JPH07330911A - ポリアリーレンスルフィドの乾燥方法 - Google Patents

ポリアリーレンスルフィドの乾燥方法

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JPH07330911A
JPH07330911A JP6146990A JP14699094A JPH07330911A JP H07330911 A JPH07330911 A JP H07330911A JP 6146990 A JP6146990 A JP 6146990A JP 14699094 A JP14699094 A JP 14699094A JP H07330911 A JPH07330911 A JP H07330911A
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JP
Japan
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drying
pas
temperature
reaction
polyarylene sulfide
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JP6146990A
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English (en)
Inventor
Satoshi Inoue
井上  敏
Osamu Komiyama
治 小味山
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Tonen Chemical Corp
Original Assignee
Tonen Sekiyu Kagaku KK
Tonen Chemical Corp
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Publication date
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  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)
  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 減圧の必要がなく、簡易かつ経済性に優れ、
更にPASの色相低下のない乾燥方法を提供する。 【構成】 ポリアリーレンスルフィドの製造工程で生成
したポリアリーレンスルフィド粒子のスラリーを濾過及
び洗浄して得た含水ポリアリーレンスルフィドを乾燥す
る方法において、酸素を8.0体積%以下で含む窒素ガ
ス雰囲気中、80〜150℃の雰囲気温度で乾燥するこ
とを特徴とする方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリアリーレンスルフ
ィドの乾燥方法に関し、更に詳しくはポリアリーレンス
ルフィドの製造工程で生成したスラリーを濾過及び洗浄
して得た含水ポリアリーレンスルフィドを乾燥する方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリアリーレンスルフィド(以下ではP
ASと略すことがある)は、酸素の存在下、例えば空気
中で100〜150℃程度に加熱すると、着色して色相
が低下することが、一般に広く知られている。
【0003】従来、上記のような色相低下を防止するた
めに、PASの乾燥は、減圧下、70〜120℃の温度
で実施されている(特開昭50‐83500号、同61
‐98526号、同62‐153345号、同63‐3
9926号、特開平3‐7735号及び同5‐4369
1号)。
【0004】しかし、上記の方法では、減圧可能な乾燥
器が必要であり、装置が複雑かつ高価である。また、排
気工程やパージ工程の時間が加わると共に、減圧下では
加熱に長時間を要する。従って、コスト高となり経済性
に劣るという欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、減圧の必要
がなく、簡易かつ経済性に優れ、更にPASの色相低下
のない乾燥方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポリアリーレ
ンスルフィドの製造工程で生成したポリアリーレンスル
フィド粒子のスラリーを濾過及び洗浄して得た含水ポリ
アリーレンスルフィドを乾燥する方法において、酸素を
8.0体積%以下で含む窒素ガス雰囲気中、80〜15
0℃の雰囲気温度で乾燥することを特徴とする方法であ
る。
【0007】本発明においては、従来のように減圧下で
乾燥する必要がない。即ち、上記の酸素ガス濃度及び加
熱温度を採用すれば、PASの色相を低下させることが
ない。従って、PASの乾燥を簡易かつ経済的に実施す
ることができる。
【0008】本発明のPASの乾燥方法において、窒素
ガス雰囲気中に含まれる酸素は8.0体積%以下であ
り、乾燥温度は80〜150℃である。好ましくは雰囲
気中に含まれる酸素は3.0体積%以下であり、酸素は
含まれていなくてもよい。乾燥温度は好ましくは100
〜120℃である。酸素量が上記上限を超えると、PA
Sの着色を招き色相が低下する。乾燥温度が上記範囲を
超えては、PASが着色して色相低下を生じ、上記範囲
未満では、乾燥に長時間を要するため好ましくない。ま
た、上記の雰囲気中には、他の不活性ガス、例えば二酸
化炭素、アルゴン等を含んでいてもよい。
【0009】本発明の乾燥方法において、乾燥される含
水PASの粒子径は、積算分布の50%に対する粒子径
50(平均粒径)が好ましくは10〜150μm、特に
好ましくは15〜120μmである。PASの粒子径が
上記範囲未満では、PASの飛散が多くなり収率が低下
する。上記範囲を超えては、PASの乾燥状態が不均一
となり、またPASが部分的に着色するため好ましくな
い。
【0010】該PASは従来公知の方法により製造する
ことができる。例えば、ジハロ芳香族化合物とアルカリ
金属硫化物とを有機アミド溶媒中で反応させる方法(特
公昭45‐3368号公報)、アルカリ金属カルボン酸
塩を使用する方法(特公昭52‐12240号公報)、
ハロゲン化リチウム等の重合助剤を使用する方法(米国
特許第4038263号明細書)、ポリハロ芳香族化合
物等の架橋剤を使用する方法(特公昭54‐8719号
公報)、又は異なる水の存在量下、多段階反応を使用す
る方法(特公昭63‐33775号公報)、あるいは反
応缶の気相部分を冷却して、気相の一部を液相に還流せ
しめる方法(特開平5‐222196号公報)等により
製造し得る。
【0011】上記方法のうち、特開平5‐222196
号公報記載の方法により製造したPASが特に好まし
い。該方法は、有機アミド系溶媒中でアルカリ金属硫化
物とジハロ芳香族化合物とを反応させPASを製造する
方法において、反応缶の気相部分を冷却することにより
反応缶内の気相の一部を凝縮させ、これを液相に還流せ
しめることを特徴とする、PASの製造法である。
【0012】該PAS製造法において、還流される液体
は、水とアミド系溶媒の蒸気圧差の故に、液相バルクに
比較して水含有率が高い。この水含有率の高い還流液
は、反応溶液上部に水含有率の高い層を形成する。その
結果、残存のアルカリ金属硫化物(例えばNa2 S)、
ハロゲン化アルカリ金属(例えばNaCl)、オリゴマ
ー等が、その層に多く含有されるようになる。従来法に
おいては230℃以上の高温下で、生成したPASとN
2 S等の原料及び副生成物とが均一に混じりあった状
態では、高分子量のPASが得られないばかりでなく、
せっかく生成したPASの解重合も生じ、チオフェノー
ルの副生成が認められる。しかし、該方法では、反応缶
の気相部分を積極的に冷却して、水分に富む還流液を多
量に液相上部に戻してやることによって上記の不都合な
現象が回避でき、反応を阻害するような因子を真に効率
良く除外でき、高分子量PASを得ることができるもの
と思われる。但し、該方法は上記現象による効果のみに
より限定されるものではなく、気相部分を冷却すること
によって生じる種々の影響によって、高分子量のPAS
が得られるのである。
【0013】該方法においては、従来法のように反応の
途中で水を添加することを要しない。しかし、水を添加
することを全く排除するものではない。但し、水を添加
する操作を行えば、該方法の利点のいくつかは失われ
る。従って、好ましくは、重合反応系内の全水分量は反
応の間中一定である。
【0014】反応缶の気相部分の冷却は、外部冷却でも
内部冷却でも可能であり、自体公知の冷却手段により行
