JP3429024B2 - 冷却機構を備えた粉末コーティング装置 - Google Patents

冷却機構を備えた粉末コーティング装置

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JP3429024B2
JP3429024B2 JP10062493A JP10062493A JP3429024B2 JP 3429024 B2 JP3429024 B2 JP 3429024B2 JP 10062493 A JP10062493 A JP 10062493A JP 10062493 A JP10062493 A JP 10062493A JP 3429024 B2 JP3429024 B2 JP 3429024B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、高品質のコーティング
粉末を製造する粉末コーティング装置に関する。 【0002】 【従来の技術】金属,セラミックス,プラスチックス等
の粉末粒子に金属皮膜,無機質皮膜等を形成すると、当
初の粉末粒子と異なる特性を与えることができる。たと
えば、タングステン粒子,ダイヤモンド粒子等に銅を被
覆すると、焼結性が向上し、熱伝導性に優れた焼結体が
得られる。また、銅被覆した粉末は、電磁シールド用の
フィラーとしても使用される。粉末粒子にコーティング
を施す手段としては、粉末を懸濁状態にして電気めっき
又は無電解めっきを行う方法,流動状態にした粉末に対
しスパッタリングによって所定の皮膜を形成する方法等
が知られている。本発明者等も、スパッタリングによっ
て粉末をコーティングする装置として、回転ドラムを使
用したスパッタリング装置を特開平2−153068号
公報で紹介した。 【0003】提案した粉末コーティング装置は、図1に
示すように、コーティング前の粉末粒子Pが収容された
減圧加熱処理室1を、スパッタリング源3を内蔵した回
転ドラム2に接続している。粉末粒子Pは、加熱コイル
1aを備えた容器1bに収容されており、モータ1cで
駆動されるスクリューフィーダ1dにより、供給導管1
eを経て回転ドラム2の内部に供給される。供給導管1
eは、回転ドラム2の一側端面に設けた軸受け2fで支
持されている。また、回転ドラム2の内部に不活性ガス
を送り込むため、供給導管1eと同心円状にガス導入管
1gが設けられている。 【0004】回転ドラム2は、駆動ロール2a及び従動
ロール2bで支持されている。駆動ロール2aは、モー
タ2cから動力を受け、回転ドラム2を水平軸回りに回
転させる。スパッタリング源3は、供給導管1eが挿入
された端面とは反対側の端面(図1では右側)で軸受け
3aで気密支持されたアーム3bによって回転ドラム2
内に固定配置されており、回転ドラム2の軸方向長さよ
り若干短いターゲットプレート3cを斜め下向きに配置
している。供給導管1eから回転ドラム2の軸方向端部
に供給された粉末粒子Pは、回転ドラム2の回転に伴っ
てドラム軸全長に分配され、回転ドラム2の内側底面上
を流動する。Ar等のプラズマによる衝撃でターゲット
プレート3cからコーティング材料が叩き出され、回転
ドラム2内を飛翔し、流動状態にある粉末粒子Pに被着
する。所定の被覆層が形成されたとき、回転ドラム2を
開放してコーティングされた粉末粒子Pを取り出す。或
いは、適宜の外部循環経路を付設し、回転ドラム2内に
おけるスパッタリングに粉末粒子Pを繰返し曝すことに
よって、被覆層の厚みを大きくすることもできる。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】粉末粒子Pに対し均一
なコーティングを施すためには、流動状態にある粉末粒
子Pとターゲット3cとの間の距離を一定に保つことが
必要である。この点、外部に配置した駆動ロール2a及
び従動ロール2bによって回転ドラム2を回転させる方
式では、回転ドラム2に与える衝撃が大きくなる。ま
た、回転ドラム2の側壁に設けた軸受け2f,3aで供
