JP3928959B2 - 空調装置を備えた車両 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンを自動停止・再始動可能な車両において、エンジンが自動停止したときに空調性能を良好に保つことができる空調装置を備えた車両に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、エンジンの低燃費化と排気ガスの排出量の低減化に伴いエンジンの自動停止・再始動(アイドリングストップ)機能を備えた車両が増加傾向にある。このエンジンの自動停止・再始動機能付き車両では、空調装置を使用中に車両を自動停止させると、エンジンの自動停止・再始動が行われて、このエンジンの停止に伴って暖房用のウォータポンプや冷房用の圧縮機が作動できなくなる。
その結果、暖房装置においては、エンジンの冷却水の循環が停止し、暖房装置への熱の供給が急速に低減して車室内の温度が低下する。
一方、冷房装置(除湿装置)においては、外気温度が低い場合、圧縮機の停止によって除湿機能が停止し、乗員が呼吸する息で湿度が上昇して、窓ガラスが曇るという不都合が発生する。
【0003】
そこで、暖房装置においては、エンジンの自動停止・再始動機能によってエンジンが停止したときに、電動ウォータポンプを自動的に作動させてエンジンの冷却水を循環させるとともに、車室内への送風を継続させて、送風温度が急速に低下することを防止している(例えば、特許文献1)。
一方、冷房装置においては、車室内の温度に応じて一時的にエンジンを駆動させることによって圧縮機を作動させて、車室内の温度を適温に調整させる空調装置が提案されている。
【0004】
また、従来のエンジンの自動停止・再始動機能付き車両では、車室温度センサによって検出した車室内の温度と、空調装置から車室内に吐出される空気の目標吹き出し温度(TAO)とが、それぞれ所定値以下のときにはエンジンの自動停止を禁止しているものがある。
従来のエンジンの自動停止・再始動機能付き車両において、エンジンの冷却水の水温が低く目標吹き出し温度(TAO)が不安定なときと、バッテリ残容量(SOC)が低くウォータポンプを作動できないときには、ブロアファンモータによる送風を止めるとともに、エンジンを再始動させて空調装置の暖房能力を安定させるものがある。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−36859号公報(段落番号[0015]、図1および図2)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの従来のエンジンの自動停止・再始動機能付き車両では、空調装置に使用されている各種センサが制御を行うまでの反応速度が遅い。このため、エンジンを自動停止・再始動しているときの時間が短縮されたり、エンジンの再始動時の水温低下に伴いブロアファンモータによる送風が停止されて、暖房フィーリングが悪いという問題点があった。
【0007】
本発明の課題は、自動停止・再始動時の暖房フィーリングを良好にした空調装置を備えた車両を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、請求項に記載の空調装置を備えた車両は、車両の駆動源としてのエンジンを備え、所定の条件で前記エンジンを自動停止・再始動可能な車両であって、前記車両は、前記エンジンの自動停止・再始動の許可の判断を、車室内の空気を所定の温度に制御する空調装置のエアミックスドアの開度に基づいて行うことを特徴とする。
なお、ファン電圧とは、例えば、ファンを駆動するモータの端子電圧である。
【0011】
請求項に記載の本発明によれば、空調装置を備えた車両は、エンジンの自動停止・再始動の許可の判断を、空調装置のエアミックスドアの開度に基づいて行うことにより、エンジンが再始動して、空調装置をエンジンが自動停止する前の制御に戻すときの暖房フィーリングを良好にすることができる。
【0012】
請求項に記載の空調装置を備えた車両は、請求項1に記載の空調装置を備えた車両であって、前記車両は、前記エンジンが自動停止した後、前記エンジンの冷却水の水温に基づいてエアミックスドアの開度を調整することを特徴とする。
【0013】
請求項に記載の本発明によれば、空調装置を備えた車両は、エンジンが自動停止した後、エンジンの冷却水の水温に基づいてエアミックスドアの開度を調整することにより、空調装置から吐出される空気の吹き出し温度をエンジンの冷却水の水温の変化に左右されることなく維持させることができ、暖房フィーリングを良好にすることができる。
【0014】
請求項に記載の空調装置を備えた車両は、請求項1に記載の空調装置を備えた車両であって、前記空調装置は、前記車両が走行中に、エアミックスドアの開度または前記エンジンの冷却水の水温に応じて、前記エアミックスドアを作動させる所定係数を持ち替えることを特徴とする。
【0015】
請求項に記載の本発明によれば、空調装置を備えた車両は、空調装置が、エアミックスドアの開度またはエンジンの冷却水の水温に応じて、エアミックスドアを作動させる所定係数を持ち替えることにより、エアミックスドアの開度またはエンジンの冷却水の水温によってエアミックスドアを適宜に作動させることができる。このため、空調装置から吐出される空気の吹き出し温度は、エアミックスドアの開度またはエンジンの冷却水の水温の変化の影響を直接受けて左右されることがなく、暖房フィーリングを良好にすることができる。
【0016】
請求項に記載の空調装置を備えた車両は、請求項1に記載の空調装置を備えた車両であって、前記空調装置は、外気温度を任意の領域に分けて計測するとともに、前記空調装置に設置された電動ウォータポンプが、前記外気温度と前記エンジンの冷却水の水温によって作動することを特徴とする。
【0017】
請求項に記載の本発明によれば、空調装置は、電動ウォータポンプが外気温度の領域とエンジンの冷却水の水温との作動条件によって作動するようにできる。これにより、空調装置は、外気温が低いとき、冷却水が高水温時から電動ウォータポンプを作動させることができるため、暖房性能を確保して、空調装置から車室内に吐出される空気の吹き出し温度を適宜に調整して、暖房フィーリングを良好にすることができる。
一方、空調装置は、外気温が高いとき、エンジンの冷却水が低水温時から電動ウォータポンプを作動させることができることにより、冷却水が低水温時からエンジンの自動停止・再始動の許可をすることができるため、燃費の改善を図ることができる。
【0018】
請求項に記載の車両用空調装置は、請求項1に記載の空調装置を備えた車両であって、前記空調装置は、前記エンジンの冷却水の循環通路に、前記エンジンによって作動する機械式ウォータポンプと、電動ウォータポンプとを有するとともに、前記電動ウォータポンプが故障したときに、前記エンジンの自動停止を禁止することを特徴とする。
請求項5に記載の本発明によれば、空調装置を備えた車両は、電動ウォータポンプが故障したときに、エンジンの自動停止を禁止することにより、そのエンジンによって作動してエンジンの冷却水を循環させるための機械式ウォータポンプの作動を継続させることができる。これにより、空調装置の作動を維持させて、車室内を快適な温度に維持させることができる。
【0019】
請求項6に記載の車両用空調装置は、車両の駆動源としてのエンジンを備え、所定の条件で前記エンジンを自動停止・再始動可能な車両であって、前記車両は、前記エンジンの自動停止・再始動の許可の判断を、車室内の空気を所定の温度に制御する空調装置のファン電圧に基づいて行う前記空調装置を備えており、前記空調装置は、前記エンジンの自動停止中において、外気温度を任意の領域に分けて計測するとともに、前記空調装置に設置された電動ウォータポンプが、前記外気温度と前記エンジンの冷却水の水温によって作動することを特徴とする。
