JP3441573B2 - 分離搬送装置 - Google Patents

分離搬送装置

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JP3441573B2
JP3441573B2 JP24911195A JP24911195A JP3441573B2 JP 3441573 B2 JP3441573 B2 JP 3441573B2 JP 24911195 A JP24911195 A JP 24911195A JP 24911195 A JP24911195 A JP 24911195A JP 3441573 B2 JP3441573 B2 JP 3441573B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリン
タ、ファクシミリ等の画像形成装置の給紙装置や、画像
読み取り装置の原稿搬送装置などにおける用紙等の分離
搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】用紙などを分離搬送する方法としては、
従来、摩擦力を用いた分離搬送方法や、エアー吸引など
による分離搬送方法が一般的に知られている。しかしな
がら、摩擦力を用いた方法では、摩擦コロなどのゴム材
料を用いるため、摩耗などによる経時変化が大きく、ま
た、用紙の分離時に圧力をかけるために用紙を傷めるこ
とがある。一方、エアー吸引などによる分離搬送方法で
は、エアーの吸引音が騒音になるため、オフィス内で使
用される機器には不向きであり、また、装置自体も大き
くなってしまう。
【0003】そこで、本出願は、例えば、特開平4−1
73633号公報、あるいは、特開平6−250468
号公報に記載されているように、誘電体ベルト(搬送ベ
ルトあるいはめくりベルト)に不平等電界を形成し、こ
の誘電体ベルト上に用紙(シートあるいは本原稿の頁)
を吸着させて、用紙を1枚ずつ分離搬送(頁めくり)す
る、静電吸着による分離搬送装置を提供した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
不平等電界を用いた用紙の分離搬送装置では、分離搬送
される用紙の紙厚が薄い場合には、無端ベルト上の静電
気力が2枚目以降のシートにも働いてしまい、複数枚の
用紙が重なって吸着分離される用紙の重送や、本原稿頁
の多数枚めくり等の不具合が発生し、また、用紙の紙厚
が厚い場合には、用紙の吸着分離ミス(シートの搬送ミ
スあるいは頁の不めくり)が発生する不具合があった。
また、この分離搬送装置では、その分離動作直後に用紙
を搬送すると、2枚目以降の用紙が分離過程にあるとき
があり、この2枚目以降の用紙を破損することがあっ
た。
【0005】この発明は、上述の点に鑑みてなされたも
のであって、その請求項1乃至請求項3の目的は、用紙
の紙質や紙厚により重送や不送りなどの不具合を起すこ
となく、用紙を確実に分離搬送できる分離搬送装置を提
供することにある。また、請求項4の目的は、用紙の分
離搬送動作時に他の用紙を破損することなく、用紙を確
実に分離搬送できる分離搬送装置を提供することにあ
る。
【0006】また、請求項5乃至請求項7記載の発明の
目的は、薄紙においても重送または多数枚めくり、及
び、不めくり等を起さずに確実に分離搬送できる分離搬
送装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、上述の課題
を解決するために、請求項1では、積層したシートを静
電気力を用いて吸着保持する吸着保持手段と、積層した
シートへ該吸着保持手段を移動及び接離させる接離駆動
手段と、該吸着保持手段に吸着保持したシートを搬送す
るシート搬送手段からなる分離搬送装置において、上記
の積層したシートへ該吸着保持手段を移動し、該吸着保
持手段とシートとを所定の時間密着させた後、積層した
シートから該吸着保持手段を離間させる構成する。
【0008】また、請求項2では、請求項1記載の分離
