JP3424256B2 - トラクターの前後進切換装置 - Google Patents
トラクターの前後進切換装置Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、前後進切換装置を有
するトラクター等の動力車両に関するものであり、座席
から運転者が離れた場合の安全性を確保せんとするもの
である。 【0002】 【従来技術及び発明が解決しようとする課題】トラクタ
ー等の動力車両の変速装置を電気的にコントロ−ルする
ものが知られている。この種装置は、主副変速装置を全
て電気的に制御するだけでなく、前後進切換装置も電気
的に制御するように構成している。前後進切換装置は、
2つの油圧クラッチを備え、一方が接続されると機体は
前進し、他方が接続されると後進するように連動構成さ
れている。この前後進切換装置を入り切り操作する操作
レバ−は通常ステアリングハンドルの近傍に設けられて
いるために、エンジンが掛っているときであって運転者
が乗降する際に衣服等がこの操作レバ−に引っ掛ると機
体が思わぬ方向に動きだす恐れがあり、甚だ危険であっ
た。 【0003】 【課題を解決するための手段】この発明は前記問題点に
鑑みて提案するものであり、次のような技術的手段を講
じた。即ち、主変速装置9と副変速装置10と前後進切
換装置11とを備え、ステアリングハンドルの下方に設
けられた前後進切換用のレバー18を前後方向に操作す
ることによって前後進切換装置11を切換え、変速操作
時には前記前後進切換装置11を一旦中立位置に戻して
変速がなされるよう構成したトラクターにおいて、運転
者の着座状態を検出するスイッチ25を座席23に設
け、更に運転者が座席23から離れた時間を測定するタ
イマーを設け、このタイマーによる測定時間が所定時間
を超えている場合には、前後進切換装置11を中立状態
に保持する牽制手段を設け、この牽制手段の牽制解除を
前記前後進切換用レバー18の中立戻し操作によって直
ちに可能とする制御手段を設けたことを特徴とする動力
車両の前後進切換装置とする。 【0004】 【実施例】以下、図面に示す実施例に基づいて、この発
明の実施例を説明する。まず、構成から説明すると、1
はトラクタ−、2は前輪、3は後輪である。トラクタ−
の機体前部にはエンジン4を搭載し、エンジン4の後部
にはメインクラッチ5を収容しているクラッチハウジン
グ6、変速装置を収容しているミッションケ−ス8を連
設している。ミッションケ−ス8内には、4段の変速が
可能な主変速装置9と、同じく4段の変速が可能な副変
速装置10と、機体の進行する向きを変更する前後進切
換装置11が設けられている。 【0005】変速レバ−12の把手部分には速度増減用
のボタン式変速スイッチ14が設けられ、これを操作し
て主変速装置9を1速から4速まで切り換える。変速レ
バ−12は前後及び左右方向の2軸を中心として揺動可
能に構成されており、横方向外側に倒すと、まず変速感
知センサ15がONとなり、この状態を維持しつつ変速
レバ−12を前後方向に揺動させると副変速装置10が
機械的にLL、L、M、Hの4速の範囲で切り換えられ
る。 【0006】主変速装置9、及び副変速装置10は共に
シンクロメッシュ式の変速装置で構成され、前後進切換
装置11のみ油圧クラッチで構成されている。変速を行
なう場合であって、主変速装置9が切り換られるときに
は、まず、前後進切換装置11の油圧クラッチがOFF
に切り換えられ、ついで主変速装置9のシフタ−を操作
するピストンロッド16が油圧によって強制的に軸長手
方向に移動され、シフタ−が所定の変速位置に達すると
再び前後進切換装置11の油圧クラッチが接続される。
一方、副変速装置10が切り換えられるときには、先に
述べたように前後進切換装置11の油圧クラッチが切ら
れ、変速レバ−12を移動させた後、変速感知センサ1
5が変速レバ−12の復帰(変速レバ−12が横方向内
側に倒された状態)を検出すると、前記油圧クラッチが
