JP3441277B2 - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents
半導体装置およびその製造方法Info
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Description
シリコン層を利用した半導体装置に関する。
つとしてn型にドープされた無歪みSiが知られてい
る。図7(a)に無歪みSiの結晶構造を示す。この無
歪みSiのフェルミ面近傍の電子状態は、6重に縮退し
ている。このため、図7(b)に示すように、ある谷
(波数空間においてフェルミエネルギーEF にある電子
が溜まっている領域:図7の斜線で示された楕円体状の
領域)に存在する電子は、フォノンによって他の5つの
谷へと散乱される。このような谷間の散乱は電子の移動
度を低下させる要因となる。
0)面に平行な引っ張り歪みを加えた歪みSiは、フェ
ルミエネルギーEF 近傍のエネルギーを有する電子の状
態は、2重に縮退した基底状態と4重に縮退した励起状
態に分離する。
極端にはずれない状態(例えば高電界が印加されていな
い場合の状態)では、ほとんどの電子は、図7(d)に
示す2重縮退した基底状態にとどまるので、電子の谷間
の散乱は、もう一方の谷との間の散乱に制限される。さ
らに、この基底状態の電子の面内運動に関する有効質量
は、無歪みSiのそれよりも小さい値となるので、電子
の面内運動に関する移動度は上昇する。
をn型MOSトランジスタの能動層に用いると、従来よ
りも高速動作が可能になるなどの素子特性の向上が図れ
るようになる。
数の大きな結晶上にSiをエピタキシャル成長すること
によって得られる。通常、Si基板上に格子緩和したS
iGeバッファ層を成長させ、このSiGeバッファ層
上にSiを成長させることにより、引っ張り歪みSi層
を形成する。
SiGeバッファ層を得るには、数μmにおよぶ厚いS
iGeバッファ層が必要であった。SiGeバッファ層
が薄いと、SiGeバッファ層の表面に圧縮歪みが残留
するため、このような薄いSiGeバッファ層の表面上
にSiを成長させても、十分な引っ張り歪みを有する引
っ張り歪みSi層を形成することはできない。
図るために、SOI基板が用いられているが、SOI基
板は厚いSiGeバッファ層との整合性が悪い。すなわ
ち、厚いSiGeバッファ層によってpn接合面積が増
大し、寄生容量が増大するため、SOI基板を用いる意
味が失われる。
格子緩和した薄いSiGeバッファ層を形成する技術が
1994年に報告されてる(A.R.Powell他、
Applied Physics Letters 6
4,p.1856,1994)。
造を示す断面図である。これを製造工程に従い説明する
と、まず、Si基板81、SiO2 膜82からなるSO
I基板上に厚さ50nm程度の薄い第1のSi層を形成
した後、このSi層上にSiをエピタキシャル成長させ
て、厚さ10nmの第2のSi層を形成する。なお、図
では、第1、第2のSi層をまとめてSi層83として
示してある。
程度のSi0.85Ge0.15バッファ層84をエピタキシャ
ル成長法により形成する。最後に、このようにして得ら
れた積層構造に700〜1050℃、1時間の熱処理を
施す。
層83との界面にすべり転位が生じ、さらにSi層83
中に貫通転位85が生じて歪みが解放され、その上のS
i0.85Ge0.15バッファ層84は薄くても格子緩和す
る。
バッファ層が厚くなることによる寄生容量の増大を防止
でき、SOI基板の特徴である浮遊容量の低減効果を享
受できるようになる。
層84の表面の転位密度は、1×104 〜107 cm-2
程度の高値であるため、特性の良い素子を高歩留まりで
作成することは困難である。また、このような素子を用
いた高集積度の半導体装置を高歩留まりで作成すること
は、素子の特性の均一性の点からさらに困難なものとな
る。
歪みSi層を用いたSOI基板は、n型MOSトランジ
スタの高速化を図れるなど素子性能の向上に有効な基板
であるが、良質な引っ張り歪みSi層を形成するために
必要な低転位密度のSiGeバッファ層を薄く形成する
ことはできないという問題があった。
ので、その目的とするところは、良質な歪みシリコン層
を有し、その下地のシリコンゲルマニウム層が薄いSO
I基板を有する半導体装置およびその製造方法を提供す
ることにある。
に、本発明に係る半導体装置(請求項1)は、シリコン
支持板上に、シリコン酸化層、第1のシリコン層、シリ
コンゲルマニウム層、歪み状態の第2のシリコン層が順
次積層されてなり、前記第1のシリコン層と前記シリコ
ンゲルマニウム層との間に、無歪み状態での格子定数
が、無歪みのシリコンの格子定数および前記シリコンゲ
ルマニウム層と同組成におけるシリコンゲルマニウムの
