JP3433055B2 - 不揮発性半導体メモリ装置 - Google Patents

不揮発性半導体メモリ装置

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JP3433055B2
JP3433055B2 JP19613997A JP19613997A JP3433055B2 JP 3433055 B2 JP3433055 B2 JP 3433055B2 JP 19613997 A JP19613997 A JP 19613997A JP 19613997 A JP19613997 A JP 19613997A JP 3433055 B2 JP3433055 B2 JP 3433055B2
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cell transistor
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フローティングゲ
ートを有するメモリセルトランジスタによってアナログ
情報や多値情報の記憶を可能にした不揮発性半導体メモ
リ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】メモリセルが単一のトランジスタからな
る電気的に消去可能なプログラマブルROM(EEPROM:El
ectrically Erasable Programmable ROM)においては、
フローティングゲートとコントロールゲートとを有する
2重ゲート構造のトランジスタによって各メモリセルが
形成される。このような2重ゲート構造のメモリセルト
ランジスタの場合、フローティングゲートのドレイン領
域側で発生したホットエレクトロンを加速してフローテ
ィングゲートに注入することでデータの書き込みが行わ
れる。そして、フローティングゲートに電荷が注入され
たか否かによるメモリセルトランジスタの動作特性の差
を検出することで、データの読み出しが行われる。
【0003】図6は、フローティングゲートを有する不
揮発性半導体メモリ装置のメモリセル部分の平面図で、
図7は、そのX−X線の断面図である。この図において
は、コントロールゲートの一部がフローティングゲート
に並んで配置されるスプリットゲート構造を示してい
る。P型のシリコン基板1の表面領域に、選択的に厚く
形成される酸化膜(LOCOS)よりなる複数の分離領域2が
短冊状に形成され、素子領域が区画される。シリコン基
板1上に、酸化膜3を介し、隣り合う分離領域2の間に
跨るようにしてフローティングゲート4が配置される。
このフローティングゲート4は、1つのメモリセル毎に
独立して配置される。また、フローティングゲート4上
の酸化膜3aは、フローティングゲート4の中央部で厚
く形成され、フローティングゲート4の端部を鋭角にし
ている。これにより、データの消去動作時にフローティ
ングゲート4の端部で電界集中が生じ易いようにしてい
る。複数のフローティングゲート4が配置されたシリコ
ン基板1上に、フローティングゲート4の各列毎に対応
してコントロールゲート5が配置される。このコントロ
ールゲート5は、一部がフローティングゲート4上に重
なり、残りの部分が酸化膜3を介してシリコン基板1に
接するように配置される。また、これらのフローティン
グゲート4及びコントロールゲート5は、それぞれ隣り
合う列が互いに面対称となるように配置される。コント
ロールゲート5の間の基板領域及びフローティングゲー
ト4の間の基板領域に、N型の第1拡散層6d及び第2
拡散層6sが形成される。第1拡散層6dは、コントロ
ールゲート5の間で分離領域2に囲まれてそれぞれが独
立し、第2拡散層6sは、各フローティングゲート4の
間で、コントロールゲート5の延在する方向に連続す
る。これらのフローティングゲート4、コントロールゲ
ート5、第1拡散層6d及び第2拡散層6sによりメモ
リセルトランジスタが構成される。このとき、第1拡散
層6dがドレインとなり、第2拡散層6sがソースとな
る。そして、コントロールゲート5上に、酸化膜7を介
して、アルミニウム配線8がコントロールゲート5と交
差する方向に配置される。このアルミニウム配線8は、
コンタクトホール9を通して、第1拡散層6dに接続さ