再び接続されるように構成している。これらの切り換え
は全て電気的に制御される。18は前後進切換用のレバ
−であり、前側に操作すると、前進側スイッチ19がO
Nとなって前後進切換装置11の前進側ソレノイド19
aが励磁され、反対に後側に切換レバ−18を操作する
と、後進側スイッチ20がONとなって後進側ソレノイ
ド20aが励磁されるように構成している。又、座席2
3には運転者が座っているときにONとなるスイッチ2
5を設けている。 【0007】図3は制御装置のブロック図を示すもので
あり、マイコンからなる制御部26には、主変速装置9
切換用のソレノイド27,28,29,30と、前後進
切換装置11切換用のソレノイド19a,20aと、前
後進切換装置11の昇圧制御バルブ32を制御するソレ
ノイド33が接続されている。ソレノイド27と28、
及び29と30は夫々対をなすもので、前者は1速−2
速用の切換バルブ35を制御し、後者は3速−4速用の
切換バルブ37を制御する。 【0008】42は変速位置を表示する変速位置モニタ
ランプである。また、制御部26には、エンジン4の回
転数を検出する回転センサ44、後輪3の回転数を検出
する車輪回転センサ45、前後進切換用レバ−18で入
り切り操作されるスイッチ19,20、主変速装置9及
び副変速装置11のシフタ−の位置を検出する位置セン
サ47,48、及び前記ボタン式の変速スイッチ14、
変速感知センサ15、座席スイッチ25等が接続されて
いる。前記の車輪回転センサ45は、最終減速軸である
後輪駆動軸に直接取り付けても良いが、後輪駆動軸に至
る前の軸に取り付け、後輪3の回転数を間接的に検出す
る構成としても良い。 【0009】図4はトラクタ−1に設けられた油圧機器
類全体の配管構成を示す回路図である。簡単に全体の回
路構成を説明すると、メインポンプ50から送り出され
た作動油は外部油圧取出用のサブコンバルブ56に流入
し、さらに分流弁57を介して一部は水平制御用のバル
ブ58に入り、水平シリンダ59を伸縮制御する。そし
て、分流弁57で分流された残りの作動油は作業機昇降
制御用のバルブ60に流入してメインシリンダ61に送
り込まれ、リフトア−ム62を回動させて作業機を昇降
させるように構成している。 【0010】前記メインポンプ50とは独立しているサ
ブポンプ55には一定圧力の作動油を取り出すための減
圧弁67が接続され、一定の圧力に保たれた作動油を利
用してパワ−ステアリング装置69、前後進切換装置1
1、PTOクラッチ制御装置70、前輪速度制御装置7
2、電子シフト装置74が作動される。PTOクラッチ
制御装置70は、PTOクラッチ76とこれを入切する
バルブ77とで構成され、前輪速度制御装置72は油圧
クラッチ79とバルブ80とで構成される。この前輪速
度制御装置72は図示外のモ−ド切換スイッチや前輪2
の切れ角を検出するセンサと連繋されて、前輪2の速度
を後輪3と略同一にする標準四輪駆動状態、前輪2の周
速を後輪3のそれより増速させる前輪倍速駆動状態、あ
るいは後輪3のスリップ状態に応じて2駆、4駆を自動
的に切り換えるフルタイム4駆状態とに切り換えられる
ようにしている。 【0011】次に図5に示すフロ−チャ−トに基づいて
前後進切換装置の制御プログラムを説明する。まず最初
に制御部26に接続されている種々のセンサ類、スイッ
チ類の状態が読み込まれ(ステップS1)、座席23に
設けたシ−トスイッチ25がOFF状態かどうかが読み
込まれる(ステップS2)。そして、このシ−トスイッ
チ25がOFFになった時点からオフディレ−タイマ−
がセットされる(ステップS4)。このシ−トスイッチ
25のOFF状態が一定時間継続しているならば、言い
換えると、悪路走行中に機体のバウンド等で運転者が座
席23から瞬間的に離れてスイッチ25がOFF作動し
たのではなく、座席23から充分な時間だけ離れている
と見做すことができる場合のみ、前後進切換装置11の
作動を禁止するべくリニアシフト出力禁止フラグをセッ
