JPWO2006052003A1 - エンドウホエー由来の可溶性ポリペプチド、発泡剤及びその製造方法 - Google Patents

エンドウホエー由来の可溶性ポリペプチド、発泡剤及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

エンドウホエーを、分画分子量が3,000〜4,000のクロスフロー型濾過膜で処理して、濃縮液と透過液を得る第1工程と、該濃縮液を乾燥して粉末状物のポリペプチドを得る第2工程を有するエンドウホエー由来の可溶性ポリペプチドの製造方法。本発明によれば、初期の発泡性が高く、比較的早期に泡が消える泡安定性の低い発泡特性を発現する新規なポリペプチド、発泡剤及びポリペプチドの製造方法を提供することができる。

Description

本発明は、独特の発泡特性を呈するエンドウホエー由来の可溶性ポリペプチド、発泡剤及びその製造方法に関するものである。
従来、食品の発泡剤としてアルブミンのようなタンパク質を使用することが知られている。特開昭52−151200号公報には、大豆、ホエー、卵白、菜種、落花生、ひまわり種子、パームナッツ又はオリーブからの抽出物を含むタンパク質源から分離されたものが発泡剤として有用であることが開示されている。また、特開平4−190766号公報には、大豆蛋白又は小麦蛋白等の起泡性蛋白質を多糖類粘質物と共に食肉に配合すると、内部に適宜に気泡が分散したソフトな食感を与えることが開示されている。
また、特開2001−69920号公報には、大豆蛋白中の7S成分及び11S成分を別途に加水分解し、且つ両加水分解物を含むポリペプチドが、起泡剤あるいは乳化剤として優れていることが開示されている。
(特許文献1)特開昭52−151200号公報(請求項11)
(特許文献2)特開平4−190766号公報(請求項1、第2頁右上欄)
(特許文献3)特開2001−69920号公報(請求項1)
しかしながら、従来の大豆蛋白や卵白等の発泡剤は、発泡後、時間の経過につれて泡が消え難い泡安定性のよいものがほとんどである。近年、消費者の食品に対するニーズは多種多様のものがあり、初期の発泡性が高く、比較的早期に泡が消える泡安定性の低いものも要望されているが、従来の発泡剤はこのようなニーズには対応できないものであった。
従って、本発明の目的は、初期の発泡性が高く、比較的早期に泡が消える泡安定性の低い発泡特性を発現する新規なポリペプチド、発泡剤及びポリペプチドの製造方法を提供することにある。
かかる実情において、本発明者らは鋭意検討を行った結果、SDSポリアクリルアミド電気泳動法による分析において、分子量が3,000〜25,000であるエンドウホエー由来の可溶性ポリペプチドが、初期の発泡性が高く、比較的早期に泡が消える泡安定性の低い発泡特性を発現させることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、SDSポリアクリルアミド電気泳動法による分析において、分子量が3,000以上、17,500未満であることを特徴とするエンドウホエー由来の可溶性ポリペプチドを提供するものである。
すなわち、本発明は、SDSポリアクリルアミド電気泳動法による分析において、分子量が3,000〜10,000であることを特徴とするエンドウホエー由来の可溶性ポリペプチドを提供するものである。
また、本発明は、前記エンドウホエー由来の可溶性ポリペプチドを有効成分とする発泡剤を提供するものである。
また、本発明は、エンドウホエーを、分画分子量が3,000〜4,000のクロスフロー型濾過膜で処理して、濃縮液と透過液を得る第1工程と、該濃縮液を乾燥して粉末状物のポリペプチドを得る第2工程を有することを特徴とするエンドウホエー由来の可溶性ポリペプチドの製造方法を提供するものである。