搬送装置において、上記吸着保持手段に密着したシート
に対し、該吸着保持手段から発生する静電気力の作用時
間を不均一にした構成とする。
【0009】また、請求項3では、請求項2記載の分離
搬送装置において、上記吸着保持手段に密着したシート
の先端部に対し、該吸着保持手段から発生する静電気力
の作用時間を長くした構成とする。
【0010】また、請求項4では、積層したシートを静
電気力を用いて吸着保持する吸着保持手段と、積層した
シートへ該吸着保持手段を移動及び接離させる接離駆動
手段と、該吸着保持手段に吸着保持したシートを搬送す
るシート搬送手段からなる分離搬送装置において、上記
の積層したシートへ該吸着保持手段を移動し、該吸着保
持手段とシートとを密着させた後、積層したシートから
該吸着保持手段を離間し、所定の時間停止後に吸着した
シートを搬送させる構成とする。
【0011】また、請求項5では、積層したシートを静
電気力により吸着し搬送する無端ベルトを有し、積層し
たシートと該無端ベルトを当接及び離間させ、該無端ベ
ルトにシートを吸着させて分離搬送させる分離搬送装置
において、シートの種類により上記無端ベルト上の不平
等電界を発生させるための正負の帯電ピッチを変化させ
る構成とする。
【0012】また、請求項6では、請求項5記載の分離
搬送装置において、シートの厚さが薄いときには、上記
の正負の帯電ピッチを小さく変化させる構成とする。
【0013】また、請求項7では、請求項5記載の分離
搬送装置において、シートの種類により、積層したシー
トと上記無端ベルトの当接時間及び離間時間を変化させ
る構成とする。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図に基づいて詳細に
説明する。但し、本明細書の記述から明らかに想起し得
る範囲の構成・作用等については、煩雑化を避ける上か
ら、その説明を省略、もしくは簡略化する。本発明は、
本原稿の頁めくり機能と画像読み取り機能とをそれぞれ
独立させて構成することもできるが、ここでは、上記の
頁めくり機能及び画像読み取り機能との両機能を1つの
ユニットに組み込んだ装置をその実施例とした。また、
本実施例は、原理的には先に本出願人により提案された
ブック原稿のページめくり読み取り装置と略同様な機能
を有している。
【0015】先ず、本実施例におけるスキャナユニット
30の構成について説明する。図1に、本実施例として
のTPS(Turn the Page Scanne
r;頁めくり読み取り装置)の全体構成図を示す。この
TPSの装置本体の上半分はスキャナユニット30にな
っており、走査ユニット200は、このスキャナユニッ
ト30の内部を図1において左右方向に走行して、原稿
台1上に見開かれて載置された本原稿BOの走査を行
う。この走査ユニット200の走査駆動系の構成図を図
2に示す。図2は、装置本体の上部から見た走査ユニッ
ト200の走査駆動系であり、図2において、装置本体
の奥側にタイミングベルト312がプーリ304と3段
プーリ302によって、装置本体の手前側にタイミング
ベルト313がプーリ305と2段プーリ306によっ
て、それぞれ左右方向に張られている。ここで、プーリ
304とプーリ305の回転軸は、それぞれバネ307
とバネ308によって支持され、各タイミングベルト3
12,313に所定の張力を与えている。3段プーリ3
02は、タイミングベルト310でモータプーリ301
と、また、タイミングベルト311で2段プーリ306
とそれぞれ連結されている。タイミングベルト311
は、アイドラ303をバネ309で外側に引くことで所
定の張力を得ている。走査ユニット200は、その奥側
と手前側とがクランプ315により各タイミングベルト
312,313にそれぞれ固定され、モータプーリ30
1の回転軸を駆動するスキャナモータ106の回転によ
り、各タイミングベルト312,313を介して駆動さ
れる。
【0016】本実施例における走査ユニット200の構
