JP3428751B2 - 液体運搬船用自立角型タンクの支持装置 - Google Patents
液体運搬船用自立角型タンクの支持装置Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、船殻の中空部に搭載さ
れ液体を収納する自立角型のタンクを支持する液体運搬
船用自立角型タンクの支持装置に関する。 【0002】 【従来の技術】液体運搬船に関連する技術として、特開
平2−249796号公報(液体運搬船)、特開平4−
8999号公報(液体運搬船用ガスタンクの支持装
置)、特開平4−92794号公報(液体運搬船用ガス
タンクの支持装置)、特開平4−143487号公報
(船の二重殻構造物及びその構築方法)等が提案されて
いる。 【0003】これらの技術を適用した液体運搬船では、
図6〜11に示すように、船体(船殻)1を外側殻1A
と内側殻1Bとからなる二重構造とし、船体1の中空部
2に搭載されるタンク3を長方体(角型)とするととも
に船体1(内側殻1B)から独立させた自立構造とし
て、甲板の平坦化、液化ガス等の液体の収納容積拡大、
座礁等の事故時の安全性の確保、LNG(液化天然ガ
ス)の運搬時の信頼性向上等の優れた特長をもたせるこ
とができるものと期待される。 【0004】図8に示すように、内側殻1Bとタンク3
との間には、タンク3の重量を複数箇所において支持す
るための荷重支持台4と、タンク3の前後移動を抑制す
るための前後移動抑制用の支持装置5(図10参照)
と、タンク3の左右移動を抑制するための左右移動抑制
用の支持装置6とが配される。 【0005】これらの前後移動抑制用の支持装置5及び
左右移動抑制用の支持装置6は、内部殻1Bの天井部分
とタンク3の頂部との間、内部殻1Bの底部内表面とタ
ンク3の底部との間にそれぞれ複数配される。 【0006】内側殻1Bの内部とタンク3の頂部との間
に配される前後移動抑制用の支持装置5にあっては、前
後方向に沿って横1列に配されるとともに、内側殻1B
の内部とタンク3の底部との間にも、同様に前後移動抑
制用の支持装置5が配され、これらの前後移動抑制用の
支持装置5により、内側殻1Bとタンク3との間の前後
方向の相対移動を拘束するとともに、左右方向の相対移
動を許容するように設定される。 【0007】左右移動抑制用の支持装置6にあっては、
上下位置において左右中心軸に沿って縦1列に配され、
内側殻1Bとタンク3との間の左右方向の相対移動を拘
束するとともに、前後方向の相対移動を許容するように
設定される。 【0008】前記前後移動抑制用の支持装置5及び左右
移動抑制用の支持装置6は、図11(a)に示すよう
に、船体1側に平行に配された一対の支持ガイド10
と、この一対の支持ガイドの内側に配されたライナ11
と、前記支持ガイド10間に位置するように、前記タン
ク3側に固定された支持ブロック12とを備えている。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
液体運搬船用自立角型のタンクの支持装置5,6では、
タンク3内にLNGを収納すると、タンク3自体が収縮
し支持ブロック12が支持ガイド10に対して変位して
ライナ11の一面に当接して収縮変位が拘束される。 【0010】すなわち、図10に示すように、支持装置
5,6はタンク3の直交する2方向に配置されているの
で、支持ブロック12は、図11(b)に示すように、
支持ガイド10に対して交差する方向に移動し、支持ブ
ロック12がライナ11を押圧しつつライナ11の長さ
方向にずれる。ライナ11を押圧する際にライナ11が
弾性変形して、ライナ11における支持ブロック12の
接触部位と非接触部位との間に段差Dが形成され、支持
ブロック12がライナ11に沿ってずれる際に当該段差
Dを削り落としたりし、ライナ11の端部の劣化を促進
させるおそれがあった。 【0011】また、支持ブロック12が支持ガイド10
に沿ってずれる際に、段差Dにより支持ブロックに反力
が働き、支持ブロック12やタン3ク等に悪影響を及ぼ
すおそれがあった。 【0012】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、タンクの収縮・膨張に起因したライナの劣化を未然
に防止することができるとともに、支持ブロックの円滑
