JP3432232B2 - ハイブリッド車用空調装置 - Google Patents
ハイブリッド車用空調装置Info
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Description
エンジンに加えて電気モータを備えた車両に用いられる
ハイブリッド車用空調装置に関する。
力を得るエンジンに加えて、電気によって駆動力を得る
電気モータが併設されたハイブリッド車が提案されてい
る。このハイブリッド車は、エンジンを停止させても、
予め充電されるかエンジンによって走行中に発電して充
電しているバッテリーから供給する電力によって電気モ
ータを駆動して走行することができる。
調装置(エアコン)においても、車室内の空調を行うと
きには、コンプレッサを駆動する必要がある。このため
に、特開平6−286459号公報では、エンジンが停止して
いるときにエアコンのスイッチを操作することにより、
エンジンを始動させて、エンジンの駆動力によってコン
プレッサを駆動するようにしている。
の専用のモータが不要となり、また、電気モータの駆動
力や電気モータを作動させるためのバッテリーの電力を
用いることなく、エアコンを作動させることができる。
ときにエンジンを始動させる必要が生じる。このため
に、エンジンの駆動力がコンプレッサの駆動にのみ用い
られることになり燃費が悪化してしまうと共に、動力の
利用効率も極めて低くなってしまうという問題がある。
レッサを駆動するための専用の駆動手段を設けることな
くエンジン又はエンジンと電気モータの駆動力を効率的
に利用して空調をハイブリッド車用空調装置を提案する
ことを目的とする。
えたハイブリッド車に設けられ、コンプレッサ及びエバ
ポレータを含んで形成された冷凍サイクルによって車室
内の空調を行うハイブリッド車用空調装置であって、前
記エンジン及び前記電気モータのそれぞれに設けられて
いる駆動軸と、前記エンジン及び電気モータの駆動軸に
連結されエンジンないし電気モータを駆動源として、該
駆動源に同期して回転される出力軸と、前記出力軸と前
記コンプレッサの駆動軸とを接続し出力軸の駆動力をコ
ンプレッサに伝達する駆動力伝達手段と、エンジンの停
止中に電気モータの駆動により回転させてコンプレッサ
を駆動する出力軸と一体に回転させるエンジンの駆動軸
の回転時の負荷を軽減する負荷軽減手段と、を含む。
とコンプレッサの駆動軸とが接続されて、出力軸の駆動
力をコンプレッサへ伝達する。また、エンジンの停止中
に電気モータの駆動により回転させてコンプレッサを駆
動する出力軸と一体に回転させるエンジンの駆動軸の回
転時における負荷を、負荷軽減手段によって軽減し、こ
の駆動負荷の軽減によって生じた余力によってコンプレ
ッサを駆動する。
ジンの停止中にバルブを開放するバルブ開放手段であ
る。
は、エンジンのシリンダ内の空気を圧縮させる必要があ
るために極めて負荷が高く、エンジンの駆動軸を回転さ
せるためには、極めて大きな駆動力を必要とする。これ
に対して、駆動負荷軽減手段が、例えばエンジンのシリ
ンダ内への給排気を行うためのバルブを開放したり、エ
ンジンのシリンダ内に供給される空気の経路を開閉する
スロットルバルブを開放するなどの処置を行うようにす
れば、エンジンのシリンダ内で空気が圧縮されたり、吸
気抵抗が大きくなるのを抑えることができ、駆動軸を回
転するための負荷を軽減することができる。
より回転させてコンプレッサを駆動する出力軸と一体に
回転させるエンジンの駆動軸の回転時における負荷を、
負荷軽減手段によって軽減すれば、電気モータの駆動力
を用いてコンプレッサを駆動することができる。これに
よっても、前記したようにコンプレッサを駆動するため
の専用の駆動手段を設ける必要がなく、また、コンプレ
ッサを駆動するためにエンジンを始動する必要がないた
め、エンジンを駆動することによる燃料の消費を抑える
ことができる。
ータを備え、エンジン作動時、電気モータを用いずにエ
ンジンの駆動力によって走行し、エンジン停止時、電気
モータの駆動力によって走行するハイブリッド車に設け
られ、コンプレッサ及びエバポレータを含んで形成され
た冷凍サイクルによって車室内の空調を行うハイブリッ
ド車用空調装置であって、前記走行用の電気モータとは
別に、前記ハイブリッド車に設けられている複数の補機
を駆動する補機モータと、前記複数の補機及び前記前記
コンプレッサの駆動軸へ前記エンジンの駆動力及び前記
補機モータの駆動力を伝達可能な第2の駆動力伝達手段
と、前記エンジンの駆動軸と前記第2の駆動力伝達手段
とを断続する駆動力断続手段と、前記エンジンが作動し
ているときには前記第2の駆動力伝達手段によってエン
ジンの駆動力を補機およびコンプレッサに伝達しエンジ
ンにより駆動し、エンジンが停止しているときに前記駆
動力断続手段によって前記エンジンの駆動軸と前記第2
の駆動力伝達手段とを切り離すと共に、前記補機モータ
により前記コンプレッサを含む複数の補機を駆動させる
制御手段と、を含む。
の駆動力伝達手段によってエンジンの駆動力が、コンプ
レッサを含む補機に伝達される。また、エンジンが停止
しているときには、駆動力断続手段によってエンジンの
駆動軸と第2の駆動伝達手段が切り離され、補機モータ
の駆動力によってコンプレッサが駆動される。
を含む補機もエンジン駆動力により駆動し、エンジン停
止時は、走行用の電気モータとは別に設けられた補機モ
ータによってハイブリッド車に設けられる他の補機と同
様にコンプレッサを駆動することができる。
ながら詳細に説明する。 (第1の実施の形態) 図1には、第1の実施の形態に適用した車両用空調装
置(以下「エアコン10」という)の概略構成が示されて
おり、図2には、エアコン10が設けられる車両の一例で
あるハイブリッド車12の一部の概略が示されている。
ハイブリッド車12は、走行用の動力源としてエンジン14
に加えて電気モータ16が設けられており、互いに出力軸
18へ直接または間接的に連結されている。図2では、一
例として、電気モータ16の駆動軸が出力軸18となるよう
に出力軸18が電気モータ16に連結され、この出力軸18に
エンジン14の駆動軸14Aが連結されている。これにより
出力軸18は、エンジン14または電気モータ16によって回
転駆動されるようになっている。電気モータ16は、例え
ば予め充電された図示しないバッテリーが走行開始前に
取付けられ、このバッテリーから供給される電力によっ
て駆動される。
ンプレッサ20が設けられている。このコンプレッサ20の
駆動軸20Aには、プーリ22が取付けられており、このプ
ーリ22とエンジン14の駆動軸14Aに設けられているプー
リ24との間に無端のVベルト26が巻き掛けられている。
コンプレッサ20には、エンジン14が始動されることによ
りVベルト26を介して駆動力が伝達されるようになって
いる。
サ20、コンデンサ28及びエバポレータ30を含んだ冷媒の
循環路によって冷凍サイクルが形成されている。エバポ
レータ30は、コンプレッサ20によって圧縮されて液化さ
れた冷媒が供給され、この冷媒が減圧されて気化するこ
とにより、車室内へ吹き出される空気が冷却される。
ッサ20の能力を制御することにより調節されるようにな
っている。また、エバポレータ30には、冷却された空気
中の水分が結露して付着するようになっており、エアコ
ン10では、冷房時は勿論暖房時でもコンプレッサ20を所
定の能力で運転することにより除湿を行うことができ
る。
いる。この空調ダクト32には、ブロワファン34が設けら
れている。このブロワファン34の回転によって外気ない
し車室内の内気が空調ダクト32内に吸引されてエバポレ
ータ30へ向けて送風され、循環される冷媒によって冷却
されているエバポレータ30によって冷却、除湿が行われ
る。
熱放熱器(以下「放熱器36」という)及びヒータコア38
が設けられている。エバポレータ30を通過した空気は、
放熱器36及びヒータコア38を通過して、図示しない吹出
し口から車室内へ吹き出される。
管40A、40Bが接続されており、一方の温水配管40Aの中
間部には電動ポンプ42が設けられている。この電動ポン
プ42の駆動によってエンジン14の冷却水がヒータコア38
へ供給されるようになっている。ヒータコア38は、この
冷却水を冷媒として、ヒータコア38を通過する空気を加
熱するようになっている(以下冷却水を「水冷媒」とい
う)。 【0023】 このヒータコア38に接続されている他方の温水配管40
Bは、中間部に設けられている一対の分岐配管44A、44B
によって分岐されている。それぞれの分岐配管44A、44B
には、流路切換バルブ46、48が対で設けられており、こ
れらの流路切換バルブ46、48の間に蓄熱タンク50が接続
されている。蓄熱タンク50は、流路切換バルブ46、48の
作動によって分岐配管44A、44Bを介して温水配管40Bに
連通されることにより、エンジン14によって加熱されな
がら循環される水冷媒が供給されるようになっている。
