JP3439339B2 - 前面開閉式の額縁 - Google Patents

前面開閉式の額縁

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JP3439339B2
JP3439339B2 JP08300298A JP8300298A JP3439339B2 JP 3439339 B2 JP3439339 B2 JP 3439339B2 JP 08300298 A JP08300298 A JP 08300298A JP 8300298 A JP8300298 A JP 8300298A JP 3439339 B2 JP3439339 B2 JP 3439339B2
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優 長森
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オリジン工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、書画等の作品やポス
ター等の展示物(以下展示物と総称する)を納めるため
の額縁であって、その展示物を前面から出し入れできる
ように、フレームが前面に開閉するように構成した前面
開閉式の額縁に関する。
【0002】
【従来の技術】額縁は一般的に固定フレームだけによっ
て枠組みされているが、それでは、殊に、壁掛けのまま
では展示物の出し入れが不能であることから、可動フレ
ームによって前面に開閉式とされることがある(実開平
6−62867号公報参照)。図12にその従来例を示
す。
【0003】同図に示す従来の前面開閉式の額縁は、各
フレーム52が、裏板50を止める固定フレーム54
と、それに対して開閉可能に軸支される可動フレーム5
6とからなるもので、固定フレーム54と可動フレーム
56との間に板ばね58を弓曲がりに介在させ、可動フ
レーム56が開閉いずれの方向にも板ばね58により付
勢されるようになっている。
【0004】つまり、この付勢方向の逆転は、可動フレ
ーム56の開閉軸60と板ばね58の固定側の掛止溝6
2とを結ぶ線Mの上に、可動側の掛止溝66が通過する
死点を有する所謂スナップオーバー作用によるものであ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の前
面開閉式の額縁によれば、可動フレーム56にスナップ
オーバー作用を付与するために、板ばね58に弓形の弾
性変形を与えるものであるが、それには変形方向の幅を
広く取ることになるために、両掛止溝62,66との間
の距離、つまり、フレーム52の幅が広くなることは避
けられなく、また、挿入スペースとの関係で前面部に挿
入するために、フレーム56の前面への突出寸法も大き
くなることから、前面から見てシャープな感じの額縁の
提供に適しなかった。
【0006】しかも、両掛止溝62,66の間におい
て、板ばね58が弾発力を発揮するように、それを弓曲
がりに挿入する必要があるが、弓曲がりに抗する弾力が
大きいため、挿入が容易ではなく、過剰に曲げると弾性
変形の限界を超える変形になって、ばねとしての機能を
喪失することになるという不都合があった。
【0007】さらに、弓曲がりにおける伸長方向の弾力
が大きいことから、実開平6ー62867号公報に示す
ような図12の従来の額縁では、板ばね59の両端に生
じる両掛止溝62,66との摩擦が大きく、それが可動
フレーム56を円滑に開閉する抵抗となるだけでなく、
ギシギシときしむ音が発生する原因となっていた。
【0008】この発明は、上記のような実情に鑑みて、
フレームをシャープな感じに細くすることができるだけ
でなく、ばねの挿入が容易であり、しかも、フレームの
開閉も円滑となる前面開閉式の額縁を提供することを目
的とした。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明は、プラスチックのコーナーピースを介
して縦横の可動フレームが前面開閉可能に連結して枠組
みされ、その開閉可能な連結のために、コーナーピース
に可動フレームを開閉可能に支持するための結合部を設
け、可動フレームがばねの弾力により死点を堺に開閉い
ずれにも付勢されるように構成した前面開閉式の額縁に
おいて、前記ばねが、その両片が反転部を介して開閉し
両片の間が狭く反転部が端となる長手のU字ピンであっ
て、可動フレームにU字ピンの一片がその側面で掛かる
掛止溝を、コーナーピースに他片が同じくその側面で掛
かる掛止ポケットをそれぞれ設けて、U字ピンを端から
の挿入によりその掛止溝と掛止ポケットとに掛止した
とを特徴とする前面開閉式の額縁を提供するものであ
る。
【0010】上記の構成によれば、U字ピンを挿入する
ときには、U字形の反転部を先端にしてそこから差し込
む。こうして、その反転部において主に弾力が生じるの
で、緩やかな弾力が得られる。また、板ばねとは違っ
て、幅方向の弓曲がりにして弾力を付与する必要がな
く、幅狭く使用できるため、その挿入箇所が余り限定さ
れなく、狭い箇所に挿入可能なため、可動フレームを細
くシャープにすることができる。
【0011】に、プラスチックのコーナーピースに、
薄肉のヒンジ部を介して可動フレームを開閉可能に支持
するための結合部を設け、可動フレームにU字ピンの一
片が掛かる掛止溝を、コーナーピースに他方が掛かる掛
止ポケットをそれぞれ設け と(請求項2)、ばねの挿
入が容易となり、また、その引っ掛かりがないので、可
動フレームを円滑に開閉できる。
【0012】さらに、額縁のコーナーが丸くなるよう
に、縦横可動フレームの間に介在する角丸部品を備え
コーナーピースの一方の結合部の端に、その角丸部品が
一体に形成されていると、角で怪我しないよう安全性を
高めることができる(請求項3)
【0013】
【発明の実施の形態】U字ピンについては、反転部にお
いて主に弾力が発揮されるものであれば、必ずしもU字
形であることを要しなく、例えば、U字形の開口が閉塞
した形状であっても良い。
【0014】なお、固定フレームに可動フレーム1を軸
支すると、コーナーピース3を省くこともできる。しか
し、コーナーピース3であると、それがコーナー部分に
のみ存在するため、U字ピン5の挿入が容易である。
【0015】可動フレーム1だけの枠組みとすると、そ
れを安定させるためには、四隅のコーナーピース3,
3,3,3を裏板7にビス止めする等して固定させるこ
とが望ましい。裏板7の位置については、図面のように
コーナーピース3を構成したときには、基盤21の裏
側、表側、あるいは、受台23の上等、展示物の挿入に
支障がない限り限定されない。
【0016】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の前面開
閉式の額縁によれば、可動フレームの前面壁を細くして
シャープに見せることができ、また、ばねとしてのU字
ピンの挿入が容易であり、その弾力が緩やかに作用する
ため、可動フレームの開閉が円滑となり、キシム音の発
生がなくなり、また、コーナーピースによる連結によ
り、固定フレームを経済的に省くことができ、しかも、
U字ピンの挿入がさらに容 易となるという優れた効果が
ある。
【0017】
【実施例】次に、この発明の実施例を図面に基づいて説
明する。
【0018】図1ないし図6は、一実施例を示したもの
で、その前面開閉式の額縁Gは、縦横可動フレーム1,
1がコーナーピース3により連結されることにより矩形
に枠組みされ、コーナーピース3では、可動フレーム1
との結合部4がヒンジ部6により反転するために、可動
フレーム1がそれと一体に反転して開閉するようになっ
ている。また、可動フレーム1とコーナーピース3との
間にばねとしてのU字ピン5が介入され、それによっ
て、可動フレーム1の閉じた状態と開いた状態とのいず
れもが保持されるようになっている。
【0019】また、裏板7と内装物8との間に照明を内
装し得る空間9を設け得るようにしたもので(図3参
照)、裏板7によって、各コーナーピース3,3,3,
3が一体に連結されている。図1において、12が裏板
7を止めるビス止穴であるが、裏側に裏板7を止めない
ときには、掛止穴14を壁掛けの紐や鎖を通すために使
用する。なお、内装物8は、展示物を照明により透かし
見るようにするときには、例えば、透明マット、ポスタ
ー、透明板等からなる。
【0020】可動フレーム1は、アルミ押出形材からな
るもので、額縁の外周となる側壁を主体として、その上
に前面壁11が幅狭く湾曲して形成され、中間部にコー
ナーピース3の側へ突き出す円弧脚13を突設し、下部
の裏側に蟻形の連結溝15が設けられている。また、上
部に同じように蟻溝16が形成されているが、その形成
部分がコーナーピース3に対する当り18となってい
る。
【0021】円弧脚13は、可動フレーム1の反転の中
心としてのヒンジ部6を中心とする円に沿って湾曲する
形状であって、その下端には、コーナーピース3の底部
を踏む足部17を設け(図2)、踵のアキレス筋相当箇
所にU字ピン5の掛止溝19が湾曲した溝形において設
けられる。
【0022】コーナーピース3は、プラスチックにより
全体を一体に成形したもので、展開状態を図4および図
5に示す。
【0023】その構造については、底部としての基盤2
1の上に受台23がコーナーに沿ってL字形に突設さ
れ、L字形の両辺には、ヒンジ部6,6を介して結合部
4,4を連設されている。この結合部4が可動フレーム
1の連結溝15に嵌入されることによって、可動フレー
ム1,1が支持される。また、ヒンジ部6,6の手前内
側には、U字ピン5,5の他側の片の側面が掛かるよう
受ける掛止ポケット25,25を設け、掛止ポケット
25を斜めに上下移動可能に幅広い溝に形成される。
【0024】コーナーピース3には、さらに、隅角近く
の両辺に、受台23の外側面から可動フレーム1,1の
受片27,27を突設し、受片27をL字形に形成して
上端起立部29が内装物8を受ける規制部ともなってい
る。また、可動フレーム1の円弧脚13が沿う湾曲面を
設けるとともに、その面に円弧脚13の足部17が掛か
る掛止部31を設け、その掛かりによって、可動フレー
ム1の開いた状態(図3)が保持される。
【0025】U字ピン5は、ばね線材をU字形に曲げた
ものであるが、その両片が反転部を介して開閉し両片の
間が狭く反転部が端となる長手のU字ピンであって、そ
のU字形の一片はコーナーピース3の掛止ポケット25
にその一片の側面で掛かるように挿入され、他の一片は
可動フレーム1の掛止溝19にやはりその他の一片の側
面で掛かるように挿入され、また、掛止ポケット25と
掛止溝19との間に挿入しやすく両片の基端に指掛けの
屈折部33,34を設け、また、一片を先端近くで開き
曲がるように形成して先端部を細くしてある。そして、
このU字ピン5を、上記掛止ポケット25と掛止溝19
とにその端の方からそれぞれの片を挿入することによ
り、掛止ポケットと掛止溝19とに掛止させてある。
【0026】U字ピン5のスナップオーバー作用につい
ては、可動フレーム1が閉じられると、ヒンジ部6と掛
止ポケット25における掛止点を結ぶ線Lを境に、他方
の掛止点(掛止溝19)の位置が内側にあるために(図
2)、可動フレーム1が内側に付勢され、前面壁11が
内装物8を押さえる。
【0027】また、可動フレーム1が開かれると、前記
のような結ぶ線Lよりも外側に掛止溝19が位置するこ
とになって(図3)、可動フレーム1が開いた状態に付
勢される。この際に、前記したように、足部17が掛止
部31に引っ掛かり、一定の開き角度に保持される。
【0028】(他の実施例) 上記実施例は、縦横可動フレーム1,1が45度の傾斜
端面で直接突き合うようにしたものであるが、図7ない
し図11に示すように、縦横可動フレーム1,1の間に
プラスチック等により形成される角丸部品30を介在さ
せ、主に安全性の見地から、額縁のコーナーを丸くする
こともできる。なお、可動フレーム1は、前記実施例と
同様の形状において実施したもので、端面は直角に切断
される。
【0029】図7ないし図9は、角丸部品30をコーナ
ーピース3と一体に形成した場合を示し、これによる
と、コーナーピース3の一方の結合部4の端にその角丸
部品30が一体に形成され(図9)、角丸部品30に
は、前面壁11と同じ断面形状のコーナー前面部32が
湾曲カーブに形成され(図7)、それが可動フレーム1
と同時に閉じられると(図8参照)、縦横可動フレーム
1,1の前面壁11,11と連続するようにしてある
(図7)。
【0030】図10および図11は、角丸部品30に取
付脚36を一体に設け、それを可動フレーム1の前記し
た蟻溝16(図2,図3参照)に嵌入して取り付けるよ
うにしてある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の前面開閉式の額縁を閉じの状態で示
す一部正面図である。
【図2】図1のA−A線矢視の断面図である。
【図3】同額縁を開の状態で示す図2に相当する箇所の
断面図である。
【図4】この発明に係るコーナーピースの平面図であ
る。
【図5】同コーナーピースの正面図である。
【図6】U字ピンの平面図である。
【図7】他の前面開閉式の額縁の図1に対応する正面図
である。
【図8】同前面開閉式の額縁の一部を可動フレームの開
閉要領で示す断面図である。
【図9】同実施例における角丸部品付きのコーナーピー
スの平面図である。
【図10】さらに他の実施例における角丸部品の正面図
である。
【図11】同角丸部品の底面図である。
【図12】従来例の説明図である。
【符号の説明】
G 前面開閉式の額縁 1 可動フレーム 3 コーナーピース 4 結合部 5 U字ピン 6 ヒンジ部 19 掛止溝 25 掛止ポケット 30 角丸部品36 取付脚 L 死点が位置する線

