JP3433677B2 - 変速機の変速制御装置 - Google Patents

変速機の変速制御装置

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JP3433677B2 JP24841298A JP24841298A JP3433677B2 JP 3433677 B2 JP3433677 B2 JP 3433677B2 JP 24841298 A JP24841298 A JP 24841298A JP 24841298 A JP24841298 A JP 24841298A JP 3433677 B2 JP3433677 B2 JP 3433677B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、変速機の変速段を
変速アクチュエータによって切り換える変速制御装置の
改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】変速機の変速段を変速アクチュエータに
よって切り換える変速制御装置が広く知られている。特
公平5−16451号公報に記載されている装置はその
一例で、エアアクチュエータによって変速するようにな
っているとともに、温度センサによって温度を検出し、
低温の未暖機時にはエア圧を高くする一方、暖機完了後
はエア圧を低くすることにより、エアアクチュエータの
作動速度すなわち変速時間が略一定になるようにしてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに温度に応じてエア圧すなわちシフト力を制御して
も、変速機内の潤滑油の劣化や摩耗などの各部の経時変
化、或いは個体差などにより、変速時間が変化したりば
らついたりする可能性があった。
【0004】本発明は以上の事情を背景として為された
もので、その目的とするところは、各部の経時変化や個
体差などに拘らず変速時間が目標時間通りになるように
することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、第1発明は、(a) 平行な2軸間に変速比が異なる
複数の変速ギヤ対が配設されるとともに、それ等の変速
ギヤ対に対応して複数のシンクロ式の噛合クラッチが設
けられた2軸噛合式の変速機構と、(b) 前記噛合クラッ
チのクラッチハブスリーブを移動させて前記変速機構の
変速段を切り換える変速アクチュエータと、を有し、
(c) 変速時に遮断、接続制御される自動クラッチが車両
用駆動源との間に配設されている変速機の変速制御装置
において、(d) 前記変速アクチュエータによって変速段
が切り換えられる際に、前記クラッチハブスリーブのス
プライン歯が前記変速ギヤ対の歯車のスプライン歯と噛
み合ったことを変速完了として前記変速機の変速時間
検出し、その変速時間に基づいてその変速アクチュエー
タのシフト力を調整するシフト力調整手段を有すること
を特徴とする。
【0006】第2発明は、第1発明の変速機の変速制御
装置において、(a) 前記変速アクチュエータは流体圧ア
クチュエータである一方、(b) 前記シフト力調整手段
は、(b-1) 前記クラッチハブスリーブのスプライン歯が
前記変速ギヤ対の歯車のスプライン歯と噛み合ったこと
を前記流体圧アクチュエータのストロークから検出して
変速完了を判断し、その変速完了までの時間を前記変速
時間として検出する変速時間検出手段と、(b-2) その変
速時間が予め定められた所定の目標時間に近づくよう
に、次回の変速時における前記流体圧アクチュエータの
流体圧を今回に比較して増減する流体圧変更手段と、を
備えていることを特徴とする。なお、「次回」および
「今回」は相対的なもので、それぞれ「今回」および
「前回」と読み変えることもできる。すなわち、変速制
御の直後の処理であれば「次回」および「今回」となる
が、新たな変速制御の直前の処理であれば「今回」およ
び「前回」となるのである。
【0007】
【発明の効果】第1発明の変速制御装置においては、変
速機の変速時間に基づいて変速アクチュエータのシフト
力、すなわちシンクロ式の噛合クラッチのクラッチハブ
スリーブを移動させるための駆動力が調整されるため、
潤滑性能の変化を含む各部の経時変化や個体差などに拘
らず変速時間を所定の目標時間等に制御することができ
る。また、変速時間をパラメータとして制御するため、