成を図3に示す。図3において、走査ユニット200の
下側の左右には原稿押えローラ281a,281bが、
また、その外側にはシート巻き取りローラ280a,2
80bが、それぞれ回転自在に軸支されている。各シー
ト巻き取りローラ280a,280bには、左右独立し
た原稿押えシート282a,282bのそれぞれの中央
側の端部が巻き取られており、各原稿押えシート282
a,282bのそれぞれの外側の端部は、スキャナユニ
ット30の側板にそれぞれ固定されている。また、図4
に示すように、各巻き取りローラ軸251a,251b
の外側端部には、シート巻き取りギヤ232a,232
bが固定されており、これらのシート巻き取りギヤ23
2a,232bは、スキャナユニット30の側板に左右
両端を固定され、略全長に亘って歯を有する駆動ラック
231に、各アイドルギヤ233a,233bを介し
て、それぞれ噛み合っている。これにより、図4におい
て走査ユニット200が走行すると、各アイドルギヤ2
33a,233bとともに各シート巻き取りギヤ232
a,232bが回転し、各シート巻き取りローラ280
a,280bを介して、各原稿押えシート282a,2
82bの引き出し及び巻き取りが行われ、左右のシート
巻き取りローラ280a,280bの張力が、常時、略
一定に維持される。
【0017】一方、図3に示すように、各原稿押えロー
ラ281a,281bの間には、本原稿読み取り用のプ
ラテンガラス205と、本原稿頁めくり用のめくりベル
ト208が配設されている。
【0018】このプラテンガラス205の内側には、図
3に示すように、本原稿照明用の2本の蛍光灯201,
202が、本原稿読み取り部の左右にそれぞれ配置され
ている。これらの蛍光灯201,202によって照明さ
れた本原稿像は、図3において、第1ミラー219に反
射した後、第2ミラー220と第3ミラー221に交互
に反射し、最後にレンズ216を透過して、CCD10
1上に縮小結像される。また、めくりベルト208は、
めくりベルト駆動ローラ223とめくりローラ224と
に掛け渡されており、このめくりベルト208の上側
の、めくりベルト駆動ローラ224から少し離れた部位
の外側には、帯電ローラ225が接触して配置されてい
る。
【0019】更に、めくりベルト駆動ローラ223の駆
動軸端部には、図4に示すように、めくりベルト駆動ギ
ヤ234が固定されており、このめくりベルト駆動ギヤ
234は、アイドルギヤ235を介して、駆動ラック2
32に噛み合っている。これにより、走査ユニット20
0が走行すると、駆動ラック232に沿って、アイドル
ギヤ235と共にめくりベルト駆動ギヤ234が回転
し、めくりベルト駆動ローラ223の回転によりめくり
ベルト208が回転する。
【0020】次に、スキャナユニット30のめくり動作
について説明する。図5に、本実施例における走査ユニ
ット200の頁めくり部の動作説明図を示す。本実施例
におけるめくりベルト208は、材質が、PET、P
C、PVCなどからなり、その表面層が表面抵抗1014
Ω以上の高抵抗フィルム、その裏面層が表面抵抗108
Ω以下の低抵抗フィルムからなる二重構造の樹脂フィル
ムで構成されている。また、めくりベルト駆動ローラ2
23は、接地された金属ローラの表面に導電性ゴムを被
覆したローラで構成されており、確実なベルト駆動とア
ースを実現している。更に、帯電ローラ225は、中抵
抗ゴムローラで構成されており、この帯電ローラ225
には、切り換えスイッチ253aを介して、交流電源2
53から所定のタイミングで、±2kVの高電圧が印加
される。図5において、走査ユニット200を走行さ
せ、めくりベルト208を駆動しながら、後述するタイ
ミングに合わせて切り換えスイッチ253aをオンし、
帯電ローラ225に交流電源253から±2kVの高電
圧をかけると、めくりベルト208の表面上に交番電界
が生じ、この交番電界の作用により、このめくりベルト
208の表面に、接触した本原稿BOの最上位頁254
を吸着させる吸着力が発生する。
