JP3478777B2 - 食品製造方法 - Google Patents

食品製造方法

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JP3478777B2
JP3478777B2 JP2000059023A JP2000059023A JP3478777B2 JP 3478777 B2 JP3478777 B2 JP 3478777B2 JP 2000059023 A JP2000059023 A JP 2000059023A JP 2000059023 A JP2000059023 A JP 2000059023A JP 3478777 B2 JP3478777 B2 JP 3478777B2
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heating container
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品製造方法に関
連し、詳細には、複数種類の原料からなる食品材料を加
熱用容器内で加熱攪拌し、その後、他の容器に移す工程
を含む食品製造方法に関連する。
【0002】
【従来の技術】複数種類の原料からなる食品材料を加熱
用容器内で加熱調理し、その後、他の容器に移す工程を
含む食品製造方法が知られている。このような食品製造
方法として、例えば、カレー、シチュー等のルウを製造
する製造方法がある。これらの食品製造方法では、小麦
粉などの澱粉系原料と油脂系原料とを加熱・攪拌して所
謂小麦粉ルウを製造し、この小麦粉ルウに食塩、砂糖、
香辛料等の粉体原料を加えて、さらに加熱・攪拌による
調理を行なって、溶融したペースト状ルウを得ている。
そして、ペースト状ルウは、他の容器に移され、出荷用
個別パッケージへの充填に適した温度まで冷却された
後、出荷用個別パッケージに充填され、さらに、冷却・
固化されて最終製品となる。
【0003】また、ルウを製造する製造方法では、上記
粉体原料の一部に代えて、又は、上記粉体原料の他に、
更に、肉汁、野菜エキス、乳製品などの水分を多く含む
水系原料を加えて調理を行うと、一層、風味の優れた製
品を得ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このカレールウ等の製
造工程のように、澱粉系原料と油脂系原料に加えて、水
分を多く含む水系原料と加熱・攪拌して調理していくと
き、ペースト状ルウ等の食品材料は、品温がある温度を
超えると、その物性が急激に硬くなり、流動性が急激に
低下する。従って、加熱による調理に必要な温度が、こ
の流動性が低下する温度より高い場合には、調理が終了
した後、ペースト状ルウ等の食品材料を、調理を行って
いた容器から、他の容器に速やかに移すことができず、
製造工程を円滑に進めることができないという問題があ
る。
【0005】上述したような流動性の低下は、合成乳化
剤を添加しない場合に特に顕著に現れるため、上記問題
は、合成乳化剤を使用しない食品の製造工程において特
に深刻である。
【0006】本発明は、上記問題に鑑みてなされたもの
であり、カレールウ等の製造工程のように、加熱調理に
必要な温度においてその物性が硬い即ち流動性が低い食
品材料を、加熱用容器から他の容器に速やかに移すこと
ができ、製造を円滑に進めることができる食品製造方法
を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、複数種
類の原料からなり調理に必要な温度においてその流動性
が低くなる食品材料を、加熱用容器内で加熱調理し、次
いで、他の容器に移す工程を含む食品製造方法であっ
て、前記加熱用容器内での前記食品材料の加熱調理が完
了した後、該食品材料を、前記加熱用容器内で前記他の
容器へ流出できる流動性を有する温度まで冷却する第1
の冷却工程と、該冷却された食品材料を前記他の容器に
移す工程と、前記食品材料を、前記他の容器内で該他の
容器から出荷用個別パッケージへの充填に適した温度ま
で更に冷却する第2の冷却工程と、を備えていることを
特徴とする食品製造方法が提供される。
【0008】 ここで、「他の容器へ流出することがで