温度センサは必ずしも必要でなく、装置が安価に構成さ
れる。
【0008】第2発明では、変速時間検出手段および流
体圧変更手段により各部の経時変化や個体差などに拘ら
ず変速時間が所定の目標時間に近づけられるとともに、
温度センサが不要になって装置が安価に構成される。
【0009】
【発明の実施の形態】ここで、前記変速機としては、前
後進を切り換えるだけの変速機、或いは動力伝達を遮断
するニュートラルと前進変速段または後進変速段とを切
り換える変速機などであっても良い。また、複数の前進
変速段を予め定められた変速マップに従って自動的に切
り換えるものでも良いし、運転者の変速意思をスイッチ
等で検出し、その変速意思に従って変速段を切り換える
ものでも良い。エンジン等の車両用駆動源と変速機との
間には、例えば摩擦係合式クラッチや電磁クラッチ等の
自動クラッチが配設される。
【0010】変速アクチュエータとしては、エアシリン
ダや油圧シリンダ等の流体圧アクチュエータが好適に用
いられるが、変速機の変速段を切り換えることができれ
ば電動モータ等の他のアクチュエータが用いられても
い。
【0011】変速機の変速時間は、変速アクチュエータ
によって変速機の変速段を切り換えるのに要する時間
で、例えば変速アクチュエータを作動させるための変速
出力(流体圧回路を切り換える切換え信号の出力など)
からギヤ位置センサが新たな変速段に切り換えられたこ
とを検出するまでの時間などである。上記ギヤ位置セン
サ等によりクラッチハブスリーブのスプライン歯が歯車
のスプライン歯と噛み合ったことを、変速アクチュエー
タのストロークなどから検出して変速完了とする。2軸
噛合式の変速機構の場合、前の変速段を解除してニュー
トラルとした後次の変速段を成立させるが、ニュートラ
ルから次変速段の成立までの時間を変速時間としても良
い。
【0012】第2発明の目標時間は、例えば変速条件
(変速の種類や車速など)に応じて予めデータマップな
どにより設定される。流体圧変更手段は、例えば変速条
件(変速の種類や車速など)に応じて変速時の流体圧を
基準流体圧(基準シフト力)として逐次更新して記憶装
置に記憶しておき、前回の実際の変速時間と目標時間と
の偏差に基づいて、変速時間が目標時間に近づくよう
に、記憶装置に記憶された基準流体圧に対して今回の変
速制御時の流体圧を増減するように構成される。変速制
御の直後に、次回の新たな流体圧を求めて記憶装置に記
憶しておくようにしても良い。なお、実際の変速時間と
目標時間との偏差に関係なく、目標時間より短いか長い
かにより前回の基準流体圧に対して予め定められた一定
値だけ増減するなど、種々の態様で実施できる。
【0013】以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ
詳細に説明する。図1は、本発明が適用された車両用駆
動装置10の概略構成を説明する骨子図で、FF(フロ
ントエンジン・フロントドライブ)車両用のものであ
り、走行用駆動源としてのエンジン12、自動クラッチ
14、変速機16、差動歯車装置18を備えている。自
動クラッチ14は、例えば図3に示す乾式単板式の摩擦
クラッチで、エンジン12のクランクシャフト20に取
り付けられたフライホイール22、クラッチ出力軸24
に配設されたクラッチディスク26、クラッチハウジン
グ28に配設されたプレッシャプレート30、プレッシ
ャプレート30をフライホイール22側へ付勢すること
によりクラッチディスク26を挟圧して動力伝達するダ
イヤフラムスプリング32、クラッチレリーズシリンダ
34によりレリーズフォーク36を介して図の左方向へ
移動させられることにより、ダイヤフラムスプリング3
2の内端部を図の左方向へ変位させてクラッチを開放
(遮断)するレリーズスリーブ38を有して構成されて
いる。クラッチレリーズシリンダ34は、図5に示す油
圧ポンプ94およびクラッチソレノイドバルブ98を有
する油圧回路に接続されており、油圧PO の制御や回路
の切換えによって作動状態が制御される。
【0014】変速機16は、図2に具体的に示されてい
るように、差動歯車装置18と共に共通のハウジング4
0内に配設されてトランスアクスルを構成しており、そ
のハウジング40内に所定量だけ充填された潤滑油に浸
漬され、差動歯車装置18と共に潤滑されるようになっ
ている。変速機16は、(a) 平行な一対の入力軸42、