える。たとえば、反応缶内の上部に設置した内部コイル
に冷媒体を流す方法、反応缶外部の上部に巻きつけた外
部コイルまたはジャケットに冷媒体を流す方法、反応缶
上部に設置したリフラックスコンデンサーを用いる方
法、反応缶外部の上部に水をかける又は気体(空気、窒
素等)を吹き付ける等の方法が考えられるが、結果的に
缶内の還流量を増大させる効果があるものならば、いず
れの方法を用いても良い。外気温度が比較的低いなら
(たとえば常温)、反応缶上部に従来備えられている保
温材を取外すことによって、適切な冷却を行うことも可
能である。外部冷却の場合、反応缶壁面で凝縮した水/
アミド系溶媒混合物は反応缶壁を伝わって液相中に入
る。従って、該水分に富む混合物は、液相上部に溜り、
そこの水分量を比較的高く保つ。内部冷却の場合には、
冷却面で凝縮した混合物が同様に冷却装置表面又は反応
缶壁を伝わって液相中に入る。
【0015】一方、液相バルクの温度は、所定の一定温
度に保たれ、あるいは所定の温度プロフィールに従って
コントロールされる。一定温度とする場合、 230〜275
℃の温度で 0.1〜20時間反応を行うことが好ましい。よ
り好ましくは、 240〜265 ℃の温度で1〜6時間であ
る。より高い分子量のPASを得るには、2段階以上の
反応温度プロフィールを用いることが好ましい。この2
段階操作を行う場合、第1段階は 195〜240 ℃の温度で
行うことが好ましい。温度が低いと反応速度が小さす
ぎ、実用的ではない。 240℃より高いと反応速度が速す
ぎて、十分に高分子量なPASが得られないのみなら
ず、副反応速度が著しく増大する。第1段階の終了は、
重合反応系内ジハロ芳香族化合物残存率が1モル%〜40
モル%、且つ分子量が 3,000〜20,000の範囲内の時点で
行うことが好ましい。より好ましくは、重合反応系内ジ
ハロ芳香族化合物残存率が2モル%〜15モル%、且つ分
子量が 5,000〜15,000の範囲である。残存率が40モル%
を越えると、第2段階の反応で解重合など副反応が生じ
やすく、一方、1モル%未満では、最終的に高分子量P
ASを得難い。その後昇温して、最終段階の反応は、反
応温度 240〜270 ℃の範囲で、1時間〜10時間行うこと
が好ましい。温度が低いと十分に高分子量化したPAS
を得ることができず、また 270℃より高い温度では解重
合等の副反応が生じやすくなり、安定的に高分子量物を
得難くなる。
【0016】実際の操作としては、先ず不活性ガス雰囲
気下で、アミド系溶媒中のアルカリ金属硫化物中の水分
量が所定の量となるよう、必要に応じて脱水または水添
加する。水分量は、好ましくは、アルカリ金属硫化物1
モル当り0.5〜2.5モル、特に0.8〜1.2モル
とする。2.5モルを超えては、反応速度が小さくな
り、しかも反応終了後の濾液中にフェノール等の副生成
物量が増大し、重合度も上がらない。0.5モル未満で
は、反応速度が速すぎ、十分な高分子量の物を得ること
ができない。
【0017】反応時の気相部分の冷却は、一定温度での
1段反応の場合では、反応開始時から行うことが望まし
いが、少なくとも 250℃以下の昇温途中から行わなけれ
ばならない。多段階反応では、第1段階の反応から冷却
を行うことが望ましいが、遅くとも第1段階反応の終了
後の昇温途中から行うことが好ましい。冷却効果の度合
いは、通常反応缶内圧力が最も適した指標である。圧力
の絶対値については、反応缶の特性、攪拌状態、系内水
分量、ジハロ芳香族化合物とアルカリ金属硫化物とのモ
ル比等によって異なる。しかし、同一反応条件下で冷却
しない場合に比べて、反応缶圧力が低下すれば、還流液
量が増加して、反応溶液気液界面における温度が低下し
ていることを意味しており、その相対的な低下の度合い
が水分含有量の多い層と、そうでない層との分離の度合
いを示していると考えられる。そこで、冷却は反応缶内
圧が、冷却をしない場合と比較して低くなる程度に行う
のが好ましい。冷却の程度は、都度の使用する装置、運
転条件などに応じて、当業者が適宜設定できる。
【0018】ここで使用する有機アミド系溶媒は、PA
S重合のために知られており、たとえばN‐メチルピロ
リドン(NMP)、N,N‐ジメチルホルムアミド、
N,N‐ジメチルアセトアミド、N‐メチルカプロラク
タム等、及びこれらの混合物を使用でき、NMPが好ま
しい。これらは全て、水よりも低い蒸気圧を持つ。