給導管1e,アーム3bを固定支持すると、回転ドラム
2に加わる衝撃が供給導管1e,アーム3bに伝わり易
い。その結果、スパッタリング源3が振動の影響を受
け、スパッタリング条件が不安定になる。 【0006】回転ドラム2に加わる衝撃は、比較的小型
の実験室規模の装置では特段の問題を生起しない。しか
し、生産能力を上げるため回転ドラム2を大径化,長尺
化するときのネックとなる。また、回転ドラム2の内部
が簡単に開放されない構造であるため、定期的な保守・
点検等の作業に手数がかかる。また、スパッタリング終
了直後の粉末は、スパッタリング中の加熱によって高温
状態になっている。そのため、コーティングされた粉末
を装置から取り出すとき、十分に冷却した後で全ての粉
末粒子を徐酸化して取り出す必要がある。しかし、徐酸
化時にコーティング粉末が十分冷却されないため、大型
化したコーティング装置では取出し条件が不安定にな
り、一定した品質のコーティング粉末が得られない。 【0007】特に活性な金属をコーティングする場合、
取出し時に酸化発熱量が大きく、十分に冷却されていな
い状態で取り出されると発火する危険もある。しかし、
回転ドラム2の内部が真空に保持されており、自然放冷
でコーティング粉末が冷却されることから、コーティン
グ粉末の取出しが可能な状態になるまでに非常に長い時
間が必要である。本発明は、このような問題を解消すべ
く案出されたものであり、徐酸化時に回転ドラムの内部
を不活性雰囲気に維持する機構を組み込むことにより、
冷却条件を安定化させ、一定品質のコーティング粉末を
高い歩留りで製造することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明の粉末コーティン
グ装置は、その目的を達成するため、両端が解放され、
両端側に外歯歯車が装着された円筒形状を有し、その内
部にスパッタリングされる原料粉末が装入される回転ド
ラムと、前記外歯歯車に噛み合う駆動歯車を固着した駆
動軸を水平に維持し、前記回転ドラムを支持する複数本
の回転水冷管を配設して前記回転ドラムを回転可能に収
容する固定式の真空チャンバーと、該真空チャンバーの
一側に気密接続可能に配置されたターゲット駆動ユニッ
トと、該ターゲット駆動ユニットにより片持ち支持され
て前記回転ドラム内に配置されたスパッタリング源と、
前記真空チャンバーの他側に気密接続可能に配置されて
前記駆動軸に回転動力を与えるドラム駆動ユニットと、
前記真空チャンバーに気密接続された冷却機構と、前記
真空チャンバーから前記冷却機構を経て前記真空チャン
バーに戻るガス循環経路とを備え、コーティングされた
粉末の取出しに先立って、前記ガス循環経路を通過する
とき前記冷却機構によって冷却された不活性ガスが前記
回転ドラムの内部に送り込まれることを特徴とする。 【0009】 【実施例】以下、図面を参照しながら、実施例により本
発明を具体的に説明する。本実施例の粉末コーティング
装置は、図2に示すように、真空チャンバー10の両側
にターゲット駆動ユニット20及びドラム駆動ユニット
30を気密接続している。ターゲット駆動ユニット20
及びドラム駆動ユニット30は、それぞれの軌道21,
31に沿って図2及び図3の二点鎖線で示した位置まで
後退することができる。ガイドレール21,31は、真
空チャンバー10の軸方向と平行に敷設され、真空チャ
ンバー10に対するターゲット駆動ユニット20及びド
ラム駆動ユニット30の位置関係を一定に保つ。ドラム
駆動ユニット30のガイドレール31は、真空チャンバ
ー10の軸方向に対して直角な方向に移動する移動架台
32に敷設されている。したがって、ドラム駆動ユニッ
ト30は、真空チャンバー10との気密接続が解除され
た後、X方向に後退し、更にY方向に移動する。 【0010】真空チャンバー10は、固定架台11に取
り付けられている。固定架台11の側方に、図3及び図
4に示すように真空チャンバー10内を真空排気する真
空系40が配置されている。真空系40は、拡散ポンプ
41,ロータリポンプ42及びメカニカルブースタポン