きる流動性」とは、加熱用容器の底に接続された管か
ら、あるいは、傾けられた加熱用容器の上縁から、食品
材料のほぼ全てが流出できる程度の流動性を指す。
【0009】 このような構成を有する本発明によれ
ば、調理のための加熱によってその物性が硬くなってい
る即ち流動性が低下している食品材料は、他の容器に移
される前に、冷却される。従って、他の容器に移される
際には、物性が柔らかく即ち流動性が上昇しており、他
の容器への移動が速やかに行われる。さらに、食品材料
は、その物性が柔らかく即ち流動性が上昇した状態にな
るので、移動が速やかに行われて、食品製造がより円滑
に進められる。
【0010】 本発明の他の好ましい態様によれば、前
記複数種類の原料が、油脂系原料と、澱粉系原料と、水
分を多く含む水系原料とを含む。
【0011】 このような原料を使用する食品材料とし
ては、例えば、カレールウ、シチュールウ等がある。こ
れらのルウを製造するとき、油脂系原料である油脂と澱
粉系原料である小麦粉とを調理した小麦粉ルウを含むル
ウ材料に、水系原料を加えて、調理のため100℃を越
える温度まで加熱する。このとき、小麦粉ルウを含むル
ウ材料と水系原料との混合物であるルウは、100℃を
越える温度では、その物性が非常に硬くなる即ち流動性
が低くなる。しかしながら、この態様によれば、水系原
料を加えた加熱調理の後、冷却が行なわれるので、ルウ
の物性が軟化し即ち流動性が高くなり、速やかに他の容
器に移すことができる。
【0012】 又、本発明の他の好ましい態様によれ
ば、前記加熱用容器が、ウォータージャケットを備えた
加熱用容器であり、前記加熱調理の際には、前記ウォー
タージャケット内に、加熱用流体が導入され、前記冷却
の際には、前記ウォータージャケット内に冷却用流体が
導入される。
【0013】 このような構成によれば、ウォータージ
ャケットに導入する流体の種類を変更するという極めて
単純な操作で、加熱から冷却に切り替えることが可能と
なり、加熱から冷却に切り替えが速やかに行われる。
【0014】 本発明の他の好ましい態様によれば、前
記第1の冷却工程中、前記加熱容器内の食品材料が撹拌
される。本発明の他の好ましい態様によれば、前記第2
の冷却工程中、前記他の容器内の食品材料が撹拌され
る。
【0015】 本発明の他の好ましい態様によれば、前
記移す工程が、前記加熱容器内に加圧空気を供給するこ
とによって行われる。
【0016】
【0017】
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の好
ましい実施の形態を詳細に説明する。まず、本発明の好
ましい実施の形態の食品製造方法で使用される加熱用容
器、及び、他の容器の構成を説明する。
【0019】図1は、この実施の形態で使用される加熱
用容器10の概略的な断面図である。加熱用容器10
は、カレーまたはシチューなどのルウを製造する工程で
使用される加熱調理装置であり、前処理工程で動物性油
脂などの油脂系原料と小麦粉などの澱粉系原料などから
調理された小麦粉ルウに、食塩、砂糖、香辛料等の粉体
原料と、さら、肉エキス、野菜エキス等の水分を多く含
む水系原料を加え、加熱調理しながら混ぜ合わせる調理
釜の形態の加熱用容器である。
【0020】図1に示されているように、加熱用容器1
0は、床面に配置された架台12上に設置された本体1
4を備えている。本体14は、上方に向かって開口する
略円筒形状の金属製の有底筒体であり、その開口部は、
金属製の蓋部材16によって開放可能に閉鎖されてい
る。尚、蓋部材16は、ボルトなどの締結具によって、
本体14に取付けられている。従って、本体14と蓋部
材16とによって、加熱用容器10内部の閉鎖空間18
が形成されている。又、本体14の内面下部によって形
成される閉鎖空間の底部は、略半球状の形状を有してい
る。
【0021】本体14の側壁および底壁の内部には、ウ
ォータージャケット20が形成されている。このウォー
タージャケット20には、このウォータージャケット2
0内に、水蒸気、温水、又は、冷水などの加熱又は冷却
用流体を供給する流体供給パイプ22と、ウォータージ
ャケット20から加熱又は冷却用流体を排出するドレン
パイプ24とが接続されている。そして、加熱用容器1
0は、ウォータージャケット20内に、加熱又は冷却用
流体を、選択的に、注入又は排出することによって、閉
鎖空間18内に投入された材料を、必要に応じて、加
熱、保温又は冷却できるように構成されている。尚、加
熱又は冷却用流体の供給又は排出は、オペレータによる
手動操作、または、制御装置(図示せず)による自動操
作等によって、食品の製造条件に適合するように適宜行
われる。
【0022】又、蓋部材16には、開閉可能な原料投入
口26が設けられ、更に、加圧空気供給パイプ28が接
続されている。そして、加熱用容器10は、原料投入口
26を介して、本体14内の閉鎖空間に原料を投入で
き、且つ、加圧空気供給パイプ28によって閉鎖空間1
8内に加圧空気を供給して閉鎖空間18内を加圧できる
ように構成されている。
【0023】加熱用容器10は、更に、投入された原料
を攪拌混合する攪拌手段30を備えている。攪拌手段3
0は、蓋部材16の外側に配置された反転変速機能付き
モータ32と、基端がモータ32に連結され鉛直線に対
して約30°傾斜して配置された回転軸34と、回転軸
34の先端にその上端部が連結された内側攪拌羽根36
および外側攪拌羽根38とを有している。内側攪拌羽根
36および外側攪拌羽根38の下端は、容器本体14に
回転可能に連結されている。
【0024】内側攪拌羽根36は、長方形状に配置され
た棒状部材からなる基部36aと該基部36aから回転
軸線Aに直交する方向に延びる複数の攪拌棒36bとを
備えている。又、外側攪拌羽根38は環状部材であり、
この外側攪拌羽根38には、閉鎖空間38の下部におい
て本体14の内面と接触し、投入された原料を掻き取っ
て攪拌を促進する、合成樹脂製の掻き取り羽根38aが
複数取り付けられている。
【0025】加熱用容器10は、内側攪拌羽根36およ
び外側攪拌羽根38を、モータ32および回転軸34な
どの駆動機構によって、矢印Bで示すように、同一方向
または互いに反転する方向に任意の速度で回転させ、閉
鎖空間18に投入された材料を攪拌混合することができ
るように構成されている。
【0026】また、加熱用容器10では、回転軸34の
先端に、棒状のセンサ取付け部材40が取付けられ、こ
のセンサ取付け部材40の先端に取付けられた温度セン
サ42によって、攪拌中の原料(食品材料)の温度を検
出できるように構成されている。
【0027】本体14の底部には、加熱調理が完了した
原料すなわちカレールウを加熱用容器10の外部に排出
するためのパイプ44が接続されている。パイプ44と
容器本体14との接続部は、空気圧シリンダ46によっ
て駆動される弁部材48によって開閉される。
【0028】次に、図2に沿って、本発明の好ましい実
施の形態で使用される他の容器である貯蔵容器50につ
いて説明する。図2は、貯蔵容器50の概略的な断面図
である。貯蔵容器50は、カレー又はシチューなどのル
ウを製造する工程で使用される攪拌装置を備えた容器で
あり、加熱用容器での加熱調理が完了したルウを、出荷
用個別パッケージへの充填に適した温度に冷却し、貯蔵
するものである。この貯蔵容器での貯蔵は、ルウの熟
成、出荷用個別パッケージへの充填までの待機などの目
的も有する。
【0029】貯蔵容器50は、加熱用容器10と類似し
た構造を備えている。すなわち、図2に示されているよ
うに、貯蔵容器50は、床面に配置された架台52上に
設置された本体54を備えている。本体54は、上方に
向かって開口する略円筒形状の金属製の有底筒体であ
り、その開口部は、金属製の蓋部材56によって開放可
能に閉鎖されている。尚、蓋部材56は、ボルトなどの
締結具によって、本体54に取付けられている。従っ
て、本体54と蓋部材56とによって、貯蔵容器50の
内部に閉鎖空間58が形成されている。又、本体54の
内面下部によって形成される閉鎖空間の底部は、略半球
状の形状を有している。
【0030】本体54の側壁および底壁の内部には、ウ
ォータージャケット60が形成されている。このウォー
タージャケット60には、このウォータージャケット6
0内に、水蒸気、温水、又は、冷水などの加熱又は冷却
用流体を供給する流体供給パイプ62と、ウォータージ