【0021】原稿の読み取り操作がスタートされると、
スキャナユニット30の左端の端部ホームポジションに
いた走査ユニット200が、右方向に走行を始める。そ
して、この走査ユニット200のプラテンガラス205
の原稿読み取り位置が本原稿BOの左頁にかかると、図
6に示すように、走査ユニット200の光学系が、この
本原稿BOの読み取り動作を始め、この本原稿BOの原
稿面を左頁から右頁へと読み取っていく。ここでの走査
ユニット200の読み取り開始位置は、本原稿BOの大
きさ(サイズ)によって変わる。このようにして、走査
ユニット200の光学系が本原稿BOの右頁の端まで読
み終えると、図7に示すように、走査ユニット200の
原稿走査方向が逆転され、図8に示すように、この読み
取りを終えた本原稿BOの右頁の頁めくり動作が開始さ
れる。この本原稿BOの頁めくりを始めるときには、こ
の頁めくり動作に先行して、このめくりベルト208の
表面上に形成された帯電パターン部が本原稿BOの最上
位頁254の上に重なる。そして、この最上位頁254
の先端が、めくりベルト208の下側の中央を越えたと
ころで、図8に示すように、このめくりベルト208
が、図示せぬソレノイドの作用により、図5の実線で示
す位置に移動される。これにより、このめくりベルト2
08の表面に形成された電荷パターンの不平等電界によ
る吸着力で、本原稿BOの最上位頁254だけが、めく
りベルト208の表面上に吸着されて、この最上位頁2
54の端部がめくりベルト208と共に持ち上げられ
る。この不平等電界による吸着力は、この最上位頁25
4以外の頁を吸着させない特徴を有している。上述のよ
うに、本原稿BOの最上位頁254をめくり上げた後、
この状態のまま走査ユニット200を、図8に示すよう
に、その端部ホームポジションに向けて移動させると、
この本原稿BOの最上位頁254は、図9に示すよう
に、確実に搬送され、走査ユニット200の右側部に配
置された上下一対の頁ガイド227,228(図3)の
間を通過して、走査ユニット200の右外側にその先端
側が送り出される。この時、この走査ユニット200の
上方側の頁ガイド227上に取付けられた頁めくりセン
サ214(図3)が、走査ユニット200の右外側に送
り出された原稿頁を検知して、この原稿頁が正常に頁め
くりされたことを判断する。ここで明らかなように、本
実施例では、走査ユニット200の頁めくり動作により
めくり上げられた原稿頁が、丸められたり折り曲げられ
たりせずに自然な姿勢に保持されるので、このめくり上
げた原稿頁を傷めることがなく、また、このめくり上げ
た原稿頁を収納するための頁収納手段を走査ユニット2
00内に配設する必要がないので、走査ユニット200
を小型化できる。次いで、図10に示すように、本原稿
BOの最上位頁254を本原稿の綴じ部までめくり上げ
た時点で、めくりベルト208を元の位置(図5の破線
位置)に戻す。この状態で、走査ユニット200を更に
その端部ホームポジションに向けて移動させると、図1
1に示すように、このめくり上げた原稿頁が、本原稿の
綴じ部に引っ張られて、一対の頁ガイド227,228
の間を戻りながら、本原稿BOの左頁上に重ね合わされ
るようにして走査ユニット200内から排出される。こ
のようにして、めくり上げられた原稿頁が本原稿BOの
左頁上に全て重ね合わされると、走査ユニット200の
見開き原稿に対する1回分の原稿読み取り・頁めくり動
作が終了する。ここで、この本原稿BOに対する原稿読
み取り・頁めくり動作を繰り返し実行したり、原稿読み
取りまたは頁めくり動作の何れか一方の動作のみを繰り
返し実行する場合には、上述のように、めくり上げられ
た原稿頁が本原稿BOの左頁上に全て重ね合わされると
同時に走査ユニット200の移動方向を反転させて、本
原稿の原稿面に対して最短コースで走査ユニット200
の往復動作を繰り返す。
【0022】次に、本発明の分離搬送装置における用紙
の分離搬送方法について、前述した本原稿の頁めくり装
置を実施例として説明する。すなわち、ここでは、本発
