JP3417350B2 - 大豆蛋白加水分解物及びその製造法並びにそれを使用した製品 - Google Patents
大豆蛋白加水分解物及びその製造法並びにそれを使用した製品Info
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Description
ペプチドおよびその製造法並びに該ポリペプチドを利用
した食品素材及び食品に関する。
ともない、合成乳化剤および起泡剤に代わる天然素材の
開発が強く要望されている。天然素材としての大豆蛋白
は、従来から乳化剤、起泡剤原料として開発検討されて
おり、主に乳化剤を目的としたものでは、大豆蛋白を特
定の条件で酵素分解する方法(特開昭56−26171
号公報、特開昭57−16674号公報、特開平6−1
97788号公報)や大豆蛋白成分に注目したグリシニ
ン酸性サブユニットを利用する方法(特開昭63−36
748号公報)やグリシニン塩基性サブユニットを利用
する方法などが知られている。
豆蛋白を特定の条件で酵素分解する方法(特開昭49−
109551号公報、特開昭53−58982号公報、
特開昭58−36347号公報、特開昭60−1765
49号公報、特開昭60−184372号公報、特開昭
61−216646号公報、特開平4−311354号
公報)などが知られている。
ペプシン分解する方法や、酸沈澱大豆蛋白をペプシン分
解した後、分画した上清を起泡剤とする方法が開示され
ている(US−2,502,482 、US−3,814,816 )。US
−4,409,248 では、予め分画した7S画分を酵素分解
し、起泡剤とする方法が開示されている。またUS−4,
370,267 では、予め分画した11S画分ペプシン分解
し、起泡剤とする方法が開示されている。またUS−4,
632,903 では、微生物酵素を用いた中性付近での2段階
分解により卵白代替物の製造法を開示している。 しか
しながら、上述した従来の方法では大豆蛋白の特定画分
を分解するには、pHや塩濃度の調整により、特定画分を
予め分離した後に分解する為、非常に煩雑な工程が必要
であった。また、分解後、さらに分画する方法も回収率
が低くなる問題点があった。従って、乳化力、起泡力と
もに優れ且つ収量をも満足できるポリペプチドを得るこ
とは困難であった。
発明は食品をはじめ化粧品、トイレタリー製品、医薬品
更には工業用途などの様々な分野において利用できる乳
化性および起泡性に優れたポリペプチドおよびその製造
法並びに該ポリペプチドを利用した食品素材及び食品を
提供することにある。
素により機能改良する試みが精力的に行われてきた。こ
れまでの多くの試みは、制御された酵素分解を行う、即
ち特定の分解度合いの範囲に制御する方法が取られてい
る。例えば、乳化力を高める場合は、比較的低い分解度
合いで乳化力が向上する。一方、起泡力を高めるには更
に高い分解度合いが必要とされている。しかしながら、
これら乳化力や起泡力を共に高めるには非常に厳密な分
解度合いの制御が必要である。蛋白質は、一般に未変性
状態では、プロテアーゼに対してしばしば難分解性であ
り、大豆蛋白も同様である(S.S.Nielsenn et.al.,J. A
gric.Food Chem.,36,869(1988))。その為に、分解に際
し加熱やアルコールなどの蛋白変性の処理を施すことが
一般的である。しかしながら、予め過度の加熱やアルコ
ールなどの制御しにくい蛋白変性処理をして酵素分解を
行う為か、厳密な分解度合いの制御で酵素分解を行うこ
とは、困難であった。大豆蛋白の構成成分である7S成
分や11S成分は、外的影響による各々の変性度合いは
両者で異なることが知られている。本発明者らは、先に
11S成分、7S成分の変性状態の差を利用してある環
境条件下で加水分解することで選択的な分解が生じるこ
とを見出している。具体的には、大豆蛋白が殆ど熱履歴
を受けていない低変性の大豆蛋白質を基質に用い、これ
をpH3.0以下で反応温度45℃以下で加水分解を行っ
た場合に大豆蛋白成分中の11S成分のみが選択的に加
水分解を受けること、pH3.0より高いpH にて高温で
加水分解を行った場合に大豆蛋白成分中の7S成分のみ
が選択的に加水分解を受けることを見い出している。本
発明はこのような上記技術背景のもとに完成されたもの
であり、従来の酵素分解度合いの制御によるところでは
なく、11S成分、7S成分の変性状態の差を利用した
選択的加水分解を巧みに利用した合理的な分解法を行う
ことにその特徴がある。 [0007]大豆蛋白中の7S成分及び11S成分を別
途に加水分解する好ましい方法は、大豆蛋白中の7S成
分または11S成分のいずれかをまず選択的に加水分解
し、次いで、加水分解された画分と未分解の画分とを分
離乃至分離せず、未分解の画分を更に加水分解する方法
であり、この製造法によって、7S成分及び11S成分
に由来する以下の諸性質を有するポリペプチド混合物が
容易に得ることができる。 1)該ポリペプチドの構成成分がメルカプトエタノール
を含むSDS ポリアクリルアミドゲル電気泳動法(以下
「SDS-PAGE」という)による分析で、分子量5,000
〜35,000の範囲にあるポリペプチドが主体であ
る。 2)該ポリペプチドのゲルろ過法により主ピーク分子量
が約8,000で、分子量範囲5,000〜30,00
0が全ピークエリア面積の70%以上であり、分子量
5,000未満が全ピークエリア面積の20%以下であ
る。 3)0.22M TCA 可溶率で30〜90%である。 [0008]この発明は、又、上記のポリペプチド混合
物を利用した食品素材及び製品である。
途に加水分解する好ましい方法は、大豆蛋白中の7S成
分または11S成分のいずれかをまず選択的に加水分解
し、次いで、加水分解された画分と未分解の画分とを分
離乃至分離せず、未分解の画分を更に加水分解する方法
であり、この製造法によって、7S成分及び11S成分
に由来する以下の諸性質を有するポリペプチドが容易に
得ることができる。1)該ポリペプチドの構成成分がメ
ルカプトエタノールを含むSDS ポリアクリルアミドゲル
電気泳動法(以下「SDS-PAGE」という)による分析で、
分子量5,000〜35,000の範囲にあるポリペプ
チドが主体である。2)該ポリペプチドのゲルろ過法に
より主ピーク分子量が約8,000で、分子量範囲5,
000〜30,000が全ピークエリア面積の70%以
上であり、分子量5,000未満が全ピークエリア面積
の20%以下である。3)0.22M TCA 可溶率で30
〜90%である。
用した食品素材及び製品である。
成分の解析は、上記SDS-PAGEという公知の分析方法によ
り可能であり、標準分子量マーカーの移動度から各ポリ
ペプチドの分子量を、また、デンシトメーターによる定
量によりその含量を評価することが可能である。このよ
うにして評価する本発明のポリペプチドの主要構成成分
は、分子量約10,000、約20,000、約25,
000、約29,000、約32,000等からなる成
分を含み、デンシトメーターによる定量から、本発明の
ポリペプチドの全エリア面積に対する、分子量5,00
0〜35,000の範囲にあるポリペプチドのエリア面
積が約50%以上である。7S成分及び11成分を別途
に選択的に加水分解した両画分を全量用いた場合に比べ
て、例えば、11S成分を選択的に加水分解した画分を
多く用いる時は上記のうち分子量約10,000の成分
が多くなり他の成分が少なくなる等、両画分の配合割合
によっては分子量5,000〜35,000の範囲にあ
るポリペプチドの組成がある程度変動するものの、全エ
リア面積に対する5,000〜35,000の範囲のポ
リペプチドのエリア面積は約50%を下回らない。
分子量評価は、以下の条件で行った。(条件)カラム;
東ソー(株)製、SW3000XL(7.6mm×30cm)、
溶出液;1 %SDS 及び0.2MNaCl を含む25mM 燐酸緩衝
液(pH 7 )を用い、流速0.8 ml/分で溶出。検出;
220nmの吸光度。分析するサンプルを上記溶出液に
0.5 %濃度(0.1 %メルカプトエタノールを含む)で溶
解後、2分煮沸溶解させて、分析に供した。尚、分子量
既知の標準蛋白質の溶出時間をもとに、分子量評価を行
った。
的に用いられる0. 22M TCA (トリクロロ酢酸)可溶
率を指標として30〜90%、好ましくは40〜90%
が適当である。
のポリペプチドは、乳化性および起泡性に優れる。本発
明では乳化力の評価は、乳化活性を測定することで評価
した。乳化活性はpH4、pH5.5およびpH7に調整した
試料溶液(1重量%)3mlに大豆油1mlを加え、超音波
分散機で乳化物を調製し、0. 1%SDS 溶液で1000
倍に希釈して溶液濁度(500nmの吸光度)を測定し
た。評価は、その濁度値が高い程乳化力が高いと判断す
る。本発明のポリペプチドの乳化力はpH4で0.15以
上好ましくは0.2以上より好ましくは0.25以上、
pH5.5で0.40以上好ましくは0.5以上より好ま
しくは0.6以上、 pH 7で0.8以上好ましくは1.
