JP2003171306A - 生理活性組成物及びその製造方法 - Google Patents

生理活性組成物及びその製造方法

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JP2003171306A JP2001370467A JP2001370467A JP2003171306A JP 2003171306 A JP2003171306 A JP 2003171306A JP 2001370467 A JP2001370467 A JP 2001370467A JP 2001370467 A JP2001370467 A JP 2001370467A JP 2003171306 A JP2003171306 A JP 2003171306A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】抗腫瘍活性を有する生理活性組成物を提供す
る。 【解決手段】Ganoderuma pheiffer
i、Ganoderuma lipsiense、Tr
ametes hirsutus、およびJapane
se Panax ginsengからなる群から選択さ
れる1種あるいは2種以上を有効成分として含有する抗
腫瘍活性を有する生理活性組成物とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、抗腫瘍活性等の
生理活性を有する組成物に関する。特に、担子菌類サル
ノコシカケ科に属する菌類、特に、マンネンタケ属およ
びカワラタケ属の子実体および/または菌糸体培養物
(菌糸体の他培養液を含む)、及びウコギ科植物の根を
有効成分として含有する組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、担子菌類ヒダナシタケ目サル
ノコシカケ科に属するマンネンタケ(通称レイシ)の子
実体や、菌糸体培養物(菌糸体の他、培養液も含まれ
る。以下、単に培養物という。)は、古くから生薬とし
て知られ、多様な薬効があることが知られている。ま
た、同様に担子菌類サルノコシカケ科に属するカワラタ
ケの子実体等からも、各種生理活性物質が抽出されてい
る。
【0003】さらに、ニンジンを始めとするウコギ科に
属する植物の根自体およびその抽出成分も生薬として古
くから用いられ、これらについても、多くの薬効が知ら
れている。一般的に、生薬による治療および予防を含む
各種療法においては、副作用が小さいというメリットが
あるものの、その効果が顕著でない場合もある。担子菌
類とニンジンには、それぞれ優れた薬効があることが経
験的および実験的に知られているものの、これらの特定
成分を複合すること、およびこれらの成分の複合によ
り、その生理活性が相乗的に向上することは知られてい
なかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、特定の担子菌
類が顕著に高い抗腫瘍活性を見出したことにより提供さ
れるものである。
【0005】本発明は、上記知見に基づき、以下の組成
物を提供する。 (1)Ganoderuma pheifferi、G
anoderuma lipsiense、Trame
tes hirsutusおよびJapanesePa
nax ginsengからなる群から選択される1種
あるいは2種以上を有効成分として含有する抗腫瘍活性
を有する生理活性組成物。 (2)担子菌類サルノコシカケ科に属する1種類以上の
担子菌と、ウコギ科に属する植物の根とを、有効成分と
して含有し、前記担子菌はGanoderuma ph
eifferi、Ganoderuma lipsie
nse、およびTrametes hirsutusか
らなる群から選択される1種あるいは2種以上である、
抗腫瘍活性を有する生理活性組成物。 (3)前記ウコギ科植物の根は、オタネニンジン、チク
セツニンジン、及びデンシチニンジンからなる群から選
択される1種あるいは2種以上である、(2)記載の組
成物。 (4)Ganoderuma pheifferi、G
anoderuma lipsiense、Trame
tes hirsutusおよびJapanesePa
nax ginsengからなる群から選択される1種
あるいは2種以上を含む原料を、水、あるいは水とアル
コールの混液で抽出する、生理活性組成物の製造方法。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の組成物は、担子菌類サルノコシカケ科に属する
マンネンタケとカワラタケに属する特定種のうちのいず
れかの子実体および/または菌糸体培養物、およびウコ
ギ科植物の特定種の根のいずれか1種以上から得られる
抽出成分を有効成分として含有するものである。また、
担子菌類サルノコシカケ科に属するマンネンタケとカワ
ラタケに属する特定種のうちのいずれかの子実体および
/または菌糸体培養物の他、ウコギ科植物の根あるいは
これから得られる抽出成分を有効成分として含有する。
【0007】(担子菌類由来有効成分)担子菌類マンネ
ンタケとしては、Ganoderuma pheiff
eriおよびGanoderuma lipsiens
eを使用することができる。いずれか一方あるいは双方
のみを使用することができる。他のマンネンタケの使用