請求項7に記載の車両用空調装置は、車両の駆動源としてのエンジンを備え、所定の条件で前記エンジンを自動停止・再始動可能な車両であって、前記車両は、前記エンジンの自動停止・再始動の許可の判断を、車室内の空気を所定の温度に制御する空調装置のファン電圧に基づいて行う前記空調装置を備えており、前記空調装置は、前記エンジンの冷却水の循環通路に、前記エンジンによって作動する機械式ウォータポンプと、電動ウォータポンプとを有するとともに、前記電動ウォータポンプが故障したときに、前記エンジンの自動停止を禁止することを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る空調装置を備えた車両の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る空調装置を備えた車両に搭載される空調装置を示すブロック図である。
車両は、図1に示すエンジン2およびモータ・ジェネレータGを駆動源として走行する例えばハイブリッド車であって、排気ガスの排出量の低減するために、車両が信号待ちで一時停止したときや、渋滞中に一時停止したとき等に、自動的にエンジン2を停止して再始動させる自動停止・再始動機能を備えている。
その車両は、エンジン2によって走行する場合、エンジン2のみで走行して、モータ・ジェネレータGの走行モータ(図示せず)が駆動されないモードと、エンジン2の動力の一部をモータ・ジェネレータGのジェネレータ(図示せず)を発電機として充電するようなモードを備えている。そのモータ・ジェネレータGの充電するモードは、エンジン2からの充電のほか、例えば、車両の減速時にエンジン2に燃料を噴射しない状態(ヒューエルカット状態)で、車輪からの駆動力によってモータ・ジェネレータGを回動して車両のエネルギーを充電するモード(減速回生モード)をも備えている。そして、その車両では、モータ・ジェネレータGの走行モータで単独走行する場合、エンジン2の吸排気弁を閉じて、シリンダが動く際のエネルギーロス(ポンピングロス)を減少させた状態で走行する。
また、その車両は、車室内の空気の暖房および冷房を行う空調装置1を備えている。その車両は、バス、トラック、作業車または乗用車であってもよく、車体の構造等は特に限定しない。
【0021】
空調装置1は、冷凍サイクル装置Aによる冷房機能および除湿機能と、エンジン2の冷却水の循環通路Bに設けたヒータコアHによって車室内への送風を加温する暖房機能とを備えている。
空調装置1は、この空調装置1の冷凍サイクル装置Aを作動させる冷房のためのエンジン駆動圧縮機6およびモータ駆動圧縮機7からなるハイブリッド型コンプレッサ5、凝縮器9、受液器10、膨張弁11および蒸発器12と、暖房用のエンジン2の冷却水の循環通路Bを構成するヒータコアH、機械式ウォータポンプP2、サーモスタットTh、ラジエータRおよび電動ウォータポンプP1と、制御装置4とから構成されている。
【0022】
次に、図1を参照して冷房側の各機器から順次に説明する。
図1に示すように、エンジン2は、例えば、ガソリン、軽油、アルコールまたはプロパンガスを燃料とする車両走行用の内燃機関であり、車輪Wを回転させるための役割と、モータ・ジェネレータGを回転させて蓄電装置17に電気エネルギーを蓄積させるための役割と、エンジン駆動圧縮機6を駆動させるための役割と、暖房用のエンジン2の冷却水を加温させるための役割とを備えている。エンジン2とモータ・ジェネレータGとは、回転軸21で直結されることによって、ハイブリッド型を構成している。この構成によりエンジン2とモータ・ジュエネレータGとによる駆動力の発生や、減速時など車輪からのエネルギーをモータ・ジジェネレータGの回転により蓄電することを可能としている。エンジン2の他端側には、エンジン駆動圧縮機6を連動させるための伝達装置8が設置されている。エンジン2およびモータ・ジュエネレータGの回転は、変速機Trを介して車輪Wに伝達される。
【0023】
図3は、本発明の実施の形態に係る空調装置を備えた車両に搭載されるハイブリッド型コンプレッサの断面図である。
その伝達装置8は、エンジン2に設置されたプーリ82と、エンジン駆動圧縮機6に設置されたプーリ85とにベルト83を巻き掛けてなるベルト伝達機構からなる。伝達装置8は、例えば、エンジン2の他端側に配置されてこのエンジン2によって回転する回転軸81と、この回転軸81の先端に設置されたプーリ82と、エンジン駆動圧縮機6を駆動させるためのプーリ85(図3参照)と、プーリ82とプーリ85とを連動させるためのベルト83と、エンジン駆動圧縮機6に設置された駆動軸84(図3参照)と、この駆動軸84に設置された電磁クラッチ86(図3参照)とから構成されている。
【0024】
モータ・ジェネレータGは、エンジン2を始動させるためのスタータモータの機能と、エンジン2の回転または車輪からの駆動力の回転によって発電する機能とを備えている。そのモータ・ジェネレータGは、バッテリ18を充電し、各電気機器に電力を供給する蓄電装置17に電気的に接続されている。
【0025】
モータ3は、制御装置4、エアコンスイッチ15およびイグニッションスイッチ19を介してバッテリ18に電気的に接続されて、このバッテリ18によって回転して、モータ駆動圧縮機7を駆動するための動力源である。このモータ3は、例えば、ブラシレスモータからなり、モータ駆動圧縮機7に内設されている(図3参照)。そのモータ3の回転は、中間部にクラッチ32を介在した回転軸31によってモータ駆動圧縮機7に断続的に伝達できるように構成されている(図1および図3参照)。
【0026】
図1に示すように、冷凍サイクル装置Aは、空調装置1における冷凍サイクルを形成するものである。その冷凍サイクル装置Aは、ハイブリッド型コンプレッサ5と、凝縮器9と、受液器10と、膨張弁11と、蒸発器12とを主要部として構成され、ハイブリッド型コンプレッサ5を上流側、蒸発器12を下流側として、これらを順次に接続して構成されている。冷凍サイクルは、蒸発、圧縮、凝縮、膨張からなる冷媒のサイクルであり、蒸発は蒸発器12で行われ、圧縮はハイブリッド型コンプレッサ5で行われ、凝縮は凝縮器9で行われ、膨張は膨張弁11で行われる。
【0027】
ハイブリッド型コンプレッサ5は、フロン(HFC134a)や二酸化炭素(CO2)等からなる冷媒を圧縮する除湿冷房用の機器である。ハイブリッド型コンプレッサ5は、例えば、図3に示すように、圧縮機の省動力のために、エンジン2(図1参照)によって駆動されるエンジン駆動方式のエンジン駆動圧縮機6と、モータ3によって駆動される電動式のモータ駆動圧縮機7との2つのスクロール式の圧縮機から構成されている。そのハイブリッド型コンプレッサ5aでは、冷媒が、ヒータコアHから吸入口を通ってハイブリッド型コンプレッサ5内に入り、固定スクロール6a,7aに組み合わさった可動スクロール6b,7bが旋回運動することによって吸入、圧縮が行われて、吐出ポート6c,7cを通り吐出口5bから凝縮器9に圧送される。ハイブリッド型コンプレッサ5は、制御装置4の圧縮機制御部41aに電気的に接続されて制御されている。
【0028】
エンジン駆動圧縮機6は、モータ駆動圧縮機7の容量(例えば、スクロール部が15cc)より大きい容量(例えば、スクロール部が75cc)の圧縮機からなる。図1に示すように、エンジン駆動圧縮機6は、冷房および除湿が必要とされる環境下において、2つある圧縮機の中、このエンジン駆動圧縮機6が主に稼動して蒸発器12の下流の空気の温度(以下、単に「蒸発器温度」という)が目標蒸発器温度に制御されている。このエンジン駆動圧縮機6は、車室内温度設定部16で設定された車室内設定温度と、外気温度、湿度、日射等の環境要素とに基づいて目標温度算出部41bで算出された目標蒸発器温度と、蒸発器の空気温度センサ122で検出された空気の蒸発器温度との差によって、圧縮機制御部41aで制御されて駆動する。
