JP3246452B2 - 車両用変速機の制御装置 - Google Patents

車両用変速機の制御装置

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JP3246452B2
JP3246452B2 JP28106498A JP28106498A JP3246452B2 JP 3246452 B2 JP3246452 B2 JP 3246452B2 JP 28106498 A JP28106498 A JP 28106498A JP 28106498 A JP28106498 A JP 28106498A JP 3246452 B2 JP3246452 B2 JP 3246452B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車両用変速機の制御
装置に係り、特に、車両走行中にニュートラルモードか
らマニュアルシフトモードへ切り換えられた場合の制御
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両走行用駆動源としてのエンジンの回
転を変速して駆動輪に伝達する車両用変速機の一種に、
(a) 複数の前進変速段と動力伝達遮断状態と後進変速段
とを成立させる変速機構と、(b) 前記変速機構を切り換
える油圧シリンダ等の変速アクチュエータとを有し、
(c) 運転者の操作に応じて変速段などが自動的に切り換
えられるものがある。すなわち、シフトレバーなどのモ
ード選択装置によってマニュアルシフトモードが選択さ
れた場合には、上記変速機の複数の前進変速段が手動操
作に従って変更され、モード選択装置によってニュート
ラルモードが選択された場合には、前記変速機が動力伝
達遮断状態にされるのである。実開平7−2667号公
報に記載の装置はその一例である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
車両用変速機を有する車両においては、走行中にモード
選択装置によってニュートラルモードが選択されると、
変速機は動力伝達遮断状態になって車両は惰性走行させ
られるが、その状態でモード選択装置によってマニュア
ルシフトモードに切り換えられた時に成立させる変速段
が問題になる。すなわち、ニュートラルモードからマニ
ュアルシフトモードに切り換えられた場合、通常は、変
速比(=変速機の入力軸回転数/出力軸回転数)が最も
大きい最低速段が成立させられるか、或いは運転者の選
択操作に従って任意の変速段が成立させられるが、高速
走行中に変速比が大きい低速段が成立させられると、大
きな駆動力変化(エンジンブレーキを含む)が発生して
ショックを生じる一方、車速に比較して変速比が小さい
変速段が成立させられるとエンジンストールを生じる可
能性がある。
【0004】これに対し、例えば変速段を自動的に切り
換えるオートマチック車両のように車速およびアクセル
操作量などの運転状態に応じて最適な変速段を自動的に
設定する変速マップなどを搭載することが考えられる
が、制御用コンピュータのメモリ使用量やプログラム量
が多くなって好ましくない。
【0005】なお、実開平7−2667号公報に記載の
装置は、走行中にニュートラルN(ニュートラルモード
に相当)を経由してホールドH(マニュアルシフトモー
ドに相当)へシフトレバーが操作され、且つそのホール
ドHでシフトアップUまたはシフトダウンDの何れが操
作されたか、および所定の押釦が操作されたか否かによ
り、運転者の加速意思に応じて計4つの変速段から任意
の変速段を選択できるようになっているが、ニュートラ
ルNへ操作しても前の変速段が維持されており、動力伝
達が遮断された惰性走行後の変速段を決定するものでは
ない。
【0006】本発明は以上の事情を背景として為された
もので、その目的とするところは、ニュートラルモード
で惰性走行した後にマニュアルシフトモードに切り換え
られた場合に、ショックやエンジンストールを生じるこ
とがない変速段が初期設定される簡単且つ安価な制御装
置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明は、(a) モード選択装置によってマニュア
