JP3423067B2 - リニヤ昇圧型血圧測定装置 - Google Patents

リニヤ昇圧型血圧測定装置

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JP3423067B2
JP3423067B2 JP10735494A JP10735494A JP3423067B2 JP 3423067 B2 JP3423067 B2 JP 3423067B2 JP 10735494 A JP10735494 A JP 10735494A JP 10735494 A JP10735494 A JP 10735494A JP 3423067 B2 JP3423067 B2 JP 3423067B2
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誠 宮崎
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日本コーリン株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生体の一部を圧迫する
カフの圧力を昇圧させつつ生体の動脈から発生する脈波
の変化に基づいてその生体の血圧値を測定するリニヤ昇
圧型血圧測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】生体の血圧値を測定する血圧測定装置の
一種に、生体の一部に巻回されたカフの圧迫圧力を所定
の速度で直線的に昇圧させる過程で、その生体の心拍に
同期して動脈から発生する脈拍同期波に基づいて生体の
血圧値を測定する形式のリニヤ昇圧型血圧測定装置が知
られている。たとえば、特開昭59−129051号公
報に記載された血圧測定装置がそれである。
【0003】上記のようなリニヤ昇圧型血圧測定装置に
よれば、最高血圧が決定されると直ちにカフを排気する
ことができるので、予め被測定者の最高血圧以上にカフ
の圧迫圧力を上昇させる必要がないので、カフによる圧
迫の大きさおよび圧迫時間が軽減されて被測定者の負担
が軽減される利点がある。
【0004】ところで、上記のリニヤ昇圧型血圧測定装
置では、カフの圧力を比較的緩やかな所定の上昇速度で
上昇させる過程において心拍に同期してカフに発生する
圧力振動である脈波を検出し、その脈波の大きさの変化
に基づいて血圧値が決定される。しかし、上記カフの昇
圧は、空気ポンプから圧送される空気に基づいて行われ
るものであることから、空気ポンプの脈動がカフ内の圧
力振動にノイズとして混入することが避けられない。
【0005】これに対し、カフに発生する脈波は、それ
を構成する信号の周波数成分が一定の範囲内であるか
ら、その周波数成分を通過させるように構成された帯域
フィルタを通して検出されることにより好適にノイズが
除去され得る。
【0006】
【発明が解決すべき課題】しかしながら、血圧測定装置
は、カフを生体の最高血圧値よりも高く設定された目標
圧まで急速昇圧させた後に所定の速度で徐速降圧させる
過程でカフに発生する圧力振動である脈波を検出し、そ
の脈波の大きさの変化に基づいて血圧値を決定する通常
の降圧血圧測定モードをも必要とされる場合が多いの
で、上記急速昇圧を短時間とするために空気ポンプの吐
出能力が高くされる。このため、リニヤ昇圧時の血圧測
定作動においては空気ポンプの回転速度を低くする必要
があることから、空気ポンプの吐出圧の脈動が脈波信号
の周波数範囲に接近するので、リニヤ昇圧時の血圧測定
における脈波からノイズが除去され得ず、血圧測定精度
が充分に得られない場合があった。
【0007】本発明は以上の事情を背景として為された
ものであり、その目的とするところは、脈波信号に空気
ポンプからのノイズが含まれないようにして血圧測定精
度が充分に得られるリニヤ昇圧型血圧測定装置を提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めの本発明の要旨とするところは、生体の一部に巻回さ
れたカフの圧迫圧力を所定の昇圧速度で直線的に昇圧さ
せる過程で、その生体の心拍に同期して動脈から発生す