エンジン駆動圧縮機6に設置された駆動軸84の中間部位には、電磁クラッチ86が設置されて、エンジン2の回転が断続的に伝達されるように構成されている。このエンジン駆動圧縮機6は、圧縮機制御部41aに電気的に接続されている。
【0029】
モータ駆動圧縮機7は、クラッチ32を介して回転軸31によってモータ3に接続され、エンジン駆動圧縮機6の補助のためのモータ3によって回転する電動式圧縮機である。モータ駆動圧縮機7は、エンジン2によって駆動されるエンジン駆動圧縮機6と一緒に作動するか、エンジン2を自動停止させているときに作動するか、若しくはそのエンジン駆動圧縮機6の単独作動に係わらず作動する。モータ駆動圧縮機7は、低負荷または除湿暖房等が必要とされる環境下において、2つある圧縮機の中、このモータ駆動圧縮機7が主に稼動して蒸発器温度が目標蒸発器温度に制御されている。このモータ駆動圧縮機7は、前記車室内設定温度と、前記目標蒸発器温度と、前記蒸発器温度との差等によって、圧縮機制御部41aで制御されて駆動する。
このように、モータ駆動圧縮機7は、蒸発器12によって除湿・冷却された空気が流れるこの蒸発器12の下流側の空気温度と目標蒸発器温度によって、その回転が制御されるが、エンジン2の作動時には、その目標蒸発器温度が2〜3℃程度高く持ち替えられる。
【0030】
凝縮器9は、ハイブリッド型コンプレッサ5で高圧高温になった冷媒を熱交換によって冷却し、液化する機器である。この凝縮器9は、配管によって、受液器10に接続されている。
【0031】
受液器10は、凝縮器9によって液化された冷媒を一時貯えるボンベに相当する機器である。受液器10は、ドライヤ(図示せず)等を介して膨張弁11に接続され、そのドライヤ(図示せず)で冷媒中の水分を除去して膨張弁11に冷媒を供給する。
【0032】
膨張弁11は、蒸発器12の入り口に取り付けられ、高温高圧の液化冷媒がここを通過すると液体から霧状の気体に変化して噴射する機器である。この膨張弁11は、配管によって蒸発器12に接続されて、電気的に制御装置4に接続されている。膨張弁11には、絞り弁(図示せず)が内設されており、蒸発器12に設置された蒸発器の空気温度センサ122の検出値によって絞り弁を制御装置4がコントロールして、蒸発器12に噴射する冷媒の流量(冷媒能力)を調節している。
【0033】
蒸発器12は、冷媒を気化することにより車室内の空気の熱を奪って冷却する熱交換器であり、空調ケース14に内設されている。その蒸発器12の上流側には、ブロアファンモータ121が設置されている。このブロアファンモータ121によって、蒸発器12で除湿・冷却された空気やヒータコアHで加温された空気は、車室内に送られて、車室内の空気を吸引して循環が行われる。蒸発器12は、冷媒が元のハイブリッド型コンプレッサ5に戻るように配管によって接続されている。蒸発器12の冷媒の温度は、蒸発器制御部41dによって制御されている。蒸発器12は、空調制御部41に電気的に接続されている。
【0034】
ブロアファンモータ121は、例えば、空調ケース14内の蒸発器12の上流側に設置されるとともに、制御装置4のファン制御部41cに電気的に接続されている。ブロアファンモータ121は、このファン制御部41cによって回転が制御されて、送風量がコントロールされている。ブロアファンモータ121は、回転すると、内気導入口から車室内の空気を吸引、または外気導入口から外気を吸入して蒸発器12およびヒータコアHに当てて、蒸発器12で除湿・冷却された空気またはヒータコアHで加温された空気をデフドア143やベントドア144やフロアドア14から車室内に送風する。
なお、ブロアファンモータ121は、特許請求の範囲における「ファン」に相当する。
【0035】
蒸発器の空気温度センサ122は、蒸発器12で冷媒を気化することによって冷却された空気の温度を検出する温度検出器であり、空調ケース14内の蒸発器12の下流側に設置されている。なお、蒸発器の空気温度センサ122は、エバ後センサとも称されている。
【0036】
車室内温度設定部16は、乗員が車室内の気温を設定するものであり、制御装置4に電気的に接続されている。この車室内温度設定部16、エアコンスイッチ15、および車室内温度設定部16で設定した温度になるように自動制御させるための自動制御スイッチ(図示せず)は、例えば、インストルメントパネルに設置されたコントロールパネルに設置されている。
【0037】
次に、図1を主に参照して暖房側の各機器を説明する。
図1に示すように、前記エンジン2は、冷却水がサーモスタットThからラジエータRに供給されるとともに、エンジン2の回転力で駆動する機械式ウォータポンプP2からエンジン2のウォータジャケット内を循環することにより冷却されて適温に維持されるように構成されている。このエンジン2の冷却水は、車室内を暖房するための熱源として利用されるため、分流されて、電動ウォータポンプP1からヒータコアHに流れて機械式ウォータポンプP2に戻る循環通路Bを形成するように構成されている。
【0038】
図4は、本発明の実施の形態に係る空調装置を備えた車両に搭載される電動ウォータポンプの断面図である。
電動ウォータポンプP1は、図1に示す循環通路B内のエンジン2の冷却水を流動させるための暖房用のポンプであって、図4に示すように、電動モータMによって回転するロータマグネットP11と、このロータマグネットP11の磁力によって回転して冷却水を吸入側からポンプ室P13に吸入して吐出側に排出する羽根車P12と、ポンプ室P13とモータ室P14との間に設置されて羽根車P12の回転軸P15を支持する隔壁P16とから構成されている。その電動ウォータポンプP1は、図1に示すように、吸入側を配管によってサーモスタットThに接続し、吐出側を配管によってヒータコアHに接続するとともに、制御装置4のウォータポンプ制御部41hに電気的に接続されている。
【0039】
図1に示すように、ヒータコアHは、エンジン2によって加温された冷却水の熱で空気を加温する熱交換を行うものである。このヒータコアHの上流側には、蒸発器12を通過した空気をヒータコアH側に導いたり、迂回させるためのエアミックスドア142が設置されている。
【0040】
エアミックスドア142は、例えば、ヒータコアHの空気の入り口を開閉する回動式の板ドアからなり、回動中心側に設置されたエアミックスサーボモータ(図示せず)によって開閉される。このエアミックスドア142は、図1に示すように、閉塞ポジションaにあるとき、空調ケース14内の空気がヒータコアHに流れることを阻止し、中間ポジションbにあるとき、空調ケース14内の空気がヒータコアHに半分流れるようにして、開放ポジションcにあるとき、空調ケース14内の空気が全部ヒータコアHに流れるようにコントロールする。エアミックスドア142を回動させるエアミックスサーボモータ(図示せず)は、制御装置4のエアミックス制御部41gに電気的に接続されるとともに、エアミックス制御部41gによって駆動が制御されている。
【0041】
空調ケース14は、上流側に内気導入口と外気導入口との切り替えを行うインテークドア141が設置され、下流側に蒸発器12によって除湿冷却またはヒータコアHによって加温された空気をデフロスタに吐出させるためのデフドア143、ベンチレータに吐出させるためのベントドア144、および足もとに吐出させるためのフロアドア145がそれぞれ設置されている。インテークドア141、デフドア143、ベントドア144、フロアドア145は、サーボモータによって電動的に作動させるようにしても、手動的に回動させるようにしてもどちらでもよい。
【0042】
制御装置4は、電気・電子回路と所定のプログラムとからなるECUであり、空調制御部41やエンジン2をコントロールするエンジン制御部42や蓄電装置17への充放電の切り替えを行う制御部やその他機器の制御部(図示せず)を備えている。
