JP2011068154A - 車両用空調装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】空調の省エネルギー化を図る。
【解決手段】送風空気を発生する送風機12と、送風空気と熱媒体とを熱交換させて送風空気を加熱する加熱用熱交換器14と、通電により発熱して送風空気を加熱する電気ヒータ15と、加熱用熱交換器14および電気ヒータ15を収容するケーシング11と、熱媒体の温度を上昇させる温度上昇手段EGが停止している場合には温度上昇手段EGが作動している場合よりも送風空気の風量が低くなるように送風機12を制御する制御手段50とを備える。
【選択図】図5

Description

本発明は、電気ヒータを備える車両用空調装置に関する。
従来、エンジン(内燃機関)と走行用電動モータとを備えるハイブリッド車に用いられる車両用空調装置が特許文献1に記載されている。この従来技術では、室内空調ユニットのケーシング内にヒータコアと電気ヒータとが収容されている。ヒータコアは、エンジン冷却水を熱源として送風空気(車室内空気)を加熱する加熱用熱交換器である。電気ヒータは、送風空気を補助的に加熱する補助加熱手段としての役割を果たしている。
この従来技術では、エンジンを停止させて走行用電動モータで走行している場合には、エンジン冷却水温度が低くなって、ヒータコアによる送風空気の加熱能力を確保するのが困難になる。
そこで、走行のためのエンジン作動が必要ない場合であってもエンジン冷却水温度が要求水温を下回った場合には、空調のためにエンジンを作動させてヒータコアによる加熱能力を確保するようにしている。
さらに、補助加熱手段としての電気ヒータの発熱量が増加するほど要求水温を下げることにより、空調のためのエンジン作動の頻度を低減させて燃費を向上させるようになっている。
特開2008−174042号公報
本発明者の検討によると、ヒータコアによる空気温度の上昇量は、風量が変化してもほぼ一定である。すなわち、ヒータコアは、通常の使用状態における風量の範囲内であれば、風量を低くしても高くしても、送風空気はほぼエンジン冷却水温度まで上昇する。
これに対し、電気ヒータによる空気温度の上昇量は、風量に反比例して変化する。すなわち、電気ヒータは、消費電力(発熱量)が一定の条件下であれば、風量を低くすると電気ヒータによる空気温度の上昇量は大きくなる(後述の数式F2−3を参照)。
しかしながら、上記従来技術では、要求水温を電気ヒータの発熱量を考慮して決定しており、電気ヒータによる空気温度の上昇量を考慮していない。
したがって、風量が低い場合には吹出温度を必要以上に高くしてしまい、空調の省エネルギー化に反する結果を招いてしまう虞がある。換言すれば、空調のためのエンジン作動を必要以上に行ってしまい、燃費を悪化させてしまう虞がある。
なお、このような問題は、エンジンを搭載する車両に用いられる車両用空調装置に限らず、燃料電池車、電気自動車に用いられる車両用空調装置においても同様に発生しうる。
このことを詳しく説明すると、燃料電池車に用いられる車両用空調装置では、燃料電池の冷却水を熱源として車室内への送風空気を加熱することが考えられる。また、電気自動車に用いられる車両用空調装置では、電気温水ヒータによって加熱された温水を熱源として車室内への送風空気を加熱することが考えられる。
このような車両用空調装置においては、電気ヒータの作動状態によっては、燃料電池の冷却水や温水等の熱媒体を加熱しなくても良い場合があるのにもかかわらず、燃料電池を発電させたり、電気温水ヒータを作動させたりすると、エネルギーを無駄に消費することになる。
本発明は上記点に鑑みて、空調の省エネルギー化を図ることを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、送風空気を発生する送風機(12)と、
送風空気と熱媒体とを熱交換させて送風空気を加熱する加熱用熱交換器(14)と、
通電により発熱して送風空気を加熱する電気ヒータ(15)と、
加熱用熱交換器(14)および電気ヒータ(15)を収容するケーシング(11)と、
熱媒体の温度を上昇させる温度上昇手段(EG)が停止している場合には温度上昇手段(EG)が作動している場合よりも送風空気の風量が低くなるように送風機(12)を制御する制御手段(50)とを備えることを特徴とする。
これによると、温度上昇手段(EG)が停止すると熱媒体の温度が低下して加熱用熱交換器(14)による送風空気の温度上昇量が小さくなってしまうのであるが、このときに送風空気の風量を低くするので、電気ヒータ(15)の発熱量(消費電力)を増加させることなく電気ヒータ(15)による送風空気の温度上昇量(ΔTptc)を大きくすることができる。
換言すれば、温度上昇手段(EG)を作動させたり電気ヒータ(15)の発熱量(消費電力)を増加させたりすることなく吹出空気温度の低下を抑制することができる。このため、空調の省エネルギー化を図ることができる。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の車両用空調装置において、制御手段(50)は、温度上昇手段(EG)の始動時に、風量の変化を緩和する制御を行うことを特徴とする。
これにより、熱媒体の温度が上昇している最中に風量が急に高くなって吹出空気温度が低下してしまうことを抑制できる。なお、本発明における「風量の変化を緩和する制御」としては、具体的には、風量を所定の時定数をもって変化させる制御や、風量の変化量を減少補正する制御を用いることができる。
請求項3に記載の発明では、請求項1または2に記載の車両用空調装置において、制御手段(50)は、吹出空気温度が所定温度よりも低くなると判断される場合に温度上昇手段(EG)に対して作動要求信号を出力することを特徴とする。
これにより、電気ヒータ(15)および温度上昇手段(EG)の両方を効率的に利用して吹出空気温度の低下を抑制することができる。
請求項4に記載の発明では、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車両用空調装置において、制御手段(50)は、温度上昇手段(EG)が作動している場合には風量を第1の制御マップを参照して決定し、温度上昇手段(EG)が停止している場合には風量を第2の制御マップを参照して決定することを特徴とする。
これによると、2つの制御マップを用いるという簡単かつ確実な方法で、上述のような送風機制御を行うことができる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
本発明の第1実施形態における車両用空調装置の構成図である。 図1の車両用空調装置の電気制御部の構成図である。 図1中の電気ヒータの構成図である。 図1の車両用空調装置の制御処理を示すフローチャートである。 図4のステップS6の詳細を示すフローチャートである。 図4のステップS10の詳細を示すフローチャートである。 図4のステップS11の詳細を示すフローチャートである。 図4のステップS12の詳細を示すフローチャートである。 図4のステップS13の詳細を示すフローチャートである。
以下、本発明の一実施形態を説明する。図1に、本実施形態における車両用空調装置の全体構成を示し、図2に、この車両用空調装置の電気制御部の構成を示す。本実施形態の車両用空調装置は、エンジン(内燃機関)EGおよび走行用電動モータから車両走行用の駆動力を得るハイブリッド車に搭載されるものである。