出力軸44間にギヤ比が異なる複数の変速ギヤ対46a
〜46eが配設されるとともに、それ等の変速ギヤ対4
6a〜46eに対応して複数の噛合クラッチ48a〜4
8eが設けられた2軸噛合式の変速機構と、(b) それ等
の噛合クラッチ48a〜48eの3つのクラッチハブス
リーブ50a、50b、50cの何れかを選択的に移動
させて変速段を切り換えるシフト・セレクトシャフト5
2とを備えており、前進5段の変速段が成立させられる
ようになっている。入力軸42および出力軸44には更
に後進ギヤ対54が配設され、図示しないカウンタシャ
フトに配設された後進用アイドル歯車と噛み合わされる
ことにより後進変速段が成立させられるようになってい
る。なお、入力軸42は、スプライン嵌合55によって
前記自動クラッチ14のクラッチ出力軸24に連結され
ているとともに、出力軸44には出力歯車56が配設さ
れて差動歯車装置18のリングギヤ58と噛み合わされ
ている。図2は、上記変速機16および差動歯車装置1
8の具体的構成を示す断面図で、図1、図2共に、入力
軸42、出力軸44、およびリングギヤ58の軸心を共
通の平面内に示した展開図である。
【0015】上記噛合クラッチ48a〜48eは何れも
シンクロメッシュタイプで、図4に噛合クラッチ48a
について具体的に例示するように、キースプリング60
によってクラッチハブスリーブ50aに係合させられた
シフティングキー62と、所定の遊びを有する状態でシ
フティングキー62と共に回転させられるシンクロナイ
ザリング64と、変速ギヤ対46aの入力歯車66に設
けられたコーン部68とを備えている。クラッチハブス
リーブ50aの内周面にはスプライン歯70が設けられ
て入力軸42とスプライン嵌合され、入力軸42と常に
一体的に回転させられるようになっており、そのクラッ
チハブスリーブ50aが図の右方向へ移動させられる
と、シフティングキー62を介してシンクロナイザリン
グ64がコーン部68に押圧されてテーパ嵌合させら
れ、それ等の間の摩擦によって入力歯車66に動力伝達
が行われるようになる。クラッチハブスリーブ50aが
更に右方向へ移動させられると、スプライン歯70は、
シンクロナイザリング64に設けられたスプライン歯7
2、更には入力歯車66に設けられたスプライン歯74
と噛み合わされ、これにより入力軸42と入力歯車66
とが一体的に連結されて、変速ギヤ対46aを介して動
力伝達が行われる。図4の(a) 、(b) は噛合クラッチ4
8aが遮断された状態で、図4の(c) 、(d) は噛合クラ
ッチ48aが連結された状態である。なお、図4の(a)
、(c) は、軸心を含む一平面の断面図で、(b) 、(d)
は(a) 、(c) の状態を外周側から見たクラッチハブスリ
ーブ50aの円筒部分を除く展開図である。
【0016】他の噛合クラッチ48b〜48eも上記噛
合クラッチ48aと実質的に同じ構成であるが、クラッ
チハブスリーブ50bは噛合クラッチ48bおよび48
cに共通のもので、クラッチハブスリーブ50cは噛合
クラッチ48dおよび48eに共通のものである。
【0017】シフト・セレクトシャフト52は、軸心ま
わりの回動可能且つ軸方向の移動可能に配設され、セレ
クトシリンダ76(図5参照)により軸心まわりの3位
置、すなわち前記クラッチハブスリーブ50cと係合可
能な第1セレクト位置、クラッチハブスリーブ50bと
係合可能な第2セレクト位置、およびクラッチハブスリ
ーブ50aと係合可能な第3セレクト位置に位置決めさ
れる。また、シフトシリンダ78(図5参照)により軸
方向の3位置、すなわち噛合クラッチ48a〜48eが
何れも遮断され且つ後進変速段も成立しない中央の中立
位置(図1の状態;ニュートラル)と、その軸方向にお
ける両側の第1シフト位置(図1の右側)および第2シ
フト位置(図1の左側)とに位置決めされる。上記セレ
クトシリンダ76およびシフトシリンダ78は変速アク
チュエータ、流体圧アクチュエータに相当し、前記クラ
ッチレリーズシリンダ34と共通の油圧回路に接続さ
れ、前記油圧ポンプ94による油圧PO の制御やセレク
トソレノイドバルブ102、シフトソレノイドバルブ1
04(図5参照)による回路の切換えによってそれぞれ
作動状態や作動速度(変速速度)などが制御される。
【0018】上記第1セレクト位置の第1シフト位置で
は、噛合クラッチ48eが連結されることにより変速比