を排除しないが、これらのマンネンタケを主として含有
することが好ましい。なお、本明細書において、用いら
れる担子菌類の分類学上の同定は、今関六也、本郷次雄
の共著「原色日本菌類図鑑」(保育社)に準拠してい
る。
【0008】他のマンネンタケとしては、Reishi Fungu
s ( Ganoderma Lucidum)を例示することができる。この
菌は、生来、樹木に好んで繁殖するものの、自生菌は稀
少である。なお、人工栽培も可能である。この菌は、つ
やのある、ワックス状のかさ部分と軸部とを有してお
り、その軸の長さは、15cm程度にも到達される。子
実体の色は、赤色、青色、黄色、白色、紫色、黒色を呈
する。この菌は、切り株上や、病気で弱った木の基部付
近で生長し、白い糸状体となる。
【0009】担子菌類カワラタケとしては、Trame
tes hirsutusを使用することができる。他
のカワラタケの使用を排除しないが、このカワラタケを
主として含有することが好ましい。なお、他のマンネン
タケとしては、Coriolus Versicolorを例示することが
できる。この菌は、日本の西部、特に、信州地方(特
に、長野県)、四国地方、九州地方に自生している。こ
の菌は、生来、好材菌であり、特に広葉樹を好む。
【0010】担子菌類は、天然に自生するものでもよ
く、また、人工的に栽培したもの、あるいは細胞培養に
よるものでもあってもよく、特に限定しない。好ましく
は、天然自生のものである。
【0011】これらの菌類の、本発明において使用する
形態は、子実体及び/又は菌体培養物であればよいが、
好ましくは子実体である。なお、子実体にあっては、室
温で光を避けて風乾されたものが好ましい。特にマンネ
ンタケにあっては、自生で成熟した黒色の子実体を用い
るのが好ましい。また、カワラタケにあっては、夏に採
取された自生の子実体であることが好ましく、室温で光
を避けて風乾されたものがさらに好ましい。なお、子実
体は、採取後特に加工されていない状態のものの他、乾
燥された固形物、アルコール浸漬液、ペーストあるいは
エキスに加工することができ、また、これらの形態で入
手することができる。
【0012】本発明の組成物においては、上記特定種の
マンネンタケ及びカワラタケのうち1種及び2種以上を
用いることができるが、好ましくは、マンネンタケおよ
びカワラタケとの双方を用いる。特に好ましくは、マン
ネンタケとカワラタケとして、特定種のマンネンタケと
カワラタケとのみを用いる。
【0013】本発明の組成物は、担子菌類が有効成分と
して含有されていればよい。したがって、子実体原料の
場合、子実体は、そのまま、粉末状、細片状等の固体状
の有効成分として含有されていてもよい。また、培養物
の場合には、菌糸状体細胞を含む培養液等の液状体、菌
糸状体細胞の乾燥物等の固体として含有されていてもよ
い。
【0014】また、本発明の組成物は、担子菌の子実体
あるいはその培養物を、水および/またはアルコールを
用いて抽出することにより得られる抽出成分を有効成分
として含有することができる。
【0015】(担子菌の抽出成分の調製方法)抽出に際
しては、担子菌の子実体などを粉砕等して、粉状、細片
状とすることが好ましい。より好ましくは、約7mm角
以下の砕片状であり、さらに好ましくは、約4mm〜約
6mm角の細片状である。最も好ましくは約5mmの細
片状である。0.5mm〜2mm角の細片状が好ましい
場合もある。菌糸状体細胞を原料とする場合には、乾燥
した粉末状体を用いることが好ましい。
【0016】担子菌有効成分は、上記した担子菌由来原
料を、水の他、水:アルコール混液により抽出すること
が好ましい。水で抽出する場合、使用する水は特に限定
しないが、抽出にあたって加熱することが好ましい。好
ましくは、約80〜100℃であり、より好ましくは、
約90〜95℃である。また、抽出原料に対する水の量
も特に限定するものではないが、乾燥した原料約5〜約
25重量部(より好ましくは、約10〜約20重量部、
最も好ましくは約20重量部)に対して、抽出後の水量
が約400〜600重量部となるように抽出用の水量を
設定することが好ましい。この濃度範囲で最終抽出液が
調製されると、そのままで経口投与に好ましい濃度であ
るとともに、有効な抽出が行われるからである。より好
ましくは約500重量部である。
【0017】加熱抽出操作が、水分の蒸発による減量を
許容する状態で行われるときは、その間の水分の減量を
想定して、当初の抽出用水の量を設定する。例えば、水
量を最終水量に対して50〜60%程度増量して抽出す
る。一方、加熱抽出操作が、水分の蒸発による減量が許
容されない状態で行われるときには、当初より、最終的
に得ようとする抽出水量の水を原料に対して加えて加熱
を行えばよい。好ましくは環流凝縮器を用いて行う。
【0018】加熱抽出操作は、大気開放型の容器や、還
流凝縮器を用いることができる。特に、有効成分の抽出
阻害や抽出成分の有効性を維持するために、ガラス製、
ホーロー製、セラミックス製の他、金属部分を耐食性被
膜で塗装あるいは加工した材料等を使用することが好ま
しい。
【0019】抽出時間も特に限定はしないものの、少な
くとも1時間であることが好ましく、より好ましくは、
2時間以上であり、さらに好ましくは2.5時間以上で
ある。上限は3〜4時間とする。
