JP2008030685A - 車両用空調装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】マニュアルモードなどにおいても所望の暖房能力の確保しながら、燃費向上を図ることができる車両用空調装置。
【解決手段】エアコン10では、暖房運転を行うときに足元吹出し口34Cからヒータコア38によって加熱された空調風が吹き出されるようになっており、この足元吹出し口が形成された足元ダクト68内に温度センサ66を設けて、吹出し温度を検出するようにしている。エアコンECUでは、吹出し温度が設定温度より高いときに、目標吹出し温度に対する水温の閾値を低くするように設定し、この閾値と目標吹出し温度及び水温に基づいてエンジン始動要求及び停止許可を行うことにより、必要な暖房能力を確保しながら、エンジンの始動を抑える省動力制御を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジンの駆動力によって走行可能な車両に係り、詳細には、エンジン停止制御が行われる車両に設けられてエンジン冷却液によって車室内を暖房する車両用空調装置に関する。
走行用の駆動源としてエンジンなどの内燃機関に加えて電気モータが設けられている車両(ハイブリッド車両)では、走行停止などの予め設定されているエンジン停止条件が成立することによりエンジンの駆動を停止するアイドルストップ制御などのエコラン制御が行われる。
一方、車両に設けられている空調装置(以下、エアコンとする)では、エンジンの駆動力によってコンプレッサが駆動されるようになっている。ハイブリッド車両において、エンジンの駆動力によってコンプレッサを駆動していると、エンジン停止状態でエアコンの運転スイッチがオンされると、エンジンが駆動され、エコラン制御の効果が低減してしまうことがある。
ここから、特許文献1の提案では、温度センサによってエバポレータを通過した空気の温度(エバポレータ後温度)を検出し、エバポレータ後温度が所定温度より低い時には、エンジンの始動要求を停止することにより、車室内を空調するために、エンジンが頻繁に始動されてしまうのを抑えるようにしている。
ところで、エンジンが設けられているハイブリッド車両などにおいても、車室内を暖房するときの熱源としてエンジン冷却水が用いられており、エンジン冷却水が循環されるヒータコアを通過して、エンジン冷却水との間で熱交換が行われることにより加熱された空気を、空調風として車室内へ吹き出すようにしている。
エアコンにおいては、設定温度、車室内温度、外気温度、日射量などを検出して、目標吹出し風温度を設定すると共に、目標吹出し温度に基づいて風量、ヒータコアを通過する空気量などを設定し、車室内温度を設定温度とするように空調運転を行うのが一般的となっている。
このとき、目標吹出し温度と、ヒータコアを循環されるエンジン冷却水の水温等に基づいて、例えば、エアミックスダンパの開度を制御することにより、ヒータコアを通過する空気の流量を制御することにより、所望の温度(目標吹出し風温度)の空調風が得られるようにしている。
このようなエアコンでは、冷却水温を検出し、エンジン停止中に冷却水温が予め設定している閾値より低下すると、エンジン停止を禁止することにより、冷却水温の上昇を図り、所望の暖房能力が確保されるようにしている。
このとき、特許文献2の提案では、冷却媒体温度に対して、内燃機関の停止許可及び停止禁止を判定する閾値を、車室内温度又は車室内温度に関係する値に応じて変化するように設定すると共に、該当閾値にヒシテリシスを持たせるようにしている。
これにより、特許文献2では、内燃機関の自動停止禁止領域を縮小して、内燃機関の自動停止状態を長く維持して、燃費改善効果などを高めることができるようにしている。
特開平10−246131号公報 特開2002−211238号公報
しかしながら、エンジン冷却水などの冷却媒体温度は、エアコンが必要とする暖房能力に関する間接的な測定値であり、燃費低減や暖房能力の確保に関して必ずしも最適な測定値であるとは限らない。特に、エアコンでは、空調風の風量を自動的に設定して、設定した風量で空調運転を行うオートモードではなく、風量を手動設定するマニュアルモードでの運転が可能となっており、マニュアルモードで空調を行った場合、必ずしも所望の暖房能力が確保しえるとは限らず、また、暖房能力として余力があり、一層の燃費向上の可能性もある。
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、より一層の燃費向上や、マニュアルモードなどにおいても所望の暖房能力の確保しながら、燃費向上を図ることができる車両用空調装置を提案することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、予め設定されたエンジン停止条件が成立したときにエンジンを停止すると共に始動要求に基づいてエンジンを始動するエンジン制御手段を備えた車両に設けられて、車室内を空調する車両用空調装置であって、設定温度及び環境条件に基づいて前記空調風の目標吹出し温度を設定する設定手段と、前記エンジンとの間で循環されるエンジン冷却液によって前記空調風を加熱する熱交換器と、前記設定手段の設定に基づいて前記熱交換器によって加熱して生成した空調風を車室内へ吹出す空調制御手段と、暖房運転時に吹出し口から吹き出される前記空調風の吹出し温度を検出する温度検出手段と、前記エンジンが停止されているときに、前記温度検出手段の検出する前記吹出し温度に基づいて前記エンジン制御手段へエンジンの始動要求を行う要求手段と、を含むことを特徴とする。