ルシフトモードが選択された場合に、変速機の複数の前
進変速段を手動操作に従って変更するマニュアルシフト
制御手段と、(b) 前記モード選択装置によってニュート
ラルモードが選択された場合に、前記変速機を動力伝達
遮断状態にするニュートラル制御手段とを有し、(c) エ
ンジンと駆動輪との間に設けられた前記変速機の状態を
制御する車両用変速機の制御装置において、(d) 予め定
められた所定車速以上の車両走行中に前記ニュートラル
モードから前記マニュアルシフトモードへ切り換えられ
た場合には、前記変速機の初期変速段として、前記エン
ジンの回転数がエンジンストールを生じることがない所
定回転数以上となる範囲で変速比が最も小さい最高速段
を設定する走行時初期設定手段を設けたことを特徴とす
る。
【0008】
【発明の効果】このような車両用変速機の制御装置によ
れば、ニュートラルモードで変速機が動力伝達遮断状態
とされた惰性走行時にモード選択装置によってマニュア
ルシフトモードへ切り換えられた場合には、変速機の初
期変速段として、エンジンの回転数がエンジンストール
を生じることがない所定回転数以上となる範囲で変速比
が最も小さい最高速段が設定されるため、エンジンスト
ールを生じることなくモード切換え時のショックが最小
限に抑制される。また、かかる初期変速段は、車速のみ
をパラメータとして設定されるため、従来のオートマチ
ック車両の変速マップなどを利用する場合に比較してデ
ータ量やプログラム量が少なくて済み、装置が簡単且つ
安価に構成される。
【0009】なお、上記初期変速段は車速のみに基づい
て決定されるため、アクセル操作量などの運転者の意思
を反映しておらず、アクセルOFF時のエンジンブレー
キ性能、アクセルON時の加速性能の何れについても、
エンジンストールが生じない変速段の中で最低となる
が、必要であれば手動操作で変速段を適宜切り換えるこ
とができるため、惰性走行後の最初の変速段という限ら
れた条件下では何ら不都合がないとともに、面倒な操作
も不要で、優れた運転操作性が維持される。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の車両用変速機は、少なく
とも複数の前進変速段を有するとともに動力伝達遮断状
態を実現できるものであれば、平行な2軸間にギヤ比が
異なる複数の変速ギヤ対が配設されるとともに、それ等
の変速ギヤ対に対応して複数の噛合クラッチが設けられ
た2軸噛合式変速機や、複数の遊星歯車装置およびその
回転要素の一部を相互に連結したり位置固定のハウジン
グ等に連結したりする複数のクラッチやブレーキを有す
る遊星歯車式変速機、或いはベルト式等の無段変速機の
変速比を段階的に変化させるものなど、種々の変速機を
採用できる。この変速機とエンジンとの間には、動力伝
達を接続、遮断する摩擦式、電磁式等の自動クラッチ、
或いはトルクコンバータ等の流体継手が配設される。
【0011】モード選択装置としては、例えば運転席の
横や斜め前方のインストルメントパネル、或いはステア
リングコラムなどに配設されて複数の操作レンジへ移動
操作されるシフトレバーが好適に用いられるが、押釦
式、スライド式などその他の選択装置を採用することも
できる。マニュアルシフトモードは、変速機の複数の前
進変速段を手動操作で切り換えることができるモード
で、例えばアップ位置およびダウン位置へシフトレバー
が操作されることにより、それをスイッチで検出して変
速段をアップダウンするように構成されるが、シフトレ
バーとは別にハンドル等に設けられたマニュアルシフト
スイッチが操作されることによって変速段をアップダウ
ンするものでも良いし、或いは直接任意の変速段を選択
できるものでも良いなど、種々の態様を採用できる。
【0012】走行時初期設定手段は、例えば(a) 現在の
走行車速Vに基づいて、変速機の各変速段Gi の変速比
i 、および変速機以外の部位(終減速装置など)のギ
ヤ比γから、所定の変速段Gi が成立させられた場合の
エンジン回転数NEiを次式(1) に従って算出するエンジ
ン回転数算出手段と、(b) エンジンストールを生じるこ