【0020】担子菌原料を水で抽出する場合の典型例と
して以下の操作を挙げることができる。乾燥した担子菌
原料(好ましくは子実体であり、好ましくは細片状であ
る。)合わせて約20gに対して、熱水800mlを加
えて、90〜95℃に維持しながら抽出液残量が500
mlになるように煎じる。好ましくは、3時間程度で5
00mlとなるような加熱調整を行う。あるいは、約2
0gに対して水500mlを加えて還流凝縮器を用いて
約2時間煮沸させる。このような操作で得た抽出液は、
そのまま経口投与に適した濃度の液体となる。
【0021】アルコールで抽出する場合、使用するアル
コールは、そのまま飲用することもある場合を考慮すれ
ば、飲用可能なアルコールであることが好ましい。すな
わち、エタノールを使用することが好ましい。アルコー
ルを用いて抽出する場合、アルコールのみで抽出しても
よいが、好ましくは、水と混合して混液で抽出すること
が好ましい。好ましくは、アルコール濃度が50v/v%
下であり、より好ましくは35v/v%程度とする。アルコ
ール含有抽出液は、特に限定しないが、抽出にあたって
加熱することが好ましい。好ましくは、50〜80℃で
あり、より好ましくは、75℃以下であり、さらに好ま
しくは70℃以下である。抽出時間も特に限定はしない
ものの、10時間以上であることが好ましく、より好ま
しくは20時間以上であり、最も好ましくは30時間程
度あるいはそれ以上である。なお、最終的な経口投与時
にはアルコール濃度が20v/v%程度であることが好まし
い。したがって、20v/v%を超える濃度のアルコール溶
液で抽出した場合は、抽出後に水で希釈して20v/v%と
なるようにすることが好ましい。また、抽出原料に対す
る抽出液量も特に限定するものではないが、原料約50
〜250重量部、より好ましくは、100〜200重量
部、さらに好ましくは約200重量部に対して最終的に
抽出液1000重量部とすることが好ましい。このよう
な操作で得た抽出液は、そのまま経口投与に適した濃度
の液体となる。抽出のための容器は、水のみで抽出する
場合と同様のものを使用することが好ましい。抽出操作
は、環流凝縮器を用いて行うのが好ましい。
【0022】なお、アルコールを用いて抽出する場合に
は、水のみでは抽出されない成分が抽出されてくる。担
子菌類の含エタノール抽出液には、トリテルペノイド、
ヌクレオシド(アデノシン、グアノシン)、多糖体で
は、ヘテロ−β−グルカン、キシロ−β−グルカン、マ
ンノ−β−グルカンが含まれる。
【0023】担子菌原料を水/アルコール混液で抽出す
る場合の典型例として以下の操作を挙げることができ
る。細片状に破砕した担子菌原料(好ましくは子実体で
あり、好ましくは細片状である)約200gに、35v/
v%エタノール溶液を加えて1000mlとし、この液を
約70℃に維持して約30時間煎じる。30時間経過
後、全量が1000mlとなるように熱水(あるいは
水)を加える。なお、最終的にアルコール濃度が約20
v/v%となることが好ましい。
【0024】得られた各種抽出液は、必要に応じてろ過
等される。抽出液をそのまま有効成分としてもよい。ま
た、必要に応じて濃縮して濃縮物し、これを有効成分と
することもできる。また、水分を蒸発させることによ
り、固形分としての抽出成分も得られ、さらに必要に応
じて乾燥等することにより、所望の乾燥抽出成分が得ら
れる。なお、抽出成分は、担子菌として2種類以上を用
いる場合には、それぞれ個別に抽出することもできる
し、2種類以上を同時に抽出することもできる。さら
に、本組成物の投与形態や剤形を考慮して、抽出液の濃
縮時あるいは乾燥時に、製剤化あるいは抽出成分を安定
化する添加剤を加えることもできる。
【0025】(ウコギ科植物の根由来の有効成分)本発
明の組成物には、ウコギ科植物の特定種の根のみを有効
成分として含有することができる。あるいは、この特定
種を有効成分とする他、他のウコギ科植物の根を有効成
分として含有することができる。本発明におけるウコギ
科植物の特定種とは、竹節人参(チクセツニンジン)
(珠子参、P. japonicus C. A. MeyerあるいはJapa
nese Panax ginseng)である。この植
物の根は、単独でも高い坑腫瘍活性を有している。した
がって、この種の根のみを含有する坑腫瘍性組成物も提
供される。他の、ウコギ科植物の薬用ニンジンとして
は、オタネ人参(Panax ginseng C.A. Meyer)の他、ア
メリカ人参(P. quinquefolium L.)、三七人参(田七
人参、P. notogingseng)などが含まれる。本発明にお
いては、これらのうち1種類あるいは2種類以上を組み
合わせて用いることができるが、オタネニンジンおよび
その近縁種から選択される植物の根(以下、オタネニン
ジン等の根という。)や、チクセツニンジンおよびその
近縁種から選択される植物の根(以下、チクセツニンジ
ン等の根という。)を用いることが好ましい。オタネニ
ンジン及びチクセツニンジン及びこれらの近縁種植物の
根を始めとして、これらのニンジンの根は、通常は、乾
燥された状態で入手できる。あるいは、アルコール浸漬
液、あるいはペースト、エキスとしても入手することが
できる。
【0026】ウコギ科植物の根は、いわゆる植物体の根
