JP3421188B2 - 射出圧縮成形用の金型組立体及び射出圧縮成形方法 - Google Patents

射出圧縮成形用の金型組立体及び射出圧縮成形方法

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JP3421188B2
JP3421188B2 JP03868796A JP3868796A JP3421188B2 JP 3421188 B2 JP3421188 B2 JP 3421188B2 JP 03868796 A JP03868796 A JP 03868796A JP 3868796 A JP3868796 A JP 3868796A JP 3421188 B2 JP3421188 B2 JP 3421188B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、射出圧縮成形用の
金型組立体、及びかかる金型組立体を用いた射出圧縮成
形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、金型は、炭素鋼、ステンレス鋼、
アルミニウム合金、銅合金等の金属材料から作製されて
いる。これらの金属材料は熱伝導性がよいため、金型に
設けられたキャビティ内に射出された溶融樹脂は、金型
のキャビティを構成する面(以下、便宜上、金型のキャ
ビティ面と呼ぶ)と接触したとき、瞬時に冷却され始め
る。その結果、溶融樹脂の表層部分が急速に固化される
ため、例えば、成形品の原料樹脂として繊維強化樹脂材
料を用いた場合、成形品の表面に繊維が露出し易い。ま
た、金型のキャビティ面近傍の溶融樹脂には急速に固化
層が急速に発達するために、金型のキャビティ面と樹脂
との濡れ性が悪く、金型のキャビティ面を忠実に成形品
の表面に転写させることが難しい。
【0003】また、キャビティ内の溶融樹脂の固化速度
が早いため、圧力が成形品内部に及び難く、成形品にヒ
ケが発生し易く、特に厚肉成形品の場合や、通常の成形
品であっても成形品の端部に、ヒケが発生し易いという
問題がある。
【0004】これらの問題点を解決するために、一般的
には、溶融樹脂を高圧射出することで金型のキャビティ
面を無理矢理、成形品の表面に転写させる方法、あるい
は金型温度を高温にして溶融樹脂の固化層の発達を遅ら
せる方法が取られている。しかしながら、前者の方法に
おいては、射出成形装置の大型化、金型自体の大型化や
肉厚化によるコストアップにつながると共に、キャビテ
ィ内に溶融樹脂を高圧充填することより成形品内部に応
力が残留し、その結果、成形品の品質が低下するといっ
た問題が生じる。一方、後者の方法においては、金型温
度を樹脂の荷重撓み温度に近づけて設定するために、キ
ャビティ内の樹脂の冷却時間が長くなる結果、成形サイ
クルが長くなり、生産性が低下するといった問題があ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】低熱伝導材料からキャ
ビティを構成する金型部分を作製した場合、溶融樹脂の
固化層の発達を遅らせることが可能である。その結果、
金型のキャビティ面の成形品表面への転写性に優れ、綺
麗な表面を有する成形品を成形することができる。しか
しながら、低熱伝導材料から金型を作製した場合、溶融
樹脂の固化層の発達の遅延に起因して、完全にヒケをな
くすことは困難である。
【0006】加うるに、このような低熱伝導材料からキ
ャビティを構成する金型部分を作製した場合、使用する
原料樹脂に依るが、固化層の発達が遅くなるために、金
型のキャビティ面と溶融樹脂との間の濡れ性が向上す
る。その結果、金型のキャビティ面と樹脂(成形品)と
の間が真空状態となり、金型から成形品を離型すること
が極めて困難となるといった問題が発生する。このよう
な場合、無理矢理、成形品を金型から離型させると、成
形品が変形したり、金型のキャビティ面が破損・損傷す
るという問題も生じる。
【0007】従って、本発明の第1の目的は、キャビテ
ィを構成する面を忠実に成形品の表面に転写させること
ができ、優れた品質を有する成形品の成形を可能にし、
成形サイクルの延長を生じさせず、成形品にヒケが発生
することを確実に防止できる射出圧縮成形用の金型組立
体及び射出圧縮成形方法を提供することにある。更に、
本発明の第2の目的は、第1の目的に加えて、成形品を
金型から容易に離型させ得る射出圧縮成形用の金型組立
体及び射出圧縮成形方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の第1の目的を達成
するための本発明の射出圧縮成形用の金型組立体は、
(イ)第1の金型部と第2の金型部とから構成され、型
締め時、熱可塑性樹脂に基づき成形品を成形するための
キャビティが内部に形成され、成形品の成形時、キャビ
ティの容積を可変とし得る構造を有する金型と、(ロ)
該第1及び/又は第2の金型部に配設され、キャビティ
の一部を構成し、厚さが0.5mm乃至10mm、好ま
しくは1mm乃至7mm、より好ましくは2mm乃至5
mmのセラミック製若しくはガラス製の入れ子と、
(ハ)該入れ子が配設された金型部に取り付けられ、キ
ャビティの一部を構成し、該入れ子の端部を抑える抑え
プレート、から成り、入れ子と抑えプレートとの間のク
リアランス(C0)は、0.001乃至0.03mm
(0.001mm≦C0≦0.03mm)であり、且
つ、入れ子に対する抑えプレートの抑え代(ΔS)は
0.1mm以上(ΔS≧0.1mm)であることを特徴
とする。
【0009】成形すべき成形品の形状、要求される表面
特性等に依存して、入れ子を、第1金型部のみに配設し
てもよいし、第2の金型部のみに配設してもよいし、第
1に金型部及び第2の金型部の両方に配設してもよい。
【0010】ここで、キャビティの一部を構成すると
は、成形品の外形を規定するキャビティ面を構成するこ
とを意味する。より具体的には、キャビティは、例え
ば、第1の金型部及び第2の金型部に形成されたキャビ
ティを構成する面と、入れ子に形成されたキャビティを
構成する面と、抑えプレートに形成されたキャビティを
構成する面とから構成されている。尚、これらのキャビ