0以上より好ましくは1.2以上を満たすことができ
る。
での起泡容量とその安定性により評価する。ここでは、
より評価がシビアな油系での気泡容量とその安定性によ
り評価した。すなわち、5重量%水溶液100mlに大豆
油を4ml加え、これをホモヂナイザー(日本精機社製)
により10,000rpm で1分間処理し、調製された泡
をメスシリンダーに移してその泡容量(ml)を測定し
た。安定性の評価は、起泡直後、1時間放置後の泡容量
(ml)変化から判断した。本発明のポリペプチドの起泡
力は250以上、好ましくは300以上より好ましくは
350以上である。
途に加水分解する態様としては、大豆蛋白を公知の方法
により7Sと11成分に予め分離させてから加水分解す
ることは可能であるが、そのような方法は、一般に工業
的に実施するにはシビアなpHや塩分濃度の管理の割りに
分離性が悪く、また、所定の加水分解物を得るには未分
解の成分の生成量が多くて歩留りが悪い。この点、7S
成分及び11S成分を別途に加水分解する方法として、
大豆蛋白中の7S成分または11S成分のいずれかをま
ず選択的に加水分解し、次いで、加水分解された画分と
未分解の画分とを分離乃至分離せず、未分解の画分を更
に加水分解する方法が優れている。
主構成成分である7S成分、11S成分を共に含む大豆
蛋白質を基質にして2段階の酵素分解反応を行うのがよ
く、第一分解反応によって7S成分を選択的に、第二分
解反応によって11S成分を、或いはその逆に第一分解
反応によって11S成分を選択的に、第二分解反応によ
って7S成分をそれぞれ加水分解物して得るのがよく、
上述した性質の新規なポリペプチドを容易に得ることが
できる。
性あるいは低変性のものが好ましい。丸大豆もしくはヘ
キサン等の溶剤で脱脂された低変性脱脂大豆または、こ
れらを水抽出した豆乳もしくは脱脂豆乳、更にはこれに
酸を用いて等電点沈殿させて沈殿画分を回収する低変性
の分離大豆蛋白が例示できる。これらの蛋白質が加熱等
により変性を受けているか否かは、蛋白質のDSC(Di
fferential ScanningCalorimetry )分析することによ
り判別することができる(Nagano et al.,J.Agric.Food
Chem.,40,941-944(1992))。この分析方法によれば、例
えば未変性の分離大豆蛋白の場合、その主要構成成分で
ある7S成分、11S成分に由来するそれぞれの吸熱ピ
ークが認められるのに対して、過度の変性を受けている
分離大豆蛋白の場合では構成成分の吸熱ピークが認めら
れないので、変性の有無を容易に判別できる。大豆蛋白
の中でも特に分離大豆蛋白を基質に用いる場合が最終得
られるポリペプチドの風味や乳化性、起泡性の機能の面
で好ましい。即ち低変性脱脂大豆(NSI 60以上、好ま
しくはNSI 80以上)をpH6〜9、好ましくはpH6. 5
〜8.0の範囲で7倍〜15倍加水し、60℃以下、好
ましくは50℃以下で抽出し、オカラ成分を除去した脱
脂豆乳を等電点沈殿させて沈殿画分を回収したものが好
適である。また、これら脱脂大豆、脱脂豆乳、分離大豆
蛋白はその調製過程中において乳化性や起泡性にとって
好ましくないフィチン酸を分解または除去操作されたも
のも好適である。
水分解する場合は、上記の大豆蛋白を基質とし、1〜3
0%蛋白濃度の溶液に対して、蛋白加水分解酵素を基質
固形分に対して0. 001〜1%、好ましくは0. 01
〜0. 5%の範囲で添加し、45℃以下、好ましくは3
0〜40℃においてpH3.0以下、好ましくはpH1.8
〜2.5で、反応時間4時間以内の短時間、好ましくは
10分〜2時間に0.22M TCA 可溶率で10〜50%
となるまで反応するのがよい。反応温度が45℃を越え
ると11S成分以外に7S成分も同時に分解を受け易く
なり11S成分の選択的な分解が困難となりまた、11
S成分の分解物自体もより低分子化するため乳化性、起
泡性が低下する。また、反応時間が長すぎても11S成
分の分解物がより低分子化するため、前記同様に物性と
風味の低下が起こり好ましくない。
3. 0以下で活性を示す蛋白加水分解酵素全般が適当で
あり、動物由来のペプシン、カセプシンや微生物由来の
一連のアスパルチックプロテアーゼ類等の例えば「ニュ
ーラーゼF 」、「プロテアーゼM 」(天野製薬株式会社
製)、「スミチームLP」(新日本化学株式会社製)等の
市販酵素剤を用いることが出来る。中でもペプシンは好
適である。
分解するには、上記の大豆蛋白を基質とし、0. 5%〜
20%蛋白濃度の溶液に対して、蛋白加水分解酵素を基
質固形分に対して0. 001〜0.5%、好ましくは
0. 01〜0. 5%の範囲で添加し、反応温度50℃以
上、好ましくは55〜85℃においてpH3.0より高い
pH 、好ましくはpH3.5〜8.0で、反応時間2時間
以内の短時間、好ましくは10分〜30分程度で、0.