本発明のエンドウホエー由来の可溶性ポリペプチドを有効成分とする発泡剤は、初期の発泡性が高く、比較的早期に泡が消える泡安定性の低い発泡特性を発現させることができる。このため、例えば発泡酒、醸造酒の泡立ちの改良剤、乳製品の泡立ちの補助剤、洗剤の泡立ちの補助剤として有用である。また、本発明のエンドウホエー由来の可溶性ポリペプチドの製造方法は、簡易な方法で且つ工業的規模で生産することができる。
第1図は、実施例1における原液及び濃縮液のSDS−PAGE分析結果であり、第2図は、実施例及び比較例における発泡性試験結果であり、第3図は、実施例及び比較例における他の発泡性試験結果であり、第4図は、実施例2における原液及び濃縮液のSDS−PAGE分析結果であり、第5図は、実施例2における発泡性試験結果であり、第6図は、比較例3における発泡性試験結果である。
本発明のエンドウホエー由来の可溶性ポリペプチドの製造方法を説明する。第1工程において、原料であるエンドウホエーは、公知の方法で製造される。エンドウホエーとは、エンドウの全粒分を水溶液に分散して一定時間放置して該水溶液に溶解する成分を該溶液中に抽出した後に、該水溶液に不溶性のタンパク質その他の成分を除去した後の清澄水溶液を言う。不溶性成分は水溶液の条件により異なるため、ある条件で溶解させた成分に対し、たとえば、水溶液のpHを変化させたり、温度を変化させたり、水溶液に塩を加えたり、有機溶媒を加えたりして、溶解している成分の溶解性を変化させて不溶性成分を故意に析出させることもできる。このようにして該水溶液から故意に不溶性成分を除いた後の清澄水もホエーと言う。不溶性成分と清澄水の分離方法は、遠心分離や膜濾過などを用いることができる。
エンドウからエンドウホエーを得る一例を示す。すなわち、乾燥し皮をむいたエンドウ豆を粉砕し、アルカリ水溶液(pH9.0)を加え、室温で蛋白質を抽出する。抽出液を濾過して残渣と澱粉などの不要成分を除去した後、pHを3.5〜6.0に調整して、蛋白質を等電点凝集させる。次いで、凝集物を遠心分離にかけ、上清(ホエー)を得る。
pH3.5〜6.0に調整されたエンドウホエーをクロスフロー型濾過膜で処理する前に、予めグロブリン残渣物(不純物)を除去することが、濾過膜の負荷を軽減して、処理効率を高めることができる点で好ましい。不純物除去方法としては、遠心分離方法、膜濾過方法が挙げられる。
クロスフロー型濾過膜としては、特に制限されないが、例えば限外濾過膜、NF膜(ナノフィルトレーション膜)が挙げられ、このうち、限外濾過膜が好ましい。
エンドウホエーをクロスフロー型濾過膜で処理する温度としては、特に制限されないが、20℃以下、2〜14℃が好ましい。温度が低すぎると透過率が悪くなり、温度が高すぎると蛋白の変性やバクテリアの繁殖等が生じる点で好ましくない。
本発明で用いるクロスフロー型濾過膜は、分画分子量が3,000〜4,000、好ましくは分画分子量が3,000である。この膜濾過により得られる濃縮液は、分子量3,000以上のアルブミンであり、これを有効成分とする発泡剤は、初期の発泡性が高く、比較的早期に泡が消える泡安定性の低い発泡特性を発現させることができる。なお、エンドウホエーを分画分子量3,000〜4,000のクロスフロー型濾過膜で処理する前に、予め分画分子量が例えば10,000のクロスフロー型濾過膜で処理し、分子量域10,000以下のポリペプチドを含む透過液を得、この透過液を分画分子量3,000〜4,000のクロスフロー型濾過膜で処理してもよい。これにより、分子量域3,000以上、10,000以下の濃縮液を得ることができる。
本発明で用いるクロスフロー型濾過膜の形状としては、特に制限されず、中空糸型、平膜型、管状型、スパイラル型などが挙げられるが、このうち、中空糸型が、濃縮倍率が大きく、構造が簡易であり、逆透過洗浄が可能である点で好ましい。また、本発明で用いるクロスフロー型濾過膜の操作圧力としては、特に制限されず、例えば、0.14〜0.5MPa(1.4〜5.0kgf/cm)の範囲で適宜決定される。
エンドウホエーをクロスフロー型濾過膜で処理し、濃縮液と透過液を得る。この際、該濃縮液は循環することが、濃縮倍率の高いアルブミンを得ることができ、後工程の乾燥効率が向上する点で好ましい。濃縮倍率としては、特に制限されず、2倍〜50倍、特に2倍〜5倍である。透過液は本発明においては不要であり、適宜廃棄処分される。