明の分離搬送装置における、積層したシートS(本原稿
BO)を吸着保持する吸着保持手段、積層したシートS
へ該吸着保持手段を移動及び接離させる接離駆動手段、
及び、該吸着保持手段に吸着保持したシートを搬送する
シート搬送手段を、前述した本原稿の頁めくり装置にお
ける、めくりベルト208、めくりベルト駆動ローラ2
23、及び、めくりローラ224とする。
【0023】先ず、図12(a)に示すシート吸着前の
スタート位置から、図12(b)に示すシート吸着動作
位置に、誘電体で形成した無端状のめくりベルト208
を移動させる。そして、このめくりベルト208の移動
時に、そのベルト表面に帯電ローラ225により正負の
電荷を形成することで不平等電界を発生させ、図12
(b)に示すシート吸着動作位置で、めくりベルト20
8にシートSを吸着させる。次いで、図12(c)に示
す分離動作位置で、めくりローラ224を持ち上げて、
めくりベルト208のシート吸着面をシートガイド(頁
ガイド227,228)に向けて傾斜させ、最上位のシ
ートSaのみを他のシートから分離させる。そして、図
12(c)に示す分離動作時の姿勢のまま、図12
(d)の搬送動作に示すように、めくりベルト駆動ロー
ラ223によりシート搬送方向にめくりベルト208を
回転させながら、シート面に沿ってシート下流方向にめ
くりベルト208を移動さて、シートガイド227,2
28内に最上位のシートSaを搬送させる。
【0024】ところで、この種の吸着分離装置では、こ
れまで、誘電体ベルトの不平等電界による吸着力は、2
枚目以降のシートに対しては働かないと思われていた
が、この誘電体ベルトの不平等電界による吸着力は、図
15に示すように、誘電体ベルトにシートを吸着させた
後、そのシートに対する吸着力が、時間の経過とともに
変化することが判明した。つまり、めくりベルト208
とシートSが接触した瞬間には、めくりベルト208の
吸着力が、1枚目のシートSaだけではなく、2枚目以
降のシートに対しても働き、1枚目のシートSaに働く
吸着力は時間の経過とともに大きくなり、2枚目以降の
シートに働く吸着力は時間の経過とともに減少する。ま
た、2枚目以降のシートに働く吸着力が“0”となった
時点で、1枚目のシートSaに働く吸着力が最大とな
り、それ以後、この1枚目のシートSaに働く吸着力は
一定となることも判明した。更に、2枚目のシートに働
く吸着力が“0”となる時間は、シートSの種類や使用
環境などにより変化することも明らかとなった。
【0025】そこで、本発明の分離搬送装置では、図1
2及び図13に示すように、先ず、図12(a)に示
す、シートSから離れたシート吸着前のスタート位置か
ら、分離ソレノイドと、めくりベルト208を移動する
駆動モータ、及び、帯電ローラ225の帯電用高圧電源
をそれぞれオンし、めくりベルト208の下面(シート
吸着面)を水平に保った状態で、そのベルト表面に帯電
ローラ225により正負の帯電を行ないながら、図12
(b)に示すシート吸着動作位置まで、めくりベルト2
08を移動させた後、駆動モータをオフしてめくりベル
ト208の移動を停止させる。このめくりベルト208
の停止時に、シートSaと接触しているベルト表面に
は、帯電ローラ225による帯電によって、不平等電界
を発生させる正負の電荷が形成されている。
【0026】次いで、上記のめくりベルト208の停止
後、t1(0.1〜10)秒の間、シートSaとめくり
ベルト208とを密着させ、図4に示すように、1枚目
のシートSaに働く吸着力を増大させるとともに、2枚
目以降のシートに働く吸着力を減少させる。
【0027】その後、分離ソレノイドをオフして、図1
2(c)に示す分離動作を行なう。この分離動作によっ
ても、その使用環境やシートの種類によっては、2枚以
上のシートがめくりベルト208により持ち上げられる
ことがあるため、この図12(c)に示す分離動作位置
でも、t2(0.1〜10)秒の間、めくりベルト20
8の移動を停止させて、めくりベルト208に1枚目の