e(=入力軸42の回転数NIN/出力軸44の回転数N
OUT)が最も大きい第1変速段が成立させられ、第1セ
レクト位置の第2シフト位置では、噛合クラッチ48d
が連結されることにより変速比eが2番目に大きい第2
変速段が成立させられる。第2セレクト位置の第1シフ
ト位置では、噛合クラッチ48cが連結されることによ
り変速比eが3番目に大きい第3変速段が成立させら
れ、第2セレクト位置の第2シフト位置では、噛合クラ
ッチ48bが連結されることにより変速比eが4番目に
大きい第4変速段が成立させられる。この第4変速段の
変速比eは略1である。第3セレクト位置の第1シフト
位置では、噛合クラッチ48aが連結されることにより
変速比eが最も小さい第5変速段が成立させられ、第3
セレクト位置の第2シフト位置では後進変速段が成立さ
せられる。
【0019】前記差動歯車装置18は傘歯車式のもの
で、一対のサイドギヤ80R、80Lにはそれぞれドラ
イブシャフト82R、82Lがスプライン嵌合などによ
って連結され、左右の前輪(駆動輪)84R、84Lを
回転駆動する。
【0020】図5は、本実施例の車両用駆動装置10の
制御系統を説明するブロック線図で、エンジン用ECU
(Electronic Control Unit)114、変速機用ECU1
16、ABS(Antilock Brake System)用ECU118
を備えているとともに、それ等の間で必要な情報をやり
取りする。これ等のECU114、116、118は、
何れもマイクロコンピュータを含んで構成されており、
RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶さ
れたプログラムに従って信号処理を行う。エンジン用E
CU114には、イグニッションスイッチ120、エン
ジン回転数(N E )センサ122、車速(V)センサ1
24、スロットル弁開度(θTH)センサ126、吸入空
気量(Q)センサ128、吸入空気温(TA )センサ1
30、エンジン冷却水温(TW )センサ132などが接
続され、それぞれイグニッションスイッチ120の操作
位置、エンジン回転数NE 、車速V(出力軸44の回転
数NOUT に対応)、スロットル弁開度θTH、吸入空気量
Q、吸入空気温(外気温)TA 、エンジン冷却水温TW
などを表す信号が供給されるようになっており、それ等
の信号に従ってスタータ(電動モータ)134を回転駆
動してエンジン12を始動したり、燃料噴射弁136の
燃料噴射量や噴射時期を制御したり、イグナイタ138
により点火プラグの点火時期を制御したりする。イグニ
ッションスイッチ120は、「ON」および「スター
ト」位置を備えており、「スタート」位置へ操作される
ことによりエンジン用ECU114はスタータ134を
作動させてエンジン12を始動する。
【0021】変速機用ECU116には、レバーポジシ
ョン(PL )センサ140、ブレーキスイッチ144、
入力回転数(NIN:入力軸42の回転数)センサ14
6、ギヤ位置(PG )センサ148、クラッチストロー
ク(SCL)センサ150、油圧(PO )センサ110な
どが接続され、それぞれシフトレバー160(図6参
照)の操作位置であるレバーポジションPL 、ブレーキ
のON、OFF、入力回転数NIN、変速機16の変速段
であるギヤ位置PG 、自動クラッチ14のストロークす
なわちクラッチレリーズシリンダ34のストローク
CL、前記油圧PO などを表す信号が供給されるように
なっている。そして、それ等の信号や、前記エンジン制
御用ECU114、ABS用ECU118から必要な信
号を取り込むことにより、前記油圧ポンプ94の作動を
制御したり、クラッチソレノイドバルブ98、セレクト
ソレノイドバルブ102、シフトソレノイドバルブ10
4を切換え制御したりすることにより、セレクトシリン
ダ76およびシフトシリンダ78の作動状態を切り換え
て変速機16の変速制御(前後進切換え制御を含む)を
行うとともに、クラッチレリーズシリンダ34の作動状
態を切り換えて自動クラッチ14の遮断、接続制御を行
う。
【0022】シフトレバー160は、例えば運転席の横
に配設されており、図6に示すように「R(リバー
ス)」、「N(ニュートラル)」、「D(ドライ
ブ)」、および「S(シーケンシャル)」の4つの操作
位置に選択操作されて位置決め保持されるとともに、
「S」位置では、車両の前後方向に設けられた