プ43を備え、それぞれの真空吸引管41a及び42a
を真空チャンバー10内に開口させている。真空チャン
バー10の上部には、図5に示すように、開閉蓋12が
気密に装着される開口部が形成されている。開閉蓋12
の裏面又は開閉蓋12近傍の真空チャンバー10の内面
に、内部を一定温度に維持するためのハロゲンヒータ1
3が取り付けられている。 【0011】開閉蓋12の上部に、冷却機構90が設け
られている。冷却機構90の熱交換器91は、下部が真
空チャンバー10内に開口した不活性ガス吸引管92a
及び不活性ガス吐出管92bを両端に接続している。不
活性ガス吸引管92aの上部には、ファン回転用モータ
93が設置されている。ファン回転用モータ93の回転
軸94は、磁気シール等の気密回転継ぎ手95を介して
不活性ガス吸引管92aの内部に突出し、吸引ファン9
6に接続されている。熱交換器91は、図6に示すよう
に、水冷管97の内部に複数の不活性ガス通気管98を
配置している。冷却水は、給水管99aから水冷管97
に導入され、排水管99bを経て排出される。水冷管9
7内の冷却水は、不活性ガス通気管98内を流れる不活
性ガスとの間で熱交換される。なお、冷却水に代え、他
の冷媒を使用することも可能である。 【0012】真空チャンバー10の両端は、図5に示す
ように開放されており、開放端部にそれぞれフランジ1
R 及び14L が設けられている。フランジ14R 及び
14L は、それぞれターゲット駆動ユニット20及びド
ラム駆動ユニット30の端面に設けたフランジ板22及
び33に気密接続される。ターゲット駆動ユニット20
には、スパッタリング源50を片持ち支持するため、ス
パッタリング源本体51の一側からカップリング52を
介して突出したアーム53を回転可能に支持する軸受け
23a〜23cが設けられている(図5参照)。軸受け
23aは、フランジ板22に固定され、フランジ板22
の中央に形成された開口部からスパッタリング源本体5
1側に突出する。アルゴン,窒素等のガス供給導管(図
示せず)は、アーム53の貫通孔を経由しスパッタリン
グ源本体51に接続されている。 【0013】スパッタリング源本体51は、半円筒状の
ケーシング51aにハウジングを介してターゲットプレ
ート51dを取り付けている。ケーシング51aの内部
は、図7に示すように二分割された空間となり、ターゲ
ットプレート51dの周囲には冷却水ジャケット(図示
せず)が設けられている。ドラム駆動ユニット30のフ
ランジ板33には、スパッタリング本体51のターゲッ
トプレート51d近傍を観察することができるように、
スパッタリングから保護するシャッターを内側に備えた
覗き窓34が形成されている(図5参照)。また、覗き
窓34より下方で、真空チャンバー10内に配置された
回転ドラム60に回転動力を与える動力伝達機構70の
駆動軸71を貫通させる孔部がフランジ板33に形成さ
れている。なお、スパッタリング中に真空チャンバー1
0の雰囲気圧を一定に維持するため、真空吸引管41a
の途中に可変バルブ44を設けている(図4参照)。 【0014】回転ドラム60は、両端が解放された円筒
状のドラム本体61を備えている。ドラム本体61の左
右両端に、外歯歯車62a及び62bが装着されてい
る。外歯歯車62a及び62bに形成された円状開口部
に、スパッタリング源本体51が挿通される。なお、ス
パッタリング源本体51と外歯歯車62a及び62bの
内周面との間の隙間を経由してドラム本体61の内部か
ら原料粉末が流出することを防止するため、スパッタリ
ング源本体51と外歯歯車62a及び62bの内周面と
の間に適宜の流動規制部材を介在させることができる。
また、外歯歯車62a,62bの外側に、回転ドラム6
0に収容された粉末を撹拌するための撹拌用外歯歯車を
設けることも可能である。 【0015】駆動軸71には、モータ72からの動力が
変速機73を介して伝達される。駆動軸71は、磁性シ
ール等の気密継ぎ手74を介して真空チャンバー10の
内部に突出し、カップリング75を介してチャンバー内
駆動軸76に接続される。チャンバー内駆動軸76は、
ドラム駆動ユニット30のアーム84に固定されたブラ
ケット83に取り付けられた軸受け77a,77bで回
転可能に支持されている(図7参照)。チャンバー内駆
動軸76に装着された駆動歯車78a,78bは、回転
ドラム60側の外歯歯車62a及び62bとそれぞれ噛
み合う。 【0016】駆動軸71及びチャンバー内駆動軸76
は、モータ72からの動力を外歯歯車62a及び62b
に伝達し、ドラム本体61を回転させるものである。ま
た、ドラム本体61の内部に供給された原料粉末をスパ
ッタリング中に撹拌して均一な粉末被覆を行わせる粉末
撹拌機構,スパッタリング中にドラム本体61の昇温を
抑制する水冷機構等を、駆動軸71〜チャンバー内駆動
軸76の動力伝達系と同様に設けることもできる。ここ
ではその詳細な説明を省略するが、図7に示した符番8
1が粉末撹拌機構の駆動歯車81であり、外歯歯車62
a,62bと同様にドラム本体61の左右両端に装着し
た外歯歯車(図示せず)を介して、ドラム本体61の内
部に臨む撹拌羽根(図示せず)を間欠的或いは連続的に
駆動する。また、ドラム本体61の温度上昇は、ドラム
本体61の外周面に接触して回転する水冷管82a,8
2bによる抜熱で抑えられる。水冷管82a,82b
は、回転ドラム60の外面に軸方向に接触し、回転中の
回転ドラム60を支持する作用も呈する。駆動歯車81
の軸及び水冷管82a,82bは、チャンバー内駆動軸
76と共に、ドラム駆動ユニット30のアーム84に固
定されたブラケット83に設けたそれぞれの軸受けによ
り回転可能に支持される。 【0017】次いで、粉末コーティング装置の動作を説
明する。スパッタリングの開始に当り、ドラム駆動ユニ
ット30は、移動架台32によって図3に示した初期位
置300 にある。また、ドラム駆動ユニット300 の前
方に回転ドラム600 を配置する。この初期位置にある
回転ドラム600 の内面を清浄化した後、コーティング
される原料粉末を装入する。また、ターゲット駆動ユニ
ット20も、ガイドレール21に沿って真空チャンバー
10から後退した初期位置200 にある。この初期位置
で、スパッタリング源50の調整やターゲットプレート
51dの交換等が行われる。 【0018】準備作業を完了した後、ドラム駆動ユニッ
ト300 は、移動架台32の走行によって回転ドラム6
0と共に、真空チャンバー10の軸心に一致する位置3
1まで移動する。ドラム駆動ユニット301 の位置設
定は、移動架台32の位置を検出する適宜のセンサーで
行うことができる。駆動軸76及び水冷管82は、ドラ
ム駆動ユニット30によって回転ドラム60と共に回転
する。そのため、回転ドラム60は、常に歯車と噛み合
い、水冷管82a,82bに接触する。これら各部材
は、真空チャンバー10内に固定された支持レール85
に沿ってドラム駆動ユニット30を前進させることによ
って真空チャンバー10にセットされる。 【0019】ガイドレール21に沿ってドラム駆動ユニ
ット301 を前進させる。ドラム駆動ユニット30が真
空チャンバー10の端面に当接した後、フランジ14L
にフランジ板33を気密接続する。他方、ターゲット駆
動ユニット20も、ガイドレール21に沿って前進さ
せ、フランジ14R にフランジ板22を気密接続する。
これにより、真空チャンバー10の内部空間が気密封止
され、回転ドラム60が真空チャンバー10内に回転可
能に配置される。次いで、排気系40によって真空チャ
ンバー10内を排気し、内部雰囲気が所定の真空度に達
したところで、回転ドラム60を回転させながらプラズ
マガスを真空チャンバー10内に送り込み、スパッタリ
ングを開始する。 【0020】真空チャンバー10内の雰囲気圧は、スパ
ッタリングされる原料粉末の種類やスパッタリング条件
等にもよるが、スパッタリング時に1×10-1Pa〜1
×100 Pa程度に維持される。プラズマガスの導入に
よって雰囲気圧が設定値を超えないように、排気系40
(図4参照)により適宜排気する。回転ドラム60は、