この発明によれば、設定温度及び環境条件に基づいて空調風の目標吹出し温度を設定し、この目標吹出し温度の空調風が吹き出されるように空調運転を行う。このときに、吹出し口から吹き出される空調風の温度を検出する温度検出手段を設け、暖房運転を行うときに、温度検出手段によって検出する吹出し温度に基づいて、エンジン始動要求を行う。
一般に、車両用空調装置では、複数の吹出し口が設けられているが、暖房運転を行うときには、熱交換器を循環されるエンジン冷却液によって加熱された空気を、吹出し口から乗員の足元へ向けて吹出す。このときに吹き出される空調風の温度は、エンジン冷却液の液温の影響を大きく受ける。
ここから、温度検出手段によって検出する吹出し温度から、暖房能力に対してエンジン冷却液の液温に余裕があるか否かを判断することができ、吹出し温度に基づいてエンジンの停止要求を行うことにより、不必要にエンジンの始動要求を行って燃費が低下してしまうのを確実に防止することができる。
請求項2に係る発明は、前記エンジン冷却液の液温を検出する液温検出手段を含み、前記要求手段が、前記目標吹出し温度に対する前記液温の閾値に基づいて前記エンジンの始動要求を行うとき、前記吹出し温度に応じて前記閾値を設定することを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項2の発明において、前記吹出し温度が予め設定された設定温度以上であるとき、前記吹出し温度が前記設定温度未満であるときより前記閾値を低く設定することを特徴とする。
この発明によれば、エンジン冷却液の液温を検出し、目標吹出し温度に応じて設定されている液温の閾値から、エンジン始動要求を行うか否かを判定するときに、この閾値を温度検出手段によって検出する吹出し温度に基づいて設定する。
これにより、目標吹出し温度と液温に基づいてエンジン始動要求を行うときに、暖房能力を確保しながら、適正にエンジンの始動を抑えることができる。
このとき、吹出し温度と予め設定されている設定温度を比較し、吹出し温度が高いときに、吹出し温度が設定温度よりも低いときに対して閾値を下げれば良い。特に、暖房負荷を判定する判定手段を設け、判定手段によって暖房負荷が小さいと判定され、かつ、吹出し温度が設定温度より高いときには、エンジン冷却液の液温に余裕があり、このときに、閾値を下げることにより、暖房能力を的確に確保しながら省動力化を図ることができる。
また、請求項4に係る発明は、前記要求手段が、前記吹出し温度が前記目標吹出し温度より低いときに前記エンジンの始動要求を行うと共に、前記吹出し温度が前記目標吹出し温度より高いときに前記エンジンの始動要求を停止することを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項4の発明において、前記空調風の吹出し風量を含む運転条件を選択する選択操作手段を含み、前記空調制御手段が前記選択操作手段によって選択された運転条件に基づいて空調運転を行うときに、前記要求手段が前記吹出し温度と前記目標吹出し温度に基づいて前記エンジンの始動要求及び始動要求停止を行なうことを特徴とする。
この発明によれば、吹出し温度と目標吹出し温度を比較し、吹出し温度が目標吹出し温度より低いときに、エンジンの始動要求を行う。これにより、液温が低いときに、暖房能力を確保するようにエンジンを始動することができる。
また、空調風の風量などをマニュアル操作で設定するときに、同じ液温であっても、風量が低いと吹出し温度が高くなる。ここから、運転条件を手動で設定するときに、吹出し温度と目標吹出し温度に基づいてエンジン始動要求及びエンジン停止許可(始動要求停止)を行うことにより、運転状態に応じて適正にエンジン始動要求を行って、燃費向上を図ることができる。
以上説明したように本発明によれば、暖房運転を行うときに、足元吹出し口から吹き出される空調風の吹出し温度を検出し、この吹出し温度に基づいてエンジン始動要求を行うことにより、適正な暖房能力を確保しながらエンジンの始動を抑えて、省動力化及び燃費の向上を図ることができる。
以下に図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
〔第1の実施の形態〕
図1には、本実施の形態に適用した車両用空調装置(以下、エアコン10とする)の概略構成を示している。このエアコン10は、コンプレッサ12、コンデンサ14、エキスパンションバルブ16及びエバポレータ18によって、冷媒を循環する冷凍サイクルが形成されている。
コンプレッサ12は、回転駆動されることにより冷媒を圧縮して、高温高圧の冷媒をコンデンサ14へ送り出し、コンデンサ14は、この冷媒を冷却して液化する。エバポレータ18では、液化された冷媒が気化するときに、エバポレータを通過する空気を冷却する。また、エキスパンションバルブ16は、液化された冷媒を急激に減圧することにより霧状にしてエバポレータ18へ供給するようにしており、これにより、エバポレータ18を通過する空気の冷却効率の向上を図っている。
このような冷凍サイクルは、公知の構成を適用することができる。また、コンプレッサ12は、電気モータ(コンプレッサモータ20)によって駆動されるものであっても良く、また、駆動力が、車両のエンジン22(図2参照)と電気モータ20で切換られる構成であっても良い。
