JP3428712B2 - 座標入力装置 - Google Patents

座標入力装置

Info

Publication number
JP3428712B2
JP3428712B2 JP00260694A JP260694A JP3428712B2 JP 3428712 B2 JP3428712 B2 JP 3428712B2 JP 00260694 A JP00260694 A JP 00260694A JP 260694 A JP260694 A JP 260694A JP 3428712 B2 JP3428712 B2 JP 3428712B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vibration
signal
input
detection
timing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP00260694A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07210302A (ja
Inventor
淳 田中
亮三 柳沢
雄一郎 吉村
克行 小林
正樹 時岡
肇 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP00260694A priority Critical patent/JP3428712B2/ja
Publication of JPH07210302A publication Critical patent/JPH07210302A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3428712B2 publication Critical patent/JP3428712B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、振動ペンから
入力された弾性波振動を振動伝達板に複数設けられたセ
ンサにより検出し、前記振動ペンから振動伝達板に入力
された弾性波振動の伝達時間に基づいて振動ペンによる
振動入力点の座標を検出し、その座標を他の装置等に入
力する座標入力装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】超音波による座標入力装置は、振動ペン
を振動伝達板に接触させ、入力された振動が振動伝達板
上を伝達し、振動伝達板上に設けられたセンサに到達す
るまでの遅延時間をもとに、振動ペンの接触位置の座標
を算出するものである。
【0003】特開昭61−149742号公報や、特開
昭61−245474号公報などに記載されているよう
に、この場合に用いられる弾性振動としては、板波弾性
波と呼ばれるものが利用されており、表面波等に比して
表面の状態(傷等)の影響を受けにくいという特長があ
る。
【0004】板波弾性波の伝播モードとして、対称波
(Sモード)非対称波(Aモード)と呼ばれるモードが
知られている。特にその次数を用いて0次モードのとき
等には、S0波、A0波と呼ばれる。上述した文献の例
では、このうちA0モードが利用されている。
【0005】A0モードは、その波自身の伝播速度であ
る群速度と、波の位相の伝播する速度である位相速度と
が異なる波であり、上記例では、その群速度による群遅
延時間と位相速度による位相遅延時間とを用いることで
座標入力装置を構成している。
【0006】図11はその構成を示したものである。振
動ペン105から入力された振動は、振動伝達板108
内を板波弾性波として伝播し、各センサ106a〜10
6dによって検出される。検出された振動は、増幅器1
09−1、フィルタ109−2を通過し、群遅延時間
(以下Tg)検出用のTg検出回路109−3、およ
び、位相遅延時間(以下tp)検出用のTp検出回路1
09−4に振り分けられる。ここでの信号波形を図13
に示す。
【0007】Tg検出回路109−3では、信号の包絡
線421の検出を行い、包絡線の所定点を検出してトリ
ガ信号を発生する。ここでいう所定点は、例えば、2回
微分した信号43のゼロクロス点を検出すれば、その点
を信号波形の変曲点として、信号49のように検出でき
る。このような変曲点検出のように、信号波形の前半部
での検出を行うことで、図11のような構成における、
端部や、防振材107等からの反射波の影響を受けにく
