JP3523155B2 - 食品の加熱調理装置及び方法 - Google Patents

食品の加熱調理装置及び方法

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JP3523155B2
JP3523155B2 JP2000188611A JP2000188611A JP3523155B2 JP 3523155 B2 JP3523155 B2 JP 3523155B2 JP 2000188611 A JP2000188611 A JP 2000188611A JP 2000188611 A JP2000188611 A JP 2000188611A JP 3523155 B2 JP3523155 B2 JP 3523155B2
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stirring means
heating
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fluidity
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淳 佐久間
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は加熱調理装置、及び
それを使用した調理方法に関し、特に、調理中の食品の
流動性の変化に応じて食品の攪拌条件を変化させる加熱
調理装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】複数種類の原料からなる食品材料を加熱
用容器内で攪拌しながら加熱調理する食品製造装置、及
び食品製造方法が知られている。このような食品製造方
法として、例えば、カレー、シチュー等のルウを製造す
る製造方法がある。これらの食品製造方法では、小麦粉
などの澱粉系原料と油脂系原料とを加熱しながら、一定
の条件で攪拌して所謂小麦粉ルウを製造し、この小麦粉
ルウに食塩、砂糖、香辛料等の粉体原料を加えて、さら
に加熱・攪拌による調理を行なって、溶融したペースト
状ルウを得ている。また、ルウの製造方法において、上
記粉体原料の一部に代えて、又は、上記粉体原料の他
に、更に、肉汁、野菜エキス、乳製品などの水分を多く
含む水系原料を加えて調理を行うと、一層、風味の優れ
た製品を得ることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のカレールウ等の
食品は、その加熱調理中の温度変化に伴って、硬さ、即
ち流動性が大きく変化するという特徴を有する。この明
細書では、食品の粘性が高く流れにくい状態を“流動性
が低い”又は“硬い”と表現し、逆に粘性の低い状態を
“流動性が高い”又は“柔らかい”と表現することにす
る。このような食品を攪拌する場合には、食品の温度に
応じて、即ち食品の流動性に応じて攪拌条件を変化させ
る必要がある。食品の流動性が低いときに、無理に強い
攪拌を行おうとすると、攪拌用の羽根及びそれを駆動す
る駆動軸に大きな負担がかかり、加熱調理装置の寿命が
短くなる。逆に、羽根や駆動軸に負担をかけないよう
に、弱く攪拌を行った場合には、食品の流動性が高い条
件においては十分に効率的な攪拌をすることができない
という課題がある。
【0004】
【本発明の目的】本発明の目的は、加熱調理装置で加熱
する食品の硬さに応じて、食品を適切な条件で攪拌する
ことにより、攪拌用の羽根、及びその駆動軸にかかる負
荷を減じ、それにより加熱調理装置の耐久性を増大さ
せ、寿命を長くすると同時に、効果的な攪拌を行うこと
ができる加熱調理装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決する手段】第1発明は、調理中に流動性が
変化する食品材料を、攪拌しながら加熱調理する食品の
加熱調理装置であって、前記食品材料を収容する容器
と、前記容器内に配置され、同一軸線を中心に回転駆動
可能に配置された内側攪拌手段と外側攪拌手段とを有す
る攪拌装置と、前記食品材料を加熱及び/又は冷却する
ための加熱/冷却手段と、前記攪拌装置を制御するため
の制御装置と、を有し、前記制御装置が、調理中の食品
材料の流動性に応じて、前記外側攪拌手段と前記内側攪
拌手段との相対的な回転速度差を変化させ、該食品材料
の流動性が低いときの前記外側攪拌手段と前記内側攪拌
手段との相対的な回転速度差を、該食品材料の流動性が