ティを構成する面を、以下、キャビティ面と呼ぶ。雌型
(キャビティ部)に相当する第1の金型部の側に設けら
れるキャビティ面を構成する要素と、雄型(コア部)に
相当する第2の金型部の側に設けられるキャビティ面を
構成する要素との組合せを、以下の表1に示す。尚、キ
ャビティ面を構成する要素を、(第1の金型部若しくは
第2の金型部)+(入れ子)+(抑えプレート)とした
場合、入れ子の端部は抑えプレートによって抑えられて
いるので、成形品の表面には抑えプレートの縁の跡が残
ることになる。
【0011】
【表1】 (1)第1の金型部の側:第1の金型部+入れ子+抑えプレート 第2の金型部の側:(1−1)第2の金型部 :(1−2)第2の金型部+入れ子+抑えプレート :(1−3)入れ子+抑えプレート (2)第1の金型部の側:入れ子+抑えプレート 第2の金型部の側:(2−1)第2の金型部 :(2−2)第2の金型部+入れ子+抑えプレート :(2−3)入れ子+抑えプレート (3)第1の金型部の側:第1の金型部 第2の金型部の側:(3−1)第2の金型部+入れ子+抑えプレート :(3−2)入れ子+抑えプレート
【0012】入れ子の厚さが0.5mm未満の場合、入
れ子による断熱効果が少なくなり、キャビティ内に導入
された溶融樹脂の急冷を招き、ウエルドマークやフロー
マーク等の外観不良が発生する確率が高くなる。また、
金型部に入れ子を固定する際には、例えば熱硬化性接着
剤を用いて入れ子を金型部に接着すればよいが、入れ子
の厚さが0.5mm未満の場合、接着剤の膜厚が不均一
になると入れ子に不均一な応力が残るために、成形品表
面がうねる現象が生じたり、射出された溶融樹脂の圧力
によって入れ子が破損することがある。一方、入れ子の
厚さが10mmを越える場合、入れ子による断熱効果が
大きくなり過ぎ、キャビティ内の樹脂の冷却時間を延長
しないと、金型からの成形品の取り出し後に成形品が変
形することがある。それ故、成形サイクルの延長といっ
た問題が発生することがある。
【0013】入れ子と抑えプレートとの間のクリアラン
ス(C0)は、0.001mm以上0.03mm以下
(0.001mm≦C0≦0.03mm)とする。ここ
で、かかるクリアランス(C0)は、入れ子の厚さ方向
に沿って測った入れ子と抑えプレートとの間の隙間であ
る。クリアランス(C0)の最小値は、抑えプレートを
取り付ける際に、入れ子の外周部に微細なクラックが発
生したり、金型の昇温時に入れ子が熱膨張することによ
って入れ子と抑えプレートが接触し、入れ子の外周部の
微細クラックに応力がかかる結果、入れ子が破損すると
いった問題が生じたり、型締め時の衝撃で入れ子に損傷
が発生しないような値である。また、クリアランス(C
0)が0.03mmを越えると、溶融樹脂が入れ子と抑
えプレートとの間に侵入し、入れ子にクラックが生じる
場合があるし、成形品にバリが発生するといった問題も
生じる。
【0014】抑え代(ΔS)が0.1mm未満の場合、
入れ子の作製時に入れ子に発生したクレーズが溶融樹脂
と接触する結果、入れ子に発生したクレーズがクラック
に成長し、入れ子が破損する場合がある。抑え代(Δ
S)の上限は特に規定されないが、2mm程度とするこ
とが好ましい。ここで、抑え代(ΔS)は、入れ子のキ
ャビティ面に沿った、抑えプレートの端面(側面)から
入れ子の端部までの距離である。
【0015】金型は、第1の金型部のパーティング面と
第2の金型部とのパーティング面とで印篭構造が形成さ
れている構造とすることが好ましい。ここで、印篭構造
とは、第1の金型部のパーティング面と第2の金型部の
パーティング面とが対向しており、金型が完全に型締め
されていなくともキャビティが形成されるように、僅か
なクリアランスをもって第1の金型部のパーティング面
と第2の金型部のパーティング面が摺り合うように第1
の金型部と第2の金型部が嵌合する構造を指す。尚、場
合によっては、第1の金型部に取り付けられた抑えプレ
ートの端面(側面)と第2の金型部とのパーティング面
とで印篭構造が形成されていてもよいし、第2の金型部
に取り付けられた抑えプレートの端面(側面)と第1の
金型部とのパーティング面とで印篭構造が形成されてい
てもよいし、第1の金型部に取り付けられた抑えプレー
トの端面(側面)と第2の金型部に取り付けられた抑え
プレートの端面(側面)とで印篭構造が形成されていて
もよい。
【0016】本発明の金型組立体においては、使用する
原料樹脂に依るが、固化層の発達が遅くなるために、溶
融樹脂と入れ子のキャビティを構成する面(以下、入れ
子のキャビティ面と呼ぶ)との間の濡れ性が向上し、そ
の結果、樹脂(成形品)と入れ子のキャビティ面との間
が真空状態となり、入れ子から成形品を離すことが困難
となる場合がある。このような場合には、即ち、上記の
第2の目的を達成するために、本発明の金型組立体は、
第1の金型部内に摺動可能に配設された突出しピンを更
に備え、突出しピンと第1の金型部との間のクリアラン
ス(C1)は0.01乃至0.03mm(0.01mm
≦C1≦0.03mm)であり、突出しピンと第1の金
型部との間の隙間、及び入れ子と抑えプレートとの間の
隙間は、流体源に接続され、成形品の成形後、型開きを
行い、突出しピンを用いて第1の金型部から成形品を離
型する際、突出しピンと第1の金型部との間の隙間、及
び入れ子と抑えプレートとの間の隙間から流体を流し得
る構造とすることが好ましい。流体源としては、例えば
圧縮空気源や加圧窒素ガス源を用いることができ、この
場合、流体は圧縮空気や加圧窒素ガスである。尚、第1
の金型部に抑えプレートが取り付けられており、突出し
ピンが抑えプレートを貫通して配設されている態様も、
突出しピンが第1の金型部に配設された態様に包含され
る。
【0017】尚、突出しピンの先端から5mm程度ま
で、乃至、突出しピンの先端から30mm程度までの領
域において、突出しピンと第1の金型部との間に上述の
クリアランス(C1)が存在すればよい。それ以外の領
域においては、流体の流れを考慮すると、突出しピンと
第1の金型部との間のクリアランスは0.5mm乃至5
mmとすることが好ましい。突出しピンと第1の金型部
との間のクリアランス(C1)が0.01mm未満で