い構成になっており、入力エリア外のエリアの小型化に
寄与する。
【0008】一方、Tp検出においても、反射波の影響
を極力避けるため信号波形の前端部での検出が望まし
い。そこで従来、バンドパスフィルタなどで処理された
検出信号波形44に対して閾値レベル441を設け、そ
の閾値を越えた後の、最初の位相の立ち上がりゼロクロ
スポイントを信号47のごとく検出し、トリガ信号を発
生する構成になっていた。
【0009】このような構成においては、その閾値レベ
ルをでき得る限り低く設定することで、検出ポイントを
信号波形の前端部にすることができる。
【0010】また、このような構成においては、その振
動センサと振動ペンの距離が増えるにしたがって伝播す
る振動の振幅の減衰が生じる。
【0011】構成が大型化或は高密度化することによっ
て、センサ近傍での入力レベルと、有効エリア最遠点で
のレベルとの差が大きくなる。例えばセンサ106−d
に対しては最遠点はB点であり、一番の近傍はA点とな
る。
【0012】これに対して、伝播時間に対して増幅率の
変化する増幅器を設けて振幅変動による誤差の発生を防
止する技術が提案されていた。また、検出閾値を伝播遅
延時間に対して指数関数的に変化させ検出を行う技術が
特公昭58−16509号公報に開示されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、閾値や
増幅器の増幅率を伝播遅延時間に対して厳密に制御する
ことは困難であり、更に板波を用いた場合には、周波数
を変更しただけで伝播速度が変化し、その都度増幅率
や、閾値の変化率を変更する必要があり、周波数のばら
つきなどによる精度低下や設計変更の困難さ、また調節
等コストアップ要因を含んでいた。
【0014】また検出信号は、図12に示したように、
検出の対象であるA0波以外にも、若干であるがS0信
号も検出される。このA0とS0のレベル比が充分大き
い場合には検出に影響は無いが、上述したように入力点
による信号レベルの差が拡大するにつれて、その影響が
無視できなくなる。つまり、上記増幅率や閾値などの変
化率の設定が適正でない場合には、A0でなくS0を検
出してしまい、誤検出を生じるなどの問題があった。
【0015】本発明は上記従来例に鑑みなされたもの
で、不要な信号の検出を防止し、安定で高精度な座標入
力装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の座標入力装置は次のような構成から成る。
すなわち、
【0017】振動伝達部材に入力された振動を検出して
振動入力位置を算出し、算出された位置の座標を入力座
標とする座標入力装置であって、振動を入力する入力手
段と、前記振動伝達部材に伝達される振動を検出して、
信号として出力する検出手段と、前記検出手段により出
力される信号に基づき、信号のピークに対して所定率の
値を第1の基準として前記信号と比較する比較手段
と、該比較手段による比較の結果、前記信号が前記第1
基準を上回るタイミングから所定時間遅延したタイ
ミング信号を発生する遅延手段と、 前記タイミング信号
の発生後に、第2の基準値と前記信号とを比較し、前記
第2の基準値を上回る期間において振動が到達したタイ
ミングを計測して振動の到達時間を測定する測定手段
と、該測定手段により測定された時間に基づいて、前記
入力手段により振動の入力された点の座標を算出する算
出手段とを備える。
【0018】あるいは、振動伝達部材に入力された振動
を検出して振動入力位置を算出し、算出された位置の座
標を入力座標とする座標入力装置であって、振動を入力
する入力手段と、前記振動伝達部材に伝達される振動を
検出して、信号として出力する検出手段と、前記検出手
段により出力される信号に基づき、信号のピークを検出
するピーク検出手段と、前記ピーク検出手段によりピー
クを検出したタイミングから所定時間遅延したタイミン
グ信号を発生する遅延手段と、前記遅延手段で遅延した
タイミング以降に、前記ピーク検出手段により検出した
信号のピークを基準として、前記検出手段により出力さ
れる信号と比較する比較手段と、該比較手段による比較
の結果、前記信号が前記基準を上回る期間を、振動が到
達したタイミングを計測する期間として、振動の到達時
間を測定する測定手段と、該測定手段により測定された
時間に基づいて、前記入力手段により振動の入力された
点の座標を算出する算出手段とを備える。
【0019】