格子定数と異なる格子定数を有する、臨界膜厚以下の転
移変換層が挿設されていることを特徴とする。
項2)は、シリコン支持板上に、シリコン酸化層、第1
のシリコン層が順次設けられてなる基板を用意し、エピ
タキシャル成長法により、前記第1のシリコン層上に、
無歪み状態での格子定数が、無歪みのシリコンの格子定
数および次に成長されるシリコンゲルマニウム層と同組
成におけるシリコンゲルマニウムの格子定数と異なる格
子定数を有する、臨界膜厚以下の転移変動層を形成する
工程と、エピタキシャル成長法により、前記転移変換層
上にシリコンゲルマニウム層を形成する工程と、熱処理
により、前記シリコンゲルマニウム層を格子緩和させる
工程と、エピタキシャル成長法により、前記シリコンゲ
ルマニウム層上に歪み状態の第2のシリコン層を形成す
る工程とを有することを特徴とする。
続的に行うことが好ましい。本発明において、臨界膜厚
とは、無歪み状態のシリコン層上に、ある結晶材料をエ
ピタキシャル成長させた場合に、転移が生じることなく
成長が可能な最大の膜厚を意味している。
れば、熱処理により第1のシリコン層と転位変換層との
界面に該界面に平行に局所的な歪みが誘起される。一
方、上記熱処理により薄いシリコンゲルマニウム層が格
子緩和する際には、第1のシリコン層に貫通転位が生じ
る。このとき、この貫通転位は、上記局所的な歪みによ
り、上記界面ですべり転位に変換されるので、上記貫通
転位がシリコンゲルマニウム層に達することはない。
密度が十分に小さいシリコンゲルマニウム層を得ること
ができるので、その上に形成される歪み状態の第2のシ
リコン層の貫通転位の密度を十分に小さくできるように
なる。また、熱処理により格子緩和した十分に薄いシリ
コンゲルマニウム層を用いているため、従来のように数
μmの厚さのシリコンゲルマニウム層を用いた場合に比
べて、寄生容量が小さくなり、その結果、素子の動作速
度を向上させることができる。
の実施の形態(実施形態)を説明する。 (第1の実施形態)図1は、本発明の第1の実施形態に
係る歪みSiを用いた基板(以下、単に歪みSi基板と
いう)の構造を示す断面図である。
Si支持板1上にはSiO2 膜2が設けられている。こ
のSiO2 膜2上には厚さ50nmのSi層3(第1の
シリコン層)が設けられている。Si支持板1、SiO
2 膜2、Si層3はSOI基板を形成している。
層としてのGe層4を介して厚さ100nmの格子緩和
したSi0.7 Ge0.3 バッファ層5が設けられている。
このSi0.7 Ge0.3 バッファ層5上には厚さ20nm
の歪みSi層6(第2のシリコン層)が設けられてい
る。
は、Si0.7 Ge0.3 バッファ層5を熱処理により格子
緩和させる。このとき、Si0.7 Ge0.3 バッファ層5
の緩和に伴いSi層3に貫通転位7が生じるが、この貫
通転位7はSi層3とGe層4との界面ですべり転位8
に転じ、Si0.7 Ge0.3 バッファ層5の表面に達成す
ることはなく、Si0.7 Ge0.3 バッファ層5の表面の
転位密度は1×103 cm-2程度以下の小さい値とな
る。
層としてのGe層4の導入により、Si0.7 Ge0.3 バ
ッファ層5の表面の転位密度を十分に小さくできる。し
たがって、本実施形態によれば、Si0.7 Ge0.3 バッ
ファ層5の表面の転位密度を十分に小さくできるので、
その上に形成された歪みSi層6の転位密度も同様に十
分に小さくなり、歪みSi層6は良質なものとなる。
0.3 バッファ層5の厚さは薄いので、寄生容量の増大を
防止でき、SOI基板の特徴である浮遊容量の低減効果
を享受できるようになる。さらに、上述したCMOSに
おけるプロセス上の問題も解決できるようになる。
示す工程断面図である。まず、図2(a)に示すよう
に、SIMOX法により形成されたSi支持板1とSi
O2 膜2とSi層3とからなる基板を用意し、次いでS
i層3の表面を酸化して酸化膜を形成し、この酸化膜を
弗酸で除去するという酸化・除去のプロセスを繰り返し
て、Si層3を40nmまで薄くする。
エピタキシャル成長装置内に導入して、図2(b)に示
すように、厚さ10nmのバッファ層としてのSi層3
をエピタキシャル成長法により形成する。
ファ層としてのSi層をまとめてSi層3として示して
ある。次に同図(b)に示すように、Si層3上に厚さ
1nmのGe層4、厚さ100nmのSi0.7 Ge0.3
バッファ層5を順次成長させる。この段階では、まだ、
Si0.7 Ge0.3 バッファ層5は完全には格子緩和して
いない。
処理を行なう。この熱処理により、図2(c)に示すよ
うに、Si0.7 Ge0.3 バッファ層5は格子緩和し、S
i層3内に貫通転位7が生じるが、この貫通転位7は前
述したようにSi層3とGe層4との界面ですべり転位
8に変化され、Si0.7 Ge0.3 バッファ層5には達し