であってもよいが、あるいは培養細胞であってもよい。
培養細胞の場合には、好ましくは根由来の培養細胞であ
る。なお、植物体の根由来原料を含んでいれば、植物体
の根以外の他の部位を含んだ原料も使用することができ
る。
【0027】本発明の組成物は、ウコギ科植物の根が有
効成分として含有されていればよい。したがって、植物
体原料の場合、ウコギ科植物の根は、そのまま、粉末
状、細片状等の固体状の有効成分として含有されていて
もよい。また、培養細胞由来の場合には、培養細胞を含
む培養液等の液状体、細胞乾燥物等の固体として含有さ
れていてもよい。
【0028】(ウコギ科植物の根抽出成分の調製方法)
また、本発明の組成物は、ウコギ科植物の根の特定種の
みを抽出して得られる有効成分を含有することができ
る。あるいは、上記した担子菌の特定種の子実体などと
ウコギ科植物の根を、水および/またはアルコールを用
いて抽出することにより得られる抽出成分を有効成分と
して含有することができる。抽出に際しては、植物体の
ニンジンの根を粉砕等して、粉状、細片状とすることが
好ましい。より好ましくは、約7mm角以下の砕片状で
あり、さらに好ましくは、約4mm〜約6mmであり、
最も好ましくは約5mmの細片状である。0.5mm〜
2mm角の細片状が好ましい場合もある。培養細胞を原
料とする場合には、乾燥した粉末状体を用いることが好
ましい。
【0029】水で抽出する場合、使用する水は特に限定
しないが、抽出にあたって加熱することが好ましい。好
ましくは、約80〜約100℃であり、より好ましく
は、約90〜約95℃である。また、抽出原料に対する
水の量も特に限定するものではないが、原料約5〜約2
5重量部、好ましくは、約10〜約20重量部、より好
ましくは約20重量部に対して、抽出後の水量が約40
0〜約600重量部になるように抽出用の水量を設定す
ることが好ましい。この濃度範囲で最終抽出液が調製さ
れると、そのままで経口投与に好ましい濃度であるとと
もに、有効な抽出が行われるからである。より好ましく
は約500重量部である。
【0030】加熱抽出操作が、水分の蒸発による減量を
許容する状態で行われるときは、その間の水分の減量を
想定して、当初の抽出用水の量を設定する。例えば、水
量を最終水量に対して50〜60%程度増量して抽出す
る。一方、加熱抽出操作が、水分の蒸発による減量が許
容されない状態で行われるときには、当初より、最終的
に得ようとする抽出水量の水を原料に対して加えて加熱
を行えばよい。好ましくは環流凝縮器を用いて行う。
【0031】加熱抽出操作は、大気開放型の容器や、還
流凝縮器を用いることができる。特に、有効成分の抽出
阻害や抽出成分の有効性を維持するために、ガラス製、
ホーロー製、セラミックス製の他、金属部分を耐食性被
膜で塗装あるいは加工した材料等を使用することが好ま
しい。
【0032】植物体であるウコギ科植物の根を水で抽出
する場合の典型例として以下の操作を挙げることができ
る。細片状に破砕したニンジンの乾燥根約20gに対し
て、熱水800mlを加えて、前記した加熱範囲で抽出
液残量が500mlになるように煎じる。好ましくは、
抽出液温度を90〜95℃に維持しつつ、3時間程度で
500mlとなるような加熱調整を行う。特に、同量の
ニンジン原料に対して水500mlで環流凝縮器を用い
て約2時間煮沸抽出を実施するのがよい。このような操
作で得た抽出液は、そのまま経口投与に適した濃度の液
体となる。
【0033】アルコールで抽出する場合、使用するアル
コールは、そのまま飲用することもある場合を考慮すれ
ば、飲用可能なアルコールであることが好ましい。すな
わち、エタノールを使用することが好ましい。アルコー
ルを用いて抽出する場合、アルコールのみで抽出しても
よいが、好ましくは、水と混合して混液で抽出すること
が好ましい。好ましくは、アルコール濃度が50v/v%
下であり、より好ましくは35v/v%程度とする。アルコ
ール含有抽出液は、特に限定しないが、抽出にあたって
加熱することが好ましい。好ましくは、50〜80℃で
あり、より好ましくは、75℃以下であり、さらに好ま
しくは70℃以下である。抽出時間も特に限定はしない
ものの、10時間以上であることが好ましく、より好ま
しくは20時間以上であり、最も好ましくは30時間程
度あるいはそれ以上である。なお、最終的な経口投与時
にはアルコール濃度が20v/v%程度であることが好まし
い。例えば、20v/v%を超える濃度のアルコール溶液で
抽出した場合は、抽出後に水で希釈して20v/v%となる
ようにすることが好ましい。また、抽出原料(ニンジン
の根)に対する抽出液量も特に限定するものではない
が、原料200gに対して抽出液1000mlとするこ
とが好ましい。抽出のための容器は、水のみで抽出する
場合と同様のものを使用することが好ましい。抽出操作
は、環流凝縮器を用いて行うのが好ましい。
【0034】ウコギ科植物の根を水/アルコール混液で
抽出する場合の典型例として以下の操作を挙げることが
できる。細片状に破砕したウコギ科植物の乾燥根約20
0gに35v/v%エタノール溶液を加えて1000mlと
し、この液を約70℃に維持して約30時間煎じる。3
0時間経過後、全量が1000mlとなるように熱水
(あるいは水)を加える。なお、最終的にアルコール濃