【作用】上記構成により、振動を検出して、その信号の
ピークに対する所定の率を閾値として検出した信号と比
較し、閾値より大きい期間内に振動の到達時間を測定
し、測定結果に基づいて振動の入力座標を算出する。
【0020】
【第1実施例】図2は、本発明の好適な実施例である座
標入力装置の構造を示している。
【0021】図中、1は装置全体を制御すると共に、座
標位置を算出する演算制御回路である。2は振動子駆動
回路であって、振動ペン3のペン先を振動させるもので
ある。8はアクリルやガラス板等、透明部材からなる振
動伝達板であり、振動ペン3による座標入力は、この振
動伝達板8上をタッチすることで行う。また実際には、
図示に実線で示す符号Aの領域(以下有効エリア)内を
振動ペン3で指定することを行う。そして、この振動伝
達板8の外周には、反射した振動が中央部に戻るのを防
止(減少)させるための防振材7が設けられ、その境界
に圧電素子等、機械的振動を電気信号に変換する振動セ
ンサ6a〜6dが固定されている。
【0022】9は各振動センサ6a〜6dで振動を検出
した旨の信号を演算制御回路1に出力する信号波形検出
回路である。11は液晶表示器等のドット単位の表示が
可能なディスプレイであり、振動伝達板の背後に配置し
ている。そしてディスプレイ駆動回路10の駆動によ
り、振動ペン3によりなぞられた位置にドットを表示
し、それを、ガラスやアクリル等の透明部材からなる振
動伝達板8を透してみることが可能になっている。
【0023】振動ペン3に内蔵された振動子4は、振動
子駆動回路2によって駆動される。振動子4の駆動信号
は演算制御回路1から低レベルのパルス信号として供給
され、振動子駆動回路2によって所定のゲインで増幅さ
れた後で振動子4に印加される。
【0024】電気的な駆動信号は振動子4によって機械
的な超音波振動に変換され、ペン先5を介して振動伝達
板8に伝達される。
【0025】ここで振動子4の振動周波数はガラス等の
振動伝達板8に板波を発生することができる値に選択さ
れる。また、振動子駆動の際、振動伝達板8に対して図
2の垂直方向に振動するモードが選択される。また、振
動子4の振動周波数をペン先を含んだ共振周波数とする
ことで効率の良い振動変換が可能である。
【0026】上記の様にして振動伝達板8に伝えられる
弾性波は板波であり、表面波等に比して振動伝達板の表
面の傷、障害物等の影響を受けにくいという利点を有す
る。
【0027】<演算制御回路の説明>上述した構成にお
いて、演算制御回路1は、所定周期毎(例えば10ms
毎)に振動子駆動回路2から振動ペン3内の振動子4を
駆動させる信号を出力すると共に、その内部タイマ(カ
ウンタで構成されている)による計時を開始させる。そ
して、振動ペン3より発生した振動は、振動センサ6a
〜6dまでの距離に応じて遅延して到達する。
【0028】信号波形検出回路9は、各振動センサ6a
〜6dからの信号を検出して、後述する波形検出処理に
より各振動センサへの振動到達タイミングを示す信号を
生成する。演算制御回路1は各センサ毎のこの信号を入
力し、各々の振動センサ6a〜6dまでの振動到達時間
を検出して振動ペンの座標位置を算出する。
【0029】また演算制御回路1は、この算出された振
動ペン3の位置情報を基にディスプレイ駆動回路10を
駆動してディスプレイ11による表示を制御したり、あ
るいは、シリアル通信やパラレル通信によって外部機器
に座標出力を行う(不図示)。
【0030】図3は実施例の演算制御回路1の概略構成
を示すブロック図で、各構成要素及びその動作概略を以
下に説明する。
【0031】図中、31は演算制御回路1及び本座標入
力装置全体を制御するマイクロコンピュータであり、内
部カウンタ、操作手順を記憶したROM、そして計算等
に使用するRAM、定数などを記憶する不揮発性メモリ
等によって構成されている。
【0032】33は不図示の基準クロックを計時するカ
ウンタであって、振動子駆動回路2に、振動ペン3内の
振動子4の駆動を開始させるためのスタート信号を入力
すると、その計時を開始する。これによって、計時開始
とセンサによる振動検出の同期が取られ、センサ(6a
〜6d)により振動が検出されるまでの遅延時間が測定
できることになる。
【0033】カウンタ33の計時値は検出信号入力回路
35に入力される検出信号によってラッチ回路34a〜
34dに記憶される。マイクロコンピュータ31は、検
出信号が所定の時間内に揃ったことを示す判定回路の出