22M TCA 可溶率で10〜50%となるまで反応するこ
とで実施できる。尚、pH4〜5における大豆蛋白の等電
点近傍においても反応可能であるが、基質の分散性が著
しく低下する為、酵素反応率が悪くなるので、このpH域
で反応するのは得策でない。
℃を越え90℃未満、とりわけ55〜85℃において蛋
白質分解活性を有する酵素剤であることが必要である。
これらは植物や動物臓器或いは微生物起源の市販酵素剤
等その起源は特に限定されない。
未分解の画分を分離する場合は、pH分画が簡便で好適で
あり、11S成分の選択的加水分解物を回収する場合pH
3〜5、好ましくはpH3. 5〜4. 5の範囲に調整し、
7S成分の選択的加水分解物を回収する場合pH3〜6、
好ましくはpH3. 5〜5. 5の範囲に調整し、選択的加
水分解物を主体とする上清画分とし、未分解の画分を主
体とする沈殿画分を遠心分離やフィルタープレス分離等
で各々回収する。
解反応に供する。未分解の画分が上記のように沈殿画分
である場合には、加水して、第一分解反応とは異なる条
件にて第二分解反応を行う。例えば11S成分を第一分
解反応した後であると、45℃より高い反応温度または
pH3より高いpHで7S成分に富んだ画分を第二分解反応
する。とりわけpH3以下、温度50℃以上で第二分解反
応するのが好適である。7S成分を第一分解反応した後
であると、11S成分に富んだ画分を第二分解反応す
る。この場合特にpH3.0以下、反応温度45℃以下で
行うことが好適である。尚、7S成分を第一分解反応
し、11S成分に富んだ画分を第二分解反応する場合
は、上記pH3.0以下、反応温度45℃以下で行う反応
を選択的に行うことができるので、第一分解反応後の分
離操作は必ずしも必要ではなく、第一分解反応液をその
まま第二分解反応に移すことも出来る。第二分解反応に
用いる蛋白分解酵素は反応pHで活性を持つものであれば
良く、前述した酵素が例示される。反応時間は2時間以
内の短時間、好ましくは10分〜30分程度で、0.2
2M TCA 可溶率で10〜50%程度に分解する。
解物と第二分解反応で得られた分解物を全量用い、又は
一方若しくは両方の分解物に精製を行って任意の割合に
例えば9:1〜1:9で混合して、本発明の大豆蛋白に
由来するポリペプチドを調整する。また両分解物を含む
ことによって良好な性質を持つポリペプチドを高収率で
得ることができる。このポリペプチドは任意のpHに調整
し、必要であれば油脂、乳化剤、糖類、その他蛋白質を
殺菌前あるいは後に混合し、そのまま或いは濃縮して液
状のまま、或いは乾燥により粉末状の製品とすることが
できる。また、混合液中に含まれる溶解性の低い蛋白
や、大豆由来の微量成分であるフィチン酸は、乳化力
(特に酸性域)および起泡力(特に起泡安定性)に悪影
響を及ぼし易いので、これらの成分を除去することによ
り、乳化力および起泡力を一層向上させることができ
る。更に、これらの微量成分を除去しても70%以上の
固形物回収率を確保出来る。これらの成分の除去は、ポ
リペプチドの液をそのまま、好ましくはアルカリ土類金
属の水酸化物又は塩例えば水酸化Ca、塩化Ca、炭酸Ca、
乳酸Ca、硫酸Ca、グリセロリン酸Ca、クエン酸Ca、グル
コン酸Ca、リン酸Caのいずれか1種または2種以上のCa
塩を混合液の固形分に対して1〜6%添加し、pHを2〜
4または5〜9、好ましくはpH5. 5〜7. 5に調整
し、生じる不溶物を除去して行うことができる。更に
は、混合液をフィターゼ(広義にはフィチン酸分解活性
を有する酵素)による酵素反応を行い、フィチン酸を加
水分解した混合液を得る。そして更にはフィターゼによ
る分解後の混合液のpHを2〜4または5〜9、好ましく
はpH5. 5〜7. 5に調整し、生じる不溶物を除去した
フィターゼ処理混合上清画分を得る。これらの方法はポ
リペプチドの乳化力、起泡力をより高めることが出来
る。
のように優れた乳化力、起泡力を示すので、該ポリペプ
チドは食品分野、化粧品分野、トイレタリー分野、医薬
品分野その他工業用途において、界面活性剤、乳化剤、
乃至起泡剤の有効成分として使用でき、従って、該ポリ
ペプチドを含有する各種の添加剤、例えば、冷菓用添加
剤、メレンゲ用添加剤、ヌガー用添加剤、フラワーペー
スト用添加剤、スポンジケーキ用添加剤、クリーム用添
加剤、含油飲料用添加剤等として単独または他の添加剤
と併用して使用できるし、該ポリペプチドを含んだ各種
乳化製品乃至起泡物製品、例えば、アイスクリーム等の
冷菓、メレンゲ製品(メレンゲ、シホンケーキ、焼成メ
レンゲ)、ヌガー、フラワーペースト、スポンジケー
キ、クリーム、含油飲料等を好適に得られる。該ポリペ
プチドは又、起泡した食品に用いて、軽い食感と良好な
保形性を付与し、又起泡により生じた泡の安定に寄与す
る。各種乳化製品乃至起泡製品に用いる該ポリペプチド
の量は、目的に応じて容易に実験的に定めることができ
るが、通常乳化製品乃至起泡製品中、0.05〜5.0
重量%の範囲にあることが多い。該ポリペプチドは特に
酸性領域において従来のポリペプチドより一段と優れた
乳化力、起泡力を示すので、酸性領域の製品乃至酸性領
域で使用する製品、例えば、マヨネーズ、ドレッシン
グ、コーヒークリーム、コーヒー飲料、酸性飲料、ソー
ス(ミートソース、デミグラスソース等)等に好適に用
いることができる。また、該ポリペプチドは高い保油力
を有し、加熱や機械的作用例えば剪断力に対して油分離
を防止するので保油剤としても機能する等、各種の油脂
を含有する加熱食品乃至食品素材に好適に用いることが
できる。更に、該ポリペプチドは抗酸化能も有するの
で、抗酸化剤の有効成分としても使用できる。
有する上記以外の澱粉性食品、とりわけ、バッター製品
(天ぷらや豚カツやホットケーキ等)の老化を防止し、
保存後の食感をソフトに保つ効果があるので、澱粉性食
品用添加剤として使用でき、ひいては該ポリペプチドを
含有する澱粉性食品を好適に得ることができ、例えばバ
ッター中0.05〜5.0重量%、好ましくは0.1〜
3.0重量%の範囲がよい。
的に説明するが、本発明がこれらによってその技術範囲
が限定されるものではない。
0)に40℃の温水10倍量を加え、これにNaOH溶液を
加えてそのpHを7. 0に調整した。これを緩やかに撹拌
して1時間抽出し、遠心分離機にて不溶画分のオカラと
可溶画分の脱脂豆乳とに分離した。得られた脱脂豆乳に
塩酸を加えてそのpHを4. 5に調整し、生じた蛋白質沈
殿物を遠心分離機にて回収し分離大豆蛋白カードを得
た。なお、この分離大豆蛋白カードにおいては、固形分
が40重量%であり、この固形分中における粗蛋白質純
度が95重量%であった。又、DSC分析を行った結
果、7S成分、11S成分に由来するそれぞれの吸熱ピ
ークが認められた。次いで、分離大豆蛋白カードに加水
し塩酸を加えてpH2. 0、分離大豆蛋白10重量%に調
整し、この溶液1L に対してペプシン(日本バイオコン
社製)200mgを加え、37℃で30分間加水分解した
(第一反応)。反応液を電気泳動で分析した結果、大豆
蛋白中の11S成分は選択的に加水分解され、11S成
分に相当する移動度のバンドは消失し、11S成分に由
来するポリペプチド成分、および分解を受けていない7
S成分に相当する移動度のバンドが認められた(図1、
サンプル2)。第一反応の反応液は、NaOH溶液を用いて
pH4. 5に調整し生じてくる沈殿を遠心分離機にて11
S成分の分解物を含んだ上清画分と7S成分に富んだ沈
殿画分とに分離した。なお、第一反応の反応液の0. 2
2M TCA 可溶率は、25%、pH分画後の上清画分の0.