本実施形態のハイブリッド車両は、車両の走行負荷に応じてエンジンEGを作動あるいは停止させて、エンジンEGおよび走行用電動モータの双方から駆動力を得て走行する走行状態や、エンジンを停止させて走行用電動モータのみから駆動力を得て走行する走行状態等を切り替えることができる。これにより、車両走行用の駆動力をエンジンEGのみから得る通常の車両に対して車両燃費を向上させている。
車両用空調装置は、図1に示す室内空調ユニット10と、本発明の制御手段としての図2に示す空調制御装置50とを備えている。
室内空調ユニット10は、車室内最前部の計器盤(インストルメントパネル)の内側に配置されて、その外殻を形成するケーシング11内に送風機12、蒸発器13、ヒータコア14、PTCヒータ15等を収容したものである。
ケーシング11は、車室内に送風される送風空気の空気通路を形成しており、ある程度の弾性を有し、強度的にも優れた樹脂(例えば、ポリプロピレン)にて成形されている。ケーシング11内の送風空気流れ最上流側には、内気(車室内空気)と外気(車室外空気)とを切替導入する内外気切替箱20が配置されている。
より具体的には、内外気切替箱20には、ケーシング11内に内気を導入させる内気導入口21および外気を導入させる外気導入口22が形成されている。さらに、内外気切替箱20の内部には、内気導入口21および外気導入口22の開口面積を連続的に調整して、内気の風量と外気の風量との風量割合を変化させる内外気切替ドア23が配置されている。
したがって、内外気切替ドア23は、ケーシング11内に導入される内気の風量と外気の風量との風量割合を変化させる吸込口モードを切り替える風量割合変更手段を構成する。より具体的には、内外気切替ドア23は、内外気切替ドア23用の電動アクチュエータ62によって駆動され、この電動アクチュエータ62は、空調制御装置50から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
また、吸込口モードとしては、内気導入口21を全開とするとともに外気導入口22を全閉としてケーシング11内へ内気を導入する内気モード、内気導入口21を全閉とするとともに外気導入口22を全開としてケーシング11内へ外気を導入する外気モード、さらに、内気モードと外気モードとの間で、内気導入口21および外気導入口22の開口面積を連続的に調整することにより、内気と外気の導入比率を連続的に変化させる内外気混入モードがある。
内外気切替箱20の空気流れ下流側には、内外気切替箱20を介して吸入した空気を車室内へ向けて送風する送風機(ブロワ)12が配置されている。この送風機12は、遠心多翼ファン(シロッコファン)12aを電動モータ12bにて駆動する電動送風機であって、空調制御装置50から出力される制御電圧によって回転数(送風量)が制御される。
送風機12の空気流れ下流側には、蒸発器13が配置されている。蒸発器13は、その内部を流通する冷媒と送風空気とを熱交換させて送風空気を冷却する冷却用熱交換器である。蒸発器13は、圧縮機(コンプレッサ)31、凝縮器32、気液分離器33、膨張弁34等とともに、冷凍サイクル30を構成している。
圧縮機31は、エンジンルーム内に配置され、冷凍サイクル30において冷媒を吸入し、圧縮して吐出するものであり、吐出容量が固定された固定容量型圧縮機構31aを電動モータ31bにて駆動する電動圧縮機として構成されている。電動モータ31bは、インバータ61から出力される交流電圧によって、その作動(回転数)が制御される交流モータである。また、インバータ61は、後述する空調制御装置50から出力される制御信号に応じた周波数の交流電圧を出力する。そして、この回転数制御によって、圧縮機31の冷媒吐出能力が変更される。したがって、電動モータ31bは、圧縮機31の吐出能力変更手段を構成している。
凝縮器32は、エンジンルーム内に配置されて、内部を流通する冷媒と、室外送風機としての送風ファン35から送風された車室外空気(外気)とを熱交換させることにより、圧縮された冷媒を凝縮液化させるものである。送風ファン35は、空調制御装置50から出力される制御電圧によって稼働率、すなわち、回転数(送風空気量)が制御される電動式送風機である。
気液分離器33は、凝縮液化された冷媒を気液分離して液冷媒のみを下流に流すものである。膨張弁34は、液冷媒を減圧膨張させる減圧手段である。蒸発器13は、冷媒と送風空気との熱交換により、減圧膨張された冷媒を蒸発気化させるものである。
また、ケーシング11内において、蒸発器13の空気流れ下流側には、蒸発器13通過後の空気を流す加熱用冷風通路(第1通路)16、冷風バイパス通路(第2通路)17といった空気通路、並びに、加熱用冷風通路16および冷風バイパス通路17から流出した空気を混合させる混合空間18が形成されている。
加熱用冷風通路16には、蒸発器13通過後の送風空気を加熱するための加熱手段としてのヒータコア14およびPTCヒータ15が、送風空気流れ方向に向かってこの順で配置されている。
ヒータコア14は、車両走行用駆動力を出力するエンジンEGの冷却水(熱媒体)と蒸発器13通過後の送風空気とを熱交換させて、蒸発器13通過後の送風空気を加熱する加熱用熱交換器である。
具体的には、ヒータコア14とエンジンEGとの間に冷却水流路41が設けられて、ヒータコア14とエンジンEGとの間を冷却水が循環する冷却水回路40が構成されている。そして、この冷却水回路40には、冷却水を循環させるための電動ウォータポンプ42が設置されている。電動ウォータポンプ42は、空調制御装置50から出力される制御電圧によって回転数(冷却水循環量)が制御される電動式の水ポンプである。したがって、エンジンEGは、熱媒体の温度を上昇させる温度上昇手段と表現することができる。
また、PTCヒータ15は、PTC素子(正特性サーミスタ)を有し、このPTC素子に電力が供給されることによって発熱して、ヒータコア14通過後の送風空気を加熱する電気ヒータである。
ここで、図3に、本実施形態のPTCヒータ15の電気的構成を示す。本実施形態では、PTCヒータ15として、複数本、例えば、3本のPTCヒータ15a、15b、15cを用いている。空調制御装置50が、第1PTCヒータ15a、第2PTCヒータ15b、第3PTCヒータ15cの各PTC素子h1、h2、h3に対して設けられているスイッチ素子SW1、SW2、SW3のON/OFFを制御することで、各PTCヒータ15a、15b、15cへの通電・非通電を制御するようになっている。そして、空調制御装置50が、通電するPTCヒータ15の本数を変化させることによって、複数のPTCヒータ15全体としての加熱能力が制御される。
一方、冷風バイパス通路17は、蒸発器13通過後の空気を、ヒータコア14およびPTCヒータ15を通過させることなく、混合空間18に導くための空気通路である。したがって、混合空間18にて混合された送風空気の温度は、加熱用冷風通路16を通過する空気および冷風バイパス通路17を通過する空気の風量割合によって変化する。
そこで、本実施形態では、蒸発器13の空気流れ下流側であって、加熱用冷風通路16および冷風バイパス通路17の入口側に、加熱用冷風通路16および冷風バイパス通路17へ流入させる冷風の風量割合を連続的に変化させるエアミックスドア19を配置している。
したがって、エアミックスドア19は、混合空間18内の空気温度(車室内へ送風される送風空気の温度)を調整する温度調整手段を構成する。より具体的には、エアミックスドア19は、エアミックスドア用の電動アクチュエータ63によって駆動され、この電動アクチュエータ63は、空調制御装置50から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
さらに、ケーシング11の送風空気流れ最下流部には、混合空間18から空調対象空間である車室内へ温度調整された送風空気を吹き出す吹出口24〜26が配置されている。この吹出口24〜26としては、具体的に、車室内の乗員の上半身に向けて空調風を吹き出すフェイス吹出口24、乗員の足元に向けて空調風を吹き出すフット吹出口25、および、車両前面窓ガラス内側面に向けて空調風を吹き出すデフロスタ吹出口26が設けられている。
また、フェイス吹出口24、フット吹出口25、およびデフロスタ吹出口26の空気流れ上流側には、それぞれ、フェイス吹出口24の開口面積を調整するフェイスドア24a、フット吹出口25の開口面積を調整するフットドア25a、デフロスタ吹出口26の開口面積を調整するデフロスタドア26aが配置されている。
これらのフェイスドア24a、フットドア25a、デフロスタドア26aは、吹出口モードを切り替える吹出口モード切替手段を構成するものであって、図示しないリンク機構を介して、吹出口モードドア駆動用の電動アクチュエータ64に連結されて連動して回転操作される。なお、この電動アクチュエータ64も、空調制御装置50から出力される制御信号によってその作動が制御される。
また、吹出口モードとしては、フェイス吹出口24を全開してフェイス吹出口24から車室内乗員の上半身に向けて空気を吹き出すフェイスモード、フェイス吹出口24とフット吹出口25の両方を開口して車室内乗員の上半身と足元に向けて空気を吹き出すバイレベルモード、フット吹出口25を全開するとともにデフロスタ吹出口26を小開度だけ開口して、フット吹出口25から主に空気を吹き出すフットモード、およびフット吹出口25およびデフロスタ吹出口26を同程度開口して、フット吹出口25およびデフロスタ吹出口26の双方から空気を吹き出すフットデフロスタモードがある。
なお、本実施形態の車両用空調装置が適用されるハイブリッド車両は、車両用空調装置とは別に、シート暖房装置65を備えている。シート暖房装置65とは、座席(シート)の内部あるいは表面に配置された補助暖房装置であって、乗員の体を直接的に温めて乗員の温感を効果的に高めるものである。本例では、シート暖房装置65として、電力が供給されることにより発熱する電気ヒータを用いている。
このシート暖房装置65についても空調制御装置50から出力される制御信号によって、その作動を制御できるようになっている。
次に、図2により、本実施形態の電気制御部について説明する。空調制御装置50は、CPU、ROMおよびRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成され、そのROM内に記憶された空調制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行い、出力側に接続された送風機12、圧縮機31の電動モータ31b用のインバータ61、送風ファン35、各種電動アクチュエータ62、63、64、第1PTCヒータ15a、第2PTCヒータ15b、第3PTCヒータ15c、電動ウォータポンプ42等の作動を制御する。
また、空調制御装置50の入力側には、車室内温度Trを検出する内気センサ51、外気温Tamを検出する外気センサ52(外気温検出手段)、車室内の日射量Tsを検出する日射センサ53、圧縮機31吐出冷媒温度Tdを検出する吐出温度センサ54(吐出温度検出手段)、圧縮機31吐出冷媒圧力Pdを検出する吐出圧力センサ55(吐出圧力検出手段)、蒸発器13からの吹出空気温度(蒸発器温度)TEを検出する蒸発器温度センサ56(蒸発器温度検出手段)、圧縮機31に吸入される冷媒の温度Tsiを検出する吸入温度センサ57、エンジン冷却水温度TWを検出する冷却水温度センサ58等のセンサ群の検出信号が入力される。
なお、本実施形態の蒸発器温度センサ56は、具体的に蒸発器13の熱交換フィン温度を検出している。もちろん、蒸発器温度センサ56として、蒸発器13のその他の部位の温度を検出する温度検出手段を採用してもよいし、蒸発器13を流通する冷媒自体の温度を直接検出する温度検出手段を採用してもよい。
さらに、空調制御装置50の入力側には、車室内前部の計器盤付近に配置された操作パネル60に設けられた各種空調操作スイッチからの操作信号が入力される。操作パネル60に設けられた各種空調操作スイッチとしては、具体的に、車両用空調装置1の作動スイッチ(図示せず)、エアコンのオン・オフ(具体的には圧縮機31のオン・オフ)を切り替えるエアコンスイッチ60a、車両用空調装置1の自動制御を設定・解除するオートスイッチ60b、運転モードの切替スイッチ(図示せず)、吸込口モードを切り替える吸込口モードスイッチ(図示せず)、吹出口モードを切り替える吹出口モードスイッチ(図示せず)、送風機12の風量設定スイッチ(図示せず)、車室内温度を設定する車室内温度設定スイッチ60c、冷凍サイクルの省動力化を優先させる指令を出力するエコノミースイッチ60d等が設けられている。
さらに、空調制御装置50は、エンジンEGの作動を制御するエンジン制御装置70に電気的接続されており、空調制御装置50およびエンジン制御装置70は互いに電気的に通信可能に構成されている。これにより、一方の制御装置に入力された検出信号あるいは操作信号に基づいて、他方の制御装置が出力側に接続された各種機器の作動を制御することもできる。例えば、空調制御装置50がエンジン制御装置70へエンジンEGの作動要求信号を出力することによって、エンジンEGを作動させることができる。
次に、図4により、上記構成における本実施形態の作動を説明する。図4は、本実施形態の車両用空調装置1の制御処理を示すフローチャートである。なお、図4中の各ステップS1〜S15は、空調制御装置50が有する各機能手段S1〜S15に相当する。
まず、ステップS1では、フラグ、タイマ等の初期化、および上述した電動アクチュエータを構成するステッピングモータの初期位置合わせ等が行われる。
次のステップS2では、操作パネル60の操作信号を読み込んでステップS3へ進む。具体的な操作信号としては、車室内温度設定スイッチ60cによって設定される車室内設定温度Tset、吹出口モードの選択信号、吸込口モードの選択信号、送風機12の風量の設定信号等がある。
ステップS3では、空調制御に用いられる車両環境状態の信号、すなわち上述のセンサ群51〜58等の検出信号を読み込んで、ステップS4へ進む。ステップS4では、車室内吹出空気の目標吹出温度TAOを算出する。目標吹出温度TAOは、下記数式F1により算出される。
TAO=Kset×Tset−Kr×Tr−Kam×Tam−Ks×Ts+C…(F1)
ここで、Tsetは車室内温度設定スイッチ60cによって設定された車室内設定温度、Trは内気センサ51によって検出された車室内温度(内気温)、Tamは外気センサ52によって検出された外気温、Tsは日射センサ53によって検出された日射量である。Kset、Kr、Kam、Ksは制御ゲインであり、Cは補正用の定数である。
続くステップS5〜S12では、空調制御装置50に接続された各種機器の制御状態が決定される。
まず、ステップS5では、エアミックスドア19の目標開度SWを上記TAO、蒸発器温度センサ56によって検出された蒸発器13からの吹出空気温度TE、エアミックス前の温風温度TWDに基づいて算出する。
具体的には、目標開度SWは、次の数式F2−1により算出できる。
SW=[{TAO−(TE+2)}/{TWD−(TE+2)}]×100(%)…(F2−1)
ここで、エアミックス前の温風温度TWDとは、加熱用冷風通路16に配置された加熱手段(ヒータコア14、およびPTCヒータ15)の加熱能力に応じて決定される値であって、具体的には、次の数式F2−2により算出できる。
TWD=TW×0.8+TE×0.2+ΔTptc…(F2−2)
ここで、TEは蒸発器温度センサ56によって検出された蒸発器13からの吹出空気温度、TWは冷却水温度センサ58によって検出されたエンジン冷却水温度、ΔTptcは、PTCヒータ15の作動による吹出温上昇量である。また、0.8はヒータコア14の熱交換効率αの一例であり、0.2はヒータコア14からの吹出空気温度に対する蒸発器13からの吹出空気温度TEの寄与度βの一例である。
この吹出温上昇量ΔTptcとは、吹出口から車室内へ吹き出される空調風の温度(吹出温)のうちPTCヒータ15の作動が寄与した温度上昇量である。この吹出温上昇量ΔTptcは、PTCヒータ15の消費電力W(Kw)、空気密度ρ(kg/m3)、空気比熱Cp、PTCヒータ15を通過する風量であるPTC通過風量Va(m3/h)を用いて、数式F2−3により演算できる。
ΔTptc=W/ρ/Cp/Va×3600…(F2−3)
ここで、PTCヒータ15の消費電力Wとしては、PTCヒータ15の定格消費電力を、PTCヒータ15に流入する空気の温度と、PTC素子の温度特性とに基づいて補正した値を用いることができる。
PTC通過風量Vaとしては、単純にブロワ風量を用いるのではなく、数式F2−4により演算したもの、すなわち、ブロワ風量に対して、前回のステップS5で算出したエアミックス開度SW_OLD(%)を考慮したものを用いる。
Va(m3/h)=ブロワ風量(m3/h)×f(SW_OLD/100)…(F2−4)
ここで、f(SW_OLD/100)としては、SW_OLD(%)が10以上100以下の間は、SW_OLD/100によって算出した結果を用い、SW_OLD(%)<10のとき、f(SW_OLD/100)を0.1とし、SW_OLD(%)>100のとき、f(SW_OLD/100)を1とする(後述するステップS31中に記載のf(SW/100)とSWとの関係図を参照)。
このようにして、実際のPTCヒータ15の作動による吹出温上昇量とずれないように、吹出温上昇量ΔTptcを演算することができる。なお、ΔTptcは、30秒の時定数をもって1秒毎に更新される。また、ステップS5を初めて実行する場合には、前回のエアミックス開度SW_OLD=100%として数式F2−4の演算を行う。
なお、SW=0(%)は、エアミックスドア19の最大冷房位置であり、冷風バイパス通路17を全開し、加熱用冷風通路16を全閉する。これに対し、SW=100(%)は、エアミックスドア19の最大暖房位置であり、冷風バイパス通路17を全閉し、加熱用冷風通路16を全開する。
ステップS6では、送風機12により送風される空気の目標送風量を決定する。具体的には電動モータ12bに印加するブロワ電圧をステップS4にて決定されたTAO(換言すれば熱負荷)に基づいて、予め空調制御装置50に記憶された制御マップを参照して決定する。
具体的には、本実施形態では、TAOの極低温域(最大冷房域)および極高温域(最大暖房域)でブロワ電圧を最大値付近の高電圧にして、送風機12の風量を最大風量付近に制御する。また、TAOが極低温域から中間温度域に向かって上昇すると、TAOの上昇に応じてブロワ電圧を減少して、送風機12の風量を減少させる。
さらに、TAOが極高温域から中間温度域に向かって低下すると、TAOの低下に応じてブロワ電圧を減少して、送風機12の風量を減少させる。また、TAOが所定の中間温度域内に入ると、ブロワ電圧を最小値にして送風機12の風量を最小値にするようになっている。本実施形態のステップS6のより詳細な内容については後述する。
ステップS7では、吸込口モード、すなわち内外気切替箱20の切替状態を決定する。この吸込口モードもTAOに基づいて、予め空調制御装置50に記憶された制御マップを参照して決定する。本実施形態では、基本的に外気を導入する外気モードが優先されるが、TAOが極低温域となって高い冷房性能を得たい場合等に内気を導入する内気モードが選択される。さらに、外気の排ガス濃度を検出する排ガス濃度検出手段を設け、排ガス濃度が予め定めた基準濃度以上となったときに、内気モードを選択するようにしてもよい。
ステップS8では、吹出口モードを決定する。この吹出口モードも、TAOに基づいて、予め空調制御装置50に記憶された制御マップを参照して決定する。本実施形態では、TAOが低温域から高温域へと上昇するにつれて吹出口モードをフットモード→バイレベルモード→フェイスモードへと順次切り替える。
したがって、夏季は主にフェイスモード、春秋季は主にバイレベルモード、そして冬季は主にフットモードが選択される。さらに、湿度センサの検出値から窓ガラスに曇りが発生する可能性が高い場合には、フットデフロスタモードあるいはデフロスタモードを選択するようにしてもよい。
ステップS9では、圧縮機31の冷媒吐出能力(具体的には、回転数)を決定する。本実施形態の基本的な圧縮機31の回転数の決定手法は以下の通りである。例えば、ステップS4で決定したTAO等に基づいて、予め空調制御装置50に記憶されている制御マップを参照して、蒸発器13からの吹出空気温度TEの目標吹出温度TEOを決定する。
さらに、この目標吹出温度TEOと吹出空気温度TEの偏差En(TEO−TE)を算出し、この偏差Enと、今回算出された偏差Enから前回算出された偏差En−1を減算した偏差変化率Edot(En−(En−1))とを用いて、予め空調制御装置50に記憶されたメンバシップ関数とルールとに基づいたファジー推論に基づいて、前回の圧縮機回転数fCn−1に対する回転数変化量ΔfCを求める。そして、前回の圧縮機回転数fCn−1に回転数変化量ΔfCを加算したものを今回の圧縮機回転数fCnとする。
ステップS10では、外気温、エアミックス開度、冷却水温度に応じて、PTCヒータ15の作動本数を決定する。本実施形態のステップS10のより詳細な内容については後述する。
ステップS11では、エンジンEGの作動要求(エンジンON要求)の要否を決定する。このステップS11では、バッテリ残量および走行条件によってエンジンEGが停止している場合に、空調のためのエンジンEGの作動および停止を決定する。
ここで、車両走行用の駆動力をエンジンEGのみから得る通常の車両では、常時エンジンを作動させているのでエンジン冷却水も常時高温となる。したがって、通常の車両ではエンジン冷却水をヒータコア14に流通させることで充分な暖房性能を発揮することができる。
これに対して、本実施形態のようなハイブリッド車両では、バッテリ残量に余裕があれば、走行用電動モータのみから走行用の駆動力を得て走行することができる。このため、高い暖房性能が必要な場合であっても、エンジンEGが停止しているとエンジン冷却水温度が40℃程度にしか上昇せず、ヒータコア14にて充分な暖房性能が発揮できなくなる。
