JPH05189130A - 座標入力装置 - Google Patents

座標入力装置

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JPH05189130A
JPH05189130A JP362492A JP362492A JPH05189130A JP H05189130 A JPH05189130 A JP H05189130A JP 362492 A JP362492 A JP 362492A JP 362492 A JP362492 A JP 362492A JP H05189130 A JPH05189130 A JP H05189130A
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vibration
signal
sensor
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coordinate
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JP362492A
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English (en)
Inventor
Masaki Tokioka
正樹 時岡
Kiyoshi Kaneko
潔 兼子
Yuichiro Yoshimura
雄一郎 吉村
Katsuyuki Kobayashi
克行 小林
Atsushi Tanaka
淳 田中
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Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 精度の高い座標入力装置を提供する。 【構成】 振動伝達板8に振動ペン3によって振動を与
えると、伝達板8を伝わって振動センサ6a〜6dで検
出される。検出された振動は信号波形検出回路9で処理
され、群遅延時間の信号tgが演算制御回路1に、位相
信号が周波数判定回路10に入力される。周波数判定回
路は入力された位相信号から所定周波数の振動成分を判
別し、その成分についての位相遅延時間の信号tpを演
算制御回路1に入力する。演算制御回路1はtg及びt
pに基づいて各センサから振動ペン3の位置までの距離
を算出し、それから座標入力面たる振動伝達板8上での
振動ペン3の位置を求め、出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば弾性振動の伝達
遅延時間を利用して振動源の位置を特定し、座標入力を
行わせる座標入力装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より超音波振動を利用した座標入力
装置があった。かかる座標入力装置は、振動入力ペンか
ら振動伝達板であるタブレツトに伝達される超音波振動
を伝達板上のセンサで検出し、その伝達遅延時間に基づ
いて座標位置を算出する。特に、振動伝達板の板圧縮よ
りもその板上を伝播する弾性波の波長が大きくなると、
群速度と位相速度とが異なる2つの速度をもつ板波が伝
播し、この板波を利用した座標入力装置が良く知られて
いる。板波を利用した座標入力装置に於いては、検出さ
れた波形の振幅が一定以上となった後の波形のゼロクロ
ス点を位相遅延時間の検出点とし、また検出された波形
の包絡線のピークあるいは変曲点を群遅延時間の検出点
とする。これら検出点における群遅延時間及び位相遅延
時間を用いて、あるいは位相遅延時間のみを用いてセン
サから振動源までの距離を高精度に算出する構成となっ
ていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来の座標入力装置には次のような欠点があった。すな
わち、利用している板波は、位相速度及び群速度いずれ
もが波の周波数によって異なる値を持つという特徴を持
ち(分散性と呼ばれている)、そのためにセンサにより
検出される波形が振動ペンとセンサ間の距離によって異
なってしまう。これはすなわち、振動ペンとセンサ間距
離が遠ざかれば遠ざかるほど、伝播する波のうち周波数
のより高い成分とより低い成分とが各々センサへ到達す
る時間の差が広がってしまうためである。板波の非対称
モードの場合では、周波数が高いほど速度は速くなる傾
向にあるためセンサに速く到達し、低い成分ほど遅く到
達する。これを時間軸上の検出波形でみてみると、距離
が長くなるほど高い周波数成分が時間軸上でより前(早
い)にきて、低いものがより後(遅い)に現れる。単一
の周波数の波のみを伝播させればこの現象は生じない
が、現実には技術的に困難である。
【0004】このために、検出波形より遅延時間を取り
出す特定点が検出波形のピーク近傍であるならば常に一
定の周波数の波(波形全体の周波数成分の平均値)の情
報が得られるが、特定点がピークから離れれば離れるほ
ど特定点での波の周波数は、振動ペンとセンサ間との距
離に応じて激しく変化することになる。検出する波の周
波数が変化すると座標入力装置の座標検出精度が低下す
る。
【0005】実は検出波形の上での遅延時間算出のため
の特定点の位置は、ピークに対して時間軸上で前方であ
るほうが望ましい。というのは、特定点よりも前に通過
した波が振動伝達板の端面あるいは周辺の防振材のエッ
ジより反射してきて直接波による検出信号波形と重畳
し、遅延時間を計測するための検出信号波形が歪む恐れ
が生じるためである。この反射波の問題を考慮すると、
検出する際には特定点は反射波が重畳しない先頭付近が
望ましく、前述した板波の分散性の問題を考慮すると特
定点は検出波形のピーク近傍が望ましいという相反する
2つの要請がある。これらは、そのどちらを満たしても
入力点の座標位置を検出する精度を低下させてしまうと
いう問題が存在している。
【0006】本発明は上記従来例に鑑みてなされたもの
で、入力された座標位置を高い精度での算出できる座標
入力装置を提供する事を目的とする。
【0007】
【問題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の座標入力装置は次のような構成から成る。超
音波を伝播する座標入力面に複数の振動センサを配設
し、超音波を発生する座標指示具と前記センサのそれぞ
れとの距離を超音波振動の到達時間から計測し、前記座
標指示具による前記座標入力面での指示点を座標値とし
て演算出力する座標入力装置であって、前記センサで検
出する超音波振動から所定の周波数を判別する判別手段
と、前記判別された周波数の振動について前記到達時間
を計測する手段とを備える事を特徴とする。
【0008】
【作用】上記構成により、座標指示具で発生された超音
波振動は振動センサで検出するが、前記指示具で発生さ
れてから前記センサで検出されるまでの振動伝達時間は
検出した振動のうち所定の周波数の振動成分について計
測し、前記指示具で指示された座標位置を出力する。
【0009】
【実施例】
<全体の構成>図1は本実施例に於ける座標入力装置の
構造を示している。図中、1は装置全体を制御すると共
に、座標位置を算出する演算制御回路である。2は振動
子駆動回路であって、振動ペン3内のペン先を振動させ
るものである。8はアクリルやガラス板等の透明部材か
らなる振動伝達板であり、振動ペン3による座標入力は
この振動伝達板8上をタッチすることで行う。つまり、
振動伝達板8内に実線の長方形で示す符号Aの領域(以
下、有効エリアと呼ぶ)を振動ペン3で指定する事で、
振動ペン3で発生した振動が振動伝達板8に入射され、
入射されたこの振動を計測し処理することで振動ペン3
の位置座標を算出することができるようにしたものであ
る。
【0010】伝播してきた波が振動伝達板8の端面で反
射し、その反射波が中央部に戻るのを減少あるいは防止
するために、振動伝達板8の外周には防振材7が設けら
れ、図1に示すように防振材の内側近傍に機械的振動を
電気信号に変換する圧電素子等の振動センサ6a〜6d
が固定されている。しかし、防振材7により反射波は減
少するものの完全にはなくならず、さらに防振材7のセ
ンサ6側のエッジで微弱ながら新たな反射波が発生す
る。
【0011】9は各振動センサ6a〜6dで検出した振
動の信号を処理し、群遅延時間に相当するtg信号を演
算制御回路1に、さらにTp信号を周波数判定回路10
に出力する信号波形検出回路である。周波数判定回路1
0は入力されたTp信号の周波数を判定し、あらかじめ
定めた周波数に対応する検出波形のゼロクロスから位相
遅延時間に相当するtp信号を作り出し演算制御回路1
に出力する。
【0012】12は液晶表示器等のドット単位の表示が
可能なディスプレイであり、振動伝達板の背後に配置し
ている。そしてディスプレイ駆動回路11の駆動により
振動ペン3によりなぞられた位置にドットを表示し、オ
ペレータはそれを透明部材からなる振動伝達板8を透し
て見る事が可能になっている。
【0013】図2は振動ペン3を拡大した図である。振
動ペン3に内蔵された振動子4は、振動子駆動回路2に
よって駆動される。振動子4の駆動信号は演算制御回路
1から低レベルのパルス信号として供給され、振動子駆
動回路2によって所定のゲインで増幅された後、振動子
4に印加される。電気的な駆動信号は振動子4によって
機械的な振動に変換され、ペン先5を介して振動伝達板
8に伝達される。振動子4の振動周波数はガラスなどの
振動伝達板8に板波を発生する事が出来る値に選択され
る。また、振動子駆動の際、振動伝達板8に対して図2
の垂直方向に振動するモードが選択される。また、振動
子4の振動周波数をペン先5を含んだ共振周波数とする
事で効率のよう振動変換が可能である。上記のようにし
て振動伝達板8に伝えられる弾性波は板波であり、表面
波などに比して振動伝達板の表面の傷や障害物等の影響
を受けにくいという利点を有する。
【0014】<演算制御回路の説明>上述した構成に於
いて、演算制御回路1は所定周期毎(例えば5ms毎)
に振動子駆動回路2を介して振動ペン3内に振動子4を
駆動させる信号を出力すると共に、その内部タイマ(カ
ウンタで構成されている)による計時を開始させる。そ
して、振動ペン3より発生した振動は振動伝達板8上を
伝播し、振動センサ6a〜6d迄の距離に応じて遅延し
て到達する。
【0015】信号波形検出回路9と周波数判定回路10
は各振動センサ6a〜6dからの信号を検出して、後述
する波形検出処理により各振動センサへの振動到達タイ
ミングを示す信号を生成する。各センサ毎のこの信号は
演算制御回路1に入力され、振動ペンから各振動センサ
6a〜6dまでの振動到達時間が検出され、そして振動
ペンの座標位置が算出される。また演算制御回路1は、
算出された振動ペン3の位置情報を基にディスプレイ駆
動回路11を駆動してディスプレイ12による表示を制
御したり、あるいはシリアル/パラレル通信によって外
部機器に座標出力を行なう(不図示)。
【0016】図3は実施例の演算制御回路1の概略構成
を示すブロック図で、各構成要素及びその動作概略を以
下に説明する。
【0017】図中、31は演算制御回路1及び本座標入
力装置全体を制御するマイクロコンピュータであり、処
理手順を記憶したROMや計算等に使用するRAM、定
数等を記憶する不揮発性メモリ、内部カウンタ等によっ
て構成されている。33は不図示の基準クロックを計時
するタイマ(例えばカウンタなどにより構成されてい
る)であって、振動子駆動回路2に振動ペン3内の振動
子4の駆動を開始させるためのスタート信号を入力する
と、計時を開始する。これによって計時開始とセンサに
よる振動検出の同期がとられ、振動入力してからセンサ
6a〜センサ6dにより振動が検出されるまでの遅延時
間が測定できることになる。
【0018】各振動センサ6a〜6dで捕らえた振動を
基に信号波形検出回路9より出力される振動伝達タイミ
ング信号は、検出信号入力ポート35を介してラッチ回
路34a〜34dに入力される。ラッチ回路34a〜3
4dはそれぞれ振動センサ6a〜6dに対応しており、
対応するセンサよりのタイミング信号を受信すると、そ
の時のタイマ33の計時値をラッチする。
【0019】こうして全ての検出信号の受信がなされた
ことを判定回路36が判定すると、マイクロコンピュー
タ31にその旨の信号を出力する。マイクロコンピュー
タ31がこの判定回路36からの信号を受信すると、各
振動センサまでの振動到達時間をラッチ回路34a〜3
4dから読み取り、所定の計算を行なって振動伝達板8
上の振動ペン3の座標位置を算出する。
【0020】そして、I/Oポート37を介してディス
プレイ駆動回路11に算出した座標位置情報を出力する
ことにより、例えばディスプレイ12の対応する位置に
ドット等を表示することができる。あるいはI/Oポー
ト37を介しインターフェース回路に、座標位置情報を
出力することによって、外部機器に座標値を出力するこ
とができる。
【0021】<振動伝達時間検出の説明(図4・図5)
>以下、振動センサ3までの振動到達時間を計測する原
理に付いて説明する。
【0022】図4は信号波形検出回路9に入力される検
出波形と、それに基づく振動伝達時間の計測処理を説明
するための図である。尚、以下では振動センサ6aにつ
いて説明するが、他の振動センサ6b・6c・6dにつ
いても全く同じである。
【0023】振動センサ6aへの振動伝達時間の計測
は、振動子駆動回路2への駆動スタート信号の出力と同
時に開始することは既に説明した。この時、振動子駆動
回路2から振動子4へは駆動信号41が印加されてい
る。この信号41によって振動ペン3から振動伝達板8
に伝達された超音波振動は、振動センサ6aまでの距離
に応じた時間tgをかけて進行した後、振動センサ6a
で検出される。
【0024】図示の42で示す信号は振動センサ6aが
検出した信号波形を示している。この実施例で用いられ
ている振動は板波であるため群速度と位相速度の2つの
速度を持つ。そのために検出波形のエンベロープ421
と位相422の関係は振動伝達中にその伝達距離に応じ
て変化する。ここでエンベロープ421の進む速度、即
ち群速度をVg、そして位相422の位相速度をVpと
する。この群速度Vg及び位相速度Vpから振動ペン3
と振動センサ6aとの距離を検出することができる。
【0025】まず、エンベロープ421にのみ着目する
とその速度はVgであり、ある特定の波形上の点、例え
ばピークや、エンベロープを微分処理した信号423の
ピークを検出する信号43のように、エンベロープの変
曲点を検出し、それを波形検出の特定点としてその点ま
での振動伝達時間tgすると、振動ペン3と振動センサ
6aとの距離dは、 d=Vg・tg …(1) で与えられる。この式は振動センサ6aに関するもので
あり、同じ式により他の3つの振動センサ6b〜6dと
振動ペン3の距離にして表すことができる。
【0026】更に、より高精度な座標決定をするため
に、位相信号の検出に基づく処理を行なう。位相波形信
号422の特定の検出点(特定点)、例えば振動印加か
ら所定の信号レベル46に達した後の検出波形のゼロク
ロス点を表す信号をTp45(信号47に対し所定幅の
窓信号44を生成し、位相信号422と比較することで
得る)とする。さらに、ゼロクロス信号Tp45の中の
ひとつの立ち下がりエッジ(信号422のゼロクロス
点)迄の遅延時間をtpとすれば、振動センサと振動ペ
ンの距離は、 d=n・λp+Vp・tp …(2) となる。ここでλpは弾性波の波長、nは整数である。
【0027】前記式(1)と式(2)とから上記の整数
nは、 n=int[(Vg・tg−Vp・tp)/λp+1/N] …(3) と表される。
【0028】ここで、Nは0以外の実数であり、適当な
値を用いる。例えば、N=2とすれば±1/2波長以内
のtg等の変動であれば、nを決定することができる。
また、“int[x]”はxの整数部を値とする関数で
ある。
【0029】上記のようにしてもとめたnを式(2)に
代入することで、振動ペン3及び振動センサ6a間の距
離を精度良く測定することができる。上述した振動伝達
時間tg測定のための信号43の生成は信号波形検出回
路9により行なわれるが、この信号波形検出回路9は図
5に示すように構成される。図4の信号Tpからもうひ
とつの振動伝達遅延時間tpを得る算出原理と回路構成
についてはその後に説明する。
【0030】図5は実施例の信号波形検出回路9の構成
を示すブロック図である。図5において、振動センサ6
aの出力信号は前置増幅回路51により所定のレベルま
で増幅される。増幅された信号は、帯域通過フィルタ5
11により検出信号の余分な周波数成分が除かれ、例え
ば絶対値回路及び低域通過フィルタ等により構成される
エンベロープ検出回路52に入力され、検出信号のエン
ベロープのみが取り出される。エンベロープの変曲点の
タイミングは、エンベロープ変曲点検出回路53によっ
て検出される。変曲点検出回路53の出力から、モノマ
ルチバイブレータ等で構成されたtg信号検出回路54
によって所定波形のエンベロープ遅延時間検出信号tg
(図4信号43)が形成され、演算制御回路1に入力さ
れる。
【0031】一方、55は信号検出回路であり、エンベ
ロープ検出回路52で検出されたエンベロープ信号42
1中の所定レベルの閾値信号46を越える部分のパルス
信号47を形成する。56は単安定マルチバイブレータ
であり、パルス信号47の最初の立ち上がりでトリガさ
れた所定時間幅のゲート信号44を開く。57はTpコ
ンパレータであり、ゲート信号44の開いている間の位
相信号422のゼロクロス点を検出し、ゼロクロス信号
Tpが周波数判定回路10に供給されることになる。
【0032】次にゼロクロス信号Tpより位相遅延時間
tpを算出する原理について説明する。図4で示したゼ
ロクロス信号Tpの複数のパルス幅は厳密にはそれぞれ
異なる。というのは、先にも説明したが板波の持つ分散
性という特徴のため、周波数によって振動の伝播速度が
異なるためである。非対称モードの板波の場合、周波数
の高いものほど速度が速く、検出波形の先頭部分は伝播
してきた板波のうち周波数のより高い成分が多く含まれ
る。対称モードの場合は、その逆で周波数の低いものほ
ど速度が速く、先頭部分には周波数のより低い成分が多
く含まれる。よって図4で示した所定レベルの閾値信号
46によりゼロクロス信号Tp検出の特定点を指定した
場合、振動ペン3とセンサ6との距離によって特定点近
傍の検出波形の中の周波数成分が変化することになる。
前述した距離算出の原理では検出する波の2つの速度が
常に一定であること、すなわちVpとVgが定数である
ことが条件であるが、検出する波の周波数が変動すると
その条件が崩れ、座標位置検出精度が低下することにな
る。確かに、検出波形のピーク近傍で伝達遅延時間を算
出すれば、板波の周波数成分の平均値に対応する伝達遅
延時間が得られるが、本実施例の装置では反射波の影響
を受け難くするため検出波形の先頭部分で算出を行う。
この場合、周波数も変動しないようにしなければならな
い。
【0033】非対称モードを利用した場合について説明
を続けると、具体的には図4でのゼロクロス信号Tpの
パルスの幅は、時間的に前のパルスほどパルス幅が短く
(高い周波数成分が多く含まれる)、後ろのパルスほど
パルス幅は長くなる。すなわち、図4において、λ1
λ2 <λ3 <λ4 となる。一定の周波数成分の情報を取
り出すためには、あらかじめ定めたパルス幅のゼロクロ
ス信号を検出すればよいのは明らかである。しかし、パ
ルス幅をデータとして取り込み、それをコンピュータな
どで演算処理するなどして周波数を判定していたのでは
データ処理に時間がかかりすぎ、全体の座標位置算出の
サンプリングレートが遅くなってしまう。そこで、パル
ス幅の変化の仕方が一様なことに着目し(増加傾向)、
基準のパルス幅をあらかじめ定めておいて、その幅をゼ
ロクロス信号Tpのパルス幅が越えたときに位相遅延時
間を算出する構成とした。
【0034】図6で周波数判定回路10によって行われ
る、ゼロクロス信号Tp45から位相遅延時間tpを算
出する波形処理の原理を説明する。ゼロクロス信号Tp
45の各立ち下がりのタイミングからあらかじめ定めた
パルス幅の信号を作り(信号511・512・513・
514)、ゼロクロス信号Tp45と比較し、Tp45
のパルス幅が長くなった位置のみ判定信号52を出力す
る。図6ではひとつのパルスしか判定信号52に現れな
いが複数現れても良い。判定信号の最初の立ち下がりま
での遅延時間を位相遅延時間tpとする。
【0035】図7は周波数判定回路10の構成を示すブ
ロック図である。信号波形検出回路9からのゼロクロス
信号Tp45が入力されたカウンタ81は各ゼロクロス
点のタイミングを、複数の単安定マルチバイブレータ8
2a〜82dにそれぞれ出力する。単安定マルチバイブ
レータ82a〜82dはあらかじめ定めたパルス幅のパ
ルス(信号511〜514)をカウンタからのタイミン
グにあわせてパルス幅比較回路83a〜83dに出力す
る。JKフリップフロップ等で構成されたパルス幅比較
回路83a〜83dはゼロクロス信号Tp45とバイブ
レータ82とから入力されたパルスの幅を比較し、Tp
信号45が長い時間だけパルスを出力する。パルス幅比
較回路83a〜83dの出力をOR回路84でOR処理
を行った後の判定信号(信号52)の最初の立ち下がり
までの遅延時間をtp信号検出回路85によって検出
し、検出したtp信号を演算制御回路1に出力する。
【0036】尚、以上説明した回路は振動センサ6aに
対するものであり、他の振動センサにも同じ回路が設け
られている。また、板波の非対称モードについて説明を
行ったが、対称モードでも同様に構成が可能である。対
称モードは周波数が低くなるにつれ速度が速くなるの
で、Tp信号45の各パルス幅は徐々に短くなる傾向に
ある。よって、パルス幅比較回路83の比較基準を逆に
するだけで良い。Tp信号45とバイブレータ82とか
ら送られたパルスのパルス幅を比較しTp信号45が短
い時間だけパルスを出力するのである。
【0037】また、実施例では、Tp信号45の立ち下
がり点毎に参照パルスを作っていたが、立ち上がり点
毎、または立ち上がり点と立ち下がり点両方から作って
も良い。さらに、参照パルスは4個でなくとも複数以上
であれば効果がある。
【0038】<遅延時間補正の説明>前記ラッチ回路3
4(図3)によってラッチされた振動伝達時間は、厳密
には前述のホーン5中を音波が進む時間や、センサで出
力された信号を回路で処理する時間等を含んでいる。そ
こで、振動が振動伝達板8上を伝播する時間以外の遅延
時間を固有遅延時間etと定義する。また基準となる点
における群遅延時間と位相遅延時間との差を位相オフセ
ット時間toffと定義する。これらにより生じる誤差
は、振動が振動ペン3から振動伝達板8へ、更に振動セ
ンサ6a〜6dへと伝わる際に必ず同じ量が含まれる。
そこで、例えば図8の原点Oの位置を前述の基準点と
し、振動センサ6aまでの距離をR1=(X/2)とし
た場合に原点Oにて振動ペン3で入力を行なうとする。
実測された原点Oからセンサ6aまでの実測の群遅延時
間及び位相遅延時間をそれぞれtgz′及びtpz′と
し、また原点Oからセンサまでの真の伝達時間をtg
z,tpzとすれば、これらは固有遅延時間etおよび
位相オフセットtoffに関して、 tgz'=tgz+et …(4) tpz'=tpz+et+toff …(5) の関係がある。
【0039】一方、任意の入力点P点での遅延時間の実
測値tg′・tp′は、真の値をtg・tpとすれば同
様に、 tg'=tg+et …(6) tp'=tp+et+toff …(7) となる。この式(4)と(6)、式(5)と(7)それ
ぞれの差を求めると、 tg'-tgz'=(tg+et)-(tgz+et)=tg-tgz …(8) tp'-tpz'=(tp+et+toff)-(tpz+et+toff)=tp-tpz …(9) となり、各伝達時間に含まれる固有遅延時間etおよび
位相オフセットtoffが除去される。すなわち、セン
サ6aの位置を起点として、原点Oの位置と入力点Pの
位置の真の伝達遅延時間の差を求めることができ、前記
(2)・(3)式を用いればその距離差を求めることが
できる。振動センサ6aから原点Oまでの距離をあらか
じめ不揮発性メモリ等に記憶しておけば、振動ペン3と
振動センサ6aとの距離を決定できる。他のセンサ6b
〜6dについても同様に求めることができる。上記、原
点Oにおける実測値tgz’及びtpz’はあらかじめ
不揮発性メモリに記憶され、(2)・(3)式の計算の
前に(8)・(9)式が実行され精度の高い測定ができ
る。
【0040】<座標位置算出の説明(図8)>次に実際
に振動ペン3による振動伝達板8上の座標位置検出の原
理を説明する。今、振動伝達板8上の4辺の中点近傍に
4つの振動センサ6a〜6dを符号S1〜S4の位置に
設けると、先に説明した原理に基づいて、振動ペン3の
位置Pから各々の振動センサ6a〜6dの位置までの直
線距離da〜ddを求めることができる。更に演算制御
回路1で、この直線距離da〜ddに基づき、振動ペン
3の位置Pの座標(x,y)を3平方の定理から次式の
ようにして求めることができる。
【0041】 x=(da+db)・(da−db)/2X …(10) y=(dc+dd)・(dc−dd)/2Y …(11) ここで、X,Yはそれぞれ振動センサ6a,6b間の距
離、振動センサ6c,6d間の距離である。
【0042】以上のようにして振動ペン3の位置座標を
リアルタイムで検出することができる。このように、検
出した振動のゼロクロス点の間隔があらかじめ定めた間
隔となった時までを位相遅延時間とすることで、センサ
と振動源との距離に関係なく、常に一定な周波数の板波
の遅延時間を算出することが可能となり、より高精度な
座標位置が得られる。また、特に端面や防振材のエッジ
からの反射波が直接波に重畳しないよう直接波の先頭に
近い部分で遅延時間を算出しても安定な信号が得られる
ことから、振動伝達板ひいては装置形状をコンパクトに
することができる。
【0043】尚、本発明は、複数の機器から構成される
システムに適用しても、1つの機器から成る装置に適用
しても良い。また、本発明はシステム或は装置にプログ
ラムを供給することによって達成される場合にも適用で
きることは言うまでもない。
【0044】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明に係る座標入
力装置は入力された座標位置の算出精度を向上させるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】座標入力装置の概略説明図である。
【図2】振動ペンの概略説明図である。
【図3】演算制御回路の構成を示すブロック図である。
【図4】信号波形検出回路の信号処理のタイミングチャ
ートである。
【図5】信号波形検出回路の構成を示すブロック図であ
る。
【図6】周波数判定回路の信号処理のタイミングチャー
トである。
【図7】周波数判定回路の構成を示すブロック図であ
る。
【図8】座標位置算出のための説明図である。
【符号の説明】
1 演算制御回路、 3 振動ペン、 6 振動センサ、 8 振動伝達板、 9 信号波形検出回路、 10 周波数判定回路である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 克行 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 田中 淳 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動を伝播する座標入力面に複数の振動
    センサを配設し、振動を発生する座標指示具と前記セン
    サのそれぞれとの距離を振動の到達時間から計測し、前
    記座標指示具による前記座標入力面での指示点を座標値
    として演算出力する座標入力装置であって、 前記センサで検出する振動から所定の周波数を判別する
    判別手段と、 前記判別された周波数の振動について前記到達時間を計
    測する手段と、 を備える事を特徴とする座標入力装置。
  2. 【請求項2】 前記判別手段は、前記センサで検出した
    振動の振幅が所定の値を越えた事を判定する手段と、 前記振動の振幅が所定地を越えたと判定された後、前記
    振動のゼロクロス点をエッジとする矩形信号を発生する
    手段と、 前記所定周波数に応じた幅の矩形パルス信号を発生する
    手段とを備え、 前記矩形信号の各パルス幅を前記矩形パルス信号の幅と
    順次比較して前記所定周波数を判別する事を特徴とする
    請求項1項記載の座標入力装置。
  3. 【請求項3】 前記所定の周波数は、前記センサで受信
    する振動の波形の前端付近に現れる様に選ばれる事を特
    徴とする請求項1記載の座標入力装置。
JP362492A 1992-01-13 1992-01-13 座標入力装置 Withdrawn JPH05189130A (ja)

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