力を検知すると、各ラッチ回路の内容を読み込み計算を
行う。
【0034】ここで検出されるのはセンサ6に到達した
振動の群遅延時間(Tg)、位相遅延時間(Tp)に相
当する。
【0035】検出信号は図5に示す構成の信号波検出回
路9によって出力される。なお、図5の構成は、センサ
6aについてのものであるが、センサ6b〜6dについ
ても同様である。
【0036】振動センサ6aの出力信号は、前置増幅回
路51により所定のレベルまで増幅される。増幅された
信号は、帯域通過フィルタ511により検出信号の余分
な周波数成分が除かれ、例えば、絶対値回路及び低域通
過フィルタなどにより構成されるエンベロープ検出回路
52に入力され、検出信号のエンベロープのみが取り出
される。取り出されたエンベロープ信号は、2回微分回
路53によって微分される。tg信号検出回路54は、
モノマルチバイブレータなどから構成され、エンベロー
プの所定レベルを越えた後のゼロクロス点を検出するこ
とにより、遅延時間検出信号である信号tgが形成さ
れ、演算制御回路1内の検出信号入力回路35に入力さ
れる。tg検出回路54において、エンベロープの所定
レベルを検出するための閾値は図1の様に決定される。
図12に示したように、振動波形のS0波とA0波との
振幅レベル比の最大が、例えば5%程度であった場合、
閾値レベルをA0振幅の大きさの5%より大きい値に設
定すれば良い。
【0037】しかしながら、先に述べたように、振動波
形の振幅はセンサからの距離及び入力筆圧に依存して変
化するために、固定閾値、例えばセンサから最遠点での
A0波振幅を基に閾値レベルを決定した場合、センサ近
傍でのS0波を検出してしまう可能性がある。これに対
して、図1に示すように閾値を決定すれば、筆記時エン
ベロープ信号のレベルに対して閾値決定が可能となる。
図1に示すやり方とはつぎのようなものである。
【0038】すなわち、今、例えば閾値レベルを、S0
/A0比である5%より大きい値として、10%に設定
する。そして、1回の振動の検出のために、実際には2
つの振動を用いる。実際の筆記時には1回の入力で複数
の振動パルスが入力されるが、その1回の入力に対する
振動検出期間をサンプリング期間と呼ぶとすると、各サ
ンプリング期間内での筆圧変動は少ないので、1回目と
2回目とでは同じ波形を検出することができる。1回目
の駆動によって、検出されたA0波振幅V1を、図4に
示したようなピークホールド回路4b−1で保持する。
続いて2回目の駆動を行い、前記ピークホールド回路4
b−1の出力を抵抗4b−4と4b−3とで分圧した出
力V1/10をコンパレータ4b−2に入力される閾値
として、その値と2つ目のパルスによる信号とを比較し
て信号検出を行う。こうして、コンパレータ4b−2の
出力として、閾値と信号波形との比較結果である矩形波
が得られる。これが窓信号となる。ここで、抵抗4b−
4を固定抵抗とすれば、抵抗4b−3の値を適当な値と
することで、分圧の割合を決めることができる。この分
圧の割合として、前に述べたS0/A0比を設定する。
本例ではこれを10%としているため、抵抗4b−4の
値をRとすれば、抵抗4b−3としてR/9を設定する
ことになる。こうしてコンパレータ4b−2の出力信号
を窓信号として用い、この結果に基づいて信号検出(例
えばゼロクロス検出)を行えばA0波に対するTg検出
が可能となる。
【0039】分圧比は先に述べたようにS0/A0比に
基づき決定された値にすれば良い。このような検出を続
く信号検出にも用いれば、図1の様に、レベルが変化し
た場合においても確実にA0信号が検出できる様にな
る。
【0040】図1は、(a)に示した4つのパルスが振
動ペンから入力される様子である。振動パルス1a〜1
dは、振動伝達板を伝播してある1つのセンサに検出さ
れ、パルス1a,1bに対応する振動の包絡線2a,2
bとして1つのセンサaに検出され、パルス1c,1d
に対応する振動の包絡線2c,2dとして、振動源より
の距離がセンサaより遠い他のセンサbに検出される。
【0041】まず、信号2aはピークホールドされ、そ
の値V1が保持される。次の信号2bは、コンパレータ
でVth1=V1/10と比較されて窓信号3aが生成
される。信号2c,2dについても同様であるが、この
信号はセンサaより遠方のセンサbで検出される信号で
あるため、信号2a,2bより微弱である。この信号に
対する閾値Vth2は、V2/10であり、この値を用