そこで、本実施形態では、高い暖房性能が必要な場合であってもエンジン冷却水温度TWが予め定めた基準冷却水温度よりも低いときは、エンジン冷却水温度TWを所定温度以上に維持するため、空調制御装置50からエンジンEGの制御に用いられるエンジン制御装置70に対して、エンジンEGを作動するようにエンジン作動要求信号(エンジンON要求信号)を出力する。これにより、エンジン冷却水温度TWを上昇させて高い暖房性能を得るようにしている。
ただし、このようなエンジンON要求信号の出力は、車両走行用の駆動源としてエンジンEGを作動させる必要の無い場合であってもエンジンEGを作動させることになるので、車両燃費を悪化させる要因となる。このため、エンジンON要求信号を出力する頻度は極力低減させることが望ましい。
そこで、本実施形態では、後述するように、吹出口モードがフェイスモード時では、フェイスモード以外の他の吹出口モード時と比較して、エンジンON要求信号の出力頻度が低下するように、他の吹出口モード時に用いるエンジンON要求信号の出力条件とは異なる出力条件を用いるようになっている。
ステップ12では、ヒータコア14とエンジンEGとの間でエンジン冷却水を循環させる電動ウォータポンプ42の作動の要否を決定する。本実施形態のステップS12のより詳細な内容については後述する。なお、このステップS12は、エンジンEGのON、OFF状態や、吹出口モードに関わらず、実行される。
ステップ13では、シート暖房装置65の作動の要否を決定する。本実施形態のステップS13のより詳細な内容については後述する。なお、このステップS13は、エンジンEGのON、OFF状態や、吹出口モードに関わらず、実行される。
ステップS14では、上述のステップS5〜S12で決定された制御状態が得られるように、空調制御装置50より各種機器12、61、35、62、63、64、15a、15b、15c、42、65やエンジン制御装置70に対して制御信号および制御電圧が出力される。
これにより、例えば、PTCヒータ15は、ステップ10で決定された作動本数で作動するとともに、電動ウォータポンプ42は、ステップS12で決定された通りに作動もしくは停止する。
また、エンジン制御装置70に対して、空調のためのエンジンON要求信号が出力されれば、バッテリ残量が所定量以上であって、走行条件によってエンジンEGが停止している場合、エンジンEGが作動する。また、空調のためにエンジンEGが作動している際では、エンジン冷却水温度等の条件によって、例えば、エンジン停止信号(エンジンOFF信号)が出力された場合に、エンジンEGが停止する。
次のステップS15では、制御周期τの間待機し、制御周期τの経過を判定するとステップS2に戻るようになっている。なお、本実施形態は制御周期τを250msとしている。これは、車室内の空調制御は、エンジン制御等と比較して遅い制御周期であってもその制御性に悪影響を与えないからである。さらに、車両内における空調制御のための通信量を抑制して、エンジン制御等のように高速制御を行う必要のある制御系の通信量を充分に確保することができる。
次に、図4のステップS6の目標送風量決定処理の詳細な内容を説明する。図5は、このステップS6の詳細を示すフローチャートである。
図5に示すように、ステップS61では、エンジンEGが停止しているか否かを判定する。エンジンEGが停止していないと判定した場合(NO判定の場合)、低風量制御は必要無いと判断して、ステップS62に進み、仮のブロワ電圧f(TAO)を、通常風量の制御マップ(第1の制御マップ)を参照して決定し、ステップS63でエコモード時ブロワ電圧ECOを決定する。
具体的には、f(TAO)としては、ステップS62中に記載のf(TAO)とTAOとの関係図の通り、TAO<−20のとき、f(TAO)を12とし、TAOが−20以上10以下の間は、TAOが上昇するにつれてf(TAO)を12から4まで減少させ、TAO>100のとき、f(TAO)を10とし、TAOが40以上100以下の間は、TAOが低下するにつれてf(TAO)を10から4まで減少させ、TAOが10以上40以下の間は、f(TAO)を4(最小値)にする。
ステップS63のエコモード時ブロワ電圧ECOは、ステップS62のf(TAO)よりも1V低く設定される(ECO=f(TAO)−1)。
一方、ステップS61でエンジンEGが停止していると判定した場合(YES判定の場合)、ステップS64に進み、仮のブロワ電圧f(TAO)を、低風量の制御マップ(第2の制御マップ)を参照して決定し、ステップS65で、エコモード時ブロワ電圧ECOを決定する。
具体的には、f(TAO)としては、ステップS64中に記載のf(TAO)とTAOとの関係図の通り、TAO<−20のとき、f(TAO)を6とし、TAOが−20以上10以下の間は、TAOが上昇するにつれてf(TAO)を6から3まで減少させ、TAO>100のとき、f(TAO)を5とし、TAOが40以上100以下の間は、TAOが低下するにつれてf(TAO)を5から3まで減少させ、TAOが10以上40以下の間は、f(TAO)を3(最小値)にする。
すなわち、エンジン作動時とエンジン停止時とでブロワ電圧f(TAO)を比較すると、TAO(熱負荷)が同じであったとしたならば、エンジン停止時のブロワ電圧f(TAO)はエンジン作動時の半分程度に抑えられる。
ステップS65のエコモード時ブロワ電圧ECOは、ステップS62のf(TAO)よりも2V低く設定される(ECO=f(TAO)−2)。
続いて、ステップS66では、乗員が寒すぎる環境か否かを判定する。この判定結果f(外気温)は、次のステップS67でのブロワ電圧決定の際のパラメータとなる。
具体的には、外気センサ52で検出した外気温Tamを予め定められた所定温度と比較して、外気温Tamが所定温度(本例では5℃)より低ければ、f(外気温)=ONとして乗員が寒すぎる環境であると判定する。一方、外気温Tamが所定温度(本例では6℃)よりも高ければ、f(外気温)=OFFとして乗員が寒すぎない環境であると判定する。
そして、ステップS67で、PTCヒータ15の作動本数、エコノミースイッチ60dのON/OFF状態、ステップS66の判定結果f(外気温)、車室内温度設定スイッチ60cによって設定された車室内設定温度Tsetに基づいて、ブロワ電圧の決定を行う。なお、PTCヒータ15の作動本数はステップS10で決定されるので、ステップS67を初めて実行する場合にはPTCヒータ15の作動本数を0本としてブロワ電圧を決定す。
ステップS67では、具体的には、PTCヒータ作動本数が1本以上で、エコノミースイッチ60dがON状態で、f(外気温)=OFFで、かつ車室内設定温度Tsetが28未満の場合には、ブロワ電圧を、ステップS63またはステップS65で算出したエコモード時ブロワ電圧ECOとする。
すなわち、PTCヒータ15が作動しており、乗員がエコノミースイッチ60dをONして空調の省エネ運転を希望しており、f(外気温)=OFFで乗員が寒すぎない環境()であり、かつTsetが28未満で乗員が寒さを感じてない場合には、ブロワ電圧をエコモード時ブロワ電圧ECOとすることによって送風機12の風量を超低風量にする。
一方、PTCヒータ作動本数が1本以上で、エコノミースイッチ60dがON状態で、f(外気温)=OFFで、かつ車室内設定温度Tsetが28以上の場合には、ブロワ電圧を、ステップS62またはステップS64で算出した仮のブロワ電圧f(TAO)とする。
また、PTCヒータ作動本数が1本以上で、エコノミースイッチ60dがON状態で、かつf(外気温)=ONの場合には、車室内設定温度Tsetに関わらず、ブロワ電圧を、ステップS62またはステップS64で算出した仮のブロワ電圧f(TAO)とする。
また、PTCヒータ作動本数が1本以上で、かつエコノミースイッチ60dがOFF状態の場合には、f(外気温)や車室内設定温度Tsetに関わらず、ブロワ電圧を、ステップS62またはステップS64で算出した仮のブロワ電圧f(TAO)とする。
また、PTCヒータ作動本数が0本の場合には、エコノミースイッチ60dの状態やf(外気温)や車室内設定温度Tsetに関わらず、ブロワ電圧を、ステップS62またはステップS64で算出した仮のブロワ電圧f(TAO)とする。
上述の数式F2−3からわかるように、PTCヒータ15の作動による吹出温上昇量ΔTptcは、PTC通過風量Vaに反比例する。このため、送風機12の風量を低くしてPTC通過風量Vaを低くすれば、PTCヒータ15の消費電力Wが一定であっても吹出温上昇量ΔTptcを大きくして吹出温度を高めることができる。
そこで、ステップS62、S64、S67のごとく、エンジン停止時にはエンジン作動時よりも送風機12の風量を低くするので、エンジン停止時にエンジン冷却水温度TWが低下してヒータコア14による吹出温上昇量が低下しても、吹出温上昇量ΔTptcを大きくして吹出温度の低下を抑制することができる。
さらに、ステップS67のごとく、乗員が空調の省エネ運転を希望しており、乗員が寒すぎない環境であり、かつ乗員が寒さを感じてない場合には、送風機12の風量を超低風量(ブロワ電圧=ECO)にしてPTC通過風量Vaを超低風量にすることによって、吹出温上昇量ΔTptcをさらに大きくする。
なお、エンジン始動時においては、ブロワ電圧は所定の時定数(本例では30秒の時定数)をもって変化する。ここで、エンジン始動時とは、エンジン停止状態からエンジン作動状態に移行した直後のある程度の期間のことであって、エンジン冷却水温度TWの上昇度合いが大きい期間(例えば5分程度)のことを意味している。
エンジン始動時はエンジン冷却水温度TWが上昇している最中なので、風量を急に高くすると吹出温度が低下してしまい、乗員に不快感を与えてしまう。そこで、エンジン始動時にはブロワ電圧を所定の時定数をもって変化させて風量の変化を緩和させることによって、エンジン冷却水温度TWの上昇度合いに合わせて風量をゆっくりと上昇させて吹出温度の低下を軽減させる。
なお、ブロワ電圧を必ずしも所定の時定数をもって変化させる必要はなく、例えばブロワ電圧の変化量を減少補正することによって風量の変化を緩和させてもよい。
次に、図4のステップS10のPTC作動本数決定処理の詳細な内容を説明する。図6は、このステップS10の詳細を示すフローチャートである。
図6に示すように、ステップS101では、外気温に基づいてPTCヒータ15の作動が不要か否かを判定する。具体的には、外気センサ52が検出した外気温が所定温度、本例では、26℃よりも高いか否かを判定する。外気温が26℃よりも高いと判定した場合(YES判定の場合)、PTCヒータ15による吹出温アシストは必要無いと判断して、ステップS105に進み、PTCヒータ15の作動本数を0本に決定する。一方、ステップS101で、外気温が26℃よりも低いと判定した場合(NO判定の場合)、ステップS102に進む。
ステップS102では、エアミックス開度SWに基づいてPTCヒータ作動の要否(f(SW)=ONorOFF)を決定する。エアミックス開度SWが小さいほど、暖風割合が少ないことから、エアミックス開度SWが小さければ、PTCヒータの作動は不要であると考えられる。そこで、ステップS102では、ステップS5で決定したエアミックス開度SWを予め定められた所定開度と比較して、エアミックス開度SWが所定開度(本例では30%)よりも小さければ、PTCヒータ停止(f(SW)=OFF)とする。一方、エアミックス開度SWが所定開度(本例では40%)よりも大きければ、PTCヒータ作動(f(SW)=ON)とする。
そして、ステップS103では、ステップS102で決定したPTCヒータ作動の要否結果がPTCヒータ停止(f(SW)=OFF)か否かを判定する。このとき、f(SW)=OFFの場合(YES判定の場合)、ステップS105に進み、PTCヒータの作動本数を0本に決定する。一方、f(SW)=ONの場合(NO判定の場合)、ステップS104に進む。
ステップS104では、冷却水温度TWに応じてPTCヒータ15の作動本数を決定する。具体的には、第1所定温度T1>第2所定温度T2>第3所定温度T3として予め定めておき、TW>T1のとき、作動本数を0本とし、T1>TW>T2のとき、作動本数を1本とし、T2>TW>T3のとき、作動本数を2本とし、T3>TWのとき、作動本数を3本とする。本例では、作動本数を増加させる場合に用いるT1、T2、T3をそれぞれ65℃、62.5℃、60℃としており、作動本数を減少させる場合に用いるT1、T2、T3をそれぞれ67.5℃、65℃、62.5℃としている。
次に、図4のステップS11のエンジンON要求の要否決定処理の詳細な内容を説明する。図7は、このステップS11の詳細を示すフローチャートである。

図7に示すステップS111〜S116では、ステップS117で行うエンジン冷却水温度に基づくエンジンON要求の要否決定に用いる判定しきい値を算出する。
まず、ステップS111で、ステップS6で決定したブロワ電圧とステップS8で決定した吹出口モードとに基づいて、送風機(ブロワ)12からの総風量(以下、ブロワ風量と言う。)を演算する。具体的には、図7のステップS111中に記載のように、吹出口モード毎に作成されたブロワ電圧とブロワ風量との関係を示すマップがECUに予め記憶されており、このマップに基づいて、ブロワ風量を推定する。
このように、ブロワ風量の演算において、吹出口モードを考慮するのは、同じブロワ稼働率であっても、例えば、FACEモード時の方がFOOTモード時よりもブロワ風量が多くなるように、吹出口モードによって、ケーシング11内を流れる風の圧力損失が異なることによって、ブロワ風量が異なるからである。
続いて、ステップS112で、PTCヒータ15の作動による吹出温上昇量ΔTptcを演算する。この吹出温上昇量ΔTptcは、上述した数式F2−3により演算できる。すなわち、この吹出温上昇量ΔTptcは、PTCヒータ15の消費電力W(Kw)、空気密度ρ(kg/m3)、空気比熱Cp、PTCヒータ15を通過する風量であるPTC通過風量Va(m3/h)を用いて演算できる。
ΔTptc=W/ρ/Cp/Va×3600…(F3)
ここで、PTC通過風量Vaとしては、単純にブロワ風量を用いるのではなく、数式F4により演算したもの、すなわち、ブロワ風量に対してエアミックス開度SW(%)を考慮したものを用いる。
Va(m3/h)=ブロワ風量(m3/h)×f(SW/100)…(F4)
また、f(SW/100)としては、ステップS112中に記載のf(SW/100)とSWとの関係図の通り、SW(%)が10以上100以下の間は、SW/100によって算出した結果を用い、SW(%)<10のとき、f(SW/100)を0.1とし、SW(%)>100のとき、f(SW/100)を1とする。
例えば、ブロワ風量=250m3/h、PTCヒータの消費電力W=840W時、エアミックス開度SW=100%のとき、ΔTptc=0.84/1.29/1/250×3600=9.3℃となる。
このようにして、実際のPTCヒータ15の作動による吹出温上昇量とずれないように、吹出温上昇量ΔTptcを演算することができる。なお、ΔTptcは、30秒の時定数をもって1秒毎に更新される。