は、突出しピンと第1の金型部との間の隙間から流体を
流すことが困難となる。一方、突出しピンと第1の金型
部との間のクリアランス(C1)が0.03mmを超え
る場合、溶融樹脂が突出しピンと第1の金型部との間の
隙間に侵入する虞がある。
【0018】入れ子を構成する材料の熱伝導率は、キャ
ビティ内の溶融樹脂の急冷を防止する目的で、2×10
-2cal/cm・sec・deg以下であることが必要
とされる。この値を越える熱伝導率を有する材料を用い
て入れ子を作製した場合、キャビティ内の溶融樹脂が入
れ子によって急冷されるために、入れ子を備えていない
通常の炭素鋼等から作製された金型にて成形された成形
品と同程度の外観しか得られない。
【0019】入れ子は、熱伝導率が2×10-2cal/
cm・sec・deg以下である、広く、ジルコニア系
材料、アルミナ系材料、K2O−TiO2から成る群から
選択されたセラミック、若しくは、ソーダガラス、石英
ガラス、耐熱ガラス、結晶化ガラスから成る群から選択
されたガラスから作製することができ、より具体的に
は、ZrO2、ZrO2−CaO、ZrO2−Y23、Z
rO2−MgO、K2O−TiO2、Al23、Al23
−TiC、Ti32、3Al23−2SiO2から成る
群から選択されたセラミック、若しくは、ソーダガラ
ス、石英ガラス、耐熱ガラス、結晶化ガラスから成る群
から選択されたガラスから作製することができるが、中
でも、熱伝導率が2×10-2cal/cm・sec・d
eg以下である、ZrO2−Y23又は3Al23・2
SiO2から成るセラミックから作製されていることが
好ましい。
【0020】あるいは又、入れ子を、熱伝導率が2×1
-2cal/cm・sec・deg以下であって、結晶
化度が10%以上、更に望ましくは結晶化度が60%以
上、一層望ましくは結晶化度が70〜100%の結晶化
ガラスから作製することが好ましい。10%以上の結晶
化度になると結晶がガラス全体に均一に分散するので、
熱衝撃強度及び界面剥離性が飛躍的に向上するため、成
形品の成形時の入れ子の破損を著しく低下させることが
できる。結晶化度が10%未満では、成形時にその表面
から界面剥離を起こし易いといった欠点がある。
【0021】熱衝撃強度とは、所定の温度に加熱した1
00mm×100mm×3mmのガラスを25゜Cの水
中に投げ込んだとき、ガラスに割れが発生するか否かの
温度を強度としたものである。熱衝撃強度が400゜C
であるとは、400゜Cに熱した100mm×100m
m×3mmのガラスを25゜Cの水中に投げ込んだと
き、ガラスに割れが発生しないことを意味する。この熱
衝撃強度は、耐熱ガラスにおいても180゜C前後の値
しか得られない。従って、それ以上の温度(例えば、約
300゜C)で溶融された樹脂が冷えた入れ子と接触し
たとき、入れ子に歪みが生じ、入れ子が破損する場合が
ある。熱衝撃強度は、ガラスの結晶化度とも関係し、1
0%以上の結晶化度を有する結晶化ガラスから入れ子を
作製すれば、成形時に入れ子が割れることを確実に防止
し得る。
【0022】ここで、結晶化ガラスとは、原ガラスに少
量のTiO2及びZrO2の核剤を添加した後、1600
゜C以上の高温下で溶融した後、プレス、ブロー、ロー
ル、キャスト法等によって成形され、更に結晶化のため
に熱処理を行い、ガラス中にLi2O−Al23−Si
2系結晶を成長させ、主結晶相がβ−ユークリプタイ
ト系結晶及びβ−スポジュメン系結晶が生成したものを
例示することができる。あるいは又、CaO−Al23
−SiO2系ガラスを1400〜1500゜Cで溶融
後、水中へ移して砕いて小粒化を行った後、集積し、耐
火物セッター上で板状に成形後、更に加熱処理を行い、
β−ウォラストナイト結晶相が生成したものを例示する
ことができる。更には、SiO2−B23−Al23
MgO−K2O−F系ガラスを熱処理して雲母結晶を生
成させたものや、核剤を含むMgO−Al23−SiO
2系ガラスを熱処理してコーディエライト結晶が生成さ
れたものを例示することができる。尚、本発明における
入れ子として、強度及び熱特性に優れたβ−ユークリプ
タイト系結晶又はβ−スポジュメン系結晶を有する結晶
化ガラスを用いることが好ましい。
【0023】これら結晶化ガラスは、ガラス基材中に存
在する結晶粒子の割合を結晶化度という指標で表すこと
ができる。そして、X線回折等の分析機器を用いて非晶
相と結晶相の割合を測定することで結晶化度を測定する
ことができる。
【0024】成形品に鏡面性が要求される場合、入れ子
のキャビティ面の表面粗さRmaxを0.03μm以下と
することが望ましい。そのためには、作製された入れ子
のキャビティ面に対して、表面粗さRmaxが0.03μ
m以下になるまで、例えばダイヤモンドラッピングを行
い、更に、必要に応じて、酸化セリウムによるラッピン
グを行えばよい。ラッピングは、ラッピングマシン等を
用いて行うことができる。通常の炭素鋼等の磨きと比較
すると、例えば結晶化ガラスの場合、約1/2のコスト
で鏡面が得られるために、金型組立体の製作費を低減さ
せることが可能である。尚、表面粗さRmaxの測定は、
JIS B0601に準じた。つや消し若しくはヘラー
ラインの状態の表面を有する成形品を成形する場合に
は、入れ子のキャビティ面をサンドブラスト処理やエッ
チングを行うことによって、入れ子のキャビティ面に細
かい凹凸やラインを形成すればよい。
【0025】入れ子を構成する材料は、通常の研削加工
で凹凸、曲面等の加工を容易にでき、かなり複雑な形状
以外は任意の形状に製作できる。セラミック粉末若しく
は溶融ガラスを金型に入れてプレス成形した後に熱処理
することで、入れ子を作製することができる。また、ガ
ラスから成る板状物を金型上に置いたまま炉内で自然賦
形させることによって、入れ子を作製することもでき
る。
【0026】立体形状あるいは曲面を有する成形品を成
形する場合、入れ子の裏面(入れ子のキャビティ面と反
対側の面であり金型と対向する面)の曲率に合わせて金
型の入れ子装着部を加工し、且つ、抑えプレートも入れ
子のキャビティ面の曲率に合わせて研削加工を行えばよ
い。この場合にも、ΔS≧0.1mm、及び、0.00