れる。
【0004】このような2重ゲート構造のメモリセルト
ランジスタの場合、フローティングゲート4に注入され
る電荷の量に応じてソース、ドレイン間のオン抵抗値が
変動する。そこで、フローティングゲート4に記憶情報
に応じた量の電荷を選択的に注入することにより、特定
のメモリセルトランジスタのオン抵抗値を多段階に変動
させるようにしている。
【0005】図8は、図6に示したメモリセル部分の回
路図である。この図においては、メモリセルを4行×4
列に配置した場合を示している。2重ゲート構造のメモ
リセルトランジスタ11は、コントロールゲート5がワ
ード線12に接続され、第1拡散層6d(ドレイン)及
び第2拡散層6s(ソース)がそれぞれビット線13及
びソース線14に接続される。各ビット線13は、それ
ぞれ選択トランジスタ15を介してデータ線16に接続
されると共に、電圧値を読み出すセンスアンプ(図示せ
ず)に接続される。
【0006】ソース線14hは、各行が共通に接続さ
れ、各メモリセルトランジスタ11に対して一定周期の
書き込みクロックφWを供給する。また、選択トランジ
スタ15を介して各ビット線13に選択的に接続される
データ線15は、各メモリセルトランジスタ11に対し
て選択的に読み出しクロックφRを供給する。通常の装
置では、同一行のメモリセルトランジスタ11でそれぞ
れ共通に形成されるコントロールゲート5自体がワード
線12として用いられ、第1拡散層6dに接続されるア
ルミニウム配線8がビット線13として用いられる。ま
た、コントロールゲート5と平行して延在する第2拡散
層6sがソース線14として用いられる。
【0007】行選択信号LS1〜LS4は、ロウアドレ
ス情報に基づいて生成されるものであり、ワード線12
の1本を選択することにより、メモリセルトランジスタ
11の特定の行を活性化する。列選択信号CS1〜CS
4は、カラムアドレス情報に基づいて生成されるもので
あり、選択トランジスタ15の1つをオンさせることに
より、メモリセルトランジスタ11の特定の列を活性化
する。これにより、行列配置される複数のメモリセルト
ランジスタ11の内の1つが、ロウアドレス情報及びカ
ラムアドレス情報に従って指定され、データ線16に接
続される。
【0008】メモリセルトランジスタ11に対してデー
タを書き込む際には、メモリセルトランジスタ11に対
し、ビット線13から接地電位(例えば0V)を印加
し、ソース線14から書き込み電位(例えば14V)を
印加する。これにより、行選択信号LS1〜LS4及び
列選択信号CS1〜CS4に応答して選択された特定の
メモリセルトランジスタ11において、データの書き込
み、即ち、フローティングゲート4への電荷の注入が行
われる。また、メモリセルトランジスタ11に書き込ま
れたデータを読み出す際には、メモリセルトランジスタ
11に対し、ビット線13から読み出し電位(例えば5
V)を印加し、ソース線14から接地電位(例えば0
V)を印加する。このとき、選択状態にあるメモリセル
トランジスタ11を通して電流が流れ、ビット線13の
電位がメモリセルトランジスタ11のオン抵抗値に応じ
て変化するため、そのときのビット線電位をセンスアン
プにより読み出すように構成される。
【0009】メモリセルトランジスタ11に対してアナ
ログ情報を書き込む場合、記録精度を高めるため、電荷
の注入(書き込み)と注入量の確認(読み出し)とが短
い周期で繰り返される。即ち、メモリセルトランジスタ
11への書き込みを少しずつ行いながら、その都度読み
出しを行い、記憶させようとしているデータの内容に読
み出し結果が一致した時点で書き込みを停止するように
構成される。例えば、図9に示すように、書き込みクロ
ックφwと読み出しクロックφRとが、互いに逆の位相に
設定され、ビット線13及びソース線14に、それぞれ
一定の周期で書き込み電位あるいは読み出し電位の一方
と接地電位とが交互に印加される。これにより、書き込
みクロックφWが立ち上げられてソース線14に書き込
み電位が印加され、ビット線13に接地電位が印加され
る期間が書き込み期間Wとなる。また、読み出しクロッ
クφRが立ち上げられてビット線13に読み出し電位が
印加され、ソース線14に接地電位が印加される期間が
書き込み期間Rとなる。そして、読み出し動作におい
て、読み出し結果が記憶情報に対応付けられる所望の電
位に達した時点で書き込みクロックφWを停止するよう
に構成され、書き込み動作が終了となる。
【0010】図10は、ビット線13に接続されてメモ
リセルトランジスタ11のオン抵抗値を検出するセンス
アンプの構成を示すブロック図である。センスアンプ
は、一対の負荷抵抗21、22、一対の電流アンプ2
3、34、基準トランジスタ25、定電位発生回路2
6、差動アンプ27及び判定制御回路28より構成され
る。一対の負荷抵抗21、22は、同一の抵抗値を有
し、それぞれ電源に接続される。一対の電流アンプ2
3、24は、トランジスタ及びインバータからなり、電
源に接続された一対の負荷抵抗21、22にそれぞれ接
続される。一方の電流アンプ23には、メモリセルトラ
ンジスタ11に接続されるビット線13が接続され、他
方の電流アンプ24には、基準トランジスタ25が接続
される。基準トランジスタ25は、電流アンプ24と接
地点との間に接続され、ゲートに印加される基準電位V
RGに応答して抵抗値を変化させる。定電位発生回路26
は、メモリセルトランジスタ11に記憶される多値情報
に対応する基準電位VRGを発生し、基準トランジスタ2
5のゲートに供給する。例えば、メモリセルトランジス
タ11が4値(2ビット分)の情報を記憶するときに
は、基準トランジスタ25の抵抗値を3段階で変化させ
るように3種類のゲート電位VRGを順次発生する。
【0011】差動アンプ27は、2つの入力が一対の負
荷抵抗21、22と一対の電流アンプ23、24との接
続点にそれぞれ接続され、各接続点の電位VBL、VRLを
比較して、その比較出力C0を判定制御回路28に供給
する。判定制御回路28は、定電位発生回路26の基準
電位VRGの発生を制御すると共に、差動アンプ27の比
較出力C0を判別して多値情報に従う多ビットのデータ
D1、D2を再生する。例えば、4値の情報を判定する
ときには、3段階の基準電位から先ず中間の電位を発生
させて上位ビットを判定し、続いて、3段階の基準電位
の内の高電位あるいは低電位の一方を上位ビットの判定
結果に応じて発生させて下位ビットを判定するように構
成される。
【0012】メモリセルトランジスタ11の情報を読み
出す際には、メモリセルトランジスタ11のソース側が
接地されており、負荷抵抗21及びメモリセルトランジ
スタ11が電流アンプ23を介して電源接地間に直列に
接続されることになる。同様に、負荷抵抗22及び基準
トランジスタ25も電流アンプ24を介して電源接地間
に直列に接続される。このとき、負荷抵抗21と電流ア
ンプ23との接続点の電位VBLは、負荷抵抗21とメモ
リセルトランジスタ11との駆動能力の比によって決定
される。同様に、負荷抵抗22と電流アンプ24との接
続点の電位VRLは、負荷抵抗22と基準トランジスタ2
5との駆動能力の比によって決定される。従って、差動
アンプ27の比較出力C0に基づいて、段階的に抵抗値
が切り換えられる基準トランジスタ25に対してメモり
セルトランジスタ11の抵抗値が何れの範囲にあるかを
判定することができる。尚、このようなセンスアンプ
は、例えば、1995 IEEE/International Solid-State Ci
rcuit Conference/Session 7/Flash Memory/Paper TA
7.7に開示されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】スプリットゲート型の
メモリセルトランジスタ11においては、書き込みクロ
ックφWによる書き込み(フローティングゲートへの電
荷の注入)が行われる毎に、オン抵抗値が高くなる。従
って、書き込み動作と交互に繰り返される読み出し動作
時のビット線13の電位VBLは、図11に示すように、
書き込み動作の繰り返しに伴って接地電位から電源電位
まで段階的に変化する。1回の書き込み動作によるビッ
ト線電位VBLの変化は、書き込み動作を開始した時点で
は大きく、書き込みが進むにつれて徐々に小さくなり、
最終的に電源電位VDDに達した時点で変化しなくなる。
【0014】メモリセルトランジスタ11に多値情報を
記憶させる場合、記憶情報のステップ数に対応して接地
電位と電源電位との間を均等分割し、読み出し時のビッ
ト線電位VBLを各分割電位に対応させるように書き込み
回数が制御される。例えば、上述のように、メモリセル
トランジスタ11に4値の情報を記憶させる場合、2種
類の中間値の読み出しを可能にするため、電源電位VDD
(接地電位は0V)を3分割した電位VDD/3、2VDD
/3にビット線電位VBLが一致するように書き込み回数
が制御される。しかしながら、1回の書き込み動作によ
る書き込み量が多い場合、即ち、ビット線電位VBLの変
化率が大きい(図11の曲線の立ち上がりが急峻な)場
合には、ビット線電位VBLを正確に制御することが困難
になり、読み出されるビット線電位VBLの誤差が大きく
なる。この結果、メモリセルトランジスタ11の分解能
が低下し、記憶情報の多値化が困難になる。
【0015】そこで本発明は、メモリセルトランジスタ
に対する書き込みを正確に制御できるようにすることを
目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の課題を
解決するために成されたもので、第1の特徴とするとこ
ろは、電気的に独立したフローティングゲート及びこの
フローティングゲートに少なくとも一部が重なるコント
ロールゲートを有し、フローティングゲートに蓄積され
る電荷の量に応じてオン抵抗値を変化させるメモリセル
トランジスタと、上記メモリセルトランジスタのコント
ロールゲートに接続されるワード線と、上記メモリセル
トランジスタのソース側に接続されるソース線と、上記
メモリセルトランジスタのドレイン側に接続されるビッ
ト線と、上記ワード線に所定の電位を与えて上記メモリ
セルトランジスタを活性化する第1の制御手段と、上記
メモリセルトランジスタが活性化されたときに上記ソー
ス線から上記メモリセルトランジスタを通して上記ビッ
ト線へ一定の電流を供給する第2の制御手段と、を備
え、上記第1の制御手段は、上記メモリセルトランジス
タに対する書き込み動作が進むに従って上記ワード線に
供給する電位を段階的に低くすることにある。
【0017】そして、第2の特徴とするところは、電気
的に独立したフローティングゲート及びこのフローティ
ングゲートに少なくとも一部が重なるコントロールゲー
トを有し、フローティングゲートに蓄積される電荷の量
に応じてオン抵抗値を変化させる複数のメモリセルトラ
ンジスタと、上記複数のメモリセルトランジスタのコン
トロールゲートにそれぞれ接続される複数のワード線
と、上記複数のメモリセルトランジスタのソース側に共
通に接続されるソース線と、上記複数のメモリセルトラ
ンジスタのドレイン側に共通に接続されるビット線と、
行選択情報に従い、上記複数のワード線に対して、選択
的に所定の電位を与えて上記メモリセルトランジスタを
活性化する第1の制御手段と、上記複数のメモリセルト
ランジスタの1つが活性化されたときに上記ソース線か
ら活性化された上記メモリセルトランジスタを通して上
記ビット線へ一定の電流を供給する第2の制御手段と、
を備え、上記第1の制御手段は、上記メモリセルトラン
ジスタに対する書き込み動作が進むに従って上記複数の
ワード線に供給する電位を段階的に低くすることにあ
る。
【0018】メモリセルトランジスタの書き込み効率
は、通常の動作範囲おいて、コントロールゲートの電位
の上昇に伴って低下する。このため、ワード線の電位が
高い書き込み開始時点では書き込み効率が低く設定さ
れ、ワード線の電位が低くなる後半では書き込み効率が
高く設定される。一方、コントロールゲートの電位を一
定とした場合、書き込み効率は、書き込み動作が繰り返
される度に低下する。従って、メモリセルトランジスタ
に対する書き込み効率は、書き込み開始時点から書き込
み量が最大に達する直前まで、ほぼ均等に維持される。
【0019】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の不揮発性半導体
メモリ装置の第1の実施形態を示す回路図であり、図2
は、その動作を説明するタイミング図である。メモリセ
ルトランジスタ31は、図8に示すメモリセルトランジ
スタ11と同一構造であり、フローティングゲート及び
コントロールゲートを有し、フローティングゲートに注
入(蓄積)される電荷の量に応じてオン抵抗値を変動さ
せる。ワード線32は、メモリセルトランジスタ31の
コントロールゲートに接続され、ロウアドレス情報に応
答して立ち上げられる行選択クロックφLWが印加され
る。ビット線33は、ワード線32に交差する方向に配
置されてメモリセルトランジスタ31のドレイン側に接
続され、後述する比較回路35が接続される。ソース線
34は、ワード線32と平行に配置されてメモリセルト
ランジスタ31のソース側に接続され、書き込みクロッ
クφSWが印加される。これにより、メモリセルトランジ
スタ31は、ワード線32の電位に応答して活性化され
て、書き込み、読み出し及び消去の各動作毎にビット線
32及びソース線33から所定の電位の供給を受ける。
【0020】比較回路35は、ビット線33に接続さ
れ、ビット線33の電位VBLを記憶しようとする多値情
報に対応付けられる信号電位VINと比較し、比較出力C
0を出力する。書き込み/読み出し制御回路36は、ビ
ット線33に接続され、読み出しクロックφRに応答し
てビット線33に電源電位または接地電位を供給する。
即ち、読み出し動作において、ビット線33に電源電位
を印加することで、メモリセルトランジスタ31を通し
てソース線34側へ電流を流し、メモリセルトランジス
タ31のオン抵抗値をビット線電位VBLの変動として読
み出すようにしている。また、書き込み動作において
は、ビット線33を接地電位まで引き下げることによ
り、ソース線34に書き込みクロックφSWが印加された
ときにメモリセルトランジスタ31に書き込み電流が流
れるようにしている。また、読み出し/書き込み制御回
路36は、比較回路35の比較出力C0が反転するタイ
ミング、即ち、読み出し動作におけるビット線電位VBL
が信号電位VINに達した時点で書き込み動作を停止する
ように構成される。書き込み動作の停止は、メモリセル
トランジスタ31に流れる書き込み電流をしきい値以下
にすればよく、書き込みクロックφSWの供給停止、ビッ
ト線電位VBLの引き上げ、ワード線32の選択解除の何
れかにより可能である。
【0021】書き込みクロックφSWは、接地電位(例え
ば0V)と書き込み用の電源電位(例えば14V)とを
一定の周期で交互に繰り返す。読み出しクロックφR
は、接地電位と読み出し用の電源電位(例えば5V)と
を書き込みクロックφSWと同一の周期で交互に繰り返
す。この書き込みクロックφSWと読み出しクロックφR
とは、互いに1/2周期の位相差を有し、書き込みクロ
ックφSWが電源電位を示している期間は読み出しクロッ
クφRが接地電位を示し、逆に、読み出しクロックφRが
電源電位を示している期間は書き込みクロックφSWが接
地電位を示す。これにより、書き込みクロックφSWの立
ち上がりで書き込み期間Wが設定され、読み出しクロッ
クφRの立ち上がりで読み出し期間Rが設定される。
尚、回路動作の遅れによってビット線33及びソース線
34の両方に同時に電源電位が印加されることがないよ
うにするため、書き込みクロックφSWと読み出しクロッ
クφRとが共に接地電位となる期間が設定される。
【0022】行選択クロックφLWは、読み出し期間R
に、メモリセルトランジスタ31のコントロールゲート
をオンさせる固定値(例えば5V)となり、書き込み期
間Wに、メモリセルトランジスタ31への書き込み効率
の制御が可能な範囲の変動値(例えば2〜4V)とな
る。書き込み期間Wの行選択クロックφLWの電位につい
ては、書き込みを開始した時点で最も高く、書き込み動
作が繰り返される毎に低くなるように設定される。この
実施形態においては、図2に示すように、書き込み動作
が4回繰り返される毎に段階的に電位が低くなるように
設定される。また、行選択クロックφLWは、書き込み期
間Wと読み出し期間Rとの切り換えのタイミングで一時
的にメモリセルトランジスタ31を非選択の状態とする
ように、一旦接地電位まで引き下げられる。
【0023】ビット線電位VBLは、読み出しクロックφ
Rに同期し、読み出しクロックφRが下がっているときに
は接地電位となり、読み出しクロックφRが立ち上がっ
ているときにはメモリセルトランジスタ31のオン抵抗
値で決定される電位となる。書き込みクロックφSWの供
給によってメモリセルトランジスタ31への書き込みが
繰り返されると、メモリセルトランジスタ31のオン抵
抗値が上昇するため、読み出し動作時のビット線電位V
BLは、段階的に上昇する。そこで、このビット線電位V
BLが所望の信号電位VINを超えた時点で書き込みを停止
することで、読み出し動作時のビット線電位VBLを信号
電位VINと一致させることができる。
【0024】図3は、メモリセルトランジスタ31のコ
ントロールゲートに印加される電位と、メモリセルトラ
ンジスタ31の書き込み効率との関係を示す図である。
この図において、ISDは、書き込み動作においてメモリ
セルトランジスタ31のソース側からドレイン側へ流れ
る電流を表し、IFGは、そのときにフローティングゲー
トからドレイン側へ流れる電流を表す。これらの値につ
いては、メモリセルトランジスタ31のソース側を11
V、ドレイン側を0.8V、フローティングゲートを
9.5Vとしたときの実測値である。尚、フローティン
グゲートには、電位の固定及び電流の検出のための電極
が接続してある。
【0025】コントロールゲートの電位VCGを1.9〜
3.2Vの範囲で変化させたとき、電流ISDは、約10
∧-8A(∧はべき乗)から約10∧-5Aまで増加してい
る。これに対して、電流IFGは、コントロールゲートの
電位VCGが2.1V程度までは、約10∧-11Aから約
10∧-10Aまで増加しているが、電位VCGが2.2V
を超えたあたりから、約10∧-10Aでほぼ一定となっ
ている。この電流IFGは、単位時間当たりにフローティ
ングゲートに注入されるホットエレクトロンの数に相当
するものであることから、メモリセルトランジスタ31
の書き込み量を表している。従って、メモリセルトラン
ジスタ31に対する書き込み効率EWRは、各電流の比I
FG/ISDで表され、電位VCGに対しては、2.0〜3.
2Vの範囲において電位VCGの上昇と共に低下してい
る。
【0026】メモリセルトランジスタ31に対する通常
の書き込み動作は、ソース側からドレイン側へ流れる電
流ISDが一定になるように制御している。このため、コ
ントロールゲートの電位VCGの変化に対する書き込み効
率EWRが図3に示すような特性であれば、フローティン
グゲートからの電流IFGは、電位VCGの上昇に伴って減
少することになる。一方、コントロールゲートの電位V
CGが一定の場合、メモリセルトランジスタ31のフロー
ティングゲートの電位が、電荷の注入量に比例して低下
するため、書き込み量が多くなると、ドレイン側のホッ
トエレクトロンが加速されにくくなり、書き込み効率が
低下する。そこで、書き込み効率が高いままの書き込み
開始時点ではコントロールゲートの電位VCGを高く設定
し、書き込み動作が繰り返されて書き込み効率が低下す
るのに伴い、フローティングゲートの電位VCGを引き下
げるようにしている。これにより、フローティングゲー
トの電位の低下に伴う書き込み効率の低下が、コントロ
ールゲートの電位の低下に伴う書き込み効率の上昇によ
って補償され、書き込み効率がほぼ一定に維持されるよ
うになる。従って、書き込み動作と交互に繰り返される
読み出し動作時のビット線33の電位VBLは、図4に示
すように、書き込み動作の繰り返しに伴って接地電位か
ら電源電位まで、ほぼ一定の割合で変化する。コントロ
ールゲートの電位VCGを一定に維持した場合(破線表
示)と比較すると、書き込み回数が少ないときには、ビ
ット線電位VBLの変化率が低下しており、書き込み回数
が多くなったときには、ビット線電位VBLの変化率が高
くなっている。
【0027】以上のような装置においては、メモリセル
トランジスタに対する書き込み効率を広い範囲でほぼ一
定に維持することができるようなる。図5は、本発明の
不揮発性半導体メモリ装置の第2の実施の形態を示す回
路図である。この図においては、メモリセルトランジス
タ41が、4行×1列に配列された場合を例示してい
る。
【0028】複数のメモリセルトランジスタ41は、同
一列に配列されてメモリセル列を成す。各メモリセルト
ランジスタ41自体は、図1のメモリセルトランジスタ
31と同一のものである。複数のワード線42は、各メ
モリセルトランジスタ41のコントロールゲートにそれ
ぞれ接続され、行選択信号LS1〜LS4に応答して立
ち上げられる行選択クロックφLWが印加される。ビット
線43は、メモリセルトランジスタ41の配列方向(メ
モリセル列)に沿って配置され、各メモリセルトランジ
スタ41のドレイン側にそれぞれ接続される。ソース線
44は、ワード線32と平行に、各メモリセルトランジ
スタ41の間に配置され、各メモリセルトランジスタ4
1のソース側にそれぞれ接続される。このソース線44
は、共通に接続され、書き込みクロックφSWが印加され
る。これにより、各メモリセルトランジスタ41は、後
述する行選択信号LS1〜LS4に応答して活性化さ
れ、書き込み、読み出し及び消去の各動作毎にビット線
32及びソース線33から所定の電位の供給を受ける。
【0029】比較回路45及び書き込み/読み出し制御
回路46は、それぞれビット線43に接続される。比較
回路45は、図1の比較回路35と同一であり、ビット
線43の電位VBLを記憶情報に対応付けられる信号電位
VINと比較する。書き込み/読み出し制御回路46につ
いても、図1の書き込み/読み出し制御回路36と同一
であり、読み出しクロックφRに応答してビット線43
に電源電位または接地電位を供給する。
【0030】行選択トランジスタ47は、各ワード線4
2に接続され、行選択信号LS1〜LS4に応答して選
択的にオンすることにより、行選択クロックφLWをワー
ド線42の1つに供給する。行選択クロックφLW、書き
込みクロックφSW及び読み出しクロックφRは、図2と
同一であり、行選択トランジスタ47が特定の行でオン
した後の動作については、図1と同一である。
【0031】以上の実施形態においては、メモリセルト
ランジスタ41を1列だけ配置した場合を例示している
が、メモリセルトランジスタ41については、ビット線
43と共に複数列配置するようにしてもよい。その場
合、ワード線42及びソース線44については、各列で
同一行が共通に接続され、全ての列で同一行のメモリセ
ルトランジスタ41が同時に選択されるようになる。
尚、比較回路45及び書き込み/読み出し制御回路46
については、各列毎に独立に設けるか、あるいは、1組
だけ設けて、複数列の内の1列に選択的に接続すればよ
い。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、書き込み開始時点から
書き込み完了までの間で、メモリセルトランジスタに対
する書き込み特性をほぼ均等に維持することができるよ
うになる。従って、メモリセルトランジスタの動作範囲
を広く設定することが可能になり、結果的にメモリセル
トランジスタの分解能を向上できると共に、記憶情報の
多値化に有効となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の不揮発性半導体メモリ装置の第1の実
施形態を示す回路図である。
【図2】第1の実施形態の動作を説明するタイミング図
である。
【図3】メモリセルトランジスタの書き込み特性の実測
値を示す図である。
【図4】本発明の不揮発性半導体メモリ装置の書き込み
状態を説明する図である。
【図5】本発明の不揮発性半導体メモリ装置の第2の実
施形態を示す回路図である。
【図6】従来の不揮発性半導体メモリ装置のメモリセル
の構造を示す平面図である。
【図7】図6のX−X線の断面図である。
【図8】従来の不揮発性半導体メモリ装置の構成を示す
回路図である。
【図9】書き込みクロック及び読み出しクロックの波形
図である。
【図10】センスアンプの構成を示す回路図である。
【図11】従来の不揮発性半導体メモリ装置の書き込み
状態を説明する図である。
【符号の説明】
1 半導体基板 2 分離領域 3、3a、7 酸化膜 4 フローティングゲート 5 コントロールゲート 6d 第1拡散領域(ドレイン) 6s 第2拡散領域(ソース) 8 アルミニウム配線 9 コンタクトホール 11、31、41 メモリセルトランジスタ 12、32、42 ワード線 13、33、43 ビット線 14、34、44 ソース線 15 選択トランジスタ 16 データ線 21、22 読み出し負荷抵抗 23、24 電流アンプ 25 基準トランジスタ 26 低電位発生回路 27、35、45 比較回路 26 判定回路 36、46 読み出し/書き込み制御回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−329694(JP,A) 特開 平8−96591(JP,A) 特開 平7−169284(JP,A) 特開 平8−87895(JP,A) 特開 平10−275484(JP,A) 特開 平10−188586(JP,A) 特開 平10−275480(JP,A) 特表 平9−502041(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11C 16/00 - 16/34

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気的に独立したフローティングゲート
    及びこのフローティングゲートに少なくとも一部が重な
    るコントロールゲートを有し、フローティングゲートに
    蓄積される電荷の量に応じてオン抵抗値を変化させるメ
    モリセルトランジスタと、上記メモリセルトランジスタ
    のコントロールゲートに接続されるワード線と、上記メ
    モリセルトランジスタのソース側に接続されるソース線
    と、上記メモリセルトランジスタのドレイン側に接続さ
    れるビット線と、上記ワード線に所定の電位を与えて上
    記メモリセルトランジスタを活性化する第1の制御手段
    と、上記メモリセルトランジスタが活性化されたときに
    上記ソース線から上記メモリセルトランジスタを通して
    上記ビット線へ一定の電流を供給する第2の制御手段
    と、を備え、上記第1の制御手段は、上記メモリセルト
    ランジスタに対する書き込み動作が進むに従って上記ワ
    ード線に供給する電位を段階的に低くすることを特徴と
    する不揮発性半導体メモリ装置。
  2. 【請求項2】 上記ビット線から上記メモリセルトラン
    ジスタを介して上記ソース線へ電流を供給する第3の制
    御手段をさらに備え、上記第2の制御手段からの電流供
    給と上記第3の制御手段からのの電流供給とを交互に繰
    り返し、第3の制御手段の電流供給中に生じる上記ビッ
    ト線の電位が所望の電位に達した時点で第2の制御手段
    による電流供給を停止することを特徴とする請求項1に
    記載の不揮発性半導体メモリ装置。
  3. 【請求項3】 電気的に独立したフローティングゲート
    及びこのフローティングゲートに少なくとも一部が重な
    るコントロールゲートを有し、フローティングゲートに
    蓄積される電荷の量に応じてオン抵抗値を変化させる複
    数のメモリセルトランジスタと、上記複数のメモリセル
    トランジスタのコントロールゲートにそれぞれ接続され
    る複数のワード線と、上記複数のメモリセルトランジス
    タのソース側に共通に接続されるソース線と、上記複数
    のメモリセルトランジスタのドレイン側に共通に接続さ
    れるビット線と、行選択情報に従い、上記複数のワード
    線に対して、選択的に所定の電位を与えて上記メモリセ
    ルトランジスタを活性化する第1の制御手段と、上記複
    数のメモリセルトランジスタの1つが活性化されたとき
    に上記ソース線から活性化された上記メモリセルトラン
    ジスタを通して上記ビット線へ一定の電流を供給する第
    2の制御手段と、を備え、上記第1の制御手段は、上記
    メモリセルトランジスタに対する書き込み動作が進むに
    従って上記複数のワード線に供給する電位を段階的に低
    くすることを特徴とする不揮発性半導体メモリ装置。
  4. 【請求項4】 上記ビット線から活性化された上記メモ
    リセルトランジスタを介して上記ソース線へ電流を供給
    する第3の制御手段をさらに備え、上記第2の制御手段
    の電流供給と上記第3の制御手段の電流供給とを交互に
    繰り返し、第3の制御手段の電流供給中に生じる上記ビ
    ット線の電位が所望の電位に達した時点で第2の制御手
    段の電流供給を停止することを特徴とする請求項3に記
    載の不揮発性半導体メモリ装置。
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