な移動を確保することができる液体運搬船用自立角型タ
ンクの支持装置を提供することを目的とする。 【0013】 【課題を解決するための手段】本発明の液体運搬船用自
立角型タンクの支持装置は、船殻の中空部に搭載され液
体を収納する自立角型のタンクを支持する支持装置であ
って、船殻の内部に間隔を空けて配置される一対の支持
ガイドと、該一対の支持ガイドの間に配置され前記自立
角型のタンクと一体とされた支持ブロックと、前記一対
の支持ガイドの前記支持ブロックと対向する面に取り付
けられたライナとを備え、該ライナの少なくとも一端部
に、前記タンクの収縮又は膨張等によって前記支持ブロ
ックが前記ライナ面に押圧されたときの前記ライナーの
最大変形量か又はそれよりも大きい寸法だけライナの外
面よりも一段低い段差部が形成されていることを特徴と
する。 【0014】 【作用】本発明の液体運搬船用自立角型タンクの支持装
置によれば、タンクの収縮・膨張に伴って支持ブロック
が支持ガイドに取り付けられたライナと交差する方向に
移動しライナを押圧してライナを変位させても、ライナ
の少なくとも一端部にライナの外面よりライナの最大変
形量か又はそれより大きい段差部が形成されているの
で、支持ブロックと干渉するような段差は生ぜず、支持
ブロックの移動に伴って支持ブロックがライナの端部と
干渉して当該端部を削り落とすといったことが全くな
く、ライナの劣化を未然に防止できる。しかも、支持ブ
ロックが移動しても、ライナが支持ブロックの移動を阻
止することがなく、支持ブロックの円滑な移動を確保す
ることができ、タンクの収縮・膨張を円滑に行わせるこ
とができる。 【0015】 【実施例】以下に、図面を参照して、本発明の一実施例
の液体運搬船用自立角型タンクの支持装置について説明
する。なお、前記従来例と同様な構成要素には同一符号
を付して説明する。 【0016】図1及び図4に示すように、内側殻1Bと
タンク3との間には、タンク3の重量を複数箇所におい
て支持するための荷重支持台4と、タンク3の前後移動
を抑制するための前後移動抑制用の支持装置(本発明の
支持装置に相当)15と、タンク3の左右移動を抑制す
るための左右移動抑制用の支持装置6とが配される。 【0017】図3に示すように、前記前後移動抑制用の
支持装置15は、船体1側に平行に配された一対の支持
ガイド10と、この一対の支持ガイドの内側に配された
ライナ21と、前記支持ガイド10間に位置するよう
に、前記タンク3側に固定された支持ブロック12とを
備えている。 【0018】前記ライナ21は、支持ブロック12と支
持ガイド10との間の隙間を調整するためのもので、図
2に示すように、板状形状をなしており、その一端には
段差部21aが形成されている。この段差部21aに段
差量は、タンク3の収縮又は膨張により支持ブロック1
2がライナ21に押圧させられたときにライナ21が厚
さ方向に変形する最大変形量か又はそれよりも大きくな
っている。 【0019】図5に示すように、ライナ21の端部にラ
イナ21に作用すると考えらる最大応力以上の圧縮応力
を作用させることにより、ライナ21に永久変形(永久
歪)ε0を与えて段差部21aを形成すると段差部21
aの強度が大きくなるので、支持ブロック12がライナ
21を圧して変形させた際に支持ブロック12が接して
荷重を受けたときの強度面で前記段差部21aを形成す
ることが好ましい。なお、ライナ21はライナ21の厚
さ方向に生ずる変形量がライナ21の厚さに比べて小さ
いときには、当該変形量以上の厚さだけ切削加工により
切削して段差部21aを形成してもよい。 【0020】次に、本実施例の前後移動抑制用の支持装
置15の作用について説明する。タンク3内にLNG等
の低温液体を収納すると、タンク3は収縮する。そし
て、タンクは、前後移動抑制用の支持装置15及び左右
移動抑制用の支持装置6を介して船体1に支持されてい
るので、図4中のO点を中心として収縮する。 【0021】この結果、図1に示すように、支持ブロッ
ク12は図中斜め上方に移動してライナ21に押圧さ
れ、ライナ21は厚さ方向に変位する。さらに、支持ブ
ロック12は支持ガイド10に保持されたライナ21の
長さ方向に移動する。 【0022】この際、前述したように、従来では、支持
ブロック12の押圧によるライナ21の弾性変形に段差
Dが生じ、支持ブロック12が移動する際に、支持ブロ
ック12とライナ21の端部とが干渉して支持ブロック
12の円滑な移動が図れないとともに、支持ブロック1
2がライナ21の端部を損傷させ劣化を促進させること
があったが、本実施例では、ライナ21の一端には段差
部21aが形成され、しかも、段差部21aに段差量
は、タンク3の収縮又は膨張により支持ブロック12が
ライナ21に押圧させられたときにライナ21が厚さ方
向に変形する最大変形量か又はそれよりも大きくなって
いるので、支持ブロック12がライナ21を押圧してラ
イナ21が厚さ方向に変位した場合でも、少なくとも変
形部分がライナ21の端部よりも高い状態が維持され、
したがって、移動する支持ブロック12とライナ21の
端部とが干渉することがない。 【0023】この結果、支持ブロック12の移動が妨げ
られることがなく円滑に移動することができるととも
に、ライナ21が支持ブロック12に削り取られること
がなくライナ21の劣化を無くすことができる。 【0024】 【発明の効果】以上説明したように、本発明の液体運搬
船用自立角型タンクの支持装置によれば、船殻の中空部
に搭載され液体を収納する自立角型のタンクを支持する
支持装置であって、船殻の内部に間隔を空けて配置され
る一対の支持ガイドと、該一対の支持ガイドの間に配置
され前記自立角型のタンクと一体とされた支持ブロック
と、前記一対の支持ガイドの前記支持ブロックと対向す
る面に取り付けられたライナとを備え、該ライナの少な
くとも一端部に、前記タンクの収縮又は膨張等によって
前記支持ブロックが前記ライナ面に押圧されたときの前
記ライナーの最大変形量か又はそれよりも大きい寸法だ
けライナの外面よりも一段低い段差部が形成されている
ので、タンクの収縮・膨張に起因するライナの劣化を未
然に防止することができるとともに、支持ブロックの円
滑な移動を確保することができる。
れ液体を収納する自立角型のタンクを支持する液体運搬
船用自立角型タンクの支持装置に関する。 【0002】 【従来の技術】液体運搬船に関連する技術として、特開
平2−249796号公報(液体運搬船)、特開平4−
8999号公報(液体運搬船用ガスタンクの支持装
置)、特開平4−92794号公報(液体運搬船用ガス
タンクの支持装置)、特開平4−143487号公報
(船の二重殻構造物及びその構築方法)等が提案されて
いる。 【0003】これらの技術を適用した液体運搬船では、
図6〜11に示すように、船体(船殻)1を外側殻1A
と内側殻1Bとからなる二重構造とし、船体1の中空部
2に搭載されるタンク3を長方体(角型)とするととも
に船体1(内側殻1B)から独立させた自立構造とし
て、甲板の平坦化、液化ガス等の液体の収納容積拡大、
座礁等の事故時の安全性の確保、LNG(液化天然ガ
ス)の運搬時の信頼性向上等の優れた特長をもたせるこ
とができるものと期待される。 【0004】図8に示すように、内側殻1Bとタンク3
との間には、タンク3の重量を複数箇所において支持す
るための荷重支持台4と、タンク3の前後移動を抑制す
るための前後移動抑制用の支持装置5(図10参照)
と、タンク3の左右移動を抑制するための左右移動抑制
用の支持装置6とが配される。 【0005】これらの前後移動抑制用の支持装置5及び
左右移動抑制用の支持装置6は、内部殻1Bの天井部分
とタンク3の頂部との間、内部殻1Bの底部内表面とタ
ンク3の底部との間にそれぞれ複数配される。 【0006】内側殻1Bの内部とタンク3の頂部との間
に配される前後移動抑制用の支持装置5にあっては、前
後方向に沿って横1列に配されるとともに、内側殻1B
の内部とタンク3の底部との間にも、同様に前後移動抑
制用の支持装置5が配され、これらの前後移動抑制用の
支持装置5により、内側殻1Bとタンク3との間の前後
方向の相対移動を拘束するとともに、左右方向の相対移
動を許容するように設定される。 【0007】左右移動抑制用の支持装置6にあっては、
上下位置において左右中心軸に沿って縦1列に配され、
内側殻1Bとタンク3との間の左右方向の相対移動を拘
束するとともに、前後方向の相対移動を許容するように
設定される。 【0008】前記前後移動抑制用の支持装置5及び左右
移動抑制用の支持装置6は、図11(a)に示すよう
に、船体1側に平行に配された一対の支持ガイド10
と、この一対の支持ガイドの内側に配されたライナ11
と、前記支持ガイド10間に位置するように、前記タン
ク3側に固定された支持ブロック12とを備えている。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
液体運搬船用自立角型のタンクの支持装置5,6では、
タンク3内にLNGを収納すると、タンク3自体が収縮
し支持ブロック12が支持ガイド10に対して変位して
ライナ11の一面に当接して収縮変位が拘束される。 【0010】すなわち、図10に示すように、支持装置
5,6はタンク3の直交する2方向に配置されているの
で、支持ブロック12は、図11(b)に示すように、
支持ガイド10に対して交差する方向に移動し、支持ブ
ロック12がライナ11を押圧しつつライナ11の長さ
方向にずれる。ライナ11を押圧する際にライナ11が
弾性変形して、ライナ11における支持ブロック12の
接触部位と非接触部位との間に段差Dが形成され、支持
ブロック12がライナ11に沿ってずれる際に当該段差
Dを削り落としたりし、ライナ11の端部の劣化を促進
させるおそれがあった。 【0011】また、支持ブロック12が支持ガイド10
に沿ってずれる際に、段差Dにより支持ブロックに反力
が働き、支持ブロック12やタン3ク等に悪影響を及ぼ
すおそれがあった。 【0012】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、タンクの収縮・膨張に起因したライナの劣化を未然
に防止することができるとともに、支持ブロックの円滑
な移動を確保することができる液体運搬船用自立角型タ
ンクの支持装置を提供することを目的とする。 【0013】 【課題を解決するための手段】本発明の液体運搬船用自
立角型タンクの支持装置は、船殻の中空部に搭載され液
体を収納する自立角型のタンクを支持する支持装置であ
って、船殻の内部に間隔を空けて配置される一対の支持
ガイドと、該一対の支持ガイドの間に配置され前記自立
角型のタンクと一体とされた支持ブロックと、前記一対
の支持ガイドの前記支持ブロックと対向する面に取り付
けられたライナとを備え、該ライナの少なくとも一端部
に、前記タンクの収縮又は膨張等によって前記支持ブロ
ックが前記ライナ面に押圧されたときの前記ライナーの
最大変形量か又はそれよりも大きい寸法だけライナの外
面よりも一段低い段差部が形成されていることを特徴と
する。 【0014】 【作用】本発明の液体運搬船用自立角型タンクの支持装
置によれば、タンクの収縮・膨張に伴って支持ブロック
が支持ガイドに取り付けられたライナと交差する方向に
移動しライナを押圧してライナを変位させても、ライナ
の少なくとも一端部にライナの外面よりライナの最大変
形量か又はそれより大きい段差部が形成されているの
で、支持ブロックと干渉するような段差は生ぜず、支持
ブロックの移動に伴って支持ブロックがライナの端部と
干渉して当該端部を削り落とすといったことが全くな
く、ライナの劣化を未然に防止できる。しかも、支持ブ
ロックが移動しても、ライナが支持ブロックの移動を阻
止することがなく、支持ブロックの円滑な移動を確保す
ることができ、タンクの収縮・膨張を円滑に行わせるこ
とができる。 【0015】 【実施例】以下に、図面を参照して、本発明の一実施例
の液体運搬船用自立角型タンクの支持装置について説明
する。なお、前記従来例と同様な構成要素には同一符号
を付して説明する。 【0016】図1及び図4に示すように、内側殻1Bと
タンク3との間には、タンク3の重量を複数箇所におい
て支持するための荷重支持台4と、タンク3の前後移動
を抑制するための前後移動抑制用の支持装置(本発明の
支持装置に相当)15と、タンク3の左右移動を抑制す
るための左右移動抑制用の支持装置6とが配される。 【0017】図3に示すように、前記前後移動抑制用の
支持装置15は、船体1側に平行に配された一対の支持
ガイド10と、この一対の支持ガイドの内側に配された
ライナ21と、前記支持ガイド10間に位置するよう
に、前記タンク3側に固定された支持ブロック12とを
備えている。 【0018】前記ライナ21は、支持ブロック12と支
持ガイド10との間の隙間を調整するためのもので、図
2に示すように、板状形状をなしており、その一端には
段差部21aが形成されている。この段差部21aに段
差量は、タンク3の収縮又は膨張により支持ブロック1
2がライナ21に押圧させられたときにライナ21が厚
さ方向に変形する最大変形量か又はそれよりも大きくな
っている。 【0019】図5に示すように、ライナ21の端部にラ
イナ21に作用すると考えらる最大応力以上の圧縮応力
を作用させることにより、ライナ21に永久変形(永久
歪)ε0を与えて段差部21aを形成すると段差部21
aの強度が大きくなるので、支持ブロック12がライナ
21を圧して変形させた際に支持ブロック12が接して
荷重を受けたときの強度面で前記段差部21aを形成す
ることが好ましい。なお、ライナ21はライナ21の厚
さ方向に生ずる変形量がライナ21の厚さに比べて小さ
いときには、当該変形量以上の厚さだけ切削加工により
切削して段差部21aを形成してもよい。 【0020】次に、本実施例の前後移動抑制用の支持装
置15の作用について説明する。タンク3内にLNG等
の低温液体を収納すると、タンク3は収縮する。そし
て、タンクは、前後移動抑制用の支持装置15及び左右
移動抑制用の支持装置6を介して船体1に支持されてい
るので、図4中のO点を中心として収縮する。 【0021】この結果、図1に示すように、支持ブロッ
ク12は図中斜め上方に移動してライナ21に押圧さ
れ、ライナ21は厚さ方向に変位する。さらに、支持ブ
ロック12は支持ガイド10に保持されたライナ21の
長さ方向に移動する。 【0022】この際、前述したように、従来では、支持
ブロック12の押圧によるライナ21の弾性変形に段差
Dが生じ、支持ブロック12が移動する際に、支持ブロ
ック12とライナ21の端部とが干渉して支持ブロック
12の円滑な移動が図れないとともに、支持ブロック1
2がライナ21の端部を損傷させ劣化を促進させること
があったが、本実施例では、ライナ21の一端には段差
部21aが形成され、しかも、段差部21aに段差量
は、タンク3の収縮又は膨張により支持ブロック12が
ライナ21に押圧させられたときにライナ21が厚さ方
向に変形する最大変形量か又はそれよりも大きくなって
いるので、支持ブロック12がライナ21を押圧してラ
イナ21が厚さ方向に変位した場合でも、少なくとも変
形部分がライナ21の端部よりも高い状態が維持され、
したがって、移動する支持ブロック12とライナ21の
端部とが干渉することがない。 【0023】この結果、支持ブロック12の移動が妨げ
られることがなく円滑に移動することができるととも
に、ライナ21が支持ブロック12に削り取られること
がなくライナ21の劣化を無くすことができる。 【0024】 【発明の効果】以上説明したように、本発明の液体運搬
船用自立角型タンクの支持装置によれば、船殻の中空部
に搭載され液体を収納する自立角型のタンクを支持する
支持装置であって、船殻の内部に間隔を空けて配置され
る一対の支持ガイドと、該一対の支持ガイドの間に配置
され前記自立角型のタンクと一体とされた支持ブロック
と、前記一対の支持ガイドの前記支持ブロックと対向す
る面に取り付けられたライナとを備え、該ライナの少な
くとも一端部に、前記タンクの収縮又は膨張等によって
前記支持ブロックが前記ライナ面に押圧されたときの前
記ライナーの最大変形量か又はそれよりも大きい寸法だ
けライナの外面よりも一段低い段差部が形成されている
ので、タンクの収縮・膨張に起因するライナの劣化を未
然に防止することができるとともに、支持ブロックの円
滑な移動を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の液体運搬船用自立角型タン
クの支持装置を示す平面図である。 【図2】図1の支持装置に使用されるライナを示す斜視
図である。 【図3】図1中のイ方向矢視図である。 【図4】図1の支持装置の設置状態を示す平面図であ
る。 【図5】図2のライナの強度を示すグラフである。 【図6】従来の液体運搬船の例を示す正面図である。 【図7】図6の液体運搬船の平面図である。 【図8】図6の液体運搬船の横断面図である。 【図9】図6の液体運搬船の縦断面図である。 【図10】図6の液体運搬船における支持装置の配置状
態を示す平面図である。 【図11】図6の液体運搬船における支持装置の問題点
を示す平面図である。 【符号の説明】 1 船体 1A 外側殻 1B 内側殻 2 中空部 3 タンク 4 荷重支持台 6 左右移動抑制用の支持装置 10 支持ガイド 12 支持ブロック 15 前後移動抑制用の支持装置 21 ライナ 21a 段差部
クの支持装置を示す平面図である。 【図2】図1の支持装置に使用されるライナを示す斜視
図である。 【図3】図1中のイ方向矢視図である。 【図4】図1の支持装置の設置状態を示す平面図であ
る。 【図5】図2のライナの強度を示すグラフである。 【図6】従来の液体運搬船の例を示す正面図である。 【図7】図6の液体運搬船の平面図である。 【図8】図6の液体運搬船の横断面図である。 【図9】図6の液体運搬船の縦断面図である。 【図10】図6の液体運搬船における支持装置の配置状
態を示す平面図である。 【図11】図6の液体運搬船における支持装置の問題点
を示す平面図である。 【符号の説明】 1 船体 1A 外側殻 1B 内側殻 2 中空部 3 タンク 4 荷重支持台 6 左右移動抑制用の支持装置 10 支持ガイド 12 支持ブロック 15 前後移動抑制用の支持装置 21 ライナ 21a 段差部
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
B63B 3/68
B63B 25/08 - 25/16
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 船殻の中空部に搭載され液体を収納する
自立角型のタンクを支持する支持装置であって、船殻の
内部に間隔を空けて配置される一対の支持ガイドと、該
一対の支持ガイドの間に配置され前記自立角型のタンク
と一体とされた支持ブロックと、前記一対の支持ガイド
の前記支持ブロックと対向する面に取り付けられたライ
ナとを備え、前記タンクの収縮又は膨張等によって前記
支持ブロックが前記ライナに沿ってずれる際に前記支持
ブロックと前記ライナの端部が干渉しないように、前記
ライナの少なくとも一端部には、前記タンクの収縮又は
膨張等によって前記支持ブロックが前記ライナ面に押圧
されたときの前記ライナーの最大変形量か又はそれより
も大きい寸法だけライナの外面よりも一段低い段差部が
形成されていることを特徴とする液体運搬船用自立角型
タンクの支持装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30669294A JP3428751B2 (ja) | 1994-12-09 | 1994-12-09 | 液体運搬船用自立角型タンクの支持装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30669294A JP3428751B2 (ja) | 1994-12-09 | 1994-12-09 | 液体運搬船用自立角型タンクの支持装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08156872A JPH08156872A (ja) | 1996-06-18 |
JP3428751B2 true JP3428751B2 (ja) | 2003-07-22 |
Family
ID=17960166
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30669294A Expired - Fee Related JP3428751B2 (ja) | 1994-12-09 | 1994-12-09 | 液体運搬船用自立角型タンクの支持装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3428751B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6586534B2 (ja) * | 2016-05-10 | 2019-10-02 | ワルトシラ フィンランド オサケユキチュア | タンク装置 |
-
1994
- 1994-12-09 JP JP30669294A patent/JP3428751B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH08156872A (ja) | 1996-06-18 |
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