トする(ステップS6)。このリニアシフト出力禁止フ
ラグがセットされている間はセ−フティランプ81を点
滅させ(ステップS7,S8)、前後進切換装置11の
作動を禁止する(ステップS11)。 【0012】即ち、前後進切換装置11の油圧クラッチ
を中立状態に保ち、機体の前後進を禁止する。なお、こ
の禁止フラグがセットされている場合であっても、前後
進切換用レバ−(リニアシフトレバ−)18を中立位置
に戻せばセ−フティ−モ−ドが解除され(ステップS
9,S10)、機体の前後進が可能となる。そして、リ
ニアシフト禁止フラグがリセットされると、前後進切換
用レバ−18の動作方向に応じて前進側ソレノイド19
aあるいは後進側ソレノイド20aが励磁され、略同時
に昇圧制御バルブ32のソレノイドに電流が長されて油
圧が徐々に高められ、クラッチが滑らかに接続される
(ステップS12,S13,S14,S15)。このよ
うに、運転者が座席23から離れた場合には、前後進切
換用レバ−18のセット位置に拘らず、その制御出力を
一時的にカットして機体を停止させることができるもの
であるから安全であり、運転者は安心して乗降できる。
又、その禁止モ−ドの解除も前後進切換用レバ−18を
一度中立位置に復帰させるといった簡単な操作で良いの
で取り扱いが容易なうえ操作性も向上する。 【0013】次に図6及び図7について説明する。ここ
で説明するものは電子シフト装置74のクラッチの接続
に関するものである。先の実施例では主変速装置9ある
いは副変速装置10を切り換える場合、前後進切換装置
11の油圧クラッチを切ってシフト変更動作後、再び油
圧クラッチを接続する形態としたが、油圧クラッチの接
続は速く、しかもショックなく行なわれることが望まし
い。クラッチが遮断されて元のスタ−ト位置に戻るのを
検出して再びクラッチを接続する方法を採用すると反っ
て時間が掛ることになる。一方、クラッチの接続を応答
性良く行なおうとすると、クラッチを繋ぐ最初の駆動電
流、即ち、イニシャルオンタイムt0は大きい方が良い
が、多大な圧力をクラッチに伝達するために、クラッチ
板が接触した時点でまだこの多大な駆動電流が残ってい
ると、クラッチ接続時に大きなショックが発生すること
がある。そこで、この改良装置では、クラッチピストン
の戻り具合に応じてイニシャルオンタイムt0を変更す
るようにした。 【0014】図6は横軸に時間、縦軸に駆動電流を取っ
たもの、図7は横軸に時間、縦軸にクラッチ圧力を取っ
たものである。イニシャルオンタイムt0を大きく取り
過ぎると図7に示すようにサ−ジ圧P1が発生し、クラ
ッチ接続時のショックの原因となる。ここでは、クラッ
チ切りの信号が制御部26に入って、再びクラッチ入り
の指令が出るまでの時間を計測し、その時間の長短によ
ってイニシャルオンタイムt0を変更するようにした。
クラッチピストンの移動量をストロ−クセンサ等を用い
て検出する方法も考えられるが、現実のクラッチピスト
ンの移動量は微小なため、ストロ−クセンサの取り付
け、微調節は困難である。この改良装置では、ストロ−
クセンサは不要であり、クラッチピストンの切り換わり
時間で凡そのピストンの戻り位置がつかめるため、イニ
シャルオンタイムを廉価な方法で適正に設定することが
できるのである。なお、この実施例ではクラッチピスト
ンがスタ−トポイント(クラッチピストンがクラッチ内
の戻しスプリングによって完全に戻された位置)に移動
するまでの最大の距離を約1.6mm程度とし、そのス
タ−ト位置からクラッチ板が接触を始めるまでに最大で
100msecのイニシャルオンタイム時間を要するも
のとした。100msecの駆動電流のデュ−ティ比は
100%であるが、クラッチ板が接触した瞬間、そのデ
ュ−ティ比を下げ、徐々にデュ−ティ比を上げてクラッ
チを滑らかに接続する。なお、デュ−ティ比を下げる地
点は、クラッチ板が微接触を開始する位置の手前とし、
その制御圧力を、クラッチピストンが受ける反力よりや
や小さな圧力とすれば、ショックもほとんど無い状態で
クラッチを接続できるのである。 【0015】なお、図示は省略したが、前後進切換装置
11の油圧クラッチを切ってから繋ぐ指令が出るまでの
時間、言い換えると、クラッチOFF指令からクラッチ
ONの指令までの時間を計測することによってイニシャ
ルオンタイムt0が求められ、その後のクラッチの繋ぎ
方は、機体が加速状態にあるのか、それとも減速状態に
あるのかによって異なり、この実施例ではその状態の程
度によって4種類の昇圧制御パタ−ンを制御部26の記
憶装置内に備えている。前記のイニシャルオンタイムt
0の決定と共に、機体の走行状態によりその昇圧制御パ
タ−ンが決定されてクラッチが徐々に接続される。 【0016】 【発明の効果】この発明は前記の如く、主変速装置9と
副変速装置10と前後進切換装置11とを備え、ステア
リングハンドルの下方に設けられた前後進切換用のレバ
ー18を前後方向に操作することによって前後進切換装
置11を切換え、変速操作時には前記前後進切換装置1
1を一旦中立位置に戻して変速がなされるよう構成した
トラクターにおいて、運転者の着座状態を検出するスイ
ッチ25を座席23に設け、更に運転者が座席23から
離れた時間を測定するタイマーを設け、このタイマーに
よる測定時間が所定時間を超えている場合には、前後進
切換装置11を中立状態に保持する牽制手段を設け、こ
の牽制手段の牽制解除を前記前後進切換用レバー18の
中立戻し操作によって直ちに可能とする制御手段を設け
たものであるから、悪路走行中や圃場での作業中に機体
がバウンドして瞬間的に運転者が座席23から離れた場
合は前後進切換装置11が中立状態にならず、運転者が
意識的に座席23を離れたときだけ前後進切換装置11
が中立状態になるため、トラクター乗降時の安全性が高
まると共に、作業の能率を著しく低下させるような不都
合は生じない。また、その牽制解除は、前後進切換用レ
バーを中立位置に戻すと直ちに解除されるので解除操作
が遅れて事故を招くといった問題は生じることがなく安
全性と操作性が大幅に向上する。
するトラクター等の動力車両に関するものであり、座席
から運転者が離れた場合の安全性を確保せんとするもの
である。 【0002】 【従来技術及び発明が解決しようとする課題】トラクタ
ー等の動力車両の変速装置を電気的にコントロ−ルする
ものが知られている。この種装置は、主副変速装置を全
て電気的に制御するだけでなく、前後進切換装置も電気
的に制御するように構成している。前後進切換装置は、
2つの油圧クラッチを備え、一方が接続されると機体は
前進し、他方が接続されると後進するように連動構成さ
れている。この前後進切換装置を入り切り操作する操作
レバ−は通常ステアリングハンドルの近傍に設けられて
いるために、エンジンが掛っているときであって運転者
が乗降する際に衣服等がこの操作レバ−に引っ掛ると機
体が思わぬ方向に動きだす恐れがあり、甚だ危険であっ
た。 【0003】 【課題を解決するための手段】この発明は前記問題点に
鑑みて提案するものであり、次のような技術的手段を講
じた。即ち、主変速装置9と副変速装置10と前後進切
換装置11とを備え、ステアリングハンドルの下方に設
けられた前後進切換用のレバー18を前後方向に操作す
ることによって前後進切換装置11を切換え、変速操作
時には前記前後進切換装置11を一旦中立位置に戻して
変速がなされるよう構成したトラクターにおいて、運転
者の着座状態を検出するスイッチ25を座席23に設
け、更に運転者が座席23から離れた時間を測定するタ
イマーを設け、このタイマーによる測定時間が所定時間
を超えている場合には、前後進切換装置11を中立状態
に保持する牽制手段を設け、この牽制手段の牽制解除を
前記前後進切換用レバー18の中立戻し操作によって直
ちに可能とする制御手段を設けたことを特徴とする動力
車両の前後進切換装置とする。 【0004】 【実施例】以下、図面に示す実施例に基づいて、この発
明の実施例を説明する。まず、構成から説明すると、1