22M TCA 可溶率は72%、pH分画後の上清画分の容量
回収率は80%、pH分画後の上清画分の固形分回収率は
24%であった。沈殿画分は、加水し塩酸を加えてpH
2. 0、固形分7重量%に調整し、この溶液1L に対し
てペプシン100mgを加え、60℃で20分間再度加水
分解を行った(第二反応)。反応液の0. 22M TCA 可
溶率は46%であった。第二反応の反応液は、前記第一
反応の上清画分と混合し、NaOH溶液を用いてpH6. 5に
調整した後、これを噴霧乾燥させてポリペプチド(T−
1)を調製した。得られたポリペプチドの組成は、粗蛋
白質84%、灰分11%、水分5%であり、0. 22M
TCA 可溶率は52%であった。
混合液を用い、その固形分に対して3重量%の水酸化Ca
を添加し、更にNaOH溶液を用いてpH6. 5に調整し、こ
れを140℃、7秒の高温短時間加熱処理を行った後室
温まで冷却し不溶成分を5000Gにて10分間遠心分
離にて除去し、混合上清画分を得、これを噴霧乾燥させ
てポリペプチド(T−2)を調製した。得られたポリペ
プチドの組成は、粗蛋白質76%、灰分15%、水分5
%であり、0. 22M TCA 可溶率は70%で固形物回収
率で71%であった。
3.5、分離大豆蛋白10重量%に調整し、この溶液1
L に対してペプシン(日本バイオコン)200mgを加
え、70℃で30分間加水分解した(第一反応)。反応
液を電気泳動で分析した結果、大豆蛋白中の7S成分は
選択的に加水分解され、7S成分に相当する移動度のバ
ンドは消失し、7S成分に由来するポリペプチド成分、
および分解を受けていない11S成分に相当する移動度
のバンドが認められた。反応液を37℃まで冷却して塩
酸を加えてpH2. 0に調整し、この溶液1L に対してペ
プシン200mgを加え、37℃で30分間加水分解した
(第二反応)。反応液をNaOH溶液を用いてpH6. 5に調
整した後、これを噴霧乾燥させてポリペプチド(T−
3)を調製した。得られたポリペプチドの組成は、粗蛋
白質85%、灰分10%、水分5%であり、0. 22M
TCA 可溶率は56%であった。
3)をSDS-PAGEにより分析した。結果を図1に示す。ゲ
ルろ過法による分子量評価の結果を表1に示す。更に、
乳化力、起泡力評価を表2、3に示す。
の分子量を有するポリペプチドを主体とするもので各pH
条件で高い乳化力また高い起泡力とその安定性を有して
いた。
2. 0、分離大豆蛋白10重量%に調整し、この溶液1
L に対してペプシン200mgを加え、60℃で2時間加
水分解した。この反応液を電気泳動で分析したところ1
1Sだけでなく7Sも分解していた。この反応液をNaOH
溶液を用いてpH6.5に調製し遠心分離機にて上清画分
を分離し、これを噴霧乾燥させて、比較製造例1(サン
プルt−1)を得た。
液を用いてpH4. 5に調製し遠心分離機にて上清画分と
沈殿画分とに分離し、沈殿画分に加水し塩酸を加えてpH
2. 0、7重量%に調整し、この溶液1L に対してペプ
シン100mgを加え、60℃で20分間再度加水分解を
行った後、該上清画分と混合して混合液としNaOH溶液を
用いてpH6. 5に調整後、これを噴霧乾燥させて、比較
製造例2(サンプルt−2)を得た。
に、乳化力、起泡力評価の結果を表5、6に示す。
分子量のペプチドが主体で、乳化力、起泡力が劣るもの
であった。
チドを用いてマヨネーズ様ドレッシングの調製を試み、
更にその粒子径を測定することで評価を行った。ドレッ
シングの調製は下記のサラダ油を除く配合物を混合後、
サラダ油を添加しながら乳化しマヨネーズ様ドレッシン
グを調製した。この調製品の粒子径をレーザー粒度分布
計(堀場製作所社製LA−500)にて測定した。
示し、他は分離や分離ぎみの柔らかいものにしか調製で
きなかった。また、粒子径の比較でも同様の効果が見ら
れ、本発明ポリペプチドはマヨネーズ様ドレッシングの
乳化剤として良好な品質が得られることが判った。
チドを用いてコーヒー用乳化物の調製を試みた。すなわ
ち、下記配合物を60℃で超音波分散機で乳化して調製
した。
0g 、砂糖50g を1L の水に溶解して(pHを7に調
整)、80〜85℃に加熱したコーヒー液100mlに、
上記コーヒークリーム用乳化物を約10mlずつ添加、撹
拌した後、オートクレーブで120℃、10分加熱し
た。加熱後の各乳化状態を観察し、コーヒークリーム用
乳化物としての品質を評価した。
でき、耐熱性に優れてることが判った。不溶物除去操作
をした物(T−2)は、品質が特に優れていた。
チドを用いて起泡製菓であるヌガーを調製した。
た10重量%試料溶液100g を調製し、これをホイッ
パ羽を用いてケンウッドミキサ(愛工舎製作所社製「プ
ロKM- 230」)にて5分間、最高回転で起泡させてメ
レンゲ様の泡塊を調製した。次いで硬化なたね油を除く
配合物870g を130℃まで昇温させ、これをメレン
ゲ様の泡塊に混合した後、硬化なたね油30g を加え、
ケンウッドミキサにて低速回転で均一に混合するまで練
り、ヌガーを調製した。メレンゲ様の泡塊の比重、調製
直後のヌガーの比重、調製1日後のヌガーの保形状態を
評価した。
性を示し、かつヌガーにおいて起泡の耐熱、耐油安定性
の効果が認められ、軽い食感と保形性の良好なヌガーが
調製できた。
3に示し、実施規模は3.0Kgとした。試作手順は、5
5℃の水に加工澱粉を溶解膨潤させ、そこにラクトアル
ブミン、脱脂粉乳、上白糖、デキストリン、分離大豆蛋
白(C−1)またはポリペプチド(T−1、T−2、T
−3、C−2、C−3、C−4)を徐々に加えて分散し
良く溶解させた。次いで予め融解しておいた菜種硬化油
と卵黄を更に加えて良く撹拌して溶解させた。その溶液
を、高圧ホモゲナイザー(圧力200Kg/cm2)に通して均質
化した。その後、予め溶解しておいたクエン酸とクエン
酸ナトリウム及びソルビン酸カリウムを添加し、pHを
5.7〜5.9とした。そして、適量の香料と色素を添
加した後加熱処理してクリーム状のペーストを調製し
た。加熱処理は100℃で2分間行った。その後冷却し
て一晩常温で放置した後、製品の物性評価を行った。
化工業製のホモミキサー「TK.HOMOMIXER, MARK2, MODEL
2.5」を使用し、均質化には三和機械製の高圧ホモゲナ
イザー「HA-4160 」を使用した。また、加熱処理は、縦
型の真空ニーダーで外側の全体を覆ったジャケットに蒸
気を注入して間接加熱処理する方法で行った。
ンとして「サンラクトN5」(太陽化学製)、凍結卵黄と
して「ゴールドヨーク」(キユーピー( 株) 製)、加工
澱粉として「サームフロ」(日本エヌエスシー(株)
製)を使用した。また、脱脂粉乳は蛋白質素材及び乳味
を生む呈味剤として用いた。
り袋に入れ、そこから5g づつ線状にろ紙上に絞り出
し、1g の水と共に缶に入れて密封し、200℃のオー
ブンで10分間蒸し焼成した時の製品の保型性及び油の
染みだし状態を観察して判断した。
高点として5段階の点数で評価し、その平均点を評点と
した。保型性は、焼成前の形がそのまま残っているもの
を最良で5点とし、油染みはろ紙上に現われた油脂の量
が少ない程高得点として、全く油染みが観察されないも
のを5点とした。また、製造時の加熱処理直後にも生地
の表面に油の染み出しの有無を観察しながら、その点も
評価対象とした。
量%) ここで、実施例1−1−1及び1−1−2に使用した試
料ポリペプチドは製造例1で調製されたポリペプチド
(T−1)であり、実施例2−1及び3−1に使用した
試料ポリペプチドは製造例2及び3で調製された各ポリ
ペプチド(T−2,T−3)である。比較例3−1、4
−1、5−1、6−1に使用した試料C−1、C−2、
C−3、C−4は下記のサンプルである。 C−1;分離大豆蛋白である。 C−2;分離大豆蛋白カードに加水を行い、塩酸を用い
てpH2.0 、分離大豆蛋白10重量% に調製し、この溶液1
リットルに対してペプシン(日本バイオコン製)200mg
を加え、60℃で2 時間加水分解した。なお、ペプシン分
解後の反応液の最終0.22モルTCA 可溶率は、51% であっ
た。この反応液を電気泳動で分析したところ11S だけで
なく7Sも分解していた。この反応液をNaOH溶液を用いて
pH7.0 に調整後、殺菌加熱、噴霧乾燥にて選択的加水分
解を伴わない分離大豆蛋白酸性加水分解物である。 C−3;分離大豆蛋白カードに加水を行い、NaOH溶液を
用いてpH7.5 、分離大豆蛋白10重量% に調整し、加熱殺
菌した後、この溶液1 リットルに対してアルカリプロテ
アーゼプロチンA10LF(大和化成製) 300mg を加え、55℃
で30分間加水分解した。なお、プロチン分解後の反応液
の最終0.22モルのTCA 可溶率は19% であった。この反応
液を電気泳動で分析したところ11S だけでなく7Sも分解
していた。この反応液を殺菌加熱、噴霧乾燥にて選択的
加水分解を伴わない分離大豆蛋白中性加水分解物であ
る。 C−4;分離大豆蛋白カードに加水し塩酸を加えてpH2.