ない。なお、SiO2 膜2とSi層3との界面でも貫通
転位7からすべり転位8の変換が生じる。
すように、Si0.7 Ge0.3 バッファ層5上に厚さ20
nmの歪みSi層6を形成して歪みSi基板が完成す
る。なお、本実施形態では詳細には述べないが、歪みS
i層6等を島状にパターニングして素子分離を行なっ
て、歪みSi層6にMOSトランジスタ等の所望の素子
を形成することにより、歪みSi層およびSOI基板の
効果を享受した半導体装置が得られるようになる。 (第2の実施形態)図3は、本発明の第2の実施形態に
係る歪みSiを用いたSOI基板の構造を示す断面図で
ある。なお、図1の実施形態の歪みSi基板と対応する
部分には図1と同一符号を付してあり、詳細な説明は省
略する。
は、2枚のGe層4を挿設したことにある。各Ge層4
の厚さはともに1nmで、2枚のGe層4間の距離は1
0nmである。
いているので、貫通転位7が2カ所でブロックされるた
め、より効果的にSi0.7 Ge0.3 バッファ層5の表面
の転位密度の低減化を図れるようになる。
層のGe層4を形成した後にSi層3、上層のGe層4
を形成する点を除いては、第1の実施形態のそれに準じ
る。 (第3の実施形態)図4は、本発明の第3の実施形態に
係る歪みSi基板の構造を示す断面図である。なお、図
1の実施形態の歪みSi基板と対応する部分には図1と
同一符号を付してあり、詳細な説明は省略する。
は、SIMOX法の代わりに貼り合わせ法によりSOI
基板を用いて形成し、さらに、貼り合わせ面9側がGe
層3に近くなるようにしたことにある。
うにすると、熱処理の際に、Si層3およびSi0.7 G
e0.3 バッファ層5の緩和が容易に起こる。これは貼り
合わせ面9つまりSiO2 膜2とSi層3との界面にす
べり転位が生じ易くなるからである。その結果、Si層
3側からSi0.7 Ge0.3 バッファ層5に伝達される歪
み応力が減少し、転位密度が小さくなる。 (第4の実施形態)図5は、本発明の第4の実施形態に
係る歪みSi基板の構造を示す断面図である。なお、図
1の実施形態の歪みSi基板と対応する部分には図1と
同一符号を付してあり、詳細な説明は省略する。
は、SiO2 膜2とSi層3との間に多結晶シリコン層
10が挿設されていることにある。多結晶シリコン層1
0中の粒界の結合は単結晶シリコン層のそれよりも緩い
ので、結晶シリコン層10は単結晶シリコン層よりも変
形しやすい。
に、熱処理の際に、Si層3およびSi0.7 Ge0.3 バ
ッファ層5の緩和が容易に起こるようになる。 (第5の実施形態)図6は、本発明の第5の実施形態に
係る歪みSi基板の構造を示す断面図である。なお、図
1の実施形態の歪みSi基板と対応する部分には図1と
同一符号を付してあり、詳細な説明は省略する。
は、Si支持板1の裏面にSiO2 膜11を設けたこと
にある。本実施形態によれば、SOI基板本体に生じる
そりをSiO2 膜11により相殺できるようになる。な
お、このようなそり防止用のSiO2 膜11は他の実施
形態のSOI基板にも有効である。さらに、SiO2 膜
以外の絶縁膜でも同様な効果を得ることは可能である。
れるものではない。例えば、上記実施形態では、Si層
3とSi0.7 Ge0.3 バッファ層5との間にGe層4を
挿設したが、一般にはSi1-X-Y GeX CY 層であれば
良い。また、その厚さは臨界膜厚以内であれば特に制限
はない。さらに、Si1-X-Y GeXCY 層以外のもので
も本発明の格子定数に係る条件を満たせば同様な効果が
得られる。
i層上に結晶材料をエピタキシャル成長させる場合に、
転位が生じることなく成長が可能な最大の厚さを意味し
ている。例えば、Ge層やSi0.9 C0.1 層の場合であ
れば、臨界膜厚は3nmとなる。その他、本発明の要旨
を逸脱しない範囲で、種々変形して実施できる。
質な歪みシリコン層を有し、その下地のシリコンゲルマ
ニウム層が薄いSOI基板を有する半導体装置を実現で
きるようになる。
構造を示す断面図
図
構造を示す断面図
構造を示す断面図
構造を示す断面図
構造を示す断面図
OI基板の構造を示す断面図
Claims (2)
- 【請求項1】シリコン支持板上に、シリコン酸化層、第
1のシリコン層、シリコンゲルマニウム層、歪み状態の
第2のシリコン層が順次積層されてなり、前記第1のシ
リコン層と前記シリコンゲルマニウム層との間に、無歪
み状態での格子定数が、無歪みのシリコンの格子定数お
よび前記シリコンゲルマニウム層と同組成におけるシリ
コンゲルマニウムの格子定数と異なる格子定数を有す
る、臨界膜厚以下の転移変換層が挿設されていることを
特徴とする半導体装置。 - 【請求項2】シリコン支持板上に、シリコン酸化層、第
1のシリコン層が順次設けられてなる基板を用意し、エ