度が約20v/v%となることが好ましい。このような操作
で得た抽出液は、そのまま経口投与に適した濃度の液体
となる。
【0035】得られた抽出液は、必要に応じて、ろ過等
される。抽出液をそのまま有効成分としてもよい。ま
た、必要に応じて濃縮して濃縮物とし、これを有効成分
とすることもできる。また、水分を蒸発させることによ
り、固形分としての抽出成分も得られ、さらに必要に応
じて乾燥等することにより、所望の乾燥抽出成分が得ら
れる。なお、ウコギ科植物の根は1種類のみならず、2
種類以上を使用することができ、その場合、種類毎に抽
出液を調製してもよいし、2種類以上の任意の組み合わ
せで抽出液を調製してもよい。さらに、本組成物の投与
形態や剤形を考慮して、抽出液の濃縮時あるいは乾燥時
に、製剤化あるいは抽出成分を安定化する添加剤を加え
ることもできる。
【0036】なお、担子菌原料として2種類以上の担子
菌を用いる場合、それぞれの種類について別個に抽出液
を調製することもできるが、同時に一括して抽出するこ
ともできる。また、ウコギ科植物についても同様であ
る。さらに、担子菌原料とウコギ科植物の根原料は、そ
れぞれ単独に抽出することもできるが、双方を含む原料
組成物を同じ抽出媒体で抽出して同時に抽出することも
できる。好ましくは、同時抽出する。同時抽出する場合
においても、上記した担子菌原料あるいはウコギ科植物
の根原料における抽出条件を採用することができる。な
お、担子菌原料とウコギ科植物の根原料の水による抽出
による有効成分と、水/アルコール(エタノール)混液
による抽出による有効成分とを、混合して本組成物とす
ることもできる。この場合、同時抽出か否かは問わない
が、水抽出および水/アルコール抽出のそれぞれについ
て、同時抽出であることが好ましい。
【0037】以下、同時抽出の典型例を以下に示す。7
mm角以下、好ましくは約5mm程度の細片状に破砕し
た特定種のマンネンタケの子実体約6g、同様に細片状
に破砕した特定種のカワラタケの子実体約6g、ウコギ
科植物の根(好ましくはチクセツニンジンの根)約6g
に対して、熱水800mlを加えて、前記した加熱範囲
で抽出液残量が500mlになるように煎じる。好まし
くは、3時間程度で500mlとなるような加熱調整を
行う。このような操作で得た抽出液は、そのまま経口投
与に適した濃度の液体となっている。また、同様の形態
及び組成の原料混合物(ただし、マンネンタケの子実体
60g、カワラタケの子実体60g、ウコギ科植物の根
60gとする。)に35v/v%エタノール溶液を加えて1
000mlとし、この液を約70℃に維持して約30時
間煎じる。30時間経過後、全量が1000mlとなる
ように熱水(あるいは水)を加える。なお、最終的にア
ルコール濃度が約20v/v%となることが好ましい。この
ような操作で得た抽出液は、そのまま経口投与に適した
濃度の液体となっている。これらの2種の抽出液は、そ
れぞれに本発明の原料由来成分を含んでいるために、そ
れぞれ単独に本組成物として提供することができるが、
好ましくは、水抽出液のみ、あるいは水抽出液を相対的
に多く用いる。一方、2種の抽出液を予め混合して、一
製剤として本組成物とすることもできるし、投与時にお
いて混合するような2種の製剤、あるいはそれぞれ別個
であるが同時に投与されることを予定する1組の製剤と
して提供される。
【0038】また、本発明の組成物は、担子菌類の水お
よび/またはアルコールによる抽出成分と、ウコギ科植
物の根の水および/またはアルコールによる抽出成分と
を、担子菌由来有効成分とウコギ科植物の根由来有効成
分とが含まれるように、適宜組み合わせることができ
る。例えば、担子菌の水抽出成分と、ウコギ科植物の根
のアルコール抽出成分とを組み合わせることもできる。
以上のように、最終的な投与の段階において、担子菌由
来有効成分とウコギ科植物の根由来有効成分とを含有す
るのであれば、1種のみの製剤のみから本組成物を構成
する場合のみならず、2種以上の製剤の組み合わせで本
組成物を構成するようにすることもできる。
【0039】本発明においては、担子菌由来有効成分を
有するか、あるいはこれに加えてウコギ科植物の根由来
有効成分との双方を含有していればよく、これらの有効
成分を含有する限り、有効成分が抽出物の形態であって
も、子実体や根等の原料あるいはその粉砕物等の形態で
あってもよい。また、抽出物でなく原料自体を含有する
ことで有効成分を含有する組成物の場合には、それ自体
も食用等に供して投与することもできるが、それを抗腫
瘍抽出液を得るための抽出用組成物として提供すること
もできる。有効成分を抽出物の形態として含有する組成
物の場合には、より有効に吸収され、また実質的な投与
量(原料換算での)を少なくすることができることが予
想される。したがって、本発明の組成物としては、抽出
画分として有効成分を含有する組成物が好ましい形態で
ある。なお、有効成分は、抽出画分及び/又は原料自体
として含有されるのであって、いずれか一方の形態でし
か含有されないことはなく、必要に応じて選択される。
【0040】本発明の組成物は、以下の原料組成の重量
比(乾燥重量換算値での比である)で組成されている限
り、本発明の組成物に包含されている。有効成分の好ま
しい第1の比は、抽出原料の重量(乾燥重量)比に一致
する。担子菌とウコギ科植物の根との原料組成比は、マ
