JP3431979B2 - ロータリ耕耘装置のカバー弾下装置 - Google Patents

ロータリ耕耘装置のカバー弾下装置

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JP3431979B2
JP3431979B2 JP04141594A JP4141594A JP3431979B2 JP 3431979 B2 JP3431979 B2 JP 3431979B2 JP 04141594 A JP04141594 A JP 04141594A JP 4141594 A JP4141594 A JP 4141594A JP 3431979 B2 JP3431979 B2 JP 3431979B2
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達哉 前山
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Kubota Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、農業機械のロータリ耕
耘装置のカバー弾下装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種のカバー弾下装置として、例え
ば、特開平5ー137403号公報に記載のものが公知
である。この従来のものは、ロータリ耕耘部の上側の上
部カバーの後端に後部カバーを昇降自在に枢着し、この
後部カバーに固定の弾下ブラケットに受け部材を枢支
し、一端が固定側に枢着された弾下ロッドを受け部材に
摺動自在に挿通すると共に、弾下ロッドに弾下用コイル
バネを套嵌したロータリ装置のカバー弾下装置であっ
て、前記弾下ロッドに長手方向に複数個の係合凹部を設
け、受け部材内に、係合凹部に係脱自在に係合する係合
体と、これを係合方向に付勢するバネとを設け、係合体
の受け部材から突出する突出端部に係脱レバーをピンに
より枢支し、この係脱レバーに、係合体を係合位置と離
脱位置とに保持すべく受け部材側に当接する第1カム部
と第2カム部とをピン廻りに位置を変えて設けたもので
あった。
【0003】そして、係合体を係合位置に保持したと
き、後部カバーは上方に移動可能であるが、下方の移動
が拘束され、離脱位置に保持したときは、後部カバーは
上下方向に移動可能であるよう構成されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】秋起こし等、土を乾燥
させたいとき、後部カバーを少し上げて整地せずに耕耘
する場合がある。このような作業において、前記従来の
ものでは、係合体を係合位置に保持した状態で耕耘作業
を行う。すると、石等による振動で後部カバーが徐々に
上方に移動し、土の飛散が激しくなり、適切な作業がで
きなくなると言う問題があった。
【0005】そこで、本発明は、前記問題点を解消した
ロータリ耕耘装置のカバー弾下装置を提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は、次の手段を講じた。即ち、本発明の特徴
とするところは、ロータリ耕耘部の上方後部を覆う後部
カバーが固定側に対して上下方向回動自在に枢着され、
該後部カバーと固定側とがロッドで連結され、該ロッド
に前記後部カバーを弾下する弾性体が設けられ、前記後
部カバーとロッド又は固定側とロッドとの連結部の少な
くとも一方には、前記ロッドとの軸方向相対移動を許容
したり拘束したりするロック装置が設けられ、該ロック
装置は前記ロッドに形成した凹部に係脱自在に係合する
係合体と、該係合体を位置変更自在に案内する受部材
と、該受部材に対して係合体を位置変更させる操作レバ
ーと、前記係合体をロッド側に付勢するスプリングとが
設けられ、前記操作レバーには係合体に対して揺動する
ことにより受部材と当接して係合体を三位置に保持する
カム部が形成されており、前記カム部は、係合体をロッ
ドに対して不完全に係合させて離脱方向の移動を許容す
るオートハンガー状態用カム部と、該オートハンガー状
態用カム部から操作レバーを一方に揺動することにより
係合体をロッドに対して係合させて両者の相対移動を防
止するロック状態用カム部と、前記オートハンガー状態
用カム部から操作レバーを他方に揺動することにより係
合体をロッドに対して分離して両者の相対移動を許容す
るフリー状態用カム部とである点にある。また、他の特
徴とするところは、前記係合体の端部にはロッドに対し
て不完全に係合する傾斜面が形成され、ロッドはパイプ
で形成され、凹部はロッドの側面に開口する複数の孔で
形成されている点にある。
【0007】
【作用】本発明によれば、後部カバーの移動を完全に止
めるロック状態と、後部カバーの移動を完全に自由とす
るフリー状態と、一方向の移動を許容するオートハンガ
ー状態とに保持できる。前記のような秋起こし作業で
は、ロック状態で使用する。自動耕深作業の時はフリー
状態にして使用する。耕耘爪交換作業や点検作業におい
てはオートハンガー状態として使用する。
【0008】前記秋起こし作業では、ロック状態で使用
するので、従来のように後部カバーが不慮に上昇するこ
とがない。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。図4において示すものは、トラクタの後部に着脱自
在に装着されるロータリ耕耘装置の断面図であり、該ロ
ータリ耕耘装置は、左右方向の中央部に設けられたギヤ
ーケース(図示省略)と、該ギヤーケースの左右両側か
ら延設する左右一対のサポートアーム1 と、該サポート
アーム1 の両外端部に固定されたチェーンケース(図示
省略)とサイドフレーム2 と、該チェーンケースとサイ
ドフレーム2の下部同士に軸架された耕耘爪軸3 とを有
する。この耕耘爪軸3 には耕耘爪(図示省略)が着脱自
在に取り付けられて耕耘部4 を構成している。
【0010】前記耕耘部4 を覆うロータリカバーは、上
部カバー5 と後部カバー6 とサイドカバー7 等から構成
されている。前記後部カバー6 の前端部が、上部カバー
5 の後端部に上下方向回動自在に枢着されている。前記
上部カバー5 と後部カバー6 との間にカバー弾下装置8
が設けられている。このカバー弾下装置8 は、前記後部
カバー6 の上面に設けられた左右一対の下部ブラケット
9 と、この下部ブラケット9 にピン10を介して回動自在
に枢着されているロッド11と、前記上部カバー5 の上面
に設けられた左右一対の上部ブラケット12と、該上部ブ
ラケット12の先端部に設けられた受部材13とを有する。
【0011】この受部材13に前記ロッド11が摺動自在に
挿通されている。前記ロッド11は中空パイプから形成さ
れ、その長手方向に沿って所定ピッチで凹部14が形成さ
れている。この凹部14はロッド11の側面に開口する孔と
して形成されている。前記ロッド11には後部カバー6 を
弾下する弾性体として例示するスプリング15が套嵌され
ている。このスプリング15の下端位置を拘束するストッ
パー16が前記ロッド11に外嵌されている。
【0012】このストッパー16は、前記凹部14に係脱自
在に係合する爪17を有する。このストッパー16は、爪17
と凹部14との係合を解除することにより、軸方向に移動
可能であり、爪17と凹部14とが係合することで任意の位
置に固定される。前記受部材13にロック装置18が設けら
れている。その詳細が図1〜図3に示されている。
【0013】前記ロック装置18は、前記ロッド11の凹部
14に係脱自在に係合する係合体19と、該係合体19の位置
変更を行う位置変更装置20とを有する。即ち、前記係合
体19は、ロッド11の径方向からロッド11の凹部14に挿脱
自在に挿通される頭部21と、該頭部21から延出して受部
材13に摺動自在に支持されているシャンク部22とを有す
る。前記頭部21の先端は傾斜面23に形成されている。前
記シャンク部22の径は頭部21の径より小径とされ、且
つ、その端部は、受部材13より外方に突出している。シ
ャンク部22に圧縮スプリング24が套外され、該係合体19
を凹部14との係合方向に付勢している。
【0014】前記位置変更装置20は、前記受部材13から
突出する係合体19のシャンク部22にピン25により回動自
在に枢支された操作レバー26を有する。この操作レバー
26の前記ピン25回りの外周面の三箇所の位置に、第1カ
ム部27、第2カム部28、第3カム部29が形成されてい
る。この各カム部27,28,29は、前記受部材13の端面に接
当する。そして、各カム部27,28,29が受部材13の端面に
当接したとき、その当接面とピン25迄の距離は、第1カ
ム部27<第2カム部28<第3カム部29とされている。
【0015】即ち、図1に示す、第1カム部27と受部材
13の端部とが当接した状態では、係合体19とロッド11の
凹部14とが完全に係合して、ロッド11と受部材13との相
対移動が防止される(ロック状態)。図2に示すよう
に、第2カム部28と受部材13の端部とが当接した状態で
は、係合体19と凹部14とが不完全に係合されて、ロッド
11の矢印方向の一方向の移動が許容されている(オート
ハンガー状態)。即ち、係合体19の頭部21の傾斜面23が
凹部14に入り込まず、ロッド11の矢印方向の移動を許容
するが、頭部21の反傾斜面側が凹部14に入り込み、矢印
方向とは反対方向の移動を防止している。
【0016】図3に示すように、第3カム部29と受部材
13の端部とが当接した状態では、係合体19とロッド11と
が分離されて、両者の相対移動が許容されている(フリ
ー状態)。前記実施例によれば、後部カバー6 の移動を
完全に止めるロック状態と、後部カバー6 の移動を完全
に自由とするフリー状態と、一方向の移動を許容するオ
ートハンガー状態とに保持できる。
【0017】従って、秋起こし作業では、ロック状態で
使用する。自動耕深作業の時はフリー状態にして使用す
る。耕耘爪交換作業や点検作業においてはオートハンガ
ー状態として使用する。前記秋起こし作業では、ロック
状態で使用するので、従来のように後部カバーが不慮に
上昇することがない。
【0018】尚、図5に示すように、前記ロータリ耕耘
装置のサイドフレーム2 の下端の外面側にブラケット30
が固定され、該ブラケット30に残耕処理爪31が斜め状に
取り付けられている。このように残耕処理爪31を斜めに
取付けることにより、コンクリートケイハンとサイドフ
レーム2 との距離を大きく取ることができ、サイドフレ
ーム2 や軸受ブラケット32を傷つけることがない。
【0019】尚、本発明は、前記実施例に限定されるも
のではなく、例えば、ロック装置を固定側の連結部に設
ける代わりに、特開平5−137403号公報に記載の
ように、後部カバー側の連結部に設けてもよい。また、
ロッドは中空に限らず中実棒であってもよく、凹部は切
欠凹部であってもよい。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、従来の二位置の変更の
みならず、三位置変更が可能になったので、ロック状態
を得ることが出来、従って、秋お越し作業等にロック状
態で使用することができ、作業中に後部カバーが不慮に
上昇することがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の要部を示すロック状態の断面
図である。
【図2】同、オートハンガー状態を示す断面図である。
【図3】同、フリー状態を示す断面図である。
【図4】本発明の実施例の全体構成を示す断面図であ
る。
【図5】残耕処理爪の取り付け構造を示した正面図であ
る。
【符号の説明】
4 耕耘部 6 後部カバー 11 ロッド 15 弾性体 18 ロック装置 19 係合体 20 位置変更装置
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01B 33/12

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロータリ耕耘部の上方後部を覆う後部カ
    バーが固定側に対して上下方向回動自在に枢着され、該
    後部カバーと固定側とがロッドで連結され、該ロッドに
    前記後部カバーを弾下する弾性体が設けられ、前記後部
    カバーとロッド又は固定側とロッドとの連結部の少なく
    とも一方には、前記ロッドとの軸方向相対移動を許容し
    たり拘束したりするロック装置が設けられ、該ロック装
    置は前記ロッドに形成した凹部に係脱自在に係合する係
    合体と、該係合体を位置変更自在に案内する受部材と、
    該受部材に対して係合体を位置変更させる操作レバー
    と、前記係合体をロッド側に付勢するスプリングとが設
    けられ、前記操作レバーには係合体に対して揺動するこ
    とにより受部材と当接して係合体を三位置に保持するカ
    ム部が形成されており、前記カム部は、係合体をロッド
    に対して不完全に係合させて離脱方向の移動を許容する
    オートハンガー状態用カム部と、該オートハンガー状態
    用カム部から操作レバーを一方に揺動することにより係
    合体をロッドに対して係合させて両者の相対移動を防止
    するロック状態用カム部と、前記オートハンガー状態用
    カム部から操作レバーを他方に揺動することにより係合
    体をロッドに対して分離して両者の相対移動を許容する
    フリー状態用カム部とであることを特徴とするロータリ
    耕耘装置のカバー弾下装置。
  2. 【請求項2】 前記係合体の端部にはロッドに対して不
    完全に係合する傾斜面が形成され、ロッドはパイプで形
    成され、凹部はロッドの側面に開口する複数の孔で形成
    されていることを特徴とする請求項1に記載のロータリ
    耕耘装置のカバー弾下装置。
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