続いて、ステップS113〜S115では、次のステップS116で行うエンジンOFF水温の算出に用いる補正値であるエコモード時水温補正ECO_TWを決定する。
具体的には、ステップS113でエコモード時であるか否かを判定する。本例では、エコノミースイッチ60dがON状態であればエコモード時であると判定し、エコノミースイッチ60dがOFF状態であればエコモード時でないと判定する。
エコモード時でないと判定した場合(NO判定の場合)、ステップS114に進み、エコモード時水温補正ECO_TWを0とする(ECO_TW=0)。一方、エコモード時であると判定した場合(YES判定の場合)、ステップS115に進み、エコモード時水温補正ECO_TWを5とする(ECO_TW=5)。
続いて、ステップS116では、ステップS117で行うエンジン冷却水温度に基づくエンジンON要求の要否判定に用いる判定しきい値であるエンジンOFF水温と、エンジンON水温を算出する。エンジンOFF水温は、エンジンを停止させるときの判定基準となるエンジン冷却水温度であり、エンジンON水温は、エンジンを作動させるときの判定基準となるエンジン冷却水温度である。
ここで、エンジンOFF水温は、次の数式F5−1で算出された基準冷却水温度TWOと70℃とのうちの小さい方からECO_TWを差し引くことによって算出される(エンジンOFF水温=MIN(TWO,70)−ECO_TW)。一方、エンジンON水温は、頻繁にエンジンがON/OFFするのを防止するため、エンジンOFF水温よりも所定温度(本例では5℃)低く設定される。
TWO={(TAO−ΔTptc)−(TE×0.2)}/0.8…(F5−1)
なお、基準冷却水温度TWOは、エアミックス前の温風温度TWDが目標吹出温度TAOになるものと仮定したときに、必要とされる冷却水温度である。TEは、蒸発器温度センサ56が検出した蒸発器13からの吹出空気温度である。
ここで、数式F5−1は、ヒータコア14からの吹出空気温度Taを表す次の2つの数式F5−2、F5−3をTWOについて解くことで導かれる。
Ta=TWO×α+TE×β…(F5−2)
Ta=TAO−ΔTptc…(F5−3)
なお、数式F5−2中のαはヒータコア14の熱交換効率であり、βはヒータコア14からの吹出空気温度Taに対する蒸発器13からの吹出空気温度TEの寄与度である。本例では、αを0.8、βを0.2としている。
続いて、ステップS117では、エンジン冷却水温度に基づくエンジンON要求の要否決定を行う。
具体的には、冷却水温度センサ58で検出した実際の冷却水温度を、ステップS116で求めたエンジンOFF水温、エンジンON水温と比較する。そして、冷却水温度がエンジンON水温より低ければ、f(TW)=ONとしてエンジン作動を決定し、冷却水温度がエンジンOFF水温より高ければ、f(TW)=OFFとしてエンジン停止を決定する。
ここで、ステップS116では、PTCヒータ15による吹出温上昇量ΔTptcが大きいほど、エンジンOFF水温およびエンジンON水温が小さくなるように演算しているので、PTCヒータ作動時では、PTCヒータ15の停止時よりもエンジンON要求の頻度が低下し、燃費が向上する。さらに、この吹出温上昇量ΔTptcにはPTC通過風量が加味されているので、PTC通過風量が低風量の場合、エンジンOFF水温およびエンジンON水温を大きく低減でき、省燃費効果を大きくできる。
また、ステップS116では、エコモード時には、エコモード時以外よりもエンジンOFF水温およびエンジンON水温が5℃小さくなるように演算しているので、エコモード時にエンジンON要求の頻度を低減でき、省燃費効果を一層大きくできる。
次に、図4のステップS12の電動ウォータポンプ作動の要否決定処理の詳細な内容を説明する。図8は、このステップS12の詳細を示すフローチャートである。
図8に示すように、ステップS121では、冷却水温度センサ58が検出した冷却水温度TWが、蒸発器温度センサ56が検出した蒸発器13からの吹出空気温度TEより高いか否かを判定する。このとき、冷却水温度TWが蒸発器13からの吹出空気温度TEより低い場合(NO判定の場合)、ステップS124に進み、電動ウォータポンプ42の停止(OFF)を選択する。この結果、電動ウォータポンプ42は停止状態となるので、冷却水回路40での冷却水の循環が停止される。
これは、冷却水温度TWが蒸発器13からの吹出空気温度TEより低いときに、冷却水をヒータコア14に流すと、ヒータコア14を流れる冷却水によって蒸発器通過後の空気を冷却してしまい、かえって吹出口からの吹出空気温度を低くしてしまうためである。
一方、冷却水温度TWが蒸発器13からの吹出空気温度TEより高い場合(YES判定の場合)、ステップS122に進む。ステップS122では、ブロワ作動(ブロワON)が選択されているか否かを判定する。
このとき、ブロワ停止が選択されている場合、NO判定し、省動力のため、ステップS124に進み、電動ウォータポンプ42の停止(OFF)を選択する。この結果、ブロワ停止時は電動ウォータポンプ42も停止状態となる。
一方、ブロワ作動が選択されている場合、YES判定して、ステップS123に進み、電動ウォータポンプ42の作動(ON)を選択する。この結果、電動ウォータポンプ42が作動して、冷却水が冷媒回路内を循環することにより、ヒータコア14を流れる冷却水とヒータコア14を通過する空気との熱交換により、送風空気が加熱される。
次に、図4のステップS13のシート暖房装置作動の要否決定処理の詳細な内容を説明する。図9は、このステップS13の詳細を示すフローチャートである。
図9に示すように、ステップS13では、目標吹出温度TAO、PTCヒータ15の作動本数、エコノミースイッチ60dのON/OFF状態、ステップS66の判定結果f(外気温)、および車室内温度設定スイッチ60cによって設定された車室内設定温度Tsetに基づいて、シート暖房装置作動の要否決定を行う。
具体的には、TAOが100未満で、PTCヒータ作動本数が1本以上で、エコノミースイッチ60dがON状態で、f(外気温)=OFFで、かつ車室内設定温度Tsetが28未満の場合には、シート暖房装置作動(ONモード)を決定する。
すなわち、TAOが100未満で暖房負荷がそれほど高くなく、PTCヒータ15が作動していて、乗員がエコノミースイッチ60dをONして空調の省エネ運転を希望しており、f(外気温)=OFFかつ車室内設定温度Tsetが28未満になっていて乗員が寒さを感じてない環境である場合には、シート暖房装置65をONモードにして乗員の温感を効果的に補う。この場合には、ステップS67のごとく送風機12の風量が超低風量になっているので、超低風量時に乗員の温感確保が確実に行われることとなる。
因みに、シート暖房装置65のONモードでは、サーモスタット(図示せず)により、座席表面が40℃に制御される。
一方、TAOが100未満で、PTCヒータ作動本数が1本以上で、エコノミースイッチ60dがON状態で、f(外気温)=OFFで、かつ車室内設定温度Tsetが28以上の場合には、シート暖房装置停止(OFFモード)を決定する。
また、TAOが100未満で、PTCヒータ作動本数が1本以上で、エコノミースイッチ60dがON状態で、かつf(外気温)=ONの場合には、車室内設定温度Tsetに関わらず、シート暖房装置停止(OFFモード)を決定する。
また、TAOが100未満で、PTCヒータ作動本数が1本以上で、かつエコノミースイッチ60dがOFF状態の場合には、f(外気温)や車室内設定温度Tsetに関わらず、シート暖房装置停止(OFFモード)を決定する。
また、TAOが100未満で、かつPTCヒータ作動本数が0本の場合には、エコノミースイッチ60dの状態やf(外気温)や車室内設定温度Tsetに関わらず、シート暖房装置停止(OFFモード)を決定する。
また、TAOが100以上の場合には、PTCヒータ作動本数やエコノミースイッチ60dの状態やf(外気温)や車室内設定温度Tsetに関わらず、シート暖房装置停止(OFFモード)を決定する。
本実施形態によると、上述のステップS62、S64、S67のごとく、エンジン停止時にはエンジン作動時よりも送風機12の風量を低くするので、エンジン停止時にエンジン冷却水温度TWが低下してヒータコア14による吹出温上昇量が低下しても、吹出温上昇量ΔTptcを大きくして吹出温度の低下を抑制することができる。
このため、エンジンEGを作動させたりPTCヒータ15の発熱量(消費電力)を増加させたりすることなく吹出温度の低下を抑制することができるので、空調の省エネルギー化を図ることができる。特に、ハイブリッド車では、空調(暖房)のためのエンジン作動の頻度を低減して省燃費化を図ることができるので、実用上の利益が大である。
このような送風機12の制御は、上述のステップS62、S64のごとく、2つの制御マップを参照してブロワ電圧を決定するといった簡単かつ確実な方法によって行うことができる。
さらに、本実施形態では、上述のステップS67のごとく、乗員が空調の省エネ運転を希望しており、乗員が寒すぎない環境であり、かつ乗員が寒さを感じてない場合には、送風機12の風量を超低風量(ブロワ電圧=ECO)にしてPTC通過風量Vaを超低風量にするので、吹出温上昇量ΔTptcをさらに大きくすることができ、一層の省エネルギー化を図ることができる。
また、本実施形態では、上述のステップS67のごとく、エンジン始動時には、ブロワ電圧が所定の時定数をもって変化することによって風量の変化が緩和されるので、エンジン冷却水温度TWが上昇している最中に風量が急に高くなって吹出温度が低下してしまうことを抑制できる。
さらに、本実施形態では、上述のステップS116、S117のごとく、吹出温度が所定温度(例えばTAO)よりも低くなると判断される場合にエンジンEGに対して作動要求信号を出力するので、冷却水温度TWを高めてヒータコア14による吹出温上昇量を大きくして吹出温度を所定温度に近づけることができる。このため、PTCヒータ15およびエンジンEGの両方を効率的に利用して吹出温度の低下を抑制することができる。
(他の実施形態)
(1)上述の一実施形態では、送風機12の送風量(回転数)をブロワ電圧によって制御しているが、これに限定されることなく、空調制御装置50から出力される制御信号のDUTY比によって送風機12の送風量(回転数)を制御してもよい。
(2)上述の一実施形態では、電気ヒータとしてPTCヒータ15を用いていたが、ニクロム線等を用いた他の電気ヒータを採用しても良い。
(3)上述の一実施形態では、ヒータコア14の送風空気流れ方向下流側にPTCヒータ15が配置されているが、ヒータコア14およびPTCヒータ15の配置関係はこれに限定されるものではなく種々変形が可能である。
(4)上述の一実施形態では、エコモード時には、エコモード時以外よりもエンジンOFF水温およびエンジンON水温が小さくなるようにしているが、さらに、シート暖房装置作動時には、シート暖房装置停止時よりもエンジンOFF水温およびエンジンON水温が小さくなるようにしてもよい。これにより、乗員の暖房感を確保しつつエンジンON要求の頻度をさらに低下でき、燃費をさらに向上できる。
(5)上述の一実施形態では、本発明の車両用空調装置を、ハイブリッド車両のうちエンジンEGおよび走行用電動モータの双方から直接駆動力を得て走行可能な、いわゆるパラレル型のハイブリッド車両に適用した例を説明しているが、本発明の車両用空調装置の適用はこれに限定されない。例えば、エンジンEGを発電機の駆動源として用い、発電された電力をバッテリに蓄え、さらに、バッテリに蓄えられた電力を供給されることによって作動する走行用電動モータから駆動力を得て走行する、いわゆるシリアル型のハイブリッド車両に適用してもよい。
(6)上述の一実施形態では、本発明の車両用空調装置をハイブリッド車に搭載される車両用空調装置に適用したが、本発明は、ハイブリッド車に限らず、停止時にエンジンを自動停止するアイドリングストップ車、燃料電池車、電気自動車等に搭載される車両用空調装置にも適用可能である。
燃料電池車に搭載される車両用空調装置は、上述した車両用空調装置に対して、図1中のエンジンEGを燃料電池に変更し、ヒータコアが燃料電池の冷却水を熱源として送風空気を加熱するように変更したものである。この場合、燃料電池が本発明における熱媒体の温度上昇手段に相当し、燃料電池の冷却水が本発明の熱媒体に相当する。
また、電気自動車に搭載される車両用空調装置は、上述した車両用空調装置に対して、図1中のエンジンEGを水加熱式電気ヒータに変更し、ヒータコアが水加熱式電気ヒータによって加熱された温水を熱源として送風空気を加熱するように変更したものである。この場合、水加熱式電気ヒータが本発明における熱媒体の温度上昇手段に相当し、水加熱式電気ヒータによって加熱された温水が本発明の熱媒体に相当する。
これらの車両用空調装置においても、温度上昇手段が停止しているときに風量を低くすることで、温度上昇手段を作動させたり電気ヒータの発熱量(消費電力)を増加させたりすることなく吹出空気温度の低下を抑制することができ、ひいては空調の省エネルギー化を図ることができる。
11 ケーシング
12 送風機
12a ファン
12b 電動モータ
14 ヒータコア(加熱用熱交換器)
15 PTCヒータ(電気ヒータ)
50 空調制御装置(制御手段)
EG エンジン(温度上昇手段)

Claims (4)

  1. 送風空気を発生する送風機(12)と、
    前記送風空気と熱媒体とを熱交換させて前記送風空気を加熱する加熱用熱交換器(14)と、
    通電により発熱して前記送風空気を加熱する電気ヒータ(15)と、
    前記加熱用熱交換器(14)および前記電気ヒータ(15)を収容するケーシング(11)と、
    前記熱媒体の温度を上昇させる温度上昇手段(EG)が停止している場合には前記温度上昇手段(EG)が作動している場合よりも前記送風空気の風量が低くなるように前記送風機(12)を制御する制御手段(50)とを備えることを特徴とする車両用空調装置。
  2. 前記制御手段(50)は、前記温度上昇手段(EG)の始動時に、前記風量の変化を緩和する制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  3. 前記制御手段(50)は、吹出空気温度が所定温度よりも低くなると判断される場合に前記温度上昇手段(EG)に対して作動要求信号を出力することを特徴とする請求項1または2に記載の車両用空調装置。
  4. 前記制御手段(50)は、前記温度上昇手段(EG)が作動している場合には前記風量を第1の制御マップを参照して決定し、前記温度上昇手段(EG)が停止している場合には前記風量を第2の制御マップを参照して決定することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
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