JP3431577B2 - 医薬組成物 - Google Patents

医薬組成物

Info

Publication number
JP3431577B2
JP3431577B2 JP2000171483A JP2000171483A JP3431577B2 JP 3431577 B2 JP3431577 B2 JP 3431577B2 JP 2000171483 A JP2000171483 A JP 2000171483A JP 2000171483 A JP2000171483 A JP 2000171483A JP 3431577 B2 JP3431577 B2 JP 3431577B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pharmaceutical composition
elm
present
sumac
extract
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000171483A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001354581A (ja
Inventor
壽子 門野
由弘 関野
祥夫 若山
Original Assignee
保芦 将人
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 保芦 将人 filed Critical 保芦 将人
Priority to JP2000171483A priority Critical patent/JP3431577B2/ja
Publication of JP2001354581A publication Critical patent/JP2001354581A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3431577B2 publication Critical patent/JP3431577B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)
  • Medicines Containing Plant Substances (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ニレの花部に由来
する成分とウルシの葉部に由来する成分とを含むことを
特徴とする医薬組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】自然界に生育している植物から得られる
成分を利用して医薬組成物を開発する研究が従来から活
発に行われている。自然界に存在する植物の中でも、動
物や人間が食材として口にしているものは、毒性が低く
入手が容易であることから特に活発な研究対象とされて
いる。これまでにも、種々の医薬組成物が開発されるに
至っており、その種類は極めて多い。本発明者が着目し
たニレやウルシも、自然界に豊富に生育している植物で
あり、その入手は容易である。しかしながら、ニレにつ
いては、これまで医薬品としてほとんど研究の対象とさ
れていなかった。また、ウルシについては、毒性があり
皮膚に付着すると皮膚炎を起こすウルシオールを有する
ことが広く知られており、人体に悪い作用があるとの印
象が強い。このため、ニレもウルシも他の植物に比べる
と医薬として利用する試みは少なかった。ましてや、数
ある植物種の中からニレとウルシを選択して組み合わせ
ることは、本発明者の外に試みられた様子はない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来の技術状況下で、ニレに含まれる成分とウルシに含
まれる成分を組み合わせることによって、安全で高活性
な新しい医薬組成物を開発することを課題とした。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために経緯検討を重ねた結果、ニレの花部に由
来する成分とウルシの葉部に由来する成分とを含む組成
物に優れた生理活性があることを見い出して、本発明に
到達した。すなわち本発明は、ニレの花部またはその抽
出物と、ウルシの葉部またはその抽出物とを含むことを
特徴とする医薬組成物を提供する。本発明の医薬組成物
に用いるニレは、ウルムスホランディカ(Ulmus
hollandica)に属するものが好ましく、中で
もウェガタア(Vegeta)、コメリン(Comme
lin)、グロネフェト(Groenveid)、ベル
ギカ(Belgica)、クルシウス(Clusiu
s)、コルメラ(Columella)、ドドエンス
(Dodoens)およびホメステッド(Homest
ead)からなる群から選択されるものが好ましく、特
にウェガタア(Vegeta)、コメリン(Comme