「(+)」位置および「(−)」位置へ操作されるよう
になっており、レバーポジションセンサ140は、例え
ば各操作位置に配設された複数のON−OFFスイッチ
等によってその操作位置(レバーポジション)PL を検
出する。そして、シフトレバー160が「R」位置へ操
作されると、変速機16は後進変速段に切り換えられ、
「N」位置へ操作されると動力伝達遮断状態に切り換え
られる。
【0023】シフトレバー160が「D」位置へ操作さ
れると自動変速モードになり、スロットル弁開度θTH
よび車速Vなどの運転状態をパラメータとして予め定め
られた変速マップに従って変速機16の複数の前進変速
段が自動的に切り換えられる。また、「S」位置は複数
の前進変速段を運転者の変速意思により手動操作で変更
するマニュアルシフトモードで、「(+)」位置または
「(−)」位置へシフトレバー160が操作されると、
変速機16の複数の前進変速段がアップダウンされる。
「(+)」位置はアップ位置で、一回の操作毎に変速段
はアップすなわち変速比eが小さい高速段側へ1段ずつ
変速される一方、「(−)」位置はダウン位置で、一回
の操作毎に変速段はダウンすなわち変速比eが大きい低
速段側へ1段ずつ変速される。
【0024】上記「R」位置と「N」位置との間、
「N」位置と「D」位置との間、「D」位置と「S」位
置との間にはそれぞれ節度機構が設けられ、スプリング
等の付勢装置およびカムなどにより必要操作力の山が付
与されることにより、シフトレバー操作に節度感が与え
られるようになっている。また、「S」位置の前後に設
けられた「(+)」位置、「(−)」位置は何れも不安
定で、それ等の「(+)」位置、「(−)」位置へ操作
されたシフトレバー160はスプリング等の付勢装置に
より自動的に「S」位置へ戻される。
【0025】図5において、前記ABS用ECU118
には、4本の車輪にそれぞれ配設された車輪速(NW
センサ152から車輪速NW を表す信号が供給され、そ
れ等の車輪速NW を比較することによりスリップの有無
を検出し、ブレーキ油圧制御弁154を制御して各車輪
のブレーキ油圧を制御することによりスリップの発生を
抑制する。
【0026】次に、前記変速機用ECU116による変
速機16の変速制御を、図7、図8のフローチャートを
参照しつつ具体的に説明する。図7のフローチャート
は、所定のサイクルタイムで繰り返し実行される。
【0027】図7のステップS1では変速するか否かを
判断し、変速する場合はステップS2以下を実行する。
変速判断は、例えばシフトレバー160が「S」位置で
マニュアルシフトモードによる走行中は、レバーポジシ
ョンセンサ140により「(+)」位置または
「(−)」位置へシフトレバー160が操作されたか否
かを判断し、「D」位置の自動変速モードで走行中は、
スロットル弁開度θTHおよび車速Vなどの運転状態をパ
ラメータとして予め定められた変速マップに従って判断
すれば良い。
【0028】ステップS2では変速出力、すなわちどの
変速段からどの変速段への変速かを表す変速の種類に応
じて前記セレクトソレノイドバルブ102、シフトソレ
ノイドバルブ104を切り換える切換え信号が出力さ
れ、変速機16が現在の変速段からニュートラル状態を
経て新たな変速段へ切り換えられるとともに、変速時間
計測用のタイマTがリセットされる。タイマTは、例え
ば水晶発振子等のクロック信号源からのパルス信号を計
数するもので、変速出力から変速完了までの変速時間を
計測する。また、ステップS3では、図8のフローチャ
ートに従って油圧PO を調圧する。ステップS3は、特
にシフトシリンダ78によって変速機16のシフト・セ
レクトシャフト52を軸方向へ移動させて、噛合クラッ
チ48a〜48eを噛み合わせる際の駆動力、すなわち
変速時のシフト力を制御するためのもので、ステップS
2の前に調圧制御を開始するようにしても良い。
【0029】次のステップS4では、例えばギヤ位置セ
ンサ148から供給される信号に基づいて変速が完了し
たか否かを判断し、変速が完了すると、ステップS5を
実行し、その時のタイマTの内容(変速時間)に従っ
て、変速の種類および車速V等の変速条件をパラメータ
としてRAM等の記憶装置に記憶されている変速時間T
stのデータマップのうち対応する変速条件の変速時間T
stを書き換える。ギヤ位置センサ148は、例えばセレ