が充填されており、エンジン14との間で循環される水冷
媒が通過することにより、この水冷媒によって蓄熱材が
加熱される。蓄熱タンク50は、蓄熱材の温度が保温材に
よって保温されて維持される。また、エンジン14を停止
したときに、電動ポンプ42を作動させて、ヒータコア38
へ供給する水冷媒がこの蓄熱タンク50を通過するとき
に、蓄熱材との間で熱交換が行われて加熱されるように
なっている。これによって、エンジン14の停止中でもと
ヒータコア38を通過する空気を加熱して車室内の暖房を
行う水暖房サイクルが構成されている。
30とコンプレッサ20との間には、水冷媒熱交換器52が取
付けられている。この水冷媒交換器52は、エバポレータ
30を通過した冷媒が供給され、この冷媒がさらに減圧さ
れることにより冷却されるようになっている。
れている、一方の冷水配管54Bは、水冷倍熱交換器52に
接続されており、他方の冷水配管54Bは、流路切換バル
ブ48に接続され、かつ、中間部に電動ポンプ56が取付け
られている。また、水冷媒熱交換器52は、流路切換バル
ブ46と冷水配管54Cによって接続されており、流路切換
バルブ46、48によって蓄熱タンク50への流路が切り換え
られることにより、蓄熱タンク50、水冷媒熱交換器52及
び放熱器36との間で水冷媒を循環させる循環路が形成さ
れるようになっている。
循環を行うことにより水冷媒熱交換器52を通過するとき
に、冷却された水冷媒が蓄熱タンク50へ供給される。蓄
熱タンク50は、この水冷媒が通過するときに蓄熱材が冷
却されるようになっている。また、電動ポンプ56の作動
によって放熱器36へ蓄熱タンク50を通過した水冷媒をを
供給するときに、この水冷媒が蓄熱タンク50内の蓄熱材
に冷却される。これにより、蓄熱タンク50で冷却された
水冷媒が放熱器36へ供給され、放熱器36を通過する空調
ダクト32内の空気が冷却される水冷房サイクルが形成さ
れている。
設けられている。このエアコンECU60は、外気温度、室
内温度等を検出しながら図示しない操作パネルの操作状
態(運転条件の設定)に応じてコンプレッサ20、ブロワ
ファン34等の作動を制御して、冷暖房ないし除湿を行っ
た空気を車室内へ吹出して、車室内を所望の空調状態に
維持する一般的構成となっており、詳細な構成の図示及
び説明は省略する。
ている。この水冷媒制御回路62は、エアコンECU60及び
エンジン14を制御する図示しないエンジンECUに接続さ
れている。また、水冷媒制御回路62には、流路切換バル
ブ46、48及び電動ポンプ42、56が接続されている。
コン10の運転状況と共に、外気温度、内気温度等の環境
条件に応じた信号が入力されるようになっており、ま
た、エンジンECUからエンジン14の運転状態を示す信号
が入力される。水冷媒制御回路62は、これらの種々の信
号に基づいて流路切換バルブ46、48及び電動ポンプ42、
56を制御している。
フローチャートを参照しながら説明する。これらのフロ
ーチャートは、水冷媒制御回路62の作動の一例を示して
いる。
うための一例を示しており、最初のステップ100では、
エンジン14が始動(オン)されているか否か、すなわち
ハイブリッド車12がエンジン14によって走行しているか
否かの確認を行う。ここで、エンジン14が始動されてい
ると肯定判定されてステップ102へ移行する。このステ
ップ102では、エアコン10がオンされているか否かの確
認を行っている。
102で肯定判定)には、ステップ104へ移行して、冷房モ
ードであるか暖房モードであるかの確認を行う。また、
エアコン10がオンされていないとき(ステップ102で否
定判定)には、ステップ106へ移行して外気温度等の環
境条件を測定し、ステップ108で測定した外気温度等の
環境条件から、エアコン10を冷房モードで運転する可能
性があるか暖房モードで運転する可能性があるかの判断
を行う。例えば、外気温度または室内温度が高い夏季期
間では、エアコン10が冷房モードで運転される可能性が
高く、外気温度または室内温度が低くなる冬季期間で
は、エアコン10が暖房モードで運転される可能性が高く
なる。ここから、外気温度または室内温度が予め設定し
ている所定値を越えているか否か等から、エアコン10が
冷房モードで運転される可能性があるか暖房モードで運
転される可能性があるかを判断することができる。
ている(ステップ104で肯定判定)か、冷房モードで運
転する可能性があるとき(ステップ108で肯定判定)に