いて窓信号3bが生成される。このように、検出される
信号の強度に応じて閾値を上下させ、窓信号を生成する
ことができる。
【0042】ピークホールド回路は2回駆動によるサン
プリングが終了した際に、演算制御部1からのリセット
信号により初期化され、次の検出に備える。
【0043】55はTp信号検出回路であり、コンパレ
ータなどから構成され、帯域通過フィルタ511の出力
の所定レベルの閾値を越える部分のパルス信号を形成す
る。この閾値についても上記Tgと同様な構成によって
決定すれば、安定したA0波を検出可能となる。この位
相遅延時間信号tpも演算制御回路1に供給されること
になる。
【0044】また、この時、TgとTpの検出用閾値回
路は、上記のように独立に持ってもよいが、回路規模等
の縮小のために共用してもよい。
【0045】<振動伝搬時間検出の説明>データセット
信号を受けたマイクロコンピュータ31は、各ラッチ内
に格納されている遅延時間Tg、Tpをセレクト信号を
用いて各々読み出しメモリに格納する。
【0046】尚、以下振動センサ6aの場合について説
明するが、その他の振動センサ6b,6c,6dについ
ても全く同じである。
【0047】振動センサ6への振動伝達時間の計測は、
振動子駆動回路2へのスタート信号の出力と同時に開始
する。この時、振動子駆動回路2から振動子4へは駆動
信号1−1が印加されている。この信号1−1によっ
て、振動ペン3から振動伝達板8に伝達された超音波振
動は、振動センサ6aまでの距離に応じた時間tgをか
けて進行した後、振動センサ6で検出される。
【0048】この実施例で用いられている振動は板波で
あるため、振動伝達板8内での伝播距離に対して、検出
波形のエンベロープと位相の関係は振動伝達中にその伝
達距離に応じて変化する。ここで群速度をVg、そして
位相速度をVpとする。この群速度V及び位相速度Vp
から振動ペン3と振動センサ6a間の距離を検出するこ
とができる。
【0049】まず、Tgに対して、その速度はVgであ
り、振動ペン及び振動センサ6aの間の距離dは、 d=Vg・tg (1) で与えられる。この式は振動センサ6aの一つに関する
ものであるが、同じ式により他の3つの振動センサ6a
〜6dと振動ペン3の距離も同様にして表わすことがで
きる。
【0050】更に、位相信号の検出に基づく処理を行
う。
【0051】得られたTp信号を用いて、振動センサと
振動ペンの距離を計算すると、 d=n・λp+vP・tp (2) となる。ここでλpは弾性波の波長、nは整数である。
【0052】前記(1)式と(2)式から上記の整数n
は、 n=[(Vg・tg−Vp・tp)/λp+α] (3) [ ]内整数化と表わせる。
【0053】ここで、αはnの計算に対する余裕幅を決
定するものであり、適当な値を用いる。例えば、α=1
/2とすれば基準に対して±1/2波長以内のVg・t
gの変動であれば、nを決定することができる。上記の
ようにして求めたnを(2)式に代入することで、振動
ペン3及び振動センサ6a間の距離を精度良く測定する
ことができる。
【0054】<座標位置算出の説明(図6)>次に実際
に振動ペン3による振動伝達板8上の座標位置検出の原
理を、図6を参照して説明する。
【0055】今、振動伝達板8上の4辺の中点近傍に4
つの振動センサ6a〜6dを符号S1〜S4の位置に設
けると、先に説明した原理に基づいて、振動ペン3の位
置Pから各々の振動センサ6a〜6dの位置までの直線
距離da〜ddを求めることができる。更に演算制御回
路1でこの直線距離da〜ddに基づき、振動ペン3の
位置Pの座標(x,y)を3平方の定理から次式のよう
にして求めることができる。
【0056】 x=(da+db)・(da−db)/2X (10) y=(dc+dd)・(dc−dd)/2Y (11) ここでX、Yはそれぞれ振動センサ6a、6b間の距
離、振動センサ6c、6d間の距離である。以上のよう
にして振動ペン3の位置座標をリアルタイムで検出する
ことができる。
【0057】以上のようにして振動伝達板に伝わる振動
を検出して振動入力から検出までの遅延時間を算出し、
それに基づいて振動入力された位置の座標を算出するこ
とで、振動入力点が振動入力面上のどの位置にあって
も、不要な振動を検出せずに済み、入力精度を高めるこ
とができる。
【0058】
【第2実施例】S0/A0比が大きい場合や、更に高精
度の座標検出を行う場合には、S0の影響を避けるよう