0 、分離大豆蛋白10重量% に調製し、この溶液1 リット
ルに対してペプシン(日本バイオコン製)200mg を加
え、37℃で30分間加水分解し、11S 成分を選択的に加水
分解した。次いで分画操作を行わずにこの反応液をNaOH
溶液を用いてpH7.0 に調整後、殺菌加熱、噴霧乾燥にて
選択的加水分解を伴わない分離大豆蛋白加水分解物であ
る。
格)、×;不良)
−1で得られる本発明のフラワーペーストのみが風味、
物性ともに良好な品質に調製できることが判った。ま
た、比較例3−1から比較例7−1の結果からも明らか
なように、分離大豆蛋白、分離大豆蛋白加水分解物及び
ラクトアルブミン単独使用では良好な結果は得られない
ことが認められた。
に含む大豆蛋白を基質としこれを2段階の酵素反応によ
って7S成分及び11S成分を別途に加水分解して得ら
れるポリペプチドが、優れた乳化力を持つために、これ
まで卵黄を添加した場合に生じていた乳化破壊が起らな
くなり良好な保型性と油染みの防止に貢献したものと考
えられる。
が、その有用性を工業的規模と方法で検証し実証するた
めに以下の如く実施した。すなわち、先述の実施例1−
1−2の配合を用いて、50Kg規模で以下の方法で実施
した。溶液の調製は100リットル容量の溶解タンクで
行い、それに溶解機としては縦型のプロペラ撹拌羽根が
付属されている。
記の実施例と同様に溶解タンクに55℃の水に加工澱粉
を溶解膨潤させ、そこにラクトアルブミン、脱脂粉乳、
上白糖、デキストリン、分離大豆蛋白またはポリペプチ
ドを徐々に加えて分散し良く溶解させた。次いで予め融
解しておいた菜種硬化油と卵黄を更に加えて良く撹拌し
て溶解させた。その溶液を、高圧ホモゲナイザー(圧力
200Kg/cm2)に通して均質化した。その後、予め溶解
しておいたクエン酸とクエン酸ナトリウム及びソルビン
酸カリウムを添加し、pHを5.8とした。
作所製オンレータ「HAX0604DA0604-2 」で行った。これ
は高温高圧下での処理で、製品は2.0 〜3.0Kg /cm2 背
圧のバレルを縦型のスクリューにてかき出した。バレル
の外側ジャケットには1.2Kg/cm2 の蒸気を導入して間
接的に加熱した後、冷却する同機のシステムで70℃ま
で冷却した。
格)、×;不良)
例1−1−2と殆ど同等で、良好な品質に調製でき、工
業的規模での調製においても問題ないことが確認され
た。
菓) 実施例、比較例での使用乳化剤の種類及び添加量は表−
16に示し、実施規模は5.0Kgとした。
シ油)8部、水67.25部、試料ポリペプチド(T−
1)0.3部から成る冷菓ミックスを70℃に加温し、
30分間ホモミキサー(特殊機化工業製)で10,000rpm
で撹拌し、予備乳化させた。次にこの冷菓ミックスを1
00kg/cm2 の圧力下で均質化し、85℃で30秒の加
熱殺菌を行った。この溶液を急速に冷却した後、5℃で
一晩エージングした。エージング後、フリージングを行
い、容積100ml のカップに充填し、急速凍結した後、−
25℃で3日間保存した。
菓のオ−バ−ランや保型性の評価及び官能評価を行っ
た。保型性については温度30℃で相対湿度80%の条
件下で、一定時間に溶解する冷菓の落下量を測定し、実
験供試量に対する落下割合(%)により示した。また、
官能評価についてはベテランの5人が良好・不良の基準
により風味を判定した。
(T−1)を0.2部とステアリン酸モノグリセリド
(MS)を0.1部使用して、冷菓ミックスを調製し、
以下同様の手順により冷菓を調製した。製造した冷菓に
ついて実施例1−2−1と同様に各種評価を行った。
(T−1)を0.1部とステアリン酸モノグリセリド
(MS)を0.2部使用して、冷菓ミックスを調製し、
以下同様の手順により冷菓を調製した。製造した冷菓に
ついて実施例1−2−1と同様に各種評価を行った。
(T−1)を用いず、かわりにステアリン酸モノグリセ
リド(MS)を0.3部使用し、冷菓ミックスを調製
し、以下同様の手順により冷菓を調製した。製造した冷
菓について実施例1−2−1と同様に各種評価を行っ
た。
(T−1)を用いず、乳化剤としてステアリン酸モノグ
リセリド(MS)0.2部とオレイン酸モノグリセリド
(MO)を0.1部使用し、冷菓ミックスを調製し、以
下同様の手順により冷菓を調製した。製造した冷菓につ
いて実施例1−2−1と同様に各種評価を行った。
(T−1)を用いず、乳化剤としてステアリン酸モノグ
リセリド(MS)0.1部とオレイン酸モノグリセリド
(MO)を0.2部使用し、冷菓ミックスを調製し、以
下同様の手順により冷菓を調製した。製造した冷菓につ
いて実施例1−2−1と同様に各種評価を行った。
(T−1)を用いず、乳化剤としてオレイン酸モノグリ
セリド(MO)を0.3部使用し、冷菓ミックスを調製
し、以下同様の手順により冷菓を調製した。製造した冷
菓について実施例1−2−1と同様に各種評価を行っ
た。
(T−1)にかえて試料ポリペプチド(T−2)を0.
3部使用し、冷菓ミックスを調製し、以下同様の手順に
より冷菓を調製した。製造した冷菓について実施例1−
2−1と同様に各種評価を行った。
(T−1)にかえて試料ポリペプチド(T−3)を0.
3部使用し、冷菓ミックスを調製し、以下同様の手順に
より冷菓を調製した。製造した冷菓について実施例1−
2−1と同様に各種評価を行った。
(T−1)を0.4部使用し、冷菓ミックスを調製し、
以下同様の手順により冷菓を調製した。製造した冷菓に
ついて実施例1−2−1と同様に各種評価を行った。
(但し、全体量は水分により調節した。)
(T−1)を0.6部使用し、冷菓ミックスを調製し、
以下同様の手順により冷菓を調製した。製造した冷菓に
ついて実施例1−2−1と同様に各種評価を行った。
(但し、全体量は水分により調節した。)
(T−1)を0.8部使用し、冷菓ミックスを調製し、
以下同様の手順により冷菓を調製した。製造した冷菓に
ついて実施例1−2−1と同様に各種評価を行った。
(但し、全体量は水分により調節した。)
いる様に本発明の試料ポリペプチドを使用した冷菓はそ
の添加量に応じてオ−バ−ランが高くなり、保型性も増
加している。しかも、ステアリン酸モノグリセリド(M
S)の添加量が減ることにより風味が改善される傾向に
ある。一方、比較例8−2〜11−2ではオレイン酸モ
ノグリセリド(MO)の作用により、著しく保型性は高
いが、風味は逆に著しく悪化する傾向にある。これらの
ことを総合すると、本発明のポリペプチドを使用するこ
とにより、保型性と風味の双方を改善することができる
ことがわかる。また、調製方法を変えた本発明のポリペ
プチドT−2、T−3についても実施例2−2、3−2
に示す様にT−1と同様な効果がある。また、本発明品
の添加量を変化させた実施例1−2−4、1−2−5、
1−2−6に示される様に良好な風味でオ−バ−ランも
保型性も上昇する傾向にある。従い、オ−バ−ラン調整
剤としての使用も可能である。
チドを用いて卵白メレンゲを原料とする焼きメレンゲ菓
子を調製した。
に使用した試料ポリペプチドはそれぞれ製造例1〜3
(T−1、T−2、T−3)、比較製造例1〜2(t−
1、t−2)で調製された各ポリペプチドである。メレ
ンゲの調製は、凍結卵白を解凍して得た卵白液100重
量部に対して試料1重量部添加し、これをホイッパー羽
根を用いてケンウッドミキサ(愛工舎製作所社製「プロ
KM- 230」)にて低速攪拌(100rpm )で30秒間
攪拌後、高速攪拌(300rpm )し、これに砂糖50重
量部を少しずつ添加し、攪拌時間を3分間および8分間
ホイップし、メレンゲ比重の異なる2種類を調製した。
次いで、このメレンゲをそれぞれ絞り袋に入れ、クッキ
ングシートの上に星型の口金を通じて絞り出し、105
℃のオーブンで1時間焼成し、焼成メレンゲの外観およ
び内部の状態を観察した。
〜2−3の場合、得られるメレンゲは安定性に欠け、メ
レンゲの泡質は、固いがクリーム感に欠け、撹拌で脆く
崩れる泡質であった。更にこれを焼成した場合は、撹拌
3分の焼成メレンゲの外観は星型のエッジ部分がやや崩
れ、内部は泡が一部破泡しきめが粗くなった。更に攪拌
8分の焼成メレンゲは、外観が明らかに歪んで変形し、
内部も空洞状態で良好に焼成できなかった。一方、実施
例1−3〜3−3のポリペプチドを配合したものは、両
者とも攪拌時間に関係なく、メレンゲの安定性および泡
質は良好で、得られた焼成メレンゲは、加熱前と外観の
変化がなくくっきりと星型のエッジが残っており、また
内部の気泡状態もきめが細かく良好な焼成メレンゲが、
調製できた。
チドを用いて卵白メレンゲを原料とする別立てケーキの
シフォンケーキを試作評価した。
に使用した試料はそれぞれ製造例1〜3、比較製造例1
〜2で調製された各ポリペプチドである。
に従って卵白液に試料と食塩を添加し、これをホイッパ
ー羽根を用いてケンウッドミキサ(愛工舎製作所社製
「プロKM−230」)にて低速攪拌(100rpm )で3
0秒間攪拌後、高速攪拌(300rpm )し、ホイップ時
間1分過ぎから、砂糖を少しずつ添加し、最終4分間高
速撹拌し、卵白メレンゲを調製した。 このメレンゲの
1/3量を別途、卵黄、砂糖、サラダ油、薄力粉を均一
混合させた卵黄生地に添加して均一分散させ、更に残り
のメレンゲ全量を加えて緩やかに混ぜ、シフォンケーキ
の生地とした後、この生地140g をシフォンケーキN
o.4型に入れ、180℃、30分間焼成し、シフォン
ケーキを調製した。シフォンケーキの評価は、10名の
パネラーによる官能評価にて実施し、風味、口溶けを5
段階評価した。また、合わせてシフォンケーキの生地を
30分放置した場合の生地安定性についても評価した。
良 1:極めて不良
ペプチドを使用した場合、より比重の軽いメレンゲが調
製できる。またメレンゲの安定性が向上することで卵黄
生地を添加した場合にも生地比重の上昇が抑えられ、シ
フォンケーキ生地の安定性が向上し、最終焼成したシフ
ォンケーキは、外観、風味、口溶けの総合評価が無添加
および比較例1−4〜2−4よりも優れたケーキに調製
できた。
(T−1)を0.25重量部、0.5重量部、1重量部
を添加し、これをホイッパー羽根を用いてケンウッドミ
キサ(愛工舎製作所社製「プロKM- 230」)にて低速
攪拌(100rpm )で30秒間攪拌後、高速攪拌(30
0rpm )し、これに砂糖50重量部を少しずつ添加し、
攪拌時間を3分にて各添加量の異なるメレンゲを調製し
た。また、同様の方法にて卵白のみのメレンゲも調製し
た。各メレンゲを−20℃で一晩凍結した後、自然解凍
したメレンゲの状態および蛋白の凍結変性の割合につい
て調べた。また、解凍メレンゲを用いて実施例(メレン
ゲ)と同様方法で焼成メレンゲを調製した。蛋白の凍結
変性の割合は、解凍したメレンゲをシリコンを用いて消
泡させた後、遠心分離にて変性して不溶化した蛋白を回
収し、これを再度水洗、遠心分離して変性しなかった蛋
白を除去した。凍結処理で不溶化しなかった蛋白量をLo
wry法にて測定し、凍結前の蛋白量から、凍結変性した
蛋白量を求めた。
添加でのメレンゲが凍結により蛋白変性がおこり、メレ
ンゲ物性に著しいダメージが起るのに対して、本発明品
を添加調製したメレンゲは、凍結による蛋白変性を防止
し、凍結保存しても未凍結品と同等の品質を維持してい
た。また、焼成メレンゲも同等の品質を維持していた。
これによって、本発明品を添加することで従来不可能で
あったメレンゲの凍結保存も可能であり、現場等での作
業性向上や新規なメレンゲ食品等の開発に応用できると
考えられる。
チドを用いて缶コーヒーを調製した。
に使用した試料ポリペプチドはそれぞれ製造例1〜3、
比較製造例1〜2で調製された各ポリペプチドである。
缶コーヒーの調製は、60℃の温水1005gに重曹
1.95g、試料7.5g、グラニュー糖90g、P1
670(三菱化成株式会社製)0.45g,普通牛乳3
75g、インスタントコーヒー(株式会社ネスレ製)2
2.5gを特殊機化工業製のホモミキサーを使用し、3
000rpmで次々と分散させた。所要時間は約20分
間である。pHがおよそ6.8となることを確認後、高圧
ホモゲナイザー(製)で150kg/cm2 の圧力によ
り溶液を均質化した。その後200g容量缶に充填し、
レトルト処理をした。加熱条件は124℃で15分間処
理した。その後、65℃の恒温槽で2週間保存したもの
と、25℃の恒温槽に2週間保存したものとに別け、2
週間後冷蔵庫5℃で2日間保存した。その後開封して中
の液体の状態を確認した。
の発生が非常に顕著であった。比較例1−5及び比較例
2−5では沈殿物の発生が若干乃至多少確認された。対
して、実施例1−5、2−5、3−5ではオイルリング
の発生が明らかに少なく、且つ、沈殿凝集物も殆ど見ら
れなかった。また、比較例3−5として実施例3−5で
使用した試料の配合量を0.01重量部に変更して調整
したところ、オイルリングの発生が多く確認された。比
較例4−5として実施例3−5で使用した試料の配合量
を3重量部配合した結果、イオウ臭的な悪風味と強い違
和感のある苦みが確認され品質としては不適切と判断し
た。尚、上記評価は65℃で保存した場合の評価である
が、25℃で保存した場合も同様な傾向であった。
チドを用いて市販の紅茶飲料への試料の添加による改善
効果を評価した。
に使用した試料ポリペプチドはそれぞれ製造例1〜3、
比較製造例1〜2で調製された各ポリペプチドである。
ポリペプチドを紅茶花伝(日本コカコーラ株式会社製)
に分散した後,高圧ホモゲナイザー(特殊機化工業製)
で150kg/cm2 の圧力により溶液を均質化した。
その後200g容量缶に充填し、レトルト処理をした。
加熱条件は124℃で15分間処理した。その後、65
℃の恒温槽で2週間保存したものと、25℃の恒温槽に
2週間保存したものとに別け、2週間後冷蔵庫5℃で2
日間保存した。その後開封して中の液体の状態を確認し
た。
状態と同様にオイルリングの発生が非常に顕著であっ
た。比較例1−6では沈殿凝集物の発生が若干確認さ
れ、比較例2−6では沈殿物の発生は少ないがオイルリ
ングの発生は無添加と大差がなく効果が認められなかっ
た。対して、実施例1−6、2−6、3−6ではオイル
リングの発生が明らかに少なく且つ、沈殿凝集物も殆ど
見られなかった。また、比較例3−6として実施例3−
6で使用した試料の配合量を0.01重量部に変更して
調整したところ、オイルリングの抑制効果が殆どみられ
なかった。比較例4−6として実施例3−6で使用した
試料の配合量を3重量部配合した結果、イオウ臭的な悪
風味と強い違和感のある苦みが確認され品質としては不
適切と判断した。尚、上記評価は65℃で保存した場合
の評価であるが、25℃で保存した場合も同様な傾向で
あった。
製)を使用し、回転数は約3,000rpm で行った。1
/5濃縮イチゴ果汁100gと該ポリペプチドT−2を
任意の濃度に設定した水溶液400gを混合した果汁液
を高圧ホモゲナイザー(APV社製)で150kg/c
m2 の圧力により溶液を均質化した後、95℃まで加熱
処理した。冷却後起泡性テストを行った。100ccの栓
付メスシリンダーにサンプル50cc入れ10秒間振とう
した後、5分間静置した時の泡と液全体の体積を測定し
た。また、風味は無添加に比べて大きく異なる変化をし
たものについては、不良とした。
01%以上、2.0%以下が適当であった。
善効果) 方法は実施例(果汁飲料の起泡性)と同様で行った。起
泡剤として該ポリペプチドT−2単独の時と水溶性大豆
多糖類(不二製油製「ソヤファイブS−DN」)を併用
した時の実施例である。
大豆多糖類を併用すると気泡の質がより細かくなった。
製)を使用し、回転数は約3,000rpm で行った。該
ポリペプチドT−2を水に溶解し、10%濃度溶液に調
整した。炭酸水(天然水使用炭酸水;キリンビバレッジ
株式会社製)の中、少量をこの溶液で置き換えたサンプ
ルを、100ccのメスシリンダーに50cc注ぎ入れ、泡
と液全体の体積を測定した。注ぎ入れ後5分後の測定値
で、その起泡性を判断した。
泡を維持していた。一方、無添加の炭酸飲料は気泡が消
滅した。
製)を使用し、回転数は約3,000rpm で行った。該
ポリペプチドT−2を水に溶解し、10%濃度溶液に調
整したものを、塩酸を用いてpH3〜4に調整後10,0
00Gの連心分離操作をおこない、上清液を得た。この
上清液を用いて上記実施例(炭酸飲料の気泡安定性)と
同様に起泡性と加えて飲料の透明性の評価を行った。
安定しており且つ飲料の透明性が維持できた。
製)を使用し、回転数は約3,000rpm で行った。該
ポリペプチドT−2を水に溶解し、10%濃度溶液に調
整した。果汁入りアルコール飲料(メルシャン(株)製
「味わいのフルーティーピーチのお酒」)の中、少量を
この溶液で置き換えたサンプルを、100ccnの栓付き
メスシリンダーに50cc注ぎ入れ、10秒間振とうした
後、5分間静置した後の泡と液の全体の体積を測定し
た。
時は安定な気泡が得られた。
性) 原料の水相への分散は全てホモミキサー(特殊機化工業
製)を使用し、回転数は約3,000rpm で行った。該
ポリペプチドT−2を水に溶解し10%濃度溶液に調整
した。炭酸入りアルコール飲料(メルシャン株式会社製
「巨峰酎ハイ」)の中、少量をこの溶液で置き換えたサ
ンプルを100ccのメスシリンダーに50cc注ぎ入れ、
泡と液全体の体積を測定した。注ぎ入れ後3分後の測定
値で、その気泡安定性を判断した。
時は気泡が安定していた。
製)を使用し、回転数は約3,000rpm で行った。6
0℃の温水69部に「シュガーエステルP-1670」(三菱
化成株式会社製)0.07部、重曹0.13部を分散さ
せた。続いて実施例及び比較例となる試料ポリペプチド
をゆっくり分散させた。その後、脱脂粉乳2.5部、上
白糖6.0部とインスタントコーヒー「ネスカフェエク
セラ」(ネスレ製)1.5部を添加し。10分間分散さ
せた。次に高圧ホモゲナイザー(APV製)で150k
g/cm2 の圧力により溶液を均質化した後,200cc
缶に190gずつ充填した。レトルトにて加熱殺菌処理
した。運転条件は124℃20分処理とした。一晩室温
で放置後、起泡性のテストを行った。100ccの栓付メ
スシリンダーにサンプル溶液50cc入れ10秒間振とう
した後、15分間静置し泡と液全体の体積を測定した。
ここで、実施例1−9−1、2−9−1、3−9−1、
比較例1−9−1〜2−9−1はそれぞれ製造例1〜
3、比較製造例1〜2で調整された各ポリペプチドであ
る。実施例2−9−2、2−9−3、2−9−4及び比
較例2−9−2は製造例2のポリペプチドT−2を使用
した。
分かり、効果的な添加量として、0.01重量%以上
2.0重量%以下が総合的に良好な品質となった。
ンスターチ、増粘多糖類「MY135」(太陽化学株式
会社製)、食塩、油脂「ユニショートK」(不二製油株
式会社製)、本発明バッター製品用改良剤試料及び水を
混合してバッターを作製した。混合機は「ケンウッドミ
キサー」(愛工舎株式会社製)を使用した。中種として
予めさつまいもを短冊状に細切りにしたもの10gと、
バッター20gを絡め、180℃3分間フライした。フ
ライ油は大豆白絞油(不二製油株式会社製)を使用し
た。フライ後冷蔵庫に2日間放置した後、喫食した。パ
ネラー10人により衣の食感について評価した。5点満
点で各人点数を付けその平均点で評価した。平均3点以
上を有効と判断した。
に使用した試料ポリペプチドはそれぞれ製造例1〜3、
比較製造例1〜2で調整された各ポリペプチドである。
脆い食感に変化してしまい、評価の成績が著しく良くな
かったことに対して、実施例1−7−1〜3−7−1に
おいては、保存前の食感に比べて若干軽い食感が減少し
たが、ソフトな食感であり成績も良好であった。比較例
1−7、2−7は無添加(コントロール)に比べて改良
の方向にはあるが、充分な成績が得られなかった。比較
例3−7として、実施例2−7で用いた試料の添加量を
0.04重量部に調整した結果、評価の成績は2.0点
で無添加と差別化が殆ど出来なった。比較例4−7とし
て、実施例2−7で用いた試料の添加量を6.0重量部
に調整したところ、2.8点の成績で衣の脆い食感とは
別に重い食感として良好ではないと判断した。
薯澱粉(全国農業協同組合連合会製)、α化スターチ
「BJ−2」日澱化学株式会社製、油脂「パームエース
10」不二製油株式会社製、本発明バッター製品用改良
剤試料及び水を混合してバッターを作製した。混合機は
ケンウッドミキサー(愛工舎株式会社製)を使用した。
中種は、冷凍豚ロース肉を一枚30gずつスライスした
もので、これにバッター13gを絡め、生パン粉2.5
メッシュ篩品(共栄フード株式会社製)を14g付け
た。180℃3分間フライした。フライ油は大豆白絞油
(不二製油株式会社製)を使用した。フライ、凍結後冷
凍庫(−18℃)に10日間保存した後2日間冷蔵保管
してから喫食した。パネラー10人によりバッター製品
の食感について評価した。5点満点で各人点数を付けそ
の平均点で評価した。平均3点以上を有効と判断した。
に使用した試料はそれぞれ製造例1〜3、比較製造例1
〜2で調整された各ポリペプチドである。
の食感が硬く脆い食感に変化してしまい、評価の成績が
著しく良くなかったことに対して、実施例1−8〜3−
8においては、保存前の食感に比べて軽い食感が減少し
たが、ソフトな食感であり成績も良好であった。比較例
1−8、2−8は無添加(コントロール)に比べて改良
の方向にはあるが、充分な成績が得られなかった。比較
例3−8として、実施例2−8で用いた試料ポリペプチ
ドの添加量を0.04重量部に調整した結果、評価の成
績は1.0点で無添加と差別化が殆ど出来なった。比較
例4−8として、実施例2−8で用いた試料ポリペプチ
ドの添加量を6.0重量部に調整したところ、2.6点
の成績で衣の脆い食感とは別に重い食感として良好では
ないと判断した。
明品(製造例1で調整されたポリペプチド、T−1)を
ケンウッドミキサ−(愛工舎株式会社製)で混合し、続
いて全卵と牛乳を加え、ケンウッドミキサ−で30秒低
速混合した。ホットプレ−トに混合液を40gづつ流し
込み、160℃で片側9分間づつ合計18分間焼成し
た。焼成後、サンプルは次の2通りの条件下で保存し
た。 1)冷蔵庫にて1晩保存。 2)冷凍庫にて1週間保存後、自然解凍。
ラ−の5段階評価(5点を良い、1点を悪い)の平均値
を取り総合評価した。
−9は食感がパサツキ、また硬く脆い食感に変化した。
比較例2−9は比較例1−9と大差なく、良くなかっ
た。比較例3−9は焼成前の生地の変化が大きく、粘性
が高くなり扱いにくい物性となった。また、食感は硬
く、良くなかった。
品等の分野において利用できる起泡性及び乳化性に優れ
且つ収率的仁も優れたポリペプチド及びこの製造法を提
供することが可能となる。
て、ポリペプチドの主要構成成分をメルカプトエタノー
ルを含むSDS ポリアクリルアミドゲル電気泳動法により
測定したものであり、各ポリペプチドの分子量を評価す
るものである。但し、サンプル1:未分解大豆蛋白、サ
ンプル2:T−1の第一反応液、サンプル3:製造例1
(T−1)、サンプル4:製造例2(T−2)、サンプ
ル5:T−3の第一反応液、サンプル6:製造例3(T
−3)、サンプル7:比較製造例1(t−1)、サンプ
ル8:比較製造例2(t−2)
Claims (32)
- 【請求項1】 7S成分(β−コングリシニン)及び1
1S成分(グリシニン)に由来するポリペプチドであっ
て、以下の諸性質を有するポリペプチド混合物。 1)該ポリペプチド構成成分がメルカプトエタノールを
含むSDS ポリアクリルアミドゲル電気泳動法による分析
で、分子量5,000〜35,000の範囲にあるポリ
ペプチドが主体である。 2)該ポリペプチドのゲルろ過法による主ピーク分子量
が約8,000で、分子量範囲5,000〜30,00
0が全ピークエリア面積の70%以上であり、分子量
5,000未満が全ピークエリア面積の20%以下であ
る。 3)0.22M TCA 可溶率で30〜90%である。 - 【請求項2】 本文中に定義される乳化力がpH4で0.
15以上、pH5.5で0.4以上、pH7で0.8以上で
ある請求項1のポリペプチド混合物。 - 【請求項3】 本文中に定義される起泡力が250以上
である請求項1又は2のポリペプチド混合物。 - 【請求項4】 大豆蛋白中の7S成分(β−コングリシ
ニン)及び11S成分(グリシニン)を別途に加水分解
し、且つ両加水分解物を含むポリペプチドを得ることを
特徴とするポリペプチド混合物の製造法。 - 【請求項5】 大豆蛋白中の7S成分(β−コングリシ
ニン)または11S成分(グリシニン)のいずれかを選
択的に加水分解し、加水分解された画分と未分解の画分
とを分離乃至分離せず、未分解の画分を更に加水分解
し、両加水分解物を含むポリペプチドを得ることを特徴
とするポリペプチド混合物の製造法。 - 【請求項6】 選択的加水分解が、大豆蛋白中の11S
成分の選択的加水分解である請求項4〜5の製造法。 - 【請求項7】 選択的加水分解が、反応時間4時間以内
の短時間に0.22M TCA 可溶率で10〜50%となる
まで行われる請求項6の製造法。 - 【請求項8】 選択的加水分解が、低変性大豆蛋白を基
質としpH3. 0以下、45℃以下で行われる請求項6〜
7の製造法。 - 【請求項9】 未分解の画分の加水分解が、45℃を越
える温度またはpH3. 0より高いpHで実施される請求項
6〜8の製造法。 - 【請求項10】 未分解の画分の加水分解が、pH3. 0
以下、温度50℃以上で実施される請求項9の製造法。 - 【請求項11】 選択的加水分解が、大豆蛋白中の7S
成分の選択的加水分解である請求項4〜5の製造法。 - 【請求項12】 選択的加水分解が、反応時間2時間以
内の短時間に0.22MTCA 可溶率で10〜50%とな
るまで行われる請求項11の製造法。 - 【請求項13】 選択的加水分解が、低変性大豆蛋白を
基質としpH3.0〜8.0、50℃以上で行われる請求
項11〜12の製造法。 - 【請求項14】 未分解の画分の加水分解が、45℃以
下の温度、pH3.0以下で実施される請求項13の製造
法。 - 【請求項15】 ポリペプチドまたは未分解画分の加水
分解物処理物について、pH2〜4またはpH5〜9の範囲
でそのまま又はアルカリ土類金属の水酸化物または塩を
添加し、生じる不溶物を除去する請求項4〜14の製造
法。 - 【請求項16】 フィチン酸分解酵素を作用させてか
ら、pH2〜4またはpH5〜9の範囲で生じる不溶物を除
去する請求項15の製造法。 - 【請求項17】 請求項1〜3記載のポリペプチド混合
物を有効成分とする界面活性剤、起泡剤乃至乳化剤。 - 【請求項18】 請求項1〜3記載のポリペプチド混合
物を含有する冷菓用添加剤。 - 【請求項19】 請求項1〜3記載のポリペプチド混合
物を含有するメレンゲ用添加剤。 - 【請求項20】 請求項1〜3記載のポリペプチド混合
物を含有するヌガー用添加剤。 - 【請求項21】 請求項1〜3記載のポリペプチド混合
物を含有するクリーム用添加剤。 - 【請求項22】 請求項1〜3記載のポリペプチド混合
物を含有するフラワーペースト用添加剤。 - 【請求項23】 請求項1〜3記載のポリペプチド混合
物を含有する飲料用添加剤。 - 【請求項24】 請求項1〜3記載のポリペプチド混合
物を含有するでんぷん性食品用添加剤。 - 【請求項25】 請求項1〜3記載のポリペプチド混合
物を含有する起泡乃至乳化物。 - 【請求項26】 請求項1〜3記載のポリペプチド混合
物を含有する冷菓。 - 【請求項27】 請求項1〜3記載のポリペプチド混合
物を含有するメレンゲ製品。 - 【請求項28】 請求項1〜3記載のポリペプチド混合
物を含有するヌガー製品。 - 【請求項29】 請求項1〜3記載のポリペプチド混合
物を含有するクリーム製品。 - 【請求項30】 請求項1〜3記載のポリペプチド混合
物を含有するフラワーペースト。 - 【請求項31】 請求項1〜3記載のポリペプチド混合
物を含有する飲料。 - 【請求項32】 請求項1〜3記載のポリペプチド混合
物を含有するでんぷん性食品。
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