シートSaだけを確実に吸着させる。このように、めく
りベルト208に1枚目のシートSaだけを確実に吸着
させた状態から、駆動モータを再びオンし、図12
(d)の搬送動作を行ない、めくりベルト駆動ローラ2
23によりシート搬送方向にめくりベルト208を回転
させながら、シート面に沿ってシート下流方向にめくり
ベルト208を移動さて、シートガイド227,228
内に最上位のシートSaを搬送させる。上述のように、
図12(c)に示す分離動作位置で、t2(0.1〜1
0)秒の間、めくりベルト208の移動を停止させるこ
とによって、めくりベルト208の分離搬送動作時にお
けるシートの重送による破損を防止することができる。
【0028】なお、図12に示した分離搬送動作では、
めくりベルト208を略水平に保ちながら、シートSa
を先端からめくりベルト208に吸着させている。この
ようにすることにより、シート先端のめくりベルト20
8に対する吸着時間が一番長くなるので、この時間経過
により、1枚目のシートSaの先端に働く吸着力は増大
し、2枚目以降のシート先端に働く吸着力は減少するこ
とから、図12(c)に示す分離動作時において、2枚
目以降のシートは、その先端から分離され易くなるとと
もに、1枚目のシートSaの先端は、めくりベルト20
8により確実に吸着される。これに対し、図14
(a)、及び、図14(b)に示すように、めくりベル
ト208とシートSとの密着を瞬間的に行なった場合に
は、シートSとめくりベルト208の接触領域全体が一
様の吸着力となるため、シート先端からの分離が困難と
なる。
【0029】従って、本実施例によれば、上述のような
分離搬送動作を行なうことにより、腰の強い厚紙からな
るシートの不送り(シート搬送ミス)や、薄紙からなる
シートの重送を防止できる。なお、ここでは、本発明の
分離搬送装置の実施例として、本原稿の頁めくり装置を
例示したが、本発明は、不平等電界を用いたあらゆる分
離搬送装置、及び、吸着装置に対して実施可能である。
【0030】ところで、前述したように、めくりベルト
208上に作られた不平等電界による吸着力は、最上位
頁254以外の頁を吸着させない特徴を有しているが、
頁が薄紙などの場合には、多数枚めくりなどの不具合が
発生し易くなる。
【0031】そこで、請求項5乃至請求項7記載の発明
では、めくりベルト208上に不平等電界を発生させる
ための正負の帯電ピッチと、めくりベルト208と最上
位頁254との接触時間(吸着時間)、及び、めくりベ
ルト208が最上位頁254をめくり上げた状態で離間
停止している時間(分離時間)を変化させることによ
り、頁の多数枚めくり及び不めくりを防止する。
【0032】すなわち、めくりベルト208上に作られ
る不平等電界による吸着力は、めくりベルト208上の
正負の帯電電位幅と帯電ピッチによって異なり、その帯
電電位幅が大きくなるほど吸着力が大きく、帯電ピッチ
が小さいほど不平等電界が作用する頁枚数が少なく確実
に1枚の頁を吸着することができる。また、帯電ローラ
225に印加する電圧を一定にし、その周波数を変える
ことにより、めくりベルト208上の帯電ピッチを変化
させると、めくりベルト208上の正負の帯電電位幅
が、図16に示すように変化することが確認できた。
【0033】そこで、本原稿頁の紙厚を変化させて実際
に吸着実験を行なった結果、帯電ピッチが大きい場合に
は頁の多数枚めくりが発生してしまい、また、帯電ピッ
チが小さいと厚紙の頁において不めくりが発生した。ま
た、頁の多数枚めくり及び不めくりに関して影響が大き
いと思われる吸着時間と分離時間とを因子にとり、頁の
各紙厚に対し最適化実験を行なって各因子の影響を調べ
た結果、頁のめくり不良発生率が図17及び図18に示
すようになった。
【0034】このことから、本実施例では、頁の紙厚
が、55kg以下の場合には、めくりベルト上の不平等
電界を発生させるための正負の帯電ピッチを3mm、吸
着時間を1.5sec、分離時間を2.5secとし