な検出が有効である。第2実施例として、その様な場合
に高精度の座標検出を可能とする座標入力装置を説明す
る。
【0059】図7にセンサからの距離とS0,A0の関
係を示す。
【0060】センサから近距離の場合、S0波はA0波
の中に含まれる(図7(a))。S0波はA0波に比べ
伝播速度が速いために、距離が長くなるほど2つの波は
分離される(図7(c))。図7(a)の場合でも、S
0/A0比の影響が所望の精度に比べ小さい場合には問
題はなく、図7(b),図7(c)のような場合にS0
波を検出しないよう、上述した第1実施例のような構成
を用いて検出が可能になる。
【0061】それに対して図7(a)のようにS0/A
0比が大きい場合、その信号の位相信号遅延時間(T
p)に影響が生じる場合がある。そこでS0の影響範囲
を除外し検出することが要求される。
【0062】図8はその検出方法を示すものである。
【0063】検出信号に対して、まず、例えばセンサか
ら離れた地点で、そのままA0波に重なれば検出に影響
のあるようなレベルの閾値で検出を行う。この検出がな
されたら、所定時間、S0が影響する時間Ts0分の遅
れをもって、検出信号の閾値検出を行う。
【0064】実際の回路構成は、図9のように、まずコ
ンパレータ9−1に検出信号が入力され、S0検出レベ
ルで閾値検出が行われる。検出により発生するコンパレ
ート信号は、コンデンサC,抵抗Rや遅延線等で構成さ
れた遅延回路9−2に入力される。ここで、Ts0時間
遅延された信号は、ワンショットFF9−3に入力さ
れ、窓信号発生用のコンパレータ9−4のイネーブル信
号として出力される。コンパレータ9−4はこのイネー
ブル信号を受けると、所定の検出閾値で信号の検出を行
い、その結果窓信号を生成する。ワンショットFF9−
3は、次の検出周期までに、リセットされ検出動作に備
える。
【0065】このような構成により窓信号を発生するこ
とで、S0波の影響を排除した状態でA0波を検出する
ことができる。このため、図7(a),(b),(c)
各状態においても、S0の影響なしに、精度の高い検出
が可能となる。
【0066】なお、本実施例においては、閾値は固定で
あるが、当然のことながら、前記第1実施例のように、
複数回の駆動を行い、そのレベルから閾値を決定しても
良い。
【0067】その再、前記第1実施例中では、A0/S
0比をもとにS0波を検出しないレベルに設定していた
が、S0波を確実に検出する値を設定することで、前記
第2実施例の効果が高まることになる。
【0068】
【第3実施例】第2実施例中では、A0波検出の閾値を
固定して決定していたが この値をS0波レベルを基に
設定することで、図7(c)のように2つの波が分離し
ているような場合に、波と波の間での誤動作を防止する
と共に、レベル低下によらず、反射等の影響を受けにく
い波の先頭部での検出が可能となる。
【0069】図10(A)と(B)とにそれぞれ検出波
形と窓信号を生成する回路とを示す。
【0070】検出信号波形に対して予めS0検出が可能
なレベルに閾値を設け、まずコンパレータ11−2でS
0波を検出する。このコンパレート出力が、遅延回路・
ワンショットFF11−3を介して、窓信号発生用コン
パレータ11−5にイネーブル信号として入力される。
コンパレータ11−5の閾値Vthは、検出信号波形を
ピークホールド11−4で保持することで作られ、信号
11−1のように実際の信号変化から遅れて変化する。
この、S0レベルを基に決定されたコンパレートレベル
によって、検出信号波形をコンパレート検出すること
で、信号のレベル変動に関わらずA0波の波の先頭部分
の検出が可能になる。更に、S0からA0までのコンパ
レートのイネーブル期間で発生したノイズに対しても、
強い構成となり、安定な検出が可能となる。
【0071】尚、上記各実施例中では、エンベロープ信
号波形について説明がなされているがこれに限る必要は
なく、Tp検出等における窓信号としては、帯域通過フ
ィルタ通過後の信号、あるいはフィルタを通過していな
い信号に対しても上記実施例のような構成は有効であ
る。
【0072】本発明は複数の機器から構成されるシステ
ムに適用してもよいし,1つの機器から装置に適用して
も良いし,システムあるいは装置にプログラムを供給す
ることによって達成される場合にも適用できることは言
うまでもない。
【0073】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る座標
