JP2980553B2 - 額縁におけるフレームの開閉装置 - Google Patents

額縁におけるフレームの開閉装置

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JP2980553B2 JP8139557A JP13955796A JP2980553B2 JP 2980553 B2 JP2980553 B2 JP 2980553B2 JP 8139557 A JP8139557 A JP 8139557A JP 13955796 A JP13955796 A JP 13955796A JP 2980553 B2 JP2980553 B2 JP 2980553B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、額縁を枠組みのま
ま、作品やキャッパス、ポスター展示物等の内装物を表
面から出し入れするために、その方向へフレームを開閉
できるようにした額縁におけるフレームの開閉装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】額縁の作品等の取替え形式については、
裏側から出し入れするようにしたもの、額縁の上や横、
下から出し入れするようにしたもの等があるが、表面か
ら出し入れするようにしたものは、作品を慎重に取り扱
いやすいというような利点があるために使用される。そ
れには、本出願人に係る特開平7−255575号公報
に記載されたものを挙げることができる。
【0003】同公報に記載される額縁は、枠組みされる
各フレームが、枠組の主体となるフレーム本体と、内装
物をその端で押さえる揺動片とがヒンジ部により連結さ
れた言わば二重構造であって、揺動片の開きにより両方
向へ内装物を出し入れし得るようにしたもので、従っ
て、フレーム本体には、内装物を前記押さえに抗して止
める受け段と、内装物の端面が当たる支え壁とが形成さ
れており、揺動片が開閉いずれにも掛止されるように、
閉時に掛かる掛止部と、開時に掛かる掛止部とが設けて
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来のフ
レームの開閉装置によれば、フレームがヒンジで開閉可
能な二重構造であったから、その製造にはコスト高とな
るプラスチックの特殊な押出成形を必要とし、また、ア
ルミ等の金属製のフレームには適しなく、アルミに似せ
るためには、メッキ等の表面処理を必要とした。また、
フレームの枠組みのために、別途に連結具が用いられる
こともあって、コスト高となることは避けられなかっ
た。
【0005】フレーム本体と揺動片との間には、閉時に
係る掛止部と開時に係る掛止部とを有するが、これは押
出成形の関係から全長に形成されているため、閉時の状
態が安定して保持されるが、殊に長尺の場合であると、
開閉操作に全長に亙る面倒な力入れが要るという問題も
あった。
【0006】この発明は、上記のような実情に鑑みて、
フレームの開閉機構が主に連結具に備わっているため
に、フレームの材質が問題にならないばかりか、コスト
的に安くなり、また、円滑に開閉操作できる額縁におけ
るフレームの開閉装置を提供することを目的とした。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明は、額縁の隅角で裏板等を止めるための
基板を有するプラスチック製の連結具によりフレームが
枠組みされ、その枠組みにおいて、フレームの側面壁の
内側に蟻溝を形成する一方、連結具の基板の両縁にその
蟻溝に嵌着する揺動片を設けることにより、フレームを
開閉可能に構成し、さらに、連結具の基板に、フレーム
の前面壁の内面に先端が摺動する係合片を突設し、フレ
ームの前面壁の内面には、係合片との摺動面が揺動片の
ヒンジを中心とする円弧よりもやゝ深く落ち込む同じく
円弧状の湾曲面を形成することにより、湾曲面の外側
に、フレームの閉時に係合片の先端が湾曲面を乗り越え
て係る突起条を、湾曲面の内側には、フレームの開時に
係合片の先端が湾曲面を超えて係る掛止部をそれぞれ形
成して額縁におけるフレームの開閉装置を構成した。
【0008】加えて、フレームには、掛止溝の側部に連
結具の係合片に突き当たる掛止突条を設けることもあ
る。
【0009】
【作 用】額縁におけるフレームの開閉装置を上記のよ
うに構成したから、開閉するときには、連結具の係合片
の先端がフレームの湾曲面を乗り越えて掛止溝または突
起条に係るために、係る直前に加える力が徐々に強くな
り、引っ掛かりが感じられなく円滑に掛止でき、しか
も、安定した掛止状態が得られる。
【0010】連結具に対するフレームの連結について
は、フレームの蟻溝に連結具の揺動片が嵌まることによ
つて得られるものであるが、長手方向に摺動しないよう
に止めておく必要はなく、フレームを閉じたときには、
縦横フレームの端面が必ず密着して突き合うことにな
る。
【0011】
【実施例】次に、この発明の実施例を図面に基づいて説
明する。
【0012】図面は、一実施例を示したもので、額縁
は、フレーム1,1,1,1により矩形に枠組みされ、
その枠組みのために使用される連結具3,3,3,3と
の関係により、各フレーム1が開閉し、且つ、開閉いず
れの状態も保持されるようになっている。
【0013】各フレーム1は、アルミ合金やプラスチッ
ク等により押出成形されるもので、その断面形状につい
ては、側面壁5と前面壁7とからなる略L字形である
が、側面壁5の下端に内向鉤形片9を延長して形成する
とともに、それよりも上方に内向屈折片11を突設する
ことによって、蟻溝13が形成されている。また、前面
壁7の内側の端縁には、裏板14に内装物15を押さえ
る押縁片17がL字形に屈折して設けられ、それよりも
やゝ外側の内面に掛止突条19を突設し、掛止突条19
と前記内向屈折片11との間において、フレーム1を開
閉いずれにも保持するための掛止機構の前提として湾曲
面25が形成される。
【0014】掛止機構は、連結具3との関係によるもの
であるが、フレーム1については、このように、前面壁
7の内面に浅い溝形において円弧形に湾曲面25を形成
し、その内側端に掛止突条19の側面から連続して落ち
込む掛止溝21を設け、外側端には突起条23を設けて
ある。
【0015】連結具3は、縦横フレーム1,1に跨がる
基板24の両側縁部に、フレーム1の蟻溝13に嵌着す
る揺動片27を設け、それよりも内側に内装物15を止
める土台29を設けてあって、基板24の縁に揺動片2
7が反転するヒンジ31が形成される。また、土台29
の長さ中間部には、先端がフレーム1の湾曲面25と摺
動する係合片28を突設し、全面的に摺動し且つ弾性変
形しやすくするために、係合片28の先端部を外側へ屈
折してある。また、基板24には、裏板14をねじ止め
する通し孔26が設けられる。そして、裏板14に止め
ることによって、フレーム1,1,1,1の枠組みが確
定する。
【0016】フレーム1の湾曲面25は、揺動片27の
反転の中心、つまりヒンジ31を中心とする円弧Rより
も深く形成されており、そのため、湾曲面25の両端で
は係合片28がその面に圧接し一旦弾性変形する。そし
て、フレーム1を閉じた時には(図2の実線)、突起条
23が係合片28の先端を超えてそれに係るために、閉
じた状態が安定して保持される。また、開いた時には
(図2の二点鎖線)、掛止溝21が係合片28の先端に
嵌まるために、開いた状態が保持され、同時に掛止突条
19が係合片28に当たるために、それ以上の開きが阻
止される。
【0017】図4は別の実施例を示したもので、フレー
ム1の押縁片17の先端において、外側に鉤形に折曲し
た掛止端縁35を有している。一方、連結具3にあって
は、土台29の内側縁にフレーム1の湾曲面25と摺動
する係合片28が突設してある。そして、先の実施例同
様に、係合片28の先端部を弾性変形しやすく外側へ屈
折してその先端を球状に丸め、その付け根にくびれ37
が形成してある。しかし、先の実施例とは違って、その
丸められた先端のくびれ37の側面から内側に向けて突
条片36が突設されている。
【0018】このように構成されたこの実施例にあって
は、フレーム1の上記掛止端縁35は、フレーム1を開
いたときに連結具3の突条片36に掛止される(図4の
二点鎖線)。そして、先の実施例同様に、フレーム1を
閉じたときには、連結具3の係合片28の丸められた先
端のくびれ37にフレーム1の突起条23が掛止する構
成となっている(図4の実線)。即ち、この実施例は、
フレーム1の開時と閉時において、フレーム1の内面側
にそれぞれの役割を果たす2ケ所の掛止部を有すると共
に、連結具3においてもそれに対応した役割を果たす掛
止部を2ケ所有する実施例である。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、フレームの開閉機構が主に連結具に備わっており、
フレームとの相対関係においてフレームの開閉装置が構
成されるために、フレームの材質が問題にならなく、ア
ルミ合金のフレームも有効に使用でき、また、フレーム
が普通の押出により製造でき、且つ、連結具が開閉装置
の主体となる簡単な構造であり、しかも、フレームの枠
組みが容易であることから、額縁の安価な提供が可能で
あり、さらに、円滑に開閉できるばかりか、開閉いずれ
の状態においても安定性があるために、作品を安全に保
持でき、且つ、それを出し入れする作業に好都合である
という優れた効果がある。
【0020】加えて、フレームに掛止突条を設けたとき
には、無用な開き過ぎが防止されるために、開閉操作に
好都合である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示す額縁の一部分解斜視図
である。
【図2】図1のA−A線矢視の拡大断面説明図である。
【図3】同実施例における連結具の平面図である。
【図4】別の実施例における図2に対応する要部拡大断
面説明図である。
【符号の説明】
1 フレーム 3 連結具 5 側面壁 7 前面壁 13 蟻溝 15 内装物 19 掛止突条 21 掛止溝 23 突起条 24 基板 25 湾曲面 27 揺動片 28 係合片 31 ヒンジ 35 掛止端縁 36 突条片 37 くびれ R 円弧