はトラクタ−、2は前輪、3は後輪である。トラクタ−
の機体前部にはエンジン4を搭載し、エンジン4の後部
にはメインクラッチ5を収容しているクラッチハウジン
グ6、変速装置を収容しているミッションケ−ス8を連
設している。ミッションケ−ス8内には、4段の変速が
可能な主変速装置9と、同じく4段の変速が可能な副変
速装置10と、機体の進行する向きを変更する前後進切
換装置11が設けられている。 【0005】変速レバ−12の把手部分には速度増減用
のボタン式変速スイッチ14が設けられ、これを操作し
て主変速装置9を1速から4速まで切り換える。変速レ
バ−12は前後及び左右方向の2軸を中心として揺動可
能に構成されており、横方向外側に倒すと、まず変速感
知センサ15がONとなり、この状態を維持しつつ変速
レバ−12を前後方向に揺動させると副変速装置10が
機械的にLL、L、M、Hの4速の範囲で切り換えられ
る。 【0006】主変速装置9、及び副変速装置10は共に
シンクロメッシュ式の変速装置で構成され、前後進切換
装置11のみ油圧クラッチで構成されている。変速を行
なう場合であって、主変速装置9が切り換られるときに
は、まず、前後進切換装置11の油圧クラッチがOFF
に切り換えられ、ついで主変速装置9のシフタ−を操作
するピストンロッド16が油圧によって強制的に軸長手
方向に移動され、シフタ−が所定の変速位置に達すると
再び前後進切換装置11の油圧クラッチが接続される。
一方、副変速装置10が切り換えられるときには、先に
述べたように前後進切換装置11の油圧クラッチが切ら
れ、変速レバ−12を移動させた後、変速感知センサ1
5が変速レバ−12の復帰(変速レバ−12が横方向内
側に倒された状態)を検出すると、前記油圧クラッチが
再び接続されるように構成している。これらの切り換え
は全て電気的に制御される。18は前後進切換用のレバ
−であり、前側に操作すると、前進側スイッチ19がO
Nとなって前後進切換装置11の前進側ソレノイド19
aが励磁され、反対に後側に切換レバ−18を操作する
と、後進側スイッチ20がONとなって後進側ソレノイ
ド20aが励磁されるように構成している。又、座席2
3には運転者が座っているときにONとなるスイッチ2
5を設けている。 【0007】図3は制御装置のブロック図を示すもので
あり、マイコンからなる制御部26には、主変速装置9
切換用のソレノイド27,28,29,30と、前後進
切換装置11切換用のソレノイド19a,20aと、前
後進切換装置11の昇圧制御バルブ32を制御するソレ
ノイド33が接続されている。ソレノイド27と28、
及び29と30は夫々対をなすもので、前者は1速−2
速用の切換バルブ35を制御し、後者は3速−4速用の
切換バルブ37を制御する。 【0008】42は変速位置を表示する変速位置モニタ
ランプである。また、制御部26には、エンジン4の回
転数を検出する回転センサ44、後輪3の回転数を検出
する車輪回転センサ45、前後進切換用レバ−18で入
り切り操作されるスイッチ19,20、主変速装置9及
び副変速装置11のシフタ−の位置を検出する位置セン
サ47,48、及び前記ボタン式の変速スイッチ14、
変速感知センサ15、座席スイッチ25等が接続されて
いる。前記の車輪回転センサ45は、最終減速軸である
後輪駆動軸に直接取り付けても良いが、後輪駆動軸に至
る前の軸に取り付け、後輪3の回転数を間接的に検出す
る構成としても良い。 【0009】図4はトラクタ−1に設けられた油圧機器
類全体の配管構成を示す回路図である。簡単に全体の回
路構成を説明すると、メインポンプ50から送り出され
た作動油は外部油圧取出用のサブコンバルブ56に流入
し、さらに分流弁57を介して一部は水平制御用のバル
ブ58に入り、水平シリンダ59を伸縮制御する。そし
て、分流弁57で分流された残りの作動油は作業機昇降
制御用のバルブ60に流入してメインシリンダ61に送
り込まれ、リフトア−ム62を回動させて作業機を昇降
させるように構成している。 【0010】前記メインポンプ50とは独立しているサ
ブポンプ55には一定圧力の作動油を取り出すための減
圧弁67が接続され、一定の圧力に保たれた作動油を利
用してパワ−ステアリング装置69、前後進切換装置1
1、PTOクラッチ制御装置70、前輪速度制御装置7
2、電子シフト装置74が作動される。PTOクラッチ
制御装置70は、PTOクラッチ76とこれを入切する
バルブ77とで構成され、前輪速度制御装置72は油圧
クラッチ79とバルブ80とで構成される。この前輪速
度制御装置72は図示外のモ−ド切換スイッチや前輪2
の切れ角を検出するセンサと連繋されて、前輪2の速度
を後輪3と略同一にする標準四輪駆動状態、前輪2の周
速を後輪3のそれより増速させる前輪倍速駆動状態、あ
るいは後輪3のスリップ状態に応じて2駆、4駆を自動
的に切り換えるフルタイム4駆状態とに切り換えられる
ようにしている。 【0011】次に図5に示すフロ−チャ−トに基づいて
前後進切換装置の制御プログラムを説明する。まず最初
に制御部26に接続されている種々のセンサ類、スイッ
チ類の状態が読み込まれ(ステップS1)、座席23に
設けたシ−トスイッチ25がOFF状態かどうかが読み
込まれる(ステップS2)。そして、このシ−トスイッ
チ25がOFFになった時点からオフディレ−タイマ−
がセットされる(ステップS4)。このシ−トスイッチ
25のOFF状態が一定時間継続しているならば、言い
換えると、悪路走行中に機体のバウンド等で運転者が座
席23から瞬間的に離れてスイッチ25がOFF作動し
たのではなく、座席23から充分な時間だけ離れている
と見做すことができる場合のみ、前後進切換装置11の
作動を禁止するべくリニアシフト出力禁止フラグをセッ
トする(ステップS6)。このリニアシフト出力禁止フ
ラグがセットされている間はセ−フティランプ81を点
滅させ(ステップS7,S8)、前後進切換装置11の
作動を禁止する(ステップS11)。 【0012】即ち、前後進切換装置11の油圧クラッチ
を中立状態に保ち、機体の前後進を禁止する。なお、こ
の禁止フラグがセットされている場合であっても、前後
進切換用レバ−(リニアシフトレバ−)18を中立位置
に戻せばセ−フティ−モ−ドが解除され(ステップS
9,S10)、機体の前後進が可能となる。そして、リ
ニアシフト禁止フラグがリセットされると、前後進切換
用レバ−18の動作方向に応じて前進側ソレノイド19
aあるいは後進側ソレノイド20aが励磁され、略同時
に昇圧制御バルブ32のソレノイドに電流が長されて油
圧が徐々に高められ、クラッチが滑らかに接続される
(ステップS12,S13,S14,S15)。このよ
うに、運転者が座席23から離れた場合には、前後進切
換用レバ−18のセット位置に拘らず、その制御出力を
一時的にカットして機体を停止させることができるもの
であるから安全であり、運転者は安心して乗降できる。
又、その禁止モ−ドの解除も前後進切換用レバ−18を
一度中立位置に復帰させるといった簡単な操作で良いの
で取り扱いが容易なうえ操作性も向上する。 【0013】次に図6及び図7について説明する。ここ
で説明するものは電子シフト装置74のクラッチの接続
に関するものである。先の実施例では主変速装置9ある
いは副変速装置10を切り換える場合、前後進切換装置
11の油圧クラッチを切ってシフト変更動作後、再び油
圧クラッチを接続する形態としたが、油圧クラッチの接
続は速く、しかもショックなく行なわれることが望まし
い。クラッチが遮断されて元のスタ−ト位置に戻るのを
検出して再びクラッチを接続する方法を採用すると反っ
て時間が掛ることになる。一方、クラッチの接続を応答
性良く行なおうとすると、クラッチを繋ぐ最初の駆動電
流、即ち、イニシャルオンタイムt0は大きい方が良い
が、多大な圧力をクラッチに伝達するために、クラッチ
板が接触した時点でまだこの多大な駆動電流が残ってい
ると、クラッチ接続時に大きなショックが発生すること
がある。そこで、この改良装置では、クラッチピストン
の戻り具合に応じてイニシャルオンタイムt0を変更す
るようにした。 【0014】図6は横軸に時間、縦軸に駆動電流を取っ
たもの、図7は横軸に時間、縦軸にクラッチ圧力を取っ
たものである。イニシャルオンタイムt0を大きく取り
過ぎると図7に示すようにサ−ジ圧P1が発生し、クラ
ッチ接続時のショックの原因となる。ここでは、クラッ
チ切りの信号が制御部26に入って、再びクラッチ入り
の指令が出るまでの時間を計測し、その時間の長短によ
ってイニシャルオンタイムt0を変更するようにした。
クラッチピストンの移動量をストロ−クセンサ等を用い
て検出する方法も考えられるが、現実のクラッチピスト
ンの移動量は微小なため、ストロ−クセンサの取り付
け、微調節は困難である。この改良装置では、ストロ−
クセンサは不要であり、クラッチピストンの切り換わり
時間で凡そのピストンの戻り位置がつかめるため、イニ
シャルオンタイムを廉価な方法で適正に設定することが
できるのである。なお、この実施例ではクラッチピスト
ンがスタ−トポイント(クラッチピストンがクラッチ内
の戻しスプリングによって完全に戻された位置)に移動
するまでの最大の距離を約1.6mm程度とし、そのス
タ−ト位置からクラッチ板が接触を始めるまでに最大で
100msecのイニシャルオンタイム時間を要するも
のとした。100msecの駆動電流のデュ−ティ比は
100%であるが、クラッチ板が接触した瞬間、そのデ
ュ−ティ比を下げ、徐々にデュ−ティ比を上げてクラッ
チを滑らかに接続する。なお、デュ−ティ比を下げる地
点は、クラッチ板が微接触を開始する位置の手前とし、
その制御圧力を、クラッチピストンが受ける反力よりや
や小さな圧力とすれば、ショックもほとんど無い状態で
クラッチを接続できるのである。 【0015】なお、図示は省略したが、前後進切換装置
11の油圧クラッチを切ってから繋ぐ指令が出るまでの
時間、言い換えると、クラッチOFF指令からクラッチ
ONの指令までの時間を計測することによってイニシャ
ルオンタイムt0が求められ、その後のクラッチの繋ぎ
方は、機体が加速状態にあるのか、それとも減速状態に
あるのかによって異なり、この実施例ではその状態の程
度によって4種類の昇圧制御パタ−ンを制御部26の記
憶装置内に備えている。前記のイニシャルオンタイムt
0の決定と共に、機体の走行状態によりその昇圧制御パ
タ−ンが決定されてクラッチが徐々に接続される。 【0016】 【発明の効果】この発明は前記の如く、主変速装置9と
副変速装置10と前後進切換装置11とを備え、ステア
リングハンドルの下方に設けられた前後進切換用のレバ
ー18を前後方向に操作することによって前後進切換装
置11を切換え、変速操作時には前記前後進切換装置1
1を一旦中立位置に戻して変速がなされるよう構成した
トラクターにおいて、運転者の着座状態を検出するスイ
ッチ25を座席23に設け、更に運転者が座席23から
離れた時間を測定するタイマーを設け、このタイマーに
よる測定時間が所定時間を超えている場合には、前後進
切換装置11を中立状態に保持する牽制手段を設け、こ
の牽制手段の牽制解除を前記前後進切換用レバー18の
中立戻し操作によって直ちに可能とする制御手段を設け
たものであるから、悪路走行中や圃場での作業中に機体
がバウンドして瞬間的に運転者が座席23から離れた場
合は前後進切換装置11が中立状態にならず、運転者が
意識的に座席23を離れたときだけ前後進切換装置11
が中立状態になるため、トラクター乗降時の安全性が高
まると共に、作業の能率を著しく低下させるような不都
合は生じない。また、その牽制解除は、前後進切換用レ
バーを中立位置に戻すと直ちに解除されるので解除操作
が遅れて事故を招くといった問題は生じることがなく安
全性と操作性が大幅に向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】トラクタ−の全体側面図である。