ピタキシャル成長法により、前記第1のシリコン層上
に、無歪み状態での格子定数が、無歪みのシリコンの格
子定数および次に成長されるシリコンゲルマニウム層と
同組成におけるシリコンゲルマニウムの格子定数と異な
る格子定数を有する、臨界膜厚以下の転移変動層を形成
する工程と、 エピタキシャル成長法により、前記転移変換層上にシリ
コンゲルマニウム層を形成する工程と、 熱処理により、前記シリコンゲルマニウム層を格子緩和
させる工程と、 エピタキシャル成長法により、前記シリコンゲルマニウ
ム層上に歪み状態の第2のシリコン層を形成する工程と
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
Priority Applications (1)
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JP33887695A JP3441277B2 (ja) | 1995-12-26 | 1995-12-26 | 半導体装置およびその製造方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33887695A JP3441277B2 (ja) | 1995-12-26 | 1995-12-26 | 半導体装置およびその製造方法 |
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ID=18322228
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33887695A Expired - Fee Related JP3441277B2 (ja) | 1995-12-26 | 1995-12-26 | 半導体装置およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP2002164520A (ja) * | 2000-11-27 | 2002-06-07 | Shin Etsu Handotai Co Ltd | 半導体ウェーハの製造方法 |
WO2003015140A1 (fr) * | 2001-08-06 | 2003-02-20 | Sumitomo Mitsubishi Silicon Corporation | Substrat semiconducteur, transistor a effet de champ et procedes de fabrication de ces elements |
KR100714822B1 (ko) * | 2005-07-29 | 2007-05-04 | 한양대학교 산학협력단 | 에스오아이 웨이퍼의 제조 방법 |
US7767548B2 (en) | 2007-08-17 | 2010-08-03 | Sumco Corporation | Method for manufacturing semiconductor wafer including a strained silicon layer |
JP6686419B2 (ja) * | 2015-12-18 | 2020-04-22 | 株式会社Sumco | シリコンゲルマニウムエピタキシャルウェーハの製造方法およびシリコンゲルマニウムエピタキシャルウェーハ |
-
1995
- 1995-12-26 JP JP33887695A patent/JP3441277B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (2)
Title |
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A.R.Powell,S.S.Iyer,F.K.LeGoues,"New approach to the growth of low dislocation relaxed SiGe material",Applied Physics Letters,1994年 4月 4日,Vol.64,No.11,pp.1856−1858 |
F.K.LeGoues,A.Powell,S.S.Iyer,"Relaxation of SiGe thin films grown on Si/SiO2 substrates",Journal of Applied Physics,1994年 6月 1日,Vol.75,No.11,pp.7240−7246 |
Also Published As
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JPH09180999A (ja) | 1997-07-11 |
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