高いときの前記外側攪拌手段と前記内側攪拌手段との相
対的な回転速度差より大きくすることを特徴とする、食
品の加熱調理装置である。
【0006】第1発明の実施態様は以下のとおりであ
る。さらに、前記攪拌装置の回転駆動軸にかかる負荷を
測定する軸負荷測定手段を備え、前記制御装置が、前記
軸負荷測定手段によって測定された負荷の大きさに基づ
いて、前記外側攪拌手段と前記内側攪拌手段との相対的
な回転速度差を変化させることを特徴とする。また、前
記制御装置による制御が、前記外側攪拌手段と前記内側
攪拌手段との相対的な回転速度差が大きい攪拌条件と、
前記外側攪拌手段と前記内側攪拌手段との相対的な回転
速度差が小さい攪拌条件とを、前記回転駆動軸にかかる
軸負荷によって切り換えることからなることを特徴とす
る。さらに、前記加熱/冷却手段が、加熱用流体及び/
又は冷却用流体を流すジャケットであることを特徴とす
る。
【0007】第2発明は、調理中に流動性が変化する食
品材料を、攪拌しながら加熱調理する工程を含む食品の
製造方法であって、同一軸線を中心に回転駆動可能に配
置された内側攪拌手段及び外側攪拌手段を有する攪拌装
置を配置した容器内に、前記食品材料を投入する段階
と、前記食品材料を前記容器内で加熱及び/又は冷却し
ながら、前記内側攪拌手段及び外側攪拌手段によって前
記食品材料を攪拌する段階と、を有し、前記食品材料の
流動性に応じて、前記内側攪拌手段と、前記外側攪拌手
段との相対的な回転速度差を変化させ、該食品材料の流
動性が低いときの前記外側攪拌手段と前記内側攪拌手段
との相対的な回転速度差を、該食品材料の流動性が高い
ときの前記外側攪拌手段と前記内側攪拌手段との相対的
な回転速度差より大きくすることを特徴とする、食品の
製造方法である。第2発明の実施態様は、前記攪拌装置
の前記回転駆動軸にかかる軸負荷を測定するための装置
を更に設け、前記外側攪拌手段と前記内側攪拌手段との
相対的な回転速度差が大きい攪拌条件と、前記外側攪拌
手段と前記内側攪拌手段との相対的な回転速度差が小さ
い攪拌条件とを、前記軸負荷によって切り換えることを
特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の好
ましい実施の形態を詳細に説明する。まず、本発明の好
ましい実施の形態の食品の加熱調理装置が備える加熱用
容器10の構成を説明する。図1は、この実施形態で使
用される加熱用容器10の概略断面図である。加熱用容
器10は、カレーまたはシチューなどのルウを製造する
工程で使用される加熱調理装置に含まれる。この加熱用
容器は調理釜の形態であり、その中で、前処理工程で動
物性油脂などの油脂系原料と小麦粉などの澱粉系原料な
どから調理された小麦粉ルウに、食塩、砂糖、香辛料等
の粉体原料と、さらに、肉エキス、野菜エキス等の水分
を多く含む水系原料を加え、加熱調理しながら混ぜ合わ
せる。
【0009】図1に示すように、加熱用容器10は、床
面に配置された架台12上に設置された本体14を備え
る。本体14は、上方に向かって開口する略円筒形状の
金属製の有底筒体であり、その開口部は、金属製の蓋部
材16によって開放可能に閉鎖されている。尚、蓋部材
16は、ボルトなどの締結具によって、本体14に取付
けられている。従って、本体14と蓋部材16とによっ
て、加熱用容器10内部の閉鎖空間18が形成されてい
る。又、本体14の内面下部によって形成される閉鎖空
間の底部は、略半球状の形状を有している。
【0010】本体14の側壁および底壁の内部には、加
熱/冷却手段、即ちウォータージャケット20が形成さ
れている。このウォータージャケット20には、このウ
ォータージャケット20内に、水蒸気、温水、又は、冷
水などの加熱又は冷却用流体を供給する流体供給パイプ
22と、ウォータージャケット20から加熱又は冷却用
流体を排出するドレンパイプ24とが接続されている。
そして、加熱用容器10は、ウォータージャケット20
内に、加熱又は冷却用流体を、選択的に、注入又は排出
することによって、閉鎖空間18内に投入された材料
を、必要に応じて、加熱、保温又は冷却できるように構
成されている。尚、加熱又は冷却用流体の供給又は排出
は、オペレータによる手動操作、または、制御装置(図
示せず)による自動操作等によって、食品の製造条件に
適合するように適宜行われる。
【0011】又、蓋部材16には、開閉可能な原料投入
口26が設けられ、更に、加圧空気供給パイプ28が接
続されている。そして、加熱用容器10は、原料投入口