た。このように、頁の紙種によりめくりベルト208へ
の吸着条件を変化させることにより、薄紙に対する多数
枚めくりと、厚紙に対する不めくりを防止することがで
きる。
【0035】ここで、本実施例では、自動頁めくり装置
に本発明を適用した例について説明したが、本発明は、
静電吸着力を用いたあらゆるシート分離搬送装置、及
び、シート吸着装置にも何ら問題なく適用できる。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、請求項1では、積層し
たシートへ吸着保持手段を移動し、該吸着保持手段とシ
ートとを所定の時間密着させた後、積層したシートから
該吸着保持手段を離間させるので、1枚目のシートSa
に働く吸着力を増大させ、2枚目以降のシートに働く吸
着力を減少させて、シートの不送りや、重送を防止でき
る。
【0037】また、請求項2では、上記吸着保持手段に
密着したシートに対し、該吸着保持手段から発生する静
電気力の作用時間を不均一にし、請求項3では、上記吸
着保持手段に密着したシートの先端部に対し、該吸着保
持手段から発生する静電気力の作用時間を長くしたの
で、この時間経過により、1枚目のシートの先端に働く
吸着力を増大させ、2枚目以降のシート先端に働く吸着
力を減少させて、シートの不送りや、重送を防止でき
る。
【0038】また、請求項4では、上記の積層したシー
トへ該吸着保持手段を移動し、該吸着保持手段とシート
とを密着させた後、積層したシートから該吸着保持手段
を離間し、所定の時間停止後に吸着したシートを搬送さ
せるので、シートの分離動作位置で該吸着保持手段の移
動を所定の時間停止させている間に、2枚目以降のシー
トを確実に分離させることができ、その分離搬送動作時
におけるシートの重送による破損を防止することができ
る。
【0039】また、請求項5乃至請求項7記載の発明に
よれば、無端ベルト上の不平等電界を発生させるための
正負の帯電ピッチ、吸着時間、分離時間を、紙種により
変化させることにより、薄紙に対する多数枚めくり、及
び、厚紙に対する不めくりを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が実施される本原稿の頁めくり装置の全
体的な構成を示す概略断面図である。
【図2】上記本原稿の頁めくり装置における走査ユニッ
トの駆動機構を示す概略平面図である。
【図3】上記走査ユニットの概略断面図である。
【図4】上記走査ユニットにおけるめくりベルト駆動機
構の概略側面図である。
【図5】上記本原稿の頁めくり装置における上記走査ユ
ニットの頁めくり上げ動作を示す走査ユニットの要部の
概略断面図である。
【図6】上記走査ユニットの頁めくり動作モード時にお
ける走査ユニットの左頁画像読み取り位置での遷移図で
ある。
【図7】上記走査ユニットの頁めくり動作モード時にお
ける走査ユニットの右頁画像読み取り完了位置での遷移
図である。
【図8】上記走査ユニットの頁めくり動作モード時にお
ける走査ユニットの右頁めくり上げ開始位置での遷移図
である。
【図9】上記走査ユニットの頁めくり動作モード時にお
ける走査ユニットの右頁めくり上げ途中の遷移図であ
る。
【図10】上記走査ユニットの頁めくり動作モード時に
おける走査ユニットの右頁めくり上げ終了位置での遷移
図である。
【図11】上記走査ユニットの頁めくり動作モード時に
おける走査ユニットの右頁めくり上げ排出途中の遷移図
である。
【図12】本発明の実施例における用紙の吸着・分離・
搬送動作の説明図である。
【図13】本発明の実施例における用紙の吸着・分離・
搬送手段の動作タイミングを示すタイムチャートであ
る。
【図14】本発明の実施例における用紙の他の吸着動作
の説明図である。
【図15】本発明の実施例の不平等電界による吸着力の
時間変化を示す特性図である。
【図16】本発明の実施例におけるめくりベルトの帯電
電位幅と帯電ピッチの関係を示すグラフである。
【図17】薄紙に対する、帯電ピッチ、吸着時間、分離