は、ステップ110へ移行して、流路切換バルブ46、48を
操作して、蓄熱タンク50を冷水配管54B、54Cに接続する
と共に電動ポンプ56を作動させる。これによって、水冷
媒熱交換器52と蓄熱タンク50との間で水冷媒の循環が開
始される。
力がVベルト26を介してコンプレッサ20に伝達されて、
コンプレッサ20の駆動軸20Aが回転される。これによっ
て、コンプレッサ20から圧縮されて吐出された冷媒が、
水冷媒熱交換器36へ供給され、水冷媒熱交換器36を循環
される水冷媒が冷却される。この水冷媒熱交換器36で冷
却された水冷媒は、蓄熱タンク50へ送られ蓄熱タンク50
内の蓄熱材を冷却する。これによって、冷房用の熱が蓄
熱タンク50に貯えられる。
テップ104で否定判定)か、暖房モードで運転する可能
性があるとき(ステップ108で否定判定)には、ステッ
プ112へ移行して、流路切換バルブ46、48を操作して、
蓄熱タンク50を、温水配管40Bから分岐されている分岐
配管44A、44Bに接続すると共に電動ポンプ42を作動させ
る。これによって、エンジン14によって加熱された水冷
媒の循環が開始され、エンジン14から蓄熱タンク50へ加
熱された水冷媒が供給される。蓄熱タンク50では、エン
ジン14から、エンジン14を冷却して高温となっている水
冷媒が通過することにより、内部の蓄熱材が加熱され
て、暖房用の熱が貯えられる。
はステップ116でエンジン14が停止されたことを確認す
るまで継続される。なお、エンジン14が停止されたとき
には、ステップ118で流路切換バルブ46、48を閉止し
て、蓄熱タンク50からの水冷媒の流出等を防止するよう
にしても良い。また、蓄熱タンク50への蓄熱動作の終了
は、例えば、温度センサ等によって蓄熱タンク50内の蓄
熱材の温度を検出し、所定温度となったときまたは、温
度変化がなくなったときに終了するようにしても良い。
て使用する一例を示している。このフローチャートの最
初のステップ120では、エアコン10がオンされているか
否かの確認を行い、また、次のステップ122では、エン
ジン14が始動(オン)されているか否かの確認を行って
いる。
冷却水の熱と、エンジン14によって駆動されるコンプレ
ッサ20を用いた、通常の空調運転が可能であるので、ス
テップ122で肯定判定されると、ステップ124へ移行して
エアコン10の通常運転を開始させる。
定)、かつエンジン14が停止しているとき(ステップ12
2で否定判定)には、ステップ126へ移行して、蓄熱タン
ク50を熱源としてエアコン10を運転させることができる
か否かの確認を行う。エアコン10の運転モードと蓄熱タ
ンク50に貯えられている熱が一致したとき、すなわち、
蓄熱タンク50に冷房用の熱が貯えられている状態でエア
コン10が冷房モードに設定されているとき、及び蓄熱タ
ンク50に暖房用の熱が貯えられている状態でエアコン10
が暖房モードに設定されているときには、このステップ
126で肯定判定されて、ステップ128へ移行する。
暖房用の熱源が貯えられているときには、ステップ128
で否定判定されて、ステップ130へ移行する。これによ
って、流路切換バルブ46、48が操作されて蓄熱タンク50
と分岐配管44A、44Bが接続されると共に、電動ポンプ42
が作動され、蓄熱タンク50とヒータコア38との間で水冷
媒の循環が開始される。循環される水冷媒は、蓄熱タン
ク50を通過したときに蓄熱材によって加熱されてヒータ
コア38へ送られる。ヒータコア38へ送られた水冷媒は、
ヒータコア38を通過する空調ダクト32内の空気を加熱す
る。これによって、空調ダクト32から加熱された空気が
吹出されて、車室内の暖房が行われる。
には、ステップ128で肯定判定されてステップ132へ移行
する。これによって、流路切換バルブ46、48が蓄熱タン
ク50を冷水配管54B、54Cに接続すると共に、電動ポンプ
56が作動され、蓄熱タンク50と放熱器36との間での水冷
媒の循環が開始される。電動ポンプ56の作動によって蓄
熱タンク50から放熱器36へ送られる水冷媒は、蓄熱タン
ク50を通過するときに内部の蓄熱材によって冷却されて
放熱器36へ送られる。放熱器36へ供給された水冷媒は、
放熱器36を通過する空気を冷却する。これによって、車
室内は、放熱器36で冷却された空気が吹出されて冷房さ
れる。
は、ステップ134またはステップ136でエアコン10がオン
されていることを確認して継続され、エアコン10がオフ
されると、ステップ138へ移行し、電動ポンプ42または
