JP3423493B2 - 補正光学装置 - Google Patents

補正光学装置

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JP3423493B2
JP3423493B2 JP20676895A JP20676895A JP3423493B2 JP 3423493 B2 JP3423493 B2 JP 3423493B2 JP 20676895 A JP20676895 A JP 20676895A JP 20676895 A JP20676895 A JP 20676895A JP 3423493 B2 JP3423493 B2 JP 3423493B2
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  • Adjustment Of Camera Lenses (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固定部材に挟持さ
れ、光軸方向に対し略直交する方向に駆動される可動枠
を有する補正光学装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在のカメラは露出決定やピント合せ等
の撮影にとって重要な作業は全て自動化されているた
め、カメラ操作に未熟な人でも撮影失敗を起す可能性は
非常に少なくなっている。
【0003】また、最近では、カメラに加わる手振れを
防ぐシステムも研究されており、撮影者の撮影失敗を誘
発する要因は殆ど無くなってきている。
【0004】ここで、手振れを防ぐシステムについて簡
単に説明する。
【0005】撮影時のカメラの手振れは、周波数として
通常1Hz乃至12Hzの振動であるが、シャッタのレ
リーズ時点においてこのような手振れを起していても像
振れの無い写真を撮影可能とする為の基本的な考えとし
て、上記手振れによるカメラの振動を検出し、その検出
値に応じて補正レンズを変位させてやらなければならな
い。従って、カメラの振れが生じても像振れを生じない
写真を撮影できることを達成するためには、第1にカメ
ラの振動を正確に検出し、第2に手振れによる光軸変化
を補正することが必要となる。
【0006】この振動(カメラ振れ)の検出は、原理的
にいえば、角加速度,角速度,角変位等を検出する振動
検出手段と、該センサの出力信号を電気的或は機械的に
積分して角変位を出力するカメラ振れ検出手段とをカメ
ラに搭載することによって行うことができる。そして、
この検出情報に基づいて撮影光軸を偏心させる補正光学
機構を駆動させることにより、像振れ抑制が可能とな
る。
【0007】ここで、振動検出手段を用いた防振システ
ムについて、図12を用いてその概要を説明する。
【0008】図12の例は、図示矢印81方向のカメラ
縦振れ81p及び横振れ81yに由来する像振れを抑制
するシステムの図である。
【0009】同図中、82はレンズ鏡筒、83p,83
yは各々カメラ縦振れ振動、カメラ横振れ振動を検出す
る振動検出手段で、それぞれの振動検出方向を84p,
84yで示してある。85は補正(光学)手段(86
p,86yは各々補正手段85に推力を与えるコイル、
86p,86yは補正手段85の位置を検出する位置検
出素子)であり、該補正手段85には後述する位置制御
ループを設けており、振動検出手段83p,83yの出
力を目標値として駆動され、像面88での安定を確保す
る。
【0010】図13はかかる目的に好的に用いられる補
正手段の構造を示す分解斜視図であり、以下図14〜図
22を参照しつつ、この構造について説明する。
【0011】地板71(図16に拡大図あり)の背面突
出耳71a〔3ケ所(1ケ所は隠れて見えない)〕は不
図示の鏡筒に嵌合し、公知の鏡筒コロ等が孔71bにネ
ジ止めされ、鏡筒に固定される。
【0012】磁性体であり光択メッキが施された第2ヨ
ーク72は、孔72aを貫通するネジで地板71の孔7
1cにネジ止めされる。又、第2ヨーク72にはネオジ
ウムマグネット等の永久磁石(シフト用マグネット)7
3が磁気的に吸着されている。尚、各永久磁石73の磁
化方向は図13に図示した矢印73aの方向である。
【0013】レンズ74がCリング等で固定された支持
枠75(図17に拡大図あり)にはコイル76p,76
y(シフト用コイル)がパッチン接着(強引に押し込ま
れて接合された状態を意味する)され(図17は未接
着)、又、IRED等の投光素子77p,77yも支持
枠75の背面に接着され、スリット75ap,75ay
を通してその射出光が後述するPSD等の位置検出素子
78p,78yに入射する。
【0014】支持枠75の孔75b(3ケ所)にはPO
M(ポリアセタール樹脂)等の先端球状の支持球79
a,79b及びチャージバネ710が挿入され(図14
及び図15も参照)、支持球79aが支持枠75に熱カ
シメされ固定される(支持球79bはチャージバネ71
0のバネ力に逆らって孔75bの延出方向に摺動可能で
ある)。
【0015】上記図15は補正手段の組立後の横断面図
であり、支持枠75の孔75bに矢印79c方向に支持
球79aを挿入して該孔75bの周端部75cを熱カシ
メして支持球79aの抜け止めを行う。
【0016】次に、支持枠75の軸受部75dには例え
ばフッソ系のグリスを塗布し、ここにL字形の軸711
(非磁性のステンレス材)を挿入し(図13参照)、L
字軸711の他端は地板71に形成された軸受部71d
(同様にグリスを塗布し)に挿入する。
【0017】次に、支持枠75の孔75b(3カ所)に
支持球79aと反対側の開口している側よりチャージバ
ネ710,支持枠79bを挿入し、3カ所の支持球79
bを共に第2ヨーク72に乗せて(図15参照)支持枠
75を前記地板71内に収める。
【0018】次に、図13に示す第1ヨーク712の位
置決め孔712a(3ケ所)を地板71の図16に示す
ピン71f(3ケ所)に嵌合させ、同じく図16に示す
受け面71e(5ケ所)にて第1ヨーク712を受けて
地板71に対し磁気的に結合する(永久磁石73の磁力