1mm≦C0≦0.03mmの関係を保ったまま、入れ
子を金型の入れ子装着部に装着し、入れ子を抑えプレー
トで抑える。
【0027】第1の金型部及び第2の金型部の少なくと
も一方に、入れ子を装着する入れ子装着部を設ける。本
発明の金型組立体においては、入れ子を装着する金型部
の部分を、金型部に装着された中子から構成することも
できる。
【0028】研削加工等によって所定形状に加工した
後、入れ子の装着時に入れ子が金型部に設けられた入れ
子装着部から落下して破損する虞がない場合、あるいは
又、接着剤を用いることなく入れ子を入れ子装着部に装
着可能な場合には、接着剤を用いずに入れ子を金型部に
設けられた入れ子装着部に直接装着することができる。
あるいは又、エポキシ系、ウレタン系、アクリル系等の
中から選択された熱硬化性接着剤を用いて、入れ子を入
れ子装着部に接着してもよい。但し、接着剤の厚さむら
の影響で入れ子に歪みが発生することを防止するため
に、接着剤の厚さを出来る限り薄く且つ均一にすること
が望ましい。
【0029】上記の第1の目的を達成するための本発明
の射出圧縮成形方法は、 (イ)第1の金型部と第2の金型部とから構成され、型
締め時、熱可塑性樹脂に基づき成形品を成形するための
キャビティが内部に形成され、成形品の成形時、キャビ
ティの容積を可変とし得る構造を有する金型と、 (ロ)該第1及び/又は第2の金型部に配設され、キャ
ビティの一部を構成し、厚さが0.5mm乃至10mm
のセラミック製若しくはガラス製の入れ子と、 (ハ)該入れ子が配設された金型部に取り付けられ、キ
ャビティの一部を構成し、該入れ子の端部を抑える抑え
プレート、から成り、入れ子と抑えプレートとの間のク
リアランスは、0.001乃至0.03mmであり、且
つ、入れ子に対する抑えプレートの抑え代は0.1mm
以上である金型組立体を用いた射出圧縮成形方法であっ
て、(A)成形すべき成形品の容積(VM)よりもキャ
ビティの容積(VC)が大きくなるように、第1の金型
部と第2の金型部とを型締めする工程と、(B)容積
(VC)を有するキャビティ内に溶融した熱可塑性樹脂
を射出する工程と、(C)熱可塑性樹脂の射出開始と同
時に、あるいは射出中に、あるいは射出完了後(射出完
了と同時を含む)、キャビティの容積を成形すべき成形
品の容積(VM)まで減少させる工程と、(D)キャビ
ティ内の熱可塑性樹脂を冷却後、得られた成形品を金型
から離型する工程、から成ることを特徴とする。
【0030】上記の工程(A)において、成形すべき成
形品の容積(VM)とキャビティの容積(VC)の関係
は、成形すべき成形品の厚さをt0とし、工程(A)に
おける成形品の厚さ方向のキャビティの距離をt1
し、Δt=t1−t0としたとき、0.1mm≦Δt≦6
mmとなるような関係であることが好ましい。Δt<
0.1mmでは、流動性の悪い溶融樹脂を用いて成形品
を成形することが困難であるし、成形品に残留する応力
を小さくすることができない。Δt>6mmでは、成形
品中に空気が巻き込まれ、成形品の品質が劣化する虞が
ある。
【0031】上記の第2の目的を達成するために、本発
明の射出圧縮成形方法においては、金型組立体に、第1
の金型部内に摺動可能に配設された突出しピンを更に備
え、該突出しピンと第1の金型部との間のクリアランス
(C1)は0.01乃至0.03mmであり、突出しピ
ンと第1の金型部との間の隙間、及び入れ子と抑えプレ
ートとの間の隙間は、流体源に接続されており、成形品
の成形後、型開きを行い、突出しピンを用いて第1の金
型部から成形品を離型する際、突出しピンと第1の金型
部との間の隙間、及び入れ子と抑えプレートとの間の隙
間から流体を流すことが好ましい。
【0032】本発明の射出圧縮成形方法における入れ子
は、先に本発明の射出圧縮成形用の金型組立体において
説明した各種の材料から構成することが好ましい。
【0033】本発明に用いられる原料樹脂である熱可塑
性樹脂としては、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、AE
S樹脂、AS樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート
樹脂、変性PPE樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテ
ルスルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルイ
ミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、PET樹脂といった
ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド樹
脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、POM樹脂、P
BT樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエー
テルケトン樹脂、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹
脂といったポリオレフィン系樹脂、ポリアミドMXD6
樹脂といったポリアミド系樹脂、ポリアセタール樹脂、
ポリエステルカーボネート樹脂、液晶ポリマー、エラス
トマーなどの熱可塑性樹脂、あるいは又、これらの樹脂
の2種類以上から成るアロイ樹脂組成物を例示すること
ができる。
【0034】また、これらの熱可塑性樹脂に、1重量%
乃至50重量%の範囲で、無機繊維状充填材、有機繊維
状充填材、フィラー、これらを金属材料で被覆した材
料、安定剤、紫外線吸収剤、染顔料等を添加することが
できる。尚、50重量%を超えると、無機繊維状充填材
等が成形品の表面に析出する虞がある。無機繊維状充填
材として、ガラス繊維、カーボン繊維、ウォラストナイ
ト、ホウ酸アルミニウムウィスカー繊維、チタン酸カリ
ウムウィスカー繊維、塩基性硫酸マグネシウムウィスカ
ー繊維、珪酸カルシウムウィスカー繊維及び硫酸カルシ
ウムウィスカー繊維を例示することができる。
【0035】本発明においては、入れ子が低熱伝導性の