電動ポンプ56を停止させて終了する。なお、水冷媒制御
回路62では、このフローチャートが実行されているとき
に、エンジン14が始動されたか否かを監視し、エンジン
14が始動されると、蓄熱タンク50を熱源として用いる暖
房及び冷房を中止して、蓄熱タンク50への新たな蓄熱を
開始するようになっている。
ているときに、蓄熱タンク50に、空調用の熱を蓄熱し、
エンジン14が停止しているときに、エアコン10が運転さ
れると、この蓄熱タンク50に貯えている熱によって車室
内の冷房または暖房を行うようにしているため、エンジ
ン14を停止しているときにも車室内の空調が可能となっ
ている。また、エンジン14が停止しているときに車室内
の空調を行うためのコンプレッサ20を運転する専用の動
力源を設ける必要がなく、コンプレッサ20を運転するた
めに電気モータ16を作動させることがないため、バッテ
リーに必要以上に大きな負担をかけることがない。
媒の循環経路を流路切換バルブ46、48によって切り換え
て、蓄熱タンク50に冷房用または暖房用の熱を貯えるよ
うにしたが、暖房用及び冷房用に別々に蓄熱タンクを設
けても良い。これによって、環境条件等にかかわらず冷
暖房運転のいずれも選択することができ、乗員の好みに
応じた空調(冷暖房)が可能となる。
造に限らず、例えば、加熱または冷却された水冷媒を貯
留し、必要に応じて貯留している水冷媒が流出する構造
であってもよく、蓄熱及び放熱を効率的に行うことがで
きる種々の構造を適用することができる。
水冷媒制御回路62を設けて説明したが、水冷媒制御回路
62の機能をエアコンECU60に合わせ持たせてもよい。 (第4の実施の形態) 次に本発明の第4の実施の形態を説明する。
エアコン72は、エンジン14が駆動されているときに、エ
ンジン14の熱を利用して暖房を行うことができる。ま
た、エンジン14が停止したときには、電動ポンプ42を作
動させることによりエンジン14が駆動しているときに蓄
熱タンク66に蓄積したエンジン14の熱を用いて暖房を行
うことができるようになっている。
電気モータ16のそれぞれが直結されている出力軸18から
駆動力を受けて回転されるようになっている。
制御しているエンジンECU74が接続されている。なお、
エンジンECU74は、従来公知のエンジンの制御方法に基
づいて作動してエンジン14を制御する一般的構成となっ
ており、本実施の形態では、本発明に関わる構成のみを
説明する。
置78が接続されており、図示しないアクセルペダルの操
作に応じてスロットル弁76を操作すると共に、スロット
ル弁76の開度及びエンジン14の運転状態に応じて燃料噴
射装置78を作動させ、エンジン14の各気筒へ適切な量の
空気と燃料を供給するようになっている。
82を開放するバルブ開放手段84が設けられている。この
バルブ開放手段84はエンジンECU74に接続されており、
エンジンECU74からの操作信号に基づいて吸気バルブ80
及び排気バルブ82を開放するようになっている。
開放されると共にスロットル弁76が全開状態となると、
ピストンがシリンダ内を往復移動するときの吸気及び排
気抵抗が減少される。これによってエンジン14が停止し
ているときの駆動軸14Aを小さい駆動力で回転すること
ができる。
湿時にエンジン14が停止しかつ電気モータ16が駆動中
に、冷房ないし除湿運転が指示(図示しない操作パネル
で冷房または除湿が設定)されると、エンジンECU74へ
バルブ開放信号を出力する。エンジンECU74では、バル
ブ開放信号が入力されると、スロットル弁76を全開とす
ると共に、吸気バルブ80及び排気バルブ82を開放する。
なお、このとき、燃料噴射装置78からの燃料の噴射は禁
止されていることは言うまでもない。また、このスロッ
トル弁76、吸気バルブ80及び排気バルブ82の開放は、エ
アコン72の運転時のみならずエンジン14の停止中ないし
電気モータ16の駆動中に行うものであってもよい。
コンプレッサ20が回転されて運転される。このとき、電
気モータ16には、エンジン14の駆動軸14Aを回転させる
ための大きなフリクションを受けることがないので、コ
ンプレッサ20を駆動させることができる。
72を運転させるときに、エンジン14を作動させる必要が
なく、エンジン14を始動させることによって発生する燃
費の悪化を防止することができる。また、エンジン14を
停止させた状態でコンプレッサ20を駆動するための専用
の駆動手段を設ける必要がないので、エアコン72を運転