入力装置は、不要な信号の検出を防止し、安定で高精度
な座標入力が可能であるという効果を奏する。
【0074】
【図面の簡単な説明】
【図1】検出信号処理の説明図である。
【図2】座標入力装置全体構成図である。
【図3】実施例における演算制御回路の内部構成図であ
る。
【図4】信号検出回路の構成図である。
【図5】信号検出回路のブロック図である。
【図6】座標系入力装置の座標系を示す図である。
【図7】検出信号の関係図である。
【図8】検出振動タイムチャートである。
【図9】信号処理のブロック図である。
【図10】閾値決定のタイムチャートと回路構成ブロッ
ク図である。
【図11】従来例の構成例の図である。
【図12】板波S0モード、A0モードの説明図であ
る。
【図13】信号処理のタイムチャートである。
【符号の説明】 1 演算制御回路 2 振動子駆動回路 3 振動入力ペン 4 振動子 5 ペン先 6a〜6d 振動センサ 7 防振材 8 振動伝達板 9 信号波形検出回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 克行 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 時岡 正樹 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 佐藤 肇 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−236319(JP,A) 特開 平5−19946(JP,A) 特開 昭61−260321(JP,A) 特開 昭63−296123(JP,A) 特開 昭61−168033(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06F 3/03 - 3/037

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動伝達部材に入力された振動を検出し
    て振動入力位置を算出し、算出された位置の座標を入力
    座標とする座標入力装置であって、 振動を入力する入力手段と、 前記振動伝達部材に伝達される振動を検出して、信号と
    して出力する検出手段と、 前記検出手段により出力される信号に基づき、信号のピ
    ークに対して所定率の値を第1の基準として前記信号
    と比較する比較手段と、 該比較手段による比較の結果、前記信号が前記第1の
    を上回るタイミングから所定時間遅延したタイミン
    グ信号を発生する遅延手段と、 前記タイミング信号の発生後に、第2の基準値と前記信
    号とを比較し、前記第2の基準値を上回る 期間において
    振動が到達したタイミングを計測して振動の到達時間を
    測定する測定手段と、 該測定手段により測定された時間に基づいて、前記入力
    手段により振動の入力された点の座標を算出する算出手
    段とを備えることを特徴とする座標入力装置。
  2. 【請求項2】 前記所定率は、前記振動伝達部材を伝達
    する対波と非対称波の2つの振動の振幅の比に基づい
    て決定することを特徴とする請求項1記載の座標入力装
    置。
  3. 【請求項3】 前記遅延させる所定時間は、前記振動伝
    達部材を伝達する対波と非対称波の2つの振動のう
    ち、一方の振動が減衰する迄の時間に基づいて決定する
    ことを特徴とする請求項記載の座標入力装置。
  4. 【請求項4】 振動伝達部材に入力された振動を検出し
    て振動入力位置を算出し、算出された位置の座標を入力
    座標とする座標入力装置であって、 振動を入力する入力手段と、 前記振動伝達部材に伝達される振動を検出して、信号と
    して出力する検出手段と、 前記検出手段により出力される信号に基づき、信号のピ
    ークを検出するピーク検出手段と、 前記ピーク検出手段によりピークを検出したタイミング
    から所定時間遅延したタイミング信号を発生する遅延手
    段と、 前記遅延手段で遅延したタイミング以降に、前記ピーク
    検出手段により検出した信号のピークを基準として、前
    記検出手段により出力される信号と比較する比較手段
    と、 該比較手段による比較の結果、前記信号が前記基準を上
    回る期間を、振動が到達したタイミングを計測する期間