【0019】アルカリ金属硫化物も公知であり、たとえ
ば、硫化リチウム、硫化ナトリウム、硫化カリウム、硫
化ルビジウム、硫化セシウム及びこれらの混合物であ
る。これらの水和物及び水溶液であっても良い。又、こ
れらにそれぞれ対応する水硫化物及び水和物を、それぞ
れに対応する水酸化物で中和して用いることができる。
安価な硫化ナトリウムが好ましい。
【0020】ジハロ芳香族化合物は、たとえば特公昭4
5‐3368号公報記載のものから選ぶことができる
が、好ましくはp‐ジクロロベンゼンである。又、少量
(20モル%以下)のジフェニルエーテル、ジフェニル
スルホン又はビフェニルのパラ、メタ又はオルトジハロ
物を1種類以上用いて共重合体を得ることができる。例
えば、m‐ジクロロベンゼン、o‐ジクロロベンゼン、
p,p´‐ジクロロジフェニルエーテル、m,p´‐ジ
クロロジフェニルエーテル、m,m´‐ジクロロジフェ
ニルエーテル、p,p´‐ジクロロジフェニルスルホ
ン、m,p´‐ジクロロジフェニルスルホン、m,m´
‐ジクロロジフェニルスルホン、p,p´‐ジクロロビ
フェニル、m,p´‐ジクロロビフェニル、m,m´‐
ジクロロビフェニルである。
【0021】PASの分子量をより大きくするために、
例えば1,3,5‐トリクロロベンゼン、1,2,4‐
トリクロロベンゼン等のポリハロ化合物を、パラ及びメ
タジハロ芳香族化合物の合計量に対して好ましくは5モ
ル%以下の濃度で使用することもできる。
【0022】また、他の少量添加物として、末端停止
剤、修飾剤としてのモノハロ化物を併用することもでき
る。
【0023】上記各種のPAS製造方法におけるPAS
製造工程で生成したPASスラリーからPASを分離回
収すべく、濾過、水洗を繰り返した後に、回収した含水
PASが、乾燥に供される。
【0024】本発明の方法において、PASを乾燥する
ために使用する乾燥器は、特に制限されるものではな
い。例えば、「粉体工学便覧・日刊工業新聞社版、59
1〜593頁、7.2 乾燥装置の形式」に記載されて
いる箱型乾燥器、回転乾燥器、気流乾燥器、流動層乾燥
器、溝型攪拌乾燥器等を使用することができる。
【0025】図1に、箱型乾燥器(通称イナートオーブ
ン)の概略図を示す。乾燥されるPASは容器14中に
入れられ、該容器は棚段状に乾燥器中に並べられる。こ
の際、容器14中のPAS充填率は、好ましくは60〜
90体積%である。次いで、所定の酸素含有量に調整さ
れた窒素ガスが、ボンベあるいは液体窒素タンク等から
給気口12を経て乾燥器中に送られ、排気口16から放
出される。該操作は、送風機15を作動させ又は作動さ
せずして所定時間行われ、乾燥器内は上記窒素ガスで十
分に置換される。その後、送風機15により、乾燥器内
ガスは、加熱器17を通して所定温度にまで昇温され、
次いで整流板18により整流されてPAS層上面に並行
して流され、PASの乾燥が実施される。所定時間乾燥
後、降温し、乾燥後PASが取り出される。排気口16
から放出されたガスは、適当な方法によりガス中の水分
を除去した後、循環使用に供される。
【0026】図2は、気流乾燥器の概略図である。乾燥
されるPASは、フィーダー33により解砕機32に供
給され、解砕される。一方、所定の酸素含有量に調整さ
れた窒素ガスが、ボンベあるいは液体窒素タンク等から
熱風発生装置31に供給され、所定温度に加熱された所
定量の該ガスが、熱風発生装置31から解砕機32中に
送られる。解砕されたPASは、該ガスの高速気流と共
に、垂直に設置された乾燥管34中を上昇しつつ、分散
浮遊されて急速に乾燥される。乾燥後、PASはサイク
ロンコレクター35及びバッグフィルター36により補
集され取り出される。ガスは、排風機37により乾燥器
外に放出され、適当な方法によりガス中の水分を除去し
た後、循環使用に供される。
【0027】乾燥に要する時間は、乾燥器の種類、乾燥
されるPASの量、PASの含水率等により異なるが、
好ましくは0.5〜24時間、特に好ましくは1〜12
時間である。上記範囲未満では乾燥が十分でなく、上記
範囲を超えても乾燥効果の格別の増加が認められない。
【0028】PAS乾燥の際の圧力は、好ましくは常圧
〜3気圧、特に好ましくは常圧である。圧力が上記範囲
未満では、装置が複雑かつ高価となり、上記範囲を超え
ては、乾燥温度の上昇に伴うPASの色相低下を招き好
ましくない。また、該圧力は減圧であってもよい。この
際の圧力は、0.1気圧以上が好ましい。
【0029】上記のようにして得られたPASは、白色
度が高い。従って、着色剤により各種色彩を有するPA
Sの製造が可能である。
【0030】このようにして製造されたPASには、エ
ンジニアリングプラスチックとしての性能例えば強度、
耐熱性、寸法安定性等を改善するために、更に慣用の添
加剤を配合することができる。例えば、無機充填材とし
てのシリカ、アルミナ、タルク、マイカ、カオリン、ク
レー、シリカアルミナ、酸化チタン、炭酸カルシウム、
ケイ酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、リン酸マグ
ネシウム、窒化ケイ素、ガラス、ハイドロタルサイト、
酸化ジルコニウム、パイロフイライド、ベントナイト、
セリサイト、ゼオライト、雲母、ネフエリンシナイト、
ドロナイト、三酸化アンチモン、酸化亜鉛、ウオラスト
ナイト、アタルバルジヤイト、酸化鉄、二酸化モリブデ
ン、黒鉛、石膏等の粒状、粉末状あるいは鱗片状のも
の、又はガラス繊維、チタン酸カリウム繊維、炭素繊
維、マイカセラミック繊維等の繊維状のものを配合する
ことができる。これら無機充填材は、夫々単独で、ある
いは二種以上組合わせて用いることができる。また、こ
れらの無機充填材は、シランカップリング剤やチタネー
トカップリング剤で処理したものであってもよい。充填
材の配合割合は、機械的強度、成形性の観点からPAS
100重量部に対して0.01〜400重量部が好まし
い。
【0031】更に、必要に応じて、酸化防止剤、熱安定
剤、滑剤、離型剤、着色剤等の添加剤を配合することも
できる。
【0032】以上のような各成分を混合する方法は、特
に限定されるものではない。一般に広く使用されている
方法、例えば各成分をヘンシェルミキサー等の混合機で
混合する等の方法を用いることができる。
【0033】以下、本発明を実施例により更に詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例により限定されるもの
ではない。
【0034】
【実施例】得たポリマーの白度(ホットプレスL値)
は、次のようにして測定した。ポリマーを320℃で
1.5分間予熱した後、320℃で1.5分間、続けて
130℃で1.5分間、30kg/cm2 で加圧成形し
て円盤状プレートを作成した。このプレートのL値を色
彩色差計(東京電色株式会社製Color Ace)で
測定した。
【0035】得たポリマーの揮発分は、ポリマー3g
を、空気中で常圧下において、300℃で1時間放置し
た後の、重量減少により求めた。
【0036】溶融粘度V6 は、島津製作所フローテスタ
ーCFT‐500Cを用いて300℃、荷重20kgf
/cm2 、L/D=10で6分間保持した後に測定した
粘度(ポイズ)である。
【0037】
【重合例】150リットルオートクレーブに、フレーク
状硫化ソーダ(60.8重量%Na2 S)12.857
kgと、N‐メチル‐2‐ピロリドン(以下ではNMP
と略すことがある)30.0kgを仕込んだ。窒素気流
下で攪拌しながら204℃まで昇温して、水2.956
kgを留出させた。その後、オートクレーブを密閉して
180℃まで冷却し、パラジクロロベンゼン(以下では
p‐DCBと略すことがある)14.674kg及びN
MP10.0kgを仕込んだ。液温150℃で窒素ガス
を用いて1kg/cm2 Gに加圧して昇温を開始した。
液温210℃で7時間、続いて液温250℃で3時間攪
拌した。反応後、降温し、得られたスラリーに対し常法
により濾過、NMP洗浄、温水洗浄を繰り返し、平均粒
径(D50)62μm、含水率58重量%のポリフェニレ
ンスルフィド(以下ではPPSと略すことがある)を得
た。
【0038】
【実施例1】重合例で得たPPSの濾過ケーキ200g
を使用した。図1に示した箱型乾燥器を用い、酸素ガス
濃度が1.5体積%の窒素ガス雰囲気中、常圧下、乾燥
温度120℃、乾燥時間4時間として、該PPSを乾燥
した。
【0039】乾燥後のPPSの白度(L値)は70.
0、揮発分は0.24重量%、そして溶融粘度V6 は1
150ポイズであった。
【0040】
【実施例2】乾燥温度を100℃とした以外は、実施例
1と同一にして実施した。
【0041】乾燥後のPPSの白度(L値)は69.
9、揮発分は0.32重量%、そして溶融粘度V6 は1
150ポイズであった。
【0042】
【実施例3】乾燥温度を150℃、乾燥時間を2時間と
した以外は、実施例1と同一にして実施した。
【0043】乾燥後のPPSの白度(L値)は70.
3、揮発分は0.28重量%、そして溶融粘度V6 は1
150ポイズであった。
【0044】
【実施例4】酸素ガス濃度が8.0体積%の窒素ガス雰
囲気中とした以外は、実施例1と同一にして実施した。
【0045】乾燥後のPPSの白度(L値)は68.
2、揮発分は0.28重量%、そして溶融粘度V6 は1
150ポイズであった。
【0046】
【比較例1】乾燥温度を180℃、乾燥時間を1時間と
した以外は、実施例1と同一にして実施した。
【0047】乾燥後のPPSの白度(L値)は57.
2、揮発分は0.32重量%、そして溶融粘度V6 は1
150ポイズであった。
【0048】
【比較例2】重合例で得たPPSの濾過ケーキ200g
を使用した。図2に示した気流乾燥器を用い、空気(酸
素約20体積%)気流中、常圧下、乾燥温度120℃、
乾燥時間3時間で該PPSを乾燥した。
【0049】乾燥後のPPSの白度(L値)は65.
1、揮発分は0.25重量%、そして溶融粘度V6 は1
160ポイズであった。
【0050】
【比較例3】乾燥温度を150℃、乾燥時間を2時間と
した以外は、比較例2と同一にして実施した。
【0051】乾燥後のPPSの白度(L値)は63.
0、揮発分は0.26重量%、そして溶融粘度V6 は1
160ポイズであった。
【0052】
【比較例4】乾燥温度120℃、乾燥時間を1時間とし
た以外は、比較例2と同一にして実施した。
【0053】乾燥後のPPSの白度(L値)は57.
2、揮発分は0.32重量%、そして溶融粘度V6 は1
160ポイズであった。
【0054】得られた結果を表1に示す。
【0055】
【表1】 実施例1〜3は、窒素ガス雰囲気中の酸素ガス濃度を
1.5体積%として、乾燥温度を本発明の範囲中で変化
させたものである。いずれも乾燥後PPSは、十分に乾
燥されており、かつその白度は高かった。実施例4は、
実施例1に対して、窒素ガス雰囲気中の酸素ガス濃度を
8.0体積%に増加したものである。白度が多少低下し
たものの、本発明の効果を十分に達成し得るものであっ
た。
【0056】一方、比較例1は、実施例1に対して、乾
燥温度を180℃に上げたものである。温度が本発明の
範囲を超えれば、白度が著しく低下することが分かっ
た。比較例2〜4は、空気雰囲気中で気流乾燥器を使用
してPPSを乾燥したものである。いずれも乾燥後PP
Sの白度は低かった。
【0057】
【発明の効果】本発明は、減圧の必要がなく、簡易かつ
経済性に優れ、更にPASの色相低下のない乾燥方法を
提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】箱型乾燥器の概略図である。
【図2】気流乾燥器の概略図である。
【符号の説明】
11.箱型乾燥器本体 12.給気口 13.容器受けレール 14.容器 15.送風機 16.排気口 17.加熱器 18.整流板 19.温度計 31.熱風発生装置 32.解砕機 33.フィーダー 34.乾燥管 35.サイクロンコレクター 36.バグフィルター 37.排風機 38.温度計

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアリーレンスルフィドの製造工程で
    生成したポリアリーレンスルフィド粒子のスラリーを濾
    過及び洗浄して得た含水ポリアリーレンスルフィドを乾
    燥する方法において、酸素を8.0体積%以下で含む窒
    素ガス雰囲気中、80〜150℃の雰囲気温度で乾燥す
    ることを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 酸素を3.0体積%以下で含む雰囲気
    中、100〜120℃の温度で乾燥する請求項1記載の
    方法。
  3. 【請求項3】 含水ポリアリーレンスルフィドの平均粒
    径D50が10〜150μmである請求項1又は2記載の
    方法。
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