材料から作製されており、しかも、金型とは独立して作
製され、金型の内部に配設されるので、入れ子による断
熱効果が大きいばかりか、入れ子の保守が容易である。
また、熱衝撃に対しても強く、破損やクラックが発生し
難い入れ子を作製することができる。その結果、長期間
の使用に耐え、しかも、成形品にウエルドライン等が発
生し難い。
【0036】本発明の金型組立体においては、入れ子に
よる断熱効果が大きく、キャビティ内に導入された溶融
樹脂の急冷を抑制することができ、ウエルドマークやフ
ローマーク等の外観不良が発生することを効果的に防止
することができる。しかも、所定のクリアランス
(C0)及び抑え代(ΔS)の範囲内で抑えプレートに
よって入れ子を抑えることで、成形品端部の外観を損な
うことがなくなり、成形品端部にバリが発生しなくな
り、更には、入れ子外周部に発生した微細なクラックと
溶融樹脂が接触しなくなるために入れ子が破損しない。
【0037】本発明の射出圧縮成形方法を採用すること
で、流動性の悪い溶融樹脂を用いた場合でも、成形品を
成形することが可能となる。また、溶融樹脂の射出圧力
を低減することができる結果、入れ子に負荷される圧力
を低減することができるので、入れ子の変形や破損の発
生を効果的に防止することができる。加えて、成形品に
残留する応力を小さくすることができ、高い品質の成形
品を成形することが可能となる。更には、成形品の表面
を均一に圧縮することが可能となることから、成形品の
表面にヒケが発生することを抑制することができる。
【0038】特にエンジニアリングプラスチックス、ス
ーパーエンジニアリングプラスチックスといった耐熱性
や強度に優れる反面、成形性が悪いプラスチックを使用
する場合、通常、金型温度を80゜C以上として成形を
行なうが、フローマーク等の外観不良が多発している。
然るに、本発明の金型組立体を使用することで断熱効果
が得られるために、金型温度を80゜C以下としても外
観特性が良好な成形品を得ることができる。また充填材
が添加された熱可塑性樹脂であってもよく、この場合、
充填材が成形品の表面に析出する現象が生ぜず、鏡面性
等の外観特性に優れた成形品を得ることができる。これ
は射出された溶融樹脂の冷却・固化を入れ子によって遅
延することが可能となる結果、溶融樹脂の流動性及び転
写性を向上できるからである。
【0039】しかも、射出圧縮成形方法を採用すること
に加え、入れ子の存在によって溶融樹脂の流動性が向上
するが故に、溶融樹脂の射出圧力を一層低く設定でき、
成形品に残留する応力を緩和できる。その結果、成形品
の品質が向上する。また、射出圧力を低減できるため
に、金型の薄肉化、成形装置の小型化が可能となり、成
形品のコストダウンも可能になる。
【0040】
【実施例】以下、図面を参照して、好ましい実施例に基
づき本発明を説明する。
【0041】(実施例1)本発明の金型組立体の全体の
概念図を図1に示す。金型は、第1の金型部10(雌型
であるキャビティ部に相当し、実施例1においては可動
金型部に相当する)と、第2の金型部20(雄型である
コア部に相当し、実施例1においては固定金型部に相当
する)から構成されている。第1及び第2の金型部1
0,20のそれぞれは取付プレートに取り付けられ、型
締め、型開きが可能であるが、金型開閉機構の詳細な図
示は省略した。また、金型組立体は射出成形装置に取り
付けられているが、射出成形装置の図示も省略した。型
締め時、熱可塑性樹脂に基づき成形品を成形するための
キャビティ31が金型の内部に形成される。尚、図1
は、型開きの状態を示し、図2の(A)は、溶融樹脂の
射出前の型締めの状態を示し(Δt>0)、図2の
(B)は、溶融樹脂の射出完了後、キャビティ内の樹脂
を冷却中の第1の金型部10と第2の金型部20の配置
状態を示す(Δt=0)。尚、図2の(B)において、
溶融樹脂の図示は省略してある。参照番号30は、第2
の金型部20に設けられた溶融樹脂射出部である。
【0042】キャビティ31の周辺の領域の拡大された
金型組立体の模式的な端面図を図3に示す。実施例1に
おいては、入れ子40が第1の金型部10に配設されて
おり、入れ子40は、キャビティの一部を構成してい
る。尚、実施例1においては、入れ子40のキャビティ
を構成する面41(以下、入れ子のキャビティ面41と
も呼ぶ)が、第1の金型部側のキャビティ面の全てを構
成している。実施例1においては、入れ子40は中子1
1に取り付けられている。
【0043】S55Cから作製された抑えプレート42
が、入れ子40が配設された第1の金型部10にビス
(図示せず)を用いて取り付けられている。抑えプレー
ト42は、入れ子40の端部を、抑え代=ΔS、クリア
ランス=C0にて、非接触状態で抑えており、キャビテ
ィ31の一部を構成する。
【0044】第1の金型部10及び抑えプレート42に
は、突出しピン挿入孔52,53が設けられており、突
出しピン50がこれらの突出しピン挿入孔52,53に
挿入されている。突出しピン50の先端はキャビティ3
1に面している。突出しピン50の後端は、例えば油圧
シリンダーから成る駆動装置(図示せず)に取り付けら
れている。
【0045】第1の金型部には流体導入部51が形成さ
れている。流体導入部51は、図示しない配管によって
流体源(図示せず)に接続されている。これによって、
成形品の成形後、型開きを行い、突出しピン50を用い
て第1の金型部10から成形品を離型する際、突出しピ
ン50と第1の金型部10との間の隙間(より具体的に
は、突出しピン50と突出しピン挿入孔53との間の隙
間)から流体を流すことが可能となる。同時に、第1の
金型部10と中子11の隙間を経由して、入れ子40と
抑えプレート42との間の隙間から流体を流すことが可
能となる。突出しピン50と第1の金型部10(より具
体的には、突出しピン50と突出しピン挿入孔53との
間の隙間)との間のクリアランスはC1である。尚、使
用する原料樹脂によっては、流体導入部を形成しなくて
もよい場合がある。あるいは又、突出しピン50と第1
の金型部10との間の隙間(より具体的には、突出しピ
ン50と突出しピン挿入孔53との間の隙間)から流体
を流すことが不要な場合もある。
【0046】図4及び図5に、本発明の金型組立体の組
立の各工程を示す。
【0047】先ず、図4の(A)の模式的な一部断面図
に示すように、中子11を装着する部分(中子取付部)
の寸法が105.00mm×105.00mmとなるよ
うに、S55Cから作製された第1の金型部10に切削
加工を施す。また、第1の金型部10内に、流体導入部
51を彫り込む。更に、第1の金型部10内に、直径
4.00mmの突出しピン挿入孔52を設ける。流体導
入部51は、突出しピン挿入孔52と連通し、しかも、
中子取付部に開口している。
【0048】一方、S55Cから成る中子11を作製す
る。入れ子40を固定する中子11の頂面近傍の中子1
1の断面寸法を103.00×103.00mmとし
た。また、中子11の下方の断面寸法を105.00×
105.00mmとした。そして、入れ子40を、エポ
キシ系接着剤を用いて中子11の頂面に固定した。入れ
子40は、ZrO2−Y23から成り、厚さ4.00m
m、101.00mm×101.00mmの平板形状で
ある。入れ子40のキャビティ面41に対して、ダイヤ
モンド砥石を用いた研磨を行い、入れ子40のキャビテ
ィ面41の表面粗さRmaxを0.02μmとした。
【0049】次いで、中子11を第1の金型部10に固
定した(図4の(B)の模式的な一部断面図参照)。入
れ子装着部12と入れ子40のクリアランス(D)は、
0.5mm以上であることが好ましい。ここで、クリア
ランス(D)は、入れ子40のキャビティ面41に沿っ
た、入れ子装着部12と入れ子40のクリアランスを指
す。尚、Dの値が0.5mm未満では、抵抗が大きくな
り、入れ子装着部12と入れ子40の間の隙間を流体が
流れ難くなる虞がある。Dの値の上限に特に制限はない
が、金型の構造及び設計の観点から10mm程度とする
ことが好ましい。実施例1においては、Dの値を4mm
とした。
【0050】次いで、入れ子40の表面であるキャビテ
ィ面41とのクリアランス(C0)が0.02mm、入
れ子40の端部との抑え代(ΔS)が0.5mmとなる
ように、S55Cから作製した抑えプレート42を第1
の金型部10にビス(図示せず)で固定した(図5の
(A)の模式的な一部断面図参照)。尚、抑えプレート
42には、第1の金型部10に設けられた突出しピン挿
入孔52と一致する突出しピン挿入孔53が設けられて
いる。
【0051】S55Cから第2の金型部20を作製し
た。実施例1においては、図3に示すように、第1の金
型部10に取り付けられた抑えプレート42の端面(側
面)と第2の金型部20とのパーティング面とで印篭構
造が形成されている。
【0052】最後に、突出しピン50を第1の金型部1
0の突出しピン挿入孔52,53に挿入し、金型組立体
を完成させた(図5の(B)の模式的な一部断面図参
照)。突出しピン50の径を、その先端部から20mm
の所まで3.98mmとした。従って、突出しピン50
と第1の金型部10との間のクリアランス(C1)は
0.01mmであった。尚、それ以外の部分の突出しピ
ン50の径を3.0mmとした。
【0053】成形すべき成形品の形状は、周辺部を除
き、100mm×100mm、厚さ4mmの平板とし
た。
【0054】完成した金型組立体を射出成形装置に取り
付けた後、金型温調機を用いて130゜Cまで加熱した
後、40゜Cまで急冷しても、入れ子40に割れ等の問
題は発生しなかった。
【0055】射出成形装置として東芝機械株式会社製、
プレステロール射出成形機を用い、金型組立体を100
゜Cに加熱した。また、原料樹脂である熱可塑性樹脂と
して、フッ素樹脂10重量%添加のポリアセタール樹脂
(三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製 F
L2010)を用いた。
【0056】先ず、成形すべき成形品の容積よりもキャ
ビティ31の容積が大きくなるように、第1の金型部1
0と第2の金型部20とを型締めした。具体的には、成
形すべき成形品の厚さt0は4mmであり、成形品の厚
さ方向の型締め時のキャビティ31の距離t1を6mm
とした。即ち、Δt=t1−t0=2mmとした。この状
態を、図6の模式的な端面図に示す。
【0057】そして、樹脂温度190゜C、射出圧力2
00kgf/cm2の条件で、図示しない射出用シリン
ダーから、第2の金型部20に設けられた溶融樹脂射出
部30を介して、キャビティ31内に溶融樹脂60を射
出した。溶融樹脂60のキャビティ31内への射出完了
直前の状態を、図7の模式的な端面図に示す。溶融樹脂
の射出完了と同時に、キャビティ31の容積を減少させ
始め、所定の時間経過後、キャビティ31の容積を成形
すべき成形品の容積まで減少させた。具体的には、成形
品の厚さ方向のキャビティ31の距離が4mmになるま
で第1の金型部10を移動させ、型締め(圧縮)した。
この状態を、図8の模式的な端面図に示す。尚、キャビ
ティ31内へ射出した溶融樹脂の量は、キャビティ31
の容積を成形すべき成形品の容積まで減少させたとき、
キャビティ31内が完全に溶融樹脂で充填される量とし
た。
【0058】溶融樹脂の射出完了から30秒間、キャビ
ティ31内の樹脂を冷却した後、型開きを行った。この
状態を、図9の(A)の模式的な端面図に示す。尚、図
9においては、第2の金型部20の図示は省略した。次
いで、突出しピン50を用いて第1の金型部10から成
形品61を離型した。この状態を図9の(B)の模式的
な端面図に示す。実施例1においては、使用したポリア
セタール樹脂と入れ子40との間の濡れ性が高くないた
め、成形品を入れ子40から容易に離すことができた。
成形品は非常に綺麗な外観を有していた。また、成形品
端部にもヒケは発生しておらず、平滑性に優れていた。
尚、連続して成形を10000ショット行ったが、入れ
子40に割れ等の損傷は発生しなかった。
【0059】(実施例2)実施例2においては、金型組
立体を実施例1と同一とした。また、原料樹脂である熱
可塑性樹脂として、実施例1と異なり、ガラス繊維を1
0重量%添加したポリカーボネート樹脂(三菱エンジニ
アリングプラスチックス株式会社製 GS2010M)
を用いた。樹脂温度を300゜C、射出圧力を200k