る脈拍同期波に基づいてその生体の血圧値を測定する形
式のリニヤ昇圧型血圧測定装置であって、(a) 空気を圧
送するための空気ポンプと、(b) その空気ポンプの出力
側に接続された空気タンクと、(c) その空気タンクと前
記カフとの間に介挿された絞り装置と、(d) 前記カフ内
の空気を排出するために、前記絞り装置とそのカフとの
間に設けられた排気制御弁装置と、(e) その排気制御弁
装置から圧縮空気を所定量排出する状態で前記空気ポン
プを作動させることにより前記カフを前記所定の昇圧速
度で直線的に昇圧させるカフ圧制御手段とを、含むこと
にある。
【0009】
【作用】このようにすれば、血圧測定に際してカフを直
線的に昇圧させる際には、空気ポンプから吐出された空
気は空気タンクおよび絞り装置を経てカフへ圧送される
ので、その空気タンクおよび絞りによって大きな脈動が
吸収される一方、カフ圧制御手段により、カフと絞り装
置との間に設けられた排気制御弁装置から圧縮空気が所
定量排出される状態で前記空気ポンプが作動させられる
ことから、空気ポンプの回転速度が高められてその吐出
圧の脈動周波数が高められるので、カフの圧力振動にノ
イズとして混入しても、脈波を構成する周波数成分と異
なることから、帯域フィルタによって好適に除去され
る。
【0010】
【発明の効果】したがって、本発明のリニヤ昇圧型血圧
測定装置によれば、空気ポンプの吐出圧の脈動の影響が
解消され、血圧測定精度が高められる。
【0011】ここで、好適には、前記カフ圧制御手段
は、前記空気ポンプを一定の回転速度で駆動したときの
昇圧速度に基づいて前記カフの巻き着け時の容量を推測
するカフ容量推測手段と、このカフ容量推測手段により
推測された前記カフの巻き着け時の容量に応じて前記空
気ポンプに供給する駆動制御量を変化させる駆動制御量
決定手段とを含む。生体に対するカフの巻き付け状態に
よりカフの容量が変化することが避けられないが、この
ようにすれば、空気ポンプをオープンループ制御にて駆
動する場合でも、カフの巻き着け時の容量に関わらずカ
フの昇圧速度が略一定となる利点がある。
【0012】また、好適には、前記カフ圧制御手段は、
前記空気ポンプの回転速度を前記カフの昇圧時間の経過
に伴って高めるようにその空気ポンプに供給する駆動電
力量をカフの昇圧時間の経過に伴って増加させるように
構成される。このようにすれば、カフ圧の上昇に伴って
排気制御弁装置から排出される圧縮空気量が増加して
も、そのカフ圧の上昇に伴って空気ポンプの吐出量が増
加させられるので、精度よくカフ圧が直線的に増加させ
られる利点がある。
【0013】また、好適には、前記カフ容量推測手段
は、予め設定された第1圧力からそれよりも高く設定さ
れた第2圧力に到達するまでの前記カフの昇圧時間に基
づいて前記カフの巻き着け時の容量を推測するものであ
り、前記カフ圧制御手段は、前記カフの圧力が上記第1
圧力に到達するまではカフを急速に昇圧させるように構
成される。このようにすれば、カフの圧力が上記第1圧
力に到達するまではカフが急速に昇圧させられるので、
血圧測定時間が短縮される利点がある。
【0014】
【実施例】以下、本発明の一実施例である血圧監視装置
を図面に基づいて詳細に説明する。
【0015】図1において、生体の上腕などを圧迫する
ためにそれに巻回されるカフ10は、ゴムシート或いは
ビニールシートのような弾性膜などにより構成された膨
張袋10aが伸縮不能な腕帯10b内に収容されること
により構成されている。このカフ10の膨張袋10a
は、圧力センサ12、比較的小さな絞り径を備えた定量
排気弁14aおよび比較的大きな絞り径を備えた急速排
気弁14bから成る排気制御弁装置14とそれぞれ接続
されているとともに、固定絞り装置16および空気タン
ク18を介して空気ポンプ19と接続されている。すな
わち、空気を圧送するための空気ポンプ19の出力側に
は空気タンク18が接続され、その空気タンク18とカ
フ10との間に固定絞り装置16が介挿され、その固定
絞り装置16とカフ10との間に排気制御弁装置14が
設けられているのである。
【0016】上記圧力センサ12は、後述の圧力検出手
段48として機能するものであって、たとえば半導体圧
力検出素子を備えたものであり、カフ10内の圧力を検
出し、その圧力を表す圧力信号SPをローパスフィルタ
20、バンドパスフィルタ22へ供給する。ローパスフ
ィルタ20は、圧力信号SPに含まれる直流成分を弁別
してカフ10の圧力(静圧)PC を取り出すものであ
り、カフ圧信号SKとしてA/D変換器24へ出力す
る。バンドパスフィルタ22は、圧力信号SPに含まれ
るカフ10内の圧力振動たとえば1乃至10Hzの周波数
成分を弁別して脈波成分を取り出し、脈波信号SMとし
てA/D変換器24へ出力する。生体の上腕などに巻回
されるカフ10には、動脈の脈動に基づいて心拍に同期
した圧力変動が発生するのである。
【0017】上記バンドパスフィルタ22は、血圧測定
のためのカフ10の圧力の徐速昇圧速度たとえば10乃至
25mmHg/sec中において心拍に同期してカフ10に発生す
る圧力振動すなわち脈波振幅をカフ10の圧力変化速度
やノイズの影響なく取り出すことを目的とする狭い周波
数特性を備えている。なお、上記A/D変換器24に
は、上記2種類の入力信号を時分割するマルチプレクサ
が含まれており、それら2種類の入力信号を並列的にA
/D変換する機能を備えている。上記バンドパスフィル
タ22は後述の脈波検出手段50に対応している。
【0018】演算制御装置26は、CPU28、RAM
30、ROM32、出力インターフェース34、表示用
インターフェース36を含む所謂マイクロコンピュータ
であり、CPU28は、A/D変換器24から入力され
た信号を、RAM30の一時記憶機能を利用しつつ、予
めROM32に記憶されたプログラムに従って処理し、
出力インターフェース34を介して空気ポンプ19およ
び排気制御弁装置14を駆動制御するとともに、表示用
インターフェース36を介して表示器38を駆動制御す
る。この表示器38には、多数の画素によって数値など
を表示できる画像表示板が備えられている。
【0019】モード切換スイッチ40は、昇圧測定モー
ドおよび降圧測定モードの一方へ切り替えるために操作
されるものであり、後述のモード切換手段54として機
能する。また、起動/停止スイッチ42は、その押圧操
作毎に起動および停止を交互に指令する信号をCPU2
8に供給する。
【0020】図2は、上記演算制御装置26の制御機能
の要部を説明する機能ブロック線図である。図におい
て、脈波検出手段50は圧力検出手段48により検出さ
れたカフ10の圧力の変動からカフ10に発生する脈波
を検出する。血圧測定手段52は、所謂オシロメトリッ
ク式の血圧決定法( JIS T 1115 )を用いて血圧測定を
実行するものであり、カフ10の圧力変化に伴って変化
する上記脈波の大きさ(振幅値)が急激に変化する時点
のカフ圧を最高血圧値および最低血圧値として決定する
一方、脈波の大きさが最大となったときのカフ圧を平均
血圧値として決定する。
【0021】モード切換手段54は、たとえば作業者に
よる手動操作に基づき昇圧測定モードおよび降圧測定モ
ードの一方を選択する。カフ圧制御手段56は、降圧測
定モードが選択されている場合には、排気制御弁装置1
4を全閉とした状態で空気ポンプ19を駆動することに
よりカフ10の圧力を生体の最高血圧値よりも高く設定
された目標圧まで急速昇圧させ、その後に空気ポンプ1
9を停止させ且つ排気制御弁装置14からの排気量を調
節することによりカフ10を所定の速度で徐速降圧さ
せ、その過程で前記血圧測定手段52によりカフ10に
発生する脈波の大きさの変化に基づいて血圧値を決定さ
せ、測定が完了すると排気制御弁装置14を全開として
カフ10を急速解放させる。
【0022】また、上記カフ圧制御手段56は、昇圧測
定モードが選択されている場合には、排気制御弁装置1
4を僅かに開いた状態で空気ポンプ19を駆動すること
によりカフ10の圧力を所定の速度で徐々に昇圧させ、
その過程で前記血圧測定手段52によりカフ10に発生
する脈波の大きさの変化に基づいて血圧値を決定させ、
測定が完了すると空気ポンプ19を停止させ且つ排気制
御弁装置14を全開としてカフ10を直ちに急速解放さ
せる。
【0023】上記昇圧測定モードにおいては、カフ圧制
御手段56のカフ容量推測手段58は、空気ポンプ19
を一定の回転速度で駆動したときの昇圧速度に基づいて
カフ10の巻き着け時の容量を推測する。駆動制御量決
定手段60は、そのカフ容量推測手段58により推測さ
れた巻き着け時のカフ10の容量に応じて空気ポンプ1
9に供給する駆動制御量すなわち駆動電力量を変化させ
ることにより、巻き着け時のカフ10の容量に関わらず
カフ10の昇圧速度を程一定とする。
【0024】図3は、上記演算制御装置26の制御作動
を説明するフローチャートである。図のステップS1で
は、血圧測定装置の起動が操作されたか否かが起動/停
止スイッチ42からの信号に基づいて判断される。この
ステップS1の判断が否定された場合には待機させられ
るが、肯定された場合にはステップS2において血圧測
定が昇圧測定モードで行われるか否かがモード切換スイ
ッチ40からの信号に基づいて判断される。
【0025】上記ステップS2の判断が否定された場合
は降圧測定モードが選択されている状態であることか
ら、ステップS3において排気制御弁装置14が全閉状
態とされ且つステップS4において空気ポンプ19に最
大の駆動信号VDmax が供給されてその空気ポンプ19
が最高回転速度で駆動されるので、カフ10は急速に昇
圧させられる。上記空気ポンプ19に供給される駆動信
号は、空気ポンプ19に供給される駆動電力すなわち駆
動制御量に対応するものであり、たとえばパルス幅変調
される場合には%がその単位となる。
【0026】続くステップS5では、カフ10の圧力P
C が予め設定された目標圧力PM を超えたか否かが判断
される。この目標圧力PM は、通常の生体の最高血圧値
よりも充分に高い値たとえば180mmHg程度の値に設定
される。このステップS5の判断が否定された場合には
上記ステップS3以下が繰り返し実行されるが、肯定さ
れた場合には、ステップS6において空気ポンプ19の
駆動が停止されると同時に排気制御弁装置14の定量排
気弁14aが開かれるので、カフ10の圧力は血圧測定
に適した所定の速度で徐々に降圧させられる。
【0027】そして、前記血圧測定手段52に対応する
ステップS7では、脈波の入力毎にオシロメトリック方
式の血圧値決定アルゴリズムによる血圧測定ルーチンが
実行されるとともに、続くステップS8では血圧測定が
完了したか否かが判断される。カフ10に発生する圧力
振動である脈波の振幅は、カフ10の圧力PC が目標圧
力PM から低下するに伴って、当初は順次増加するがそ
の後は順次減少する性質があり、上記血圧値決定アルゴ
リズムでは、たとえば脈波の振幅が急激に減少したとき
のカフ圧値が最高血圧値Psys 、脈波の振幅が最大とな
ったときのカフ圧値が平均血圧値Pmean、脈波の振幅が
急激に増加したときのカフ圧値が最低血圧値Pdia とし
てそれぞれ決定されるのである。
【0028】上記ステップS8における判断が否定され
た場合には、ステップS6以下が繰り返し実行される
が、肯定された場合には、ステップS9において急速排
気弁14bが開放されてカフ10が急速解放された後、
ステップS21において、測定された各血圧値Psys
mean、Pdia がRAM30にそれぞれ記憶され且つ表
示器38に数字表示される。この降圧測定モードでは、
上記ステップS3乃至S6がカフ圧制御手段56に対応
している。
【0029】前記ステップS2の判断が肯定された場合
は昇圧測定モードが選択された状態であるので、ステッ
プS10において定量排気弁14aが開放されるととも
に、ステップS11において空気ポンプ19に最大の駆
動信号VDmax (100%)が供給されてその空気ポン
プ19が最高回転速度で駆動されるので、図4に示すよ
うにカフ10は急速に昇圧させられる。
【0030】そして、ステップS12においてカフ10
の圧力PC が予め設定された第1圧力P1 を超えたか否
かが判断される。このステップS12の判断が否定され
た場合は上記ステップS11以下が繰り返し実行される
が、肯定された場合は、ステップS13において予め設
定された一定の第1駆動信号VD1 にて空気ポンプ19
が回転駆動される。図4のt1 時点はこの状態を示して
いる。そして、続くステップS14において、カフ10
の圧力PC が予め第1圧力P1 よりも高く設定された第
2圧力P2 を超えたか否かが判断される。上記第1圧力
1 および第2圧力P2 は、カフ10の巻き着け時の容
量を推測するために最低血圧値Pdia よりも低く設定さ
れた値であり、たとえば20mmHg程度の値および30mm
Hg程度の値にそれぞれ設定される。
【0031】上記ステップS14の判断が否定された場
合は上記ステップS13以下が繰り返し実行されるの
で、図4に示すように一定の速度でカフ10が昇圧させ
られるが、肯定された場合は、ステップS15におい
て、数式1に示す予め記憶された関係から、実際の上記
第1圧力P1 および第2圧力P2 間のカフ10の昇圧速
度VP 〔=(P2 −P1 )/T1 、但しT1 は第1圧力
1 および第2圧力P2 間のカフ10の昇圧時間〕が算
出される。この昇圧速度VP 、その算出の基礎となる昇
圧時間T1 は、カフの巻き着け時の容量Aに密接に関連
するものであるから、上記ステップS15は実質的にカ
フ10の巻き着け時の容量Aを推測するものであるた
め、前記カフ容量推測手段58に対応している。
【0032】そして、ステップS16において上記第1
圧力P1 および第2圧力P2 間のカフ10の昇圧速度V
P に基づいて、t2 時点以後の駆動信号VDL が算出さ
れる。図4のt2 時点はこの状態を示している。なお、
数式において、kは予め設定された比例定数、tはカフ
10の昇圧開始時からの経過時間或いは上記ステップS
14の判断が肯定されてからの経過時間である。また、
数式1のC(VP )は補正項であり、その補正加算値C
(VP )はたとえば図5に示す関係から求められる。上
記ステップS16は、空気ポンプ19に供給される駆動
電力すなわち駆動制御量に対応する駆動信号VDL を決
定するものであるから、前記駆動制御量決定手段60に
対応している。
【0033】
【数1】VDL =k・t+C(VP
【0034】図5の横軸に示すように、上記第1圧力P
1 および第2圧力P2 間のカフ10の昇圧速度VP は、
第1圧力P1 および第2圧力P2 間のカフ10の昇圧時
間T 1 に対応しているだけでなく、実質的にカフ10の
巻き着け時の容量Aにも対応していることから、上記数
式1の第2項である補正項は、上記第1圧力P1 および
第2圧力P2 間のカフ10の昇圧時間T1 の関数である
補正加算値C(T1 )であってもよく、或いはカフ10
の巻き着け時の容量Aの関数である補正加算値C(A)
であってもよいのである。
【0035】そして、続くステップS17では、上記ス
テップS16において算出された駆動信号VDL にて空
気ポンプ19が回転駆動されるので、カフ10の圧力P
C が第2圧力P2 を超えた後は、図4に示すように、血
圧測定に適した速度で直線的に昇圧させられる。すなわ
ち、カフ10の圧力PC が高くなるほど定量排気弁14
aから排出される空気量が多くなるのであるが、数式1
から求められた駆動信号VDL は経過時間tと共に直線
的に増加させられて、カフ10に対する空気供給量もそ
れに伴って増加するので、カフ10の圧力PC が直線的
に増加させられるのである。なお、図4の直線La、L
b、Lcは、カフ10の巻き着け時の容量Aすなわち第
1圧力P1 および第2圧力P2 間のカフ10の昇圧速度
P が3段階に変化したときのt2 時点以後の駆動制御
量VDを示しており、このように駆動制御量VDが変化
させられることにより、t2 時点以後のカフ10の直線
的な昇圧速度が一定とされるのである。上記直線Laは
直線Lcに対してカフ10の巻き着け時の容量が大きい
場合を示している。
【0036】以上のようにしてカフ10のt2 時点以後
の昇圧が直線的な一定速度とされると、前記血圧測定手
段52に対応するステップS18の血圧測定ルーチンが
その昇圧過程において実行され、前記ステップS7と同
様に血圧値が決定される。続くステップS19では、ス
テップS18における血圧測定が完了したか否かが判断
される。このステップS19の判断が否定された場合は
前記ステップS15以下が繰り返し実行されるが、肯定
された場合はステップS20において空気ポンプ19が
停止させられるとともに急速排気弁14bが開放される
ことにより、カフ10が直ちに解放される。そして、ス
テップS21において、測定された各血圧値Psys 、P
mean、Pdia がRAM30にそれぞれ記憶され且つ表示
器38に数字表示される。この昇圧測定モードでは、上
記ステップS10乃至S16がカフ圧制御手段56に対
応している。
【0037】上述のように、本実施例によれば、血圧測
定に際してカフ10を直線的に昇圧させる昇圧測定モー
ドが選択された際には、空気ポンプ19から吐出された
空気は空気タンク18および固定絞り装置16を経てカ
フ10へ圧送されるので、その空気タンク18および固
定絞り装置16によって大きな脈動が吸収される一方、
カフ圧制御手段56により、カフ10と絞り装置16と
の間に設けられた排気制御弁装置14から圧縮空気が所
定量排出される状態で空気ポンプ19が作動させられる
ことから、空気ポンプ19の回転速度が高められてその
吐出圧の脈動周波数が高められるので、カフ10の圧力
振動にノイズとして混入しても、脈波を構成する周波数
成分と異なることから、バンドパスフィルタ22によっ
て好適に除去される。したがって、本実施例のリニヤ昇
圧型血圧測定装置によれば、空気ポンプ19の吐出圧の
脈動の影響が解消され、血圧測定精度が高められる。
【0038】また、本実施例によれば、空気ポンプ19
を一定の回転速度で駆動したときの昇圧速度に基づいて
前記カフの容量を推測するカフ容量推測手段58と、こ
のカフ容量推測手段58により推測されたカフ10の巻
き着け時の容量Aに応じて空気ポンプ10に供給する駆
動電力量を変化させる駆動制御量決定手段60とが設け
られている。生体に対するカフ10の巻き付け状態によ
りカフ10の容量が変化することが避けられないが、上
記のように駆動電力が決定されるので、空気ポンプ19
をオープンループ制御にて駆動する場合でも、カフ10
の巻き着け時の容量Aに関わらずカフ10の昇圧速度が
略一定となる利点がある。
【0039】また、本実施例によれば、空気ポンプ19
の回転速度をカフ10の昇圧時間の経過に伴って高める
ようにその空気ポンプ19に供給する駆動信号VDL
前記数式1によりそのカフ10の昇圧時間の経過に伴っ
て増加させられる。このため、カフ圧PC の上昇に伴っ
て排気制御弁装置14から排出される圧縮空気量が増加
しても、そのカフ圧PC の上昇に伴って空気ポンプ19
の吐出量が増加させられるので、精度よくカフ圧が直線
的に増加させられる利点がある。
【0040】また、本実施例によれば、カフ容量推測手
段58は、予め設定された第1圧力P1 からそれよりも
高く設定された第2圧力P2 に到達するまでのカフ10
の昇圧時間T1 に基づいてカフ10の巻き着け時の容量
Aを推測するものであり、カフ圧制御手段56は、カフ
10の圧力PC が上記第1圧力P1 に到達するまではカ
フ10を急速に昇圧させるので、血圧測定時間が短縮さ
れる利点がある。
【0041】以上、本発明の一実施例を図面に基づいて
説明したが、本発明はその他の態様においても適用され
る。
【0042】たとえば、前述の実施例の排気制御弁装置
14は、定量排気弁14aと急速排気弁14bとから構
成され、それら定量排気弁14aおよび急速排気弁14
bが選択的に開閉されていたが、排気開度が連続的に変
化させられることにより、低速排気および急速排気に対
応できる1個の弁により構成されてもよいのである。
【0043】また、前述の実施例のステップS15で
は、カフ10の昇圧速度VP は、予め設定された第1圧
力P1 および第2圧力P2 間の昇圧時間T1 から算出さ
れていたが、単位時間当たりのカフ10の圧力PC の変
化量から算出されてもよいのである。
【0044】また、前述の実施例の第1圧力P1 および
第2圧力P2 は20mmHg程度の値および30mmHg程度の
値に設定されていたが、それに限定される訳ではなく、
