JP4227712B2 - 熱可塑性樹脂製の光学的反射部材 - Google Patents

熱可塑性樹脂製の光学的反射部材 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鏡面性に極めて優れた矩形平面状の光学的反射面を有する熱可塑性樹脂製の光学的反射部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば複写機やレーザビームプリンターに代表されるデジタル機器に使用されている光走査反射鏡といった光学的反射部材は、従来、ガラスを用いて作製されてきたが、コストダウンや軽量化、要求される機能性の向上による形状自由度の観点から、熱可塑性樹脂製への移行が進みつつある。
【0003】
一般に、熱可塑性樹脂製の成形品を製造する方法として、キャビティが設けられた金型を使用し、一定温度に保たれた金型のキャビティ内に溶融熱可塑性樹脂を射出、充填し、キャビティ内のかかる熱可塑性樹脂を冷却、固化させる射出成形法が用いられている。しかしながら、光学的反射部材のような、(1)肉厚の成形品、(2)偏肉部を有する成形品、あるいは、(3)長尺の成形品、を成形する場合、(1)、(2)においては成形品の厚肉部と薄肉部との間に相当する部分において、(3)においては中央部と端部に相当する部分において、キャビティ内の溶融熱可塑性樹脂の冷却速度に差が生じる結果、成形品に歪みが発生し易い。それ故、高い鏡面性を有するキャビティの金型面を高い精度にて成形品に転写する、即ち、鏡面性転写精度を高めることが難しいという問題がある。
【0004】
この種の成形品の成形方法において鏡面性転写精度を向上させるために、従来より、例えば、以下に説明する方策が採られている。
【0005】
[A] 射出圧縮成形法
[B] 熱可塑性樹脂のガラス転移温度Tg以上に加熱された金型のキャビティ内に溶融熱可塑性樹脂を射出、充填した後、ゲート部を封止し、熱変形温度以下までキャビティ内の熱可塑性樹脂を徐冷して、キャビティ内の樹脂圧が0Pa(0kg/cm2−G)となった時点で成形品を取り出す成形方法(特開昭64−38421号公報参照)
[C] ほぼ最終形状に前加工した樹脂母材を、別の金型で母材樹脂のガラス転移温度Tg以上に再度加熱し、熱変形温度以下まで徐冷する成形方法(特開平4−163119号公報参照)
[D] キャビティに設けられた対向する2つの金型面の材質や表面粗さを変え、且つ、キャビティ内を溶融熱可塑性樹脂で完全に充填する直前に溶融熱可塑性樹脂のキャビティ内への射出を終了し、保圧を加えることなくキャビティ内の熱可塑性樹脂を冷却、固化させることにより、光学的反射部材の光学的反射面を形成すべき金型面の熱可塑性樹脂に対する密着性を他方の金型面より高くする方法(特公平6−98642号公報や特開平3−151218号公報参照)
[E] 光学的反射部材の光学的反射面を形成すべきキャビティの金型面を熱可塑性樹脂の熱変形温度以上に維持する一方、他の金型面を冷却することによって、熱可塑性樹脂のヒケを他の金型面に集中的に発生させる成形方法(成形加工学会'94予稿集P237〜P240参照)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、[A]の方法においては、光学的反射部材の形状の大きさや偏肉の分布によっては、十分な鏡面性転写精度を得難い。[B]及び[C]の方法においては、徐冷を行うので成形サイクルが長くなり、生産性が低下してしまう。また、生産性を向上させるためには、充填・徐冷・取り出しの各工程が連続的に処理可能な別工程や、鏡面精度の高い金型を複数個必要とするといった経済的な問題がある。[D]の方法においては、キャビティの各金型面(転写面及び粗面)を構成する金型の部分の材質あるいは使用する熱可塑性樹脂によっては密着力が逆転し、光学的反射部材の光学的反射面を形成すべき金型面と接する熱可塑性樹脂の部分にヒケが生じてしまう。更には、溶融熱可塑性樹脂の充填を止めるタイミングがずれると、溶融熱可塑性樹脂と金型面の密着性の関係が逆転し、光学的反射部材の光学的反射面を形成すべき金型面と接する熱可塑性樹脂の部分にヒケが生じたり、キャビティを充填すべき溶融熱可塑性樹脂の量が不足してしまう。[E]の方法においては、金型温度差により光学的反射部材に反りが発生してしまう等の安定性の問題点がある。
【0007】
従って、本発明の目的は、鏡面性に非常に優れた矩形平面状の光学的反射面を有する熱可塑性樹脂製の光学的反射部材を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための本発明の光学的反射部材は、矩形平面状の光学的反射面を有し、該矩形平面状の光学的反射面は突起部によって囲まれた熱可塑性樹脂製の光学的反射部材であって、該光学的反射面の全域を構成する光学的反射部材の部分には、加圧流体を導入することによって中空部が形成されており、突起部を構成する光学的反射部材の部分の一部分には、光学的反射面の全域を構成する光学的反射部材の部分に形成された中空部から延在する中空部が形成されていることを特徴とする。
【0009】
本発明の光学的反射部材は、例えば、光学的反射面を形成するための金型面を有するキャビティが設けられた射出成形用の金型を使用し、
(イ)溶融熱可塑性樹脂を該キャビティ内に射出する工程と、
(ロ)キャビティ内の溶融熱可塑性樹脂中に加圧流体を導入し、光学的反射面の全域を構成する光学的反射部材の部分に中空部を形成し、且つ、突起部を構成する光学的反射部材の部分の一部分に、光学的反射面の全域を構成する光学的反射部材の部分に形成された中空部から延在する中空部を形成する工程と、
(ハ)キャビティ内の熱可塑性樹脂が固化、冷却するまでの間、中空部内の圧力を所望の圧力範囲に保持する工程と、
(ニ)中空部内の加圧流体を除去した後、金型を開き、光学的反射部材を取り出す工程、
から成る製造方法によって製造することができる。尚、本発明の光学的反射部材を製造するためのかかる製造方法を、以下、便宜上、光学的反射部材製造方法と呼ぶ場合がある。
【0010】
本発明の熱可塑性樹脂製の光学的反射部材(以下、単に本発明の光学的反射部材と呼ぶ場合がある)においては、矩形平面状の光学的反射面は突起部によって囲まれており、突起部を構成する光学的反射部材の部分(突起部構成部分と呼ぶ場合がある)の一部分に、光学的反射面の全域を構成する光学的反射部材の部分(光学的反射面構成部分と呼ぶ場合がある)に形成された中空部から延在する中空部を形成するので、特に、突起部近傍の光学的反射面構成部分における光学的反射面の鏡面性が低下することを確実に防止でき、光学的反射面構成部分に面した突起部の側面を高い面精度に維持することができる。尚、突起部を設けない場合、光学的反射面構成部分の一部分にしか中空部を形成できないし、突起部によって光学的反射面を保護することができなくなる。また、本発明の光学的反射部材においては、光学的反射面構成部材の部分に中空部が形成されているので、即ち、光学的反射部材の成形時、光学的反射面構成部分における熱可塑性樹脂の収縮を、加圧流体の導入によって形成された中空部が抑制するので、光学的反射面の全域に亙って鏡面性に非常に優れた光学的反射部材を得ることができる。
【0011】
本発明の光学的反射部材においては、光学的反射面を含む仮想平面で光学的反射部材を切断したときの光学的反射部材の外形形状は矩形であり、矩形平面状の光学的反射面の短辺と平行な方向に沿った突起部を構成する光学的反射部材の部分の幅をW1、光学的反射面の短辺と平行な方向に沿った突起部を構成する光学的反射部材の部分の一部分に形成された中空部の長さをW2としたとき、0.01≦W2/W1≦0.8、好ましくは0.01≦W2/W1≦0.5を満足することが望ましい。W2/W1の値が上記の範囲の下限を満足することによって、突起部近傍の光学的反射面構成部分における光学的反射面にヒケが発生することを一層確実に防止でき、一方、上記の範囲の上限を満足することによって、突起部の強度を保持することができる。更には、矩形平面状の光学的反射面の短辺と平行な方向に沿った光学的反射部材の幅をW0としたとき、0.1≦W1/W0≦0.3、好ましくは0.1≦W1/W0≦0.25、一層好ましくは0.1≦W1/W0≦0.2を満足することが望ましい。W1/W0の値が上記の範囲の下限を満足することによって、突起部近傍の光学的反射面構成部分における光学的反射面にヒケが発生することを一層確実に防止できる。W1/W0の値が上記の範囲の上限を満足しないと、光学的反射面の光学的反射部材を占める割合が小さくなりすぎ、実用的でなくなる。また、光学的反射面の全域を構成する光学的反射部材の部分の厚さをt0としたとき、1≦t0/W1≦10、好ましくは2≦t0/W1≦5、一層好ましくは2≦t0/W1≦4を満足することが望ましい。
【0012】
本発明の光学的反射部材においては、矩形平面状の光学的反射面の長辺の長さをL1、短辺の長さをL2としたとき、L1/L2の値は本質的に任意であるが、実用的には、また、本発明の光学的反射部材の特徴を生かすといった観点から、L1/L2≧2、好ましくはL1/L2≧3、一層好ましくはL1/L2≧4を満足することが望ましい。
【0013】
光学的反射部材製造方法においては、工程(ハ)における所望の圧力範囲は、ゲージ圧で、1×105Pa(1kgf/cm2−G)以上5×106Pa(5×10kgf/cm2−G)以下、より好ましくは、ゲージ圧で、1.2×105Pa(1.2kgf/cm2−G)以上4×106Pa(4×10kgf/cm2−G)以下、一層好ましくは、ゲージ圧で、2.0×105Pa(2.0kgf/cm2−G)以上2.5×106Pa(2.5×10kgf/cm2−G)以下とすることが望ましい。光学的反射面構成部分及び突起部構成部分の一部分に中空部を形成したとき、かかる光学的反射面構成部分及び突起部構成部分における熱可塑性樹脂の収縮を、加圧流体の導入によって形成された中空部側で担うに足りる圧力に中空部内を保持すれば十分であるが故に、この程度の比較的低圧の所望の圧力範囲に中空部内の圧力を保持すればよい。所望の圧力範囲(以下、ゲージ圧を意味する)が1×105Pa以上ならば、光学的反射面構成部分及び突起部構成部分の一部分に中空部を確実に形成することできる。一方、所望の圧力範囲を5×106Pa以下とすることによって、光学的反射面を形成するための金型面に対してキャビティ内の溶融熱可塑性樹脂を中空部から押し付ける圧力が、熱可塑性樹脂の収縮を担う圧力を越える過剰の圧力となることが少なく、光学的反射部材に残留応力が発生し難く、また、金型からの光学的反射部材の離型が問題となることが少ない。以上の結果として、光学的反射部材の光学的反射面の鏡面性を損なうことが少なくなる。
【0014】
光学的反射部材製造方法において、工程(ハ)における所望の圧力範囲を、(A)キャビティ内の熱可塑性樹脂が固化、冷却するまでの間、中空部内を加圧する加圧流体の圧力によって制御してもよいし、(B)工程(ロ)において導入された加圧流体の体積によって制御してもよいし、(C)金型に可動コアを更に備え、可動コアの位置制御によって制御してもよい。(C)の方法においては、具体的には、可動コアの動きによって光学的反射部材の体積、更には、中空部の体積を増加させる。
【0015】
本発明の光学的反射部材においては、光学的反射面を形成するための金型面を有するキャビティが設けられた射出成形用の金型を使用し、キャビティ内で成形された光学的反射部材の光学的反射面と、光学的反射面を形成するための金型面との間には、光学的反射面10mm2当たり1μm以下の隙間しか存在しないことが好ましい。
【0016】
本発明の光学的反射部材において、突起部を構成する光学的反射部材の部分が占める体積(突起部構成部分の体積、及び、突起部構成部分の一部分に形成された中空部の体積の合計)は、光学的反射部材の体積(光学的反射面構成部分の体積、かかる部分に形成された中空部の体積、突起部構成部分の体積、及び、かかる部分の一部分に形成された中空部の体積の合計)の1〜30%、好ましくは1〜15%であることが望ましい。
【0017】
本発明の光学的反射部材においては、光学的反射面の反り率Wは1×10-3以下(0.1%以下)であることが好ましい。尚、光学的反射面の反り率Wとは、光学的反射面の縁部の任意の2点を結ぶ線分(長さL)を想定し、かかる線分に沿って、線分から光学的反射面までの距離(D)を測定し、距離の最大値をDMAXとしたとき、以下の式で表すことができる。任意の線分に対してこの反り率W(L)が1×10-3以下であるとき、「光学的反射面の反り率は1×10-3以下である」とする。
【0018】
[数1]
W(L)=DMAX/L
【0019】
光学的反射部材製造方法にて使用される金型において、キャビティ内に溶融熱可塑性樹脂を射出するための樹脂射出部(所謂、ゲート部)は、光学的反射面を形成するための金型面以外の金型の部分であれば、特に位置的な制限無く設けることができる。尚、金型の構造に依っては、例えば矩形形状の光学的反射部材の製造時、キャビティ内に射出された溶融熱可塑性樹脂が、光学的反射面の短辺側から長辺方向に向かって流動するように、樹脂射出部を金型に配設することが望ましい。
【0020】
光学的反射部材製造方法にて使用される金型において、加圧流体導入部も、光学的反射面を形成するための金型面以外の金型の部分であれば、特に位置的な制限無く設けることができる。具体的には、加圧流体導入部を、樹脂射出部の近傍に配置してもよいし、樹脂射出部から離して配置してもよいし、樹脂射出部内に配置してもよい。また、加圧流体導入部の数に制限はない。
【0021】
使用する加圧流体は、常温及び常圧で気体の物質であり、使用する熱可塑性樹脂と反応や混合しないものが望ましい。具体的には、窒素ガス、空気、炭酸ガス、ヘリウム等が挙げられるが、安全性及び経済性を考慮すると、窒素ガスやヘリウムガスが好ましい。キャビティ内の溶融熱可塑性樹脂への加圧流体の導入開始時期は、溶融熱可塑性樹脂のキャビティ内への射出開始から0.1秒乃至25秒とすることが好ましい。加圧流体の導入開始時期の下限は、溶融熱可塑性樹脂のキャビティ内へ射出しながら、キャビティ内の溶融熱可塑性樹脂中へ加圧流体を導入する場合に、導入された加圧流体がキャビティの溶融熱可塑性樹脂を吹き飛ばすことがなくなるような時期とすればよい。一方、加圧流体の導入開始時期が25秒を越えると、キャビティ内の溶融熱可塑性樹脂の固化によって所望の中空部が形成できず、光学的反射面にヒケが生じ、光学的反射面の鏡面性を損なう場合がある。キャビティ内の溶融熱可塑性樹脂への加圧流体の導入開始の時期は、キャビティ内への溶融熱可塑性樹脂の射出中、射出完了と同時、射出完了後のいずれであってもよい。
【0022】
キャビティ内に射出すべき溶融熱可塑性樹脂の体積は、所望の光学的反射部材を成形できる体積であればよく、光学的反射部材内での中空部の占める体積等に依存する。即ち、キャビティ内に射出すべき溶融熱可塑性樹脂の体積は、キャビティを完全に充満する体積としてもよいし、キャビティを完全には充満しない体積としてもよい。また、所望に応じ、余剰の溶融熱可塑性樹脂がキャビティから流入するオーバーフロー部をキャビティに連通して金型に設け、光学的反射面の全域を中空部とすることも可能である。
【0023】
本発明の光学的反射部材を構成する熱可塑性樹脂は、如何なる熱可塑性樹脂であってもよく、ポリカーボネート樹脂;ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のオレフィン系樹脂;ポリスチレン樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、AES樹脂等のスチレン系樹脂;PMMA樹脂等のメタクリル系樹脂;ポリオキシメチレン(ポリアセタール)樹脂;ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミドMXD等のポリアミド系樹脂;変性ポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂;ポリフェニレンサルファイド樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂等のポリエステル系樹脂;液晶ポリマー等の熱可塑性樹脂、又は、これらの熱可塑性樹脂の少なくとも2種類以上の樹脂から成るポリマーアロイを挙げることができる。中でも、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエステル系樹脂、及び、ポリカーボネート樹脂/ポリエステル系樹脂のポリマーアロイ樹脂組成物から構成された群から選択された熱可塑性樹脂を使用することが好ましい。
【0024】
ポリカーボネート樹脂としては、芳香族ポリカーボネートを使用するのが望ましい。具体的には、2,2ビス(4−ヒドキシフェニル)−プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパンで例示される二価のフェノール系化合物の一種以上と、ホスゲンで例示されるカーボネート前駆体とから、公知の方法によって得られる重合体が例示できる。特に、本発明の光学的反射部材においては、高剛性、透明性のほか、耐熱性及び耐衝撃性の要求から、25゜Cにおけるメチレンクロライド溶融粘度より換算した粘度平均分子量15000〜30000の芳香族ポリカーボネート樹脂が好ましい。
【0025】
本発明の光学的反射部材を構成する熱可塑性樹脂には、任意の色調を与えるため、染料を配合することもできる。例えば、アゾ系染料、シアニン系染料、キノリン系染料、ペリレン系染料など通常熱可塑性樹脂の着色に使用されているものから選ぶことができる。配合量は、例えば透明性を損なわない範囲で適宜選択すればよい。また、本発明の目的を損なわない範囲で、例えば安定剤、離型剤、紫外線吸収剤の有効発現量を熱可塑性樹脂に配合してもよい。
【0026】
本発明の光学的反射部材においては、光学的反射面の表面に光学的反射膜が設けられていてもよい。また、光学的反射部材製造方法においては、工程(ニ)の後、光学的反射面の表面に光学的反射膜を形成してもよい。光学的反射膜の厚さは、光を効果的に反射できる厚さであれば良く、少なくとも50nm、好ましくは50nm〜500nm、更に好ましくは、100nm〜300nmとすることが望ましい。尚、50nm未満では、反射率が十分ではなくなる場合があり、一方、500nmを越えると光学的反射面の表面平滑性が低下し、鏡面性に問題が生じることがある。
【0027】
光学的反射膜を構成する材料として、例えば、金、白金、銀、クロム、ニッケル、リンニッケル、アルミニウム、銅、ベリウム、ベリウム銅、亜鉛等の金属、又は、これらの金属化合物、合金を挙げることができる。成膜方法として、
(a)電子ビーム加熱法、抵抗加熱法、フラッシュ蒸着等の各種真空蒸着法
(b)プラズマ蒸着法
(c)2極スパッタ法、直流スパッタ法、直流マグネトロンスパッタ法、高周波スパッタ法、マグネトロンスパッタ法、イオンビームスパッタ法、バイアススパッタ法等の各種スパッタ法
(d)DC(direct current)法、RF法、多陰極法、活性化反応法、電界蒸着法、高周波イオンプレーティング法、反応性イオンプレーティング法等の各種イオンプレーティング法、等のPVD(Physical Vapor Deposition)法
を挙げることができる。反射率とコストの観点からは、アルミニウムを真空蒸着することによって得られるアルミニウム蒸着膜から光学的反射膜を構成することが最も好ましい。
【0028】
こうして得られた本発明の光学的反射部材は、鏡面性、寸法精度、軽量性、安全性、耐久性、経済性が強く要求される、電気電子部品、自動車部品、医療用、保安用、建材用、家庭用品など多くの用途に好適な光学的反射部材である。本発明の光学的反射部材の一形態として鏡(ミラー)を挙げることができる。より具体的には、カメラ用ダハミラー、複写機用光学系ミラー、レーザビームプリンター用ポリゴンミラー等の光学系ミラーを例示することができる。
【0029】
【実施例】
以下、図面を参照して、好ましい実施例に基づき本発明を説明する。尚、実施例及び比較例において製造すべき熱可塑性樹脂製の光学的反射部材を、レーザビームプリンター用の光学反射ミラーとした。原則として、光学的反射部材は、矩形平面状の光学的反射面を有し、矩形平面状の光学的反射面は突起部によって囲まれている。ここで、光学的反射面を含む仮想平面で光学的反射部材を切断したときの光学的反射部材の外形形状は矩形であり、矩形平面状の光学的反射面の短辺と平行な方向に沿った突起部を構成する光学的反射部材の部分の幅W1を2mmとした。また、矩形平面状の光学的反射面の長辺の長さL1を233mm、短辺の長さL2を10mmとした。更には、光学的反射部材の外形寸法に関しては、矩形平面状の光学的反射面の短辺と平行な方向に沿った光学的反射部材の幅W0を14mmとし、矩形平面状の光学的反射面の長辺と平行な方向に沿った光学的反射部材の長さを290mmとした。W1/W0=0.14である。また、光学的反射面構成部分の厚さt0を6mmとした。尚、光学的反射面の平面精度の測定を、10mm直径のオプティカルフラットを用いた干渉縞を評価することによって行った。測定部位を光学的反射面の中央部とした。評価結果は、観察された干渉縞が5本以下の場合を「◎」印、干渉縞が6本以上10本以下の場合を「○」印、干渉縞が11本以上20本以下の場合を「△」印、干渉縞が21本以上の場合を「×」印で表した。
【0030】
この光学的反射部材10の長辺方向の模式的な側面図を図1の(A)に示し、光学的反射部材10の短辺の二等分線を含む垂直面で光学的反射部材10を切断したときの模式的な断面図を図1の(B)に示し、光学的反射部材10の短辺方向の模式的な断面図(図1の(A)の線C−Cに沿った模式的な断面図)を図1の(C)に示す。
【0031】
光学的反射部材10は、矩形平面状の光学的反射面12を1つ(1面)有しており、光学的反射部材10の光学的反射面の全域を構成する光学的反射部材の部分(光学的反射面構成部分)11には、加圧流体を導入することによって中空部14が形成されている。また、矩形平面状の光学的反射面12は突起部13によって囲まれている。更には、突起部13を構成する光学的反射部材の部分(突起部構成部分)の一部分13Aには、光学的反射面構成部分11に形成された中空部14から延在する中空部15が形成されている。一方、光学的反射部材10の光学的反射面構成部分11の右手側の突起部13の更に右手側には、溶融熱可塑性樹脂が射出された跡(樹脂射出部の跡)16、及び加圧流体が導入された跡(加圧流体導入部の跡)17が残っている。
【0032】
(実施例1)
実施例1においては、図2に模式的な断面図を示す射出成形用の金型20を備えた射出成形機を用いた。尚、加熱シリンダー26を除き、射出成形機を構成する要素の図示を省略した。金型20は、キャビティ24を有し、光学的反射面12を形成するための金型面を構成する入れ子23を有する固定金型部21と、可動金型部22から構成されている。固定金型部21と可動金型部22とを型締めしたとき、キャビティ24が形成される。金型20には、キャビティ24に開口した樹脂射出部25が設けられており、この樹脂射出部25は加熱シリンダー26と連通している。また、加圧流体導入部27が樹脂射出部25内に配設されており、加圧流体導入部27の一端は樹脂射出部25内に開口している。一方、加圧流体導入部27の他端は加圧流体源28に接続されている。加圧流体導入部27の他端と加圧流体源28との間には逆止弁(図示せず)が配設されており、中空部の加圧流体が加圧流体源28方向に向かって逆流しない構成となっている。樹脂射出部25は、光学的反射部材10の光学的反射面構成部分11以外の光学的反射部材の部分を形成するためのキャビティの部分に溶融熱可塑性樹脂を射出するように、金型に配設されている。即ち、樹脂射出部(ゲート部)25の近傍の金型面によっては光学的反射面は形成されない。入れ子23、固定金型部21及び可動金型部22を、ステンレススチール系材料から作製した。入れ子23の金型面の表面粗さRyを0.01μmとした。尚、表面粗さRyの測定は、JIS
B0601に準じた。
【0033】
尚、実施例1においては、射出成形機として住友重機械工業製SH−100射出成形機を用い、加熱シリンダー26を280゜Cに加熱し、金型温度を120゜Cとした。また、熱可塑性樹脂として、射出成形用の熱可塑性樹脂である粘度平均分子量21500のポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製、商品名ユーピロンS−3000R)を使用した。加圧流体として窒素ガスを用いた。
【0034】
そして、実施例1においては、熱可塑性樹脂を加熱シリンダー26内に供給し、加熱シリンダー26内で混練可塑化して溶融させた後、金型20のキャビティ24内に樹脂射出部25を介して溶融熱可塑性樹脂30を射出した。溶融熱可塑性樹脂30の射出中の状態を、模式的に図3に示す。射出時間を1秒とし、射出した溶融熱可塑性樹脂の体積をキャビティ24の体積の80%とした。そして溶融熱可塑性樹脂のキャビティ24内への射出完了と同時に、キャビティ24内の溶融熱可塑性樹脂30中に加圧流体を加圧流体導入部27から導入し、以て、光学的反射部材10の光学的反射面構成部分11に中空部14を形成し、突起部構成部分の一部分13Aに、光学的反射面構成部分11に形成された中空部14から延在する中空部15を形成した(図4参照)。キャビティ24内の溶融熱可塑性樹脂30中に加圧流体を導入する際の加圧流体の圧力を、ゲージ圧で3.7×106Pa(3.7×10kgf/cm2−G)とした。
【0035】
その後、保圧操作を行うこと無く、キャビティ24内の熱可塑性樹脂が固化、冷却するまでの間(溶融熱可塑性樹脂のキャビティ内への射出完了から40秒の間)、中空部14,15内の圧力を、加圧流体導入部27を介して中空部14,15内を加圧する加圧流体の体積によって制御し、2.0×106Pa(2.0×10kgf/cm2−G)に保持した。その後、中空部14,15内の加圧流体を、加圧流体導入部27を介して大気中に放出し、金型を開き、光学的反射部材10を取り出した。こうして得られた光学的反射部材10において、中空部14の体積は光学的反射部材10の体積の20%であり、突起部構成部分が占める体積は、光学的反射部材10の体積の5%であった。また、突起部構成部分の一部分13Aに形成された中空部15の長さ(矩形平面状の光学的反射面12の短辺と平行な方向に沿った長さ)W2は、0.2mmであった。即ち、W1=2mmであるが故に、W2/W1=0.1となった。キャビティ24内で成形された光学的反射部材10の光学的反射面12と、光学的反射面12を形成するための入れ子23の金型面との間には、光学的反射面10mm2当たり1μm以下の隙間しか存在しなかった。
【0036】
このようにして得られた光学的反射部材10の光学的反射面12の平面精度を下記の表1に示し、図1の(A)の「X1」点と「X2」点を結ぶ線分L0を基に測定した反り率を下記の表2に示す。以下の実施例及び比較例においても、反り率の測定を同様とした。
【0037】
成形した光学的反射部材10の光学的反射面12に、真空蒸着法によってアルミニウム蒸着膜を120nm成膜して、ミラーを作製した。その結果、光学的反射部材10は、通常のガラス製ミラーと同等の素晴らしい写像性(鏡面性)を有しており、被写体が鮮明に映し出された。
【0038】
(実施例2)
キャビティ24内の熱可塑性樹脂が固化、冷却するまでの間(溶融熱可塑性樹脂のキャビティ内への射出完了から40秒の間)、中空部14,15内の圧力を、加圧流体導入部27を介して中空部14,15内を加圧する加圧流体の体積によって制御し、4.8×106Pa(4.8×10kgf/cm2−G)に保持した以外は、実施例1と同様の方法に基づき、熱可塑性樹脂製の光学的反射部材を作製した。このようにして得られた光学的反射部材の光学的反射面の平面精度を下記の表1に示し、反り率を下記の表2に示す。
【0039】
(実施例3)
キャビティ24内の熱可塑性樹脂が固化、冷却するまでの間、中空部14,15内の圧力を所望の圧力範囲に保持するが、実施例3においては、かかる所望の圧力範囲を、キャビティ24内の溶融熱可塑性樹脂中に加圧流体を導入した際の加圧流体の圧力によって制御した。
【0040】
具体的には、実施例3においては、熱可塑性樹脂を加熱シリンダー26内に供給し、加熱シリンダー26内で混練可塑化して溶融させた後、金型20のキャビティ24内に樹脂射出部25を介して溶融熱可塑性樹脂30を射出した。射出時間を1秒とし、射出した溶融熱可塑性樹脂の体積をキャビティ24の体積の80%とした。そして溶融熱可塑性樹脂のキャビティ24への射出完了と同時に、キャビティ24内の溶融熱可塑性樹脂30中に加圧流体を加圧流体導入部27から導入し、以て、光学的反射部材10の光学的反射面構成部分11に中空部14を形成し、突起部構成部材の部分の一部分13Aに、光学的反射面構成部分11に形成された中空部14から延在する中空部15を形成した。キャビティ24内の溶融熱可塑性樹脂30中に加圧流体を導入する際の加圧流体の圧力を、ゲージ圧で2.0×106Pa(2.0×10kgf/cm2−G)とした。
【0041】
その後、キャビティ24内の熱可塑性樹脂が固化、冷却するまでの間(溶融熱可塑性樹脂のキャビティ内への射出完了から40秒の間)、中空部14,15内の圧力を、中空部14,15内へ導入された加圧流体の圧力によって制御した。金型を開く直前の中空部14,15内の圧力は、ゲージ圧で2.0×106Pa(2.0×10kgf/cm2−G)であった。その後、中空部14,15内の加圧流体を、加圧流体導入部27を介して、大気中に放出し、金型を開き、光学的反射部材10を取り出した。こうして得られた光学的反射部材10において、中空部14の体積は光学的反射部材10の体積の20%であった。また、突起部構成部分の一部分13Aに形成された中空部15の長さ(矩形平面状の光学的反射面12の短辺と平行な方向に沿った長さ)W2は、0.25mmであった。即ち、W1=2mmであるが故に、W2/W1=0.125となった。
【0042】
(実施例4)
キャビティ24内の熱可塑性樹脂が固化、冷却するまでの間、中空部14,15内の圧力を所望の圧力範囲に保持するが、実施例4においては、金型20には、入れ子23の代わりに可動コア29が更に備えられ、この可動コア29に光学的反射面を形成するための金型面が設けられ、かかる所望の圧力範囲を、可動コア29の位置制御によって制御する。
【0043】
具体的には、図5に模式的な断面図に示すように、例えば油圧シリンダー(図示せず)で可動させることができる可動コア29を固定金型部21に配設すればよい。そして、光学的反射部材の成形においては、型締め時、成形すべき光学的反射部材の体積(VM)よりもキャビティ24の体積(VC)が小さくなるように、固定金型部21と可動金型部22とを型締めし、且つ、キャビティ内における可動コア29の配置位置を制御する。そして、キャビティ(体積:VC)24内に溶融熱可塑性樹脂を射出し、更に、キャビティ24内の溶融熱可塑性樹脂中に加圧流体を導入して、光学的反射部材10の光学的反射面構成部分11に中空部14を形成し、突起部構成部分の一部分13Aに、光学的反射面構成部分11に形成された中空部14から延在する中空部15を形成する。その後、図示しない油圧シリンダーの作動によって可動コア29を移動させて、成形すべき光学的反射部材の体積(VM)まで、キャビティ24の体積を、段階的に、あるいは連続的に、あるいは一気に増加させる。こうして、キャビティ24内の熱可塑性樹脂が固化、冷却するまでの間、中空部14,15内の圧力を所望の圧力範囲に保持する。
【0044】
(比較例1)
比較例1においては、加圧流体の導入を行わず、中空部が形成されない光学的反射部材を成形した。具体的には、実施例1と同じ射出成形機、金型、熱可塑性樹脂を使用した、そして、熱可塑性樹脂を加熱シリンダー26内に供給し、加熱シリンダー26内で混練可塑化して溶融させた後、金型20のキャビティ24内に樹脂射出部25を介して溶融熱可塑性樹脂を射出した。射出時間を1秒とし、射出した溶融熱可塑性樹脂の体積をキャビティ24の体積の100%とした。溶融熱可塑性樹脂の射出完了後、加熱シリンダー26側から保圧圧力を1×108Pa(1×103kgf/cm2−G)とした状態で40秒間、保圧操作を行い、次いで、キャビティ24内の熱可塑性樹脂を20秒間、冷却、固化させた。その後、金型を開き、光学的反射部材を取り出した。このようにして得られた光学的反射部材の光学的反射面の平面精度を下記の表1に示し、反り率を下記の表2に示す。
【0045】
(比較例2)
溶融熱可塑性樹脂の射出完了後、加熱シリンダー26側から保圧操作を行わずにキャビティ24内の熱可塑性樹脂を冷却、固化させた以外は、比較例1と同様の方法で光学的反射部材を作製した。このようにして得られた光学的反射部材の光学的反射面の平面精度を下記の表1に示し、反り率を下記の表2に示す。キャビティ24内で成形された光学的反射部材10の光学的反射面12と、光学的反射面12を形成するための入れ子23の金型面との間には、光学的反射面10mm2当たり最大20μmの隙間が存在した。
【0046】
(比較例3)
キャビティ24内に射出した溶融熱可塑性樹脂の体積を、キャビティ24の体積の90%とし、光学的反射面構成部分の一部、及び突起部構成部分の一部にのみ中空部を形成した。即ち、中空部の形成を光学的反射面の中央部程度までとした。この点を除き、実施例1と同様の方法に基づき、熱可塑性樹脂製の光学的反射部材を作製した。このようにして得られた光学的反射部材の光学的反射面の平面精度を下記の表1に示し、反り率を下記の表2に示す。
【0047】
(比較例4)
突起部の無い光学的反射部材を成形した。光学的反射部材の外形形状を矩形(長さ290mm、幅10mm)とした。キャビティ24内に射出した溶融熱可塑性樹脂の体積を、キャビティ24の体積の80%とし、光学的反射部材の部分の一部にのみ中空部を形成した。光学的反射面を構成する光学的反射部材の部分の大きさは、長さ約233mm、幅約10mmであった。光学的反射部材の外周部には中空部が形成されておらず、光学的反射部材の外周部は中実構造を有する。これらの点を除き、実施例1と同様の方法に基づき、熱可塑性樹脂製の光学的反射部材を作製した。このようにして得られた光学的反射部材の光学的反射面の平面精度を下記の表1に示し、反り率を下記の表2に示す。
【0048】
Figure 0004227712
【0049】
Figure 0004227712
【0050】
以上、本発明を、好ましい実施例に基づき説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施例にて説明した射出成形機置や金型、使用した熱可塑性樹脂は例示であり、適宜変更することができる。また、光学的反射部材の構造や形状、寸法も例示であり、適宜設計変更することができる。
【0051】
【発明の効果】
本発明によれば、ミラーやリフレクターのように矩形形状の光学的反射面(鏡面)を有し、且つ、突起部が形成された、高精度の熱可塑性樹脂製の光学的反射部材を別工程や後工程を必要とせずに、安定した高品質にて、効率的、且つ、経済的に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例にて成形した光学的反射部材の模式的な断面図である。
【図2】実施例及び比較例にて使用した射出成形機及び金型の模式的な断面図である。
【図3】本発明の光学的反射部材の製造方法を説明するための金型等の模式的な断面図である。
【図4】図3に引き続き、本発明の光学的反射部材の製造方法を説明するための金型等の模式的な断面図である。
【図5】実施例4にて使用した金型の模式的な断面図である。
【符号の説明】
10・・・光学的反射部材、11・・・光学的反射面構成部分、12・・・光学的反射面、13・・・突起部、13A・・・突起部を構成する光学的反射部材の部分の一部分、14,15・・・中空部、20・・・射出成形用の金型、21・・・固定金型部、22・・・可動金型部、23・・・入れ子、24・・・キャビティ、25・・・樹脂射出部、26・・・加熱シリンダー、27・・・加圧流体導入部、28・・・加圧流体源、29・・・可動コア、30・・・溶融熱可塑性樹脂

Claims (8)

  1. 矩形平面状の光学的反射面を有し、該矩形平面状の光学的反射面は突起部によって囲まれた熱可塑性樹脂製の光学的反射部材であって、
    該光学的反射面の全域を構成する光学的反射部材の部分の内部には、加圧流体を導入することによって中空部が形成されており、
    突起部を構成する光学的反射部材の部分の内部の一部分には、光学的反射面の全域を構成する光学的反射部材の部分の内部に形成された中空部から延在する中空部が形成されていることを特徴とする光学的反射部材。
  2. 光学的反射面を含む仮想平面で光学的反射部材を切断したときの光学的反射部材の外形形状は矩形であり、矩形平面状の光学的反射面の短辺と平行な方向に沿った突起部を構成する光学的反射部材の部分の幅をW1、光学的反射面の短辺と平行な方向に沿った突起部を構成する光学的反射部材の部分の内部の一部分に形成された中空部の長さをW2としたとき、0.01≦W2/W1≦0.8を満足することを特徴とする請求項1に記載の光学的反射部材。
  3. 矩形平面状の光学的反射面の短辺と平行な方向に沿った光学的反射部材の幅をW0としたとき、0.1≦W1/W0≦0.3を満足することを特徴とする請求項2に記載の光学的反射部材。
  4. 矩形平面状の光学的反射面の長辺の長さをL1、短辺の長さをL2としたとき、L1/L2≧2を満足することを特徴とする請求項1に記載の光学的反射部材。
  5. 突起部を構成する光学的反射部材の部分が占める体積は、光学的反射部材の体積の1〜30%であることを特徴とする請求項1に記載の光学的反射部材。
  6. 光学的反射面を形成するための金型面を有するキャビティが設けられた射出成形用の金型を使用し、キャビティ内で成形された光学的反射部材の光学的反射面と、光学的反射面を形成するための金型面との間には、光学的反射面10mm2当たり1μm以下の隙間しか存在しないことを特徴とする請求項1に記載の光学的反射部材。
  7. 光学的反射面の反り率は1×10-3以下であることを特徴とする請求項1に記載の光学的反射部材。
  8. 光学的反射面の表面には光学的反射膜が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の光学的反射部材。
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