【図2】座席の断面図である。
【図3】制御系を示すブロック図である。
【図4】油圧回路図である。
【図5】制御プログラムの内容を説明するフロ−チャ−
トである。 【図6】駆動電流と時間の関係を示すグラフである。 【図7】圧力とクラッチ接続時間の関係を示すグラフで
ある。 【符号の説明】 1 トラクタ− 2 前輪 3 後輪 4 エンジン 9 主変速装置 10 副変速装置 11 前後進切換装置 12 変速レバ− 16 ピストンロッド 18 前後進切換用レバ− 26 制御部 32 昇圧制御バルブ
トである。 【図6】駆動電流と時間の関係を示すグラフである。 【図7】圧力とクラッチ接続時間の関係を示すグラフで
ある。 【符号の説明】 1 トラクタ− 2 前輪 3 後輪 4 エンジン 9 主変速装置 10 副変速装置 11 前後進切換装置 12 変速レバ− 16 ピストンロッド 18 前後進切換用レバ− 26 制御部 32 昇圧制御バルブ
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 主変速装置9と副変速装置10と前後進
切換装置11とを備え、ステアリングハンドルの下方に
設けられた前後進切換用のレバー18を前後方向に操作
することによって前後進切換装置11を切換え、変速操
作時には前記前後進切換装置11を一旦中立位置に戻し
て変速がなされるよう構成したトラクターにおいて、運
転者の着座状態を検出するスイッチ25を座席23に設
け、更に運転者が座席23から離れた時間を測定するタ
イマーを設け、このタイマーによる測定時間が所定時間
を超えている場合には、前後進切換装置11を中立状態
に保持する牽制手段を設け、この牽制手段の牽制解除を
前記前後進切換用レバー18の中立戻し操作によって直
ちに可能とする制御手段を設けたことを特徴とする動力
車両の前後進切換装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06488993A JP3424256B2 (ja) | 1993-03-24 | 1993-03-24 | トラクターの前後進切換装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06488993A JP3424256B2 (ja) | 1993-03-24 | 1993-03-24 | トラクターの前後進切換装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06280976A JPH06280976A (ja) | 1994-10-07 |
JP3424256B2 true JP3424256B2 (ja) | 2003-07-07 |
Family
ID=13271112
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP06488993A Expired - Fee Related JP3424256B2 (ja) | 1993-03-24 | 1993-03-24 | トラクターの前後進切換装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3424256B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100760807B1 (ko) * | 2006-02-21 | 2007-09-20 | 엘에스전선 주식회사 | 트랙터용 트랜스미션 |
-
1993
- 1993-03-24 JP JP06488993A patent/JP3424256B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06280976A (ja) | 1994-10-07 |
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