時間の影響を示すグラフである。
【図18】厚紙に対する、帯電ピッチ、吸着時間、分離
時間の影響を示すグラフである。
【符号の説明】
1 原稿台 106 スキャナモータ 200 走査ユニット 201,202 蛍光灯 205 プラテンガラス 208 めくりベルト 223 めくりベルト駆動ローラ 224 めくりローラ 225 帯電ローラ 227,228 頁ガイド 231 駆動ラック 232a,232b シート巻き取りギヤ 233a,233b アイドルギヤ 234 めくりベルト駆動ギヤ 235 アイドルギヤ 253 交流電源 281a,281b 原稿押えローラ BO 本原稿
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−75539(JP,A) 特開 平4−173633(JP,A) 特開 平5−50784(JP,A) 実開 平4−121948(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65H 3/18 B65H 5/22 G03G 15/00 514 H02N 13/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】積層したシートを静電気力を用いて吸着保
    持する吸着保持手段と、積層したシートへ該吸着保持手
    段を移動及び接離させる接離駆動手段と、該吸着保持手
    段に吸着保持したシートを搬送するシート搬送手段から
    なる分離搬送装置において、上記の積層したシートへ該
    吸着保持手段を移動し、該吸着保持手段とシートとを所
    定の時間密着させた後、積層したシートから該吸着保持
    手段を離間させることを特徴とする分離搬送装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の分離搬送装置において、上
    記吸着保持手段に密着したシートに対し、該吸着保持手
    段から発生する静電気力の作用時間を不均一にしたこと
    を特徴とする請求項1記載の分離搬送装置。
  3. 【請求項3】請求項2記載の分離搬送装置において、上
    記吸着保持手段に密着したシートの先端部に対し、該吸
    着保持手段から発生する静電気力の作用時間を長くした
    ことを特徴とする請求項2記載の分離搬送装置。
  4. 【請求項4】積層したシートを静電気力を用いて吸着保
    持する吸着保持手段と、積層したシートへ該吸着保持手
    段を移動及び接離させる接離駆動手段と、該吸着保持手
    段に吸着保持したシートを搬送するシート搬送手段から
    なる分離搬送装置において、上記の積層したシートへ該
    吸着保持手段を移動し、該吸着保持手段とシートとを密
    着させた後、積層したシートから該吸着保持手段を離間
    し、所定の時間停止後に吸着したシートを搬送させるこ
    とを特徴とする分離搬送装置。
  5. 【請求項5】積層したシートを静電気力により吸着し搬
    送する無端ベルトを有し、積層したシートと該無端ベル
    トを当接及び離間させ、該無端ベルトにシートを吸着さ
    せて分離搬送させる分離搬送装置において、シートの種
    類により上記無端ベルト上の不平等電界を発生させるた
    めの正負の帯電ピッチを変化させることを特徴とする分
    離搬送装置。
  6. 【請求項6】請求項5記載の分離搬送装置において、シ
    ートの厚さが薄いときには、上記の正負の帯電ピッチを
    小さく変化させることを特徴とする請求項5記載の分離
    搬送装置。
  7. 【請求項7】請求項5記載の分離搬送装置において、シ
    ートの種類により、積層したシートと上記無端ベルトの
    当接時間及び離間時間を変化させることを特徴とする請
    求項5記載の分離搬送装置。
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