直線的昇圧を最低血圧値dia より低い圧で開始させるこ
とが望まれるため、最低血圧値Pdia より低い圧であれ
ばよい。
【0045】なお、上述したのはあくまでも本発明の一
実施例であり、本発明はその主旨を逸脱しない範囲にお
いて種々の変更が加えられ得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の血圧測定装置の一実施例の構成を説明
するブロック線図である。
【図2】図1の演算制御回路の制御機能の要部を説明す
る機能ブロック線図である。
【図3】図1の演算制御回路の制御作動の要部を説明す
るフローチャートである。
【図4】図3の演算制御回路によって制御される空気ポ
ンプに対する駆動信号とカフ圧の変化を示すタイムチャ
ートである。
【図5】図3のステップS16において用いられる補正
加算値C(VP )を算出するための関係を示す図であ
る。
【符号の説明】
10:カフ 14:排気制御弁装置 16:固定絞り装置(絞り装置) 18:空気タンク 19:空気ポンプ 56:カフ圧制御手段 58:カフ容量推測手段 60:駆動制御量決定手段
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−234844(JP,A) 特開 平1−308529(JP,A) 特開 昭62−192136(JP,A) 特開 昭61−122841(JP,A) 特開 昭62−11431(JP,A) 特開 平5−146415(JP,A) 特開 昭64−40030(JP,A) 特開 昭57−39832(JP,A) 特開 昭59−129051(JP,A) 実開 平3−94201(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 5/022 A61B 5/0225

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生体の一部に巻回されたカフの圧迫圧力
    を所定の昇圧速度で直線的に昇圧させる過程で、該生体
    の心拍に同期して動脈から発生する脈拍同期波に基づい
    て該生体の血圧値を測定する形式のリニヤ昇圧型血圧測
    定装置であって、 空気を圧送するための空気ポンプと、 該空気ポンプの出力側に接続された空気タンクと、 該空気タンクと前記カフとの間に介挿された絞り装置
    と、 前記カフ内の空気を排出するために、前記絞り装置と該
    カフとの間に設けられた排気制御弁装置と、 該排気制御弁装置から圧縮空気を所定量排出する状態で
    前記空気ポンプを作動させることにより前記カフを前記
    所定の昇圧速度で直線的に昇圧させるカフ圧制御手段と
    を、含むことを特徴とするリニヤ昇圧型血圧測定装置。
  2. 【請求項2】 前記カフ圧制御手段は、前記空気ポンプ
    を一定の回転速度で駆動したときの昇圧速度に基づいて
    前記カフの巻き着け時の容量を推測するカフ容量推測手
    段と、該カフ容量推測手段により推測された前記カフの
    巻き着け時の容量に応じて前記空気ポンプに供給する駆
    動電力量を変化させる駆動制御量決定手段とを含むもの
    である請求項1のリニヤ昇圧型血圧測定装置。
  3. 【請求項3】 前記カフ圧制御手段は、前記空気ポンプ
    の回転速度を前記カフの昇圧時間の経過に伴って高める
    ように該空気ポンプに供給する駆動電力量を該カフの昇
    圧時間の経過に伴って増加させるものである請求項2の
    リニヤ昇圧型血圧測定装置。
  4. 【請求項4】 前記カフ容量推測手段は、予め設定され
    た第1圧力からそれよりも高く設定された第2圧力に到
    達するまでの前記カフの昇圧時間に基づいて前記カフの
    巻き着け時の容量を推測するものであり、前記カフ圧制
    御手段は、前記カフの圧力が該第1圧力に到達するまで
    は該カフを急速に昇圧させるものである請求項2のリニ
    ヤ昇圧型血圧測定装置。
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