このエアコン10は、空調ダクト24を備えており、この空調ダクト24内にエバポレータ18が配置されている。また、空調ダクト24には、一端側に複数の空気取入口26が形成されている。エアコン10では、この空気取入口26として、車室内へ向けて開口された空気取入口26A及び、車外と連通された空気取入口26Bとが設けられている。
また、空調ダクト24内には、空気取入口26A、26Bを選択的に開閉するモード切換ダンパ28及び、ブロワモータ30(図2参照)によって回転駆動されるブロワファン32が設けられている。
エアコン10では、運転モードとして内気循環モードと外気導入モードが選択可能となっており、内気循環モードが選択されると、モード切換ダンパ28が空気取入口26Aを開放すると共に空気取入口26Bを閉塞する。また、エアコン10では、外気導入モードが選択されると、モード切換ダンパ28が空気取入口26Aを閉塞すると共に空気取入口26Bを開放する。
これにより、ブロワモータ30によってブロワファン32が回転駆動されると、モード切換ダンパ28よって開放された空気取入口26A又は空気取入口26Bから、車室内又は車外の空気が空調ダクト24内に吸引される。
一方、空調ダクト24には、他端側に複数の空気吹出し口34が形成されている。エアコン10では、空気吹出し口34として、車両のウインドシールドガラスへ向けて開口されたセンタデフロスタ吹出し口とサイドデフロスタ吹出し口などのデフロスタ吹出し口34A、車室内の乗員へ向けて開口されたセンタレジスタ吹出し口とサイドレジスタ吹出し口などのレジスタ吹出し口34B及び、前席と後席の乗員の足元へ向けて開口された複数の足元吹出し口34Cが形成されている。
また、空調ダクト24には、空気吹出し口34(デフロスタ吹出し口34A、レジスタ吹出し口34B及び足元吹出し口34C)を選択的に開閉する切換ダンパ36が設けられている。
エアコン10では、空調風の吹出しモードとして、デフロスタ吹出し口34Aから空調風の吹き出すDEFモード、レジスタ吹出し口34Bから空調風を吹き出すFACEモード、足元吹出し口34Cから空調風を吹き出すFOOTモード、デフロスタ吹出し口34Aと足元吹出し口34Cのそれぞれから空調風を吹出すDEF/FOOTモード及び、レジスタ吹出し口34Bと足元吹出し口34Cのそれぞれから空調風を吹出すBI−LEVELモードが設定されており、何れかの吹出しモードが選択されるようになっている。
エアコン10では、吹出しモードが選択されると、選択された吹出しモードに基づいて切換ダンパ36が作動して、空気吹出し口34A〜34Cを開閉し、切換ダンパ36によって開放された空気吹出し口34から空調風が吹出されるようにしている。
一方、空調ダクト24内には、前記したエバポレータ18と共に、加熱用熱交換器とするヒータコア38が設けられている。
図2に示されるように、本実施の形態に適用する車両には、走行用の駆動源として、電気モータ(図示省略)とエンジン22を備えたハイブリッド車となっている。
エンジン22とヒータコア38との間では、ウォータポンプ40の駆動によりエンジン22の冷却媒体であるエンジン冷却水が循環されるようになっている。これにより、ヒータコア38には、空調風の加熱用の熱源となるエンジン冷却水が循環されるようになっている。なお、エンジン22では、図示しないエンジンラジエータとの間でエンジン冷却水が循環されるようになっており、これにより、エンジン22が駆動することにより発する熱によるエンジン22の温度上昇が抑えられている。
図1に示されるように、空調ダクト24内には、エバポレータ18とヒータコア38との間にエアミックスダンパ42が配置されている。エアコン10では、空気取入口24から吸引された空気が、エバポレータ18及びヒータコア38を通過して、空気吹出し口34から吹き出される。エアコン10では、エバポレータ18を通過した空気を、ヒータコア38へ送る空気とヒータコア38をバイパスする空気に分ける。また、エアコン10では、ヒータコア38を通過することにより加熱された空気と、ヒータコア38をバイパスすることによりエバポレータ18によって冷却されたままの空気を混合することにより、所定温度の空調風を生成して、生成した空調風が、空気吹出し口34から吹き出されるようにしている。
図2に示されるように、エアコン10には、エアコン10の作動を制御するエアコンECU50が設けられている。このエアコンECU50には、コンプレッサ12を駆動するコンプレッサモータ20、ブロワファン32を駆動するブロワモータ30が接続されており、エアコン10では、エアコンECU50によってコンプレッサ12の回転駆動及びブロワファン32の回転駆動を制御しており、ブロワファン32(ブロワモータ30)の回転数に応じた風量(ブロワ風量)の空調風が吹き出されるようにしている。
また、エアコンECU50には、モード切換ダンパ28を駆動するアクチュエータ52A、切換ダンパ36を駆動するアクチュエータ52A及び、エアミックスダンパ42を駆動するアクチュエータ52Cが接続しており、これにより、エアコンECU50では、空気取入口24の開閉、空気吹出し口24の開閉及び、エアミックスダンパ42の開度を制御している。
さらに、エアコンECU5050には、室内温度を検出する室温センサ54、外気温度を検出する外気温センサ56、日射量を検出する日射センサ58、エバポレータ18を通過した空気の温度(エバポレータ後温度)を検出するエバポレータ後温度センサ60などが接続され、空調運転を行うときの環境条件等の検出を行なうようになっている。
エアコン10では、設定温度と環境条件に基づいて、車室内を設定温度とするように空調風の目標吹出し温度の設定し、この目標吹出し温度に基づいた空気吹出し口34の選択及び空調風の風量の設定等を行い、これらの設定に基づいた空調運転を行うオートモードが設定されている。