ンネンタケ:カワラタケ:ウコギ科植物の根の重量比
で、4〜6:8〜12:2.4〜3.6であることが好
ましい。重量比がかかる範囲内にあると好ましい抗腫瘍
活性を示す。より好ましくは、4.5〜5.5:9〜1
1:2.7〜3.3であり、さらに好ましくは、約5:
約10:約3である。
【0041】また、好ましい第2の比は、マンネンタ
ケ:カワラタケ:ウコギ科植物の根の重量比(乾燥)
で、4.8〜7.2:4.8〜7.2:4.8〜7.2
であることが好ましい。重量比がかかる範囲であると、
良好な抗腫瘍活性を示す。より好ましくは、5.4〜
6.6:5.4〜6.6:5.4〜6.6であり、さら
に好ましくは、約6:約6:約6である。
【0042】また、本発明の組成物において好ましい第
3の比は、マンネンタケ:カワラタケ:ウコギ科植物の
根の原料組成が、重量比で約28〜約33:約56〜約
33:約17〜約33の範囲であることが好ましい。こ
の範囲では、約56:約28:約17の重量比の原料組
成の組成物よりも抗腫瘍活性が高い。
【0043】また、本発明の組成物においては、担子菌
類、あるいはこれに加えてウコギ科植物根のみを含有し
ていてもよいが、その他の有効成分を含有することを妨
げるものではない。本発明の組成物における上記2種の
成分の相乗的作用を妨げない範囲において、他の有効成
分を含ませることができる。
【0044】なお、上記したいずれの配合においても、
好ましくは、ウコギ科植物として、オタネニンジン又は
チクセツニンジンを用いる。特に、好ましくはチクセツ
ニンジンを用いる。なお、これらの例において、チクセ
ツニンジンをオタネニンジンに変えても好ましい組成物
が得られる。
【0045】本発明の組成物(単独成分含有組成物であ
っても2種類以上の成分含有組成物であってもよい)
は、抗腫瘍活性、特に、白血病、リンパ腫、子宮頸ガ
ン、肺ガン、卵巣ガン、乳腺ガン(転移)、皮膚ガン
(転移)、乳腺ガン、皮膚ガンに対する抗腫瘍活性を有
している。白血病としては、赤芽球性白血病(erythrobl
astic leukosis)を例示できる。したがって、本発明の
組成物は、ヒトをはじめ、ウシ、ウマ、イヌ、ネコ等の
広く哺乳類における腫瘍治療用組成物(腫瘍治療剤)と
して使用できる。特に白血病あるいはリンパ種を適応症
とする腫瘍治療用組成物として好ましい。また、本発明
の組成物は、免疫賦活組成物、あるいは、肥満症、心筋
梗塞、動脈硬化、高脂血症、高コレステロール症、高血
圧にも有効な組成物である。本発明の組成物は、特定の
担子菌類を有効成分として含有することから、良好な抗
腫瘍活性が見出されている。したがって、既に本発明者
によって見出されている、担子菌類とウコギ科植物の根
とを有効成分として含有する組成物においても、本明細
書において特定される担子菌類を有効成分として含有す
る本発明の組成物は、各単独の抗腫瘍活性に比して、高
く安定した抗腫瘍活性が得られる。
【0046】また、本発明の組成物は、抗腫瘍活性を有
することから、腫瘍発症リスクのある患者、あるいは再
発リスクのある患者に投与することにより予防的に使用
することもできる。したがって、本発明によれば、腫瘍
の再発防止あるいは発症防止を目的とする予防用の医薬
組成物(腫瘍予防剤)も提供される。
【0047】加えて、本発明の組成物は、副作用がな
く、また、他の薬剤の副作用を低減、消滅させるという
特徴がある。特に、抗腫瘍剤として用いた場合には、腫
瘍の治癒あるいは縮退の他、また、痛みの減少、食欲改
善、良好な睡眠が得られる等の各種の効果がある。ま
た、本発明の組成物は、血糖降下作用も有しており、血
糖降下剤として用いた場合には、血糖値の低下以外に、
身体の痛みの緩和、とくに、頭痛、四肢のしびれが大幅
な改善、食欲の亢進、視力の回復、ストレスの減少、快
適な睡眠等の効果がある。
【0048】本発明における有効成分である、担子菌あ
るいはその抽出成分及びウコギ科植物の根あるいはその
抽出成分は、製薬上許容される担体又は添加物と混合さ
れて、投与に適した形態の医薬組成物として使用され
る。組成物の形態は特に限定しないが、液剤、シロップ
剤、懸濁剤、散剤、顆粒剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、
乳剤、トローチ、チュアブル剤、坐剤、点眼剤、注射
剤、エアゾール剤、エリキシル剤等に製剤化することが
できる。また、使用時に、水分を添加して、液状体を回
復できるような固形(粉末)剤とすることも好ましい。
【0049】また、本発明の組成物は、経口または非経
口的に投与することができる。好ましくは、経口投与さ
れる。経口投与の場合の一般的な投与量を以下に示す。
なお、投与量は、症状や個人の体力等に応じて適宜設定
されるものである。すなわち、一般的な投与量(常用
量)としては、例えば、体重1kgあたり、担子菌(マ
ンネンタケとカワラタケの原料重量合計)200mg〜
2gあるいはウコギ科植物の根200mg〜2gを一日
分とし、あるいは、前記担子菌含有量に加えてウコギ科
植物の根100mg〜1gからの抽出成分を1日分と
し、いずれも1日1回〜3回程度に分けて投与される。
特に、担子菌あるいはウコギ科植物の根のいずれかを含
有する抗腫瘍剤として使用する場合には、担子菌あるい
はウコギ科植物の根0.1〜1gからの抽出成分を含有
することが好ましい。また、担子菌に加えてウコギ科植
物の根とを含有する場合には、前記担子菌含有量に加え
て、ウコギ科植物の根0.05〜0.5gからの抽出成
分/kg体重/日とすることが好ましい。より好ましく
は、担子菌あるいはウコギ科植物の根0.3〜0.5g
の抽出成分/kg体重/日、あるいは前記担子菌含有量
に加えてウコギ科植物の根0.15〜0.25gの抽出
成分/kg体重/日とする。
【0050】本発明の組成物はその毒性が極めて低く、
重大な副作用を発現しないため、症状に応じて高投与量
でも安全に投与することができる。なお、経口投与のた
めの好ましい剤型は、液剤あるいはシロップ剤である。
また、媒体としては、水であることが好ましい。
【0051】本発明の組成物は、上記した抗腫瘍活性を
有する一方、副作用がほとんどないかあるいは低減され
ている。さらに、健康増進作用も同時に併せ有してい
る。このことから、本組成物は、単に抗腫瘍や腫瘍予防
を目的とした治療用あるいは予防用の医薬組成物として
の他に、経口あるいは非経口の健康増進用組成物、栄養
補給用組成物あるいは食品用組成物として使用できる。
すなわち、飲食により、ないしは、経管栄養的に本発明
の組成物を摂取することにより、健康的な生活や生活の
質の向上を提供することができる。以上のことから、本
発明の組成物は、腫瘍、高血圧、糖尿病などの疾患時に
おけるQOLを改善することもできる。このため、本発
明の組成物は、各種疾患時のQOL改善のための経口あ
るいは非経口の健康増進用組成物、栄養補給用組成物あ
るいは食品用組成物組成物として使用できる。なお、本
発明の組成物は、食中毒などを引き起こす細菌類、例え
ば、大腸菌、サルモネラ菌、ボツリヌス菌、ピロリ菌、
O−157などに対して増殖抑制作用あるいは死滅作用
を有している。摂取量は、特に限定しないが、上記した
治療用ないし予防用としての投与量よりも低いことが好
ましい。おおよそ数分の1〜十分の1程度とすることが
できる。
【0052】本発明の組成物を健康増進用、栄養補給用
あるいは食品用として用いる場合、液状であるいは固形
状のいずれであってもよい。経口型の適宜錠剤やカプセ
ル剤、チュアブル剤等の製剤化することもできる。ま
た、使用時に、水分を添加して、液状体を回復できるよ
うな固形(粉末)剤とすることも好ましい。さらに、経
管栄養的にあるいは腸管経由で摂取できるような形態と
することもできる。かかる形態の選択及びその選択に応
じた製剤化は当業者において周知の事項である。
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、優れた生理活性、特
に、抗腫瘍活性を有する組成物が提供される。この組成
物は、腫瘍(ガン)の治療に有効であるばかりか、副作
用が著しく低いかあるいは副作用をもたらさないので腫
瘍発症リスクのある患者に投与することにより予防的に
使用することもできる。また、治療用あるいは予防用と
してでなく、健康増進用組成物あるいは栄養補給用組成
物としても有効である。
【0054】
【実施例】(実施例1) 各種組成物原液及び希釈液の調製 以下、本発明について具体例を挙げて説明するが、本発
明はこれらの実施例によって何ら限定的に解釈されるも
のではない。 (試験1:抗腫瘍活性) (各種組成物原液の調製)実施例原料としてマンネンタ
ケ(Ganoderuma pheifferi及びGa
noderuma lipsiense)の子実体、カワ
ラタケ(Trametes hirsuus)、チクセ
ツニンジン(Japanese Panaxginse
ng)を用いた。マンネンタケは、自生の成熟した黒色
の子実体を、室温で光を避けて風乾したものを用いた。
カワラタケは、自生の子実体を、室温で光を避けて風乾
したものを用いた。チクセツニンジンは、夏期に日本で
採取した成熟体の寝を、室温で光を避けて風乾したもの
を用いた。また、対照原料として、マンネンタケ(Ga
noderuma lusidum)の子実体と、カワ
ラタケ(Trametes versicolor、Cor
iolous Versicolor)の子実体とを用いた。マンネンタ
ケは、自生の成熟した黒色の子実体を、室温で光を避け
て風乾したものを用いた。カワラタケは、夏期に日本で
採取した自生の子実体を、室温で光を避けて風乾したも
のを用いた。
【0055】いずれも、5mm角程度の細片に破砕加工
した各原料20gに対して、それぞれ水を500ml加
え、還流凝縮器を用いて、還流しながら2時間煮沸し
た。その後、ろ過し、4種の抽出原液を得た。なお、各
抽出原液1mlあたりには、0.04gの各原料重量に
相当する抽出成分が含まれている。
【0056】これらの各抽出原液をさらに、水で1/
4、1/8、1/16、1/32、1/64、1/12
8、1/256の各希釈液を調製した。
【0057】(試験例2) 抗腫瘍活性の確認 ヒト白血球ガン細胞であるK562細胞系列に対する細
胞増殖抑制効果の確認K562細胞系列の培養液150
μl(細胞数20×103)を、ミクロタイタープレー
トの凹部に対し添加した。実施例試料4種及び対照試料
2種の抽出原液から得られた各種希釈液50μlを、K
562細胞が添加された凹部に添加し、37℃で、24
時間、48時間、72時間、及び96時間培養し、各培