gf/cm2とした点を除き、成形条件は実施例1と同
じ条件とした。
【0060】熱可塑性樹脂としてポリカーボネート樹脂
を使用した場合、溶融樹脂60と入れ子40のキャビテ
ィ面41との間の濡れ性が向上し、その結果、樹脂(成
形品)と入れ子40のキャビティ面41との間が真空状
態となり、入れ子40から成形品61を離すことが極め
て困難となる。このような現象を回避するために、第1
の金型部10と第2の金型部の型開き後、7kg/cm
2−Gの圧縮空気から成る流体を、エアーコンプレッサ
ーから成る流体源(図示せず)から流体導入部51を介
して、突出しピン50と第1の金型部10との間の隙間
から流しながら、同時に、第1の金型部10と中子11
の隙間を経由して入れ子40と抑えプレート42との間
の隙間から流しながら、突出しピン50を用いて第1の
金型部10から成形品61を離型した。この状態を、図
10の模式的な端面図に示す。
【0061】成形品61は入れ子40から容易に離れ、
成形品61を第1の金型部10から容易に離型できた。
成形品の表面にはガラス繊維の露出も無く、成形品は非
常に綺麗な外観を有していた。また、成形品端部にもヒ
ケは発生しておらず、平滑性に優れていた。尚、連続し
て成形を10000ショット行ったが、入れ子40に割
れ等の損傷は発生しなかった。
【0062】(比較例1)熱可塑性樹脂及び金型組立体
を、実施例2と同一とした。また、成形条件も実施例2
と全く同じ条件とした。比較例1が実施例2と相違する
点は、成形品を第1の金型部10から離型する際、突出
しピン50と第1の金型部10との間の隙間、及び入れ
子40と抑えプレート42との間の隙間から流体を流す
ことを行わなかった点にある。
【0063】その結果、成形品が入れ子40のキャビテ
ィ面41に強固に付着しており、成形品は入れ子40か
ら離れなかった。そのため、実施例2と同様に、突出し
ピン50と第1の金型部10との間の隙間、及び入れ子
40と抑えプレート42との間の隙間から流体を流した
所、突出しピン50を用いて第1の金型部10から成形
品61を離型することができた。
【0064】(比較例2)比較例2においては、スタバ
ックス鋼製の入れ子を用い、入れ子のキャビティ面を鏡
面研磨した。この点を除き、実施例2と同様の熱可塑性
樹脂及び金型組立体を用い、また、実施例2と全く同じ
成形条件にて成形を行った。
【0065】その結果、比較例2においては、スタバッ
クス鋼から成る入れ子を用いたが故に、樹脂と入れ子の
キャビティ面との濡れ性が高くなく、突出しピン50と
第1の金型部10との間の隙間、及び入れ子40と抑え
プレート42との間の隙間から流体を流すこと無く、突
出しピン50を用いて第1の金型部10から成形品61
を離型することができた。しかしながら、得られた成形
品の表面にはガラス繊維が露出しており、光沢性もなく
醜い外観であった。
【0066】(比較例3)比較例3において、実施例2
の金型組立体及び熱可塑性樹脂を使用した。比較例3が
実施例2と相違する点は、Δt=0mmとした点にあ
る。即ち、第1の金型部と第2の金型部の型締め時、成
形品の厚さ方向のキャビティ31の距離t1を4mmと
した。尚、成形すべき成形品の厚さt0は4mmであ
る。その他の成形条件は実施例2と同じとした。
【0067】その結果、射出圧力を700kgf/cm
2まで高くしないと、溶融樹脂をキャビティ内に完全に
充填することができなかった。また、得られた成形品の
表面に繊維の露出はなかったものの、成形品端部にはヒ
ケが発生していた。
【0068】以上、本発明を好ましい実施例に基づき説
明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例にて説明した金型組立体の構造、使用した熱可塑
性樹脂、成形条件は例示であり、要求される成形品の特
性・性能や使用する射出成形装置等に応じて適宜変更す
ることができる。
【0069】
【発明の効果】本発明の金型組立体を用いることによっ
て、キャビティ内に射出された溶融樹脂の急冷を防止で
きるため、溶融樹脂と入れ子のキャビティ面の濡れ性を
高くできることから、キャビティ面の高い転写性を得る
ことができ、しかも、使用する原料樹脂に依っては繊維
等の析出を防止することができる。しかも、金型からの
成形品の離型を容易に行うことができる。また、射出圧
縮成形方法を採用することで、溶融樹脂の射出圧力を低
く設定でき、更には、セラミック製若しくはガラス製の
入れ子を用いることで溶融樹脂の流動性が向上するが故
に、溶融樹脂の射出圧力を一層低く設定できる。その結
果、成形品に残留する応力を緩和でき、成形品の品質が
向上する。しかも、成形品の表面に均一に圧力が加えら
れるので、従来の射出成形で発生していたヒケの発生を
防止することができる。また、入れ子の変形や破損の発
生を効果的に防止することができる。
【0070】使用する原料樹脂に依っては、固化層の発
達が遅くなるために溶融樹脂と入れ子のキャビティを構
成する面との間の濡れ性が向上する結果、入れ子のキャ
ビティを構成する面と樹脂(成形品)との間が真空状態
となり、金型から成形品を離型することが困難となる場
合がある。本発明において、突出しピンを備え、成形品
の成形後、型開きを行い、突出しピンを用いて第1の金
型部から成形品を離型する際、突出しピンと第1の金型
部との間の隙間、及び入れ子と抑えプレートとの間の隙
間から流体を流し得る構造とすることによって、入れ子
のキャビティを構成する面と樹脂(成形品)との間が真
空状態ではなくなり、確実に成形品を第1の金型部から
離型することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】型締め前の本発明の金型組立体の全体の概念図
である。
【図2】型締め直後及び樹脂冷却中の本発明の金型組立
体の全体の概念図である。
【図3】キャビティの周辺の領域の拡大された金型組立
体の模式的な端面図である。
【図4】実施例1の金型組立体の組立工程を説明するた
めの金型部等の模式的な一部断面図である。
【図5】図4に引き続き、実施例1の金型組立体の組立
工程を説明するための金型部等の模式的な一部断面図で
ある。