エアコンECU50では、図示しない操作パネルのスイッチ操作等によって温度設定がなされてオートモードでの空調運転に設定されると、設定温度TSETと環境条件に基づいて目標吹出し温度TAOを設定する。
この目標吹出し温度TAOの設定は、外気温センサ56によって検出する外気温To、室温センサ54によって検出する室温Tr、日射センサ58によって検出する日射量STから、次式によって得られる。
AO=K・TSET−K・To−K・Tr−K・ST+C
(ただし、K、K、K、K及びCは予め設定している定数)
また、エアコンECU50では、目標吹出し温度TAOに基づいて、ブロワ風量(吹出し風の風量)及びエアミックスダンパ42の開度を設定する。
ブロワ風量は、例えば、室温Trや、設定温度TSETなどの予め設定された温度を基準温度とし、基準温度と目標吹出し温度TAOの差に基づいて設定される。例えば、基準温度と目標吹出し温度TAOの差が小さい状態では、ブロワ風量は少なく(低く)なるが、基準温度と目標吹出し温度TAOの差が大きくなるにしたがってブロワ風量を多くする。
また、エアコン10では、ヒータコア38をバイパスした空気とヒータコア38を通過した空気を混合することにより、目標吹出し温度TAOの空調風を生成するようにしており、ここから、エアコンECU50では、目標吹出し温度TAOに基づいて、エアミックスダンパ42の開度を設定している。
さらに、エアコンECU50では、室温Trに対する設定温度TSETないし目標吹出し温度TAOに基づいて、吹出しモードを設定する。すなわち、室温Trに対して設定温度TSETないし目標吹出し温度TAOが低い冷房時にはFACEモードに設定し、室温Trに対して設定温度TSETないし目標吹出し温度TAOが高い暖房時にはFOOTモードに設定する。また、室温Trと設定温度TSETないし目標吹出し温度TAOの差が少ないときには、BI−LEVELモードに設定する。
エアコンECU50では、このようにして設定したブロワ風量、エアミックスダンパの開度及び吹出しモードに基づいて空調運転を行う。
一方、車両には、エンジン22の作動を制御するエンジンECU62が設けられている。このエンジンECU62では、図示しないセンサなどによって車両の運転操作状態、走行環境、走行状態ない度を検出して、エンジン22の駆動を制御することにより車両走行が行われるようにしている。
また、本実施の形態に適用したエンジンECU62では、予め設定されているエンジン始動条件が成立することによりエンジン22を始動し、エンジン停止条件が成立することによりエンジン22の駆動を停止する。これにより、例えば、車両が停止したときには、エンジン22の駆動が停止されるアイドルストップがなされる。
ところで、図2に示されるように、エアコンECU50には、エンジン冷却水の水温Twを検出する水温センサ64が設けられている。
エアコン10が設けられている車両では、エンジン停止条件が成立することによりエンジン22の駆動を停止し、燃費向上、騒音、エミッションの低減などを図るエコノミーラン制御(エコラン制御)が行なわれるようになっており、エンジン22が停止されることによりエンジン冷却水の水温が低下すると、エアコン10の暖房能力も低下し、所望の暖房状態が得られなくなることがある。
ここから、エアコンECU50では、目標吹出し温度TAOに対する水温Twの閾値が設定されており、目標吹出し温度TAOに対する水温Twが閾値よりも低下することにより、エンジンECU62に対してエンジン22の始動要求を行う。これにより、エンジン22が始動されて水温Twが上昇されることにより、必要とする暖房能力が確保されるようにしている。
図3には、破線で通常制御における目標吹出し温度TAOに対する水温Twの閾値Lの一例を示している。
エアコン10では、目標吹出し温度TAOが高くなるほど、目標吹出し温度TAOに対する水温Twの閾値Lが高くなるように設定されている。これにより、エアコン10では、暖房負荷が大きく目標吹出し温度TAOが高くなったときにも、暖房負荷に応じた暖房能力が確保されるようにしている。
また、エアコン10では、エンジン22の停止を許可するときの閾値LON1と、エンジン22の停止を禁止する閾値LOFF1の間に所定温度幅のヒシテリシスを設けて、エアコンECU50の要求に応じてエンジン22の始動と停止が繰り返されてしまうのを防止している。
一方、図1に示されるように、エアコン10には、足元吹出し口34Cから吹き出される空調風の温度(以下、吹出し温度Tとする)を検出する温度センサ66が設けられている。温度センサ66は、足元吹出し口34Cが形成される足元ダクト68内に配置されている。
エアコン10では、足元ダクト68が、ヒータコア38側に偏寄して空調ダクト24に連結されており、これにより、主としてヒータコア38によって加熱された空気が、空調風として足元吹出し口34Cから吹き出されるようにして、足元吹出し口34Cから冷風が吹き出されることにより乗員に不快感が生じてしまうのを防止するようにしている。なお、温度センサ66の配置位置は、ヒータコア38から足元吹出し口34Cの間であれば、例えば、ヒータコア38と切換ダンパ28の間(空調ダクト24内)などの任意の位置に設けることができる。
図2に示されるように、温度センサ66は、エアコンECU50に接続されている。エアコンECU50では、暖房運転を行っているときに、目標吹出し温度TAOとエンジン冷却水の水温Twに基づいてエアミックスダンパ42の開度を制御している。
