JP2003040795A - 抗高脂血症組成物及びその製造方法 - Google Patents

抗高脂血症組成物及びその製造方法

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JP2003040795A JP2001226493A JP2001226493A JP2003040795A JP 2003040795 A JP2003040795 A JP 2003040795A JP 2001226493 A JP2001226493 A JP 2001226493A JP 2001226493 A JP2001226493 A JP 2001226493A JP 2003040795 A JP2003040795 A JP 2003040795A
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Tadashi Goino
正 五井野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】好ましいコレステロール低下作用を有する抗高
脂血症組成物を提供する。 【解決手段】担子菌類サルノコシカケ科に属する1種類
以上の担子菌と、ウコギ科に属する植物の根、とを有効
成分として含有する、抗高脂血症組成物によれば、良好
なコレステロール低下作用が発現される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、抗高脂血症活性
を有し高コレステロール血症の治療用ないしは予防用の
薬剤として使用できる組成物に関し、特に、総コレステ
ロールおよび/またはLDLコレステロール等の低下作
用を有する組成物に関する。また、この発明は、同時に
糖尿病の治療ないしは予防用の薬剤として有効な組成物
に関し、特に、糖尿病患者における高脂血症の治療ない
しは予防用の薬剤として有効な組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、担子菌類ヒダナシタケ目サルノコ
シカケ科に属するマンネンタケの子実体自体やその抽出
成分や、菌糸体培養物(菌糸体の他、培養液も含まれ
る。以下、単に培養物という。)は、古くから生薬とし
て知られ、多様な薬効とともに、それに含まれる多糖類
をはじめとする低分子成分にある種の抗腫瘍活性がある
ことが知られている。また、同様に担子菌類サルノコシ
カケ科に属するカワラタケの子実体等からも、抗腫瘍活
性をはじめとして、各種生理活性物質が抽出されてい
る。
【0003】さらに、薬用ニンジンを始めとするウコギ
科に属する植物の根自体およびその抽出成分も生薬とし
て古くから用いられ、これらについても、多くの薬効が
知られている。ニンジンを始めとするウコギ科に属する
植物の根自体およびその抽出成分も生薬として古くから
用いられている。なお、チクセツニンジンのコレステロ
ール低下作用、特にLDLコレステロール低下作用につ
いては未だ知られていない。
【0004】一般的に、生薬を投与して行う治療および
予防を含む各種療法においては、副作用が小さいという
メリットがあるものの、その効果が顕著でない場合もあ
る。担子菌類抽出成分とニンジン抽出成分には、それぞ
れ優れた薬効があることが経験的および実験的に知られ
ているものの、これらの特定成分を複合すること、およ
びこれらの成分の複合により、その生理活性が相乗的に
向上することは知られていなかった。
【0005】一方、血中コレステロール値が高値を示す
高脂血症には、各種公知の治療剤が知られている。プラ
バスタチンやシンバスタチン等のHMG−CoAレダク
ターゼ阻害剤製剤、クリノフィブラートやベサフィブラ
ート等のクロフィブラート系製剤、ニセリトロールやユ
ペラニコチネート等のニコチン酸製剤、陰イオン交換樹
脂であるコレスチラミン、酵素製剤であるエラスター
ゼ、デキストラン製剤、リノール酸製剤、EPA製剤等
がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の治療剤は、総コレステロール低下作用に優れているも
のの、いずれも副作用がある。そこで、本発明は、好ま
しいコレステロール低下作用を有する抗高脂血症組成物
を提供することを目的とする。また、副作用の発現がな
いかあるいは十分に低減された抗高脂血症組成物を提供
することを目的とする。また、本発明は、血糖低下作用
に優れる糖尿病の予防ないし治療用組成物を提供するこ
とを目的とする。また、糖尿病患者に対する抗高脂血症
の予防用ないし治療用の組成物を提供することも目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、長年、担子
菌類子実体やウコギ科植物の根についてその薬理作用に
ついて研究してきたが、担子菌類サルノコシカケ科に属
する担子菌と、ウコギ科植物の根とを組み合わせると、
血中コレステロールの低下に有効に作用することを見出
し、本発明を完成するに至った。また、本発明者は、同
時にこの組成物が糖尿病患者の血糖値を低下させること
を見出し、本発明を完成した。すなわち、上記した課題
は、以下の手段によって解決される。
【0008】(1)担子菌類サルノコシカケ科に属する
1種類以上の担子菌と、ウコギ科に属する植物の根、と
を有効成分として含有する、抗高脂血症組成物。 (2)前記1種類以上の担子菌は、マンネンタケおよび
/またはカワラタケである、請求項1記載の組成物。 (3)前記ウコギ科の植物は、オタネニンジン、チクセ
ツニンジン、およびデンシチニンジンからなる群から選
択される1種あるいは2種以上である、請求項1又は2
記載の組成物。 (4)前記担子菌100重量部に対して、ウコギ科植物
の根を15重量部〜20重量部の原料組成を有する、請
求項1〜3のいずれかに記載の組成物。 (5)前記担子菌類は、マンネンタケとカワラタケとの
2種類であり、前記ウコギ科植物は、チクセツニンジン
である、請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。 (6)マンネンタケ9〜11重量部、カワラタケ4.5
〜5.5重量部、チクセツニンジン2.7〜3.3重量
部の原料組成を有する、請求項5に記載の組成物。 (7)併せて血糖値降下作用を有する、請求項1〜6の
いずれかに記載の組成物。 (8)担子菌類サルノコシカケ科に属する1種類以上の
担子菌と、ウコギ科に属する植物の根、とを有効成分と
して含有する、糖尿病の治療ないしは予防用組成物。 (9)担子菌類サルノコシカケ科に属する1種類以上の
担子菌と、ウコギ科に属する植物の根、とを有効成分と
して含有する、糖尿病患者に対する抗高脂血症組成物。
【0009】
【発明を実施するための形態】以下、本発明の実施形態
について詳細に説明する。担子菌類のサルノコシカケ科
には、マンネンタケ、カワラタケ等が属している。本発
明においては、これらサルノコシカケ科に属する1種類
あるいは2種類以上の菌の子実体および/または菌糸体
培養物(菌糸体の他、培養液も含む)、あるいはこれら
のいずれかから得られる抽出成分を有効成分として含有
する。
【0010】(担子菌類由来有効成分)担子菌として
は、好ましくは、マンネンタケおよびカワラタケから選
択される1種類以上を用いる。特に好ましくは、マンネ
ンタケとカワラタケとを合わせて用いる。なお、本明細
書において、用いられる担子菌類の分類学上の同定は、
今関六也、本郷次雄の共著「原色日本菌類図鑑」(保育
社)に準拠している。
【0011】特に、マンネンタケにあっては、Reishi F
ungus ( Ganoderma Lucidum)を例示することができる。
この菌は、生来、樹木に好んで繁殖するものの、自生菌
は稀少である。なお、人工栽培も可能である。この菌
は、つやのある、ワックス状のかさ部分と軸部とを有し
ており、その軸の長さは、15cm程度にも到達され
る。子実体の色は、赤色、青色、黄色、白色、紫色、黒
色を呈する。この菌は、切り株上や、病気で弱った木の
基部付近で生長し、白い糸状体となる。
【0012】また、カワラタケとしては、Coriolus Ver
sicolorを例示することができる。この菌は、日本の西
部、特に、信州地方(特に、長野県)、四国地方、九州
地方に自生している。この菌は、生来、好材菌であり、
特に広葉樹を好む。担子菌類は、天然に自生するもので
もよく、また、人工的に栽培したもの、あるいは細胞培
養によるものでもあってもよく、特に限定しない。好ま
しくは、天然自生のものである。
【0013】これらの菌類の、本発明において使用する
形態は、子実体及び/又は菌体培養物であればよいが、
好ましくは子実体である。特にマンネンタケにあって
は、自生で成熟した黒色の子実体を用いるのが好まし
い。また、カワラタケにあっては、夏に採取された自生
の子実体であることが好ましく、室温で光を避けて風乾
されたものがさらに好ましい。なお、子実体にあって
は、室温で光を避けて風乾されたものが好ましい。子実
体は、乾燥された固形物、アルコール浸漬液、ペースト
あるいはエキスとして入手することができる。
【0014】本発明の組成物は、担子菌類が有効成分と
して含有されていればよい。したがって、子実体原料の
場合、子実体は、そのまま、粉末状、細片状等の固体状
の有効成分として含有されていてもよい。また、培養物
の場合には、菌糸状体細胞を含む培養液等の液状体、菌
糸状体細胞の乾燥物等の固体として含有されていてもよ
い。
【0015】また、本発明の組成物は、担子菌の子実体
あるいはその培養物を、水および/またはアルコールを
用いて抽出することにより得られる抽出成分を有効成分
として含有することができる。
【0016】(担子菌の抽出成分の調製方法)抽出に際
しては、担子菌の子実体を粉砕等して、粉状、細片状と
することが好ましい。より好ましくは、約5mm角以下
の砕片状であり、さらに好ましくは、0.5mm〜2m
m角の細片状である。菌糸状体細胞を原料とする場合に
は、乾燥した粉末状体を用いることが好ましい。
【0017】水で抽出する場合、使用する水は特に限定
しないが、抽出にあたって加熱することが好ましい。好
ましくは、80〜100℃であり、より好ましくは、9
0〜95℃である。抽出時間も特に限定はしないもの
の、1時間以内であることが好ましく、より好ましく
は、30分以上60分以内である。また、抽出原料に対
する水の量も特に限定するものではないが、原料5〜2
5g(より好ましくは、10〜20g、最も好ましくは
約15g)に対して水800mlとすることが好まし
い。抽出操作は、大気開放型の容器、特に、ガラス製、
ホーロー製、セラミックス製の他、金属部分を耐食性被
膜で塗装あるいは加工した材料等を使用することが好ま
しい。また、好ましくは環流凝縮器を用いて行う。加熱
抽出操作は、特に限定しないが、上記した原料対抽出液
量の場合には、抽出液が約60%になる程度とする。前
記抽出原料に対する水量が800mlの場合には、好ま
しくは、抽出液量が約500mlとなるように行う。こ
の抽出液は、そのまま経口投与に適した濃度となる。
【0018】担子菌原料を水で抽出する場合の典型例と
して以下の操作を挙げることができる。乾燥した担子菌
原料(好ましくは子実体であり、好ましくは細片状であ
る。)15gに対して、熱水800mlを加えて、90
〜95℃に維持しながら抽出液残量が500mlになる
ように煎じる。好ましくは、30分程度で500mlと
なるような加熱調整を行なう。特に、環流凝縮器を用い
るのがよい。このような操作で得た抽出液は、そのまま
経口投与に適した濃度の液体となる。
【0019】アルコールで抽出する場合、使用するアル
コールは、そのまま飲用することもある場合を考慮すれ
ば、飲用可能なアルコールであることが好ましい。すな
わち、エタノールを使用することが好ましい。アルコー
ルを用いて抽出する場合、アルコールのみで抽出しても
よいが、好ましくは、水と混合して混液で抽出すること
が好ましい。好ましくは、アルコール濃度が50v/v%
下であり、より好ましくは35v/v%程度とする。アルコ
ール含有抽出液は、特に限定しないが、抽出にあたって
加熱することが好ましい。好ましくは、50〜80℃で
あり、より好ましくは、75℃以下であり、さらに好ま
しくは70℃以下である。抽出時間も特に限定はしない
ものの、10時間以上であることが好ましく、より好ま
しくは20時間以上であり、最も好ましくは30時間程
度あるいはそれ以上である。なお、最終的な経口投与時
にはアルコール濃度が20v/v%程度であることが好まし
い。したがって、20v/v%を超える濃度のアルコール溶
液で抽出した場合は、抽出後に水で希釈して20v/v%と
なるようにすることが好ましい。また、抽出原料に対す
る抽出液量も特に限定するものではないが、原料約50
〜250g、より好ましくは、100〜200g、さら
に好ましくは約150gに対して抽出液1000mlと
することが好ましい。このような操作で得た抽出液は、
そのまま経口投与に適した濃度の液体となる。抽出のた
めの容器は、水のみで抽出する場合と同様のものを使用
することが好ましい。抽出操作は、環流凝縮器を用いて
行うのが好ましい。
【0020】なお、アルコールを用いて抽出する場合に
は、水のみでは抽出されない成分が抽出されてくる。担
子菌類の含エタノール抽出液には、トリテルペノイド、
ヌクレオシド(アデノシン、グアノシン)、多糖体で
は、ヘテロ−β−グルカン、キシロ−β−グルカン、マ
ンノ−β−グルカンが含まれる。
【0021】担子菌原料を水/アルコール混液で抽出す
る場合の典型例として以下の操作を挙げることができ
る。細片状に破砕した担子菌原料(好ましくは子実体で
あり、好ましくは細片状である)150gに、35v/v%
エタノール溶液を加えて1000mlとし、この液を約
70℃に維持して約30時間煎じる。30時間経過後、
全量が1000mlとなるように熱水(あるいは水)を
加える。なお、最終的にアルコール濃度が約20v/v%と
なることが好ましい。
【0022】得られた各種抽出液は、必要に応じてろ過
等される。抽出液をそのまま有効成分としてもよい。ま
た、必要に応じて濃縮して濃縮物し、これを有効成分と
することもできる。また、水分を蒸発させることによ
り、固形分としての抽出成分も得られ、さらに必要に応
じて乾燥等することにより、所望の乾燥抽出成分が得ら
れる。なお、抽出成分は、担子菌として2種類以上を用
いる場合には、それぞれ個別に抽出することもできる
し、2種類以上を同時に抽出することもできる。さら
に、本組成物の投与形態や剤形を考慮して、抽出液の濃
縮時あるいは乾燥時に、製剤化あるいは抽出成分を安定
化する添加剤を加えることもできる。
【0023】(ウコギ科植物の根由来の有効成分)ま
た、本発明の組成物には、ウコギ科植物の根あるいその
抽出成分も有効成分として含有する。ウコギ科植物の薬
用ニンジンとしては、オタネ人参(Panax ginseng C.
A. Meyer)の他、アメリカ人参(P. quinquefolium
L.)、三七人参(田七人参、P. notogingseng)、竹節
人参(チクセツニンジン)(珠子参、P. japonicus C.
A.Meyer)等が含まれる。本発明においては、これらの
うち1種類あるいは2種類以上を組み合わせて用いるこ
とができるが、チクセツニンジンおよびその近縁種から
選択される植物の根(以下、チクセツニンジン等の根と
いう。)を用いることが好ましい。最も好ましくはチク
セツニンジンである。チクセツニンジン及びその近縁種
植物の根を始めとして、これらのニンジンの根は、通常
は、乾燥された状態で入手できる。あるいは、アルコー
ル浸漬液、あるいはペースト、エキスとしても入手する
ことができる。
【0024】ウコギ科植物の根は、いわゆる植物体の根
であってもよいが、あるいは培養細胞であってもよい。
培養細胞の場合には、好ましくは根由来の培養細胞であ
る。なお、植物体の根由来原料を含んでいれば、植物体
の根以外の他の部位を含んだ原料も使用することができ
る。
【0025】本発明の組成物は、ウコギ科植物の根が有
効成分として含有されていればよい。したがって、植物
体原料の場合、ウコギ科植物の根は、そのまま、粉末
状、細片状等の固体状の有効成分として含有されていて
もよい。また、培養細胞由来の場合には、培養細胞を含
む培養液等の液状体、細胞乾燥物等の固体として含有さ
れていてもよい。
【0026】(ウコギ科植物の根抽出成分の調製方法)
また、本発明の組成物は、ウコギ科植物の根を、水およ
び/またはアルコールを用いて抽出することにより得ら
れる抽出成分を有効成分として含有することができる。
抽出に際しては、植物体のニンジンの根を粉砕等して、
粉状、細片状とすることが好ましい。より好ましくは、
約5mm角以下の砕片状であり、さらに好ましくは、
0.5mm〜2mm角の細片状である。培養細胞を原料
とする場合には、乾燥した粉末状体を用いることが好ま
しい。
【0027】水で抽出する場合、使用する水は特に限定
しないが、抽出にあたって加熱することが好ましい。好
ましくは、80〜100℃であり、より好ましくは、9
0〜95℃である。抽出時間も特に限定はしないもの
の、1時間以内であることが好ましく、より好ましく
は、30分以上60分以内である。また、抽出原料に対
する水の量も特に限定するものではないが、原料1〜8
g、好ましくは、2〜6g、より好ましくは約3gに対
して水800mlとすることが好ましい。抽出操作は、
大気開放型の容器、特に、ガラス製、ホーロー製、セラ
ミックス製の他、金属部分を耐食性被膜で塗装あるいは
加工した材料等を使用することが好ましい。また、好ま
しくは環流凝縮器を用いて行う。加熱抽出操作は、特に
限定しないが、上記した原料対抽出液量の場合には、抽
出液が約60%になる程度とする。すなわち、前記抽出
原料に対する水量が800mlの場合には、好ましく
は、抽出液量が約500mlとなるように行う。この抽
出液は、そのまま経口投与に適した濃度となる。
【0028】植物体であるウコギ科植物の根を水で抽出
する場合の典型例として以下の操作を挙げることができ
る。細片状に破砕したニンジンの乾燥根3gに対して、
熱水800mlを加えて、前記した加熱範囲で抽出液残
量が500mlになるように煎じる。好ましくは、抽出
液温度を90〜95℃に維持しつつ、30分程度で50
0mlとなるような加熱調整を行なう。特に、環流凝縮
器を用いるとよい。このような操作で得た抽出液は、そ
のまま経口投与に適した濃度の液体となる。
【0029】アルコールで抽出する場合、使用するアル
コールは、そのまま飲用することもある場合を考慮すれ
ば、飲用可能なアルコールであることが好ましい。すな
わち、エタノールを使用することが好ましい。アルコー
ルを用いて抽出する場合、アルコールのみで抽出しても
よいが、好ましくは、水と混合して混液で抽出すること
が好ましい。好ましくは、アルコール濃度が50v/v%
下であり、より好ましくは35v/v%程度とする。アルコ
ール含有抽出液は、特に限定しないが、抽出にあたって
加熱することが好ましい。好ましくは、50〜80℃で
あり、より好ましくは、75℃以下であり、さらに好ま
しくは70℃以下である。抽出時間も特に限定はしない
ものの、10時間以上であることが好ましく、より好ま
しくは20時間以上であり、最も好ましくは30時間程
度あるいはそれ以上である。なお、最終的な経口投与時
にはアルコール濃度が20v/v%程度であることが好まし
い。例えば、20v/v%を超える濃度のアルコール溶液で
抽出した場合は、抽出後に水で希釈して20v/v%となる
ようにすることが好ましい。また、抽出原料(ニンジン
の根)に対する抽出液量も特に限定するものではない
が、原料30gに対して抽出液1000mlとすること
が好ましい。抽出のための容器は、水のみで抽出する場
合と同様のものを使用することが好ましい。抽出操作
は、環流凝縮器を用いて行うのが好ましい。
【0030】ウコギ科植物の根を水/アルコール混液で
抽出する場合の典型例として以下の操作を挙げることが
できる。細片状に破砕したウコギ科植物の乾燥根30g
に35v/v%エタノール溶液を加えて1000mlとし、
この液を約70℃に維持して約30時間煎じる。30時
間経過後、全量が1000mlとなるように熱水(ある
いは水)を加える。なお、最終的にアルコール濃度が約
20v/v%となることが好ましい。このような操作で得た
抽出液は、そのまま経口投与に適した濃度の液体とな
る。
【0031】得られた抽出液は、必要に応じてろ過等さ
れる。抽出液をそのまま有効成分としてもよい。また、
必要に応じて濃縮して濃縮物し、これを有効成分とする
こともできる。また、水分を蒸発させることにより、固
形分としての抽出成分も得られ、さらに必要に応じて乾
燥等することにより、所望の乾燥抽出成分が得られる。
なお、ウコギ科植物の根は1種類のみならず、2種類以
上を使用することができ、その場合、種類毎に抽出液を
調製してもよいし、2種類以上の任意の組み合わせで抽
出液を調製してもよい。さらに、本組成物の投与形態や
剤形を考慮して、抽出液の濃縮時あるいは乾燥時に、製
剤化あるいは抽出成分を安定化する添加剤を加えること
もできる。
【0032】なお、担子菌原料とウコギ科植物の根原料
は、それぞれ単独に抽出することもできるが、双方を含
む原料組成物を同じ抽出媒体で抽出して同時に抽出する
こともできる。好ましくは、同時抽出する。同時抽出す
る場合においても、上記した担子菌原料あるいはウコギ
科植物の根原料における抽出条件を採用することができ
る。なお、担子菌原料とウコギ科植物の根原料の水によ
る抽出による有効成分と、水/アルコール(エタノー
ル)混液による抽出による有効成分とを、混合して本組
成物とすることが最も好ましい。この場合、同時抽出か
否かは問わないが、同時抽出であることが好ましい。
【0033】以下、同時抽出の典型例を以下に示す。5
mm角以下、好ましくは0.5〜2mm程度の細片状に
破砕したマンネンタケの子実体10g、カワラタケの子
実体5g、ウコギ科植物の根(好ましくはチクセツニン
ジンの根)3gに対して、熱水800mlを加えて、前
記した加熱範囲で抽出液残量が500mlになるように
煎じる。好ましくは、30分程度で500mlとなるよ
うな加熱調整を行なう。このような操作で得た抽出液
(特に、環流凝縮器を用いた場合)は、そのまま経口投
与に適した濃度の液体となっている。また、同様の形態
及び組成の原料混合物(ただし、マンネンタケの子実体
100g、カワラタケの子実体50g、ウコギ科植物の
根30gとする。)に35v/v%エタノール溶液を加えて
1000mlとし、この液を約70℃に維持して約30
時間煎じる。30時間経過後、全量が1000mlとな
るように熱水(あるいは水)を加える。なお、最終的に
アルコール濃度が約20v/v%となることが好ましい。こ
のような操作で得た抽出液は、そのまま経口投与に適し
た濃度の液体となっている。これらの2種の抽出液は、
それぞれに本発明の有効成分の全てを含んでいるため
に、それぞれ単独に本組成物として提供することができ
る。一方、2種の抽出液を予め混合して、一製剤として
本組成物とすることもできるし、投与時において混合す
るような2種の製剤、あるいはそれぞれ別個であるが同
時に投与されることを予定する1組の製剤として提供さ
れる。
【0034】また、本発明の組成物は、担子菌類の水お
よび/またはアルコールによる抽出成分と、ウコギ科植
物の根の水および/またはアルコールによる抽出成分と
を、担子菌由来有効成分とウコギ科植物の根由来有効成
分とが含まれるように、適宜組み合わせることができ
る。例えば、担子菌の水抽出成分と、ウコギ科植物の根
のアルコール抽出成分とを組み合わせることもできる。
以上のように、最終的な投与の段階において、担子菌由
来有効成分とウコギ科植物の根由来有効成分とを含有す
るのであれば、1種のみの製剤のみから本組成物とする
場合のみならず、2種以上の製剤の組み合わせで本組成
物とすることもできる。
【0035】本発明においては、担子菌由来有効成分と
ウコギ科植物の根由来有効成分との双方を有している
が、有効成分の好ましい比は、抽出原料の重量比に一致
する。担子菌とウコギ科植物の根との配合比は、前記担
子菌100重量部に対して、ウコギ科植物の根15〜2
0重量部であることが好ましい。より好ましくは、担子
菌15重量部に対して、ウコギ科植物の根2〜4重量部
である。さらに、好ましくは、担子菌15重量部に対し
て、ウコギ科植物の根3重量部である。これらの配合に
おいて、担子菌は、マンネンタケとカワラタケを含むこ
とが好ましく、より好ましくは、マンネンタケとカワラ
タケのみである。担子菌の総重量中マンネンタケ10重
量部に対してカワラタケが3重量部〜7重量部の比率で
含まれることが好ましい。特に、マンネンタケ10重量
部に対してカワラタケ5重量部の比率で含まれることが
好ましい。
【0036】より好ましくは、マンネンタケ10重量部
に対して、カワラタケ5重量部、ウコギ科植物の根1.
5重量部〜6重量部とすることが好ましい。また、マン
ネンタケ9〜11重量部、カワラタケ4.5〜5.5重
量部、チクセツニンジン2.7〜3.3重量部とするこ
とがさらに好ましく、マンネンタケ10重量部に対し
て、カワラタケ5重量部、ウコギ科植物の根3重量部と
することがさらに好ましい。また、マンネンタケ4.5
〜5.5重量部に対して、カワラタケ9〜11重量部、
ウコギ科植物の根2.7〜3.3重量部とすることも好
ましい。
【0037】一方、担子菌2重量部に対して、ウコギ科
植物の根0.5重量部〜2重量部とすることも好ましい
配合である。担子菌2重量部に対して、ウコギ科植物の
根0.75重量部〜1.25重量部とすることがより好
ましい。さらに、担子菌2重量部に対して、ウコギ科植
物の根1重量部とする。具体的には、担子菌が、マンネ
ンタケとカワラタケであり、マンネンタケ1重量部に対
して、カワラタケが1重量部であり、ウコギ科植物の根
が0.5〜2重量部とすることが好ましい。ウコギ科植
物の根は、より好ましくは、0.75重量部〜1.25
重量部、さらに好ましくは、1重量部とする。また、マ
ンネンタケ10重量部に対して、カワラタケ5重量部〜
10重量部、ウコギ科植物の根3重量部〜10重量部と
することも好ましい配合である。
【0038】なお、上記したいずれの配合においても、
担子菌として、マンネンタケとカワラタケ(いずれも子
実体)とのみを用いることが好ましい。また、好ましく
は、ウコギ科植物として、オタネニンジンおよび/また
はチクセツニンジンを用いる。特に、好ましくはチクセ
ツニンジンのみを用いる。
【0039】また、本発明の組成物においては、担子菌
類抽出成分とウコギ科植物根抽出成分のみを含有してい
てもよいが、その他の有効成分を含有することを妨げる
ものではない。本発明の組成物における上記2種の抽出
成分の相乗的作用を妨げない範囲において、他の有効成
分を含ませることができる。
【0040】本発明の組成物に含まれる有効成分は、ヒ
トを含む哺乳類の血中の総コレステロール低下作用を有
している。したがって、本組成物は、ヒトを含む哺乳類
において高脂血症に対する治療用薬剤ないしは予防用薬
剤として使用することができる。なお、ここで高脂血症
とは、血中総コレステロール値が220mg/dl以
上、LDLコレステロール値が140mg/dl以上の
いずれかあるいは双方に該当する場合を包含する。ま
た、血中トリグリセライドが150mg/dl以上の場
合を包含する。特に、本発明の組成物は、ヒトにおい
て、HDLコレステロールに対して相対的に多くのLD
Lコレステロールを低下させることにより総コレステロ
ール低下作用を発揮する。また、同様にヒトにおいて、
HDLコレステロールを増加させ、HDLコレステロー
ルを増大させる作用も有する。加えて、ヒトにおいて、
血中トリグリセライド濃度によって代表される中性脂肪
の低下作用を有している。
【0041】特に、ヒトにおける、総コレステロール低
下作用、LDLコレステロール低下作用、HDLコレス
テロール増加作用等は、血糖値が正常(典型的には、空
腹時血糖値が120mg/dl以下)〜境界領域(例え
ば、空腹時血糖値が120mg/dlを超え140mg
/dl未満)でかつ総コレステロール量が正常〜高脂血
症の患者において有効に発揮される。これらの患者に対
しては、血中トリグリセライド量の低下作用も観察され
ている。また、ヒトにおける、総コレステロール低下作
用、LDLコレステロール低下作用、HDLコレステロ
ール増加作用は、空腹時血糖値が140mg/dl以上
の糖尿病患者(インシュリン依存性糖尿病及びインシュ
リン非依存性糖尿病の双方を含む。特に、インシュリン
非依存性糖尿病において顕著であった。)において、顕
著であった。なかでも、総コレステロール低下作用とL
DLコレステロール低下作用が顕著であった。そして、
血糖値自体の低下作用も顕著であり、併せて、血中c−
ペプチド低下作用も有していた。すなわち、本発明の組
成物は、インシュリン様作用も併せ有している。
【0042】以上のことから、本発明の組成物は、糖尿
病、特に、インシュリン非依存性糖尿病患者における合
併症としての高脂血症に有効に作用して総コレステロー
ルおよび/またはLDLコレステロールを低下させるこ
とができる。したがって、本発明の組成物は、糖尿病に
おける合併症としての高脂血症に対する治療用薬剤とし
て使用することができる。また、血糖値が正常値あるい
は境界領域のヒトに対する高脂血症の治療用ないしは予
防用薬剤として使用できる。なお、本発明組成物は、明
らかに血糖値低下作用および/またはc−ペプチド低下
作用を有し、それ自体、糖尿病の治療用薬剤ないしは予
防用薬剤として使用できる。
【0043】本発明の組成物は、インシュリン非依存性
糖尿病患者に対する他の糖尿病治療用薬剤の投与に併用
することができる。すなわち、本組成物は、他の糖尿病
治療用剤と併用した場合においても、総コレステロール
低下作用、LDLコレステロール低下作用を奏すること
が明らかである。本組成物は、組成物自体の投与による
副作用をほとんど発現しないし、また、免疫活性化作用
等により、他の糖尿病治療剤による副作用を低減するこ
とができる。
【0044】特に、総コレステロール、LDLコレステ
ロール低下作用は、他のウコギ科植物の根に比較してチ
クセツニンジンの根を原料とする有効成分とする組成物
において顕著である。よって、高脂血症用の治療用剤な
いしは予防用剤として使用する場合には、ウコギ科植物
の根として、チクセツニンジン(好ましくはチクセツニ
ンジンのみ)を用いることが好ましい。
【0045】本発明の組成物は、副作用が観察されない
か、あるいは軽微な副作用しか観察されていない。すな
わち、一般的に抗高脂血症剤あるいは糖尿病治療用剤を
投与した場合に観察される副作用である、手足のしび
れ、手足の脱力、体のだるさ、筋肉痛、むくみ、尿量の
減少、発熱、咳、便秘、腹痛、胸の痛み、疲れやすい、
鼻血、顔色が悪い、食欲減退、頭痛等は見出されない。
逆に、投与開始後、頭痛の改善、視力の回復、ストレス
の減少、快適な睡眠、手足のしびれの解消、体に力を感
じる、身体の痛みの緩和、疲れにくい、顔色がよくな
る、食欲増進、といった現象が観察される。
【0046】本発明における有効成分は、製薬上許容さ
れる担体又は添加物と混合されて、投与に適した形態の
組成物として使用される。組成物の形態は特に限定しな
いが、液剤、シロップ剤、懸濁剤、散剤、顆粒剤、錠
剤、丸剤、カプセル剤、乳剤、トローチ、チュアブル
剤、坐剤、点眼剤、注射剤、エアゾール剤、エリキシル
剤等に製剤化することができる。また、使用時に、水分
を添加して、液状体を回復できるような固形(粉末)剤
とすることも好ましい。
【0047】また、本発明の組成物は、経口または非経
口的に投与することができる。好ましくは、経口投与さ
れる。なお投与にあたっては、経口投与の場合の一般的
な投与量を以下に示す。なお、投与量は、症状や個人の
体力等に応じて適宜設定されるものである。一般的な投
与量(常用量)としては、例えば、抽出原料として用い
る、担子菌類原料重量およびウコギ科植物の根(好まし
くはチクセツニンジン等の根)の乾燥根重量の総和とし
て5g〜30g/日/患者(体重60kgとする。以下
同じ。)である。より好ましくは、10g〜20g/日
/患者である。特に、担子菌原料は、4g〜25g/日
/患者であることが好ましく、より好ましくは、8.3
g〜17g/日/患者である。また、ウコギ科植物の根
の原料は、0.8g〜5g/日/患者であることが好ま
しく、より好ましくは、1.7g〜3.3g/日/患者
である。
【0048】たとえば、前述の2種同時抽出の典型例の
水抽出液単独投与では、400ml〜500/日/患者
とすることが好ましく、たとえば、1日2回で投与する
ことが好ましい。また、前述の2種同時抽出の典型例の
エタノール・水混液抽出液単独投与では、80〜100
ml/日/患者とすることが好ましく、一日2回で経口
投与することが好ましい。また、前記典型例の水抽出液
とエタノール・水混液抽出液との併用投与では、当該水
抽出液を180〜220ml(好ましくは200ml)
/日/患者及びエタノール・水混液抽出液を45〜55
ml(好ましくは50ml)/日/患者とすることが好
ましく、これらを1日2回で経口投与することが好まし
い。
【0049】なお、本発明の組成物はその毒性が極めて
低く、重大な副作用を発現しないため、症状に応じて高
投与量でも安全に投与することができる。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、好ましいコレステロー
ル低下作用を有し、かつ副作用の発現がないかあるいは
十分に低減された、抗高脂血症組成物が提供される。ま
た、同時に、糖尿病用組成物が提供される。さらに、糖
尿病患者に対する抗高脂血症組成物が提供される。
【0051】
【実施例】(実施例1)以下、本発明について具体例を
挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例によって何
ら限定的に解釈されるものではない。 (組成物の調製) 1.水抽出組成物 0.5〜2ミリ角程度の細片状に破砕した天然のマンネ
ンタケの乾燥子実体10g、カワラタケの乾燥子実体5
g、及びチクセツニンジンの乾燥根3gの原料混合物に
対して、熱水800mlを加えて、約30分程度で抽出
液残量が500mlになるように煎じた。煎じている間
の抽出液の温度は、おおよそ90〜95℃であった。こ
の抽出液を、そのまま経口投与用の組成物とした。 2.アルコール・水混液抽出組成物 0.5〜2ミリ角程度の細片状に破砕した天然のマンネ
ンタケの乾燥子実体100g、カワラタケの乾燥子実体
50g、及びチクセツニンジンの乾燥根30gの原料混
合物に35v/v%%エタノール溶液を加えて1000ml
とし、この液を約70℃に維持して約30時間煎じた。
煎じている間の抽出液の温度は、おおよそ70℃であっ
た。30時間経過後、全量が1000mlとなるように
熱水を加えた。なお、最終的なアルコール濃度は約20
v/v%であった。この抽出液をそのまま経口投与用の組成
物とした。
【0052】(実施例2) (臨床投与例1)実施例1で得た2種類の組成物を併用
して、本件投与前1ケ月間継続して食餌療法中であっ
て、この食餌療法期間中は糖尿病治療剤を含むその他の
薬剤が投与されていない患者5人に経口投与した。な
お、患者らは、表1に示すように、本組成物投与前の血
糖値が正常〜境界領域であって、かついずれもがインシ
ュリン非依存性糖尿病のハイリスク患者である。投与
は、これらの組成物をそのまま飲用させた。投与量は、
水抽出組成物を200ml/日(朝と夕に各100m
l)と、アルコール・水混液抽出組成物50ml/日
(朝と夕に各25ml)とした。投与は28日間連続し
て実施され、この期間中も食餌療法は継続されていた。
また、患者らは、植物アレルギー、神経障害、胃腸炎、
肝機能障害、腎機能障害のいずれでもなかった。
【0053】これらの患者について、投与開始前及び投
与期間終了後において血液を採取し、総コレステロー
ル、LDLコレステロール、HDLコレステロール、ト
リグリセライド(TG)、グルコース、及びC−ペプチ
ドの濃度を測定した結果を表1に示す。なお、総コレス
テロール、LDL、HDLおよびトリグリセライドにつ
いては、酵素法、c−ペプチドについてはRIA法によ
って測定された。
【0054】
【表1】
【0055】表1に示すように、総コレステロール、L
DLコレステロールについては投与期間終了後に同程度
かやや低下するという傾向を示した。HDLコレステロ
ールは、これに対して、やや増加傾向にあった。トリグ
リセライドについては、いずれの患者においても低下し
た。コレステロールに関してみれば、全体として、総コ
レステロール及びLDLコレステロールが低下し、HD
Lコレステロールが増加する傾向にあり、TGも低下す
る傾向にあることがわかった。一方、血糖値及びC−ペ
プチドについては、投与前後でほぼ同じレベルであっ
た。以上のことから、本組成物を高脂血症の予防用ない
しは治療用として用いることができることがわかった。
また、血糖値が正常〜境界領域の患者らにおいては、高
脂血症の予防用ないしは治療用として用いることができ
ることがわかった。特に、インシュリン非依存性糖尿病
のハイリスク患者に対して有効であることがわかった。
【0056】(実施例3) (臨床投与例2)実施例1で得た2種類の組成物を併用
して、本件投与前1ケ月間継続して食餌療法中であっ
て、この食餌療法期間中は糖尿病治療剤を含むその他の
薬剤が投与されていない患者3人に経口投与した。な
お、患者らは、表2に示すように、本組成物投与前の血
糖値が高値域であって、いずれもがインシュリン非依存
性糖尿病患者である。投与は、これらの組成物をそのま
ま飲用させた。用法及び用量は、実施例2と同様とし
た。投与は28日間連続して実施され、この期間中も食
餌療法は継続されていた。なお、患者らは、植物アレル
ギー、神経障害、胃腸炎、肝機能障害、腎機能障害のい
ずれでもなかった。
【0057】これらの患者について、実施例2と同様
に、投与開始前及び投与期間終了後において血液を採取
し、総コレステロール、LDLコレステロール、HDL
コレステロール、トリグリセライド、グルコース、及び
C−ペプチドの濃度を測定した結果を表2に示す。
【0058】
【表2】
【0059】表2に示すように、総コレステロールにつ
いては投与期間終了後に顕著に低下した(76〜99
%、平均88%)。LDLコレステロールについても、
顕著に低下した(62〜94%、平均79%)。これに
対して、HDLコレステロールは全体として増加した
(94〜115%、平均106%)。コレステロールに
関してみれば、全体として、総コレステロール及びLD
Lコレステロールが顕著に低下し、HDLコレステロー
ルが増加する傾向にあることがわかった。一方、血糖値
については、いずれの患者においても低下(76〜91
%、平均83%)し、顕著な血糖値低下作用を示した。
c−ペプチドについては、2名において顕著に低下(7
1%、78%)したものの、1名が増加し(121%)
たが、全体としては、低下(86%)した。すなわち、
血糖値低下作用ないしはc−ペプチド低下作用において
も高い有効性が示された。以上のことから、本組成物を
高脂血症の予防用ないしは治療用として用いることがで
きることがわかった。また、血糖値が高値の糖尿病患者
らにおいては、本組成物を高脂血症の予防用ないしは治
療用として用いることができることがわかった。同時
に、糖尿病の予防用ないし治療用として用いることがで
きることがわかった。
【0060】(実施例4) (臨床投与例3)実施例1で得た2種類の組成物を併用
して、本件投与前1ケ月間継続して食餌療法中であっ
て、この食餌療法期間中、糖尿病治療剤のみを投与して
治療中の患者2人に経口投与した。なお、患者らは、表
3に示すように、本組成物投与前の血糖値が高値域であ
って、いずれもがインシュリン非依存性糖尿病患者であ
る。また、患者らが投与されていた糖尿病治療剤は、su
lfonureedsであり、投与量は3mg/日であり、一日一
回の投与であった。本組成物の用法及び用量は、実施例
2と同様とした。投与は28日間連続して実施され、こ
の期間中も食餌療法と糖尿病治療剤の投与は本件投与前
と同じ用法用量で継続されていた。なお、患者らは、植
物アレルギー、神経障害、胃腸炎、肝機能障害、腎機能
障害のいずれでもなかった。
【0061】これらの患者について、実施例2と同様
に、投与開始前及び投与期間終了後において血液を採取
し、総コレステロール、LDLコレステロール、HDL
コレステロール、トリグリセライド、グルコース、及び
C−ペプチドの濃度を測定した結果を表3に示す。
【0062】
【表3】
【0063】表3に示すように、総コレステロールにつ
いては投与期間終了後に低下していた(96%、89
%、平均92%)。LDLコレステロールについても、
顕著に低下した(94%,74%、平均83%)。一
方、血糖値については、いずれの患者においても低下
(86%、84%、平均85%)していた。c−ペプチ
ドについては、1名において顕著に低下(68%)した
ものの、1名が増加し(107%)たが、全体として
は、低下(87%)した。以上のことから、糖尿病治療
剤を併用した場合においても、本組成物は、有意に総コ
レステロール低下作用及びLDLコレステロール低下作
用を発現しており、糖尿病治療剤との併用に好ましい高
脂血症の予防用ないしは治療用剤であることがわかっ
た。
【0064】
【発明の効果】本発明によれば、好ましいコレステロー
ル低下作用を有する高脂血症の予防用ないしは治療用組
成物が提供され、血糖値低下作用に優れる糖尿病の予防
ないし治療用組成物も提供される。また、糖尿病患者に
対する高脂血症の予防用ないし治療用の組成物も提供さ
れる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】担子菌類サルノコシカケ科に属する1種類
    以上の担子菌と、ウコギ科に属する植物の根、とを有効
    成分として含有する、抗高脂血症組成物。
  2. 【請求項2】前記1種類以上の担子菌は、マンネンタケ
    および/またはカワラタケである、請求項1記載の組成
    物。
  3. 【請求項3】前記ウコギ科の植物は、オタネニンジン、
    チクセツニンジン、およびデンシチニンジンからなる群
    から選択される1種あるいは2種以上である、請求項1
    又は2記載の組成物。
  4. 【請求項4】前記担子菌100重量部に対して、ウコギ
    科植物の根を15重量部〜20重量部の原料組成を有す
    る、請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
  5. 【請求項5】前記担子菌類は、マンネンタケとカワラタ
    ケとの2種類であり、前記ウコギ科植物は、チクセツニ
    ンジンである、請求項1〜4のいずれかに記載の組成
    物。
  6. 【請求項6】マンネンタケ9〜11重量部、カワラタケ
    4.5〜5.5重量部、チクセツニンジン2.7〜3.
    3重量部の原料組成を有する、請求項5に記載の組成
    物。
  7. 【請求項7】併せて血糖値降下作用を有する、請求項1
    〜6のいずれかに記載の組成物。
  8. 【請求項8】担子菌類サルノコシカケ科に属する1種類
    以上の担子菌と、ウコギ科に属する植物の根、とを有効
    成分として含有する、糖尿病の治療ないしは予防用組成
    物。
  9. 【請求項9】担子菌類サルノコシカケ科に属する1種類
    以上の担子菌と、ウコギ科に属する植物の根、とを有効
    成分として含有する、糖尿病患者に対する抗高脂血症組
    成物。
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