JP3423658B2 - 食品の製造方法及び装置 - Google Patents

食品の製造方法及び装置

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JP3423658B2 JP2000021065A JP2000021065A JP3423658B2 JP 3423658 B2 JP3423658 B2 JP 3423658B2 JP 2000021065 A JP2000021065 A JP 2000021065A JP 2000021065 A JP2000021065 A JP 2000021065A JP 3423658 B2 JP3423658 B2 JP 3423658B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品の製造方法及
び装置、さらに詳しくは、カレールウ等の食品を加熱混
練後に効率的に早急に冷却することによって調理する食
品の製造方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、小麦粉と油脂及び調味料を主原
料とし、これらを加熱・混練してつくるカレー、シチュ
ー、ホワイトソース等のルウは、小麦紛と油脂が融合し
た独特の色とテクスチャーを有している。また、ルウ中
の調味料がこくと潤いのある風味と香りを醸しだし、ル
ウは食品基材として、あるいは料理に彩りや味を添える
ものとして広く使用されている。一般に、ルウ特有の
色、風味、香りは、ルウを製造する際の加熱条件によっ
て大きく左右されることが知られている。そして、風味
や香りの豊かなルウをつくるためには、調理材料を一定
時間高温でしかも均一に加熱することが必要であるとさ
れている。特に、所定加熱後は、ルウの風味保持、色調
の劣化防止、充填等の作業の効率化を実現するために、
均一に冷却することが望ましい。特許第2584669
号公報は、油脂及び澱粉質材料を含有する原料を、煎焙
釜により品温が75℃〜200℃で5分〜90分間加熱
処理した後、二軸エクストルーダ一で冷却するルウの製
造方法を開示する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】特許第2584669
号公報に記載のルウの製造方法においては、温度管理の
精度、特に、前記エクストルーダーでは焙煎釜により加
熱処理した原料を少量ずつ冷却することから、加熱処理
後直ぐに冷却された原料と加熱処理後暫くしてから冷却
された原料とで、加熱量が異なってくるという問題が完
全に解決されていない。また、この方法においては、二
軸エクストルーダーにより処理した原料を次の工程に送
る前に一時的に貯蔵しようとする場合に、別途ストック
タンクを設ける必要がある。従って、この場合、特に合
成乳化剤を使用しないでルウ等を製造しようとしたとき
にストックタンク内において原料が分離をおこすおそれ
がある。
【0004】また、前記エクストルーダーに代えて冷却
用の釜(冷却クッカー)を用いた場合には、調理材料を
焙煎釜から冷却用の釜に排出したとき、冷却用の釜に落
下した調理材料が落下の勢いで飛び跳ね、この飛び跳ね
た調理材料が釜の底部に溜まった調理材料の高さを越え
て釜壁部の上部に部分的に付着してしまう場合がある。
この場合、この付着した調理材料は、冷却時に局所的に
急激に冷やされて釜壁面に固着し、一旦固着した調理材
料はその後非常に掻き落し難くなる。
【0005】さらに、前記釜壁面の上部には、調理材料
が溜まった底部と比較して冷却時に急激に冷えるため、
この部分に結露が生じる。このため、この結露水が垂れ
落ちて調理材料中に含まれてしまうおそれがあり、その
結果、製品中の水分の比率が意図していた比率と異なっ
てしまうという問題がある。また、結露水が調理材料に
垂れ落ちる状態がバッチ毎に異なるため、バッチ毎に、
製品中の水分の比率が異なってしまい、製品の品質がば
らつくという問題もある。さらに、上記釜壁面に付着し
た結露水により前記固着した調理材料の水分が高くなる