    として、振動の到達時間を測定する測定手段と、 該測定手段により測定された時間に基づいて、前記入力
    手段により振動の入力された点の座標を算出する算出手
    段とを備えることを特徴とする座標入力装置。
JP00260694A 1994-01-14 1994-01-14 座標入力装置 Expired - Fee Related JP3428712B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP00260694A JP3428712B2 (ja) 1994-01-14 1994-01-14 座標入力装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP00260694A JP3428712B2 (ja) 1994-01-14 1994-01-14 座標入力装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07210302A JPH07210302A (ja) 1995-08-11
JP3428712B2 true JP3428712B2 (ja) 2003-07-22

Family

ID=11534062

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP00260694A Expired - Fee Related JP3428712B2 (ja) 1994-01-14 1994-01-14 座標入力装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3428712B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5141380B2 (ja) * 2008-05-30 2013-02-13 ぺんてる株式会社 手書き筆跡入力システム
JP5120128B2 (ja) * 2008-07-31 2013-01-16 ぺんてる株式会社 手書き筆跡入力システム

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07210302A (ja) 1995-08-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH012124A (ja) 座標入力装置
JP3320138B2 (ja) 座標入力装置及び方法
JPH0614310B2 (ja) 座標入力装置
JPH08286817A (ja) 座標入力装置
JP3167801B2 (ja) 座標入力装置及びその方法
JP3255980B2 (ja) 座標入力装置及びその方法
JPH0844485A (ja) 座標入力装置
JP3428712B2 (ja) 座標入力装置
JP3113699B2 (ja) 座標入力装置
JP2523832B2 (ja) 座標入力装置
JP3167804B2 (ja) 計時装置及びそれを利用する座標入力装置
JPH0560615B2 (ja)
JP3059563B2 (ja) 座標入力装置及び方法
JP3397423B2 (ja) 座標入力装置及び方法
JP2655704B2 (ja) 座標入力装置における有効領域決定方法
JPH05189130A (ja) 座標入力装置
JPH0616255B2 (ja) 座標入力装置
JP2612055B2 (ja) 座標入力装置
JPH02130617A (ja) 座標入力装置
JP3122509B2 (ja) 座標入力装置及び方法
JP3274184B2 (ja) 座標入力装置
JPS63136125A (ja) 座標入力装置
JPH07210304A (ja) 座標入力装置
JP3166989B2 (ja) 座標入力装置および方法
JPH0973359A (ja) 座標入力装置及びその方法

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20030411

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090516

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100516

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees