JP4371525B2 - 熱可塑性樹脂製の光学的反射部材及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、鏡面性に極めて優れた光学的反射面を有する熱可塑性樹脂製の光学的反射部材、及び、その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機やレーザビームプリンターに代表されるデジタル機器に使用されている光走査反射鏡や、バックミラーやリフレクターに代表される自動車用や自動二輪車用の反射鏡といった光学的反射部材は、従来、ガラスを用いて作製されてきたが、コストダウンや軽量化、要求される機能性の向上による形状自由度の観点から、熱可塑性樹脂製への移行が進みつつある。
【0003】
また、スキャナー用キャリッジ等の機構部品(取り付け部材)においても、軽量化や、生産性向上の目的で、板金、アルミダイキャスト製から樹脂製への変更が検討されている。スキャナー用キャリッジ等の機構部品に要求される性能は、機械的特性、耐熱性、難燃性、寸法安定性、鏡部角度精度(鏡取り付け部の角度の精度)、生産性等である。特に厳しい性能は、鏡部角度精度と生産性である。例えば、鏡部角度精度を保てない場合、データ読み取り等の機能に支障をきたす。それ故、機構部品用の射出成形用材料として、機構部品の剛性、寸法精度を向上させるために、無機繊維等が含有された、強化材料が用いられている。そして、通常、機構部品に反射鏡を貼り付けあるいは嵌め込んでいる。
【0004】
一般に、熱可塑性樹脂製の成形品を製造する方法として、キャビティが設けられた金型を使用し、一定温度に保たれた金型のキャビティ内に溶融熱可塑性樹脂を射出、充填し、キャビティ内のかかる熱可塑性樹脂を冷却、固化させる射出成形法が用いられている。しかしながら、光学的反射部材のような、(1)肉厚の成形品、(2)偏肉部を有する成形品、あるいは、(3)長尺の成形品、を成形する場合、(1)、(2)においては成形品の厚肉部と薄肉部との間に相当する部分において、(3)においては中央部と端部に相当する部分において、キャビティ内の溶融熱可塑性樹脂の冷却速度に差が生じる結果、成形品に歪みが発生し易い。それ故、高い鏡面性を有するキャビティの金型面を高い精度にて成形品に転写する、即ち、鏡面性転写精度を高めることが難しいという問題がある。
【0005】
この種の成形品の成形方法において鏡面性転写精度を向上させるために、従来より、例えば、以下に説明する方策が採られている。
【0006】
▲1▼ 射出圧縮成形法
▲2▼ 熱可塑性樹脂のガラス転移温度Tg以上に加熱された金型のキャビティ内に溶融熱可塑性樹脂を射出、充填した後、ゲート部を封止し、熱変形温度以下までキャビティ内の熱可塑性樹脂を徐冷して、キャビティ内の樹脂圧が0kg/cm2−Gとなった時点で成形品を取り出す成形方法(特開昭64−38421号公報参照)
▲3▼ ほぼ最終形状に前加工した樹脂母材を、別の金型で母材樹脂のガラス転移温度Tg以上に再度加熱し、熱変形温度以下まで徐冷する成形方法(特開平4−163119号公報参照)
▲4▼ キャビティに設けられた対向する2つの金型面の材質や表面粗さを変え、且つ、キャビティ内を溶融熱可塑性樹脂で完全に充填する直前に溶融熱可塑性樹脂のキャビティ内への射出を終了し、保圧を加えることなくキャビティ内の熱可塑性樹脂を冷却、固化させることにより、光学的反射部材の光学的反射面を形成すべき金型面の熱可塑性樹脂に対する密着性を他方の金型面より高くする方法(特公平6−98642号公報や特開平3−151218号公報参照)
▲5▼ 光学的反射部材の光学的反射面を形成すべきキャビティの金型面を熱可塑性樹脂の熱変形温度以上に維持する一方、他の金型面を冷却することによって、熱可塑性樹脂のヒケを他の金型面に集中的に発生させる成形方法(成形加工学会'94予稿集P237〜P240参照)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、▲1▼の方法においては、光学的反射部材の形状の大きさや偏肉の分布によっては、十分な鏡面性転写精度を得難い。▲2▼及び▲3▼の方法においては、徐冷を行うので成形サイクルが長くなり、生産性が低下してしまう。また、生産性を向上させるためには、充填・徐冷・取り出しの各工程が連続的に処理可能な別工程や、鏡面精度の高い金型を複数個必要とするといった経済的な問題がある。▲4▼の方法においては、キャビティの各金型面(転写面及び粗面)を構成する金型の部分の材質あるいは使用する熱可塑性樹脂によっては密着力が逆転し、光学的反射部材の光学的反射面を形成すべき金型面と接する熱可塑性樹脂の部分にヒケが生じてしまう。更には、溶融熱可塑性樹脂の充填を止めるタイミングがずれると、溶融熱可塑性樹脂と金型面の密着性の関係が逆転し、光学的反射部材の光学的反射面を形成すべき金型面と接する熱可塑性樹脂の部分にヒケが生じたり、キャビティを充填すべき溶融熱可塑性樹脂の量が不足してしまう。▲5▼の方法においては、金型温度差により光学的反射部材に反りが発生してしまう等の安定性の問題点がある。
【0008】
一方、成形品の寸法精度を向上させるために、複数の樹脂導入部を金型に設置し、キャビティ内に導入された溶融熱可塑性樹脂の圧力の均一化及び保圧圧力の均一化を図る成形方法、冷却時間の延長等を行い、金型内での成形品拘束時間を延長させる成形方法がある。しかし、前者の成形方法においては、成形品によっては、形状からの制限により希望する位置に複数の樹脂導入部を設置できず、十分な効果を得られない場合が多い。また後者の成形方法においては、成形品拘束時間を延長させるので、成形サイクルが長くなり、生産性に問題を有することから、生産現場において採用され難い。
【0009】
また、以上に説明した光学的反射部材の成形方法は、非強化材料を用いた場合の成形方法であり、光学的反射部材に要求される物理的特性(例えば、機械的性能や鏡部角度精度)を満足させるために、無機繊維を含有する強化材料を用いた場合、光学的反射部材の表面に無機繊維が析出するために外観が悪く、あるいは又、鏡面性が損なわれるという問題がある。それ故、光学的反射部材と、それを保持する保持部(機構部品)とを一体化することは非常に困難である。
【0010】
従って、本発明の第1の目的は、鏡面性に非常に優れた光学的反射面を有する熱可塑性樹脂製の光学的反射部材、及び、かかる光学的反射部材を、比較的少ない製造工程で、経済的に、しかも、安定して製造することを可能とする光学的反射部材の製造方法を提供することにある。また、本発明の第2の目的は、第1の目的に加え、例えば、機械的性能や鏡部角度精度といった物理的特性を満足し得る光学的反射部材及びその製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の第1の目的を達成するための本発明の光学的反射部材は、光学的反射面を少なくとも1つ有し、該光学的反射面の全域を構成する光学的反射部材の部分には、加圧流体を導入することによって形成された中空部が設けられていることを特徴とする。尚、以下、光学的反射面の全域を構成する光学的反射部材の部分を、便宜上、中空部構成部分と呼ぶ場合がある。
【0012】
上記の第1の目的は、光学的反射面を少なくとも1つ有し、該光学的反射面の全域を構成する光学的反射部材の部分(中空部構成部分)に、加圧流体を導入することによって形成された中空部が設けられた熱可塑性樹脂製の光学的反射部材の製造方法であって、
該光学的反射面を形成するための金型面を有するキャビティが設けられた射出成形用の金型を使用し、
(イ)溶融熱可塑性樹脂を該キャビティ内に射出する工程と、
(ロ)キャビティ内の溶融熱可塑性樹脂中に加圧流体を導入し、光学的反射面の全域を構成する光学的反射部材の部分(中空部構成部分)に中空部を形成する工程と、
(ハ)キャビティ内の熱可塑性樹脂が固化、冷却するまでの間、中空部内の圧力を所望の圧力範囲に保持する工程と、
(ニ)中空部内の加圧流体を除去した後、金型を開き、光学的反射部材を取り出す工程、
から成ることを特徴とする本発明の光学的反射部材の製造方法によって達成することができる。
【0013】
尚、本発明の光学的反射部材あるいはその製造方法において、中空部は、光学的反射面の全域を構成しない光学的反射部材の部分にまで延びていてもよい。
【0014】
本発明の光学的反射部材の製造方法においては、後述する入れ子を用いない場合、工程(ハ)における所望の圧力範囲(全てゲージ圧で表す)は、1×105Pa(1kgf/cm2−G)乃至5×106Pa(5×10kgf/cm2−G)、より好ましくは、1.2×105Pa(1.2kgf/cm2−G)乃至4×106Pa(4×10kgf/cm2−G)、一層好ましくは、2.0×105Pa(2.0kgf/cm2−G)乃至2.5×106Pa(2.5×10kgf/cm2−G)とすることが望ましい。また、後述する入れ子を用い、しかも、無機繊維を含有した熱可塑性樹脂を使用する場合、工程(ハ)における所望の圧力範囲は、1×105Pa(1kgf/cm2−G)乃至3×107Pa(3×102kgf/cm2−G)、より好ましくは、1×105Pa(1kgf/cm2−G)乃至2×107Pa(2×102kgf/cm2−G)、一層好ましくは、1×105Pa(1kgf/cm2−G)乃至1×107Pa(1×102kgf/cm2−G)とすることが望ましい。無機繊維を含有した熱可塑性樹脂を使用する場合、圧力範囲を或る程度高くしないと、途中までしか中空部が形成されない虞がある。中空部構成部分に中空部を形成したとき、かかる中空部構成部分における熱可塑性樹脂の収縮を、加圧流体の導入によって形成された中空部側で担うに足りる圧力に中空部内を保持すれば十分であるが故に、この程度の比較的低圧の所望の圧力範囲に中空部内の圧力を保持すればよい。所望の圧力範囲が1×105Pa以上ならば、中空部構成部分に中空部を確実に形成することできる。一方、入れ子を使用しない場合、所望の圧力範囲を5×106Pa以下とすることによって、光学的反射面を形成するための金型面に対してキャビティ内の溶融熱可塑性樹脂を中空部から押し付ける圧力が、熱可塑性樹脂の収縮を担う圧力を越える過剰の圧力となることが少なく、光学的反射部材に残留応力が発生し難く、また、金型からの光学的反射部材の離型が問題となることが少ない。以上の結果として、光学的反射部材の光学的反射面の鏡面性を損なうことが少なくなる。
【0015】
本発明の光学的反射部材の製造方法において、工程(ハ)における所望の圧力範囲を、(A)キャビティ内の熱可塑性樹脂が固化、冷却するまでの間、中空部内を加圧する加圧流体の圧力によって制御してもよいし、(B)工程(ロ)において導入された加圧流体の体積によって制御してもよいし、(C)金型に可動コアを更に備え、可動コアの位置制御によって制御してもよい。(C)の方法においては、具体的には、可動コアの動きによって光学的反射部材の体積、更には、中空部の体積を増加させる。
【0016】
本発明の光学的反射部材あるいはその製造方法にて得られる光学的反射部材においては、光学的反射面を形成するための金型面を有するキャビティが設けられた射出成形用の金型を使用して光学的反射部材は作製され、キャビティ内で成形された光学的反射部材の光学的反射面と、光学的反射面を形成するための金型面との間には、光学的反射面10mm2当たり1μm以下の隙間しか存在しないことが好ましい。
【0017】
本発明の光学的反射部材あるいはその製造方法にて得られる光学的反射部材においては、中空部構成部分から延在する中実部を有し、該中実部の表面は光学的反射面を構成しない構成とすることができる。尚、中空部構成部分から延在し、且つ、中空部を有するが光学的反射面を構成しない光学的反射部材の部分から、中実部は延在していてもよい。尚、中空部を有するが光学的反射面を構成しない光学的反射部材の部分から、保持部を構成することもできる。これらの構成の光学的反射部材においては、中実部が占める体積は、光学的反射部材の体積の1〜60%、好ましくは5〜60%、一層好ましくは5〜30%、更に一層好ましくは5〜25%、より一層好ましくは5〜15%であることが望ましい。また、これらの構成の光学的反射部材あるいはその製造方法においては、光学的反射面を形成するための金型面を有するキャビティが設けられた射出成形用の金型を使用して光学的反射部材は作製され、光学的反射部材の製造時、キャビティ内に射出された溶融熱可塑性樹脂は、中空部構成部分から中実部に向かって流動する。光学的反射部材がこのような中実部を有していない場合、金型の構造に依っては、光学的反射面を構成する光学的反射部材の部分の一部にしか中空部を形成できない場合があり、結果として、光学的反射面の鏡面性が低下する虞がある。一方、中実部が全く形成されない場合、金型の構造に依っては、キャビティ内の熱可塑性樹脂が固化、冷却するまでの間、中空部内の圧力を所望の圧力範囲に保持しようとしたとき、中空部内の圧力を所望の圧力範囲に保持できなくなり、光学的反射面の鏡面性が低下する場合がある。
【0018】
本発明の光学的反射部材においては、上記の第2の目的を達成するために、光学的反射面を保持する保持部を有し、光学的反射面と保持部とは一体である構成とすることもできる。また、本発明の光学的反射部材の製造方法においては、上記の第2の目的を達成するために、光学的反射部材は光学的反射面を保持する保持部を有し、光学的反射面と保持部とを一体に成形する構成とすることもできる。これらの場合、保持部は中実であることが好ましい。尚、光学的反射面の保持部に対する角度精度を設計角度の±0.5°以下とすることが好ましい。
【0019】
あるいは又、保持部を有する構造を含む本発明の光学的反射部材においては、光学的反射面を形成するための金型面を有するキャビティが設けられた射出成形用の金型を使用して光学的反射部材は作製され、該金型面は、厚さ0.5mm以上10mm以下のガラス製又はセラミック製の入れ子によって構成されている構造とすることもできる。また、保持部を含む本発明の光学的反射部材の製造方法においては、光学的反射面を形成するための金型面は、厚さ0.5mm以上10mm以下のガラス製又はセラミック製の入れ子によって構成されている構造とすることができる。これらの場合、入れ子の熱伝導率は8.5J/(m・s・K)以下[8.5W/(m・K)以下、あるいは、2×10-2cal/(cm・s・K)以下]であることが好ましい。
【0020】
入れ子を構成する材料の熱伝導率が8.5J/(m・s・K)を超える場合、キャビティ内に射出された溶融熱可塑性樹脂の急冷を防止することができなくなり、得られた光学的反射部材の光学的反射面の鏡面性が低下する場合がある。入れ子は、広く、ジルコニア系材料、アルミナ系材料、K2O−TiO2から成る群から選択されたセラミック、若しくは、ソーダガラス、石英ガラス、耐熱ガラス、結晶化ガラスから成る群から選択されたガラスから作製することができ、より具体的には、ZrO2、ZrO2−CaO、ZrO2−Y2O3、ZrO2−CeO2、ZrO2−MgO、ZrO2−SiO2、K2O−TiO2、Al2O3、Al2O3−TiC、Ti3N2、3Al2O3−2SiO2、MgO−SiO2、2MgO−SiO2、MgO−Al2O3−SiO2及びチタニアから成る群から選択されたセラミック、若しくは、ソーダガラス、石英ガラス、耐熱ガラス、結晶化ガラスから成る群から選択されたガラスから作製されていることが望ましく、中でも、ZrO2、ZrO2−Y2O3又はZrO2−CeO2、あるいは又、結晶化ガラスから作製することが一層好ましい。
【0021】
入れ子を結晶化ガラスから作製する場合、入れ子を、結晶化度が10%以上、更に望ましくは結晶化度が60%以上、一層望ましくは結晶化度が70〜100%の結晶化ガラスから作製することが好ましい。10%以上の結晶化度になると結晶がガラス全体に均一に分散するので、熱衝撃強度及び界面剥離性が飛躍的に向上するため、光学的反射部材の成形時における入れ子の破損発生を著しく低下させることができる。結晶化度が10%未満では、成形時にその表面から界面剥離を起こし易いといった欠点がある。尚、入れ子を構成する結晶化ガラスの線膨張係数が1×10-6/K以下、熱衝撃強度が400゜C以上であることが好ましい。入れ子をセラミックから作製した場合、入れ子の素材が多孔質であるために、光学的反射部材の表面に凸状の突起物が転写される場合がある。しかしながら、結晶化ガラスは、結晶粒子が微細であり、しかも粒子間の接着力が優れており、多孔質でないために、光学的反射部材の表面が鏡面になり易いといった利点がある。
【0022】
熱衝撃強度とは、所定の温度に加熱した100mm×100mm×3mmのガラスを25゜Cの水中に投げ込んだとき、ガラスに割れが発生するか否かの温度を強度として規定したものである。熱衝撃強度が400゜Cであるとは、400゜Cに熱した100mm×100mm×3mmのガラスを25゜Cの水中に投げ込んだとき、ガラスに割れが発生しないことを意味する。この熱衝撃強度は、耐熱ガラスにおいても180゜C前後の値しか得られない。従って、それ以上の温度(例えは、約300゜C)で溶融熱可塑性樹脂が入れ子と接触したとき、入れ子に歪みが生じ、入れ子が破損する場合がある。熱衝撃強度は、ガラスの結晶化度とも関係し、10%以上の結晶化度を有する結晶化ガラスから入れ子を作製すれば、成形時に入れ子が割れることを確実に防止し得る。
【0023】
ここで、結晶化ガラスとは、原ガラスに少量のTiO2及びZrO2の核剤を添加し、1600゜C以上の高温下で溶融した後、プレス、ブロー、ロール、キャスト法等によって成形され、更に結晶化のために熱処理を行い、ガラス中にLi2O−Al2O3−SiO2系結晶を成長させ、主結晶相がβ−ユークリプタイト系結晶及びβ−スポジュメン系結晶が成長したものを例示することができる。あるいは又、CaO−Al2O3−SiO2系ガラスを1400〜1500゜Cで溶融後、水中へ移して砕いて小粒化を行った後、集積し、耐火物セッター上で板状に成形後、更に加熱処理を行い、β−ウォラストナイト結晶相が生成したものを例示することができる。更には、SiO2−B2O3−Al2O3−MgO−K2O−F系ガラスを熱処理して雲母結晶を生成させたものや、核剤を含むMgO−Al2O3−SiO2系ガラスを熱処理してコーディエライト結晶が生成されたものを例示することができる。尚、入れ子として、強度及び熱特性に優れたβ−ユークリプタイト系結晶又はβ−スポジュメン系結晶を有する結晶化ガラスを用いることが好ましい。
【0024】
これら結晶化ガラスにおいては、ガラス基材中に存在する結晶粒子の割合を結晶化度という指標で表すことができる。そして、X線回折装置等の分析機器を用いて非晶相と結晶相の割合を測定することで結晶化度を測定することができる。
【0025】
入れ子が、ソーダガラス、耐熱ガラス、石英ガラス等の非晶質ガラスから成る場合、これらの材料と親和性及び接着性に優れた熱可塑性樹脂(例えばポリアミド6樹脂、ポリアミド66樹脂、ボリアミドMXD6樹脂等のポリアミド系樹脂や、PBT樹脂やPET樹脂等のポリエステル系樹脂)を用いて成形を行うと、入れ子と樹脂が強固に密着し、光学的反射部材の金型からの離型時に、鏡面性を損なうという問題が発生する場合がある。このような場合には、入れ子を結晶化ガラスから作製すればよい。
【0026】
入れ子がセラミックから成る場合、入れ子の表面に、イオンプレーティング等の表面処理技術によって、上述した入れ子を構成する材料から成る薄膜層を少なくとも1層設けてもよく、これによって、セラミックの空孔を充填することができ、光学的反射部材の光学的反射面の表面特性を一層向上させることができる。但し、膜厚としては、20μm以下が好ましく、この厚さを越えると断熱効果の低下及び薄膜層の入れ子の表面への密着性の低下が生じる虞がある。
【0027】
あるいは又、入れ子を構成する材料の線膨張係数を12×10-6/deg以下とすることが好ましい。ここで、線膨張係数は、50゜Cから300゜Cにおける平均値である。このように線膨張係数が12×10-6/deg以下のセラミック若しくはガラスから作製すれば、金型と入れ子といった異材質同志の膨張収縮による入れ子の変形及び破損を効果的に防止することができる。例えば炭素鋼から成る金型(場合によっては中子)に入れ子を装着して光学的反射部材の成形を行う場合、溶融熱可塑性樹脂の熱及び金型温調機の水やオイル等の熱によって金型及び入れ子は共に熱膨張する。線膨張係数が上記の値を越える場合、金型に設けられた入れ子装着部と入れ子との間のクリアランスをかなり大きくしないと、線膨張係数の差によって入れ子に破損が発生する場合がある。尚、入れ子を結晶化ガラスから構成する場合は、線膨張係数を1×10-6/deg以下とすることが可能である。
【0028】
入れ子のキャビティ面の表面粗さRyを0.03μm以下とすることが望ましい。表面粗さRyが0.03μmを越えると、鏡面性が不足し、光学的反射面に要求される特性、例えば写像性を満足しない場合がある。そのためには、作製された入れ子のキャビティ面に対して、表面粗さRyが0.03μm以下になるまで、例えばダイヤモンドラッピングを行い、更に、必要に応じて、酸化セリウムによるラッピングを行えばよい。ラッピングは、ラッピングマシン等を用いて行うことができる。尚、ラッピングは入れ子加工の最終工程で行うことが望ましい。通常の炭素鋼等の磨きと比較すると、例えば結晶化ガラスの場合、約1/2のコストで鏡面が得られるために、金型組立体の製作費を低減させることが可能である。尚、表面粗さRyの測定は、JIS B0601−1994に準じた。
【0029】
研削加工等によって所定形状に加工した後、入れ子の装着時に入れ子が金型内部に設けられた入れ子装着部から落下して破損する虞がない場合、あるいは又、接着剤を用いることなく入れ子を入れ子装着部に装着可能な場合には、接着剤を用いずに入れ子を金型内部に設けられた入れ子装着部に直接装着することができる。あるいは又、エポキシ系、シリコン系、ウレタン系、アクリル系等の中から選択された熱硬化性接着剤を用いて、入れ子を入れ子装着部に接着してもよい。但し、接着剤の厚さむらの影響で入れ子に歪みが発生することを防止するために、接着剤の厚さを出来る限り薄く且つ均一にすることが望ましい。尚、入れ子装着部が設けられた入れ子装着用中子を金型部に取り付け、かかる入れ子装着用中子の入れ子装着部に入れ子を装着してもよい。
【0030】
入れ子を構成する材料に対して、通常の研削加工で凹凸、曲面等の加工を容易にでき、かなり複雑な形状以外は任意の形状の入れ子を製作できる。セラミック粉末若しくは溶融ガラスを成形用金型に入れてプレス成形した後に熱処理することで、入れ子を作製することができる。また、ガラスから成る板状物を治具上に置いたまま炉内で自然に賦形させることによって、入れ子を作製することもできる。尚、最終工程でラッピング処理を容易に行うことができる。
【0031】
入れ子を構成するセラミックス材料若しくはガラス材料からランナー部やゲート部を作製すれば、ランナー部やゲート部内の溶融熱可塑性樹脂が急冷されることがないので、ゲート部シール時間の延長が可能となり、無機繊維が含有された熱可塑性樹脂を使用した場合でも、成形条件幅を広くとることができ、より適切な条件設定が可能となる。
【0032】
入れ子を用いる場合、無機繊維が含有された熱可塑性樹脂を使用することができる。熱可塑性樹脂には、無機繊維が5重量%乃至60重量%含有されていることが好ましい。尚、無機繊維の平均長さを、5μm乃至0.3mm、より好ましくは5μm乃至0.2mmとすることが望ましい。また、これらの場合、無機繊維の平均直径を、0.01μm乃至15μm、より好ましくは0.1μm乃至10μmとすることが望ましい。
【0033】
従来の技術において、無機繊維を含有した熱可塑性樹脂を用いて成形品を成形した場合、成形品の表面に無機繊維が析出する結果、成形品の外観が悪くなり、あるいは又、写像性(鏡面性)が劣化するという問題が生じ易い。それ故、優れた外観特性や写像性が要求される成形品に対しては、無機繊維を含有する熱可塑性樹脂を使用することは困難であった。尚、成形品の表面への無機繊維の析出という現象は、成形品の表面に無機繊維が浮き出ることなどで認識することができる。それ故、成形品の表面への無機繊維の析出といった問題を解決するために、従来の技術においては、熱可塑性樹脂の粘度を低下させ、溶融熱可塑性樹脂の流動性を良くすることで対応していた。しかしながら、無機繊維の含有率を増加させた場合、無機繊維が成形品の表面から析出することを防止することは難しくなる。そのため、優れた外観特性が必要とされる成形品には、優れた性能を有しているにも拘らず、無機繊維を含有した熱可塑性樹脂を使用することは困難であった。無機繊維の含有率が増えると無機繊維が成形品の表面から析出する原因は、金型の材質と関係している。通常、金型は熱伝導性が良い金属材料から作製されているので、キャビティ内に導入された無機繊維を含有する溶融熱可塑性樹脂は、金型のキャビティ面と接触したとき、瞬時に冷却され始める。その結果、金型のキャビティ面と接触した溶融熱可塑性樹脂に固化層が形成され、無機繊維が析出する。加えて、金型のキャビティ面の成形品表面への転写性が不足するという問題を生じる。低熱伝導率の入れ子を用いる場合、キャビティ内に導入された溶融熱可塑性樹脂が急冷されることがないために、金型部のキャビティ面と接触した溶融熱可塑性樹脂に固化層が形成されることがなく、無機繊維が析出することを確実に防止することができる。また、樹脂射出部内の溶融熱可塑性樹脂が急冷されることがないので、金型のキャビティを構成する面の光学的反射面への転写性を一層向上させることができる。
【0034】
この場合、熱可塑性樹脂が含有する無機繊維の割合(言い換えれば、熱可塑性樹脂に添加された無機繊維の割合)は、光学的反射部材に要求される物理的特性を満足し得る光学的反射部材を成形できる範囲であればよく、その上限は、キャビティ内の溶融熱可塑性樹脂の流動性が低下するため成形が困難となり、あるいは又、優れた鏡面性を有する光学的反射部材を成形できなくなるときの値とすればよい。具体的には、結晶性熱可塑性樹脂を用いる場合には上限は概ね60重量%である。非晶性熱可塑性樹脂を用いる場合には、結晶性熱可塑性樹脂よりも流動性が劣るために、場合によっては上限は概ね50重量%となる。含有率が5重量%未満では光学的反射部材に要求される物理的特性が得られず、また、60重量%を越えると溶融熱可塑性樹脂の流動性が低下するため光学的反射部材の成形が困難となり、あるいは又、優れた鏡面性を有する光学的反射部材を成形できなくなる虞がある。
【0035】
また、無機繊維の平均長さが5μm未満であったり、平均直径が0.01μm未満では、光学的反射部材に要求される高い剛性が得られない。一方、無機繊維の平均長さが0.3mmを越えたり、平均直径が15μmを越えると、光学的反射面の表面が鏡面にならないといった問題が生じる。
【0036】
上記の範囲の平均長さ及び平均直径を有する無機繊維を、好ましくはシランカップリング剤等を用いて表面処理した後、熱可塑性樹脂とコンパウンドして、ペレット化して成形用材料とする。このような成形用材料、及び入れ子が組み込まれた金型を用いて光学的反射部材の成形を行うことで、高剛性、高弾性率、低線膨張係数、高荷重撓み温度(耐熱性)を有し且つ鏡面性(写像性)に優れた光学的反射部材を得ることができる。
【0037】
無機繊維は、ガラス繊維、ガラスフレーク、カーボン繊維、ウォラストナイト、ホウ酸アルミニウムウィスカー繊維、チタン酸カリウムウィスカー繊維、塩基性硫酸マグネシウムウィスカー繊維、珪酸カルシウムウィスカー繊維及び硫酸カルシウムウィスカー繊維から成る群から選択された少なくとも1種の材料から構成することが好ましい。尚、熱可塑性樹脂に含有される無機繊維は1種類に限定されず、2種類以上の無機繊維を熱可塑性樹脂に含有させてもよい。
【0038】
無機繊維の平均長さは、重量平均長さを意味する。無機繊維の長さの測定は、熱可塑性樹脂の樹脂成分を溶解する液体に無機繊維を含有する成形用ペレット若しくは光学的反射部材を浸漬して樹脂成分を溶解するか、ガラス繊維の場合、600゜C以上の高温で樹脂成分を燃焼させて、残留する無機繊維を顕微鏡等で観察して測定することができる。通常、無機繊維を写真撮影して人が測長するか、専用の繊維長測定装置を使用して無機繊維の長さを求める。数平均長さでは微小に破壊された繊維の影響が大き過ぎるので、重量平均長さを採用することが好ましい。重量平均長さの測定に際しては、あまりに小さく破砕された無機繊維の破片を除いて測定する。無機繊維の公称直径の2倍よりも長さが短くなると測定が難しくなるので、例えば公称直径の2倍以上の長さを有する無機繊維を測定の対象とする。
【0039】
本発明の光学的反射部材あるいはその製造方法にて使用される金型において、キャビティ内に溶融熱可塑性樹脂を射出するための樹脂射出部(所謂、ゲート部)は、光学的反射面を形成するための金型面以外の金型の部分であれば、特に位置的な制限無く設けることができる。尚、金型の構造に依っては、光学的反射部材の製造時、キャビティ内に射出された溶融熱可塑性樹脂が、光学的反射面の全域を構成する光学的反射部材の部分から中実部に向かって流動するように、樹脂射出部を金型に配設することが望ましい。
【0040】
本発明の光学的反射部材あるいはその製造方法にて使用される金型において、加圧流体導入部も、光学的反射面を形成するための金型面以外の金型の部分であれば、特に位置的な制限無く設けることができる。具体的には、加圧流体導入部を、樹脂射出部の近傍に配置してもよいし、樹脂射出部から離して配置してもよいし、樹脂射出部内に配置してもよい。また、加圧流体導入部の数に制限はない。
【0041】
使用する加圧流体は、常温及び常圧で気体の物質であり、使用する熱可塑性樹脂と反応や混合しないものが望ましい。具体的には、窒素ガス、空気、炭酸ガス、ヘリウム等が挙げられるが、安全性及び経済性を考慮すると、窒素ガスやヘリウムガスが好ましい。キャビティ内の溶融熱可塑性樹脂への加圧流体の導入開始時期は、溶融熱可塑性樹脂のキャビティ内への射出開始から0.1秒乃至25秒とすることが好ましい。加圧流体の導入開始時期の下限は、溶融熱可塑性樹脂のキャビティ内へ射出しながら、キャビティ内の溶融熱可塑性樹脂中へ加圧流体を導入する場合に、導入された加圧流体がキャビティの溶融熱可塑性樹脂を吹き飛ばすことがなくなるような時期とすればよい。一方、加圧流体の導入開始時期が25秒を越えると、キャビティ内の溶融熱可塑性樹脂の固化によって所望の中空部が形成できず、光学的反射面にヒケが生じ、光学的反射面の鏡面性を損なう場合がある。キャビティ内の溶融熱可塑性樹脂への加圧流体の導入開始の時期は、キャビティ内への溶融熱可塑性樹脂の射出中、射出完了と同時、射出完了後のいずれであってもよい。
【0042】
キャビティ内に射出すべき溶融熱可塑性樹脂の体積は、所望の光学的反射部材を成形できる体積であればよく、光学的反射部材内での中空部の占める体積等に依存する。即ち、キャビティ内に射出すべき溶融熱可塑性樹脂の体積は、キャビティを完全に充満する体積としてもよいし、キャビティを完全には充満しない体積としてもよい。また、所望に応じ、余剰の溶融熱可塑性樹脂がキャビティから流入するオーバーフロー部をキャビティに連通して金型に設け、光学的反射面の全域を中空部とすることも可能である。
【0043】
本発明の光学的反射部材あるいはその製造方法で使用する熱可塑性樹脂は、如何なる熱可塑性樹脂であってもよく、ポリカーボネート樹脂;ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のオレフィン系樹脂;ポリスチレン樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、AES樹脂等のスチレン系樹脂;PMMA樹脂等のメタクリル系樹脂;ポリオキシメチレン(ポリアセタール)樹脂;ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミドMXD等のポリアミド系樹脂;変性ポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂;ポリフェニレンサルファイド樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂等のポリエステル系樹脂;液晶ポリマー等の熱可塑性樹脂、又は、これらの熱可塑性樹脂の少なくとも2種類以上の樹脂から成るポリマーアロイを挙げることができる。中でも、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエステル系樹脂、及び、ポリカーボネート樹脂/ポリエステル系樹脂のポリマーアロイ樹脂組成物から構成された群から選択された熱可塑性樹脂を使用することが好ましい。これらの熱可塑性樹脂には、剛性に代表される機械的特性、寸法安定性、鏡部角度精度を光学的反射部材に付与するために、上述した無機繊維が含有されていてもよい。
【0044】
ポリカーボネート樹脂としては、芳香族ポリカーボネートを使用するのが望ましい。具体的には、2,2ビス(4−ヒドキシフェニル)−プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパンで例示される二価のフェノール系化合物の一種以上と、ホスゲンで例示されるカーボネート前駆体とから、公知の方法によって得られる重合体が例示できる。特に、本発明においては、高剛性、透明性のほか、耐熱性及び耐衝撃性の要求から、25゜Cにおけるメチレンクロライド溶融粘度より換算した粘度平均分子量15000〜30000の芳香族ポリカーボネート樹脂が好ましい。
【0045】
本発明の光学的反射部材あるいはその製造方法で使用する熱可塑性樹脂には、任意の色調を与えるため、染料を配合することもできる。例えば、アゾ系染料、シアニン系染料、キノリン系染料、ペリレン系染料など通常熱可塑性樹脂の着色に使用されているものから選ぶことができる。配合量は、例えば透明性を損なわない範囲で適宜選択すればよい。また、本発明の目的を損なわない範囲で、例えば安定剤、離型剤、紫外線吸収剤の有効発現量を熱可塑性樹脂に配合してもよい。
【0046】
本発明の光学的反射部材においては、光学的反射面の表面に光学的反射膜が設けられていてもよい。また、本発明の光学的反射部材の製造方法においては、工程(ニ)の後、光学的反射面の表面に光学的反射膜を形成してもよい。光学的反射膜の厚さは、光を効果的に反射できる厚さであれば良く、少なくとも50nm、好ましくは50nm〜500nm、更に好ましくは、100nm〜300nmとすることが望ましい。尚、50nm未満では、反射率が十分ではなくなる場合があり、一方、500nmを越えると光学的反射面の表面平滑性が低下し、鏡面性に問題が生じることがある。
【0047】
光学的反射膜を構成する材料として、例えば、金、白金、銀、クロム、ニッケル、リンニッケル、アルミニウム、銅、ベリウム、ベリウム銅、亜鉛等の金属、又は、これらの金属化合物、合金を挙げることができる。成膜方法として、
(a)電子ビーム加熱法、抵抗加熱法、フラッシュ蒸着等の各種真空蒸着法
(b)プラズマ蒸着法
(c)2極スパッタ法、直流スパッタ法、直流マグネトロンスパッタ法、高周波スパッタ法、マグネトロンスパッタ法、イオンビームスパッタ法、バイアススパッタ法等の各種スパッタ法
(d)DC(direct current)法、RF法、多陰極法、活性化反応法、電界蒸着法、高周波イオンプレーティング法、反応性イオンプレーティング法等の各種イオンプレーティング法、等のPVD(Physical Vapor Deposition)法
を挙げることができる。反射率とコストの観点からは、アルミニウムを真空蒸着することによって得られるアルミニウム蒸着膜から光学的反射膜を構成することが最も好ましい。
【0048】
本発明の光学的反射部材あるいはその製造方法にて得られた光学的反射部材においては、光学的反射面は、光学的反射部材の仕様に依存して、平面、球面、回転楕円面、回転放物面等、如何なる立体形状を有していてもよい。また、光学的反射面の数は1つに限定されない。光学的反射面が平面である場合、光学的反射面の反り率Wは1×10-3以下(0.1%以下)であることが好ましい。尚、光学的反射面の反り率Wとは、光学的反射面の縁部の任意の2点を結ぶ線分(長さL)を想定し、かかる線分に沿って、線分から光学的反射面までの距離(D)を測定し、距離の最大値をDMAXとしたとき、以下の式で表すことができる。任意の線分に対してこの反り率W(L)が1×10-3以下であるとき、「光学的反射面の反り率は1×10-3以下である」とする。
【0049】
[数1]
W(L)=DMAX/L
【0050】
こうして得られた本発明の光学的反射部材は、鏡面性、寸法精度、軽量性、安全性、耐久性、経済性が強く要求される、電気電子部品、自動車部品、医療用、保安用、建材用、家庭用品など多くの用途に好適な光学的反射部材である。本発明の光学的反射部材の一形態として鏡(ミラー)を挙げることができる。より具体的には、ルームミラー、ドアミラー、フェンダーミラー、スピードメーターに内蔵されるミラー等の車両車載ミラー、カメラ用ダハミラー、複写機用光学系ミラー、レーザビームプリンター用ポリゴンミラー等の光学系ミラー、並びに、これらを保持する機構部である保持部と一体となった光学的反射部材を例示することができる。また、別の形態として反射鏡(リフレクター)を挙げることができる。より具体的には、ヘッドランプ、ターンランプ、サーチライト、回転灯、非常灯等に組み込まれたリフレクター、並びに、これらを保持する機構部である保持部と一体となった光学的反射部材を例示することができる。
【0051】
本発明においては、光学的反射面の全域を構成する光学的反射部材の部分に中空部が設けられているので、即ち、光学的反射部材の成形時、光学的反射面の全域を構成する光学的反射部材の部分における熱可塑性樹脂の収縮を、加圧流体の導入によって形成された中空部が抑制するので、光学的反射面の全域に亙って鏡面性に非常に優れた光学的反射部材を得ることができる。また、光学的反射面を形成するための金型面に低熱伝導率の入れ子を用いれば、例えば保持部に要求される特性を満足させ得る無機繊維を含有した熱可塑性樹脂を使用した場合にあっても優れた鏡面性を確保することができる。
【0052】
【実施例】
以下、図面を参照して、好ましい実施例に基づき本発明を説明する。尚、実施例1〜実施例5及び比較例1〜比較例3において製造すべき熱可塑性樹脂製の光学的反射部材を、レーザビームプリンター用の光学反射ミラーとした。また、実施例6〜実施例7及び比較例4〜比較例7においては、光学的反射面を保持する保持部を有し、光学的反射面と保持部とが一体となった光学的反射部材(具体的には、レーザビームプリンター用の光学反射ミラー)とした。光学的反射面の平面精度の測定を、10mm直径のオプティカルフラットを用いた干渉縞を評価することによって行った。測定部位を光学的反射面の中央部とした。評価結果は、観察された干渉縞が5本以下の場合を「◎」印、干渉縞が6本以上10本以下の場合を「○」印、干渉縞が11本以上20本以下の場合を「△」印、干渉縞が21本以上の場合を「×」印で表した。また、光学的反射面の鏡面性評価を、表面写像性測定機(スガ試験機製:ICP−2DP)を用いて行った。尚、測定範囲を直径10mm、入射及び受光角度を60度、光学クシ幅を0.5mmとして光学的反射面の鏡面性評価を行った。
【0053】
(実施例1)
実施例1にて成形した光学的反射部材10の長辺方向の模式的な側面図を図1の(A)に示し、光学的反射部材10の短辺の二等分線を含む垂直面で光学的反射部材10を切断したときの模式的な断面図を図1の(B)に示し、光学的反射部材10の短辺方向の模式的な断面図(図1の(A)の線C−Cに沿った模式的な断面図)を図1の(C)に示す。光学的反射部材10の外形寸法は、長さ310mm、幅16mmであり、光学的反射面13の寸法は、長さ240mm、幅12mmであり、光学的反射面は平面である。
【0054】
光学的反射部材10は、光学的反射面13を1つ(1面)有しており、光学的反射部材10の中空部構成部分11には、加圧流体を導入することによって形成された中空部14が設けられている。また、中空部構成部分11の左手側に、中空部構成部分11から中実部12が延在している。一方、中空部構成部分11の右手側には、溶融熱可塑性樹脂が射出された跡(樹脂射出部の跡)15、及び加圧流体が導入された跡(加圧流体導入部の跡)16が残っている。
【0055】
実施例1においては、図2に模式的な断面図を示す射出成形用の金型20を備えた射出成形機を用いた。尚、加熱シリンダー26を除き、射出成形機を構成する要素の図示を省略した。金型20は、キャビティ24を有し、光学的反射面13を形成するための金型面を構成する入れ子23を有する固定金型部21と、可動金型部22から構成されている。固定金型部21と可動金型部22とを型締めしたとき、キャビティ24が形成される。金型20には、キャビティ24に開口した樹脂射出部25が設けられており、この樹脂射出部25は加熱シリンダー26と連通している。また、加圧流体導入部27が樹脂射出部25内に配設されており、加圧流体導入部27の一端は樹脂射出部25内に開口している。一方、加圧流体導入部27の他端は加圧流体源28に接続されている。加圧流体導入部27の他端と加圧流体源28との間には逆止弁(図示せず)が配設されており、中空部の加圧流体が加圧流体源28方向に向かって逆流しない構成となっている。樹脂射出部25は、中空部構成部分11以外の光学的反射部材の部分を形成するためのキャビティの部分に溶融熱可塑性樹脂を射出するように、金型に配設されている。即ち、樹脂射出部(ゲート部)25の近傍の金型面によっては光学的反射面は形成されない。実施例1においては、入れ子23、固定金型部21及び可動金型部22を、ステンレススチール系材料(S55C)から作製した。入れ子23の金型面の表面粗さRyを0.01μmとした。尚、表面粗さRyの測定は、JIS B0601に準じた。
【0056】
尚、実施例1においては、射出成形機として住友重機械工業製SH−100射出成形機を用い、加熱シリンダー26を300゜Cに加熱し、金型温度を120゜Cとした。また、熱可塑性樹脂として、射出成形用の熱可塑性樹脂である粘度平均分子量21000のポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製、商品名ユーピロンS−3000)を使用した。加圧流体として窒素ガスを用いた。
【0057】
そして、実施例1においては、熱可塑性樹脂を加熱シリンダー26内に供給し、加熱シリンダー26内で混練可塑化して溶融させた後、金型20のキャビティ24内に樹脂射出部25を介して溶融熱可塑性樹脂30を射出した。溶融熱可塑性樹脂30の射出中の状態を、模式的に図3に示す。射出時間を1秒とし、射出した溶融熱可塑性樹脂の体積をキャビティ24の体積の85%とした。そして、溶融熱可塑性樹脂のキャビティ24内への射出完了と同時に、キャビティ24内の溶融熱可塑性樹脂30中に加圧流体を加圧流体導入部27から導入し、以て、中空部構成部分11に中空部14を形成した(図4参照)。キャビティ24内の溶融熱可塑性樹脂30中に加圧流体を導入する際の加圧流体の圧力を、ゲージ圧で3.5×106Pa(3.5×10kgf/cm2−G)とした。
【0058】
その後、保圧操作を行うこと無く、キャビティ24内の熱可塑性樹脂が固化、冷却するまでの間(溶融熱可塑性樹脂のキャビティ内への射出完了から40秒の間)、中空部14内の圧力を、加圧流体導入部27を介して中空部14内を加圧する加圧流体の体積によって制御し、1.9×106Pa(1.9×10kgf/cm2−G)に保持した。その後、中空部14内の加圧流体を、加圧流体導入部27を介して大気中に放出し、金型を開き、光学的反射部材10を取り出した。こうして得られた光学的反射部材10において、中空部14の体積は光学的反射部材10の体積の15%であり、中実部12が占める体積は、光学的反射部材10の体積の8%であった。キャビティ24内で成形された光学的反射部材10の光学的反射面13と、光学的反射面13を形成するための入れ子23の金型面との間には、光学的反射面10mm2当たり1μm以下の隙間しか存在しなかった。
【0059】
このようにして得られた光学的反射部材の光学的反射面の平面精度を下記の表1に示し、図1の(A)の「X1」点と「X2」点を結ぶ線分L0を基に測定した反り率を下記の表1に示す。以下の実施例及び比較例においても、反り率の測定を同様とした。
【0060】
成形した光学的反射部材10の光学的反射面13に、真空蒸着法によってアルミニウム蒸着膜を120nm成膜して、ミラーを作製した。その結果、光学的反射部材10は、通常のガラス製ミラーと同等の素晴らしい写像性(鏡面性)を有しており、被写体が鮮明に映し出された。
【0061】
(実施例2)
キャビティ24内の熱可塑性樹脂が固化、冷却するまでの間(溶融熱可塑性樹脂のキャビティ内への射出完了から40秒の間)、中空部14内の圧力を、加圧流体導入部27を介して中空部14内を加圧する加圧流体の体積によって制御し、6.2×106Pa(6.2×10kgf/cm2−G)に保持した以外は、実施例1と同様の方法に基づき、熱可塑性樹脂製の光学的反射部材を作製した。このようにして得られた光学的反射部材の光学的反射面の平面精度及び反り率を下記の表1に示す。
【0062】
(実施例3)
キャビティ24内の熱可塑性樹脂が固化、冷却するまでの間、中空部14内の圧力を所望の圧力範囲に保持するが、実施例3においては、かかる所望の圧力範囲を、キャビティ24内の溶融熱可塑性樹脂中に加圧流体を導入した際の加圧流体の圧力によって制御した。
【0063】
具体的には、実施例3においては、熱可塑性樹脂を加熱シリンダー26内に供給し、加熱シリンダー26内で混練可塑化して溶融させた後、金型20のキャビティ24内に樹脂射出部25を介して溶融熱可塑性樹脂30を射出した。射出時間を1秒とし、射出した溶融熱可塑性樹脂の体積をキャビティ24の体積の85%とした。そして、溶融熱可塑性樹脂のキャビティ24への射出完了と同時に、キャビティ24内の溶融熱可塑性樹脂30中に加圧流体を加圧流体導入部27から導入し、以て、中空部構成部分11に中空部14を形成した。キャビティ24内の溶融熱可塑性樹脂30中に加圧流体を導入する際の加圧流体の圧力を、ゲージ圧で1.9×106Pa(1.9×10kgf/cm2−G)とした。
【0064】
その後、キャビティ24内の熱可塑性樹脂が固化、冷却するまでの間(溶融熱可塑性樹脂のキャビティ内への射出完了から40秒の間)、中空部14内の圧力を、中空部14内へ導入された加圧流体の圧力によって制御した。金型を開く直前の中空部14内の圧力は、ゲージ圧で1.9×106Pa(1.9×10kgf/cm2−G)であった。その後、中空部14内の加圧流体を、加圧流体導入部27を介して、大気中に放出し、金型を開き、光学的反射部材10を取り出した。こうして得られた光学的反射部材10において、中空部14の体積は光学的反射部材10の体積の15%であった。
【0065】
(実施例4)
キャビティ24内の熱可塑性樹脂が固化、冷却するまでの間、中空部14内の圧力を所望の圧力範囲に保持するが、実施例4においては、金型20には、入れ子23の代わりに可動コア29が更に備えられ、この可動コア29に光学的反射面を形成するための金型面が設けられ、かかる所望の圧力範囲を、可動コア29の位置制御によって制御する。
【0066】
具体的には、図5に模式的な断面図に示すように、例えば油圧シリンダー(図示せず)で可動させることができる可動コア29を固定金型部21に配設すればよい。そして、光学的反射部材の成形においては、型締め時、成形すべき光学的反射部材の体積(VM)よりもキャビティ24の体積(VC)が小さくなるように、固定金型部21と可動金型部22とを型締めし、且つ、キャビティ内における可動コア29の配置位置を制御する。そして、キャビティ(体積:VC)24内に溶融熱可塑性樹脂を射出し、更に、キャビティ24内の溶融熱可塑性樹脂中に加圧流体を導入して、中空部構成部分11に中空部14を形成する。その後、図示しない油圧シリンダーの作動によって可動コア29を移動させて、成形すべき光学的反射部材の体積(VM)まで、キャビティ24の体積を、段階的に、あるいは連続的に、あるいは一気に増加させる。こうして、キャビティ24内の熱可塑性樹脂が固化、冷却するまでの間、中空部14内の圧力を所望の圧力範囲に保持する。
【0067】
(実施例5)
実施例5においては、入れ子23をZrO2−Y2O3から作製した。入れ子23の金型面の表面粗さRyを0.01μmとした。射出成形用の金型20のその他の構成は実施例1と同様とした。実施例5においては、熱可塑性樹脂として、射出成形用の熱可塑性樹脂である粘度平均分子量21500のポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製、商品名ユーピロンGS−2030MLR)を使用した。このポリカーボネート樹脂には、ガラス繊維が30重量%含まれている。そして、実施例1と同様の方法で光学的反射部材10を成形した。成形した光学的反射部材10の光学的反射面13に、真空蒸着法によってアルミニウム蒸着膜を120nm成膜して、ミラーを作製した。その結果、ガラス繊維を含有する熱可塑性樹脂を使用したにも拘わらず、入れ子23をZrO2−Y2O3から作製したが故に、光学的反射部材10は、通常のガラス製ミラーと同等の素晴らしい写像性(鏡面性)を有しており、被写体が鮮明に映し出された。
【0068】
(比較例1)
比較例1においては、加圧流体の導入を行わず、中空部が設けられない光学的反射部材を成形した。具体的には、実施例1と同じ射出成形機、金型、熱可塑性樹脂を使用した、そして、熱可塑性樹脂を加熱シリンダー26内に供給し、加熱シリンダー26内で混練可塑化して溶融させた後、金型20のキャビティ24内に樹脂射出部25を介して溶融熱可塑性樹脂を射出した。射出時間を1秒とし、射出した溶融熱可塑性樹脂の体積をキャビティ24の体積の100%とした。溶融熱可塑性樹脂の射出完了後、加熱シリンダー26側から保圧圧力を1×108Pa(1×103kgf/cm2−G)とした状態で40秒間、保圧操作を行い、次いで、キャビティ24内の熱可塑性樹脂を20秒間、冷却、固化させた。その後、金型を開き、光学的反射部材を取り出した。このようにして得られた光学的反射部材の光学的反射面の平面精度を及び反り率を下記の表1に示す。
【0069】
(比較例2)
溶融熱可塑性樹脂の射出完了後、加熱シリンダー26側から保圧操作を行わずにキャビティ24内の熱可塑性樹脂を冷却、固化させた以外は、比較例1と同様の方法で光学的反射部材を作製した。このようにして得られた光学的反射部材の光学的反射面の平面精度及び反り率を下記の表1に示す。キャビティ24内で成形された光学的反射部材10の光学的反射面13と、光学的反射面13を形成するための入れ子23の金型面との間には、光学的反射面10mm2当たり最大15μmの隙間が存在した。
【0070】
(比較例3)
キャビティ24内に射出した溶融熱可塑性樹脂の体積を、キャビティ24の体積の92%とし、光学的反射面を構成する光学的反射部材の部分の一部にのみ中空部を形成した。即ち、中空部の形成を光学的反射面の中央部程度までとした。この点を除き、実施例1と同様の方法に基づき、熱可塑性樹脂製の光学的反射部材を作製した。このようにして得られた光学的反射部材の光学的反射面の平面精度及び反り率を下記の表1に示す。
【0071】
[表1]
【0072】
表1からも明らかなように、実施例1及び実施例2にて得られた光学的反射部材は、光学的反射面の平面精度、反り率のいずれも満足するものであった。一方、比較例1〜比較例3にて得られた光学的反射部材は、光学的反射面の平面精度、反り率のいずれも満足するものではなかった。
【0073】
(実施例6)
実施例6にて成形した光学的反射部材110の模式的な斜視図を図6に示し、図6の線A−Aに沿った模式的な断面図を図7に示す。
【0074】
光学的反射部材110は、光学的反射面113を1つ(1面)有しており、光学的反射部材110の中空部構成部分111には、加圧流体を導入することによって形成された中空部114(図6においては点線で表す)が設けられている。図6において、中空部構成部分11の左手側に、中空部構成部分111から中実部112が延在している。一方、中空部構成部分11の右手側には、溶融熱可塑性樹脂が射出された跡(樹脂射出部の跡)115、及び加圧流体が導入された跡(加圧流体導入部の跡)116が残っている。
【0075】
光学的反射部材110には、光学的反射面113を保持する中実の保持部121が設けられている。光学的反射面113と保持部121とは一体に成形されている。保持部121は、上から眺めたとき、「コ」の字型をしており、「コ」の字の上下の横棒に相当する保持部121の部分121Aと光学的反射面113の端面とが一体となっている。参照番号121Bは、「コ」の字の縦棒に相当する保持部121の長手部分である。光学的反射面113の寸法は、長さ150mm、幅10mmであり、光学的反射面113は平面である。また、光学的反射面113と保持部121との成す角度θの設計値を45度とした。
【0076】
実施例6において使用した射出成形機及び金型は、キャビティ24の形状が異なる点を除き、実質的に、図2に示し、実施例1にて説明したと同様の構造を有する。実施例6においても、入れ子23、固定金型部21及び可動金型部22を、ステンレススチール系材料(S55C)から作製した。入れ子23の金型面の表面粗さRyを0.01μmとした。
【0077】
実施例6においては、射出成形機として住友重機械工業製SG−125射出成形機を用い、加熱シリンダー26を300゜Cに加熱し、金型温度を100゜Cとした。また、熱可塑性樹脂として、射出成形用の熱可塑性樹脂である粘度平均分子量21500のポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製、商品名ユーピロンS−3000R)を使用した。加圧流体として窒素ガスを用いた。
【0078】
そして、実施例6においても、熱可塑性樹脂を加熱シリンダー26内に供給し、加熱シリンダー26内で混練可塑化して溶融させた後、金型20のキャビティ24内に樹脂射出部25を介して溶融熱可塑性樹脂30を射出した。射出時間を5秒とし、射出した溶融熱可塑性樹脂の体積をキャビティ24の体積の90%とした。そして、溶融熱可塑性樹脂のキャビティ24内への射出完了と同時に、キャビティ24内の溶融熱可塑性樹脂30中に加圧流体を加圧流体導入部27から導入し、以て、中空部構成部分111に中空部114を形成した。キャビティ24内の溶融熱可塑性樹脂30中に加圧流体を導入する際の加圧流体の圧力を、ゲージ圧で3.5×106Pa(3.5×10kgf/cm2−G)とした。
【0079】
キャビティ24内の熱可塑性樹脂が固化、冷却するまでの間(溶融熱可塑性樹脂のキャビティ内への射出完了から60秒の間)、中空部114内の圧力を、加圧流体導入部27を介して中空部114内を加圧する加圧流体の体積によって制御し、2.5×106Pa(2.5×10kgf/cm2−G)に保持した。その後、中空部114内の加圧流体を、加圧流体導入部27を介して大気中に放出し、10秒経過後、金型を開き、光学的反射部材110を取り出した。こうして得られた光学的反射部材110において、中空部114の体積は光学的反射部材110の体積の10%であった。キャビティ24内で成形された光学的反射部材110の光学的反射面113と、光学的反射面113を形成するための入れ子23の金型面との間には、光学的反射面10mm2当たり1μm以下の隙間しか存在しなかった。このようにして得られた光学的反射部材の光学的反射面の鏡面性評価結果、光学的反射面113と保持部121との成す角度θの実測値、反り量を下記の表2に示す。尚、反り量は、保持部121の長手部分121Bと平行な方向における光学的反射面113の反り量を意味する。
【0080】
成形した光学的反射部材110の光学的反射面113に、真空蒸着法によってアルミニウム蒸着膜を120nm成膜して、ミラーを作製した。その結果、光学的反射部材110は、通常のガラス製ミラーと同等の素晴らしい写像性(鏡面性)を有しており、被写体が鮮明に映し出された。
【0081】
(実施例7)
実施例7においては、入れ子23をZrO2−Y2O3から作製した。入れ子23の金型面の表面粗さRyを0.01μmとした。射出成形用の金型のその他の構成は実施例1と同様とした。実施例7においては、熱可塑性樹脂として、実施例5と同様のポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製、商品名ユーピロンGS−2030MLR)を使用した。光学的反射部材の成形条件・方法を実施例6と同一とした。得られた光学的反射部材の光学的反射面の鏡面性評価結果、光学的反射面と保持部との成す角度θの実測値、反り量を下記の表2に示す。
【0082】
(比較例4)
比較例4においては、加圧流体の導入を行わず、中空部が設けられない光学的反射部材を成形した。具体的には、実施例6と同じ射出成形機、金型、熱可塑性樹脂を使用した、そして、熱可塑性樹脂を加熱シリンダー26内に供給し、加熱シリンダー26内で混練可塑化して溶融させた後、金型20のキャビティ24内に樹脂射出部25を介して溶融熱可塑性樹脂を射出した。射出時間を7.5秒とし、射出した溶融熱可塑性樹脂の体積をキャビティ24の体積の100%とした。溶融熱可塑性樹脂の射出完了後、加熱シリンダー26側から保圧圧力を1×108Pa(1×103kgf/cm2−G)とした状態で15秒間、次いで、保圧圧力を5×107Pa(5×102kgf/cm2−G)とした状態で45秒間、保圧操作を行い、次いで、キャビティ24内の熱可塑性樹脂を10秒間、冷却、固化させた。その後、金型を開き、光学的反射部材を取り出した。このようにして得られた光学的反射部材の光学的反射面の鏡面性評価結果、光学的反射面と保持部との成す角度θの実測値、反り量を下記の表2に示す。
【0083】
(比較例5)
比較例5においては、実施例7にて使用した熱可塑性樹脂を用い、比較例4と同様の成形条件・方法で光学的反射部材を成形した。得られた光学的反射部材の光学的反射面の鏡面性評価結果、光学的反射面と保持部との成す角度θの実測値、反り量を下記の表2に示す。
【0084】
(比較例6)
比較例6においては、熱可塑性樹脂として実施例7にて使用した熱可塑性樹脂を用い、実施例7と同様の成形条件・方法で光学的反射部材を成形した。但し、入れ子23を、実施例6にて使用した入れ子23(ステンレススチール系材料、S55Cにて作製)を用いた。得られた光学的反射部材の光学的反射面の鏡面性評価結果、光学的反射面と保持部との成す角度θの実測値、反り量を下記の表2に示す。
【0085】
(比較例7)
比較例7においては、実施例7と同様の成形条件・方法で光学的反射部材を成形した。但し、キャビティ24内に射出した溶融熱可塑性樹脂の体積をキャビティ24の体積の95%とした(射出時間は7.2秒)。そして、溶融熱可塑性樹脂のキャビティ24内への射出完了と同時に、キャビティ24内の溶融熱可塑性樹脂30中に加圧流体を加圧流体導入部27から導入し、以て、中空部構成部分に中空部を形成した。但し、中空部は、中空部構成部分の約半分のところまでしか形成されなかった。得られた光学的反射部材の光学的反射面の鏡面性評価結果、光学的反射面と保持部との成す角度θの実測値、反り量を下記の表2に示す。
【0086】
[表2]
【0087】
表2からも明らかなように、実施例6及び実施例7にて得られた光学的反射部材は、鏡面性、光学的反射面と保持部との成す角度θの実測値と設計値の差、反り量のいずれも満足するものであった。一方、比較例4〜比較例7にて得られた光学的反射部材の鏡面性は不十分なものであった。特に、比較例6においては、ガラス繊維を含有するポリカーボネート樹脂を熱可塑性樹脂として用いたので、光学的反射面と保持部との成す角度θの実測値と設計値の差及び反り量は小さいものの、S55Cから作製した入れ子を用いたため、光学的反射部材の光学的反射面の表面に無機繊維が析出し、鏡面性が15%と極めて低い値となった。また、比較例5及び比較例6においては、キャビティ内に射出した溶融熱可塑性樹脂に加圧流体を導入していないため、光学的反射面と保持部との成す角度θの実測値と設計値の差及び反り量が大きくなった。比較例7においては、中空部が中空部構成部分の約半分のところまでしか形成されなかったため、鏡面性、光学的反射面と保持部との成す角度θの実測値と設計値の差及び反り量は満足するものではなかった。
【0088】
以上、本発明を、好ましい実施例に基づき説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施例にて説明した射出成形機置や金型、使用した熱可塑性樹脂は例示であり、適宜変更することができる。また、光学的反射部材の構造や形状、寸法も例示であり、適宜設計変更することができる。
【0089】
本発明の光学的反射部材の一例であるポリゴンミラー10Aの模式的な断面図を図8の(A)に示す。また、図8の(A)に示したポリゴンミラー10Aの線B−Bに沿った模式的な断面図を図8の(B)に示す。更に、本発明の光学的反射部材の一例であるポリゴンミラーであって図8とは若干構造の異なるポリゴンミラー10B,10Cの図8の(B)と同様の模式的な断面図を、図9の(A)及び(B)に示す。図9の(A)に示したポリゴンミラー10Bは、中実部12の構造が図8に示したポリゴンミラーと異なり、外側に延在し、中空部14が一層下方に延びている。また、図9の(B)に示すポリゴンミラー10Cは、中実部12の構造が図8に示したポリゴンミラーと異なり、外側に延在し、しかも、中空部14が外側に延在する中実部12内に延びている。
【0090】
本発明の光学的反射部材の一例であるリフレクター10D,10Eの模式的な断面図を図10及び図11に示す。図10に示したリフレクター10Dと図11に示したリフレクター10Eとでは、中空部14及び中実部12の構造が若干異なっている。
【0091】
【発明の効果】
本発明によれば、ミラーやリフレクターのように光学的反射面(鏡面)を有する、高精度の熱可塑性樹脂製の光学的反射部材を別工程や後工程を必要とせずに、安定して、高品質にて、効率的、且つ、経済的に製造することができる。また、高い精度を有する光学的反射面と保持部とが一体となった光学的反射部材を、安定して、高品質にて、効率的、且つ、経済的に製造することができる。更には、ガラス製又はセラミック製の入れ子を使用することによって、たとえ、無機繊維等が含有された強化熱可塑性樹脂を使用しても、優れた光学的反射面を有する光学的反射部材を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1〜実施例5及び比較例1〜比較例3にて成形した光学的反射部材の模式的な断面図である。
【図2】実施例及び比較例にて使用した射出成形機及び金型の模式的な断面図である。
【図3】本発明の光学的反射部材の製造方法を説明するための金型等の模式的な断面図である。
【図4】図3に引き続き、本発明の光学的反射部材の製造方法を説明するための金型等の模式的な断面図である。
【図5】実施例4にて使用した金型の模式的な断面図である。
【図6】実施例6〜実施例7及び比較例4〜比較例7にて成形した光学的反射部材の模式的な斜視図である。
【図7】実施例6〜実施例7及び比較例4〜比較例7にて成形した光学的反射部材の模式的な断面図である。
【図8】本発明の光学的反射部材の一例であるポリゴンミラーの模式的な断面図である。
【図9】本発明の光学的反射部材の一例であるポリゴンミラーであって図8とは若干構造の異なるポリゴンミラーの模式的な断面図である。
【図10】本発明の光学的反射部材の一例であるリフレクターの模式的な断面図である。
【図11】本発明の光学的反射部材の一例であるリフレクターであって図10とは若干構造の異なるリフレクターの模式的な断面図である。
【符号の説明】
10,110・・・光学的反射部材、10A,10B,10C・・・ポリゴンミラー、10D,10E・・・リフレクター、11,111・・・光学的反射部材の部分、12,112・・・中実部、13,113・・・光学的反射面、14,114・・・中空部、20・・・射出成形用の金型、21・・・固定金型部、22・・・可動金型部、23・・・入れ子、24・・・キャビティ、25・・・樹脂射出部、26・・・加熱シリンダー、27・・・加圧流体導入部、28・・・加圧流体源、29・・・可動コア、30・・・溶融熱可塑性樹脂、121・・・保持部
Claims (22)
- 光学的反射面を少なくとも1つ有する熱可塑性樹脂製の光学的反射部材であって、
該光学的反射面の全域が表面に設けられた光学的反射部材の部分の内部には、加圧流体を導入することによって形成された中空部が設けられており、
光学的反射部材の該部分から延在する中実部を有し、該中実部の表面は光学的反射面を構成せず、
中空部の一端は、光学的反射部材における加圧流体が導入された跡から延びており、
加圧流体が導入された該跡と中実部とは、光学的反射部材の該部分を挟んで位置することを特徴とする光学的反射部材。 - 中実部が占める体積は、光学的反射部材の体積の5〜60%であることを特徴とする請求項1に記載の光学的反射部材。
- 光学的反射面は平面であることを特徴とする請求項1に記載の光学的反射部材。
- 光学的反射面の反り率は1×10-3以下であることを特徴とする請求項1に記載の光学的反射部材。
- 光学的反射面の表面には光学的反射膜が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の光学的反射部材。
- 光学的反射面を保持する保持部を有し、光学的反射面と保持部とは一体であることを特徴とする請求項1に記載の光学的反射部材。
- 熱可塑性樹脂は無機繊維を含有していることを特徴とする請求項1に記載の光学的反射部材。
- 熱可塑性樹脂は、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル系樹脂、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリアミド系樹脂、及びポリカーボネート樹脂/ポリエステル系樹脂のポリマーアロイ樹脂組成物から構成された群から選択された熱可塑性樹脂から成り、
無機繊維は、ガラス繊維、ガラスフレーク、カーボン繊維、ウォラストナイト、ホウ酸アルミニウムウィスカー繊維、チタン酸カリウムウィスカー繊維、塩基性硫酸マグネシウムウィスカー繊維、珪酸カルシウムウィスカー繊維、及び硫酸カルシウムウィスカー繊維から構成された群から選択された少なくとも1種の材料から成ることを特徴とする請求項7に記載の光学的反射部材。 - 光学的反射面を少なくとも1つ有し、該光学的反射面の全域が表面に設けられた光学的反射部材の部分の内部に、加圧流体を導入することによって形成された中空部が設けられ、光学的反射部材の該部分から延在する中実部を有し、該中実部の表面は光学的反射面を構成せず、中空部の一端は光学的反射部材における加圧流体が導入された跡から延び、加圧流体が導入された該跡と中実部とは光学的反射部材の該部分を挟んで位置する、熱可塑性樹脂製の光学的反射部材の製造方法であって、
該光学的反射面を形成するための金型面を有するキャビティが設けられた射出成形用の金型を使用し、
(イ)溶融熱可塑性樹脂を該キャビティ内に射出する工程と、
(ロ)キャビティ内の溶融熱可塑性樹脂中に加圧流体を導入し、光学的反射部材の該部分の内部に中空部を形成する工程と、
(ハ)キャビティ内の熱可塑性樹脂が固化、冷却するまでの間、中空部内の圧力を所望の圧力範囲に保持する工程と、
(ニ)中空部内の加圧流体を除去した後、金型を開き、光学的反射部材を取り出す工程、
から成ることを特徴とする光学的反射部材の製造方法。 - キャビティ内に射出された溶融熱可塑性樹脂を、光学的反射部材の前記部分から中実部に向かって流動させることを特徴とする請求項9に記載の光学的反射部材の製造方法。
- キャビティ内で成形された光学的反射部材の光学的反射面と、光学的反射面を形成するための金型面との間には、光学的反射面10mm 2 当たり1μm以下の隙間しか存在しないことを特徴とする請求項9に記載の光学的反射部材の製造方法。
- 工程(ハ)における所望の圧力範囲は、ゲージ圧で、1×105Pa以上1×107Pa以下であることを特徴とする請求項9に記載の光学的反射部材の製造方法。
- 工程(ハ)における所望の圧力範囲を、キャビティ内の熱可塑性樹脂が固化、冷却するまでの間、中空部内を加圧する加圧流体の圧力によって制御することを特徴とする請求項12に記載の光学的反射部材の製造方法。
- 工程(ハ)における所望の圧力範囲を、工程(ロ)において導入された加圧流体の体積によって制御することを特徴とする請求項12に記載の光学的反射部材の製造方法。
- 金型は可動コアを更に備え、
工程(ハ)における所望の圧力範囲を、可動コアの位置制御によって制御することを特徴とする請求項12に記載の光学的反射部材の製造方法。 - 工程(ニ)の後、光学的反射面の表面に光学的反射膜を形成することを特徴とする請求項9に記載の光学的反射部材の製造方法。
- 光学的反射部材は光学的反射面を保持する保持部を有し、
光学的反射面と保持部とを一体に成形することを特徴とする請求項9に記載の光学的反射部材の製造方法。 - 光学的反射面を形成するための金型面は、厚さ0.5mm以上10mm以下のガラス製又はセラミック製の入れ子によって構成されていることを特徴とする請求項9又は請求項17に記載の光学的反射部材の製造方法。
- 入れ子の熱伝導率は8.5J/(m・s・K)以下であることを特徴とする請求項18に記載の光学的反射部材の製造方法。
- 入れ子は、ZrO2−Y2O3又は3Al2O3−2SiO2から成るセラミック、若しくは、結晶化ガラスから作製されていることを特徴とする請求項19に記載の光学的反射部材の製造方法。
- 熱可塑性樹脂には無機繊維が含有されていることを特徴とする請求項18に記載の光学的反射部材の製造方法。
- 熱可塑性樹脂は、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル系樹脂、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリアミド系樹脂、及びポリカーボネート樹脂/ポリエステル系樹脂のポリマーアロイ樹脂組成物から構成された群から選択された熱可塑性樹脂から成り、
無機繊維は、ガラス繊維、ガラスフレーク、カーボン繊維、ウォラストナイト、ホウ酸アルミニウムウィスカー繊維、チタン酸カリウムウィスカー繊維、塩基性硫酸マグネシウムウィスカー繊維、珪酸カルシウムウィスカー繊維、及び硫酸カルシウムウィスカー繊維から構成された群から選択された少なくとも1種の材料から成ることを特徴とする請求項21に記載の光学的反射部材の製造方法。
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