と、細菌の温床となる可能性があるため、衛生上の観点
から、頻繁に洗浄しなければならず、作業効率が悪化す
るという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、冷却手段と
して二軸エクスルーダーや冷却クッカーを使用した場合
の上述した問題点に鑑みてなされたものであって、冷却
後の調理材料のストックタンクとして兼用でき、しかも
調理材料を1バッチ毎にストックすることにより、その
中で調理原料の分離が生じても正確な配合割合が保た
れ、必要時に攪拌部材で攪拌することにより均一な混合
状態を再現でき、特に合成乳化剤を使用しない場合に生
じやすい原料分離の問題を有効に解決できる食品の製造
方法及び装置を提供することを目的とする。本発明はま
た、できるだけ加熱を避けたい原料を冷却クッカーにお
いて投入して混合することにより、従来より調理原料毎
の加熱量に変化を持たせてより風味・香りのよい製品を
得ることができる食品の製造方法及び装置を提供するこ
とを目的とする。
【0007】本発明はまた、ルウ等の調理材料を加熱攪
拌クッカーに排出したとき、冷却クッカーに落下した調
理材料が落下の勢いで飛び跳ね、この飛び跳ねた調理材
料が冷却クッカー底部に溜まった調理材料の高さを超え
て冷却クッカー壁面の上部に部分的に付着しても、この
付着した調理材料が冷却クッカーによる冷却時に局所的
に急激に冷やされて冷却クッカーの壁面に固着して掻取
り難くなるおそれが少ない食品の製造方法及び装置を提
供することを目的とする。本発明はさらに、冷却クッカ
ー壁面の上部に結露が生じるおそれが少なく、品質の安
定した製品を効率的に製造することができる食品の製造
方法及び装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決する手段】第1の本発明は、加熱攪拌クッ
カーと、壁面に冷却媒体を導入するためのジャケットを
有し、前記加熱攪拌クッカーの下流側に配置された冷却
クッカーとを備え、調理材料を前記加熱攪拌クッカーに
おいて攪拌しながら加熱調理後、前記冷却クッカーに排
出し、前記冷却媒体の高さを前記冷却クッカー内の調理
材料の高さとほぼ一致する高さになるように制御するこ
とを特徴とする食品の製造方法である。第2の本発明
は、調理材料を攪拌しながら加熱調理する加熱攪拌クッ
カーと、壁面に冷却媒体を導入するためのジャケットを
有し、前記加熱攪拌クッカーの下流側に配置された冷却
クッカーと、前記冷却クッカー内の調理材料の表面高さ
と前記冷却媒体の高さとをほぼ一致するように制御する
制御装置とを備えたことを特徴とする食品の製造装置で
ある。
【0009】本発明の実施形態は以下のとおりである。
前記冷却クッカーが、攪拌機能を有することを特徴とす
る。前記冷却クッカーが、調理材料の表面高さを検出す
る調理材料レベルセンサーと、冷却媒体の表面高さを検
出する冷却媒体レベルセンサーとを有し、前記制御装置
が、前記調理材料レベルセンサーの出力と前記冷却媒体
センサーの出力とに基づいて制御することを特徴とす
る。前記制御装置が、前記冷却クッカーに排出する調理
材料の量と冷却媒体の量を予め定めた関係で制御するこ
とを特徴とする。
【0010】
【実施の形態】以下に、本発明の実施形態を図に基づい
て説明する。実施態様の食品すなわちカレールウでの製
造装置10は、図1に示すように、例えば1台の加熱攪
拌クッカー14、及び加熱攪拌クッカー14の下流側に
配置された例えば3台の冷却クッカー16からなる。
【0011】加熱攪拌クッカー14は、図2に示すよう
に、架台110に支持された半球形の容器112に、回
転軸線Aが垂直線に対し25ないし40°、好ましくは
30°傾斜した回転軸114に内側攪拌羽根116及び
外側攪拌羽根118が配置されている。容器112は、
内面を半球状にした底部22の外面には蒸気及び35℃
の冷却水を選択的に供給する温度制御バイブ115が取
り付けられ、さらにドレインパイプ119が連結された
ジャケット構造となっている
【0012】容器112の上端部は、蓋部材120によ
って開放自在に閉塞され、蓋部材120には調理材料投
入口122及び回転軸114が取り付けられている。回
転軸114の上端には攪拌羽根の駆動源となる反転変速
機能付きのモータ130が取り付けられ、従って内側攪
拌羽根116及び外側攪拌羽根118は同一方向にも反
対方向にも回転駆動され、しかもその回転速度も任意に
選択制御可能である。内側攪拌羽根116の回転速度は
20ないし150rpmの範囲であり、外側攪拌羽根1
18の回転速度は10ないし50rpmの範囲であり内
側攪拌羽根116及び外側攪拌羽根118の下端部は、
軸支部材132によって回転軸線Aを中心に回転可能に
支持されている。
【0013】内側攪拌羽根116は、回転軸線Aからの
距離が異なるようにアーム134、135によって支持
された攪拌軸136、137を有し、攪拌軸136、1
37には回転軸線Aに関し対称でなく配設された複数の
攪拌棒140が取り付けられている。攪拌棒140は回
転軸線Aに対し直交する方向に延びており、攪拌棒14
0の少なくともあるものは外側攪拌羽根118の近傍ま
で延びた長さを有する。内側攪拌羽根116の回転軸線
Aを含む平面の断面は、図2に示すような矩形に限ら
ず、楕円形や円形であってもよく、また回転軸線Aを中
心とする楕円形であってもよい。
【0014】外側攪拌羽根118は環状であって、周囲
に容器112の内面に接触して調理材料Mを掻き取る合
成樹脂製の掻取羽根150が取り付けられている。掻取
羽根150は、回転軸線Aの両側の掻取羽根150が容
器112の同一の領域を掻き取ることがないように回転
軸線Aに関し非対称に配置される。外側攪拌羽根118
の回転軸線Aを含む平面の断面は、図2に示すような円
形に限らず、楕円形であってもよい。また、外側攪拌羽
根118には、内側攪拌羽根116近傍まで延びる得る
攪拌棒を取り付けてもよい。内側攪拌羽根116には、
回転軸線Aの近くに容器112の下方部に当たる位置
に、回転軸線Aから若干ずらして設けられた温度センサ
ー取り付け部材170を介して温度センサー172が取
り付けられ、攪拌中の調理材料の温度を測定する。
【0015】蓋部材120にはまた、容器112から調
理材料を排出させるための加圧エア供給パイプ190が
連結されている、容器112の底部には、調理材料Mを
排出するための弁受体180、及び空圧シリンダー18
2によって制御される弁部材184が配置され、弁受体
180に供給パイプ186が連結されている。
【0016】冷却クッカー16には、釜すなわち容器2
0と攪拌装置21とを有する。容器20は、図3及び図
4に示すように、内面を半球状にしたジャケット構造で
ある。底部22の外面には、制御部23を介して62℃
の加熱水及び7℃の冷却水を選択的に適す温度制御パイ
プ24が取り付けられ、さらにドレインパイプ27が連
結されている。容器20の上方開口部には、蓋部28が
配置され、蓋部28には調理材料を投入するための調理
材料投入口25及び容器20から調理材料を排出させる
ための加圧エア供給パイプ29が連結されている。
【0017】蓋部28にはさらに、底部22の内画の半
球状の中心Oを通過する傾斜した回転軸30が取り付け
られ、回転軸30はモータ32によって5ないし40r
pmで回転させられる。回転軸30の先端には、底部2
2の内面に沿って円弧状に延びた攪拌羽根34が取り付
けられている。攪拌羽根34の外側すなわち底部22の
内面側に、合成樹脂製の掻き取り羽根36が断続的に取
り付けられている。掻き取り羽根36R,36Lは左右
非対称であり、一方の側の掻き取り羽根36Rによって
掻き取られなった部分を他方の掻き取り羽根36Lが掻
き取るようになっている。
【0018】容器20内の攪拌羽根34及び掻き取り羽
根36によって調理材料Mが掻き上げられる領域すなわ
ち図3における回転軸30の下側の領域には、パドル型
攪拌羽根40が配置されている。パドル型攪拌羽根40
は、パドル用モータ60によって正逆回転可能な垂直軸
62の先端に取り付けられ、図4に示す斜線で示す領域
46に配置されることによって、調理材料Mの塊を高い
効率で粉砕し及び攪拌を行うことができる。パドル型攪
拌羽根40は、図5の(A)、(B)に示すように、外
形が全体的に回転軸Rを中心とする対称形外形の平面状
矩形であり、内部に調理材料Mの抵抗を低め攪拌能力を
高めるために複数の非対称形の貫通孔142が設けられ
ている。
【0019】容器20内には、底部内面の半球状の中心
Oから若平ずらして回転軸30と干渉しない位置に温度
センサー50を先端部に取り付けた垂直支持棒54が挿
入されている。垂直支持棒54の先端部に取り付けられ
た温度センサー50は、調理材料Mの中心付近に当たる
領域に配置されることによって、温度を高精度に測定す
ることができる。
【0020】容器20の底部には、調理材料Mを排出す
るための弁受体60、及び空圧シリンダー62によって
制御される弁部材64が配置され、弁受体60に供給パ
イプ66が連結されている。なお、容器20内の掻き取
り羽根36によって調理材料Mが掻き下げられる領域す
なわち図4における回転軸30の上側の領域に邪魔板を
配置して、パドル型攪拌羽根40によって破壊された調
理材料Mの塊を効率的に衝突させて効率よく攪拌するよ
うにすることもできる。この場合、邪魔板は前記垂直支
持棒54に取り付ければよい。
【0021】3台の冷却クッカー16は、各々上流側の
加熱攪拌クッカー14と調理材料Mを加熱攪拌クッカー
14から供給するためのパイプによって接続されるか、
あるいは、搬送装置によって移動可能に配置され、待機
位置、加熱攪拌クッカー14から調理材料Mを供給され
る受け取り位置、及び加熱調理済の調理材料をストレー
ナーすなわち脱泡装置を介して充填装置に連通する排出
位置の間で搬送される(図示せず)。後者の場合には、
待機位置においては温度制御パイプ24から62℃の加
熱水が供給され、受け取り位置においては温度制御パイ
プ24から62℃の加熱水及び7℃の冷却水が選択的に
供給され、また排出位置においては温度制御パイプ24
から62℃の加熱水が供給されるようにするのがよい。
また、後者の場合には、受け取り位置を加熱攪拌クッカ
ー14の略真下方向に配置することによって、加熱攪拌
クッカー14から冷却クッカー16へ調理材料Mを供給
するためのパイプを短くすることができ、調理材料Mが
パイプ内に残留することを防止することができる。
【0022】次に、上述した構成の加熱調理装置10の
作動について説明する。加熱攪拌クッカー14におい
て、内側攪拌羽根116を30rpm及び外側攪拌羽根
118を15rpmで同一方向に回転させながら、前置
調理部(図示せず)で予め小麦粉と油脂とを加熱調理し
て得た小麦粉ルウ、粉体、ぺ一スト、油脂を加える。さ
らに、温度センサー172によって温度制御しながら温
度制御パイプ115に水蒸気を供給して加熱調理する。
続いて、調理材料の品温が90℃に達した時点で、内側
攪拌羽根116を外側攪拌118と反対方向に15rp
mで回転させながら加熱調理する。これにより、小麦粉
等の澱粉質原料と油脂とを含む調理材料にペ一スト(特
に水分を多く含むもの)を加えた場合に品温上昇に伴っ
て物性が急激に硬化するという特有の現象に好適に対応
し、調理材料を高い効率で粉砕し及び撹絆を行うことが
できる。
【0023】加熱攪拌クッカー14において調理材料の
所定の加熱調理が終了すると、温度制御パイプ115に
水蒸気に換えて35℃の冷却水を供給して調理材料を予
備冷却する。これにより、調理材料を軟化させて容器1
12内の加熱調理済の調理材料を冷却クッカー16へ供
給しやすくなる。また、加熱調理済の調理材料が軟化し
てきたら内側攪拌羽根116を再び外側攪拌118と同
一方向に回転させる。これにより、調理材料を攪拌する
際に生じる回転軸114に対する負荷を可及的に抑え、
効率よく攪拌を行うことができる。続いて、エアーシリ
ンダー182を作動させて弁受体180から弁部材18
4を分離させ、また容器112に加圧エア供給パイプ1
90から加圧エア供給して、容器112内の加熱調理済
の調理材料を冷却クッカー16に供給する。
【0024】冷却クッカー16においては、制御部23
を作動させて、容器20のジャケット構造に温度制御パ
イプ24から7℃の冷却水を冷却クッカー16内に供給
し、高さを増していく調理材料Mの高さとを越えず且つ
この高さとほぼ一致する高さとなるように入れ、温度セ
ンサー50によって温度管理しながら加熱調理済の調理
材料を冷却する。冷却水の表面高さと調理材料Mの表面
高さのを一致させる制御は、調理材料Mの表面高さを検
出する調理材料レベルセンサー(図示せず)と、冷却水
の表面高さを検出する冷却媒体レベルセンサー(図示せ
ず)とを設け、それらセンサーの出力に基づいて行う。
冷却水の表面高さと調理材料Mの表面高さのを一致させ
る制御は、あるいは、前記冷却クッカー16に排出する
調理材料Mの量と冷却水の量を予め定めた関係で制御す
る。冷却水の表面高さと調理材料Mの表面高さの多の制
御方法は、前記クッカー16に排出する調理材料Mの量
と冷却水の量を予め定めた関係で制御するとともに、容
器20のジャケット構造への冷却水の導入を、予め定め
た時間の間隔をあけて段階的に行うことによって制御す
る。
【0025】冷却クッカー16は、同時に、回転軸30
すなわち攪拌羽根34をモータ32によって15rpm
で回転させ、パドル用モータ60によってパドル型攪拌
羽根40を100rpmで回転させて調理材料を均一に
混合しまた調理材料の塊を粉砕しながら62℃まで冷却
する。調理材料が62℃まで冷却されたら、温度制御パ
イプ24に7℃の冷却水に換えて62℃の加熱水を供給
して、調理材料を攪拌しながら62℃に保持して排出を
待ち、排出時に、エアーシリンダー62を作動させて弁
受体60から弁部材64を分離させ、また容器20に加
圧エア供給パイプ29から加圧エアを供給して、容器2
0内の調理材料を排出し、ストレーナーすなわち脱泡装
置を介して充填装置へ供給する。
【0026】このように、冷却クッカー16は、排出を
待つ間に調理材料を貯蔵しておくことができる。また、
仮にこの貯蔵中の調理材料が分離を生じても攪拌羽根3
4及ひパドル型攪拌羽根40を回転させることにより均
一な混合状態を再現することができる。従って、貯蔵中
の調理材料の分離を心配する必要がないため合成乳化剤
を使用しないで焙煎特性を充分に生かして風味、香りに
おいてコクのあるルウ等を製造することができる。
【0027】また、加熱調理済の調理材料を冷却クッカ
ー16に排出する際、冷却クッカー16内に落下した調
理材料が落下の勢いで飛び跳ね、この飛び跳ねた調理材
料が冷却クッカー16の底部に溜まった調理材料の高さ
を超えて冷却クッカー16の壁面の上部に部分的に付着
しても、壁面の冷却クッカー16の調理材料の高さを超
えた領域には冷却媒体が存在しないため冷却媒体によっ
てほとんど冷却されておらず、ここに付着した調理材料
が冷却クッカー16の壁面によって局所的に急激に冷や
されて冷却クッカー16の壁面に固着して掻取り難くな
るおそれが少ない。また、壁面の冷却クッカー16の調
理材料の高さを超えた領域には結露が生じることもな
い。さらに、冷却クッカー16では、例えば乳原料、野
菜や果実の液汁等の加熱を避けたい原料を加熱攪拌クッ
カー14に投入せずに非加熱調理材料として冷却クッカ
ークッカ16に直接投入することができ、調理原料の加
熱を非常に幅広く変化させて、例えば新鮮な調理原料の
新鮮な生の風味を活かしたルウ等を製造することができ
る。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、冷却クッカーは、冷却
後の調理材料のストックタンクとして兼用でき、しかも
調理材料を1バッチ毎にストックすることにより、その
中で調理原料の分離が生じても正確な配合割合が保た
れ、必要時に攪拌部材で攪拌することにより均一な混合
状態を再現でき、特に合成乳化剤を使用しない場合に生
じやすい原料分離の問題を有効に解決できる効果を有す
る。本発明によればまた、できるだけ加熱を避けたい原
料を冷却クッカーにおいて投入して混合することによ
り、従来より調理原料毎の加熱量に変化を持たせてより
風味・香りのよい製品を得ることができる効果を有す
る。
【0029】本発明によればさらに、ルウ等の調理材料
を加熱攪拌クッカーから冷却クッカーに排出したとき、
冷却クッカーに落下した調理材料が落下の勢いで飛び跳
ね、この飛び跳ねた調理材料が冷却クッカー底部に溜ま
った調理材料の高さを超えて冷却クッカー壁面の上部に
部分的に付着しても、この付着した調理材料が冷却クッ
カーによる冷却時に局所的に急激に冷やされて冷却クッ
カーの壁面に固着して掻取り難くなるおそれが少ない効
果を有する。本発明によればさらに、冷却クッカー壁面
の上部に結露が生じるおそれが少なく、製品中の水分の
比率を一定に保つことができ、頻繁に装置を洗浄する必
要がなくて作業効率もよいという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の加熱調理装置の実施形態の構成説明図
である。
【図2】本発明の実施形態の加熱攪拌クッカーの垂直断
面図である。
【図3】本発明の実施形態の冷却クッカーの垂直断面図
である。
【図4】図2に示す冷却クッカーの水平断面図である。
【図5】本発明の他の実施形態の攪拌羽根の正面図であ
る。
【符号の説明】
M 調理材料 10 加熱調理装置 14 加熱攪拌クッカー 16 冷却クッカー 20 容器 21 攪拌装置 22 底部 24 温度制御パイプ 27 ドレインパイプ 28 蓋部 29 加圧エア供給パイプ 30 回転軸 34 攪拌羽根 36 掻き取り羽根 40 パドル型攪拌羽根 112 容器 114 回転軸 115 温度制御パイプ 116 内側攪拌羽根 118 外側攪拌羽根 140 攪拌棒 150 掻き取り羽根
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/01 A23L 1/39 - 1/48 A23L 3/36 A47J 27/14 - 27/16

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱攪拌クッカーと、壁面に冷却媒体を
    導入するためのジャケットを有し、前記加熱攪拌クッカ
    ーの下流側に配置された冷却クッカーとを備え、調理材
    料を前記加熱攪拌クッカーにおいて攪拌しながら加熱調
    理後、前記冷却クッカーに排出し、前記冷却媒体の高さ
    前記冷却クッカー内の調理材料の高さとほぼ一致する
    高さになるように制御することを特徴とする食品の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 前記冷却クッカーが、攪拌機能を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の食品の製造方法。
  3. 【請求項3】 調理材料を攪拌しながら加熱調理する加
    熱攪拌クッカーと、 壁面に冷却媒体を導入するためのジャケットを有し、前
    記加熱攪拌クッカーの下流側に配置された冷却クッカー
    と、 前記冷却クッカー内の調理材料の表面高さと前記冷却媒
    体の高さとをほぼ一致するように制御する制御装置とを
    備えたことを特徴とする食品の製造装置。
  4. 【請求項4】 前記冷却クッカーが、撹絆機能を有する
    ことを特徴とする請求項3に記載の食品の製造装置。
  5. 【請求項5】 前記冷却クッカーが、調理材料の表面高
    さを検出する調理材料レベルセンサーと、冷却媒体の表
    面高さを検出する冷却媒体レベルセンサーとを有し、前
    記制御装置が、前記調理材料レベルセンサーの出力と前
    記冷却媒体センサーの出力とに基づいて制御することを
    特徴とする請求項3に記載の食品の製造装置。
  6. 【請求項6】 前記制御装置が、前記冷却クッカーに排
    出する調理材料の量と冷却媒体の量を予め定めた関係で
    制御することを特徴とする請求項3に記載の食品の製造
    装置。
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