lin)およびグロネフェト(Groenveid)か
らなる群から選択されるものが好ましい。本発明の医薬
組成物は、ニレの花部を乾燥した粉末とウルシの葉部を
乾燥した粉末とを含むものであってもよいし、ニレの花
部の抽出物とウルシの葉部の抽出物とを含むものであっ
てもよい。本発明の医薬組成物は、高コレステロール
症、動脈硬化、肝機能障害の予防または治療などに好ま
しく用いられる。また、本発明は、(1)ニレの花部ま
たはその抽出物と(2)ウルシの葉部またはその抽出物
が、それぞれキットを構成する複数の組成物のいずれか
に含まれていることを特徴とする医薬キットも提供す
る。
【0005】
【発明の実施の形態】以下において、本発明の医薬組成
物について詳細に説明する。本発明の医薬組成物は、ニ
レの花部またはその抽出物と、ウルシの葉部またはその
抽出物とを含むことを特徴とする。
【0006】本発明の医薬組成物に使用するニレの種類
は特に制限されない。好ましいのは、ウルムスホランデ
ィカ(Ulmus hollandica)に属するニ
レを使用する態様である。ウルムスホランディカは、ウ
ルムスカルピニフォラ(Ulmus carpinif
olla)とウルムスグラブラ(Ulmus glab
ra)の交雑品種を含むものであり、比較的大型のもの
が多い。また、小枝表面が平滑であり、翼片の中央に実
がつかないのが一般的である。ウルムスホランディカ
は、欧州において街路樹や公園樹として植えられてお
り、園芸品種もある。
【0007】ウルムスホランディカに属する具体的な植
物種として、ウェガタア(Vegeta)、コメリン
(Commelin)、グロネフェト(Groenve
id)、ベルギカ(Belgica)、クルシウス(C
lusius)、コルメラ(Columella)、ド
ドエンス(Dodoens)およびホメステッド(Ho
mestead)をはじめとするニレを例示することが
できる。これらの中でも、ウェガタア(Veget
a)、コメリン(Commelin)およびグロネフェ
ト(Groenveid)が特に好ましい。
【0008】ウェガタア(Vegeta)は、複数の主
枝からなり、非常に頑丈なニレである。若木の主枝は斜
めに伸びようとするが、生長するにつれて横に広がって
垂れてくるのが一般的である。このため、枝はまとまり
がなく勝手な方向に伸びているものが多い。幹には長い
裂けめが多く見受けられ、灰色をしている。ウェガタア
(Vegeta)の葉は、後述するベルギカ(Belg
ica)の葉よりも大きく、コメリン(Commeli
n)の葉より平たい。葉の根元は幅広であり、形状は逆
卵型や楕円形など様々である。また、芽は一般に大きく
て光沢のある赤茶色をしている。ウェガタア(Vege
ta)には、ハンティンドン(Huntingdon)
ニレも含まれる。
【0009】コメリン(Commelin)は、樹冠が
開いた頑丈なニレである。幹はやや螺旋状になりながら
比較的まっすぐに伸びているものが多い。ウェガタア
(Vegeta)に比べると枝はまばらで細い。枝の色
は赤味を帯びた茶色であるのが一般的である。樹冠は下
から透けて見えることが多い。また、葉は薄緑色で小さ
く、葉脈は明るい色を呈しているのが一般的である。葉
序はまばらであり、ウェガタア(Vegeta)よりも
かなり後に落葉する。葉は楕円形で先端が短くて尖って
いるものが多い。コメリン(Commelin)は、一
般に風に強くて落葉が遅い。
【0010】グロネフェト(Groenveid)は、
大型で風に強いニレである。樹高は約15〜20mで頂
点が複数に分かれており、樹冠が細くて整った形をして
いるのが一般的である。葉は小さくて非常に密であり、
濃緑色をしているが秋には完全に黄色になる。葉の裏面
には産毛があり、少し鈍い色をしている。生長が遅いた
めに、花と実が比較的多くつく。このため、本発明で必
要な花部を1本のニレから多量に取得することができる
という利点がある。
【0011】クルシウス(Clusius)は、形が整
った樹冠を有しており、風に強い特徴を有するニレであ
る。コルメラ(Columella)は、樹体が小さな
ニレである。ドドエンス(Dodoens)は、葉が艶
のある濃緑色であって、太枝が上に伸びている頑丈なニ
レである。ホメステッド(Homestead)は、米
国において栽培されているニレである。ドドエンス(D
odoens)とホメステッド(Homestead)
は、ともにウェガタア(Vegeta)に似ている点が
多い。
【0012】本発明で使用するウルムスホランディカ
(Ulmus hollandica)の中には、ウル
ムスカルピニフォラ(Ulmus carpinifo
lla)とウルムスグラブラ(Ulmus glabr
a)の交雑品種が含まれる。ウルムスカルピニフォラ
(Ulmus carpinifolla)は、樹高が
約25〜30mで、幅広で楕円状の樹形をしているのが
一般的である。樹齢を重ねるに従って樹肌は荒くなる。
小枝は比較的細くて、毛は生えていないものが多い。ま
た、種によっては、生長の早い若枝にコルク層が明瞭に
形成されることがある。葉は、逆卵型をしていて、8c
m未満の小さいものが多い。左右には12組前後の葉脈
がある。ウルムスカルピニフォラ(Ulmus car
pinifolla)に属するニレの種類は豊富であ
り、例えば、ダンピエリ(Dampieri)、ホエル
ショルミエンシス(Hoersholmiensi
s)、サルニエンシス(Sarniensis)、ウレ
デイ(Wredei)を例示することができる。
【0013】一方、ウルムスグラブラ(Ulmus g
labra)は、幅広で丸い樹冠を有する大型のニレで
ある。根はあまり発達しておらず、樹皮は灰色ではじめ
は平滑であるが後に浅い溝ができる。一般に、厚ぼった
い茶色の太枝が密に生えており、冠部分の皮は桃色を呈
している。葉は8〜16cmであり、ウルムスカルピニ
フォラ(Ulmus carpinifolla)より
も荒いものが多い。葉柄は短く、斜めになった葉脚が全
体を覆っているのが一般的である。左右に伸びる葉脈は
12〜18組であり、花序は大きめである。また、種子
を飛ばすための翼片は逆卵型をしており、実は中央につ
いている。ウルムスグラブラ(Ulmus glabr
a)に属するニレの具体例として、カンペルドウニ(C
amperdownii)、エキソニエンシス(Exo
niensis)、ホリゾンタリス(Horizont
alis)を例示することができる。
【0014】本発明では、これらの具体例以外のウルム
スホランディカ(Ulmus hollandica)
に属する植物種やニレ種を使用することもできる。ま
た、本発明では、ウルムスホランディカ(Ulmus
hollandica)に属する植物種やその他のニレ
種を他の植物種と交配させた植物種も好ましく使用する
こともできる。交配させる他の植物種は、他のニレ種で
あってもよいし、ニレ以外の植物種であってもよい。ま
た、交配させる植物種は、1種類のみであってもよい
し、複数種であってもよい。さらに、交配させて得た品
種をさらに交配させて得た品種であってもよい。このよ
うに、本発明の医薬組成物には、ウルムスホランディカ
(Ulmus hollandica)をはじめとする
ニレに由来する植物種を利用したものがすべて包含され
る。
【0015】本発明では、これらのニレ種を単独で使用
してもよいし、複数種を組み合わせて使用してもよい。
本発明では、ニレの花部を利用する。例えば、ウルムス
ホランディカ(Ulmus hollandica)に
由来する植物種は、冬から初春にかけて莟をつけ、春に
花を咲かせる。花芽の大きさは小さくてもよい。このた
め本発明では、莟の段階から花が散るまでの間に花部を
取得して利用するのが好ましい。
【0016】ニレの花部は、医薬組成物として使用しや
すい状態にして利用することができる。例えば、細片状
または粉末状にしたうえで適当な成分と混合することに
よって使用してもよいし、適当な溶媒を用いて抽出した
抽出物を使用してもよい。花部を細片状または粉末状に
するときには、採取した花部をそのままカッター、細断
機、コロイドミルなどを用いて処理してもよいが、いっ
たん乾燥してから細断、粉末化処理を行うのが好まし
い。花部の乾燥は、水分含量が10重量%未満、好まし
くは5重量%未満、より好ましくは3重量%未満になる
まで行うのが一般的である。乾燥は、自然乾燥でも機械
乾燥でもよい。また、乾燥を行う場合は、花部採取から
30分以内に行うのが好ましい。
【0017】花部の乾燥温度は特に制限されない。この
ため、加圧式ドラム加熱装置や電磁波などを用いて急速
加熱乾燥してもよい。加圧式ドラム加熱装置を用いる場
合は、80〜140℃の範囲内で加熱乾燥するのが好ま
しい。乾燥時間は、通常2分以内にし、好ましくは1分
以内、より好ましくは40〜50秒程度にする。また、
電子レンジなどの電磁波を使用する場合には、例えば6
00Wで20〜50秒程度加熱乾燥することができる。
このような条件下で加熱乾燥することによって、花部原
料中に含まれている望ましくない酵素の活性を抑制また
は失活させ、生理活性成分の分解をある程度防ぐことが
できる。
【0018】急速加熱乾燥したものは、そのまま使用し
てもよいし、さらに低温乾燥させてから使用してもよ
い。低温乾燥を行う場合には、−5℃〜10℃の範囲内
で行うのが好ましい。低温乾燥は、遠赤外線乾燥装置な
どの熱風乾燥装置、通風乾燥装置、氷温乾燥装置などを
単独または組み合わせて用いることによって行うことが
できる。例えば、遠赤外線乾燥を行った後に氷温乾燥す
ることができる。このような低温乾燥を行えば、生理活
性成分の分解を防止することができる。
【0019】花部の細断や粉末化は、目的にあった装置
や道具を用いて行うことができる。例えば、コロイドミ
ルを用いて50〜100μmの粉末にすることができ
る。このような細断や粉末化は、乾燥前、高温乾燥後、
低温乾燥後のいずれであってもよい。
【0020】花部はこのようにして細片状または粉末状
にする他に、抽出物として使用することもできる。抽出
の対象となる花部は、採取した花部そのもの、採取した
花部を細片化したもの、高温乾燥したもの、低温乾燥し
たものなどのいずれであってもよい。抽出効率を上げる
ために、花部はある程度細片化しておくのが好ましい。
抽出溶媒は、水またはアルコールであるのが好ましいが
これ以外の抽出溶媒も使用することができる。アルコー
ル系溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノ
ール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノー
ル、tert−ブタノール、ペンタノール、イソペンタ
ノール、ヘキサノール、イソヘキサノールなどを例示す
ることができる。これらの溶媒は単独で使用してもよい
し、組み合わせて使用してもよい。例えば、30〜50
%のエチルアルコールまたはメチルアルコール水溶液を
用いることができる。
【0021】抽出は、常温で行っても還流下で行っても
よい。また、ソックスレー抽出器などの抽出装置を使用
してもよい。具体的には、50%エタノール水溶液を用
いて還流温度でソックスレー抽出器によって30〜60
分間抽出する方法を例示することができる。抽出した抽
出液は、そのまま医薬組成物として使用に供してもよい
が、効果を高めるために濃縮して使用するのが好まし
い。濃縮の程度は使用環境によって異なる。例えば、濃
度10%程度にして液剤として使用してもよいし、粉末
状になるまで溶媒を除去してもよい。
【0022】本発明の医薬組成物には、ニレの花部また
はその抽出物とともに、ウルシの葉部またはその抽出物
を使用する。本発明で使用するウルシは、ウルシ科に属
するものの中から選択することができる。特に好ましい
のは、ウルシ科ウルシ属に属する植物種の葉部である。
例えば、ウルシ(Rhus vernicitlu
a)、ヤマウルシ(Rhus trichocarp
a)、シタウルシ(Rhus ambigna)、ヌル
デ(Rhus javanica)、ヤマハゼ(Rhu
s sylvestris)を例示することができる。
また、使用するウルシは葉が柔らかい若葉であるのが好
ましい。特に8週令以下のものが好ましく、中でも4週
令以下のものがより好ましい。
【0023】これらのウルシの葉部は、ニレの花部と同
じように、上記方法にしたがって乾燥、粉末化、細片
化、抽出することができる。ニレの花部に由来する成分
とウルシの葉部に由来する成分の混合比率は適宜決定す
ることができるが、一般に1:0.1〜10の範囲内、
好ましくは1:0.3〜3、より好ましくは1:0.5
〜2の比率で混合した場合である。
【0024】本発明の医薬組成物は、種々の生理活性を
有する。例えば、本発明の医薬組成物には、血中の総コ
レステロール量とLDL(LowDensity Lipoprotein)量
の上昇を阻害する効果と、血中HDL(High DensityLi
poprotein)量の低下を阻害する効果がある。前者の効
果は本発明の医薬組成物を比較的短期間投与するだけで
現れ、後者の効果は本発明の医薬組成物を長期間にわた
って投与する場合により効果的に発現する。また、これ
らの効果は高コレステロール食を食べながら本発明の医
薬組成物を投与した場合にも発現する。したがって、本
発明の医薬組成物は、高コレステロール症の予防および
治療、動脈硬化の予防および治療、およびこれらの疾患
が引き起こす別の疾患や病態(例えば脳梗塞、狭心症、
心筋梗塞、虚血発作、高血圧、高脂血症等)の予防およ
び治療に有用である。
【0025】また、本発明の医薬組成物には、肝臓を毒
性物質から守る効果がある。すなわち、本発明の医薬組
成物を投与することにより、毒性物質を摂取したときの
S−GPT(serum glutamic pyruvic transaminase)
値とS−GOT(serum glutamate oxaloacetate trans
aminase)値の上昇を抑えることができる。したがっ
て、本発明の医薬組成物は、肝機能障害の治療および予
防、特に毒物由来の肝機能障害の治療および予防に有用
である。また、これらに付随する疾患(例えば胆道系疾
患)などにも効果が期待される。
【0026】本発明の医薬組成物は、その目的に応じて
様々な態様で使用することができる。例えば、医薬品と
してではなく、機能性食品、機能性飲料として安全かつ
有効に使用することができる。たとえば、本発明の医薬
組成物を医薬品として使用する場合には、その投与経路
によって様々な剤型を選択することができる。本発明の
医薬組成物は、経口的または非経口的に投与することが
できる。例えば、直腸投与、鼻内投与、頬側投与、舌下
投与、膣内投与、筋肉内投与、皮下投与、静脈内投与を
行なうことが可能である。中でも、本発明の医薬組成物
は、経口投与、皮下投与または経皮投与するのが好まし
く、経口投与することが特に好ましい。
【0027】経口投与に適した製剤として、錠剤、カプ
セル剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、液剤、シロップ剤など
を挙げることができ、非経口投与に適した製剤として、
注射剤、点滴剤、坐剤、吸入剤、経皮吸収剤、経粘膜吸
収剤、貼付剤などを挙げることができる。注射剤は、静
脈注射、筋肉注射、皮下注射、点滴などのいずれに用い
るものであってもよい。本発明の医薬組成物は、特に経
口用製剤、注射剤、貼付剤のいずれかであるのが好まし
い。
【0028】本発明の医薬組成物には、必要に応じて薬
理学的および製剤学的に許容しうる添加物を添加するこ
とができる。例えば、賦形剤、崩壊剤または崩壊補助
剤、結合剤、滑沢剤、コーティング剤、色素、希釈剤、
基剤、溶解剤または溶解補助剤、等張化剤、pH調節
剤、安定化剤、噴射剤、粘着剤、湿潤剤などを使用する
ことができる。これらの添加剤を適宜組み合わせて使用
することによって、本発明の医薬組成物にさまざまな付
加的機能を持たせることができる。例えば、必要に応じ
て活性成分が徐放されるように設計することができる。
また、体内の必要な個所において活性成分が集中的に放
出されるように設計することもできる。このような徐放
性製剤やドラッグデリバリーシステムは、製剤業界にお
いて周知の方法にしたがって設計のうえ製造することが
できる。
【0029】また、本発明の医薬組成物には、有機物ま
たは無機物の担体を使用することができる。そのような
担体として、乳糖、でんぷん、植物性および動物性脂肪
や油脂を例示することができる。本発明の医薬組成物に
は、ウルムスホランディカ由来の活性物質を0.01〜
100重量%の範囲内で使用することができる。本発明
の医薬組成物は、後天性免疫不全症候群やヒト成人T細
胞白血病の予防および治療剤として有用である。
【0030】さらに、本発明の医薬組成物は、他の医薬
組成物と組み合わせて使用することもできる。とくにウ
ルシの葉部に由来する組成物と組み合わせれば、相乗効
果が期待できるため好ましい。このため、本発明には、
(1)ニレの花部またはその抽出物と(2)ウルシの葉
部またはその抽出物が、キットを構成する複数の組成物
のいずれかに含まれていることを特徴とする医薬キット
が含まれる。
【0031】成分(1)と成分(2)は、本発明の医薬
キットを構成する複数の組成物のいずれかに含まれてい
ればよい。例えば、成分(1)を含む組成物と成分
(2)を含む組成物からなるキットであってもよいし、
成分(1)と成分(2)の存在比が異なる複数の組成物
からなるキットであってもよい。使用する際には、これ
らの組成物を適宜組み合わせて投与する。例えば、複数
の組成物を同時または連続して投与してもよいし、場合
によっては一定の間隔をおいて投与してもよい。
【0032】本発明の医薬組成物の投与量は、治療また
は予防の目的、患者の性別、体重、年齢、疾患の種類や
程度、剤型、投与経路、投与回数などの種々の条件に応
じて適宜決定する。例えば、経口投与する場合には、
0.1μg〜100mg(活性成分乾燥重量)/kg体
重/日で、一日一回から数回に分けて投与することがで
きるが、投与量はこの範囲に限定されるものではない。
【0033】本発明の医薬組成物は、各種食品や飲料に
含ませることによって、機能性食品および機能性飲料に
することができる。例えば、紅茶、清涼飲料水、ジュー
ス、あめ、澱粉質食品、各種加工食品等に添加すること
ができる。ウルムスホランディカ由来の活性物質の添加
量は、約0.1〜99重量%の範囲内に設定することが
できる。また、必要に応じて、ゲル化剤などを添加して
食感を改良してもよい。
【0034】
【実施例】以下に実施例および試験例を挙げて本発明を
さらに具体的に説明する。以下の実施例に示す成分、割
合、操作順序等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜
変更することができる。したがって、本発明の範囲は以
下の実施例に示す具体例に制限されるものではない。
【0035】(実施例1)本実施例において、本発明の
医薬組成物(液剤)の具体例を例示する。ウルムスホラ
ンディカ(ulmus hollandica)に属す
るウェガタア(Vegeta)、コメリン(comme
lin)およびグロネフェト(Groenveid)の
花の莟を、オランダ国アムステルダム市内にて3月に採
取した。採取した莟をそれぞれミキサーを用いて粉砕
し、110〜120℃にて水分量1〜5%になるまで乾
燥した。得られた乾燥粉末に脱酸素剤を入れて密封し、
常温で保存した。
【0036】ウルシ若葉を石川県にて3月に採取し、ミ
キサーを用いて粉砕した後、110〜120℃にて水分
量が1〜5%になるまで乾燥した。得られた乾燥粉末に
脱酸素剤を入れて密封し、常温で保存した。
【0037】各乾燥粉末をそれぞれ1週間保存した後、
ニレの乾燥粉末7.5gとウルシの乾燥粉末7.5gを
混合した。混合粉末に70%エタノール100mlを添
加して5時間撹拌し、上清を濃縮した。濃縮物を14%
エタノールに溶解して全量を10mlにすることによっ
て、生理活性を有する本発明の液剤を得た。
【0038】(実施例2)本実施例において、本発明の
医薬組成物(粉剤)の具体例を例示する。実施例1で得
られたニレの花部の乾燥粉末、ウルシ若葉の乾燥粉末、
およびデンプンをそれぞれ以下の表に示す量で混合し
た。これによって、生理活性を有する本発明の混合粉剤
を得た。
【0039】
【表1】
【0040】(実施例3)本実施例において、本発明の
医薬組成物(カプセル剤)の具体例を例示する。実施例
2で製造した粉剤を、ゼラチンカプセルに充填すること
によって生理活性を有するカプセル剤を製造した。
【0041】(実施例4)本実施例において、本発明の
医薬組成物(注射剤)の具体例を例示する。実施例1で
得られたニレの花部の乾燥粉末7.5gとウルシ若葉の
乾燥粉末7.5gを混合した。混合粉末を80℃の水で
抽出して溶媒を減圧留去した。得られた抽出物を塩化ナ
トリウムとともに蒸留水に溶解した。乾燥粉末、塩化ナ
トリウムおよび蒸留水は、それぞれ以下の表に示す量で
混合した。得られた水溶液を濾過することによって、生
理活性を有する注射剤を製造した。
【0042】
【表2】
【0043】(実施例5)本実施例において、本発明の
生理活性を有する機能性飲料の具体例を例示する。実施
例1で得られたニレの花部の乾燥粉末7.5gとウルシ
若葉の乾燥粉末7.5gを混合した。混合粉末を60℃
の水で抽出して、得られた抽出液を固形分重量が10%
になるまで濃縮した。その後、以下の成分と以下の表に
示す割合で混合した。これによって、生理活性を有する
機能性飲料を得た。
【0044】
【表3】
【0045】(試験例1)本試験例において、実施例1
で得られた医薬組成物の血中コレステロール量に対する
作用を調べた。投与群の8匹のラット(体重150±2
0kg、牡)に、体重1kgあたり2gの医薬組成物を
高コレステロール餌に混ぜて1日1回与えた。また、対
照群の8匹のラットには、ラットの体重1kgあたり1
0mlの20%エタノールを高コレステロール餌に混ぜ
て1日1回与えた。投与は28日間継続し、試験開始
前、試験開始から8日目の朝、15日目の朝、22日目
の朝、29日目の朝にそれぞれ血液を採取して分析し
た。血中の総コレステロール量、HDL量、LDL量
(8匹の平均値)は以下の表に示すとおりであった。
【0046】
【表4】
【0047】
【表5】
【0048】
【表6】
【0049】これらの結果より、本発明の医薬組成物に
は、高コレステロール食を連続して摂取した動物の血中
の総コレステロール量とLDL量の上昇を阻害する効果
があることが裏付けられた。また、高コレステロール食
を長期的に摂取した動物の血中HDL量低下を阻害する
効果もあることが裏付けられた。
【0050】(試験例2)本試験例において、実施例1
で得られた医薬組成物の肝毒性試験を行った。投与群の
8匹のラット(体重200±20kg、牡)に、体重1
kgあたり2gの医薬組成物を餌に混ぜて1日1回与え
た。また、対照群の8匹のラットには、ラットの体重1
kgあたり10mlの20%エタノールを餌に混ぜて1
日1回与えた。投与は30日間継続した。30日目の投
餌の1時間前に、全ラットに体重1kgあたり1mlの
四塩化炭素を50%オリーブ油に溶解して腹腔内投与し
た。四塩化炭素投与前と投与後24時間経過時に眼洞か
ら血液を採取して分析した。S−GPTとS−GOT
(8匹の平均値)は、以下の表に示すとおりであった。
【0051】
【表7】
【0052】
【表8】
【0053】これらの結果より、本発明の医薬組成物に
は、動物の肝臓を毒性物質から守る効果があることが裏
付けられた。
【0054】
【発明の効果】本発明の医薬組成物は、従来知られてい
るハルニレ由来の医薬組成物に比べて顕著に高い活性を
示す。また、本発明の医薬組成物は、毒性が低いことか
ら、少量で強い活性を示す医薬品、食品、飲料として有
用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−206698(JP,A) 特開 平11−276093(JP,A) 特開 平11−246430(JP,A) 特開 平11−130688(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 35/78 A23L 1/30

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ニレの花部またはその抽出物と、ウルシの
    葉部またはその抽出物とを含むことを特徴とする、高コ
    レステロール症の予防または治療用の医薬組成物。
  2. 【請求項2】ニレの花部をアルコールおよび/または水
    で抽出した抽出物と、ウルシの葉部をアルコールおよび
    /または水で抽出した抽出物とを含むことを特徴とす
    る、高コレステロール症の予防または治療用の医薬組成
    物。
  3. 【請求項3】ニレの花部をエタノールと水の混合物で抽
    出した抽出物と、ウルシの葉部をエタノールと水の混合
    物で抽出した抽出物とを含むことを特徴とする、高コレ
    ステロール症の予防または治療用の医薬組成物。
  4. 【請求項4】ニレの花部またはその抽出物と、ウルシの
    葉部またはその抽出物とを含むことを特徴とする、動脈
    硬化の予防または治療用の医薬組成物。
  5. 【請求項5】ニレの花部をアルコールおよび/または水
    で抽出した抽出物と、ウルシの葉部をアルコールおよび
    /または水で抽出した抽出物とを含むことを特徴とす
    る、動脈硬化の予防または治療用の医薬組成物。
  6. 【請求項6】ニレの花部をエタノールと水の混合物で抽
    出した抽出物と、ウルシの葉部をエタノールと水の混合
    物で抽出した抽出物とを含むことを特徴とする、動脈硬
    化の予防または治療用の医薬組成物。
JP2000171483A 2000-06-08 2000-06-08 医薬組成物 Expired - Fee Related JP3431577B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000171483A JP3431577B2 (ja) 2000-06-08 2000-06-08 医薬組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000171483A JP3431577B2 (ja) 2000-06-08 2000-06-08 医薬組成物

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003060851A Division JP2003231641A (ja) 2003-03-07 2003-03-07 肝機能障害の予防または治療用の医薬組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001354581A JP2001354581A (ja) 2001-12-25
JP3431577B2 true JP3431577B2 (ja) 2003-07-28

Family

ID=18674026

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000171483A Expired - Fee Related JP3431577B2 (ja) 2000-06-08 2000-06-08 医薬組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3431577B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5361527B2 (ja) * 2009-05-13 2013-12-04 株式会社紀文食品 貧血治療剤
JP2012025666A (ja) * 2010-07-20 2012-02-09 Hoashi Masahito 副作用低減剤
JP6134125B2 (ja) * 2011-11-18 2017-05-24 株式会社紀文食品 逆転写酵素阻害剤およびキット

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001354581A (ja) 2001-12-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0282002A2 (en) Compositions of oats and nettle extracts to be used as a food additive or pharmaceutical preparation in human health care
JP2004075638A (ja) 血糖上昇抑制且つ血圧上昇抑制作用を有する機能性素材
JP3820307B2 (ja) 逆転写酵素阻害剤
WO2006067906A1 (ja) 蓮からの抽出エキスを含有してなる組成物
JP5580549B2 (ja) 乳癌抑制剤
JP3431577B2 (ja) 医薬組成物
JP2003231641A (ja) 肝機能障害の予防または治療用の医薬組成物
JP3628999B2 (ja) 苦瓜茶及びその製造方法
KR20150051597A (ko) 우엉추출물을 포함하는 간기능 개선용 식품 조성물
JP2010265202A (ja) 細胞増殖抑制剤
JP3502620B2 (ja) 抗肝炎作用を有する組成物
JP2006265260A (ja) 食品および飲料
JP5361527B2 (ja) 貧血治療剤
JP4376512B2 (ja) アンギオテンシン変換酵素阻害剤および抗高血圧食品
JP5840346B2 (ja) 抗癌剤
KR102165239B1 (ko) 미선나무 추출물을 포함하는 간보호용 조성물
JP6051353B2 (ja) 血中コレステロール上昇抑制剤
JP4979185B2 (ja) 杜仲葉成分を含むリパーゼ阻害剤
JP2003212775A (ja) 生理活性組成物
JP2003171306A (ja) 生理活性組成物及びその製造方法
JP3502621B2 (ja) 抗癌作用を有する組成物
JP6134125B2 (ja) 逆転写酵素阻害剤およびキット
JP4310524B2 (ja) 抗変異原性剤
JPH08214834A (ja) 酢卵様混合食品
JP2000273009A (ja) 植物活性剤

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3431577

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080523

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090523

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090523

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100523

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100523

Year of fee payment: 7

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110523

Year of fee payment: 8

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110523

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120523

Year of fee payment: 9

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120523

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130523

Year of fee payment: 10

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140523

Year of fee payment: 11

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees