JP3424730B2 - シリンドリカルレンズの保持構造 - Google Patents

シリンドリカルレンズの保持構造

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真プリンタ
などにおいて像担持体上を主走査する光ビームの副走査
方向のうねりを補正するシリンドリカルレンズの保持構
造に関する。
【0002】電子写真プリンタなどの光学ユニットにお
いて、図10に示すように、レーザ光源100からコリ
メートレンズ101、ビームコムプレッサ102を介し
回転多面鏡103から反射され、エフシータレンズ10
4、シリンドリカルレンズ105を介して像担持体(感
光ドラム)106の軸方向に走査される主走査方向のレ
ーザビームは、シリンドリカルレンズ(以下レンズと略
記する)に反りがあると主走査方向に対し垂直方向(副
走査方向)のうねりを生じる。
【0003】このレンズは、製造コスト低減の観点から
光学ガラス製より光学プラスチック製のものが多く使わ
れているが、細長いため成形後に変形(長手方向の反
り)し易く、その反りをレンズ保持部材に取付けた状態
で容易に矯正できてうねりを補正することが要望されて
いる。
【0004】
【従来の技術】図4の上面図、図5の側面図、図6の下
面図に示すように、従来のレンズの保持構造は、光学ユ
ニットのフレーム(図示略)に取付けられた左右に独立
した支持具11でレンズ10を保持している。
【0005】レンズ10は、図7乃至図8に示すよう
に、細長い透明な平板を湾曲させた円弧形レンズ10a
と、これを四囲する側枠10b,10c,10d,10
eとを一体に成形して構成される。
【0006】支持具11は、左右共に同じ形状で、直角
L形金具11aと保持ばね板11bとで構成されてい
る。直角L形金具11aは、光学ユニットの取付部(図
示略)に互いに対向して取付けられ、左右の保持ばね板
11bはそれぞれの直角L形金具11aにねじ止めされ
ている。
【0007】レンズ10は、長手方向の一方の側枠10
bを突き当て部11a−1に突き当て、保持ばね板11
bのばね性を有する爪片11b−1でレンズ10の他方
の側枠10cを側方から押し付け、両端の側枠10d,
10eを上から押さえ付けることにより、レンズ10を
保持している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな上記保持構造によれば、レンズは材料や成形条件な
どのばらつきがあると、図4に2点鎖線で示すように、
成形後に40乃至60μmの一方向の反りが生じる。こ
の反りは、実用上は20μm以内に抑えて直線性を出す
必要がある。しかし、レンズを保持する支持具が左右に
独立しているため、支持具によってレンズの反りを矯正
できないといった問題があった。
【0009】上記問題点に鑑み、本発明は成形後のレン
ズの反りを強制的に矯正できるレンズの保持構造を提供
することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のレンズの保持構造においては、レンズの反
った側面の両側に設ける突起部と、該突起部と前記レン
ズの反り面との間に形成された隙間に前記反り度合いに
応じ押入深さを加減して押入するスペーサとでなり、前
記レンズの側面または前記スペーサの当接面の少なくと
も片面は、前記スペーサの押入深さの加減により前記レ
ンズへの押圧力を可変するための傾斜面を有して構成す
る。
【0011】このように構成することにより、両側の突
起部の間にレンズを入れて、レンズの側面を一方の突起
部に当接させ、他方(反対側)の突起部とレンズ側面と
の間に形成された隙間にスペーサを押入し、その押入深
さを加減することにより、レンズの側面または突起部の
当接面またはスペーサの当接面の少なくとも片面には傾
斜面が付されているため、スペーサの押入深さによりレ
ンズへの押圧力を自在に可変できてレンズの反りを矯正
することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面に示した実施例に基づ
いて本発明の要旨を詳細に説明する。図1の上面図、図
2の側面図、図3の下面図に示すように、レンズの保持
構造は、保持具1とスペーサ2とで構成し、レンズ10
の反った側面を両側から保持する。
【0013】保持具1は、アルミニウム合金でなり、細
長い連結基体1aの長手方向に沿った両縁端のそれぞれ
に複数の突起部1b、即ち1b−1乃至1b−5を互い
に平行で且つ互い違いに対面して突設する。
【0014】図1乃至図3は片側の突起部1b、即ち1
b−1,1b−2,1b−3を連結基体1aの一方の縁
端にレンズ10の両端位置及び中央位置の3箇所に個々
に設け、両端の突起部1b−1,1b−3だけはかぎ形
にし、レンズ10の両端面を突き当てて長手方向の位置
決めも兼用する。
【0015】そして、連結基体1aの他方の縁端に他方
の突起部1b、即ち1b−4,1b−5を反対側の隣接
する突起部1b−1,1b−2及び1b−2,1b−3
の中間位置、即ち互い違いに千鳥形配置になるように2
箇所を個々に設ける。
【0016】これらの突起部1bは個々に設けるのでな
く連接して当接面だけ突出させてもよい。また、突起部
の数はレンズ10の長さや反りの傾向に応じて適宜に増
やしてもよい。
【0017】連結基体1aは、図示しない光学ユニット
の取付部に従来同様に固定するため、左右両端に直角L
形の取付部1a−1を一体で備え、両突起部1bの間に
入れたレンズ10をばね性を有して押さえる従来と同様
形状の押さえ金具1cを左右取付部1a−1の直近にね
じ止めする。また、連結基体1aはレンズ10の所要範
囲に光を通すために、図3に示す長孔1a−2を穿設す
る。
【0018】スペーサ2は、細長い薄くて均一な厚さの
ステンレス板からなり、保持具1の突起部1bとレンズ
10の側面との間に形成された隙間1gに押入する。レ
ンズ10は、図7及び図8に示したように円弧形レンズ
10aと側枠10b,10c,10d,10eとで構成
され、側枠10b,10cの外面は図9に示すように、
成形用抜き勾配により傾斜面になって上側がすぼんでい
る。
【0019】レンズの組立は、つぎのとおりに行う。
(図1乃至図3参照) 先ず、レンズ10を保持具1の両側突起部1b、即ち1
b−1,1b−2,1b−3と1b−4,1b−5の間
に入れ、一方の突起部1b−1,1b−2,1b−3側
に片寄せする。つぎに、スペーサ2を他方の突起部1b
−4,1b−5とレンズ10との間に形成された隙間1
gに上方から押入する。図1は押入後の状態を示してい
る。
【0020】このスペーサ2の押入は、レンズ10の側
枠10b,10cには成形用抜き勾配が付されて傾斜面
になっているため、隙間1gは入口の方ほど大きくなっ
ている。スペーサ2の厚さをこの入口の隙間1gの幅よ
り僅かに小さくしておくことで、スペーサ2を容易に差
し込むことができる。
【0021】レンズ10の反りに応じてスペーサ2の押
入深さを加減することにより、スペーサ2の厚さを変え
てレンズ10への押圧力を変化できるため、レンズ10
の反りを、保持具1に保持した状態で容易に矯正するこ
とができる。このとき、レンズ10を直接、突き当てた
方の突起部1b−1,1b−2,1b−3の当接面は、
レンズ10の反り矯正の基準面として作用する。
【0022】なお、上記説明の実施例では、スペーサを
細長い1枚の薄板としたが、突起部の長さ程度に分割
し、反りの矯正に必要な部分だけに押入してもよい。何
れにしてもレンズの反った側面を両側から互い違いの3
点で挟持して互いに押圧することで反りを矯正する。
【0023】また、スペーサを押入してレンズへの押圧
力を可変させる傾斜面として、レンズに付された成形用
抜き勾配によって形成された傾斜面を利用しスペーサを
均一な板厚としたが、この傾斜面は突起部の当接面また
はスペーサの片面に形成しても、スペーサの押入深さの
加減によりレンズを保持した状態で同様に反りを矯正で
きることは言うまでもない。
【0024】
【発明の効果】以上、詳述したように本発明によれば、
保持具にレンズを保持した状態でレンズの反りを容易に
矯正できるため、電子写真プリンタなどの光学ユニット
の組立時やその後の保守時の光学的調整を作業性よく行
うことができるといった産業上極めて有用な効果を発揮
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による一実施例の上面図
【図2】 図1の側面図
【図3】 図1の下面図
【図4】 従来技術による上面図
【図5】 図4の側面図
【図6】 図4の下面図
【図7】 レンズ単体の上面図
【図8】 図7の側面図
【図9】 図8のA−A矢視断面図
【図10】 電子写真プリンタにおける光学ユニットの
光学系を示す模式図
【符号の説明】
1:保持具 1a:連結基体 1b,1b−1乃至1b−5:突起部 1c:押さえ金具 1g:隙間 2:スペーサ 10:レンズ(シリンドリカルレンズ)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 26/10 G02B 7/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンドリカルレンズの反った側面の両
    側に設ける突起部と、該突起部と前記シリンドリカルレ
    ンズの反り面との間に形成された隙間に前記反り度合い
    に応じ押入深さを加減して押入するスペーサとでなり、 前記シリンドリカルレンズの側面または前記突起部の当
    接面または前記スペーサの当接面の少なくとも片面は、
    前記スペーサの押入深さの加減により前記シリンドリカ
    ルレンズへの押圧力を可変するための傾斜面を有するこ
    とを特徴とするシリンドリカルレンズの保持構造。
  2. 【請求項2】 前記シリンドリカルレンズの保持構造の
    側面の両側に設ける当接部の当接面は、互い違いに配設
    されていることを特徴とするシリンドリカルレンズの保
    持構造。
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