養期間経過後、SRB法で細胞増殖状態を測定した。S
RB法は、次のように行った。80%のトリクロロ酢酸
50μlを、ミクロタイタープレートの各凹部に添加
し、1時間細胞を固定化した。その後、4回洗浄し、十
分に乾燥させた。4%のSRB(sulfohodam
ine B)200μlを各凹部に添加し、30分間細
胞を染色した。その後、4回洗浄し、乾燥させた。10
mMの緩衝化していないトリス(Tris)塩基を各凹
部に添加し、5分間攪拌した。その後、各凹部内液につ
き波長490nmにおける吸光度を測定した。この測定
結果から得られる所定培養時間経過後の細胞数に対する
初期細胞数の割合を増殖抑制率(%)とした。4種の実
施例試料の抽出原液から得られた各希釈液についての結
果を表1〜4に示し、2種の対照試料の抽出原液から得
られた各希釈液についての結果を表5及び6に示す。
【0058】Ganoderma pheifferiの細胞増殖抑制率
【表1】 Ganoderma lipsienseの細胞増殖抑制率
【表2】 Tramates hirsutusの細胞増殖抑制率
【表3】 Panax japanicus C.A.Meyer)の細胞増殖抑制率
【表4】 Ganoderma lucidumの細胞増殖抑制率
【表5】 Tramates versiclolorの細胞増殖抑制率
【表6】
【0059】これらの結果に示すように、実施例試料の
マンネンタケ(表1及び2)は、いずれも対照試料のマ
ンネンタケ(表5)とおおよそ同等あるいはそれ以上の細
胞増殖抑制率を示していた。特に、72時間及び96時
間の培養時間において安定しかつ高い細胞増殖率を示し
ていた。また、実施例試料のカワラタケ(表3)は、対
照試料のカワラタケ(表6)とほぼ同等の細胞増殖抑制
率を示していた。これらのことから、実施例試料のマン
ネンタケ及びカワラタケの熱水抽出液には、単独で抗腫
瘍活性があることが明確であった。また、チクセツニン
ジンについても、実施例のマンネンタケ、カワラタケ、
対照試料の担子菌と同等かそれ以上の細胞増殖抑制率を
有していた。すなわち、チクセツニンジンは、単独で坑
腫瘍活性があることが明かであった。したがって、これ
らの特定種のマンネンタケおよび/またはカワラタケお
よび/またはチクセツニンジンを有効成分として含有す
る組成物を抗腫瘍活性のある治療あるいは予防剤として
使用できることがわかった。また、これらの担子菌類の
他、ウコギ科植物の根(典型的にはチクセツニンジンな
どの薬用ニンジン)を有効成分として含有する組成物
を、含む組成物などを、抗腫瘍活性のある治療あるいは
予防剤として使用できることがわかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 9/10 101 A61P 9/10 101 103 103 9/12 9/12 25/04 25/04 25/06 25/06 25/20 25/20 27/02 27/02 35/00 35/00 35/02 35/02 37/02 37/02 Fターム(参考) 4C088 AA05 AA06 AB18 AC11 AC17 BA09 BA10 BA11 BA12 CA02 CA05 CA08 CA11 CA15 MA07 MA13 MA17 MA22 MA23 MA31 MA35 MA36 MA37 MA41 MA43 MA52 MA58 MA59 MA60 MA66 NA14 ZA05 ZA08 ZA33 ZA40 ZA42 ZA45 ZA70 ZB09 ZB26 ZB27 ZB35 ZC33 ZC35

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Ganoderuma pheiffer
    i、Ganoderuma lipsiense、Tr
    ametes hirsutus、およびJapane
    se Panax ginsengからなる群から選択さ
    れる1種あるいは2種以上を有効成分として含有する抗
    腫瘍活性を有する生理活性組成物。
  2. 【請求項2】担子菌類サルノコシカケ科に属する1種類
    以上の担子菌と、ウコギ科に属する植物の根とを、有効
    成分として含有し、 前記担子菌はGanoderuma pheiffer
    i、Ganoderuma lipsiense、およ
    びTrametes hirsutusからなる群から
    選択される1種あるいは2種以上である、抗腫瘍活性を
    有する生理活性組成物。
  3. 【請求項3】前記ウコギ科植物の根は、オタネニンジ
    ン、チクセツニンジン、及びデンシチニンジンからなる
    群から選択される1種あるいは2種以上である、請求項
    2記載の組成物。
  4. 【請求項4】Ganoderuma pheiffer
    i、Ganoderuma lipsiense、Tr
    ametes hirsutusおよびJapanes
    e Panax ginsengからなる群から選択され
    る1種あるいは2種以上を含む原料を、水、あるいは水
    とアルコールの混液で抽出する、生理活性組成物の製造
    方法。
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