である。
反応の後期又は反応終了後にエポキシ化合物を添加し
て、更に反応させることにより、熱安定性に富むPAS
を製造する方法が記載されている。しかし、該方法で
は、未反応のエポキシ化合物を反応後にスラリー中より
分離回収しなければならず、操作が繁雑となり工業化を
図るためには大変不利である。
に、分子中に二つのリン原子を有する有機ビスホスファ
イト化合物を配合することにより、PASの熱安定性を
改善して、溶融時の変色が著しく小さく、かつ白色度の
高い樹脂組成物が得られることが記載されている。しか
し、該樹脂組成物の熱安定性は未だ十分なものとはいえ
ない。また、ガスの発生があるという欠点もある。
ASにビニルアルコキシシラン、エポキシアルコキシシ
ラン、アミノアルコキシシラン及びメルカプトアルコキ
シシランからなる群より選ばれる少なくとも一種のシラ
ン化合物を加えてPASの融点より高い温度で反応させ
ることにより、PASを製造する方法が記載されてい
る。しかし、該方法で製造されたPASは、増粘が著し
く、熱安定性に劣る。また、色相の改善も十分ではな
い。
安定性に著しく優れ、かつ安価なポリアリーレンスルフ
ィド樹脂組成物を提供することを目的とする。
を解決すべく、鋭意研究を重ねた。その結果、所定の重
量平均分子量を持つ実質的に非架橋構造のポリアリーレ
ンスルフィドに所定量のテトラアルコキシシランを含め
ることにより、上記課題を全て解決し得ることを見出だ
し、本発明に到達した。
である実質的に非架橋構造のポリアリーレンスルフィド
100重量部及び (B)テトラアルコキシシラン 0.01〜5重量部を
含むポリアリーレンスルフィド樹脂組成物である。
Sは、その重量平均分子量が15,000〜100,0
00であり、好ましくは20,000〜70,000で
ある。重量平均分子量が15,000未満では、流動性
が高過ぎるために溶融加工が困難であり、また成形物の
機械的強度が低い。100,000を超えては、流動性
が悪く溶融加工性に劣る。また、該PASは、実質的に
非架橋構造を有するものである。架橋構造を有するPA
S、例えばPASを170〜300℃程度の高温で酸素
を含むガスで処理して得られたもの、あるいはPASを
0〜220℃の温度で酸化剤又はラジカル発生剤で処理
したもの(特開昭59‐168032号公報)等では、
成形時の流動性が悪く溶融加工性に劣ると共に成形時の
着色も著しい。本発明においては、好ましくは実質的に
線状の分子構造を有するPASが用いられる。
り製造することができる。例えば、基本的な製造方法と
して、ジハロ芳香族化合物とアルカリ金属硫化物とを、
有機アミド溶媒中で反応させる方法(特公昭45‐33
68号公報)が挙げられる。
うにして製造することができる。即ち、有機アミド系溶
媒中でアルカリ金属硫化物とジハロ芳香族化合物とを反
応させてPASを製造するに際して、反応缶の気相部分
を冷却することにより反応缶内の気相の一部を凝縮さ
せ、これを液相に還流する方法である。
とアミド系溶媒の蒸気圧差の故に、液相バルクに比較し
て水含有率が高い。この水含有率の高い還流液は、反応
溶液上部に水含有率の高い層を形成する。その結果、残
存のアルカリ金属硫化物(例えばNa2 S)、ハロゲン
化アルカリ金属(例えばNaCl)、オリゴマー等が、
その層に多く含有されるようになる。従来法においては
230℃以上の高温下で、生成したPASとNa2 S等
の原料及び副生成物とが均一に混じりあった状態では、
高分子量のPASが得られないばかりでなく、せっかく
生成したPASの解重合も生じ、チオフェノールの副生
成が認められる。しかし、本発明では、反応缶の気相部
分を積極的に冷却して、水分に富む還流液を多量に液相
上部に戻してやることによって上記の不都合な現象が回
避でき、反応を阻害するような因子を真に効率良く除外
でき、高分子量PASを得ることができるものと思われ
る。但し、本発明は上記現象による効果のみにより限定
されるものではなく、気相部分を冷却することによって
生じる種々の影響によって、高分子量のPASが得られ
るのである。
内部冷却でも可能であり、自体公知の冷却手段により行
える。たとえば、反応缶内の上部に設置した内部コイル
に冷媒体を流す方法、反応缶外部の上部に巻きつけた外
部コイルまたはジャケットに冷媒体を流す方法、反応缶
上部に設置したリフラックスコンデンサーを用いる方
法、反応缶外部の上部に水をかける又は気体(空気、窒
素等)を吹き付ける等の方法が考えられるが、結果的に
缶内の還流量を増大させる効果があるものならば、いず
れの方法を用いても良い。外気温度が比較的低いなら
(たとえば常温)、反応缶上部に従来備えられている保
温材を取外すことによって、適切な冷却を行うことも可
能である。外部冷却の場合、反応缶壁面で凝縮した水/
アミド系溶媒混合物は反応缶壁を伝わって液相中に入
る。従って、該水分に富む混合物は、液相上部に溜り、
そこの水分量を比較的高く保つ。内部冷却の場合には、
冷却面で凝縮した混合物が同様に冷却装置表面又は反応
缶壁を伝わって液相中に入る。
度に保たれ、あるいは所定の温度プロフィールに従って
コントロールされる。一定温度とする場合、 230〜275
℃の温度で 0.1〜20時間反応を行うことが好ましい。よ
り好ましくは、 240〜265 ℃の温度で1〜6時間であ
る。より高い分子量のPASを得るには、2段階以上の
反応温度プロフィールを用いることが好ましい。この2
段階操作を行う場合、第1段階は 195〜240 ℃の温度で
行うことが好ましい。温度が低いと反応速度が小さす
ぎ、実用的ではない。 240℃より高いと反応速度が速す
ぎて、十分に高分子量なPASが得られないのみなら
ず、副反応速度が著しく増大する。第1段階の終了は、
重合反応系内ジハロ芳香族化合物残存率が1モル%〜40
モル%、且つ分子量が 3,000〜20,000の範囲内の時点で
行うことが好ましい。より好ましくは、重合反応系内ジ
ハロ芳香族化合物残存率が2モル%〜15モル%、且つ分
子量が 5,000〜15,000の範囲である。残存率が40モル%
を越えると、第2段階の反応で解重合など副反応が生じ
やすく、一方、1モル%未満では、最終的に高分子量P
ASを得難い。その後昇温して、最終段階の反応は、反
応温度 240〜270 ℃の範囲で、1時間〜10時間行うこと
が好ましい。温度が低いと十分に高分子量化したPAS
を得ることができず、また 270℃より高い温度では解重
合等の副反応が生じやすくなり、安定的に高分子量物を
得難くなる。
気下で、アミド系溶媒中のアルカリ金属硫化物中の水分
量が所定の量となるよう、必要に応じて脱水または水添
加することによって、反応系内の総体的水分量を、好ま
しくは、アルカリ金属硫化物1モル当り1.7モル未
満、特に0.8〜1.2モルとする。
くなり、系内水分量の増加と共に反応生成物中のフェノ
ール等の副生成物量が増大する。また重合度も上がらな
い。0.8モル未満では、反応速度が速すぎ、十分な高
分子量の物を得ることができない。
1段反応の場合では、反応開始時から行うことが望まし
いが、少なくとも 250℃以下の昇温途中から行わなけれ
ばならない。多段階反応では、第1段階の反応から冷却
を行うことが望ましいが、遅くとも第1段階反応の終了
後の昇温途中から行うことが好ましい。冷却効果の度合
いは、通常反応缶内圧力が最も適した指標である。圧力
の絶対値については、反応缶の特性、攪拌状態、系内水
分量、ジハロ芳香族化合物とアルカリ金属硫化物とのモ
ル比等によって異なる。しかし、同一反応条件下で冷却
しない場合に比べて反応缶圧力が低下すれば、還流液量
が増加して、反応溶液気液界面における温度が低下して
いることを意味しており、その相対的な低下の度合いが
水分含有量の多い層と、そうでない層との分離の度合い
を示していると考えられる。そこで、冷却は反応缶内圧
が、冷却をしない場合と比較して低くなる程度に行うの
が好ましい。冷却の程度は、都度の使用する装置、運転
条件などに応じて、当業者が適宜設定できる。
者にとって公知の後処理法によって副生物から分離され
る。
S重合のために知られており、たとえばN‐メチルピロ
リドン(NMP)、N,N‐ジメチルホルムアミド、
N,N‐ジメチルアセトアミド、N‐メチルカプロラク
タム等、及びこれらの混合物を使用でき、NMPが好ま
しい。これらは全て、水よりも低い蒸気圧を持つ。
公知であり、たとえば、硫化リチウム、硫化ナトリウ
ム、硫化カリウム、硫化ルビジウム、硫化セシウム及び
これらの混合物である。これらの水和物及び水溶液であ
っても良い。又、これらにそれぞれ対応する水硫化物及
び水和物を、それぞれに対応する水酸化物で中和して用
いることができる。安価な硫化ナトリウムが好ましい。
たとえば特公昭45‐3368号公報記載のものから選
ぶことができるが、好ましくはp‐ジクロロベンゼンで
ある。又、少量(20モル%以下)のジフェニルエーテ
ル、ジフェニルスルホン又はビフェニルのパラ、メタ又
はオルトジハロ物を1種類以上用いて共重合体を得るこ
とができる。例えば、m‐ジクロロベンゼン、o‐ジク
ロロベンゼン、p,p´‐ジクロロジフェニルエーテ
ル、m,p´‐ジクロロジフェニルエーテル、m,m´
‐ジクロロジフェニルエーテル、p,p´‐ジクロロジ
フェニルスルホン、m,p´‐ジクロロジフェニルスル
ホン、m,m´‐ジクロロジフェニルスルホン、p,p
´‐ジクロロビフェニル、m,p´‐ジクロロビフェニ
ル、m,m´‐ジクロロビフェニルである。
例えば1,3,5‐トリクロロベンゼン、1,2,4‐
トリクロロベンゼン等のポリハロ化合物をアルカリ金属
硫化物に対して好ましくは0.005〜1.5モル%、
特に好ましくは0.02〜0.75モル%の量で使用す
ることもできる。
剤、修飾剤としてのモノハロ化物を併用することもでき
る。
シシランは、好ましくは炭素数1〜5個のアルコキシ基
を持つものであり、各アルコキシ基は同一であっても異
なっていてもよい。例えばテトラメトキシシラン、テト
ラエトキシシラン等が挙げられる。
部に対して成分(B)テトラアルコキシシランを0.0
1〜5重量部、好ましくは0.1〜3重量部含める。成
分(B)が0.01重量部未満では、本発明の効果が達
成できない。一方、5重量部を超えては、テトラアルコ
キシシラン間での反応が生じゲル化するため好ましくな
い。
(A)PASとの配合は、好ましくは、PAS製造工程
で生成したスラリーを濾過、水洗して得たPASにテト
ラアルコキシシランを配合することにより実施される。
即ち、生成したPASを重合スラリーから分離回収すべ
く、濾過、水洗を繰り返す脱塩水洗終了後、回収したP
ASをテトラアルコキシシラン溶液で再スラリー化する
ことができる。ここで、テトラアルコキシシラン溶液の
濃度は、0.01〜20重量%が好ましい。溶媒は水、
アルコール、アセトン等であることができる。また、脱
塩水洗終了後、濾過ケークとして回収されたPASにテ
トラアルコキシシラン溶液を噴霧することもできる。こ
こで、テトラアルコキシシラン溶液の濃度は、0.1〜
10重量%が好ましい。上記いずれの場合にも、テトラ
アルコキシシランを配合後のPASは、好ましくは80
〜200℃の温度で、好ましくは0.1〜24時間乾燥
される。上記配合方法の採用により、本発明の効果を良
好に達成することができる。更に、該配合方法は、簡便
かつ経済的であるので得られた樹脂組成物の製造コスト
も低い。酸又はアルカリの存在下でPASとテトラアル
コキシシランを配合することもできる。特に、PASを
pH4〜6の酸溶液例えば塩酸、硝酸又は酢酸水溶液、
あるいは塩化アンモニウム溶液等で更に洗浄した後に、
テトラアルコキシシランを添加することが好ましい。該
操作により、本発明の効果を特に顕著に発現せしめるこ
とができる。
記方法に限らず、他の慣用の方法により行うこともでき
る。例えば、各成分を予めヘンシェルミキサー等を利用
してドライブレンドし、一軸又は二軸の押出機を用いて
混練し、押出して成形用ペレットとする方法、あるいは
上記押出機のサイドフィーダー口より成分(B)を添加
して混練し、押出して成形用ペレットとする方法等も使
用することができる。本発明において、テトラアルコキ
シシランのアルコキシ基の一部がPASの‐SH又は‐
SNa末端と反応することにより、PAS末端がアルコ
キシシランで封止され、色相及び熱安定性の向上が図ら
れるものと推定される。但し、本発明は上記メカニズム
によって限定されるものではない。
機充填剤を成分(A)PASの100重量部に対して、
好ましくは0.01〜400重量部、特に好ましくは1
0〜250重量部含むことができる。0.01重量部未
満では機械的強度の増加を図ることができず、400重
量部を超えては、成形作業が困難となり好ましくない。
無機充填剤としては、繊維状、粉粒状、板状等の公知の
充填剤が用いられる。繊維状充填剤としては、例えばガ
ラス繊維、アスベスト繊維、炭素繊維、シリカ繊維、シ
リカ・アルミナ繊維、アルミナ繊維、ジルコニア繊維、
窒化ホウ素繊維、窒化ケイ素繊維、ホウ素繊維、チタン
酸カリウム繊維、更にステンレス、アルミニウム、チタ
ン、銅、真鍮等の金属の繊維状物等の無機質繊維状物質
が挙げられる。特に代表的な繊維状充填剤はガラス繊
維、炭素繊維である。また、ポリアミド、フッ素樹脂、
ポリエステル樹脂、アクリル樹脂等の高融点有機質繊維
状物質も使用することができる。粉粒体状充填剤として
は、例えばカーボンブラック、シリカ、石英粉末、ガラ
スビーズ、ガラス粉、ケイ酸カルシウム、カオリン、タ
ルク、クレー、ケイ藻土、ウォラストナイトのようなケ
イ酸塩、酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナのよ
うな金属酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムの
ような金属の炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムの
ような金属の硫酸塩、その他炭化ケイ素、窒化ケイ素、
窒化ホウ素、各種金属粉末等が挙げられる。板状充填剤
としては、マイカ、ガラスフレーク、各種金属箔等が挙
げられる。これら無機充填剤は、一種又は二種以上併用
することができる。繊維状充填剤、特にガラス繊維又は
炭素繊維と粒状及び/又は板状充填剤の併用は特に好ま
しい組合わせである。
ば収束剤又は表面処理剤を使用することが好ましい。例
えば、エポキシ系化合物、イソシアネート系化合物、シ
ラン系化合物、チタネート系化合物等の官能性化合物で
ある。これらの化合物は、無機充填剤を予め表面処理又
は収束処理することにより用いるか、又は組成物調製の
際同時に添加してもよい。
可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂に添加される公知の物質、
例えば酸化防止剤や紫外線吸収剤等の安定剤、帯電防止
剤、難燃剤、染料や顔料等の着色剤、滑剤及び結晶化促
進剤等も必要に応じ適宜添加することができる。
明するが、本発明はこれら実施例により限定されるもの
ではない。
率αは次式のように定義する。 α={(V30−V6 )/V6 }×100 増粘率αが負の場合、αが大きい程、樹脂の熱安定性が
良いことを意味する。ここで、V6 及びV30は溶融粘度
を示し、夫々島津製作所フローテスターCFT‐500
Cを用いて300℃、荷重20kgf/cm2 、L/D
=10で6分間又は30分間保持した後に測定した粘度
(ポイズ)である。
ィド(以下ではPPSと略すことがある)粉末を320
℃で1.5分間予熱後、320℃で1.5分間、続けて
130℃で1.5分間、30kg/cm2 の圧力でホッ
トプレスにより加圧成形して円盤状プレートを作り、こ
れについて、色彩色差計(Color Ace、商標、
東京電色株式会社製)を用いて測定した。ここで、L値
が高いことは、明度が高いことを意味する。
を移動層としてゲルパーミエーションクロマトグラフィ
ーで210℃において測定した保持時間を、標準ポリス
チレン分子量換算し、更にユニバーサルキャリブレーシ
ョン法で補正した分子量である。装置はセンシュー科学
製SSC‐7000を用いた。
ク状硫化ソーダ(61.2重量%Na2 S)19.15
8kgと、N‐メチル‐2‐ピロリドン(以下ではNM
Pと略すことがある)45.0kgを仕込んだ。窒素気
流下攪拌しながら204℃まで昇温して、水4.157
kgを留出させた(残存する水分量は硫化ソーダ1モル
当り1.21モル)。その後、オートクレーブを密閉し
て180℃まで冷却し、パラジクロロベンゼン(以下で
はp‐DCBと略すことがある)22.05kgとNM
P18.0kgを仕込んだ。液温150℃で窒素ガスを
用いて1kg/cm2 Gに加圧して昇温を開始した。液
温218℃で4時間攪拌しつつ、オートクレーブ上部の
外側に巻き付けたコイルに80℃の冷媒を流し冷却し
た。その後昇温して、液温260℃で3時間攪拌し、次
に降温させると共にオートクレーブ上部の冷却を止め
た。オートクレーブ上部を冷却中、液温が下がらないよ
うに一定に保持した。
ー(S1)を得た。
過温水洗を繰り返し、その後120℃で6時間熱風循環
乾燥機中で乾燥し、白色粉末状のPPSを得た。得られ
たPPSは線状ポリマーあり、その重量平均分子量は3
8,200であった。
分取し、ヌッチェで濾過した。得られた濾過ケークを純
水1リットルに再スラリー化し、次いで該スラリーを再
度濾過した。該脱塩水洗操作を4回繰り返した。次に、
脱塩水洗後の濾過ケークの全量を2重量%テトラメトキ
シシラン水溶液300gに再スラリー化し、室温で15
分間攪拌後に再度濾過した。その後、得られた濾過ケー
クを120℃で6時間熱風循環乾燥機中で乾燥し、61
gの白色粉末状の製品を得た。該製品中、PPSは5
9.81gであり、テトラメトキシシランは1.19g
であった。
は1420ポイズ、増粘率αは−19.0%であった。
また、白色度Lは66.5であった。
1)の300gをヌッチェで濾過した。次いで、実施例
1と同様にして脱塩水洗を実施した。次に、脱塩水洗後
の濾過ケークの全量を300gの純水に再スラリー化
し、室温で15分間攪拌後に再度濾過した。得られた濾
過ケークに5重量%テトラメトキシシランのアセトン中
溶液1.5gを噴霧し、十分に攪拌混合した。その後、
濾過ケークを120℃で6時間熱風循環乾燥機中で乾燥
し、62gの白色粉末状の製品を得た。該製品中、PP
Sは61.925gであり、テトラメトキシシランは
0.075gであった。
は1450ポイズ、増粘率αは−18.8%であった。
また、白色度Lは69.2であった。
1)の300gをヌッチェで濾過した。次いで、実施例
1と同様にして脱塩水洗を実施した。次に、脱塩水洗後
の濾過ケークの全量をpH4.5の酢酸水溶液300g
に再スラリー化し、室温で15分間攪拌後に再度濾過し
た。得られた濾過ケークに5重量%テトラメトキシシラ
ンのアセトン中溶液1.5gを噴霧し、十分に攪拌混合
した。その後、該濾過ケークを120℃で6時間熱風循
環乾燥機中で乾燥し、63gの白色粉末状の製品を得
た。該製品中、PPSは62.925gであり、テトラ
メトキシシランは0.075gであった。
は1590ポイズ、増粘率αは−16.2%であった。
また、白色度Lは70.5であった。
1)の300gをヌッチェで濾過した。次いで、実施例
1と同様にして脱塩水洗を実施した。次に、脱塩水洗後
の濾過ケークの全量をpH12の苛性ソーダ水溶液30
0gに再スラリー化し、室温で15分間攪拌後に再度濾
過した。得られた濾過ケークに5重量%テトラメトキシ
シランのアセトン中溶液1.5gを噴霧し、十分に攪拌
混合した。その後、濾過ケークを120℃で6時間熱風
循環乾燥機中で乾燥し、62gの白色粉末状の製品を得
た。該製品中、PPSは61.925gであり、テトラ
メトキシシランは0.075gであった。
は1390ポイズ、増粘率αは−20.8%であった。
また、白色度Lは65.8であった。
1)の300gをヌッチェで濾過した。次いで、実施例
1と同様にして脱塩水洗を実施した。次に、脱塩水洗後
の濾過ケークの全量を3重量%テトラエトキシシラン水
溶液300gに再スラリー化し、室温で15分間攪拌後
に再度濾過した。その後、濾過ケークを120℃で6時
間熱風循環乾燥機中で乾燥し、62gの白色粉末状の製
品を得た。該製品中、PPSは60.14gであり、テ
トラエトキシシランは1.86gであった。
は1480ポイズ、増粘率αは−18.7%であった。
また、白色度Lは67.2であった。
1)の300gをヌッチェで濾過した。次いで、実施例
1と同様にして脱塩水洗を実施した。次に、脱塩水洗後
の濾過ケークの全量を300gの純水に再スラリー化
し、室温で15分間攪拌後に再度濾過した。その後、濾
過ケークを120℃で6時間熱風循環乾燥機中で乾燥
し、63gの白色粉末状の製品を得た。
ポイズ、増粘率αは−25.0%であった。また、白色
度Lは59.2であった。
1)の600gをヌッチェで濾過した。得られた濾過ケ
ークをエバポレーターで10torrの減圧下、200
℃の油浴中でNMPが留出しなくなるまで、約1時間乾
燥した。その後冷却し、純水1リットルに再スラリー化
し、次いで該スラリーを再度濾過した。該脱塩水洗操作
を4回繰り返した。次に、得られた濾過ケーク(C)の
半量を300gの純水に再スラリー化し、室温で15分
間攪拌後に再度濾過した。その後、該濾過ケークを12
0℃で6時間熱風循環乾燥機中で乾燥し、59gの茶褐
色粉末状の製品を得た。
その重量平均分子量は45,000であった。また、そ
の溶融粘度V6 は1410ポイズ、増粘率αは−23.
5%であった。また、白色度Lは48.4であった。
り半量を2重量%テトラメトキシシラン水溶液300g
に再スラリー化し、室温で15分間攪拌後に再度濾過し
た。その後、濾過ケークを120℃で6時間熱風循環乾
燥機中で乾燥し、59gの茶褐色粉末状の製品を得た。
該製品中、PPSは57.82gであり、テトラメトキ
シシランは1.18gであった。
は1400ポイズ、増粘率αは−23.1%であった。
また、白色度Lは48.2であった。
較例1と比べて、増粘率αが著しく大きく、樹脂組成物
の熱安定性がより優れている。更に、色相もより優れて
いた。
かつテトラメトキシシランを配合しなかった場合であ
り、比較例3は、熱架橋したPPSを使用して、テトラ
メトキシシランを配合した場合である。いずれの比較例
も、実施例1と比べて、増粘率αが大きく、かつ色相が
著しく劣っている。この様に、熱架橋したPPSを使用
した場合には、テトラメトキシシランを配合しても樹脂
組成物の熱安定性及び色相を向上させることはできな
い。
トン中溶液を噴霧して、テトラメトキシシランを配合し
た場合である。テトラメトキシシラン水溶液を用いてP
PSをスラリー化してテトラメトキシシランを配合した
実施例1と同等の増粘率α及び色相が得られた。従っ
て、スラリー化による配合法と噴霧による配合法のいず
れを使用しても良好な性状を持つPPS樹脂組成物が得
られることが分かった。実施例3は、PPSを予め酸処
理し、テトラメトキシシランを噴霧により配合した場合
である。実施例3は、酸処理のない実施例2に比べて、
増粘率α及び色相がいずれも良好となることが分かっ
た。実施例4は、PPSを予めアルカリ処理し、テトラ
メトキシシランを噴霧により配合した場合である。実施
例2又は3に比べて、増粘率α及び色相が多少劣るもの
の、本発明の効果は十分に達成されていることが分かっ
た。
した場合である。増粘率α及び色相はいずれも良好であ
った。
しく優れ、かつ安価なポリアリーレンスルフィド樹脂組
成物を提供することができる。
Claims (4)
- 【請求項1】(A)重量平均分子量が15,000〜1
00,000である実質的に非架橋構造のポリアリーレ
ンスルフィド 100重量部及び (B)テトラアルコキシシラン 0.01〜5重量部を
含むポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。 - 【請求項2】 上記(A)ポリアリーレンスルフィド
が、有機アミド系溶媒中でアルカリ金属硫化物とジハロ
芳香族化合物とを反応させるポリアリーレンスルフィド
の製造法において、反応缶の気相部分を冷却することに
より反応缶内の気相の一部を凝縮させ、これを液相に還
流せしめる製造法により得られるものである請求項1記
載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。 - 【請求項3】 ポリアリーレンスルフィドの製造工程で
生成したスラリーを濾過、水洗して得たポリアリーレン
スルフィドに、テトラアルコキシシランを配合する請求
項1又は2記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物
の製造法。 - 【請求項4】 ポリアリーレンスルフィドをpH4〜6
の酸で更に洗浄した後に、テトラアルコキシシランを配
合する請求項3記載の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34218693A JP3444434B2 (ja) | 1993-12-15 | 1993-12-15 | ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34218693A JP3444434B2 (ja) | 1993-12-15 | 1993-12-15 | ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07166058A JPH07166058A (ja) | 1995-06-27 |
JP3444434B2 true JP3444434B2 (ja) | 2003-09-08 |
Family
ID=18351784
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34218693A Expired - Lifetime JP3444434B2 (ja) | 1993-12-15 | 1993-12-15 | ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3444434B2 (ja) |
-
1993
- 1993-12-15 JP JP34218693A patent/JP3444434B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07166058A (ja) | 1995-06-27 |
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