により)。
【0019】これにより、第1ヨーク712の背面が支
持球79aと当接し、図15に示す様に支持枠75は第
1ヨーク712と第2ヨーク72にて挟持され、光軸方
向の位置決めが為される。
【0020】支持球79a,79bと第1ヨーク71
2,第2ヨーク72の互いの当接面にもフッソ系グリス
が塗布してあり、支持枠75は地板71に対して光軸と
直交する平面内にて自由に摺動可能である。
【0021】上記L字軸711は支持枠75が地板71
に対し矢印713p,713y方向にのみ摺動可能に支
持していることになり、これにより支持枠75の地板7
1に対する光軸回りの相対的回転(ローリング)を規制
している。
【0022】尚、前記L字軸711と軸受部71d,7
5dの嵌合ガタは光軸方向には大きく設定しており、支
持球79a,79bと第1ヨーク712,第2ヨーク7
2の挾持による光軸方向規制と重複嵌合してしまうこと
を防いでいる。
【0023】前記第1ヨーク712の表面には絶縁用シ
ート714が被せられ、その上に複数のICを有するハ
ード基板715(位置検出素子78p,78y、出力増
幅用IC,コイル76p,76y駆動用IC等)が位置
決め孔715a(2ケ所)を地板71の図16に示すピ
ン71h(2ケ所)に嵌合され、孔715b,第1ヨー
ク712の孔712bとともに地板71の孔71gにネ
ジ結合される。
【0024】ここで、ハード基板715には位置検出素
子78p,78yが工具にて位置決めされて半田付けさ
れ、又信号伝達用のフレキシブル基板716も面716
aがハード基板715の背面に破線で囲む範囲715c
(図13参照)に熱により圧着される。
【0025】前記フレキシブル基板716から光軸と直
交する平面方向に一対の腕716bp,716byが延
出しており、各々支持枠75の引っ掛け部75ep,7
5ey(図17参照)に引っ掛けられ、投光素子77
p,77yの端子及びコイル76p,76yの端子が半
田付けされる。
【0026】これにより、IRED等の投光素子77
p,77y、コイル76p,76yの駆動はハード基板
715よりフレキシブル基板716を介在して行われる
ことになる。
【0027】前記フレキシブル基板716の腕部716
bp,716by(図13参照)には各々屈折部716
cp,716cyを有しており、この屈折部の弾性によ
り支持枠75が光軸と直交する平面内に動き回る事に対
する該腕部716bp,716byの負荷を低減してい
る。
【0028】前記第1ヨーク712は型抜きによる突出
面712cを有し、該突出面712cは絶縁シート71
4の孔714aを通り、ハード基板715と直接接触し
ている。この接触面のハード基板715側にはアース
(GND:グランド)パターンが形成されており、ハー
ド基板715を地板にネジ結合する事で第1ヨーク71
2はアースされ、アンテナになってハード基板715に
ノイズを与える事を無くしている。
【0029】図13に示すマスク717は地板71のピ
ン71hに位置決めされ、前記ハード基板715上に両
面テープにて固定される。
【0030】前記地板71には永久磁石貫通孔71i
(図13,図16参照)が開けられており、ここから第
2ヨーク72の背面が露出している。そして、この貫通
孔71iに永久磁石718(ロック用マグネット)が組
み込まれ、第2ヨーク72と磁気結合している(図15
参照)。
【0031】ロックリング719(図13,図15,図
18参照)にはコイル720(ロック用コイル)が接着
され、又ロックリング719の耳部719aの背面には
軸受719b(図19参照)があり、アマーチャピン7
21(図13参照)にアマーチュアゴム722を通し、
該アマーチュアピン721を軸受719bに通した後、
該アマーチュアピン721にアマーチュアバネ723を
通し、アマーチュア724に嵌入してカシメ固定する。
【0032】従って、アマーチュア724はアマーチュ
アバネ723のチャージ力に逆らってロックリング71
9に対し矢印725方向に摺動出来る。
【0033】図19は組立終了後の補正手段を、図13
の背面方向から見た平面図であり、この図において、ロ
ックリング719の外径切り欠き部719c(3ケ所)
を地板71の内径突起71j(3ケ所)に合せてロック
リング719を地板71に押し込み、その後ロックリン
グを時計方向に回して抜け止めを行う公知のバヨネット
結合により、ロックリング719は地板71に取り付い
ている。
【0034】従って、ロックリング719は地板71に
対し光軸回りに回転可能である。しかし、ロックリング
719が回転して再びその切り欠き719cが突起71
jと同位相になり、バヨネット結合が外れてしまうのを
防ぐ為にロックゴム726(図13,図19参照)を地
板71に圧入して、該ロックリング719がロックゴム
726に規制される切り欠き部719dの角度θ(図1
9参照)しか回転出来ない様に回転規制している。
【0035】磁性体のロック用ヨーク727(図13参
照)にも永久磁石718(ロック用マグネット)が取り
付けられ、その孔727a(2ケ所)を地板71のピン
71k(図19参照)に嵌合して嵌め込み、孔727b
(2ケ所)と71n(2ケ所)によりねじ結合してい
る。
【0036】地板71側の永久磁石718とロック用ヨ
ーク727側の永久磁石718、及び、第2のヨーク7
2,ロック用ヨーク727により、公知の閉磁路を形成
している。
【0037】又、前記ロックゴム726はロック用ヨー
ク727がネジ結合される事で抜け止めされる。尚、図
19においては上記の説明の為にロックヨーク727は
省いて図示している。
【0038】前記ロックリング719のフック719e
と地板71のフック71m間(図19参照)にはロック
バネ728が掛けられており、ロックリング719を時
計まわりに付勢している。吸着ヨーク729(図13,
図19参照)には吸着コイル730が差し込まれ、地板
71の孔729aによりネジ結合される。
【0039】コイル720の端子及び吸着コイル730
の端子は、例えば4本縒り線のテトロン被覆線のツイス