26を介して、本体14内の閉鎖空間に原料を投入で
き、且つ、加圧空気供給パイプ28によって閉鎖空間1
8内に加圧空気を供給して閉鎖空間18内を加圧できる
ように構成されている。
【0012】加熱用容器10は、更に、投入された原料
を攪拌混合する攪拌装置30を備えている。攪拌装置3
0は、蓋部材16の外側に配置された反転変速機能付き
モータ32と、基端がモータ32に連結され鉛直線に対
して約30°傾斜して配置された回転軸34と、回転軸
34の先端にその上端部が連結された内側攪拌手段、即
ち内側攪拌羽根36、および外側攪拌手段、即ち外側攪
拌羽根38とを有している。内側攪拌羽根36および外
側攪拌羽根38の下端は、容器本体14に回転可能に連
結されている。
【0013】内側攪拌羽根36は、長方形状に配置され
た棒状部材からなる基部36aと該基部36aから回転
軸線Aに直交する方向に延びる複数の攪拌棒36bとを
備えている。又、外側攪拌羽根38は環状部材であり、
この外側攪拌羽根38には、閉鎖空間38の下部におい
て本体14の内面と接触し、投入された原料を掻き取っ
て攪拌を促進する、合成樹脂製の掻き取り羽根38aが
複数取り付けられている。
【0014】加熱用容器10は、内側攪拌羽根36およ
び外側攪拌羽根38を、モータ32および回転軸34な
どの駆動機構によって、矢印Bで示すように、同一方向
または互いに反対の方向に任意の速度で回転させ、閉鎖
空間18に投入された材料を攪拌混合することができる
ように構成されている。
【0015】モータ32には、内側攪拌羽根36および
外側攪拌羽根38の回転方向および回転速度を制御する
ために、軸負荷測定手段55及び制御装置50が接続さ
れている。軸負荷測定手段55は、内側攪拌羽根36お
よび外側攪拌羽根38によって原料を攪拌する際に回転
軸34にかかる負荷の大きさを測定する。軸負荷測定手
段55は、公知のモータ負荷電流測定器によって構成す
ることができる。なお、軸負荷測定手段55を公知のト
ルク検出器などによって構成することもできる。
【0016】軸負荷測定手段55は制御装置50に接続
され、軸負荷測定手段55が測定した回転軸34にかか
る負荷の大きさに関する信号が制御装置50に出力され
る。一方、制御装置50には、回転軸34にかかる負荷
の大きさに対応して原料(食品材料)を効率的に攪拌混
合するための内側攪拌羽根36および外側攪拌羽根38
の回転方向および回転速度に関するデータが予め記憶さ
れている。そして、制御装置50は、軸負荷測定手段5
5が出力した回転軸34にかかる負荷の大きさに関する
信号に基づいて、モータ32による内側攪拌羽根36お
よび外側攪拌羽根38の回転方向および回転速度を制御
するように構成される。
【0017】また、この実施形態では、回転軸34の先
端に、棒状のセンサ取付け部材40が取付けられ、この
センサ取付け部材40の先端に取付けられた温度センサ
42によって、攪拌中の原料(食品材料)の温度を検出
することができる。
【0018】本体14の底部には、加熱調理が完了した
原料すなわちカレールウを加熱用容器10の外部に排出
するためのパイプ44が接続されている。パイプ44と
容器本体14との接続部は、空気圧シリンダ46によっ
て駆動される弁部材48によって開閉される。
【0019】次に、本発明の好ましい実施形態の作動に
ついて説明する。上記のように、加熱用容器10は、カ
レー又はシチューなどのルウを製造する工程で使用され
る食品製造用の加熱用容器であり、前処理工程で動物性
油脂などの油脂系原料と小麦粉などの澱粉系原料などか
ら調理された小麦粉ルウに、食塩、砂糖、香辛料等の粉
体原料と、更に、水分を多く含む肉エキス、野菜エキス
等の水系原料とを加えて加熱調理する。原料の種類及び
構成比は、製造する製品に合わせて適当に選択される。
具体的には、例えば、カレー又はシチューなどのルウを
製造する場合には、原料全体に対して、動物性油脂等の
油脂系原料を20〜40重量%、小麦粉等の澱粉系原料
を5〜30重量%の割合で使用するのが好ましい。ま
た、本発明において、前記油脂系原料及び澱粉系原料を
含むルウ材料に加えられる水系原料の例としては、乳製
品、肉・魚介・野菜・果実等の汁液、エキス、ブイヨン
等が挙げられる。これらの水系原料は、出荷される最終
製品のルウ中の水分が、1〜5質量%程度になるように
使用されるのが好ましい。
【0020】尚、ここでは、合成乳化剤を添加しないカ
レールウの製造について説明する。このカレールウは、