ャケット60から加熱又は冷却用流体を排出するドレン
パイプ64とが接続されている。そして、貯蔵容器50
は、ウォータージャケット60内に、加熱又は冷却用流
体を、選択的に、注入又は排出することによって、閉鎖
空間58内に投入されたルウを、必要に応じて、加熱、
保温又は冷却できるように構成されている。尚、加熱又
は冷却用流体の供給又は排出は、オペレータによる手動
操作、または、制御装置(図示せず)による自動操作等
によって、食品の製造条件に適合するように適宜行われ
る。
【0031】又、蓋部材56には、開閉可能な原料投入
口66が設けられ、更に、加圧空気供給パイプ68が接
続されている。そして、貯蔵容器50は、原料投入口6
6を介して、本体54内の閉鎖空間58に原料を投入で
き、且つ、加圧空気供給パイプ68によって閉鎖空間5
8内に加圧空気を供給して閉鎖空間58内を加圧できる
ように構成されている。
【0032】貯蔵容器50は、更に、投入されたルウを
攪拌混合する攪拌手段70を備えている。攪拌手段70
は、蓋部材56の外側に配置された反転変速機能付きモ
ータ72と、基端がモータ72に連結され鉛直線に対し
て傾斜して配置された回転軸74と、回転軸74の先端
に連結された攪拌羽根76とを有している。攪拌羽根7
6は、本体54の内面底部に沿って、円弧状に延びる形
状を有している。攪拌羽根76には、攪拌を促進する合
成樹脂製の掻き取り羽根76aが複数取り付けられてい
る。攪拌手段70は、更に、パドル型攪拌羽根78を有
している。パドル型攪拌羽根78は、蓋部材56に取付
けらたパドル型攪拌羽根用モータ80によって正逆転可
能な垂直軸82の下端に取付けられている。
【0033】貯蔵容器50は、更に、温度センサ84が
先端に取付けられた垂直支持棒86を備えている。貯蔵
容器50では、温度センサ84の位置は、閉鎖空間58
に投入されたルウ(食品材料)の中心付近となるように
設定されている。
【0034】貯蔵容器50の底部には、熟成が完了した
食品材料すなわちカレールウを貯蔵容器50から充填装
置(図示せず)に排出するためのパイプ88が接続され
ている。パイプ88と容器50との接続部は、空気圧シ
リンダ90によって駆動される弁部材92によって開閉
される。
【0035】この実施の態様では、加圧空気によりパイ
プ44を通して加熱用容器10から排出された加熱調理
済みのルウが、貯蔵容器50の材料投入口66を通し
て、貯蔵容器50内に投入されるように構成されてい
る。
【0036】次に、本発明の好ましい実施の態様の作動
を説明する。
【0037】上述したように、加熱用容器10は、カレ
ー又はシチューなどのルウを製造する工程で使用される
食品製造用の加熱用容器であり、前処理工程で動物性油
脂などの油脂系原料と小麦粉などの澱粉系原料などから
調理された小麦粉ルウに、食塩、砂糖、香辛料等の粉体
原料と、更に、水分を多く含む肉エキス、野菜エキス等
の水系原料とを加えて加熱調理する。原料の種類及び構
成比は、製造する製品に合わせて適当に選択される。具
体的には、例えば、カレー又はシチューなどのルウを製
造する場合には、原料全体に対して、動物性油脂等の油
脂系原料を20〜40重量%、小麦粉等の澱粉系原料を
5〜30重量%の割合で使用するのが好ましい。また、
本発明において、前記油脂系原料及び澱粉系原料を含む
ルウ材料に加えられる水系原料の例としては、乳製品、
肉・魚介・野菜・果実等の汁液、エキス、ブイヨン等が
挙げられる。これらの水系原料は、出荷される最終製品
のルウ中の水分が、1〜5重量%程度になるように使用
されるのが好ましい。
【0038】尚、この実施の形態は、合成乳化剤を添加
しないカレールウの製造であり、小麦粉ルウと水系原料
などを加熱用容器10で、106℃ないし125℃程度
で、加熱調理するものであり、このカレールウは、10
0℃より高い温度では、物性が硬く即ち流動性が低くな
る。また、ここで「合成乳化剤を添加しない」とは、ル
ウ等を製造する際に、合成乳化剤を積極的に添加しない
こと意味し、原料として使用する乳製品等に既に含まれ
ていた結果カレールウに含まれることとなった極少量の
合成乳化剤、例えば、カレールウの総量に対して約0.
002重量%程度の合成乳化剤の存在を否定するもので
はない。
【0039】まず、材料投入口26から、小麦粉ルウ及
び水系原料などを、加熱用容器10の閉鎖空間18内に
投入する。小麦粉ルウ及び水系原料などは、他のルー
ト、例えば、容器本体14に接続されたパイプ等(図示
せず)を通して、閉鎖空間18内に投入されてもよい。
【0040】加熱用容器10内に、所定の原料を投入し
ながら、内側攪拌羽根36を毎分30回転で、外側攪拌
羽根28を毎分15回転で同一方向に回転させ、投入さ
れた原料を攪拌する。さらに、温度センサ42の出力に
基づく温度制御を行いながら、流体供給パイプ22を通
してウォータージャケット20内に水蒸気を導入し、投
入された原料を加熱する。
【0041】投入された原料の品温が、90℃に達する
と、内側攪拌羽根36の回転方向を反転させ、外側攪拌
羽根28の回転方向とは反対方向に、毎分30回転で回
転させる。このような回転状態とすることにより、品温
上昇に伴って、カレールウの物性が急激に硬くなって流
動性が急激に低下しても、効率の良い攪拌が可能とな
る。
【0042】所定時間にわたる所定温度(105℃ない
し125℃程度)での加熱調理が完了すると、ドレンパ
イプ24を通して、ウォータージャケット20内の水蒸
気を排出するとともに、流体供給パイプ22を通して3
5℃の冷却水をウォータージャケット20内に導入し、
閉鎖空間18内のカレールウを冷却する。冷却の開始時
点では、カレールウの温度は、105℃ないし125℃
程度であり、したがって、カレールウは、物性が硬く即
ち流動性が低くなっている。
【0043】この加熱用容器10での冷却中も、内側攪
拌羽根36を毎分30回転で、外側攪拌羽根38は内側
攪拌羽根36と反対方向に毎分15回転で回転させ続け
る。これによって、冷却中に、カレールウが局所的冷却
されて分離が起こることを防止しつつ、均一且つ迅速な
冷却が達成される。
【0044】加熱用容器10での冷却によって、温度が
低下しカレールウが軟化し流動性が上昇してくると、内
側攪拌羽根36の回転方向を反転させ、外側攪拌羽根3
8と同一方向に回転させる。
【0045】加熱用容器10での冷却は、カレールウ
が、他の容器である貯蔵容器50に流出することができ
る流動性になるまで、行われるのが好ましい。ここで、
「他の容器に流出することができる流動性」とは、加熱
用容器10に接続されたパイプ44から、カレールウが
流出できる程度の流動性を指す。そして、本実施の形態
では、約100℃でこのような状態となる。
【0046】従って、本実施の形態では、加熱用容器1
0内のカレールウの品温が、約100℃になった段階
で、加圧空気供給パイプ28を通して、加熱用容器10
の閉鎖空間18内に、加圧空気を導入し、閉鎖空間18
内を加圧する。これと同時に、空気圧シリンダ46によ
って弁部材48を駆動させ、パイプ44を開く。上述し
たように、カレールウは、100℃の品温においては、
加熱用容器10から流出できる程度の流動性を有してい
るので、カレールウはパイプ44を通して加熱用容器1
0から、流出して、貯蔵容器50に移動する。
【0047】貯蔵容器50では、ウォータージャケット
60に約7℃の冷却水を導入し、閉鎖空間内58内に移
されたカレールウの温度を温度センサ84によって検出
しながら、カレールウを約62℃まで冷却する。このと
き、攪拌羽根74をモータ72によって、パドル型攪拌
羽根78をモータ80によって、それぞれ、回転駆動さ
せ、カレールウを攪拌し、均一且つ迅速な冷却を行う。
【0048】カレールウの品温が62°まで降下する
と、7℃の冷却水に代えて、62℃の温水をウォーター
ジャケット60に導入し、貯蔵容器50内のカレールウ
を攪拌羽根74およびパドル型攪拌羽根78によって攪
拌しながら、62℃に維持して貯蔵する。この貯蔵は、
カレールウが熟成し、且つ、出荷用の個別パッケージへ
の充填を行う充填装置の準備が整うまで続けられる。
【0049】熟成が完了し、且つ、出荷用の個別パッケ
ージへの充填を行う充填装置の準備が整うと、加圧空気
供給パイプ68を通して、貯蔵容器50の閉鎖空間58
内に、加圧空気を導入し、閉鎖空間58内を加圧する。
これと同時に、空気圧シリンダ90によって弁部材92
を駆動させ、パイプ88の入口を開き、カレールウを充
填装置に向けて、貯蔵容器50から流出させる。
【0050】このように本実施の形態の食品製造方法で
は、加熱用容器10からカレールウの排出に先立て、カ
レールウを、加熱用容器10から流出できる流動性を有
する温度まで冷却するので、加熱用容器10からカレー
ルウを速やかに排出することができる。
【0051】また、貯蔵容器50においてカレールウを
出荷用個別パッケージへの充填に適した品温(62℃)
まで冷却するので、出荷用個別パッケージへの充填後、
カレールウを速やかに冷却固化させて製品とすることが
できる。また、本実施形態の食品製造方法では、カレー
ルウを加熱用容器10において約100℃程度までしか
冷却しないので、カレールウ排出後も、加熱用容器10
は比較的温度が高い状態に維持されている。従って、次
のバッチの原料を加熱用容器10に投入して、加熱用容
器10で引き続き加熱調理を行う場合であっても、投入
された原料を速やかに所定温度まで加熱することができ
る。
【0052】本発明において、加熱、冷却など温度条件
は、使用する原料の種類、比率などにより変更されるも
のであり、上記実施の形態で挙げた条件に限定されるも
のではない。
【0053】また、上記実施の形態は、カレールウを製
造するものであったが、本発明は、これに限定されるも
のではなく、シチューのルウ、又は、複数種類の原料か
らなり調理に必要な温度においてその流動性が低くなる
食品材料を用いた食品の製造にも適用される。
【0054】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、食品材
料を加熱用容器から他の容器に速やかに移すことがで
き、製造を円滑に進めることができる食品製造方法が提
供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の好ましい実施の態様の食品
製造方法で使用される加熱用容器の模式的な断面図であ
る。
【図2】 図2は、本発明の好ましい実施の態様の食品
製造方法で使用される貯蔵容器の模式的な断面図であ
る。
【符号の説明】
10:加熱用容器 14:本体 16:蓋部材 18:閉鎖空間 20:ウォータージャケット 30:攪拌手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河原 瑞穂 大阪府東大阪市御厨栄町1丁目5番7号 ハウス食品株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−284380(JP,A) 特開 平6−284868(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/00 - 1/01 A23L 1/39 - 1/48 A47J 27/14 - 27/18

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数種類の原料からなり調理に必要な温
    度においてその流動性が低くなる食品材料を、加熱用容
    器内で加熱調理し、次いで、他の容器に移す工程を含む
    食品製造方法であって、 前記加熱用容器内での前記食品材料の加熱調理が完了し
    た後、該食品材料を、前記加熱用容器内で前記他の容器
    へ流出できる流動性を有する温度まで冷却する第1の冷
    却工程と、 該冷却された食品材料を前記他の容器に移す工程と、 前記食品材料を、前記他の容器内で該他の容器から出荷
    用個別パッケージへの充填に適した温度まで更に冷却す
    る第2の冷却工程と、を備えている ことを特徴とする食品製造方法。
  2. 【請求項2】 前記複数種類の原料が、油脂系原料と、
    澱粉系原料と、水分を多く含む水系原料とを含む、 請求項1に記載の食品製造方法。
  3. 【請求項3】 前記加熱用容器が、ウォータージャケッ
    トを備えた加熱用容器であり、 前記加熱調理の際には、前記ウォータージャケット内
    に、加熱用流体が導入され、前記冷却の際には、前記ウ
    ォータージャケット内に冷却用流体が導入される、請求
    項1または2に記載の食品製造方法。
  4. 【請求項4】 前記第1の冷却工程中、前記加熱容器内
    の食品材料が撹拌される、 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の食品製造方
    法。
  5. 【請求項5】 前記第2の冷却工程中、前記他の容器内
    の食品材料が撹拌される、 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の食品製造方
    法。
  6. 【請求項6】 前記移す工程が、前記加熱容器内に加圧
    空気を供給することによって行われる、 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の食品製造方
    法。
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