トペア構成にしてフレキシブル基板716の幹部716
dに半田付けされる。
【0040】前記ハード基板715上のIC731p,
731yは各々位置検出端子78p,78yの出力増幅
用のICであるが、その内部構成は図20の様になって
いる(IC731p,731yは同構成の為、ここでは
731pのみ示す)。
【0041】図20において、電流−電圧変換アンプ7
31ap,731bpは投光素子77pにより位置検出
素子78p(抵抗R1,R2より成る)に生じる光電流
78i1p,78i2pを電圧に変換し、差動アンプ7
31cpは各電流−電圧変換アンプ731ap,731
bpの差出力を求め増幅している。
【0042】投光素子77p,77yの射出光は、前述
した通り、スリット75ap,75ayを経由して位置
検出素子78p,78y上に入射するが、支持枠75が
光軸と垂直な平面内で移動すると位置検出素子78p,
78yへの入射位置が変化する。
【0043】前記位置検出素子78pは矢印78ap方
向(図13参照)に感度を持っており、又スリット75
apは矢印78apとは直交する方向(78ay方向)
に光束が拡がり、矢印78ap方向には光束が絞られる
形状をしている為、支持枠75が矢印713p方向に動
いた時のみ該位置検出素子78pの光電流78i1 p,
78i2 pのバランスは変化し、差動アンプ731cp
は支持枠75の矢印713p方向に応じた出力をする。
【0044】又位置検出素子78yは矢印78ay方向
(図13参照)に検出感度を持ち、スリット75ayは
矢印78ayとは直交する方向(78ap方向)に延出
する形状の為に、支持枠75が矢印713y方向に動い
た時のみ該位置検出素子78yは出力を変化させる。
【0045】加算アンプ731dpは電流−電圧変換ア
ンプ731ap,731bpの出力の和(位置検出素子
78pの受光量総和)を求め、この信号を受ける駆動ア
ンプ731epはこれに従って投光素子77pを駆動す
る。
【0046】上記投光素子77pは温度等に極めて不安
定にその投光量が変化する為、それに伴い位置検出素子
78pの光電流78i1 p,78i1 pの絶対量(78
1p+78i2 p)が変化する。その為、支持枠75
の位置を示す(78i1 p−78i2 p)である差動ア
ンプ731cpの出力も変化してしまう。
【0047】しかし、上記の様に受光量の総和が一定と
なる様に前述の駆動回路によって投光素子77pを制御
すれば、差動アンプ731cpの出力変化が無くなる。
【0048】図13に示すコイル76p,76yは永久
磁石73,第1のヨーク712,第2のヨーク72で形
成される閉磁路内に位置し、コイル76pに電流を流す
事で支持枠75は矢印713p方向に駆動され(公知の
フレミングの左手の法則)、コイル76yに電流を流す
事で支持枠75は矢印713y方向に駆動される。
【0049】一般に位置検出素子78p,78yの出力
をIC731p,731yで増幅し、その出力でコイル
76p,76yを駆動すると、支持枠75が駆動されて
位置検出素子78p,78yの出力が変化する構成とな
る。
【0050】ここで、コイル76p,76yの駆動方向
(極性)を位置検出素子78p,78yの出力が小さく
なる方向に設定すると(負帰還)、該コイル76p,7
6yの駆動力により位置検出素子78p,78yの出力
がほぼ零になる位置で支持枠75は安定する。
【0051】この様に位置検出出力を負帰還して駆動を
行う手法を位置制御手法と云い、例えば外部から目標値
(例えば手振れ角度信号)をIC731p,731yに
混合させると、支持枠75は目標値に従って極めて忠実
に駆動される。
【0052】実際には差動アンプ731cp,731c
yの出力はフレキシブル基板716を経由して不図示の
メイン基板に送られ、そこでアナログ−ディジタル変換
(A/D変換)が行われ、マイコンに取り込まれる。
【0053】マイコン内では適宜目標値(手振れ角度信
号)と比較増幅され、公知のディジタルフィルタ手法に
よる位相進み補償(位置制御をより安定させる為)が行
われた後、再びフレキシブル基板716を通り、IC7
32(コイル76p,76y駆動用)に入力する。IC
732は入力される信号を基に前記コイル76p,76
yを公知のPWM(パルス幅変調)駆動を行い、支持枠
75を駆動する。
【0054】支持枠75は前述した様に矢印713p,
713y方向に摺動可能であり、上述した位置制御手法
により位置を安定させている訳であるが、カメラ等の民
生用光学機器においては電源消耗防止の観点からも常に
該支持枠75を制御しておく事は出来ない。
【0055】また、支持枠75は非制御状態時には光軸
と直交する平面内にて自由に動き回る事が出来る様にな
る為、その時のストローク端での衝突の音発生や損傷に
対しても対策しておく必要がある。
【0056】図17及び図19に示す様に支持枠75の
背面には3ケ所の放射状に突出した突起75fを設けて
あり、図19に示す様に突起75fの先端がロックリン
グ719の内周面719gに嵌合している。従って、支
持枠75は地板71に対して全ての方向に拘束されてい
る。
【0057】図21(a),(b)はロックリング71
9と支持枠75の動作の関係を示す平面図であり、図1
9の平面図から要部のみ抜出した図である。尚、説明を
解り易くする為に実際の組立状態とは若干レイアウトを
変化させている。又、図21(a)のカム719f(3
ケ所)は、図15,図18に示す通り、ロックリング7
19の円筒の母線方向全域に渡って設けられている訳で
はないので図21の方向からは実際には見えないが、説
明の為に図示している。
【0058】図15に示した通り、コイル720(72
0aは図示しないフレキシブル基板等でロックリング7
19の外周を通り、端子719hよりフレキシブル基板
716の幹部716d上の端子716eに接続される4
本縒り線の引き出し線)は永久磁石718で挟まれた閉
磁路内に入っており、コイル720に電流を流す事でロ
ックリング719を光軸回りに回転させるトルクを発生
する。
【0059】このコイル720の駆動も不図示のマイコ
ンからフレキシブル基板716を介してハード基板71
5上の駆動用IC733に入力する指令信号で制御さ
れ、IC733はコイル720をPWM駆動する。
【0060】図21(a)において、コイル720に通
電するとロックリング719に反時計回りのトルクが発
生する様にコイル720の巻き方向が設定されており、
これによりロックリング719はロックバネ728のバ
ネ力に逆らって反時計方向に回転する。
【0061】尚、ロックリング719は、コイル720
に通電前はロックバネ728の力によりロックゴム72
6に当接して安定している。
【0062】ロックリング719が回転すると、アマー
チュア724が吸着ヨーク729に当接してアマーチュ
アバネ723を縮め、吸着ヨーク729とアマーチュア
724の位置関係をイコライズしてロックリング719
は図21(b)の様に回転を止める。
【0063】図22はロックリング駆動のタイミングチ
ャートである。
【0064】図22の矢印719iでコイル720に通
電(720bに示すPWM駆動)すると同時に吸着マグ
ネット730にも通電(730a)する。その為、吸着
ヨーク729にアマーチュア724が当接し、イコライ
ズされた時点でアマーチュア724は吸着ヨーク729
に吸着される。
【0065】次に、図22の720cに示す時点でコイ
ル720への通電を止めると、ロックリング719はロ
ックバネ728の力で時計回りに回転しようとするが、
上述した様にアマーチュア724が吸着ヨーク729に
吸着されている為、回転は規制される。この時、支持枠
75の突起75fはカム719fと対向する位置に在る
(カム719fが回転して来る)為、支持枠75は突起
75fとカム719fの間のクリアランス分だけ動ける
様になる。
【0066】この為、重力G〔図21(b)参照〕の方
向に支持枠75が落下する事になるが、図22の矢印7
19iの時点で支持枠75も制御状態にする為、落下す
る事は無い。
【0067】支持枠75は非制御時はロックリング71
9の内周で拘束されているが、実際には突起75fと内
周壁719gの嵌合ガタ分だけガタを有する。即ち、こ
のガタ分だけ支持枠75は重力G方向に落ちており、支
持枠75の中心と地板71の中心がズレている事にな
る。
【0068】その為、矢印719iの時点から例えば1
秒費やしてゆっくり地板71の中心(光軸の中心)に移
動させる制御をしている。
【0069】これは急激に中心に移動させるとレンズ7
4を通して像の揺れを撮影者が感じて不快である為であ
り、この間に露光が行われても、支持枠75の移動によ
る像劣化が生じない様にする為である。(例えば1/8
秒で支持枠を5μm移動させる)詳しくは、図22の矢
印719i時点での位置検出素子78p,78yの出力
を記憶し、その値を目標値として支持枠75の制御を始
め、その後1秒間費やしてあらかじめ設定した光軸中心
の時の目標値に移動してゆく(図22の75g参照)。
【0070】ロックリング719が回転され(アンロッ
ク状態)た後、振動検出手段からの目標値を基にして
(前述した支持枠75の中心位置移動動作に重なって)
支持枠75が駆動され、防振が始まる事になる。
【0071】ここで、防振を終わる為に矢印719jの
時点で防振オフにすると、振動検出手段からの目標値が
補正手段に入力されなくなり、支持枠75は中心位置に
制御されて止まる。この時に吸着コイル730への通電
を止める(730b)。すると、吸着ヨーク729によ
るアマーチュア724の吸着力が無くなり、ロックリン
グ719はロックバネ728により時計回りに回転さ
れ、図21(a)の状態に戻る。この時、ロックリング
719はロックゴム726に当接して回転規制される為
に回転終了時の該ロックリング719の衝突音は小さく
抑えられる。
【0072】その後(例えば20msec後)、補正手
段への制御を断ち、図22のタイミングチャートは終了
する。
【0073】図23は防振システムの概要を示すブロッ
ク図である。
【0074】図23において、91は図12の振動検出
手段83p,83yであり、振動ジャイロ等の角速度を
検出する振れ検出センサと該振れ検出センサ出力のDC
成分をカットした後に積分して角変位を得るセンサ出力
演算手段より構成される。
【0075】この振動検出手段91からの角変位信号は
目標値設定手段92に入力される。この目標値設定手段
92は可変差動増幅器92aとサンプルホールド回路9
2bより構成されており、サンプルホールド回路92b
は常にサンプル中の為に可変差動増幅器92aに入力さ
れる両信号は常に等しく、その出力はゼロである。しか
し、後述する遅延手段93からの出力で前記サンプルホ
ールド回路92bがホールド状態になると、可変差動増
幅器92aはその時点をゼロとして連続的に出力を始め
る。
【0076】可変差動増幅器92aの増幅率は防振敏感
度設定手段94の出力により可変になっている。何故な
らば、目標値設定手段92の目標値信号は補正手段を追
従させる目標値(指令信号)であるが、補正手段の駆動
量に対する像面の補正量(防振敏感度)はズーム,フォ
ーカス等の焦点変化に基づく光学特性により変化する
為、その防振敏感度変化を補う為である。
【0077】従って、防振敏感度設定手段94は、ズー
ム情報出力手段95からのズーム焦点距離情報と露光準
備手段96の測距情報に基づくフォーカス焦点距離情報
が入力され、その情報を基に防振敏感度を演算あるいは
その情報を基にあらかじめ設定した防振敏感度情報を引
き出して、目標値設定手段92の可変差動増幅器92a
の増幅率を変更させる。
【0078】補正駆動手段97はハード基板715上に
実装されたIC731p,731y,732であり、目
標値設定手段92からの目標値が指令信号730p,7
30yとして入力される。
【0079】補正起動手段98はハード基板715上の
IC732とコイル76p,76yの接続を制御するス
イッチであり、通常時はスイッチ98aを端子98cに
接続させておく事でコイル76p,76yの各々の両端
を短絡しておき、論理積手段99の信号が入力されると
スイッチ98aを端子98bに接続し、補正手段910
を制御状態(未だ振れ補正は行わないが、コイル76
p,76yに電力を供給し、位置検出素子78p,78
yの信号がほぼゼロになる位置に補正手段910を安定
させておく)にする。又この時同時に論理積手段99の
出力信号は係止手段914にも入力し、これにより係止
手段は補正手段910を係止解除する。
【0080】尚、補正手段910はその位置検出素子7
8p,78yの位置信号を補正駆動手段97に入力し、
前述した様に位置制御を行っている。
【0081】論理積手段99はレリーズ手段911のレ
リーズ半押しSW1信号と防振切換手段912の出力信
号の両信号が入力された時に、その構成要素であるアン
ドゲード99aが信号を出力する。つまり、防振切換手
段912の防振スイッチを撮影者が操作し、且つレリー
ズ手段911でレリーズ半押しを行った時に補正手段9
10は係止解除され、制御状態になる。
【0082】レリーズ手段911のSW1信号は露光準
備手段96に入力され、これにより測光,測距,レンズ
合焦駆動が行われる共に、前述した様に防振敏感度設定
手段94にフォーカス焦点距離情報が入力される。
【0083】遅延手段93は論理積手段99の出力信号
を受けて、例えば1秒後に出力して前述した様に目標値
設定手段92より目標値信号を出力させる。
【0084】図示していないが、レリーズ手段911の
SW1信号に同期して振動検出手段91も起動を始め
る。そして、前述した様に積分器等、大時定回路を含む
センサ出力演算は起動から出力が安定する迄に、ある程
度の時間を要する。
【0085】前記遅延手段93は前記振動検出手段91
の出力が安定する迄待機した後に、補正手段910へ目
標値信号を出力する役割を演じ、振動検出手段91の出
力が安定してから防振を始める構成にしている。
【0086】露光手段913はレリーズ手段911のレ
リーズ押切りSW2信号入力によりミラーアップを行
い、露光準備手段96の測光値を元に求められたシャッ
タスピードでシャッタを開閉して露光を行い、ミラーダ
ウンして撮影を終了する。
【0087】撮影終了後、撮影者がレリーズ手段911
から手を離し、SW1信号をオフにすると、論値積手段
99は出力を止め、目標値設定手段92のサンプルホー
ルド回路92bはサンプリング状態になり、可変差動増
幅器92aの出力はゼロになる。従って、補正手段91
0は補正駆動を止めた制御状態に戻る。
【0088】論理積手段99の出力がオフになった事に
より、係止手段914は補正手段910を係止し、その
後に補正起動手段98のスイッチ98aは端子98cに
接続され、補正手段910は制御されなくなる。
【0089】振動検出手段91は、不図示のタイマによ
り、レリーズ手段911の操作が停止された後も一定時
間(例えば5秒)は動作を継続し、その後に停止する。
これは、撮影者がレリーズ操作を停止した後に引き続き
レリーズ操作を行う事は頻繁にあるわけで、その様な時
に毎回振動検出手段91を起動するのを防ぎ、その出力
安定迄の待機時間を短くする為であり、振動検出手段9
1が既に起動している時には該振動検出手段91は起動
既信号を遅延手段93に送り、その遅延時間を短くして
いる。
【0090】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来例
においては、支持枠75を地板71に組み込む時(図1
5参照)、チャージバネ710と支持球79bを同時に
組み込む訳であるが、支持枠75の地板71への組み込
み中に支持球79bが落下してしまう可能性も有り、作
業性が良くなかった。特に、第1のヨーク712と第2
のヨーク72の間隔が部品精度のバラツキで変化して
も、支持枠75の第1のヨーク712と第2のヨーク7
2間の挟持のチャージ圧の変化が少なくなる様にし且つ
挟持状態のチャージ力をある程度大きくしようとする
と、チャージバネ710はバネ定数の小さいバネを相当
量チャージして組み込む必要が出て来る。
【0091】すると、チャージバネ710の自由長さが
長くなり、図15において、チャージバネ710の自由
長時(チャージ前)において、支持球79bを孔75b
内に収める事が難しくなる為、組み込めなくなる問題も
生じていた。
【0092】(発明の目的)本発明の第1の目的は、作
業性の良い挟持手段を実現することのできる補正光学装
置を提供することにある。
【0093】本発明の第2の目的は、摺動性を向上さ
せ、補正光学系を保持する可動枠の光軸方向に対する略
直交する方向への動きを滑らかにすることのできる補正
光学装置を提供することにある。
【0094】本発明の第3の目的は、摺動劣化を防止す
ることのできる補正光学装置を提供することにある。
【0095】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、請求項1記載の本発明は、可動枠あるいは固
定部材にあらかじめ挟持手段をチャージした状態でセッ
トしておくようにしている。
【0096】上記第2の目的を達成するために、請求項
2記載の本発明は、挟持手段を、可動枠と固定枠の何れ
か一方に固定される固定挟持部材と、弾性部材と、該弾
性部材をチャージするチャージ部材と、球体とにより構
成し、挟持手段の、チャージ力に逆らって可動し摺動面
と摺動する部分を、可動時の嵌合部の抉れを生じない形
状(球体)にしている。
【0097】同じく上記第2の目的を達成するために、
請求項3記載の本発明は、挟持手段を、可動枠と固定枠
の何れか一方に一体化された固定挟持部材と、弾性部材
と、該弾性部材をチャージするチャージ部材と、球体と
により構成し、挟持手段のチャージ力に逆らって可動し
摺動面と摺動する部分を、可動時の嵌合部の抉れを生じ
ない形状(球体)にしている。
【0098】同じく記第2の目的を達成するために、請
求項4記載の本発明は、チャージ部材の当接面を挟持さ
れる面と平行な平面とし、摺動面と摺動する部材(球
体)の動作が他の部材に影響しないようにしている。
【0099】上記第3の目的を達成するために、請求項
5記載の本発明は、挟持手段を、可動枠と固定枠の何れ
か一方に固定される固定挟持部材と、可動枠に対して挟
持される面より直角な方向に摺動可能な可動挟持部材を
有し、少なくとも前記固定挟持部材を、当接する固定部
材あるいは可動部材の挟持面より軟らかな材質で形成
し、何らかの衝撃を受けた場合、固定部材あるいは可動
部材の挟持面に打痕を生じさせない様に、前記挟持面に
接触する部分がの面積が狭い固定挟持部材を変形させる
ようにしている。
【0100】同じく上記第3の目的を達成するために、
請求項6記載の本発明は、挟持手段を、可動部材あるい
は固定部材に対して挟持される被挟持面から直角な方向
に摺動可能な可動挟持部材を有し、該可動挟持部材の最
大可動時には、可動枠あるいは固定部材に設けられた受
け部が被挟持面と当接するようにし、何らかの衝撃を受
けた場合、固定部材あるいは可動部材の挟持面に打痕が
付きにくくする為に、前記可動挟持部材が沈み込み、比
較的広い面積を持つ被挟持面と可動枠あるいは固定部材
に設けられた受け部とが当接するようにしている。
【0101】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示の実施の形態
に基づいて詳細に説明する。
【0102】図1は本発明の実施の第1の形態に係る補
正光学装置の分解斜視図であり、図13と異なるのは、
支持球79a,79bの形状とこれらが挿入される支持
枠75の孔75bの形状のみである。よって、本実施の
形態においては支持球を79A,79Bとして、又孔7
5bを孔75Bとして示すことにする。
【0103】図2は支持球79A,79Bを拡大して示
す斜視図であり、支持球79A,79Bは同一部品であ
り、羽根部79Aa,79Baを互いに90度位相をズ
ラして組合せている。
【0104】この様に、支持球79A,79Bが同一部
品となっている為に部品コストが下がるばかりでなく、
組立ミスが無く、部品管理上も有利である。
【0105】図3は補正手段の組立後の横断面図であ
る。
【0106】可動枠であるところの支持枠75の孔75
Bに矢印79c方向に支持球79B,チャージしたチャ
ージバネ710,支持球79Aの順に挿入してゆき、最
後に孔75Bの周端部75Cを熱カシメして支持球79
Aの抜け止めを行う。
【0107】尚、支持球79A,79B及びチャージバ
ネ710で本発明の挟持手段を構成している。
【0108】孔75Bの図3と直交する方向の断面図を
図4(a)に示し、又図4(a)の断面図を矢印79c
方向より見た平面図を図4(b)に示しており、図4
(b)の符合A〜Dに示す範囲の深さを図4(a)のA
〜Dに示す。
【0109】ここで、支持球79Aの羽根部79Aaの
後端部は深さA面の範囲で受けられ規制される為、周端
部75Cを熱カシメする事で支持球79Aは支持枠75
に固定される。
【0110】支持球79Bの羽根部79Baの先端部は
深さB面の範囲で受けられる為に、該支持球79Bがチ
ャージバネ710のチャージバネ力で孔75Bより矢印
79cの方向に抜けてしまう事はない。
【0111】勿論補正手段の組立が終了すると支持球7
9Bは図3に示す様に第2ヨーク72に受けられる為、
支持枠75より抜け出る事はなくなるが、組立性を考慮
して抜け止め範囲B面を設けている。
【0112】図3及び図4に示す支持枠75の孔75B
の形状は、該支持枠75を成形で作る場合においても複
雑な内径スライド型を必要とせず、矢印79cと反対側
に型を抜く単純な2分割型で成形可能な為、その分寸法
精度を厳しく設定出来る。
【0113】以上の様な構成にする事で、支持枠75に
予めチャージバネ710をチャージした状態でセットし
ておく事が出来る為、組立作業中に支持球79Bやチャ
ージバネ710が抜けてしまう事が無くなり、作業性が
飛躍的に向上する。
【0114】ここで、支持球79A,79BはPOM製
で、挟持面となる第1のヨーク712,第2のヨーク7
2は金属である。支持球79A,79Bを金属にしない
のは衝撃時のキズ対策の為である。もしも支持球79
A,79Bを金属にした場合を考える。
【0115】図5はその様な構成の時に衝撃等で支持枠
75が矢印21方向に押しつけられた時の断面図であ
る。
【0116】支持球79A’は第1のヨーク712の平
面に対し球面接触の為、接触面積は狭い。その為、矢印
21方向の力により第1のヨーク712側にも打痕22
が出来る。すると、次に支持枠75が摺動方向に動こう
とする時、打痕22を乗り越える事が大きな負荷とな
る。即ち、精度良い防振が出来なくなる。
【0117】支持球79Aが本実施の形態の様にPOM
製であると、図6の様に支持球79Aの先端部のみが平
面23の様に潰れるのみであり、第1のヨーク712に
は打痕が付かない。この場合、支持球79Aと第1のヨ
ーク712間は平面接触となる分だけ摺動抵抗は増す
が、図5の場合程の大きな負荷にはならず、防振への影
響は少ない。
【0118】次に、支持枠75が衝撃で反対方向に動く
場合を考える。
【0119】図7において、支持枠75は矢印31方向
に力を受けている。しかし、この時支持球79Bはチャ
ージバネ710のチャージ力に逆らって支持枠75内に
沈み込む。その為、第2のヨーク72は支持枠75の孔
75Bの周辺部の平面32で支持枠75と当接する。そ
して、この平面32は広い面積を有する為、単位面積当
たりの衝撃力は少なくなり、第2のヨーク72に打痕を
残すことはない。
【0120】以上の様に材質の組合せ、及び、支持枠7
5に衝撃時の大面積受け面を設ける事で、挟持部分にお
ける耐久性を向上させる事が出来た。
【0121】(実施の第2の形態)図8は本発明の実施
の第2の形態に係る補正光学装置の要部を示す断面図で
あり、挟持手段である支持球79A,79B,チャージ
バネ710が地板側に設けられている点が上記の第1の
実施の形態と異なる。
【0122】図8において、第1ヨーク712,第2ヨ
ーク72上には樹脂性のサポート部材41,42が固定
されており、支持枠79A,79Bは共に各々のサポー
ト部材41,42にカジメられている。尚、支持球75
Bは底面の受け面が深い為、その方向に可動であり、反
対に支持球79Aはサポート部材41に固定である。支
持球79Aは、サポート部材41自体をPOMで形成し
て一体化しても良い。そして、支持球79A,79Bで
支持枠を挟んで支持している。
【0123】以上の様な構成においても予めチャージバ
ネ710をチャージした状態でセット出来る為、支持枠
75を組む時の作業性が向上する。
【0124】(実施の第3の形態)図9は本発明の実施
の第3の形態に係る補正光学装置の要部を示す断面図で
あり、上記図3(実施の第1の形態)と異なるのは、前
記支持球79Bが、支持球押え51と新たな支持球とな
る球体52の二体に分けられている点にある。
【0125】支持球押え51も支持球79Bと同様にし
て支持枠75内に組み込まれてゆく為、支持球75Aを
支持枠75に圧入し、熱カシメをした時点でチャージバ
ネ710はチャージ状態にセットされる。
【0126】球体52は孔75Bの内周壁と支持球押え
51の平面部51aで構成される凹部内に入り込んでお
り、この凹部に潤滑剤を入れて固定している。その為、
球体52も支持枠75から外れる事は無い。
【0127】以上の様な構成にする事で次のメリットを
有する。
【0128】図10は上記図3の挟持手段を用いた時に
支持枠75を矢印713p方向に摺動させている様子を
示す図であるが、支持球79Bは第2のヨーク72と当
接し、互いに摺動する時に多少の摩擦を生じる為に当接
面のみ摺動に遅れを生ずる。その為、図10に示す様に
支持球79Bと孔75Bの内周壁間で抉れを生ずる(矢
印61,62)。この抉れによりチャージバネ710の
バネ性が効かなくなってしまう為、第1のヨーク712
と第2のヨーク72間を突っ張る力となり、支持枠75
の摺動の負荷となる。
【0129】ところが、図9の形状の様に第1のヨーク
72と当接する支持球の球体52にすると、その形状故
に孔75Bと抉れる事が無く、抉れによる摺動負荷は生
じない。
【0130】尚、支持球押え51の球体52の当接面は
第2のヨーク72の挟持面と平行な平面である。これ
は、もしも支持球押え51の球体52との当接面が該球
体52の形状に合せた凹面となると、該球体52の摺動
時の回転等につれて支持球押え51も動かされ、支持球
押え51と孔75Bの内周壁にて抉れが生じてしまう為
である。この為に支持球押え51の球体52の当接面を
平面として、球体52の動きからは独立にしている。
【0131】(実施の第4の形態)図11は本発明の実
施の第4の形態に係る補正光学装置の要部を示す断面図
であり、上記図8(実施の第2の形態)における支持球
79Bを、図9(実施の第2の形態)と同様に、支持球
押え51と球体52の二体化にしている。
【0132】この為、図8においては図10と同様に支
持球75Bに抉れが生ずる恐れがあるが、この事を球体
52により防ぐことが出来る。
【0133】以上の各実施の形態によれば、以下のよう
な効果を有するものである。
【0134】1)支持枠あるいは第1,第2ヨーク側に
あらかじめチャージバネをチャージしてセットできる
為、組立作業性が向上した。
【0135】2)支持球を、支持球押え51(チャージ
バネ,チャージセット用)と球体52に二体化した為
に、抉れによる摺動劣化が無くなった。
【0136】3)支持球押え51と球体52の当接面を
平面にして互いに加わる力(支持球押え51はチャージ
バネのチャージ方向、球体52は摺動方向の力)を分離
することができ、支持球押え51に捻じれが生じる事が
無く、摺動精度の劣化を防ぐことが出来る。
【0137】4)支持球79Aの様に接触ポイントが狭
い部材を挟持面の様な広い面を持つ部材より軟らい部材
としている為、衝撃による摺動性の劣化を防止すること
が出来る。
【0138】5)衝撃等では支持球がバネ力に逆らい沈
み込み、被挟持面は受け面と広い面積で当たる為、打痕
が付きにくくなった。
【0139】(発明と実施の形態との対応)上記の各実
施の形態において、支持球79A,79B、又は、支持
球押え51,球体52とチャージバネが本発明の挟持手
段に相当し、支持枠75が本発明の可動枠に相当し、地
板71,第1ヨーク712,第2ヨーク72が本発明の
固定部材に相当する。
【0140】また、支持球79Aが本発明の固定枠支持
部材に、支持球79Bが可動支持部材に、チャージバネ
が弾性部材に、支持押え15がチャージ部材に、球体5
2が球体に、それぞれ相当する。
【0141】以上が実施の形態における各構成と本発明
の各構成の対応関係であるが、本発明は、これら実施の
形態の構成に限定されるものではなく、請求項で示した
機能、又は実施の形態がもつ機能が達成できる構成であ
ればどのようなものであってもよいことは言うまでもな
い。
【0142】(変形例)本発明は、振動検出手段として
は、角加速度計,加速度計,角速度計,速度計,角変位
計,変位計、更には画像振れ自体を検出する方法等、振
れが検出できるものであればどのようなものであっても
良い。
【0143】本発明は、振動検出手段と補正手段は、互
いに装着可能な複数の装置、例えばカメラとそれに装着
可能な交換レンズにそれぞれわけて設けることも可能で
ある。
【0144】本発明は、請求項または実施の形態の各構
成または一部の構成が別個の装置に設けられていてもよ
い。例えば、振動検出手段がカメラ本体に、補正手段が
前記カメラに装着されるレンズ鏡筒に、それらを制御す
る制御手段が中間アダプタに設けられていてもよい。
【0145】また、本発明は、一眼レフカメラ,レンズ
シャッタカメラ,ビデオカメラ等のカメラに適用した場
合を述べているが、その他の光学機器や他の装置、更に
は構成ユニットとしても適用することができるものであ
る。
【0146】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
可動枠あるいは固定部材にあらかじめ挟持手段をチャー
ジした状態でセットしておくようにしている為、挟持手
段の、つまりは該装置の組立作業性を向上させることが
できる。
【0147】また、本発明によれば、挟持手段の、チャ
ージ力に逆らって可動し摺動面と摺動する部分を、可動