小麦粉ルウと水系原料などを加熱用容器10で、105
℃ないし125℃程度で、加熱調理するものであり、1
05℃より高い温度では、物性が急激に硬く即ち流動性
が急激に低くなる。また、ここで「合成乳化剤を添加し
ない」とは、ルウ等を製造する際に、合成乳化剤を積極
的に添加しないこと意味し、原料として使用する乳製品
等に既に含まれていた結果カレールウに含まれることと
なった極少量の合成乳化剤、例えば、カレールウの総量
に対して約0.002重量%程度の合成乳化剤の存在を
否定するものではない。
【0021】まず、材料投入口26から、小麦粉ルウ及
び水系原料などを、加熱用容器10の閉鎖空間18内に
投入する。小麦粉ルウ及び水系原料などは、他のルー
ト、例えば、容器本体14に接続されたパイプ等(図示
せず)を通して、閉鎖空間18内に投入されてもよい。
【0022】所定の原料を加熱用容器10内に投入しな
がら、第1の攪拌条件、即ち内側攪拌羽根36を毎分3
0回転、外側攪拌羽根28を毎分15回転で同一方向に
回転させ、投入された原料を攪拌する。このとき、軸負
荷測定手段55、例えば、モータ負荷電流測定器によっ
て、モータ負荷電流すなわち回転軸34にかかる負荷の
大きさが測定される。軸負荷測定手段55が測定した回
転軸34にかかる負荷の大きさに関する信号は、逐次、
制御装置50に出力される。この時点では、原料はまだ
比較的柔らかく、流動性が高いので、上記第1の攪拌条
件を与えても軸に過大な負荷がかかることはなく、また
有効に攪拌を行うことができる。即ち、内側攪拌羽根3
6と外側攪拌羽根28との間の相対回転速度差を比較的
小さい値にして、両方の攪拌羽根を回転させても、十分
に攪拌を行うことができる。
【0023】次に、温度センサ42の出力に基づく温度
制御を行いながら、流体供給パイプ22を通してウォー
タージャケット20内に水蒸気を導入し、投入された原
料を加熱する。加熱された原料は、その品温上昇に伴っ
て次第に流動性が低くなる。これに伴って、内側攪拌羽
根36および外側攪拌羽根38を回転駆動させる回転軸
34への負荷も大きくなる。硬くなった原料を、内側攪
拌羽根36と外側攪拌羽根38との相対回転速度差が小
さい条件で攪拌すると、原料が閉鎖空間18内で、ほぼ
一塊になったまま回転するので、有効な攪拌を行うこと
ができなくなる。
【0024】この実施形態では、原料の品温が90℃に
達したときの回転軸34にかかる負荷の大きさのデータ
が制御装置50に予め記憶されている。軸負荷測定手段
55が検出した回転軸34にかかる負荷が、予め記憶さ
れた上記負荷のデータよりも大きくなると、制御装置5
0はモータの回転を第2の攪拌条件に切り換える。即
ち、外側攪拌羽根28を毎分15回転で回転させ、内側
攪拌羽根36を外側攪拌羽根28の回転方向と反対の方
向に、毎分30回転で回転させる。内側攪拌羽根36と
外側攪拌羽根28とを反対方向に回転させることによ
り、内側攪拌羽根36と外側攪拌羽根28との相対回転
速度差が大きくなる。このような攪拌を行うと、流動性
が低く、塊になった原料を内側攪拌羽根36と外側攪拌
羽根28との間で剪断することができ、有効に攪拌を行
うことができる。上記の攪拌条件を与えることにより、
105℃より品温が高くなって、カレールウの物性が急
激に硬くなり、流動性が急激に低下しても、効率の良い
攪拌が可能となる。
【0025】所定時間にわたる所定温度(105℃ない
し125℃程度)での加熱調理が完了すると、ドレンパ
イプ24を通して、ウォータージャケット20内の水蒸
気を排出するとともに、流体供給パイプ22を通して3
5℃の冷却水をウォータージャケット20内に導入し、
閉鎖空間18内のカレールウを冷却する。冷却の開始時
点では、カレールウの温度は、105℃ないし125℃
程度であり、したがって、カレールウは、物性が硬く即
ち流動性が低い。
【0026】この実施形態では、冷却開始後、カレール
ウの品温が102℃になったとき(流動性が少し高くな
り、回転軸34にかかる負荷が小さくなってきたとき)
の回転軸34にかかる負荷の大きさに関するデータが制
御装置50に予め記憶されている。制御装置50は、軸
負荷測定手段55によって検出された回転軸34にかか
る負荷の大きさが、予め記憶された上記データよりも小
さくなると、モータの回転を第3の攪拌条件に切り換え
る。即ち、外側攪拌羽根38を舞いふん15回転で回転
させ、内側攪拌羽根36を外側攪拌羽根38の回転方向
と同一方向に毎分30回転で回転させる。