とがないように予め定められた最低エンジン回転数N
Est と上記エンジン回転数NEiとを比較して、エンジン
回転数NEiの方が大きいか否かを判断する比較判断手段
と、(c) 前記最低エンジン回転数NEst よりもエンジン
回転数NEiの方が大きい変速段Gi のうち変速比ei
最も小さい変速段(最高速段)Gi を初期変速段に決定
する初期変速段決定手段とを有して構成される。 NEi=V×Gi ×γ ・・・(1)
【0013】走行時初期設定手段の別の態様としては、
予め各変速段Gi についてエンジンストールを生じるこ
とがない最低車速Vi を次式(2) に従って算出するとと
もに記憶しておき、その最低車速Vi が実際の走行車速
Vよりも小さい変速段Gi のうち変速比ei が最も小さ
い変速段(最高速段)Gi を初期変速段とするものでも
良い。 Vi =NEst /(Gi ×γ) ・・・(2)
【0014】以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ
詳細に説明する。図1は、車両用駆動装置10の概略構
成を説明する骨子図で、FF(フロントエンジン・フロ
ントドライブ)車両用のものであり、走行用駆動源とし
てのエンジン12、自動クラッチ14、変速機16、差
動歯車装置18を備えている。自動クラッチ14は、例
えば図2に示す乾式単板式の摩擦クラッチで、エンジン
12のクランクシャフト20に取り付けられたフライホ
イール22、クラッチ出力軸24に配設されたクラッチ
ディスク26、クラッチハウジング28に配設されたプ
レッシャプレート30、プレッシャプレート30をフラ
イホイール22側へ付勢することによりクラッチディス
ク26を挟圧して動力伝達するダイヤフラムスプリング
32、クラッチレリーズシリンダ34によりレリーズフ
ォーク36を介して図の左方向へ移動させられることに
より、ダイヤフラムスプリング32の内端部を図の左方
向へ変位させてクラッチを開放(遮断)するレリーズス
リーブ38を有して構成されている。クラッチレリーズ
シリンダ34は、図3に示す油圧ポンプ94およびクラ
ッチソレノイドバルブ98を有する油圧回路に接続され
ており、油圧PO の制御や回路の切換えによって作動状
態が制御される。
【0015】変速機16は差動歯車装置18と共に共通
のハウジング40内に配設されてトランスアクスルを構
成しており、そのハウジング40内に所定量だけ充填さ
れた潤滑油に浸漬され、差動歯車装置18と共に潤滑さ
れるようになっている。変速機16は、(a) 平行な一対
の入力軸42、出力軸44間にギヤ比が異なる複数の変
速ギヤ対46a〜46eが配設されるとともに、それ等
の変速ギヤ対46a〜46eに対応して複数の噛合クラ
ッチ48a〜48eが設けられた2軸噛合式の変速機構
と、(b) それ等の噛合クラッチ48a〜48eの3つの
クラッチハブスリーブ50a、50b、50cの何れか
を選択的に移動させて変速段を切り換えるシフト・セレ
クトシャフト52とを備えており、前進5段の変速段G
i (i=1〜5)が成立させられるようになっている。
入力軸42および出力軸44には更に後進ギヤ対54が
配設され、図示しないカウンタシャフトに配設された後
進用アイドル歯車と噛み合わされることにより後進変速
段が成立させられるようになっている。なお、入力軸4
2は、スプライン嵌合55によって前記自動クラッチ1
4のクラッチ出力軸24に連結されているとともに、出
力軸44には出力歯車56が配設されて差動歯車装置1
8のリングギヤ58と噛み合わされている。
【0016】上記クラッチハブスリーブ50bは噛合ク
ラッチ48bおよび48cに共通のもので、クラッチハ
ブスリーブ50cは噛合クラッチ48dおよび48eに
共通のものである。シフト・セレクトシャフト52は、
軸心まわりの回動可能且つ軸方向の移動可能に配設さ
れ、セレクトシリンダ76(図3参照)により軸心まわ
りの3位置、すなわち前記クラッチハブスリーブ50c
と係合可能な第1セレクト位置、クラッチハブスリーブ
50bと係合可能な第2セレクト位置、およびクラッチ
ハブスリーブ50aと係合可能な第3セレクト位置に位
置決めされる。また、シフトシリンダ78(図3参照)
により軸方向の3位置、すなわち噛合クラッチ48a〜
48eが何れも遮断され且つ後進変速段も成立しない中
央の中立位置(図1の状態)と、その軸方向における両
側の第1シフト位置(図1の右側)および第2シフト位
置(図1の左側)とに位置決めされる。中立位置では、
入力軸42と出力軸44との間の動力伝達が遮断される
動力伝達遮断状態になる。
【0017】上記第1セレクト位置の第1シフト位置で
は、噛合クラッチ48eが連結されることにより変速比
e(=入力軸42の回転数NIN/出力軸44の回転数N
OUT)が最も大きい第1変速段G1 が成立させられ、第
1セレクト位置の第2シフト位置では、噛合クラッチ4
8dが連結されることにより変速比eが2番目に大きい
第2変速段G2 が成立させられる。第2セレクト位置の
第1シフト位置では、噛合クラッチ48cが連結される
ことにより変速比eが3番目に大きい第3変速段G3
成立させられ、第2セレクト位置の第2シフト位置で
は、噛合クラッチ48bが連結されることにより変速比
eが4番目に大きい第4変速段G4 が成立させられる。
この第4変速段G4 の変速比e4 は略1である。第3セ
レクト位置の第1シフト位置では、噛合クラッチ48a
が連結されることにより変速比eが最も小さい第5変速
段G5 が成立させられ、第3セレクト位置の第2シフト
位置では後進変速段が成立させられる。シフト・セレク
トシャフト52を移動させるセレクトシリンダ76およ
びシフトシリンダ78は変速アクチュエータとして機能
しており、前記クラッチレリーズシリンダ34と共通の
油圧回路に接続され、前記油圧ポンプ94による油圧P
O の制御やセレクトソレノイドバルブ102、シフトソ
レノイドバルブ104(図3参照)による回路の切換え
によってそれぞれ作動状態や作動速度(変速速度)など
が制御される。
【0018】前記差動歯車装置18は傘歯車式のもの
で、一対のサイドギヤ80R、80Lにはそれぞれドラ
イブシャフト82R、82Lがスプライン嵌合などによ
って連結され、左右の前輪(駆動輪)84R、84Lを
回転駆動する。
【0019】図3は、本実施例の車両用駆動装置10の
制御系統を説明するブロック線図で、エンジン用ECU
(Electronic Control Unit)114、変速機用ECU1
16、ABS(Antilock Brake System)用ECU118
を備えているとともに、それ等の間で必要な情報をやり
取りする。これ等のECU114、116、118は、
何れもマイクロコンピュータを含んで構成されており、
RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶さ
れたプログラムに従って信号処理を行う。エンジン用E
CU114には、イグニッションスイッチ120、エン
ジン回転数(N E )センサ122、車速(V)センサ1
24、スロットル弁開度(θTH)センサ126、吸入空
気量(Q)センサ128、吸入空気温(TA )センサ1
30、エンジン冷却水温(TW )センサ132などが接
続され、それぞれイグニッションスイッチ120の操作
位置、エンジン回転数NE 、車速V(出力軸44の回転
数NOUT に対応)、スロットル弁開度θTH、吸入空気量
Q、吸入空気温(外気温)TA 、エンジン冷却水温TW
などを表す信号が供給されるようになっており、それ等
の信号に従ってスタータ(電動モータ)134を回転駆
動してエンジン12を始動したり、燃料噴射弁136の
燃料噴射量や噴射時期を制御したり、イグナイタ138
により点火プラグの点火時期を制御したりする。イグニ
ッションスイッチ120は、「ON」および「スター
ト」位置を備えており、「スタート」位置へ操作される
ことによりエンジン用ECU114はスタータ134を
作動させてエンジン12を始動する。
【0020】変速機用ECU116には、レバーポジシ
ョン(PL )センサ140、マニュアルシフトスイッチ
142、ブレーキスイッチ144、入力回転数(NIN
入力軸42の回転数)センサ146、ギヤ位置(PG
センサ148、クラッチストローク(SCL)センサ15
0、油圧(PO )センサ110などが接続され、それぞ
れシフトレバー160(図4参照)の操作レンジである
レバーポジションPL、マニュアルシフトによるアップ
ダウン(±)、ブレーキのON、OFF、入力回転数N
IN、変速機16の変速段であるギヤ位置PG (=G1
5 )、自動クラッチ14のストロークすなわちクラッ
チレリーズシリンダ34のストロークS CL、前記油圧回
路の油圧PO などを表す信号が供給されるようになって
いる。そして、それ等の信号や、前記エンジン制御用E
CU114、ABS用ECU118から必要な信号を取
り込むことにより、前記油圧ポンプ94の作動を制御し
たり、クラッチソレノイドバルブ98、セレクトソレノ
イドバルブ102、シフトソレノイドバルブ104を切
換え制御したりすることにより、セレクトシリンダ76
およびシフトシリンダ78の作動状態を切り換えて変速
機16の変速制御(前後進切換え制御を含む)を行うと
ともに、クラッチレリーズシリンダ34の作動状態を切
り換えて変速時に自動クラッチ14の遮断、接続制御な
どを行う。
【0021】シフトレバー160は、例えば運転席の横
に配設されており、図4に示すように「R(リバー
ス)」、「N(ニュートラル)」、および「S(シーケ
ンシャル)」の3つの操作レンジに選択操作されて位置
決め保持されるようになっており、レバーポジションセ
ンサ140は、例えば各操作レンジに配設された複数の
ON−OFFスイッチ等によってその操作レンジを検出
する。そして、シフトレバー160が「R」レンジへ操
作されると、変速機16は後進変速段に切り換えられ、
「N」レンジへ操作されると動力伝達遮断状態に切り換
えられる。また、「S」レンジは複数の前進変速段Gi
を手動操作で変更できるレンジで、「S」レンジの上
下、すなわち車両の前後方向位置には、「(+)」位置
および「(−)」位置が設けられており、その
「(+)」位置または「(−)」位置へシフトレバー1
60が操作されると、そのことがマニュアルシフトスイ
ッチ142によって検出され、変速機16の複数の前進
変速段Gi がアップダウンされる。「(+)」位置はア
ップ位置で、一回の操作毎に変速段Gi はアップすなわ
ち変速比eが小さい高速段側へ1段ずつ変速される一
方、「(−)」位置はダウン位置で、一回の操作毎に変
速段Gi はダウンすなわち変速比eが大きい低速段側へ
1段ずつ変速される。マニュアルシフトスイッチ142
は、「(+)」位置、「(−)」位置に配設された一対
の自動復帰型スイッチなどによって構成される。
【0022】上記「R」レンジと「N」レンジとの間、
「N」レンジと「S」レンジとの間にはそれぞれ節度機
構が設けられ、スプリング等の付勢装置およびカムなど
により必要操作力の山が付与されることにより、シフト
レバー操作に節度感が与えられるようになっている。ま
た、「S」レンジの前後に設けられた「(+)」位置、
「(−)」位置は何れも不安定で、それ等の「(+)」
位置、「(−)」位置へ操作されたシフトレバー160
はスプリング等の付勢装置により自動的に「S」レンジ
へ戻される。本実施例では、シトフレバー160および
その操作レンジを検出するレバーポジションセンサ14
0によってモード選択装置が構成されており、「N」レ
ンジ、「S」レンジはそれぞれニュートラルモード、マ
ニュアルシフトモードに相当する。
【0023】図3において、前記ABS用ECU118
には、4本の車輪にそれぞれ配設された車輪速(NW
センサ152から車輪速NW を表す信号が供給され、そ
れ等の車輪速NW を比較することによりスリップの有無
を検出し、ブレーキ油圧制御弁154を制御して各車輪
のブレーキ油圧を制御することによりスリップの発生を
抑制する。
【0024】次に、前記変速機用ECU116による変
速機16の制御を、図5、図6のフローチャートを参照
しつつ具体的に説明する。図5のフローチャートは、所
定のサイクルタイムで繰り返し実行される。
【0025】図5のステップS1では、レバーポジショ
ンセンサ140から供給される信号に基づいて、シフト
レバー160が「N」レンジへ操作されているか否かを
判断し、「N」レンジであればステップS2でセレクト
ソレノイドバルブ102、シフトソレノイドバルブ10
4を切り換えるなどして変速機16を動力伝達遮断状態
にする。変速機用ECU116による一連の信号処理の
うちステップS2を実行する部分はニュートラル制御手
段に相当する。
【0026】ステップS1の判断がNOの場合は、ステ
ップS3で「S」レンジか否かを判断し、「S」レンジ
であればステップS4以下を実行する。ステップS4で
は、走行中に「N」レンジから「S」レンジへ切り換え
られたか否かを判断し、例えば車速V>0で且つ新たに
「N」レンジから「S」レンジへ切り換えられた場合は
ステップS5を実行する一方、車速V=0或いは「S」
レンジが継続している場合はステップS6を実行する。
新たに「N」レンジから「S」レンジへ切り換えられた
か否かを判断するためには、前回の操作レンジが「N」
レンジであることを表すニュートラルフラグを立てた
り、直前の操作レンジを記憶したりしておけば良く、
「S」レンジが継続しているか否かを判断するために
は、「S」レンジが選択されていることを表すシーケン
シャルフラグを立てるなどすれば良い。
【0027】「N」レンジで変速機16が動力伝達遮断
状態とされた惰性走行中に「S」レンジへ切り換えられ
た場合に実行されるステップS5では、例えば図6に示
すフローチャートに従って初期変速段Gini を設定す
る。図6のステップR1では、変速比eが最も小さい最
高速段Gmax (本実施例では第5変速段G5 )を変速段
i として設定し、ステップR2では変速段Gi が成立
させられた場合のエンジン回転数NEiを、その時の実際
の車速Vをパラメータとして前記(1) 式に従って算出す
る。この場合のギヤ比γは、前記出力歯車56とリング
ギヤ58との歯数比の逆数、すなわち終減速比である。
変速機用ECU116による一連の信号処理のうちステ
ップR2を実行する部分はエンジン回転数算出手段とし
て機能している。
【0028】ステップR3では、エンジンストールを生
じることがないように予め定められた最低エンジン回転
数NEst と上記エンジン回転数NEiとを比較して、エン
ジン回転数NEiの方が大きいか否かを判断し、NEst
EiであればステップR5でその時の変速段Gi を初期
変速段Gini に設定することにより、セレクトソレノイ
ドバルブ102、シフトソノイドバルブ104を切り換
えるなどしてその初期変速段Gini を成立させる。N
Est >NEiの場合は、そのままその変速段Gi を成立さ
せるとエンジンストールするため、ステップR4で変速
段Gi を1段だけ低くしてステップR2以下を再度実行
する。変速段Gi が低くなると変速比eiが大きくなる
ため、それに伴ってエンジン回転数NEiが大きくなり、
最初にNEs t ≦NEiとなった変速段Gi が初期変速段G
ini に設定されることにより、NEs t ≦NEiを満足する
変速段Gi のうち変速比ei が最も小さい変速段(最高
速段)Gi が初期変速段Gini に設定されることにな
る。変速機用ECU116による一連の信号処理のうち
ステップR3を実行する部分は比較判断手段として機能
しており、ステップR1、R4、およびR5を実行する
部分は初期変速段決定手段として機能している。また、
一連のステップR1〜R5を実行する部分、すなわち図
5のステップS5を実行する部分は走行時初期設定手段
に相当する。
【0029】図5に戻って、ステップS6ではシフトレ
バー160の「(+)」位置、「(−)」位置へのアッ
プダウン操作に従って、変速機16の変速段Gi をアッ
プダウンさせる。変速機用ECU116による一連の信
号処理のうちステップS6を実行する部分はマニュアル
シフト制御手段に相当する。なお、車両停止時に最初に
シフトレバー160が「S」レンジへ操作された場合
は、変速比eが最も大きい第1変速段G1 が成立させら
れる。
【0030】また、前記ステップS3の判断がNOの場
合、すなわち「N」レンジでも「S」レンジでもない場
合には、ステップS7で「R」レンジか否かを判断し、
「R」レンジの場合はステップS8でセレクトソレノイ
ドバルブ102、シフトソレノイドバルブ104を切り
換えるなどして後進変速段を成立させる。
【0031】ここで、このような車両用変速機16の制
御装置によれば、「N」レンジで変速機16が動力伝達
遮断状態とされた惰性走行時にシフトレバー160が
「S」レンジへ切り換えられた場合には、変速機16の
初期変速段Gini として、エンジン回転数NE がエンジ
ンストールを生じることがない所定回転数NEst 以上と
なる範囲で変速比eが最も小さい最高速段が設定される
ため、エンジンストールを生じることなくレンジ切換え
時のショック(エンジンブレーキを含む駆動力変化)が
最小限に抑制される。また、かかる初期変速段G
ini は、車速Vのみをパラメータとして設定されるた
め、従来のオートマチック車両の変速マップなどを利用
する場合に比較してデータ量やプログラム量が少なくて
済み、装置が簡単且つ安価に構成される。
【0032】なお、上記初期変速段Gini は車速Vのみ
に基づいて決定されるため、アクセル操作量などの運転
者の意思を反映しておらず、アクセルOFF時のエンジ
ンブレーキ性能、アクセルON時の加速性能の何れにつ
いても、エンジンストールが生じない変速段の中で最低
となるが、必要であればその後のシフトレバー160の
アップダウン操作で変速段Gi を適宜切り換えることが
できるため、惰性走行後の最初の変速段という限られた
条件下では何ら不都合がないとともに、面倒な操作も不
要で、優れた運転操作性が維持される。
【0033】以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳
細に説明したが、これはあくまでも一実施形態であり、
本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更,改良を加
えた態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である車両用変速機の制御装
置を備えている車両用駆動装置の概略構成を示す骨子図
である。
【図2】図1の車両用駆動装置の自動クラッチの一例を
説明する図である。
【図3】図1の車両用駆動装置の制御系統を説明するブ
ロック線図である。
【図4】図1の車両用駆動装置のシフトレバーの一例を
示す斜視図である。
【図5】図3の変速機用ECUによる変速機制御の一例
を説明するフローチャートである。
【図6】図5のステップS5の具体的内容を説明するフ
ローチャートである。
【符号の説明】
16:変速機 116:変速機用ECU 140:レバーポジションセンサ(モード選択装置) 160:シフトレバー(モード選択装置) S:シーケンシャルレンジ(マニュアルシフトモード) N:ニュートラルレンジ(ニュートラルモード) ステップS2:ニュートラル制御手段 ステップS5:走行時初期設定手段 ステップS6:マニュアルシフト制御手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 59/00 - 61/12 F16H 61/16 - 61/24 F16H 63/40 - 63/48

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モード選択装置によってマニュアルシフ
    トモードが選択された場合に、変速機の複数の前進変速
    段を手動操作に従って変更するマニュアルシフト制御手
    段と、 前記モード選択装置によってニュートラルモードが選択
    された場合に、前記変速機を動力伝達遮断状態にするニ
    ュートラル制御手段とを有し、エンジンと駆動輪との間
    に設けられた前記変速機の状態を制御する車両用変速機
    の制御装置において、 予め定められた所定車速以上の車両走行中に前記ニュー
    トラルモードから前記マニュアルシフトモードへ切り換
    えられた場合には、前記変速機の初期変速段として、前
    記エンジンの回転数がエンジンストールを生じることが
    ない所定回転数以上となる範囲で変速比が最も小さい最
    高速段を設定する走行時初期設定手段を設けたことを特
    徴とする車両用変速機の制御装置。
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