【0043】
次に、図1および図2を参照して空調制御部41を説明する。
図2は、図1の空調装置に使用する制御装置の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、空調制御部41は、エンジン駆動圧縮機6、モータ駆動圧縮機7、膨張弁11、蒸発器12、ブロアファンモータ121、ヒータコアHおよび電動ウォータポンプP1の作動を制御するものである。この空調制御部41は、圧縮機制御部41aと、目標温度算出部41bと、ファン制御部41cと、蒸発器制御部41dと、膨張弁制御部41eと、暖房制御部41fと、エアミックス制御部41gと、ウォータポンプ制御部41hとから構成されている。
【0044】
図2に示すように、その空調制御部41には、車速検出信号を出力する車速センサ22と、アクセル開度検知信号を出力するアクセル開度検知センサ23と、エンジン2(図1参照)の回転速度を検出してエンジン回転速度信号Neを出力するエンジン回転速度センサ(Neセンサ)24と、車室内の温度を検出して車室温度検出信号を出力する車室温度センサ25と、車室外の温度を検出して外気温度検出信号を出力する外気温度センサ26と、太陽の日射量を検出して日射量検出信号を出力する日射量センサ27と、目標蒸発器温度の基準となる乗員によって設定された車室内の設定温度の目標温度設定信号を出力する車室内温度設定部16と、エンジン駆動圧縮機負荷信号を出力するエンジン駆動圧縮機6と、モータ駆動圧縮機負荷信号を出力するモータ駆動圧縮機7と、蒸発器負荷信号を出力する蒸発器12と、ファン電圧信号を出力するブロアファンモータ121と、蒸発器12で冷却された空気の温度を検出して蒸発器の空気温度検出信号を出力する蒸発器の空気温度センサ122と、絞り弁開度信号を出力する膨張弁11と、エアミックスドア開度信号を出力するエアミックスドア142と、エンジン水温検出信号を出力する水温センサ29と、ウォータポンプ作動信号を出力する電動ウォータポンプP1とが接続されている。
なお、ファン電圧信号およびエアミックスドア開度信号は、エンジン2の自動停止・再始動の許可の指令値も兼ねている。
【0045】
そして、空調制御部41は、次のような機能を備えている。
まず、空調制御部41は、蒸発器の空気温度センサ122で検出した蒸発器温度と、目標温度算出部41bで算出した目標蒸発器温度とを比較して、蒸発器温度が目標蒸発器温度より低いときに、モータ駆動圧縮機7を駆動するモータ3の出力を低減させる機能を備えている。
空調装置1は、エンジン駆動圧縮機6を停止する前に、モータ駆動圧縮機7の出力を予め上昇させて、エンジン駆動圧縮機6を作動させ、モータ駆動圧縮機7による冷房能力を高めておく機能を備えている。
さらに、空調装置1は、モータ駆動圧縮機7が作動中に、このモータ駆動圧縮機7の負荷が所定値以上になったときに、エンジン駆動圧縮機6を作動させて、このエンジン駆動圧縮機6がモータ駆動圧縮機7の出力を適宜に補助させる機能を備えている。
【0046】
図1に示すように、空調制御部41は、冷凍サイクル装置Aを作動させるにあたり、例えば、エンジン2のみが駆動している場合には、エンジン駆動圧縮機6を作動させる命令信号が出力されるように構成されている。このエンジン駆動圧縮機6の駆動命令信号によって電磁クラッチ86が繋がれてエンジン駆動圧縮機6が、作動するように構成されている。
また、空調制御部41は、エンジン2が自動停止中には、モータ駆動圧縮機7および電動ウォータポンプP1の駆動命令信号を出力して、モータ駆動圧縮機7および電動ウォータポンプP1が作動されるように構成されている。
【0047】
そして、エンジン2を自動再始動するにあたって、空調制御部41は、モータ・ジェネレータGによってエンジン2が駆動すると同時に、エンジン駆動圧縮機6の駆動命令信号を出力して、エンジン駆動圧縮機6が作動されるように構成されている。そして、自動停止・再始動制御部42aによってモータ・ジェネレータGによりエンジン2が駆動すると、空調制御部41は、エンジン駆動圧縮機6とモータ駆動圧縮機7と、機械式ウォータポンプP2が一緒に作動されるように構成されている。
【0048】
圧縮機制御部41aは、車室内の気温が目標温度算出部41bで算出した目標蒸発器温度になるように、ハイブリッド型コンプレッサ5のエンジン駆動圧縮機6とモータ駆動圧縮機7をコントロールする制御器である。
【0049】
目標温度算出部41bは、予め設定した外気温度や日射量等の所定の外乱条件により、車室内温度設定部16で乗員が設定した冷房および暖房の設定温度に車室内の気温が等しくなるように空調ケース14から吐出される空気の目標吹き出し温度(TAO)を算出するものである。この目標温度算出部41bで算出される値は、外気温度や日射量等によって適切な値に変更される。
【0050】
ファン制御部41cは、ブロアファンモータ121を作動させることによって蒸発器12の冷気を車室内に循環させるとともに、蒸発器の空気温度センサ122で検出した蒸発器12の空気温度が、目標温度算出部41bで算出された目標蒸発器温度に適宜になるようにブロアファンモータ121の回転速度をコントロールする制御器である。なお、ブロアファンモータ121は、手動的な操作によってON・OFFするようにしてもよい。
【0051】
蒸発器制御部41dは、蒸発器12の温度を制御するものである。
膨張弁制御部41eは、膨張弁11に設置された絞り弁(図示せず)の開度を調整して冷媒の流れをコントロールする制御器である。
暖房制御部41fは、水温センサ29や外気温度センサ26等からの諸信号に基づいて、電動ウォータポンプP1やエアミックスドア142を制御するための信号をエアミックス制御部41gやウォータポンプ制御部41hへ出力するものである。
エアミックス制御部41gは、サーボモータ(図示せず)を作動させることによって、エアミックスドア142の開度を制御するものである。
ウォータポンプ制御部41hは、電動ウォータポンプP1の駆動、停止および回転速度を制御するものである。
【0052】
次に、図1および図2を参照してエンジン制御部42を説明する。
図1に示すように、エンジン制御部42は、エンジン2の自動停止や自動再始動による自動停止・再始動の可否の判断を行う自動停止・再始動制御部42aと、この自動停止・再始動制御部42aからの信号に基づいてエンジン2への燃料の供給を停止して自動停止を行うための燃料供給停止部42bと、自動停止中のエンジン2を再始動させるための再始動駆動部42cとから構成されている。
【0053】
自動停止・再始動制御部42aは、燃料供給停止部42bと再始動駆動部42cとにエンジン2への燃料の供給や供給の停止の信号を発信して自動停止を行うとともに、バッテリ18への充放電の切り替えを主に行うものである。
【0054】
図2に示すように、自動停止・再始動制御部42aは、車速センサ22と、アクセル開度検知センサ23と、バッテリ18(図1参照)に残存する電力量を検出するとともに、その電力量に基づいてバッテリ残容量信号SOC(Status Of Charge)を出力するバッテリ残容量センサ28とに電気的に接続されている。また、自動停止・再始動制御部42aには、燃料供給停止部42bと、再始動駆動部42cとが電気的に接続されている。
【0055】
この自動停止・再始動制御部42aは、後記する所定の条件を満たしていることを前提に、アクセル開度検知センサ23からのアクセルを閉じたアクセル開度検知信号を受けてから、予め設定されたタイマ時間経過後に、燃料供給停止部42bに向けて停止許可フラグF1が出力されるように構成されている。そして、停止許可フラグF1を受けた燃料供給停止部42bは、エンジン2(図1参照)への燃料供給を停止して、エンジン2(図1参照)を停止させる。また、自動停止・再始動制御部42aは、エンジン2(図1参照)が停止した際に、空調制御部41に向けてエンジン停止信号CSが出力されるように構成されている。
【0056】
前記した所定の条件、すなわち、図1に示すエンジン2の自動停止・再始動の条件は、例えば、「車両が予め設定された基準速度以下の低車速になったこと」、「ブレーキスイッチがONになっていること」、「エンジン2の冷却水の水温が所定値以上であること」、「車両のシフトポジションがR(リバース)以外の所定のポジションになっていること」および「バッテリ残容量信号SOCに基づいて自動停止・再始動制御部42aが判断した結果、バッテリ18の残存容量が所定値以上であること」からなる要素を少なくとも備えるとともに、これらの要素がすべて満たされていることを要する。
なお、前記所定の条件は、特許請求の範囲の「所定の条件」に相当する。
【0057】
ここで、「ブレーキスイッチがON」とは、ブレーキが掛けられている状態をいう。また、「エンジン2の冷却水の水温が所定値以上」とは、水温が低いとエンジン2を再始動できないこともあるため、冷却水がエンジン2を再始動できる温度にあるかをいう。「R(リバース)以外」とは、シフトポジションがそれ以外のD(ドライブ)レンジ等であることを意味する。「バッテリ残存容量所定値以上」とは、バッテリ残容量センサ28(図2参照)で検出したバッテリ18の残容量が所定値、例えば、フル充電時の25%以上であることを意味する。
【0058】
ただし、次の条件が満たされる場合、自動停止・再始動制御部42aは、停止許可フラグF1を出力せず、エンジン2は停止しない。この条件、すなわち、エンジン2の自動停止の禁止条件は、「電動ウォータポンプP1が故障していること」、「モータ駆動圧縮機7が故障していること」、「バッテリ18の残存容量が例えば前記所定値未満であること」、「エンジン2の冷却水の水温が所定値未満であること」等が挙げられ、エンジン2の自動停止の禁止条件は、これらの要素のうち少なくとも一つが満たされればよい。なお、前記した「電動ウォータポンプP1が故障していること」および「モータ駆動圧縮機7が故障していること」の原因としては、例えば、電動ウォータポンプP1のモータ(図示せず)とモータ3とに対する過負荷、過電流、過電圧、電圧低下、コンタクトの溶着等が挙げられる。
なお、前記所定の条件および前記禁止条件は、特許請求の範囲の「所定の条件」に相当する。
【0059】
また、この自動停止・再始動制御部42aは、アクセルが踏み込まれて作動するルーチンによってモータ・ジェネレータGを駆動させると同時に、再始動駆動部42cに向けて再始動許可フラグF2(図2参照)が出力されるように構成されている。そして、再始動許可フラグF2(図2参照)を受けた再始動駆動部42cは、エンジン2に対する燃料供給および燃料点火を行い、エンジン2が再始動されるように構成されている。
【0060】
このような構成でなる空調装置1は、暖房時に、車室内の温度が制御装置4により、電動ウォータポンプP1によってエンジン2の冷却水を循環するとともに、エアミックスドア142の開度を調整することによって、車室内温度設定部16で設定した所定温度に維持されるように調整される。
また、空調装置1は、除湿・冷房時に、車室内の温度が制御装置4によって、エンジン駆動圧縮機6とモータ駆動圧縮機7とをコントロールすることにより、エンジン駆動圧縮機6とモータ駆動圧縮機7とが互いに負担を軽減し合って車室内温度設定部16で設定した所定温度に維持されるように調整される。
【0061】
次に、図5のフローチャートを参照しながら、空調装置1の動作を説明する。
図5は、本発明の実施の形態に係る空調装置を備えた車両におけるエンジンの自動停止・再始動を示す図で、(a)はエンジンを自動停止・再始動させるときの許可信号の出し方を示すフローチャートであり、(b)はエンジンを自動停止・再始動させるときのエアミックスドアの制御を示すフローチャートであり、(c)はエンジンを自動停止したときから再始動させるときまでの制御を示すフローチャートである。
【0062】
まず、図5(a)を主に、各図を参照してエンジン2を自動停止・再始動させるときの許可信号の出し方を説明する。
図1において、イグニッションスイッチ19を回動操作してエンジン2を始動し、車両を走行させる。すると、各機関や機器に設置した各センサがONしてその情報の読み込みが自動的に行われる。
【0063】
そして、図5(a)において、図1に示すエアコンスイッチ15がONに操作されると処理がスタート(Start)する。
ステップS1では、空調ケース14内の空気を流動させるためのブロアファンモータ121の電圧を監視して、その電圧がFAN電圧規定値以下(例えば、8.0V以下)を判断する。ここでの電圧は、ブロアファンモータ121の端子電圧である。
そして、ブロアファンモータ121の電圧が「FAN電圧規定値以下(例えば、8.0V以下)」のとき(YES)は、ステップS2に進んで、自動停止・再始動制御部42aから燃料供給停止部42bにエンジン2への燃料の供給を停止して、エンジン2を自動停止させるためのエンジン2の自動停止の許可信号を発生する。このように、エンジン2の自動停止・再始動は、ブロアファンモータ121の電圧値によって行うことにより、例えば、40msec毎に更新されるファン電圧信号の処理サイクルを利用できるため、エンジン2の自動停止の許可信号を従来と比較して早く出すことができる。これにより、エンジン2を停止させている時間を長くすることができるため、燃費の改善を図るとともに空調フィーリングを良好にすることができる。また、空調装置1は、エンジン2の自動停止時にブロアファンモータ121の電圧を下げることにより、消費電力を低減させて、バッテリ18の負担を軽減することができる。
一方、ブロアファンモータ121の電圧が「FAN電圧規定値以下(例えば、8.0V以下)」でないとき(NO)は、元のスタート(Start)に戻って、ブロアファンモータ121の電圧がFAN電圧規定値以下かの監視を続ける。
【0064】
次に、図5(b)を主に、各図を参照してエンジン2を自動停止・再始動させるときのエアミックスドア142の制御を説明する。
図1において、イグニッションスイッチ19を回動操作してエンジン2を始動し、車両を走行させる。すると、各機関や機器に設置した各センサがONしてその情報の読み込みが自動的に行われる。
【0065】
そして、図5(b)において、図1に示すエアコンスイッチ15がONに操作されると処理がスタート(Start)する。
ステップS1では、ブロアファモータ121によって送風された空調ケース14内の空気がヒータコアH側に流れる暖房の状態になっているかを判断するために、「走行中のエアミックスドア142の開度は何%か」(例えば、90%以下)を判断する。エアミックスドア142の開度は、エアミックスドア142のポジションを知らせるエアミックス開度信号によって検知される。
そして、「走行中のエアミックスドア142の開度が所定値」(例えば、90%以下)のとき(YES)は、エアミックスドア142が充分に開いていない状態にあって、空調ケース14内の空気がヒータコアH側に充分に流れないようにして暖房要求が出されていないと判断し、終了する。
一方、「走行中のエアミックスドア142の開度が所定値」(例えば、90%以下)でないとき(NO)は、エアミックスドア142が開いて空調ケース14内の空気がヒータコアH側に流れるように暖房の強い要求が出されていると判断して、ステップS11に進む。
【0066】
ステップS11では、「電動ウォータポンプP1が作動しているか」を判断する。
そして、「電動ウォータポンプP1が作動」しているとき(YES)、つまり、電動ウォータポンプP1が駆動して暖房用のエンジン2の冷却水が循環通路Bを循環しているときは、暖房が作動しているとみなして、ステップS12に進む。
一方、「電動ウォータポンプP1が作動」していないとき(NO)、つまり、電動ウォータポンプP1が停止していて暖房用のエンジン2の冷却水が静止しているときは、暖房が作動していないとみなして、終了する。
【0067】
ステップS12では、エンジン2の冷却水の水温を水温センサ29のエンジン水温検出信号と、外気の温度を外気温度センサ26の外気温度検出信号とによって「水温・外気温は規定値以下か」を判断する。なお、水温センサ29は、例えば、エンジン2のウォータジャケットに設置され、暖房源の水温を直接計測するため、空調ケース14に内設した蒸発器の空気温度センサ122よりも感応が早いため、空調装置1の暖房の状態を早く知ることが可能である。また、外気温度センサ26は、車体前側に設置されるラジエータRのさらに前側に設置されることにより、外気の感応が早いため、車両の周囲の環境状況を早く知ることが可能である。
「水温・外気温は規定値以下」のとき(YES)、つまり、エンジン2の冷却水の水温と外気温度が規定値以下のときは、冷却水温度が低くて空気との熱交換が良好に行えず、かつ外気の温度が低く寒いと判断して、ステップS13に進み、終了する。そのステップS13では、「エアミックスドア142を規定値HOT側へ(例えば、10%)」回動させる。すなわち、ステップS13では、空調ケース14内を流れる空気が、ヒータコアH側に流れて熱交換されて暖房力が向上されるように、エアミックスドア142をポジションc側に回動させる。このように、空調装置1は、エアミックスドア142を作動させる係数(SW値)を冷却水の水温の変化に合わせて調整することにより、空調装置1の吹き出し温度を維持することができるため、水温の変化によって吹き出し温度が変化して空調フィーリングが悪化することを防止することができる。
一方、「水温・外気温は規定値以下」でないとき(NO)、つまり、エンジン2の冷却水の水温と外気温度とが規定値を超えているときは、冷却水の水温が高くて空気との熱交換が良好に行え、かつ外気の温度が比較的高く暖かいと判断して、ステップS14に進む。そのステップS14では、「エアミックスドア142は走行時のまま」にして、終了する。すなわち、ステップS14では、空調装置1が最適な暖房状態とみなして、エアミックスドア142の開度をエンジン2が自動停止する前の状態を維持する。
なお、前記係数(SW値)は、特許請求の範囲の「所定係数」に相当する。
【0068】
このように、空調装置1は、走行時のエアミックスドア142の開度やエンジン2の冷却水の水温や外気の温度に応じて、エアミックスドア142を回動させるための係数(SW値)を持ち替えて補正し、エンジン2が自動停止したときの空調装置1を最適な暖房状態にすることができる。
また、空調装置1は、エンジン2が自動停止・再始動している間に、暖房の熱源であるエンジン2側に設置された水温センサ29の冷却水の水温信号を利用してエアミックスドア142を調整することにより、エンジン2が再始動して機械式ウォータポンプP2が再駆動したときの空調フィーリングの悪化を防止することができる。
【0069】
次に、図5(c)を主に、各図を参照してエンジンを自動停止したときから自動再始動させるときまでの制御を説明する。
図1において、イグニッションスイッチ19を回動操作してエンジン2を始動し、車両を走行させる。すると、各機関や機器に設置した各センサがONしてその情報の読み込みが自動的に行われる。
【0070】
そして、図5(c)において、図1に示すエアコンスイッチ15がONに操作されるとスタート(Start)する。
ステップS20では、「水温は規定値(例えば、74℃)以上か」を判断する。ステップS20では、水温センサ29からのエンジン2の冷却水の水温が規定値(74℃)以上で、充分に冷却水が加温されていて、ヒータコアHによって空気を良好な状態に熱交換できるかを判断する。
「水温は規定値(例えば、74℃)以上」のとき(YES)は、エンジン2の冷却水が暖房に適した温度であると判断して、ステップS22に進んで、エンジン2が自動停止する前のエアミックスドア142の係数に戻して、走行時の状態にする。
一方、「水温は規定値(例えば、74℃)以上」でないとき(NO)は、エンジン2の冷却水が暖房に適した温度に達していないと判断して、ステップS21に進んで、エンジン2が自動停止中のエアミックスドア142の係数を維持する。
【0071】
このように、空調制御部41は、エンジン2の冷却水の水温が上昇するのに伴い、例えば、水温が1℃上昇するごとに、エアミックスドア142の開度を3%づつ変更してリニアに走行中のエアミックスドア142の制御に戻す。これにより、空調装置1は、エンジン2が自動停止・再始動したときに空調装置1から吐出される空気の吹き出し温度を急激に変化させないため、空調フィーリングを良好に保つことができる。
また、空調制御部41は、エンジン2の冷却水の水温が規定値(例えば、74℃)未満の場合、エンジン2が自動停止中のエアミックスドア142の制御を所定時間(例えば、5秒間)継続して、冷却水の水温の上昇を確認した後に、エンジン2が自動停止する前のエアミックスドア142の制御に戻す。これにより、空調装置1は、エンジン2が自動停止・再始動したときに車室内に吐出される空気の吹き出し温度が変化することを抑制するため、空調フィーリングを良好に保つことができる。
このように、エアミックスドア142を開閉する制御方式を変更することにより、車室内を快適な温度にすることができる。
【0072】
次に、図1および図2を参照してエンジンを自動停止したときのブロアファンモータの制御を説明する。
ブロアファンモータ121の電圧は、次の2つの方向によって調整される。
まず、第1に、ファン制御部41cは、エンジン2が自動停止したとき、走行時のブロアファンモータ121からのファン電圧信号を受けて、外気温度センサ26の外気温度検出信号に応じて、そのブロアファンモータ121のファン電圧を下げて調整する。これにより、ブロアファンモータ121は、外気温度(車外の寒さ)に応じて車室内に吐出される空気の流量を調整して、車室内を快適な温度にすることができる。
第2に、ファン制御部41cは、エンジン2が自動停止したとき、走行時のブロアファンモータ121のファン電圧から所定電圧(例えば、5V)だけファン電圧を下げる。これにより、ブロアファンモータ121は、エンジン2が自動停止したとき、ブロアファンモータ121の回転速度を減速して車室内に吐出される空気の流量を減少させて、車室内の温度が変化することを抑制して、空調フィーリングが悪化することを防止することができる。
さらに、ファン制御部41cは、エンジン2が自動停止したとき、走行時のブロアファンモータ121からのファン電圧信号を受けて、目標温度算出部41bで算出した目標車室内温度と、このときに車室温度センサ25で検出した車室内温度との差に応じて、ブロアファンモータ121の必要なファン電圧を前記第1および第2の2つの制御方法で最適に設定することができる。
【0073】
次に、図6を主に参照して、電動ウォータポンプが作動するときの外気温の領域と、エンジンの冷却水の水温との関係を説明する。
図6は、本発明の実施の形態に係る空調装置を備えた車両における電動ウォータポンプが作動するときの外気温の領域と、エンジンの冷却水の水温との関係を示すグラフである。
【0074】
図6において、図1に示す電動ウォータポンプP1は、例えば、外気温度検出センサ26で検出した外気温が−30℃〜−10℃の極低温領域のとき、水温センサ29で検出する冷却水の水温が約80℃で作動を開始するようにウォータポンプ制御部41hによって制御されている。
電動ウォータポンプP1は、例えば、外気温度検出センサ26で検出した外気温が−10℃〜10℃の低温領域のとき、水温センサ29で検出する冷却水の水温が約75℃で作動を開始するようにウォータポンプ制御部41hによって制御されている。
電動ウォータポンプP1は、例えば、外気温度検出センサ26で検出した外気温が10℃〜30℃の常温領域のとき、水温センサ29で検出する冷却水の水温が約60℃で作動を開始するようにウォータポンプ制御部41hによって制御されている。
電動ウォータポンプP1は、例えば、外気温度検出センサ26で検出した外気温が30℃〜50℃の常温領域のとき、水温センサ29で検出する冷却水の水温が約50℃で作動を開始するようにウォータポンプ制御部41hによって制御されている。
このように、電動ウォータポンプP1は、外気温の外気温領域と、エンジン2の冷却水の水温とによって、作動を開始する条件が決められている。
【0075】
次に、図7を主に、各図を参照してエンジンの冷却水の水温による電動ウォータポンプの作動を説明する。
図7は、本発明の実施の形態に係る空調装置を備えた車両におけるエンジンの冷却水の水温による電動ウォータポンプに作動を示すフローチャートである。
【0076】
図1に示すように、イグニッションスイッチ19を回動操作してエンジン2を始動し、車両を走行させる。すると、各機関や機器に設置した各センサがONしてその情報の読み込みが自動的に行われる。
【0077】
そして、図7において、図1に示すエアコンスイッチ15がONに操作されるとスタート(Start)する。
ステップS30では、「電動ウォータポンプの作動条件の決定」を行い、ステップS31に進む。すなわち、このステップS30では、ウォータポンプ制御部41hが外気温度検出センサ26で検出した外気温と、水温センサ29で検出したエンジン2の冷却水の水温とによって、電動ウォータポンプP1が作動するときの作動条件を決定する
【0078】
ステップS31では、前記図6のような「外気温により外気温領域の決定」を行い、ステップS31に進む。ステップS31では、ウォータポンプ制御部41hが外気温度検出センサ26で検出した外気温によって、電動ウォータポンプP1が作動する任意の外気温領域を決定する。
【0079】
ステップS32では、「外気温領域により電動ウォータポンプP1の作動水温の検索」を行い、ステップS33に進む。すなわち、このステップS32では、ウォータポンプ制御部41hが前記外気温領域に基づいて、電動ウォータポンプP1が作動するエンジン2の冷却水の水温を検索する。
【0080】
ステップS33では、水温センサ29によって、エンジン2の冷却水の実水温と、ウォータポンプ制御部41hに記憶されている電動ウォータポンプP1の作動開始水温とを比較して、「冷却水の実水温>作動開始水温」であるかを判断する。
エンジン2の「冷却水の実水温>作動開始水温」のとき(YES)は、冷却水がエンジン2によって充分に加温されているとみなして、ステップS34に進んで、「電動ウォータポンプP1の作動許可」をしてリターンする。このように、エンジン2を自動停止・再始動するにあたって、エンジン2の冷却水の実水温が所定の作動開始水温以上のときは、電動ウォータポンプP1を作動の許可信号が発せられ、冷却水がヒータコアHに循環して暖房が行われる。
一方、エンジン2の「冷却水の実水温>作動開始水温」でないとき(NO)は、冷却水がエンジン2によって充分に加温されていないとみなして、ステップS35に進んで、「電動ウォータポンプP1の作動禁止」してリターンする。このように、エンジン2を自動停止・再始動するにあたって、エンジン2の冷却水の実水温が所定の作動開始水温未満のときは、充分な暖房を行うことができないと判断して、電動ウォータポンプP1の作動を禁止させ、暖房を行わない。
【0081】
このような電動ウォータポンプP1の作動条件によって、空調装置1は、外気温が低いとき、冷却水が高水温時から電動ウォータポンプP1を作動させることができるため、暖房性能を確保して、空調装置1から車室内に吐出される空気の吹き出し温度を適宜に調整できる。
また、空調装置1は、外気温が高いとき、エンジン2の冷却水が低水温時から電動ウォータポンプP2を作動させることができることにより、冷却水が低水温時からエンジン2の自動停止・再始動の許可をすることができるため、燃費の改善を図ることができる。
【0082】
次に、図8を主に、各図を参照して電動ウォータポンプが故障したときのエンジンの自動停止・再始動を説明する。
図8は、本発明の実施の形態に係る空調装置を備えた車両における電動ウォータポンプが故障したときのエンジンの自動停止・再始動を示すフローチャートである。
【0083】
図1に示すように、イグニッションスイッチ19を回動操作してエンジン2を始動し、車両を走行させる。すると、各機関や機器に設置した各センサがONしてその情報の読み込みが自動的に行われる。
【0084】
そして、図8において、図1に示すエアコンスイッチ15がONに操作されるとスタート(Start)する。
ステップS40では、「エンジンの自動停止・再始動の可否の判断」を始め、ステップS41に進む。
【0085】
ステップS41では、「電動ウォータポンプの故障」かを判断する。すなわち、このステップS41では、ウォータポンプ制御部41hが電動ウォータポンプP1からのウォータポンプ作動信号によって、過負荷、過電流、過電圧、電圧低下等で電動ウォータポンプP1が故障したかを判断する。
そして、「電動ウォータポンプの故障」と判断したとき(YES)は、ステップS44に進んで、「エンジンの自動停止・再始動の禁止」をして、リターンする。このように、電動ウォータポンプP1が故障しているときは、エンジン2の自動停止時にエンジン2の冷却水を循環できないため、エンジン2の自動停止・再始動を禁止する。
一方、「電動ウォータポンプの故障」でないと判断したとき(NO)は、ステップS42に進む。
【0086】
ステップS42では、「エンジンの自動停止・再始動の条件成立」の判断を行う。ステップS43に進む。すなわち、このステップS42では、自動停止・再始動制御部42aによって、「電動ウォータポンプP1が故障していること」、「モータ駆動圧縮機7が故障していること」、「バッテリ18の残存容量が例えば前記所定値未満であること」、「エンジン2の冷却水の水温が所定値未満であること」等のエンジン2の自動停止の禁止条件に触れていないかを判断する。
そして、「エンジンの自動停止・再始動の条件成立」のとき(YES)は、ステップS43に進んで、「エンジンの自動停止・再始動の許可」をして、リターンする。このように、エンジン2の自動停止・再始動を行うときは、前記の条件をクリアしていれば、エンジン2の自動停止時に電動ウォータポンプP1によってエンジン2の冷却水を循環して快適な暖房ができるとみなして、ステップS43でエンジン2の自動停止・再始動を許可してリターンする。
一方、「エンジンの自動停止・再始動の条件成立」の判断が成り立たないとき(NO)は、ステップS44に進んで、「エンジンの自動停止・再始動の禁止」をして、リターンする。
【0087】
このように暖房制御部41fは、エンジン2を自動停止・再始動する際に、電動ウォータポンプP1の故障等によりエンジン2を自動停止・再始動の条件が成り立たないとき、エンジン2が自動停止せず、機械式ウォータポンプP2が作動しているため、空調装置1はそのままの状態を維持することができる。
そして、エンジン2を自動停止中に、除湿または冷房を行うときには、モータ駆動圧縮機7により冷房サイクル装置Aを作動させて、快適な除湿または冷房の状態を維持することができる。
このため、エンジン2を自動停止・再始動により、燃費の改善と排気ガスのクリーン化を図ることができるとともに、このときに空調装置1の暖房能力、冷房能力および除湿能力が低下することを防止して、車室内の気温を快適に維持することができる。
【0088】
なお、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内で種々の改造および変更が可能であり、本発明はこれら改造および変更された発明にも及ぶことは勿論である。
【0089】
例えば、エアミックスドア142は、図1に示すような回動軸を中心として回動してヒータコアH側の空気の通路を開閉する板ドア式のものに限らず、フィルムドア、ロータリドアまたはスライドドアと称されているものであってよく、その形状等は特に限定しない。
【0091】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項に記載の空調装置を備えた車両によれば、車両は、前記エンジンの自動停止・再始動の許可の判断を、空調装置のエアミックスドアの開度に基づいて行うことにより、エンジンが再始動して、空調装置をエンジンが自動停止する前の制御に戻すときの暖房フィーリングを良好にすることができる。
【0092】
本発明の請求項に記載の空調装置を備えた車両によれば、車両は、エンジンが自動停止した後、エンジンの冷却水の水温に基づいてエアミックスドアの開度を調整することにより、空調装置から吐出される空気の吹き出し温度をエンジンの冷却水の水温の変化に左右されることなく、維持させることができ、暖房フィーリングを良好にすることができる。
【0093】
本発明の請求項に記載の空調装置を備えた車両によれば、車両は、空調装置が、エアミックスドアの開度またはエンジンの冷却水の水温に応じて、エアミックスドアを作動させる所定係数に持ち替えることにより、エアミックスドアの開度またはエンジンの冷却水の水温によってエアミックスドアを適宜に作動させることができる。このため、空調装置から吐出される空気の吹き出し温度は、エアミックスドアの開度またはエンジンの冷却水の水温変化の影響を直接受けて左右されることがなく、暖房フィーリングを良好にすることができる。
【0094】
本発明の請求項に記載の空調装置を備えた車両によれば、空調装置は、外気温が低いとき、冷却水が高水温時から電動ウォータポンプを作動させることができるため、暖房性能を確保して、空調装置から車室内に吐出される空気の吹き出し温度を適宜に調整して、暖房フィーリングを良好にすることができる。
一方、空調装置は、外気温が高いとき、エンジンの冷却水が低水温時から電動ウォータポンプを作動させることができることにより、冷却水が低水温時からエンジンの自動停止・再始動の許可をすることができるため、燃費の改善を図ることができる。
【0095】
本発明の請求項に記載の空調装置を備えた車両によれば、車両は、電動ウォータポンプが故障したときに、エンジンを自動停止することを禁止することにより、そのエンジンによって作動してエンジンの冷却水を循環させるための機械式ウォータポンプの作動を継続させることができる。これにより、空調装置の作動を維持させて、車室内を快適な温度に維持させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る空調装置を備えた車両に搭載される空調装置を示すブロック図である。
【図2】図1の空調装置に使用する制御装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る空調装置を備えた車両に搭載されるハイブリッド型コンプレッサの断面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る空調装置を備えた車両に搭載される電動ウォータポンプの断面図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る空調装置を備えた車両におけるエンジンの自動停止・再始動を示す図で、(a)はエンジンを自動停止・再始動させるときの許可信号の出し方を示すフローチャートであり、(b)はエンジンを自動停止・再始動させるときのエアミックスドアの制御を示すフローチャートであり、(c)はエンジンを自動停止したときから再始動させるときまでの制御を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態に係る空調装置を備えた車両における電動ウォータポンプが作動するときの外気温の領域と、エンジンの冷却水の水温との関係を示すグラフである。
【図7】本発明の実施の形態に係る空調装置を備えた車両におけるエンジンの冷却水の水温による電動ウォータポンプの作動を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態に係る空調装置を備えた車両における電動ウォータポンプが故障したときのエンジンの自動停止・再始動を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 空調装置
2 エンジン
3 モータ
4 制御装置
5 ハイブリッド型コンプレッサ
6 エンジン駆動圧縮機
7 モータ駆動圧縮機
26 外気温度センサ
29 水温センサ
121 ブロアファンモータ(ファン)
142 エアミックスドア
B 循環通路
P1 電動ウォータポンプ
P2 機械式ウォータポンプ

Claims (7)

  1. 車両の駆動源としてのエンジンを備え、所定の条件で前記エンジンを自動停止・再始動可能な車両であって、
    前記車両は、前記エンジンの自動停止・再始動の許可の判断を、車室内の空気を所定の温度に制御する空調装置のエアミックスドアの開度に基づいて行うことを特徴とする空調装置を備えた車両。
  2. 前記車両は、前記エンジンが自動停止した後、前記エンジンの冷却水の水温に基づいてエアミックスドアの開度を調整することを特徴とする請求項1に記載の空調装置を備えた車両。
  3. 前記空調装置は、前記車両が走行中に、エアミックスドアの開度または前記エンジンの冷却水の水温に応じて、前記エアミックスドアを作動させる所定係数を持ち替えることを特徴とする請求項1に記載の空調装置を備えた車両。
  4. 前記空調装置は、外気温度を任意の領域に分けて計測するとともに、
    前記空調装置に設置された電動ウォータポンプが、前記外気温度と前記エンジンの冷却水の水温によって作動することを特徴とする請求項1に記載の空調装置を備えた車両。
  5. 前記空調装置は、前記エンジンの冷却水の循環通路に、前記エンジンによって作動する機械式ウォータポンプと、電動ウォータポンプとを有するとともに、
    前記電動ウォータポンプが故障したときに、前記エンジンの自動停止を禁止することを特徴とする請求項1に記載の空調装置を備えた車両。
  6. 車両の駆動源としてのエンジンを備え、所定の条件で前記エンジンを自動停止・再始動可能な車両であって、
    前記車両は、前記エンジンの自動停止・再始動の許可の判断を、車室内の空気を所定の温度に制御する空調装置のファン電圧に基づいて行う前記空調装置を備えており、
    前記空調装置は、前記エンジンの自動停止中において、外気温度を任意の領域に分けて計測するとともに、
    前記空調装置に設置された電動ウォータポンプが、前記外気温度と前記エンジンの冷却水の水温によって作動することを特徴とする空調装置を備えた車両。
  7. 車両の駆動源としてのエンジンを備え、所定の条件で前記エンジンを自動停止・再始動可能な車両であって、
    前記車両は、前記エンジンの自動停止・再始動の許可の判断を、車室内の空気を所定の温度に制御する空調装置のファン電圧に基づいて行う前記空調装置を備えており、
    前記空調装置は、前記エンジンの冷却水の循環通路に、前記エンジンによって作動する機械式ウォータポンプと、電動ウォータポンプとを有するとともに、
    前記電動ウォータポンプが故障したときに、前記エンジンの自動停止を禁止することを特徴とする空調装置を備えた車両。
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