【0027】加熱用容器10での冷却は、カレールウ
が、他の容器である貯蔵容器(図示せず)に流出するこ
とができる流動性になるまで、行われるのが好ましい。
ここで、「他の容器に流出することができる流動性」と
は、加熱用容器10に接続されたパイプ44から、カレ
ールウが流出できる程度の流動性を指す。このカレール
ウでは、約100℃でこのような状態となる。
【0028】従って、本実施形態では、加熱用容器10
内のカレールウの品温が、約100℃になった段階で、
加圧空気供給パイプ28を通して、加熱用容器10の閉
鎖空間18内に加圧空気を導入し、閉鎖空間18内を加
圧する。これと同時に、空気圧シリンダ46によって弁
部材48を駆動させ、パイプ44を開く。上述したよう
に、カレールウは、100℃の品温においては、加熱用
容器10から流出できる程度の流動性を有しているの
で、カレールウはパイプ44を通して加熱用容器10か
ら、流出して、貯蔵容器(図示せず)に移動する。
【0029】貯蔵容器(図示せず)は加熱用容器10と
類似した構造を備えている。貯蔵容器(図示せず)のウ
ォータージャケット(図示せず)に約7℃の冷却水を導
入し、閉鎖空間内に移されたカレールウの温度を貯蔵容
器の温度センサ(図示せず)によって検出しながら、カ
レールウを約62℃まで冷却する。このとき、貯蔵容器
の攪拌羽根(図示せず)を貯蔵容器のモータ(図示せ
ず)によって回転駆動させ、カレールウを攪拌し、均一
且つ迅速な冷却を行う。冷却が完了すると、カレールウ
を出荷用個別パッケージに充填するための充填装置(図
示せず)に向けて、貯蔵容器(図示せず)から流出させ
る。
【0030】本発明において、加熱、冷却など温度条件
は、使用する原料の種類、比率などにより変更されるも
のであり、上記実施形態で挙げた条件に限定されるもの
ではない。また、制御装置50に記憶させた内側攪拌羽
根36および外側攪拌羽根38の回転方向および回転速
度などの各攪拌条件も、使用する原料の種類、比率、あ
るいは装置のスケールなどにより変更されるものであ
り、上記実施の形態で挙げた条件に限定されるものでは
ない。一般的に、内側攪拌羽根36と外側攪拌羽根38
との間には、相対回転速度差を設けるのが好ましいが、
例えば、原料の流動性が極めて高い場合等には、内側攪
拌羽根36と外側攪拌羽根38との間に相対回転速度差
を与えなくても有効な攪拌を行うことができる。
【0031】また、上記の実施形態においては、加熱調
理の際に回転軸34にかかる負荷の大きさを測定しなが
ら攪拌条件を切り換えるものであったが、本発明は、こ
れに限定されるものではない。例えば、バッチ式の連続
生産などの場合には、そのバッチ毎に回転軸34にかか
る負荷の大きさを測定しなくとも制御を行うことができ
る。即ち、加熱調理の開始から終了までの時間と回転軸
34にかかる負荷の大きさの変化との関係を予め測定
し、これに基づいて自動的に一定の時間毎に各攪拌条件
を切り替えるプログラムを制御装置に記憶させ、このプ
ログラムによって攪拌条件を制御する。このような構成
を採用した場合には、軸負荷測定手段55を省略するこ
とができる。
【0032】更に、水分の多い原料を調理する場合等
は、原料の重量と流動性の間に一定の関係が存在するこ
とから、原料の重量に応じて攪拌条件を切り換えること
もできる。これは、水分の多い原料においては、加熱に
よって水分量が減じるに従って重量が軽くなり、それに
伴って原料の流動性が低下するためである。この場合に
は、加熱調理装置に荷重計、例えば、ロードセルを取付
けることによって重量を測定する。ただし、この場合に
は、攪拌による振動の防止に配慮すべきである。また、
原料の固形分濃度、即ちブリックスを測定することによ
って、原料の流動性を測定し、攪拌条件を切り換えるこ
とも可能である。この場合には、閉鎖空間内に液体濃度
計を設けることによって、濃度を測定する。上記の実施
形態においては、原料の流動性に応じて攪拌条件を切り
換えているが、攪拌条件を原料の流動性に応じて連続的
に変化させても良い。
【0033】また、上記実施の形態は、カレールウを製
造するものであったが、本発明は、これに限定されるも
のではなく、シチューのルウ、又は、複数種類の原料か
らなり調理に必要な温度においてその流動性が低くなる
食品材料、あるいは、調理に必要な温度においてその流
動性が高くなる食品材料を用いた食品の製造にも適用さ
れる。
【発明の効果】本発明によって、加熱調理装置で加熱す
る食品の硬さに応じて、食品を適切な条件で攪拌するこ
とにより、攪拌用の羽根、及びその駆動軸にかかる負荷
を減じ、それにより加熱調理装置の耐久性を増大させ、
寿命を長くすると同時に、効果的な攪拌を行うことがで
きる加熱調理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による加熱調理装置に含まれる加熱用容
器の概略断面図である。
【符号の説明】
10 加熱用容器 14 本体 16 蓋部材 18 閉鎖空間 20 ウオータージャケット 30 攪拌装置 32 モータ 34 回転軸 36 内側攪拌羽根 38 外側攪拌羽根 50 制御装置 55 軸負荷測定手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A47J 27/14 A47J 44/02 A23L 1/221

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 調理中に流動性が変化する食品材料を、
    攪拌しながら加熱調理する食品の加熱調理装置であっ
    て、 前記食品材料を収容する容器と、 前記容器内に配置され、同一軸線を中心に回転駆動可能
    に配置された内側攪拌手段と外側攪拌手段とを有する攪
    拌装置と、 前記食品材料を加熱及び/又は冷却するための加熱/冷
    却手段と、 前記攪拌装置を制御するための制御装置と、を有し、 前記制御装置が、調理中の食品材料の流動性に応じて、
    前記外側攪拌手段と前記内側攪拌手段との相対的な回転
    速度差を変化させ、該食品材料の流動性が低いときの前
    記外側攪拌手段と前記内側攪拌手段との相対的な回転速
    度差を、該食品材料の流動性が高いときの前記外側攪拌
    手段と前記内側攪拌手段との相対的な回転速度差より大
    きくすることを特徴とする、食品の加熱調理装置。
  2. 【請求項2】 さらに、前記攪拌装置の回転駆動軸にか
    かる負荷を測定する軸負荷測定手段を備え、 前記制御装置が、前記軸負荷測定手段によって測定され
    た負荷の大きさに基づいて、前記外側攪拌手段と前記内
    側攪拌手段との相対的な回転速度差を変化させることを
    特徴とする、請求項1に記載の加熱調理装置。
  3. 【請求項3】 前記制御装置による制御が、前記外側攪
    拌手段と前記内側攪拌手段との相対的な回転速度差が大
    きい攪拌条件と、前記外側攪拌手段と前記内側攪拌手段
    との相対的な回転速度差が小さい攪拌条件とを、前記回
    転駆動軸にかかる軸負荷によって切り換えることからな
    ることを特徴とする、請求項2に記載の加熱調理装置。
  4. 【請求項4】 前記加熱/冷却手段が、加熱用流体及び
    /又は冷却用流体を流すジャケットであることを特徴と
    する、請求項1乃至請求項3に記載の加熱調理装置。
  5. 【請求項5】 調理中に流動性が変化する食品材料を、
    攪拌しながら加熱調理する工程を含む食品の製造方法で
    あって、 同一軸線を中心に回転駆動可能に配置された内側攪拌手
    段及び外側攪拌手段を有する攪拌装置を配置した容器内
    に、前記食品材料を投入する段階と、 前記食品材料を前記容器内で加熱及び/又は冷却しなが
    ら、前記内側攪拌手段及び外側攪拌手段によって前記食
    品材料を攪拌する段階と、を有し、 前記食品材料の流動性に応じて、前記内側攪拌手段と、
    前記外側攪拌手段との相対的な回転速度差を変化させ
    該食品材料の流動性が低いときの前記外側攪拌手段と前
    記内側攪拌手段との相対的な回転速度差を、該食品材料
    の流動性が高いときの前記外側攪拌手段と前記内側攪拌
    手段との相対的な回転速度差より大きくすることを特徴
    とする、食品の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記攪拌装置の前記回転駆動軸にかかる
    軸負荷を測定するための装置を更に設け、前記外側攪拌
    手段と前記内側攪拌手段との相対的な回転速度差が大き
    い攪拌条件と、前記外側攪拌手段と前記内側攪拌手段と
    の相対的な回転速度差が小さい攪拌条件とを、前記軸負
    荷によって切り換えることを特徴とする、請求項5に記
    載の食品の製造方法。
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