するための部品を増やす必要がない。
モータ16の駆動軸とエンジン14の駆動軸の間に大きなト
ルクの断続を行なうクラッチを設ける方法が考えられる
が、このような特別な部品を設ける必要がない。 (第5の実施の形態) エンジン14が停止中にエンジン14を始動させることな
く、コンプレッサ20を駆動する方法は、以上説明した第
1及び第4の実施の形態に限るものではない。以下、図
10を参照しながら第5の実施の形態として説明する。
プ等の複数の補機を設ける必要があり、エンジン14が停
止しているときにも、これらの補機を駆動する必要があ
る。図10に示されるように、エアコン86のコンプレッサ
20は、オルタネータ88及びパワーステアリング用ポンプ
90と共に、補機モータ92の駆動力によって駆動されるよ
うになっている。
92Aと、オルタネータ88の駆動軸に取付けられたプーリ8
8A、パワーステアリング用ポンプの駆動軸に取付けられ
ているプーリ90A及びコンプレッサ20のプーリ22の間
に、Vベルト94か巻き掛けられ、補機モータ92の駆動力
によって回転するようになっている。
きにもエンジン14を始動させることなくコンプレッサ20
を駆動することができる。また、コンプレッサ20を駆動
するための専用の駆動手段を設けるのではなく、複数の
補機を並行して駆動するので、コンプレッサ20のみなら
ずそれぞれの補機を駆動するための駆動手段を個別に設
ける必要がない。
動することにより、電気モータ16を駆動するための電力
の電圧と異なる電圧を発生させることができる。通常、
電気モータ16は大きな駆動力を必要とするために、使用
電圧が高くなっており(例えば約288V)、このため、エ
アコンECU60等の機器を作動させるためには、DC/DCコン
バータ等を用いて適当な電圧(例えば12V)に変圧する
必要がある。これに対して、オルタネータ88を設けるこ
とにより、この電圧(12V)の電力を直接発電すること
ができるので、高価なDC/DCコンバータが不要となる効
果も得られ、ハイブリッド車に用いる部品コストの低減
を図ることができる。 (第6の実施の形態) 次に第6の実施の形態として、補機モータ92を用いた
車両用空調装置の一例を、図11A、図11B及び図12を参照
しながら説明する。なお、第6の実施の形態の基本的構
成は、前記した第5の実施の形態と同一であり、同一の
部品には同一の符号を付与してその説明を省略してい
る。
ンプレッサ20には、駆動軸20Aにプーリ22が取付けられ
ている。また、エンジン202の近傍には補機モータ92が
設けられ、この補機モータ92のプーリ92A、コンプレッ
サ20のプーリ22及びエンジン202のクランクシャフト228
に取付けられているプーリ230との間には、第2の駆動
力伝達手段としてVベルト252が巻き掛けられている。
ンジン202に取付けられているウォータポンプ254が設け
られており、このウォータポンプ254か駆動されること
により、ヒータコア38へエンジン202の冷却水が供給さ
れ、車室内の暖房が可能となる。
いるプーリ256へも、Vベルト252が巻き掛けられてお
り、エンジン202の駆動力又は補機モータ92の駆動力に
よって駆動可能となっている。なお、補機モータ92に
は、パワーステアリング用ポンプ90等の他の補機も接続
されており(図11Aでは図示省略)、エンジン202の駆動
力によってプーリ92Aが回転されると、これらの他の補
機へも回転力が伝達されるようになっている。
には、駆動力断続手段としてクランククラッチ258が設
けられており、コンプレッサ20の駆動軸20Aには、コン
プレッサクラッチ260が設けられている。クランククラ
ッチ258は、エンジン202のクランクシャフト228とプー
リ230が相対回転可能となるように切り離し、また、コ
ンプレッサクラッチ260は、コンプレッサ20の駆動軸20A
とプーリ22を相対回転可能となるように切り離す。
は、エアコンECU238に接続されており、また、補機モー
タ92もエアコンECU238に制御されて駆動可能となってい
る。
ジン202の運転状態に応じて補機モータ92、クランクク
ラッチ258及びコンプレッサクラッチ260を制御するよう
になっている。
コン250を作動させるときの、コンプレッサ20等の駆動
源の切換を説明する。
ジン202が始動(オン)しているか否かを確認し、エン
ジン202がオンしているときには(肯定判定)、ステッ
プ152へ移行して、クランククラッチ258をオン〈接続)
すると共に、補機モータ92を停止(オフ)させる。これ
によって、Vベルト252がエンジン202の駆動力によって
回転駆動され、ウォータポンプ254や補機モータ92に接
続されている他の補機がエンジン202の駆動力によって
駆動される。
か、すなわち、コンプレッサ20を駆動する必用があるか
否かを確認している。ここで、エアコン250がオンされ
ており、コンプレッサ20を駆動する必用があるときには
(ステップ154で肯定判定)、ステップ156へ移行してコ
ンプレッサクラッチ260をオンする。これによって、エ
ンジン202の駆動力がコンプレッサ20へ伝達され、コン
プレッサ20がエンジン202の駆動力によって駆動され
る。
ち、コンプレッサ20を駆動する必用のないときには(ス
テップ154で否定判定)、ステップ158へ移行して、コン
プレッサクラッチ260をオフする。これによって、コン
プレッサ20は駆動されないが、ウォータポンプ254が駆
動されるため、暖房が可能となる。また、補機モータ92
に接続されている他の補機もエンジン202の駆動力によ
って駆動される。
で否定判定)には、ステップ160へ移行して、クランク
クラッチ258をオフしてクランクシャフト228とプーリ23
0を切り離す。
か否かを確認し、エアコン250がオンされているとき
(肯定判定)には、ステップ164へ移行して、コンプレ
ッサクラッチ260をオンすると共に、補機モータ92を駆
動(オン)する。これによって、補機モータ92の駆動力
が、コンプレッサ20及びウォータポンプ254へ伝達さ
れ、補機モータ92の駆動力によってエアコン250が運転
される。
プ162で否定判定)には、ステップ166へ移行して、コン
プレッサクラッチ260をオフし、次のステップ168では、
暖房運転中か、すなわち暖房運転を行うか否かを判断す
る。
定)には、ステップ170へ移行して、補機モータ92を駆
動する。これによって、補機モータ92の駆動力がVベル
ト252を介してウォータポンプ254へ伝達され、エンジン
202の冷却水がヒータコア38へ供給される。このとき、
クランククラッチ258及びコンプレッサクラッチ260かオ
フされているため、補機モータ92に不必要な負荷がかか
ることがない。
否定判定)には、ステップ172へ移行して、補機モータ9
2を停止させておく。このとき、補機モータ92に連結さ
れている他の補機を運転する必用があれは、補機モータ
92を運転させれば良い。
においても、コンプレッサ20を駆動するための専用のモ
ータを用いる必要がないと共に、エンジン202を始動さ
せる必要がなく、エンジン202によってコンプレッサ20
を駆動することによる燃費の悪化を防止することができ
る。また、暖房のためにヒータコア38へ冷却水を供給す
るための電動ポンプ42を設ける必要がないので、部品の
削減及びコストダウンを図ることができる。
イブリッド車を一時停止させると共にエンジン202を停
止させても、補機モータ92による車室内の空調が可能と
なる。
止(短時間の停止)させたときにエンジンも停止させる
ことがあるが、このときにも車室内の空調を停止させる
必要がなくなる。これは、ハイブリッド車に限らず、走
行のための駆動源として電気モータを備えていない一般
的車両にも適用可能とである。
切換は、これに限るものではない。例えば図11Cに示さ
れるように、コンプレッサ20の駆動軸20Aに、ダブルプ
ーリクラッチ206を用い、プーリ216と補機モータ92のプ
ーリ92Aとの間にVベルト262を巻き掛け、他方のプーリ
218とプーリ230及びプーリ256との間にVベルト264を巻
き掛けるようにしても良い。
機モータ92によってエアコン250を運転(暖房を含む)
するときにダブルプーリ206をオンすれば良い。また、
エアコン250を運転しないときには、ダブルプーリクラ
ッチ206をオフすれば、必要に応じて他の補機のみを補
機モータ92で駆動することが可能となる。
ECU238を用いたが、クランククラッチ258、コンプレッ
サクラッチ260及び補機モータは、エンジンECUによって
制御されても良く、また、専用のコントローラを設けて
も良い。
明したが、電気モータを用いずにエンジンの駆動力によ
って走行する種々の構成の車両に適用することが可能で
ある。エンジンを駆動源として走行する車両には、停車
時にエンジンを停止させることにより燃費の向上と共に
排気ガスの排出を抑える所謂エコノミーランシステムが
提案されている。このエコノミーランシステムを用いた
ときに、エンジンを停止するとコンプレッサの駆動も停
止する。このとき、本発明を適用することにより、車室
内の空調を停止させることなく、車室内を快適な空調状
態に保つことができる。
/スターターモータを用いることができる。このオルタ
ネータ/スターターモータは、エンジンを始動するとき
にスターターモータとして作動し、エンジンの運転中
は、エンジンの駆動力によって発電するオルタネータと
して作動する。
に、オルタネータ/スターターモータによって発電/充
電を行いながら、コンプレッサを駆動して車室内の空調
を行うことができる。
止したときには、エンジンとオルタネータ/スターター
モータを切り離して、かつ、オルタネータ/スターター
モータを電気モータとして駆動する。これによって、オ
ルタネータ/スターターモータの駆動力がエンジンへ伝
達されることなく、コンプレッサへ伝達されるので、コ
ンプレッサを用いた車室内の空調が可能となる。
サ20を駆動して、車室内の空調を行うことができる。
用した冷房ないし暖房が可能である。また、本発明は、
エンジンを始動させることなく電気モータによるコンプ
レッサの駆動が可能であり、エンジンの駆動力によって
走行する車両は勿論、エンジンに加えて電気モータの駆
動力によって走行するハイブリッド車用空調装置として
有用である。 [図面の簡単な説明]
る。
ンと電気モータの配置を示す概略構成図である。
概略構成図である。
概略構成図である。
略構成図であり、(B)は、図11Aに基づいた駆動力の
伝達を示す概略構成図であり、(C)は、図11Bと異な
る駆動力の伝達の他の一例を示す概略構成図である。
ローチャートである。
置) 12 ハイブリッド車 14、202 エンジン 14A 駆動軸 16 電気モータ 18 出力軸 20 コンプレッサ 20A 駆動軸 22、24 プーリ(駆動力伝達手段) 26 Vベルト(駆動力伝達手段) 30 エバポレータ 74 エンジンECU(負荷軽減手段) 84 バルブ開放手段(負荷軽減手段) 92 補機モータ 238 エアコンECU(制御手段) 252 Vベルト(第2の駆動力伝達手段) 258 クランククラッチ(駆動力断続手段)
Claims (3)
- 【請求項1】走行用としてエンジン及び電気モータを備
えたハイブリッド車に設けられ、コンプレッサ及びエバ
ポレータを含んで形成された冷凍サイクルによって車室
内の空調を行うハイブリッド車用空調装置であって、 前記エンジン及び前記電気モータのそれぞれに設けられ
ている駆動軸と、 前記エンジン及び電気モータの駆動軸に連結されエンジ
ンないし電気モータを駆動源として、該駆動源に同期し
て回転される出力軸と、 前記出力軸と前記コンプレッサの駆動軸とを接続して出
力軸の駆動力をコンプレッサに伝達する駆動力伝達手段
と、 エンジンの停止中に電気モータの駆動により回転させて
コンプレッサを駆動する出力軸と一体に回転させるエン
ジンの駆動軸の回転時の負荷を軽減する負荷軽減手段
と、 を含むハイブリッド車用空調装置。 - 【請求項2】走行用としてエンジン及び電気モータを備
え、エンジン作動時、電気モータを用いずにエンジンの
駆動力によって走行し、エンジン停止時、電気モータの
駆動力によって走行するハイブリッド車に設けられ、コ
ンプレッサ及びエバポレータを含んで形成された冷凍サ
イクルによって車室内の空調を行うハイブリッド車用空
調装置であって、 前記走行用の電気モータとは別に、前記ハイブリッド車
に設けられている複数の補機を駆動する補機モータと、 前記複数の補機及び前記前記コンプレッサの駆動軸へ前
記エンジンの駆動力及び前記補機モータの駆動力を伝達
可能な第2の駆動力伝達手段と、 前記エンジンの駆動軸と前記第2の駆動力伝達手段とを
断続する駆動力断続手段と、 前記エンジンが作動しているときには前記第2の駆動力
伝達手段によってエンジンの駆動力を補機およびコンプ
レッサに伝達しエンジンにより駆動し、エンジンが停止
しているときに前記駆動力断続手段によって前記エンジ
ンの駆動軸と前記第2の駆動力伝達手段とを切り離すと
共に、前記補機モータにより前記コンプレッサを含む複
数の補機を駆動させる制御手段と、 を含むハイブリッド車用空調装置。 - 【請求項3】前記負荷軽減手段が前記エンジンの停止中
にエンジンの吸気バルブまたは排気バルブを開放するバ
ルブ開放手段である請求項1のハイブリッド車用空調装
置。
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