クトシリンダ76およびシフトシリンダ78のストロー
クをそれぞれ検出する一対のストロークセンサにて構成
されるが、シフトシリンダ78のストロークについて
は、例えば前記図4においてクラッチハブスリーブ50
aのスプライン歯70が入力歯車66のスプライン歯7
4と係合する位置まで達した時に新たな変速段が成立し
た旨、言い換えれば変速が完了した旨の判断が為される
ようにすることが望ましい。
【0030】一方、前記ステップS3の制御内容を表す
図8のステップR1では、変速の種類および車速V等の
変速条件をパラメータとしてRAM等の記憶装置に記憶
されている基準油圧Pstのデータマップ(基準油圧マッ
プ)から、今回の変速条件と同じ変速条件の基準油圧P
stを読み込み、ステップR2では、同じく変速の種類お
よび車速V等の変速条件をパラメータとしてRAM等の
記憶装置に記憶されている前記変速時間Tst、および目
標最小時間Tst1、目標最大時間Tst2の各データマッ
プから、同じく今回の変速条件と同じ変速条件の変速時
間Tst、目標最小時間Tst1、目標最大時間Tst2をそ
れぞれ読み込む。基準油圧Pstは、変速条件に応じて予
め初期値が設定されるとともに、同じ変速条件で変速が
行われるとステップR8で逐次書き換えられて更新され
る。変速時間Tstは、前記図7のステップS5で記憶さ
れたもので、同じ変速条件で変速が行われる毎に逐次書
き換えられて更新される。目標最小時間Tst1、目標最
大時間Tst2は、それぞれ変速条件に応じて予め定めら
れた一定値で、例えば一般に運転者が加速を要求するダ
ウンシフトではアップシフトよりも短い時間にすること
が望ましいなど、運転フィーリングなどを考慮して変速
条件に応じて適宜設定される。
【0031】ステップR3ではステップR2で読み込ん
だ変速時間Tst、すなわち同じ変速条件で変速が行われ
た前回の変速時間Tstが、目標最小時間Tst1より短い
か否かを判断し、短い場合はステップR7で偏差ΔT=
st1−Tstをパラメータとして予め定められた関係g
(ΔT)から油圧補正値ΔPを求める。ステップR3の
判断がNOの場合、すなわちTst≧Tst1の場合は、ス
テップR4で変速時間Tstが目標最大時間Tst2より長
いか否かを判断し、長い場合はステップR5で偏差ΔT
=Tst−Tst2をパラメータとして予め定められた関係
f(ΔT)から油圧補正値ΔPを求める。関係g(Δ
T)、f(ΔT)は、今回の変速時の変速時間が目標時
間Tst1〜Tst2の範囲内に入るように、前回の変速時
の油圧である基準油圧Pstに対して増減すべき油圧補正
値ΔPを定めた演算式やデータマップなどで、g(Δ
T)は負でf(ΔT)は正である。偏差ΔTの他に変速
の種類や車速V、基準油圧Pstなどをパラメータとして
油圧補正値ΔPが求められるようにしても良い。
【0032】上記ステップR4の判断がNOの場合、す
なわちTst2≧Tst≧Tst1の場合は、ステップR6で
油圧補正値ΔP=0とする。その後、ステップR8で基
準油圧Pstに油圧補正値ΔPを加算して新たな基準油圧
stを求め、前記油圧PO =Pstになるように前記油圧
ポンプ94などの作動を制御するとともに、その新たな
基準油圧Pstに従って基準油圧マップの対応箇所を書き
換える。このように前回の変速時間Tstが目標最大時間
st2より長い場合は、その時(前回)の基準油圧Pst
よりもΔP=f(ΔT)だけ増圧し、目標最小時間Tst
1より短い場合は前回の基準油圧PstよりもΔP=g
(ΔT)だけ減圧することにより、今回の変速時の変速
時間Tstが目標時間Tst1〜Tst2の範囲内に入るか或
いは近づけられ、これが繰り返されることにより目標時
間Tst1〜Tst2の範囲で変速が行われるようになる。
【0033】変速機用ECU116による一連の信号処
理のうちステップS2、S4、S5を実行する部分は変
速時間検出手段に相当し、図8の各ステップを実行する
ステップS3は流体圧変更手段に相当し、それ等を含め
てシフト力調整手段が構成されている。
【0034】このように、本実施例では変速機16の変
速時間Tstを検出するとともに、その変速時間Tstが目
標時間Tst1〜Tst2の範囲内に入るように変速時のシ
フト力、すなわち変速アクチュエータであるセレクトシ
リンダ76、シフトシリンダ78の変速時の基準油圧P
st を増減させるため、潤滑性能の変化を含む各部の経