ドラム径1m程度のものでは1〜10r.p.m.の速
度で回転される。この回転によって、装入された原料粉
末が回転ドラム60の内部で流動し、個々の粉末粒子に
対し均質なコーティングが施される。 【0021】スパッタリング終了後、高温状態の粉末を
冷却するため窒素,アルゴン等の不活性ガスを真空チャ
ンバー10に送り込む。不活性ガスの導入により真空チ
ャンバー10内の雰囲気圧を大気圧近傍まで上昇させた
後、吸引ファン96を駆動させて真空チャンバー10か
ら吸引管92aを経て熱交換器91に不活性ガスを吸引
する。不活性ガスは、熱交換器91内で冷却水との熱交
換によって冷却された後、吐出管92bを経て真空チャ
ンバー10に循環される。不活性ガスが循環経路の途中
で冷却されるため、真空チャンバー10内に低温の不活
性ガスが充満される。そのため、回転ドラム60及びコ
ーティングされた粉末が効率よく冷却される。 【0022】冷却が十分に進行した段階で、ロータリポ
ンプ42を駆動させ不活性ガスを排気する。次いで、回
転ドラム60を回転させながら空気を徐々に真空チャン
バー10に送り込み、コーティングされた粉末粒子を徐
酸化させる。特に活性な金属をコーティングした粉末に
あっては、酸化による発熱を伴うので、冷却機構90を
作動させながら粉末を抜熱し、徐酸化を進行させる。冷
却機構90の作用を調べるため、冷却機構90の使用如
何に応じた冷却・徐酸化の所要時間を調査した。なお、
ターゲットプレート材としてTiを使用し、原料粉末と
して雲母粉末5kgを装置内に装入し、出力30kwで
20時間のスパッタリングを行った。スパッタリング終
了直後の粉末温度は、約280℃であった。窒素をパー
ジした後、40℃まで冷却し、徐酸化した。徐酸化時に
は発熱が伴われるので、発火防止のため粉末温度が70
℃を超えないように、空気のリーク量を制御しながら徐
酸化した。 【0023】冷却機構90を稼動させたとき、図8に示
すように所定温度40℃まで冷却するのに要した時間が
2時間、徐酸化に要した時間が2時間で、合計4時間を
経過した後でコーティングされた粉末を取り出すことが
可能になった。他方、冷却機構90を停止させた状態で
コーティング粉末を冷却した場合、粉末取出しまでに6
時間が必要であった。この対比から明らかなように、ス
パッタリング終了後に冷却機構90を作動させることに
より、コーティングされた粉末の冷却期間が短縮され、
しかも安定した徐酸化を短時間で行うことが可能にな
る。 【0024】徐酸化終了後、真空チャンバー10内を大
気に開放し、フランジ14L ,14R とフランジ板2
2,23との気密接続を解く。そして、ドラム駆動ユニ
ット30を中間位置301 を経て初期位置300 に移動
させる。このとき、回転ドラム60は、初期位置600
に移動される。この状態にある回転ドラム600 の内部
からコーティングされた粉末を取り出し、次のスパッタ
リング作業の準備にとりかかる。ターゲット駆動ユニッ
ト20も、同様に初期位置200 まで後退させ、スパッ
タリング源50等の点検,交換作業等を行う。このよう
に、真空チャンバー10に対してターゲット駆動ユニッ
ト20及びドラム駆動ユニット30を近接,離間可能に
配置しているため、真空チャンバー10内の開放及び気
密封止が容易に行われる。真空チャンバー10が開放さ
れた状態では、真空チャンバー10,ターゲット駆動ユ
ニット20,ドラム駆動ユニット30,スパッタリング
源50の保守・点検が容易になる。 【0025】また、固定式の真空チャンバー10内に配
置した回転ドラム60を回転させる方式を採用している
ため、回転ドラム60を大型化しても回転に要する動力
を極端に大きくすることなく、回転ドラム60内に装入
した原料粉末の流動化に動力を効率よく使用することが
できる。しかも、固定式の真空チャンバー10内に配置
した駆動歯車78a,78b及び水冷管82a,82b
で支持された状態で回転ドラム60に動力が伝達される
ため、回転ドラム60に与える衝撃は小さい。しかも、
スパッタリング源50を片持ち支持するターゲット駆動
ユニット20が固定式の真空チャンバー10に接続され
ているため、回転ドラム60に僅かな振動があったとし
ても、スパッタリングに悪影響を及ぼすことはない。な
お、以上の例においては、初期位置600に移動させた
回転ドラム60に原料粉末を装入し、またコーティング
された粉末を取り出している。しかし、本発明はこれに
拘束されることなく、図5に示すようにターゲット駆動
ユニット20及びドラム駆動ユニット30を真空チャン
バー10にセッティングした状態で、回転ドラム60内
に原料粉末を装入することもできる。この場合、たとえ
ば中空状のアーム53に原料粉末供給導管を挿通し、原
料粉末供給導管の先端部を回転ドラム60内に臨ませ
る。 【0026】 【発明の効果】以上に説明したように、本発明において
は、真空チャンバー内に配置された回転ドラム内で原料
粉末をスパッタリングし、個々の粉末粒子表面にコーテ
ィングを施す際、冷却機構を備えた外部循環経路に沿っ
て真空チャンバー内の不活性雰囲ガスを循環させること
により、コーティングされた粉末の冷却及び徐酸化を迅
速化させている。また、徐酸化が安定した条件下で行わ
れるため、発火等の危険もなく、一定した品質のコーテ
ィング粉末が得られる。
【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明者等が先に提案した粉末コーティング
装置 【図2】 本発明実施例における粉末コーティング装置
の正面図 【図3】 同粉末コーティング装置の平面図 【図4】 同粉末コーティング装置の側面図 【図5】 ターゲット駆動ユニット及びドラム駆動ユニ
ットを真空チャンバーにセッティングした状態 【図6】 真空チャンバーに取り付けられる熱交換器の
断面 【図7】 スパッタリング源をドラム軸方向にみた状態 【図8】 冷却所要時間に及ぼす冷却機構の影響 【符号の説明】 10:真空チャンバー 20:ターゲット駆動ユニッ
ト 30:ドラム駆動ユニット 50:スパッタリ
ング源 60:回転ドラム 90:冷却機構 91:熱交換器 92a:不活性ガス吸引管 92
b:不活性ガス吐出管 97:水冷管 98:不活
性ガス通気管 99a:給水管 99b:配水管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−153068(JP,A) 特開 平3−153864(JP,A) 特開 平4−173955(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 14/34

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 両端が解放され、両端側に外歯歯車が装
    着された円筒形状を有し、その内部にスパッタリングさ
    れる原料粉末が装入される回転ドラムと、前記外歯歯車
    に噛み合う駆動歯車を固着した駆動軸を水平に維持し、
    前記回転ドラムを支持する複数本の回転水冷管を配設し
    前記回転ドラムを回転可能に収容する固定式の真空チ
    ャンバーと、該真空チャンバーの一側に気密接続可能に
    配置されたターゲット駆動ユニットと、該ターゲット駆
    動ユニットにより片持ち支持されて前記回転ドラム内に
    配置されたスパッタリング源と、前記真空チャンバーの
    他側に気密接続可能に配置されて前記駆動軸に回転動力
    を与えるドラム駆動ユニットと、前記真空チャンバーに
    気密接続された冷却機構と、前記真空チャンバーから前
    記冷却機構を経て前記真空チャンバーに戻るガス循環経
    路とを備え、コーティングされた粉末の取出しに先立っ
    て、前記ガス循環経路を通過するとき前記冷却機構によ
    って冷却された不活性ガスが前記回転ドラムの内部に送
    り込まれることを特徴とする粉末コーティング装置。
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