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチックのコーナーピースを介して
    縦横の可動フレームが前面開閉可能に連結して枠組みさ
    れ、その開閉可能な連結のために、コーナーピースに可
    動フレームを開閉可能に支持するための結合部を設け、
    可動フレームがばねの弾力により死点を堺に開閉いずれ
    にも付勢されるように構成した前面開閉式の額縁におい
    て、前記ばねが、その両片が反転部を介して開閉し両片
    の間が狭く反転部が端となる長手のU字ピンであって、
    可動フレームにU字ピンの一片がその側面で掛かる掛止
    溝を、コーナーピースに他片が同じくその側面で掛かる
    掛止ポケットをそれぞれ設けて、U字ピンを端からの挿
    入によりその掛止溝と掛止ポケットとに掛止したことを
    特徴とする前面開閉式の額縁。
  2. 【請求項2】 可動フレームを開閉可能に支持するため
    のコーナーピースの結合部が、コーナーピースに設けら
    れた薄肉のヒンジ部を介して設けられていることを特徴
    とする請求項1記載の前面開閉式の額縁。
  3. 【請求項3】 額縁のコーナーが丸くなるように、縦横
    可動フレームの間に介在する角丸部品を備え、コーナー
    ピースの一方の結合部の端に、その角丸部品が一体に形
    成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の前
    面開閉式の額縁。
JP08300298A 1998-03-13 1998-03-13 前面開閉式の額縁 Expired - Lifetime JP3439339B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009145943A1 (en) * 2008-03-31 2009-12-03 Nielsen & Bainbridge Llc Mat board corner sample organizing system

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WO2009145943A1 (en) * 2008-03-31 2009-12-03 Nielsen & Bainbridge Llc Mat board corner sample organizing system

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