時変化や個体差などに拘らず変速時間Tstが目標時間T
st1〜Tst2の範囲内に入るように制御される。これに
より、常に好適な変速フィーリングが得られるようにな
るとともに、自動クラッチ14の遮断、接続制御とのタ
イミングのずれなどが抑制される。また、変速時間Tst
に基づいて制御するため、温度センサは必ずしも必要で
なく、装置が安価に構成される。
【0035】以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳
細に説明したが、これ等はあくまでも一実施形態であ
り、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更,改良
を加えた態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である変速制御装置を備えて
いる車両用駆動装置の概略構成を示す骨子図である。
【図2】図1の車両用駆動装置における変速機および差
動歯車装置の具体的構成を示す断面図である。
【図3】図1の車両用駆動装置の自動クラッチの一例を
説明する図である。
【図4】図1の車両用駆動装置の変速機の噛合クラッチ
を説明する図である。
【図5】図1の車両用駆動装置の制御系統を説明するブ
ロック線図である。
【図6】図1の車両用駆動装置におけるシフトレバーの
一例を示す斜視図である。
【図7】図1の車両用駆動装置における変速制御を説明
するフローチャートである。
【図8】図7のステップS3の制御内容を具体的に説明
するフローチャートである。
【符号の説明】
16:変速機 42:入力軸 44:出力軸 46a〜46e:変速ギヤ対 48a〜48e:噛合クラッチ 50a〜50c:クラッチハブスリーブ66:入力歯車(歯車) 70、74:スプライン歯 76:セレクトシリンダ(変速アクチュエータ、流体圧
アクチュエータ) 78:シフトシリンダ(変速アクチュエータ、流体圧ア
クチュエータ) 116:変速機用ECU148:ギヤ位置センサst:変速時間 Tst1:目標最小時間 Tst2:目標最大時間 Pst:基準油圧(流体圧、シフト力) ステップS2、S4、S5:変速時間検出手段、シフト
力調整手段 ステップS3:流体圧変更手段、シフト力調整手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 59/00 - 61/12 F16H 61/16 - 61/36 F16H 63/00 - 63/48

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平行な2軸間に変速比が異なる複数の変
    速ギヤ対が配設されるとともに、それ等の変速ギヤ対に
    対応して複数のシンクロ式の噛合クラッチが設けられた
    2軸噛合式の変速機構と、 前記噛合クラッチのクラッチハブスリーブを移動させて
    前記変速機構の変速段を切り換える変速アクチュエータ
    と、 を有し、変速時に遮断、接続制御される自動クラッチが
    車両用駆動源との間に配設されている変速機の変速制御
    装置において、 前記変速アクチュエータによって変速段が切り換えられ
    る際に、前記クラッチハブスリーブのスプライン歯が前
    記変速ギヤ対の歯車のスプライン歯と噛み合ったことを
    変速完了として前記変速機の変速時間を検出し、該変速
    時間に基づいて該変速アクチュエータのシフト力を調整
    するシフト力調整手段を有することを特徴とする変速機
    の変速制御装置。
  2. 【請求項2】 前記変速アクチュエータは流体圧アクチ
    ュエータである一方、 前記シフト力調整手段は、 前記クラッチハブスリーブのスプライン歯が前記変速ギ
    ヤ対の歯車のスプライン歯と噛み合ったことを前記流体
    圧アクチュエータのストロークから検出して変速完了を
    判断し、該変速完了までの時間を前記変速時間として検
    出する変速時間検出手段と、 該変速時間が予め定められた所定の目標時間に近づくよ
    うに、次回の変速時における前記流体圧アクチュエータ
    の流体圧を今回に比較して増減する流体圧変更手段と、 を備えていることを特徴とする請求項1に記載の変速機
    の変速制御装置。
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