【図6】実施例1における型締め直後の金型組立体の模
式的な端面図である。
【図7】実施例1における溶融樹脂のキャビティ内への
射出完了直前の状態を示す模式的な端面図である。
【図8】実施例1におけるキャビティ内の樹脂の冷却中
の状態を示す模式的な端面図である。
【図9】実施例1における型開きの状態及び成形品の離
型状態を示す模式的な端面図である。
【図10】実施例2における成形品の離型状態を示す模
式的な端面図である。
【符号の説明】
10 第1の金型部 11 中子 12 入れ子装着部 20 第2の金型部 30 溶融樹脂射出部 31 キャビティ 40 入れ子 41 入れ子のキャビティ面 42 抑えプレート 50 突出しピン 51 流体導入部 52,53 突出しピン挿入孔 60 溶融樹脂 61 成形品
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−12741(JP,A) 特開 平8−25428(JP,A) 特開 平4−299114(JP,A) 特開 平6−99438(JP,A) 特開 昭54−50069(JP,A) 特開 平8−318534(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 45/00 - 45/84 B29C 33/38 B29C 33/46

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(イ)第1の金型部と第2の金型部とから
    構成され、型締め時、熱可塑性樹脂に基づき成形品を成
    形するためのキャビティが内部に形成され、成形品の成
    形時、キャビティの容積を可変とし得る構造を有する金
    型と、 (ロ)該第1及び/又は第2の金型部に配設され、キャ
    ビティの一部を構成し、厚さが0.5mm乃至10mm
    のセラミック製若しくはガラス製の入れ子と、 (ハ)該入れ子が配設された金型部に取り付けられ、キ
    ャビティの一部を構成し、該入れ子の端部を抑える抑え
    プレート、から成る金型組立体であって、 入れ子と抑えプレートとの間のクリアランスは、0.0
    01乃至0.03mmであり、且つ、入れ子に対する抑
    えプレートの抑え代は0.1mm以上であることを特徴
    とする射出圧縮成形用の金型組立体。
  2. 【請求項2】第1の金型部内に摺動可能に配設された突
    出しピンを更に備え、該突出しピンと第1の金型部との
    間のクリアランスは0.01乃至0.03mmであり、 突出しピンと第1の金型部との間の隙間、及び入れ子と
    抑えプレートとの間の隙間は、流体源に接続され、 成形品の成形後、型開きを行い、突出しピンを用いて第
    1の金型部から成形品を離型する際、突出しピンと第1
    の金型部との間の隙間、及び入れ子と抑えプレートとの
    間の隙間から流体を流し得ることを特徴とする請求項1
    に記載の射出圧縮成形用の金型組立体。
  3. 【請求項3】入れ子は、熱伝導率が2×10-2cal/
    cm・sec・deg以下である、ZrO2−Y23
    は3Al23・2SiO2から成るセラミック、若しく
    は、結晶化ガラスから作製されていることを特徴とする
    請求項1又は請求項2に記載の射出圧縮成形用の金型組
    立体。
  4. 【請求項4】(イ)第1の金型部と第2の金型部とから
    構成され、型締め時、熱可塑性樹脂に基づき成形品を成
    形するためのキャビティが内部に形成され、成形品の成
    形時、キャビティの容積を可変とし得る構造を有する金
    型と、 (ロ)該第1及び/又は第2の金型部に配設され、キャ
    ビティの一部を構成し、厚さが0.5mm乃至10mm
    のセラミック製若しくはガラス製の入れ子と、 (ハ)該入れ子が配設された金型部に取り付けられ、キ
    ャビティの一部を構成し、該入れ子の端部を抑える抑え
    プレート、から成り、入れ子と抑えプレートとの間のク
    リアランスは、0.001乃至0.03mmであり、且
    つ、入れ子に対する抑えプレートの抑え代は0.1mm
    以上である金型組立体を用いた射出圧縮成形方法であっ
    て、(A)成形すべき成形品の容積よりもキャビティの
    容積が大きくなるように、第1の金型部と第2の金型部
    とを型締めする工程と、(B)該キャビティ内に溶融し
    た熱可塑性樹脂を射出する工程と、(C)熱可塑性樹脂
    の射出開始と同時に、あるいは射出中に、あるいは射出
    完了後、キャビティの容積を成形すべき成形品の容積ま
    で減少させる工程と、(D)キャビティ内の熱可塑性樹
    脂を冷却後、得られた成形品を金型から離型する工程、
    から成ることを特徴とする射出圧縮成形方法。
  5. 【請求項5】金型組立体は、第1の金型部内に摺動可能
    に配設された突出しピンを更に備え、該突出しピンと第
    1の金型部との間のクリアランスは0.01乃至0.0
    3mmであり、突出しピンと第1の金型部との間の隙
    間、及び入れ子と抑えプレートとの間の隙間は、流体源
    に接続されており、成形品の成形後、型開きを行い、突
    出しピンを用いて第1の金型部から成形品を離型する
    際、突出しピンと第1の金型部との間の隙間、及び入れ
    子と抑えプレートとの間の隙間から流体を流すことを特
    徴とする請求項4に記載の射出圧縮成形方法。
  6. 【請求項6】入れ子は、熱伝導率が2×10-2cal/
    cm・sec・deg以下である、ZrO2−Y23
    は3Al23・2SiO2から成るセラミック、若しく
    は、結晶化ガラスから作製されていることを特徴とする
    請求項4又は請求項5に記載の射出圧縮成形方法。
JP03868796A 1995-05-26 1996-02-01 射出圧縮成形用の金型組立体及び射出圧縮成形方法 Expired - Lifetime JP3421188B2 (ja)

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