また、エアコンECU50は、暖房負荷が少ないときに、エンジン22の始動要求を抑える省電力制御を行うようにしている。このときに、エアコンECU50では、暖房負荷を、外気温To、室温Trに加えて、温度センサ66によって検出する吹出し温度Tから判断するようにしている。
また、エアコン10では、エンジン22の始動要求を抑える省電力制御を行うときの閾値Lが設定されている。図3に実線で示されるように、省電力制御を行うときの閾値Lは、エンジン22の停止を許可する閾値LOFF2と、エンジン22の停止を禁止する(エンジン22の始動要求を行う)閾値LON2との間に、所定の温度幅のヒシテリシスを設けている。また、閾値LON2、LOFF2のそれぞれが、通常制御に適用する閾値LON1、LOFF1よりも低く設定されており、これにより、目標吹出し温度TAOと水温Twに基づいたエンジン停止禁止領域が狭められ、エンジン22の駆動(再始動)が抑えられるようにしている。
以下に、第1の実施の形態の作用を説明する。
エアコン10が設けられている車両では、エンジン22の駆動力と図示しない電気モータの駆動力によって走行可能となっており、エンジンECU52では、運転操作状態、走行環境等を検出し、検出結果に基づいてエンジン22の駆動を制御する。
また、このエンジンECU62では、予め設定されたエンジン停止条件が成立することによりエンジン22の駆動を停止するエコラン制御を行う。
一方、エアコンECU50では、図示しない操作パネルのスイッチ操作によって空調運転が指示されると、設定温度TSETを読み込むと共に、外気温To、室温Tr、日射量ST等の環境条件を読み込み、目標吹出し温度TAOを設定すると共に、目標吹出し温度TAOに基づいてブロワ風量、エアミックスダンパ42の開度及び吹出しモードを設定し、これらの設定に基づいた空調運転を開始する。
ところで、エコラン制御が行われることによりエンジン22が停止し、エアコン10の暖房用の熱源としているエンジン冷却水の水温Twが低下すると、暖房能力に不足が生じることがある。
ここから、エアコンECU50では、エンジン冷却水の水温Twと目標吹出し温度TAOに基づいて、エンジン22の始動要求を行うようにしている。エンジンECU50には、図3に示される目標吹出し温度TAOに対する水温Twの閾値L(通常制御に適用する閾値LON1、LOFF1)、L(省動力制御に適用する閾値LON2、LOFF2)のマップが記憶されており、エアコンECU50は、エアコン10の空調運転が指示されると、所定の時間間隔でエンジン始動要求処理を実行する。
図4には、エアコンECU50で実行されるエンジン始動要求処理の一例を示している。
このフローチャートでは、最初のステップ100で省動力制御に設定されているか否かを確認し、省動力制御に設定されているときには、ステップ100で肯定判定してステップ102へ移行し、目標吹出し温度TAOに対する水温Twの閾値LON及び閾値LOFFとして、省動力制御に用いる閾値LON2、閾値LOFF2を設定する(LON=LON2、LOFF=LOFF2)。
また、通常制御に設定されているときには、ステップ100で否定判定してステップ104へ移行し、目標吹出し温度TAOに対する水温Twの閾値LON及び閾値LOFFとして、通常制御に用いる閾値LON1、閾値LOFF1を設定する(LON=LON1、LOFF=LOFF1)。
この後、ステップ106では、水温センサ64によって検出するエンジン冷却水の水温Twを読み込み、ステップ108では、目標吹出し温度TAOを読み込む。
次ぎのステップ110では、エンジン22が駆動中か否かを確認し、エンジン22が駆動されているときには、ステップ110で肯定判定してステップ112へ移行し、水温Twが目標吹出し温度TAOに対する閾値LOFFを超えているか否かを確認する。
これにより、水温Twが目標吹出し温度TAOに応じて設定される閾値LOFFを超えているときには、ステップ112で肯定判定してステップ114へ移行し、エンジン22の停止を許可するように設定する。
エンジンECU50では、エンジン22の停止許可及びエンジン22の停止禁止(始動要求)が設定されると、該当設定に対して変更されなければ、その設定状態が保持されるようにしており、既にエンジン始動要求がなされているときには、ステップ114でエンジン始動要求を解除してエンジン22の停止を許可するように設定する。
なお、水温Twが閾値LOFFに達していないときには、ステップ112で否定判定して、一旦、終了する。
これに対して、エンジン停止条件が成立してエンジン22が停止されているときには、ステップ110で否定判定してステップ116へ移行する。このステップ116では、水温Twが目標吹出し温度TAOに対する閾値LON以下となっているか否かを確認する。
ここで、エンジン22が停止していることによりエンジン冷却水の水温Twが低下して、目標吹出し温度TAOに対する水温Twが閾値LON以下となっていると、ステップ116で肯定判定してステップ118へ移行する。
このステップ118では、エンジンECU62に対してエンジン始動要求を行う(エンジン停止禁止に設定する)。
これにより、エンジンECU62がエンジン22を始動して、エンジン冷却水の水温Twの上昇が図られることにより、エアコン10の暖房能力が確保される。
一方、エアコンECU50では、暖房負荷を考慮して、省動力制御を行うか通常制御を行うかを設定しており、図5には、このときの処理の一例を示している。
このフローチャートは、エアコン10が空調運転を開始することにより図4のエンジン始動/停止要求処理に先立って実行される。なお、エアコンECU50では、外気温Toから暖房負荷を判定する設定温度Tos、室温Trから暖房負荷を判定するときの設定温度Trsと共に、吹出し温度Tに対する設定温度TASが予め設定されて記憶されている。
このフローチャートでは、最初のステップ120で外気温センサ56によって検出する外気温Trを読み込み、次のステップ122では、外気温Toが設定温度Tos(例えば、Tos=−5°C)を超えているか否かを確認する。
また、ステップ124では、室温センサ54によって検出する室温Trを読み込み、次のステップ126では、室温Trが設定温度Trs(例えば、Trs=20°C)を超えているか否かを確認する。
ここで、外気温Toが、外気温Toに対する設定温度Tosに満たないとき(To<Tos)及び、外気温Toは設定温度Tosを超えているが、室温Trが設定温度Trsに満たないとき(Tr<Trs)には、暖房負荷が大きいと判断して、通常制御に設定する。
すなわち、冬季などで外気温Toが低く設定温度Tosに達していないときには、ステップ122で否定判定され、また、暖房開始直後などで室温Trが設定温度Trsに達していないときには、ステップ126で否定判定され、これにより、ステップ128へ移行することにより通常制御に設定される。
これに対して、暖房負荷が少なく、外気温Toが設定温度Tosに達して(To≧Tos)、ステップ122で肯定判定され、かつ、室温Trが設定温度Trsを超えて(Tr≧Trs)、ステップ126で肯定判定されることによりステップ130へ移行する。
このステップ130では、足元吹出し口34Cから吹き出される空調風の吹出し温度Tを温度センサ66によって検出して読み込み、次のステップ132では、吹出し温度Tが、吹出し温度Tに対する設定温度TAS(例えば、TAS=45°C)を超えているか否かを確認する。
ここで、温度センサ66によって検出する足元吹出し口34Cからの空調風の吹出し温度Tが、設定温度TASに達していないとき(T<TAS)には、大きな暖房能力を必要とするので、ステップ132で否定判定して、ステップ128へ移行し、目標吹出し温度TAOに対する水温Twの閾値Lが高い通常制御に設定する。
これにより、十分な暖房能力が得られ、乗員に暖房不足感などを生じさせてしまうのを確実に防止することができる。
これに対して、暖房負荷が小さく、かつ、吹出し温度Tが設定温度TASを超えているとき(T≧TAS)には、暖房能力に余裕があると判断されるので、ステップ132で肯定判定してステップ134へ移行し、省動力制御を行うように設定する。
これにより、目標吹出し温度TAOに対する水温Twの閾値L(閾値LON、LOFF)が下げられ、エンジン22の始動を抑えることができる。
エアコン10では、暖房運転が行われるときに、ヒータコア38によって加熱された空調風が足元吹出し口34Cから吹き出される。このとき、吹出し温度Tが高ければ、エアコン10の暖房能力に余裕があることになり、エンジン冷却水の水温Twを下げることができ、少なくとも水温Twを上げる必要がないと判断することができる。特に、暖房負荷が少ないと判断されるときに、吹出し温度TAが比較的高い傾向にアルト判断しうるときには、暖房能力に余裕が生じている。
ここから、エアコンECU50では、予め基準となる温度(設定温度TAS)を設定しておき、実際の吹出し温度Tが設定温度TASより高ければ、エンジン22の始動要求を抑えるように、目標吹出し温度TAOに対する水温Twの閾値Lを下げる。
これにより、エアコン10の暖房能力を確保しながら、エンジン22の始動を抑えて、燃費の向上を図ることができる。
なお、設定温度Tos、Trs、TAS等の温度値及び図3に示す温度値は一例を示すものであり、本発明に適用される温度や設定値を限定するものではない。
〔第2の実施の形態〕
以下に、本発明の第2の実施の形態を説明する。なお、第2の実施の形態の基本的構成は、前記した第1の実施の形態と同じであり、第2の実施の形態において、第1の実施の形態と同等の部品については、第1の実施の形態と同一の符号を付与してその説明を省略する。
図6には、第2の実施の形態に適用したエアコン10Aに設けるエアコンECU50Aの概略を示している。このエアコンECU50Aにも、足元ダクト68に設けている温度センサ66が接続されており、この温度センサ66によって足元吹出し口34Cから吹き出される空調風の温度(吹出し温度TA)の検出が可能となっている。
また、エアコン10Aには、補助加熱手段としてPCTヒータ70が設けられており、このPCTヒータ70がエアコンECU50Aに接続している。PCTヒータ72は、例えば、空調ダクト24内でヒータコア38の下流側に配置されて、ヒータコア38を通過する空気をこのPCTヒータ70でさらに加熱可能となるようにしている。
エアコンECU50Aでは、エンジン22の暖機中などでエンジン冷却水の水温Twが低いときや、暖房負荷が大きく、大きな暖房能力が要求されるときなどの予め設定されている条件でPCTヒータ70を作動させるようにしている。
このエアコン10Aには、操作パネル72が設けられており、この操作パネル72がエアコンECU50Aに接続されている。なお、前記した第1の実施の形態では、操作パネルの図示を省略している。
この操作パネル72は、エアコン10Aのオン/オフ、温度設定、オートモードの選択と共に、内気循環モード又は外気導入モードの切換、マニュアルモードで空調運転を行うときの吹出しモードの選択、ブロワ風量の選択などが可能となっている。なお、このような操作パネル70は、公知の一般的構成を適用することができる。
エアコンECU50Aでは、マニュアルモードでの空調運転が選択されると、設定温度TSETと環境条件等に基づいて目標吹出し温度TAOを設定し、この目標吹出し温度TAOに基づいてエアミックスダンパ42の開度を設定し、目標吹出し温度TAOの空調風が生成されるようにする。
また、エアコンECU50Aは、操作パネル70の選択に基づいてブロワ風量及び吹出しモードを設定し、設定したブロワ風量及び吹出しモードとなるようにブロワモータ30及びアクチュエータ52Bを作動するようにしている。
一方、エアコンECU50Aでは、マニュアルモードで空調運転を行うときにおいても、所定の暖房能力を確保するようにエンジンECU62に対してエンジン22の始動要求を行うようにしている。
このとき、エアコンECU50Aでは、温度センサ66によって検出する足元吹出し口34Cから吹き出される空調風の吹出し温度Tに基づいて、エンジン22の始動要求を行うようにしている。
エアコンECU50Aでは、大きな暖房能力を必要とするとき(MAX HOT)にエアミックスダンパ42を最大開度として、ヒータコア38をバイパスする空気量を最少とする。
このとき、エアコン10Aが必要とする暖房能力に対してエンジン冷却水の水温Twが高ければ、目標吹出し温度TAOよりも吹出し温度Tが高くなる。ここから、マニュアルモードで暖房運転を行うときには、目標吹出し温度TAOよりも吹出し温度Tが高ければ、エンジン22の始動を不要とすることができる。
また、エアコンECU50Aには、暖房運転を行うときのエンジン冷却水の水温Twの最低値が閾値L(例えば、65°C程度)として設定されており、この閾値Lが記憶されている。なお、この閾値Lとしては、エンジン始動要求を行う閾値LONと、エンジン停止許可を行なう閾値LOFFの間に所定の温度差(LON<LOFF、例えば、LON)を設けている。
ここで、第2の実施の形態に係るエアコン10Aがマニュアルモードで暖房運転を行うときのエンジン始動要求処理の概略を、図7を参照しながら説明する。なお、このフローチャートは、マニュアルモードで暖房運転が行われるときに所定の時間間隔で実行され、オートモードが選択されたときや、空調運転が停止されることにより終了する。また、エアコンECU50Aでは、このフローチャートの実行開始時の初期状態では、エンジン22の停止を許可するように設定されている。
エアコンECU50Aでは、マニュアルモードでの暖房運転が開始されると、ステップ150で目標吹出し温度TAOと、温度センサ66によって検出する吹出し温度Tを読み込み、次のステップ152では、吹出し温度Tが目標吹出し温度TAOより低くなっているか否かを確認する。
ここで、暖房運転中であるにもかかわらず、吹出し温度TAが目標吹出し温度TAOよりも低くなっていると(TA<TAO)、ステップ152で肯定判定されてステップ154へ移行摺る。
このステップ154では、水温センサ64によって検出するエンジン冷却水の水温Twを読み込み、次のステップ156では、水温Twが閾値LONよりも低くなっているか否かを確認する。
ここで、吹出し温度Tが目標吹出し温度TAOよりも低い状態で、水温Twが予め設定されている閾値LON以下であるとき(Tw≦LON)には、ステップ156で肯定判定してステップ158へ移行し、エアコンECU62に対してエンジン22の始動要求を行う。
これにより、エンジン22が始動されてエンジン冷却水の水温Twの上昇が図られることにより、吹出し温度Tが高められ、必要な暖房効果が得られる。
一方、エンジン22の始動要求を行うと、ステップ160では、目標吹出し温度TAOと吹出し温度Tを読み込み、ステップ162で吹出し温度Tが目標吹出し温度TAOよりも低いままか否かを確認する。また、ステップ164では、水温センサ64により検出するエンジン冷却水の水温Twを読み込み、ステップ166では、水温Twが閾値LOFF以下か否かを確認する。
ここで、吹出し温度Twが目標吹出し温度TAOに達する(T≧TAO)か、水温Twが閾値LOFFを超える(Tw>LOFF)と、ステップ162又はステップ166で否定判定されてステップ168へ移行する。
このステップ168では、エンジン始動要求を解除して、エンジン停止許可を行なう。これにより、エンジン停止条件が成立しているにもかかわらず、エアコンECU50Aの要求によりエンジン22が始動されていれば、始動されているエンジン22が停止される。
暖房運転が行われるときは、マニュアルモードであっても足元吹出し口34Cから空調風が吹き出される。エアコンECU50Aでは、この足元吹出し口34Cから吹き出される空調風の吹出し温度を、温度センサ66によって検出し、この検出結果をフィードバックすることにより、エンジン22の停止要求を行うか否かを判断している。これにより、エアコン10Aで必要とする暖房能力に対してエンジン冷却水の水温Twが高いときに、エンジン22の始動要求を行って燃費を低下させてしまうのを確実に防止することができる。
マニュアルモードでは、吹出しモードの選択と共に、ブロワ風量を好みに応じて選択される。このとき、オートモード時よりもブロワ風量が低くなると、水温Twが同じであってもヒータコア38を通過する空気温度が高くなる。
このために、吹出し温度Tが目標吹出し温度TAOよりも高くなり、水温Twに余裕が生じていることになる。
このようなときに、エアコンECU50Aでは、エンジン22が始動されるのを抑えることができる。