第2工程は、第1工程で得られた濃縮液を乾燥して粉末状物のポリペプチドを得る工程である。第1工程で得られた濃縮液のpHは通常4〜4.5であるため、乾燥工程に入る前、予め中和剤で中和しておく。これにより、乾燥熱による蛋白の変性を防止することができる。濃縮液を乾燥する方法としては、特に制限されないが、例えば噴霧乾燥、凍結乾燥、真空蒸発乾燥などが挙げられる。このうち、噴霧乾燥が簡易は方法で行うことができ、しかも乾燥効率が高い点で好ましい。噴霧乾燥は公知の方法で行うことができる。
第2工程で得られた粉末状物のポリペプチドは、SDSポリアクリルアミド電気泳動法(以下、SDS−PAGEとも言う。)による分析において、分子量が3,000〜25,000である。ポリペプチドの分子量が3,000未満のものは、濃縮が困難となり工業的生産ができなくなり、また、25,000を超えるものは、含有量が少なく、効率的な生産が不可能であると同時に、初期の発泡性が高く、比較的早期に泡が消える泡安定性の低い発泡特性を発現させることができない。また、本発明のポリペプチドの分子量は、3,000以上、17,500未満であれば、更に上記特有の初期の発泡性を高く発現させることができる。また、本発明のポリペプチドの分子量は、3,000以上、10,000以下であれば、初期の発泡性を高く発現させ、早期に泡が消える泡安定性の更に低い発泡特性を発現させることができる。
SDS−PAGEによる分析は、標準分子量マーカーの移動度から各ポリペプチドの分子量を測定でき、また、デンシトメーターによる定量によりその含量を測定することができる。本発明のポリペプチドは、SDSポリアクリルアミド電気泳動法による分析において、分子量3,500〜14,300の範囲に少なくとも2つのバンドが、分子量16,000〜21,000に1つのバンドが、21,000を超え29,000以下に1つのバンドがそれぞれ存在するものである。但し、分子量の範囲を、3,000以上、17,500未満、あるいは3,000以上、10,000以下となるように濾過膜処理したポリペプチドにおいては、上記のようなバンドの特性を有さない。また、本発明のポリペプチドは、本発明のポリペプチドの全エリア面積に対する、分子量3000〜8000の範囲にあるポリペプチドのエリア面積が80%以上である。
また、本発明の発泡剤は、上記エンドウホエー由来の可溶性ポリペプチドを有効成分とする。本発明の発泡剤は、初期の発泡性が高く、比較的早期に泡が消える泡安定性の低い発泡特性を発現させるため、単独又は他の発泡剤と併用して使用することができる。配合する食品としては、特に制限されず、例えば発泡酒、醸造酒、乳製品、はんぺん等のすり身食品、泡を楽しむデザート類が挙げられる。また、本発明の発泡剤のこれら食品への配合量としては、食品の種類や目的に応じて適宜決定されるが、例えば0.05〜3.0重量%の範囲にあるものが多い。また、本発明の発泡剤を洗剤へ適用する場合、通常、他の発泡剤と併用することが多い。洗剤への配合量は、同様に0.05〜3.0重量%から適宜決定される。
次に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限するものではない。
pH4.5のエンドウホエーを3000rpm、10分間の遠心分離を行い、エンドウホエーに含まれる固形分を除去した後、遠心分離処理上清(原液)37.9リットルを中空糸型限外濾過膜で処理して、濃縮液と透過液を得、該濃縮液を循環して、濃縮倍率2倍の濃縮液を得た。この濃縮液を炭酸ソーダで中和後、噴霧乾燥して粉末状物のポリペプチドを得た。使用した装置の仕様及び実験条件を以下に示す。原液及び得られた濃縮液の固形分濃度、蛋白質濃度、蛋白質回収率及び蛋白質純度を測定した。その結果を表1に示す。また、原液及び濃縮液について、SDS−PAGE分析を下記条件で行った。その結果を第1図に示す。
・中空糸型限外濾過膜装置の膜モジュール;分画分子量3,000、有効膜面積0.2m「マイクローザUFSEP1013」(旭化成ケミカルズ社製)
・ 循環ポンプ;マグネットポンプ、容量50l/分、揚程14m
・ 膜濾過操作温度;6〜14℃
・ 膜装置の操作圧力;0.14MPa
・ 膜装置の循環流速;9〜10l/分
・ 噴霧乾燥機;パルビスミニスプレーGA−32(ヤマト科学社製)
(SDS−PAGE分析条件)
標準的なレムリの方法(Laemmli,U.K.1970,Nature,227,680−685)に従い、還元条件で行った。ポリアクリルアミドゲルの濃度は8〜25%の勾配とした。
Figure 2006052003
(発泡性試験)
実施例1で得られた粉末状ポリペプチドを、純水に0.3重量%及び1.5重量%それぞれ配合した。これをミル&ミキサーTML15(TOSCOM社製)中で、30秒間攪拌した。攪拌後、直ちに液の全量をメスシリンダーに移し、時間経過毎の泡の体積比率(%)を測定した。泡の体積比率は、泡の体積量を泡を含めた液量の総量で割った値とした。0.3重量%の結果を第2図に示し、1.5重量%の結果を第3図に示す。
比較例1
実施例1で得られた粉末状ポリペプチドに代えて、エンドウグロブリン蛋白を使用したこと、純水への配合量0.3重量%及び1.5重量%に代えて、1.0重量%及び4.0重量%としたこと以外は、実施例1の発泡性試験と同様の方法で行った。1.0量%の結果を第2図に示し、4.0量%の結果を第3図に示す。なお、エンドウグロブリン蛋白は、乾燥し皮をむいたエンドウ豆を粉砕し、アルカリ水溶液(pH9.0)を加え、室温で蛋白質を抽出し、該抽出液を濾過して残渣と澱粉などの不要成分を除去した後、pHを3.5〜6.0に調整して、蛋白質を等電点凝集したものを、殺菌処理し、中和処理し、乾燥粉末化したものである。
比較例2
実施例1で得られた粉末状ポリペプチドに代えて、卵白を使用した以外は、実施例1の発泡性試験と同様の方法で行った。0.3量%の結果を第2図に示し、1.5量%の結果を第3図に示す。
第2図及び第3図に示すように、実施例1のエンドウホエー由来の可溶性ポリペプチドの発泡特性は、初期の発泡性が高く、比較的早期に泡が消える泡安定性の低い独特の特性を示す。一方、比較例1のエンドウグロブリン蛋白はほとんど発泡性を示さない。また、比較例2の卵白の発泡特性は初期の発泡性はそれほどではないものの、時間の経過と共に泡が消え難い泡安定性に優れるものである。
pH4.5のエンドウホエーを3,000rpm、10分間の遠心分離を行い、エンドウホエーに含まれる固形分を除去した後、遠心分離処理上清(原液)20リットルを分画分子量10,000の中空糸型限外濾過膜で処理して、分子量域10,000以下のポリペプチドを含む透過液を得た。更にこの透過液を分画分子量3,000の中空糸型限外濾過膜で濃縮し、分子量域3,000から10,000のポリペプチドの濃縮液を得た。更に該濃縮液を循環して濃縮倍率5倍の濃縮液を得た。この濃縮液を炭酸ソーダで中和後、噴霧乾燥して粉末状のポリペプチドを得た。使用した装置の仕様及び実験条件を以下に示す。原液、得られた分子量域10,000以下のポリペプチドを含む透過液及び分子量域3,000から10,000のポリペプチドを含む濃縮液のそれぞれについて、固形分濃度、蛋白質濃度、蛋白質回収率および蛋白質純度を測定した。その結果を表2に示す。また、原液および透過液を分画分子量3000の中空糸型限外濾過膜で濃縮した濃縮液についてSDS−PAGE分析を前記実施例1と同様の条件で行った。原液の結果を第4図のAレーンに示し、透過液を分画分子量3000の中空糸型限外濾過膜で濃縮した濃縮液の結果を第4図のBレーンに示す。
(分子量域10,000以下のポリペプチドを含む透過液の調製)
・中空糸型限外濾過膜装置の膜モジュール:分画分子量10,000、有効膜面積0.12m「マイクローザUFSLP1053」(旭化成ケミカルズ社製)
・循環ポンプ:マグネットポンプ、容量50リットル/分、揚程14m
・膜濾過操作温度:2〜14℃
・膜装置の操作圧力:0.14Mpa
・膜装置の循環流速:9〜10リットル/分
(分子量域3,000から10,000のポリペプチドを含む濃縮液の調製)
・中空糸型限外濾過膜装置の膜モジュール:分画分子量3,000、有効膜面積0.2m、「マイクローザUFSEP1013」(旭化成ケミカルズ社製)
・循環ポンプ:マグネットポンプ、容量50リットル/分、揚程14m
・膜濾過操作温度:2〜14℃
・膜装置の操作圧力:0.14Mpa
・膜装置の循環流速:9〜10リットル/分
・噴霧乾燥機:パルビスミニスプレーGA−32(ヤマト科学社製)
Figure 2006052003
(発泡性試験)
実施例2で得られた分子量域3,000から10,000のポリペプチドを含む濃縮液の乾燥粉体(第4図レーンBに相当する標品)を、純水に0.5重量%及び1.0重量%でそれぞれ配合した。これをミキサーMX−B30G(東芝社製)中で30秒間攪拌した。撹拌後、直ちに液の全量をメスシリンダーに移し、時間経過毎の泡の体積比率(%)を測定した。泡の体積比率は、泡の体積量を泡を含めた液量の総量で割った値とした。その結果を第5図に示す。
比較例3
実施例2で得られた分子量域3,000から10,000のポリペプチドを含む濃縮液の乾燥粉体に代えて、原液の濃縮液の乾燥粉体(第4図レーンAに相当する標品)を用いた以外は、実施例2の発泡性試験と同様の方法で行った。その結果を第6図に示す。
第5図及び第6図に示すように、初期の泡立ちは、実施例2および比較例3共に同等であるものの、実施例2は泡の消失が比較例3に比べて顕著に早い。第2図と第5図の対比から、泡の消失の効果は、実施例1のポリペプチドより実施例2のポリペプチドの方が、さらに顕著である。このような初期の泡立ちが高く、泡の消失が早いという特徴を生かせば、例えば、発泡性の炭酸入り清涼飲料水など、あっさりした飲み心地が好まれる発泡性飲料の発泡補助剤として好適である。
本発明のエンドウホエー由来の可溶性ポリペプチドを有効成分とする発泡剤は、初期の発泡性が高く、比較的早期に泡が消える泡安定性の低い独特の発泡特性を発現させるため、単独又は他の発泡剤と併用して食品や洗剤などに使用すれば、近年の多様なニーズに対応可能な趣のある泡を演出することができる。

Claims (7)

  1. SDSポリアクリルアミド電気泳動法による分析において、分子量が3,000〜25,000の範囲にあることを特徴とするエンドウホエー由来の可溶性ポリペプチド。
  2. SDSポリアクリルアミド電気泳動法による分析において、分子量3,500〜14,300の範囲に少なくとも2つのバンドが、分子量16,000〜21,000に1つのバンドが、21,000を超え29,000以下に1つのバンドがそれぞれ存在することを特徴とする請求項1記載のエンドウホエー由来の可溶性ポリペプチド。
  3. 前記分子量が、3,000以上、17,500未満であることを特徴とする請求項1記載のエンドウホエー由来の可溶性ポリペプチド。
  4. 前記分子量が、3,000以上、10,000以下であることを特徴とする請求項1記載のエンドウホエー由来の可溶性ポリペプチド。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項記載のエンドウホエー由来の可溶性ポリペプチドを有効成分とする発泡剤。
  6. エンドウホエーを、分画分子量が3,000〜4,000のクロスフロー型濾過膜で処理して、濃縮液と透過液を得る第1工程と、該濃縮液を乾燥して粉末状物のポリペプチドを得る第2工程を有することを特徴とするエンドウホエー由来の可溶性ポリペプチドの製造方法。
  7. 前記第1工程において、濃縮液は循環されることを特徴とする請求項6記載のエンドウホエー由来の可溶性ポリペプチドの製造方法。
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