時の嵌合部の抉れを生じない形状(球体)にしている
為、摺動性を向上させ、補正光学系を保持する可動枠の
光軸方向に対する略直交する方向への動きを滑らかにす
ることができる。
【0148】また、本発明によれば、チャージ部材の当
接面を挟持される面と平行な平面とし、摺動面と摺動す
る部材(球体)の動作が他の部材に影響しないようにし
ている為、摺動性を向上させ、補正光学系を保持する可
動枠の光軸方向に対する略直交する方向への動きを滑ら
かにすることができる。
【0149】また、本発明によれば、何らかの衝撃を受
けた場合、固定部材あるいは可動部材の挟持面に打痕を
生じさせない様に、前記挟持面に接触する部分がの面積
が狭い固定挟持部材を変形させるようにしている為、摺
動精度の劣化を防ぐことができる。
【0150】また、本発明によれば、何らかの衝撃を受
けた場合、固定部材あるいは可動部材の挟持面に打痕が
付きにくくする様に、可動挟持部材が沈み込み、比較的
広い面積を持つ被挟持面と可動枠あるいは固定部材に設
けられた受け部とが当接するようにしている為、摺動精
度の劣化を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1の形態に係る補正光学装置
の構成を示す分解斜視図である。
【図2】図1の支持球の構造を示す斜視図である。
【図3】図1の地板に支持枠を組み込んだ時の様子を示
す断面図である。
【図4】図3の挟持手段が挿入される支持枠の孔の形状
を説明する為の図である。
【図5】図1の支持球を金属にして挟持手段を摺動させ
た場合について説明する為の断面図である。
【図6】図1の支持球をPOM製にして挟持手段を摺動
させた場合について説明する為の断面図である。
【図7】図6の挟持手段を逆方向に摺動させた場合につ
いて説明する為の断面図である。
【図8】本発明の実施の第2の形態における挟持手段の
構造を示す断面図である。
【図9】本発明の実施の第3の形態における挟持手段の
構造を示す断面図である。
【図10】図8の挟持手段の持つ問題点を説明する為の
断面図である。
【図11】本発明の実施の第4の形態における挟持手段
の構造を示す断面図である。
【図12】従来の防振システムの概略構成を示す斜視図
である。
【図13】図12の補正光学装置の構造を示す分解斜視
図である。
【図14】図13の挟持手段が挿入される支持枠の孔の
形状を説明する為の図である。
【図15】図13の地板に支持枠を組み込んだ時の様子
を示す断面図である。
【図16】図13に示す地板を示す斜視図である。
【図17】図13に示す支持枠を示す斜視図である。
【図18】図13に示すロックリングを示す斜視図であ
る。
【図19】図13の支持枠等を示す正面図である。
【図20】図13の位置検出素子の出力を増幅するIC
の構成を示す回路図である。
【図21】図13のロックリングが駆動される地の様子
を示す図である。
【図22】図21のロックリング駆動時における信号波
形を示す図である。
【図23】防振システムが搭載されたカメラの防振系の
回路構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
51 支持球押え 52 球体 71 地板 72 第2ヨーク 75 支持枠 79A,79B 支持球 710 チャージバネ 712 第1ヨーク

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定部材にチャージされて挟持され、光
    軸方向に対し略直交する方向に駆動される可動枠を有す
    る補正光学装置であって、前記挟持の為の挟持手段が、
    前記可動枠と前記固定枠の何れか一方にあらかじめチャ
    ージされて設けられていることを特徴とする補正光学装
    置。
  2. 【請求項2】 固定部材に挟持され、光軸方向に対し略
    直交する方向に駆動される可動枠を有する補正光学装置
    であって、前記挟持の為の挟持手段は、前記可動枠と前
    記固定枠の何れか一方に固定される固定挟持部材と、弾
    性部材と、該弾性部材をチャージするチャージ部材と、
    球体とにより構成されることを特徴とする補正光学装
    置。
  3. 【請求項3】 固定部材に挟持され、光軸方向に対し略
    直交する方向に駆動される可動枠を有する補正光学装置
    であって、前記挟持の為の挟持手段は、前記可動枠と前
    記固定枠の何れか一方に一体化された固定挟持部材と、
    弾性部材と、該弾性部材をチャージするチャージ部材
    と、球体とにより構成されることを特徴とする補正光学
    装置。
  4. 【請求項4】 前記チャージ部材は前記球体と当接して
    おり、該チャージ部材の当接面は挟持される面と平行な
    平面であることを特徴とする請求項2又は3記載の補正
    光学装置。
  5. 【請求項5】 固定部材に挟持され、光軸方向に対し略
    直交する方向に駆動される可動枠を有する補正光学装置
    であって、前記挟持の為の挟持手段は、前記可動枠と前
    記固定枠の何れか一方に固定される固定挟持部材と、前
    記可動枠に対して挟持される面より直角な方向に摺動可
    能な可動挟持部材を有し、少なくとも前記固定挟持部材
    は、当接する前記固定部材あるいは前記可動部材の挟持
    面より軟らかな材質で形成されることを特徴とする補正
    光学装置。
  6. 【請求項6】 固定部材に挟持され、光軸方向に対し略
    直交する方向に駆動される可動枠を有する補正光学装置
    であって、前記挟持の為の挟持手段は、前記可動部材あ
    るいは前記固定部材に対して挟持される被挟持面から直
    角な方向に摺動可能な可動挟持部材を有し、該可動挟持
    部材の最大可動時には、前記可動枠あるいは前記固定部
    材に設けられた受け部が挟持面と当接することを特徴と
    する補正光学装置。
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