また、暖房運転が行われる環境では、外気温Toが低く、暖房が行なわれることにより外気温Toと室温Trの温度差も大きくなる。このようなときには、外気導入モードと内気循環モードでは、実際の吹出し温度Tに差が生じる。
また、PCTヒータ70が設けられているときに、PCTヒータ70が作動しているときと作動が停止されているときでは、吹出し温度Tに差が生じる。
このときに、目標吹出し温度TAOよりも吹出し温度Tが高ければ、エンジン冷却水の水温Twに余裕が生じていることになる。また、PCTヒータ70が設けられているときに、目標吹出し温度TAOに対して実際の吹出し温度Tが乖離し、予測不可能となり、必要とする暖房能力に対して余裕が生じていることが多い。
ここで、エアコンECU50Aでは、必要吹出し温度TAOから一義的にエンジン始動要求水温を決定するのではなく、実際の吹出し温度Tを検出し、この吹出し温度Tに基づいて、水温Twに余裕があるか否かを判断し、この判断結果に基づいてエンジン始動要求を行うので、水温Twに余裕が生じるようにエンジン22が始動要求されるのを抑えることができる。
これにより、マニュアルモードで要求される空調運転を行いながら、エンジン22の燃費向上を図ることができる。
なお、第2の実施の形態では、PCTヒータ70を設けたエアコン10Aを例に説明したが、PCTヒータ70などの補助暖房手段を設けずに、ヒータコア38のみで暖房する構成であっても良く、このときにも、エンジン冷却水の水温Twに余裕がある状態で、エンジン始動要求が行われるのを抑えて、燃費向上を図ることができる。
また、以上説明した第1及び第2の実施の形態は、本発明が適用される空調装置の構成を限定するものではない。例えば、本実施の形態では、足元ダクト68に温度センサ66を設け、足元吹出し口34Cから吹き出される空調風の温度を検出したが、これに限らず、レジスタ吹出し口34Bが設けられるダクト内に温度センサを設けて、レジスタ吹出し口34Bから吹き出される空調風の温度を検出するなど、任意の吹出し口から吹き出される空調風の温度を検出するものであっても良い。
また、本発明は、アイドルストップなどのエコラン制御が行われる車両に設けられて、エンジン冷却水を熱源して暖房を行う任意の構成の空調装置に適用することができる。
本実施の形態に適用したエアコンの概略構成図である。 第1の実施の形態に係るエアコンの制御部を示す概略構成図である。 第1の実施形態に係る目標吹出し温度に対する水温の閾値の一例を示す線図である。 第1の実施の形態に係るエンジン始動要求の概略を示す流れ図である。 第1の実施の形態に係る制御処理の一例を示す流れ図である。 第2の実施の形態に係るエアコンの制御部を示す概略構成図である。 第2の実施の形態に係るエンジンの始動要求の概略を示す流れ図である。
符号の説明
10、10A エアコン
12 コンプレッサ
18 エバポレータ
22 エンジン
34C 足元吹出し口(吹出し口)
38 ヒータコア(熱交換器)
50、50A エアコンECU(設定手段、空調制御手段、要求手段、
62 エンジンECU(エンジン制御手段)
64 水温センサ(液温検出手段)
66 温度センサ(温度検出手段)
68 足元ダクト
72 操作パネル(選択操作手段)

Claims (5)

  1. 予め設定されたエンジン停止条件が成立したときにエンジンを停止すると共に始動要求に基づいてエンジンを始動するエンジン制御手段を備えた車両に設けられて、車室内を空調する車両用空調装置であって、
    設定温度及び環境条件に基づいて前記空調風の目標吹出し温度を設定する設定手段と、
    前記エンジンとの間で循環されるエンジン冷却液によって前記空調風を加熱する熱交換器と、
    前記設定手段の設定に基づいて前記熱交換器によって加熱して生成した空調風を車室内へ吹出す空調制御手段と、
    暖房運転時に吹出し口から吹き出される前記空調風の吹出し温度を検出する温度検出手段と、
    前記エンジンが停止されているときに、前記温度検出手段の検出する前記吹出し温度に基づいて前記エンジン制御手段へエンジンの始動要求を行う要求手段と、
    を含むことを特徴とする車両用空調装置。
  2. 前記エンジン冷却液の液温を検出する液温検出手段を含み、
    前記要求手段が、前記目標吹出し温度に対する前記液温の閾値に基づいて前記エンジンの始動要求を行うとき、前記吹出し温度に応じて前記閾値を設定することを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  3. 前記吹出し温度が予め設定された設定温度以上であるとき、前記吹出し温度が前記設定温度未満であるときより前記閾値を低く設定することを特徴とする請求項2に記載の車両用空調装置。
  4. 前記要求手段が、前記吹出し温度が前記目標吹出し温度より低いときに前記エンジンの始動要求を行うと共に、前記吹出し温度が前記目標吹出し温度より高いときに前記エンジンの始動要求を停止することを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  5. 前記空調風の吹出し風量を含む運転条件を選択する選択操作手段を含み、前記空調制御手段が前記選択操作手段によって選択された運転条件に基づいて空調運転を行うときに、前記要求手段が前記吹出し温度と前記目標吹出し温度に基づいて前記エンジンの始動要求及び始動要求停止を行なうことを特徴とする請求項4に記載の車両用空調装置。
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