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 額縁の隅角で裏板等を止めるための基板
    を有するプラスチック製の連結具によりフレームが枠組
    みされ、その枠組みにおいて、フレームの側面壁の内側
    に蟻溝を形成する一方、連結具の基板の両縁にその蟻溝
    に嵌着する揺動片を設けることにより、フレームを開閉
    可能に構成し、さらに、連結具の基板に、フレームの前
    面壁の内面に先端が摺動する係合片を突設し、フレーム
    の前面壁の内面には、係合片との摺動面が揺動片のヒン
    ジを中心とする円弧よりもやゝ深く落ち込む同じく円弧
    状の湾曲面を形成することにより、湾曲面の外側に、フ
    レームの閉時に係合片の先端が湾曲面を乗り越えて係る
    突起条を、湾曲面の内側には、フレームの開時に係合片
    の先端が湾曲面を超えて係る掛止部を、それぞれ形成し
    たことを特徴とする額縁におけるフレームの開閉装置。
  2. 【請求項2】 フレームの掛止部が掛止溝であって、そ
    の掛止溝の側部に連結具の係合片に突き当たる掛止突条
    を設けたことを特徴とする請求項1記載の額縁における
    フレームの開閉装置。
  3. 【請求項3】 フレームの掛止部が掛止端縁であって、
    その掛止端縁が連結具の係合片の先端部から内側に突設
    した突条片に掛止されるように構成されていることを特
    徴とする請求項1記載の額縁におけるフレームの開閉装
    置。
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