JP6099632B2 - 塩化カルシウム抽出を用いる大豆タンパク質単離物の調製(「s703cip」) - Google Patents

塩化カルシウム抽出を用いる大豆タンパク質単離物の調製(「s703cip」) Download PDF

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Description

関連出願の参照
本出願は、同時係属中の2010年6月30日出願の米国特許出願第12/828、212号(これ自体が、2009年6月30日出願の米国仮特許出願第61/213、647号からの米国特許法119条(e)のもとの優先権を主張する)の一部継続出願である。
発明の分野
本発明は、大豆タンパク質製品の調製に関する。
発明の背景
本願の譲受人に譲渡され、その開示が参照により本明細書に組み込まれる2009年10月21日出願の米国特許出願第12/603087(7865−415)号(米国特許公開第2010−0098818)および2010年10月13日出願の米国特許出願12/923897(7865−454)号(米国特許公開第2011−0038993)において、完全に可溶性であり、低pH値において透明で熱安定な溶液を提供することが可能な大豆タンパク質製品、好ましくは大豆タンパク質単離物、の調製が記載されている。この大豆タンパク質製品は、タンパク質の沈殿を伴わずに、特にソフトドリンクやスポーツドリンク、ならびに他の酸性水性系のタンパク質強化(protein fortification)のために使用することができる。大豆タンパク質製品は、天然のpHにおいて塩化カルシウム水溶液で大豆タンパク質源を抽出し、得られた大豆タンパク質水溶液を任意選択で希釈し、その大豆タンパク質水溶液のpHを約1.5から約4.4、好ましくは約2.0から約4.0のpHに調節して、酸性化された澄明な(clear)大豆タンパク質溶液(任意選択で、これを乾燥の前に濃縮及び/又は透析濾過してもよい)を生成することによって、製造される。
米国特許公開第2010/0098818号明細書 米国特許公開第2011/0038993号明細書
発明の概要
驚くべきことに、少なくとも約60重量%(N×6.25)d.b.のタンパク質含量を有する大豆タンパク質製品を、低pH値における塩化カルシウムを用いた大豆タンパク質源の抽出を伴う手順で形成できることが見出された。
本発明の一態様では、大豆タンパク質原料を低pHにおいて塩化カルシウム水溶液で抽出し、得られた大豆タンパク質水溶液を任意選択で希釈し、任意選択で酸性範囲内のpHに調整し、次いで限外濾過および任意選択の透析濾過にかけて、濃縮され任意選択で透析濾過された大豆タンパク質溶液(大豆タンパク質製品を提供するために、これを乾燥してもよい)を得る。
本発明の別の態様では、大豆タンパク質原料を低pHにおいて塩化カルシウム水溶液で抽出し、得られた大豆タンパク質水溶液を任意選択で希釈し、任意選択で酸性範囲内のpHに調整し、次いで限外濾過および任意選択の透析濾過にかけて、濃縮され任意選択で透析濾過された大豆タンパク質溶液を得る。次いで、その濃縮され任意選択で透析濾過された大豆タンパク質溶液を、任意選択で約1.5から約7、好ましくは約4から約7、より好ましくは約5から約7のpH範囲内のpHに調整し、水で希釈して、大豆タンパク質をグロブリンに富む沈殿物と、アルブミンタンパク質に富みトリプシン阻害剤を含む上澄み液に分画することができる。希釈工程により形成される沈殿物を集め、さらに処理するかあるいはそのまま乾燥して、低減されたトリプシン阻害剤レベルを有する大豆タンパク質製品を提供することができる。
本発明の別の態様では、前述のように調製された、濃縮され任意選択で透析濾過され、任意選択でpH調節された大豆タンパク質溶液を、水中に希釈する。希釈したサンプルのpHを約1.5から約4.4、好ましくは約2.0から約4.0に調整して、希釈工程によって沈殿したタンパク質を再可溶化する。希釈し且つpH調整した溶液を、次いで、任意選択で熱処理および/または濃縮および/または透析濾過してもよい。
本明細書で提供される、少なくとも約60重量%(N×6.25)d.b.のタンパク質含量を有する大豆タンパク質製品は、酸性pH値で可溶性であり、透明で熱安定なその水溶液を提供する。大豆タンパク質製品は、タンパク質の沈殿なしに、特にソフトドリンクやスポーツドリンク、ならびに他の水系のタンパク質強化のために使用することができる。好ましくは、大豆タンパク質製品は少なくとも約90重量%、好ましくは少なくとも約100重量%(N×6.25)d.b.のタンパク質含量を有する単離物である。
本発明の一態様によれば、乾燥重量基準で少なくとも約60重量%(N×6.25)の大豆タンパク質含量を有する大豆タンパク質製品を製造する方法であって、
(a)低pH、一般には約1.5から約5.0のpHにおいて、カルシウム塩水溶液、一般には塩化カルシウム溶液を用いて大豆タンパク質源を抽出して、タンパク質源からの大豆タンパク質の可溶化を引き起こし、大豆タンパク質水溶液を形成する工程、
(b)残留大豆タンパク質源から大豆タンパク質水溶液を少なくとも部分的に分離する工程、
(c)任意選択で、大豆タンパク質水溶液を希釈する工程、
(d)任意選択で、前記タンパク質水溶液のpHを、約1.5から約5.0、好ましくは約1.5から約4.4、より好ましくは約2.0から約4.0の範囲内にあり且つ抽出のpHとは異なる値に調整する工程、
(e)任意選択で、大豆タンパク質水溶液を精製(polishing)して、残留微粒子を除去する工程、
(f)任意選択で、選択的膜技術を用いて、イオン強度を実質的に一定に維持しながら、大豆タンパク質水溶液を濃縮する工程、
(g)任意選択で、濃縮された大豆タンパク質溶液を透析濾過する工程(diafiltering)、及び
(h)任意選択で、濃縮され、透析濾過された大豆タンパク質溶液を乾燥させる工程、
を含む、方法が提供される。
好ましくは、大豆タンパク質製品は、少なくとも約90重量%、好ましくは少なくとも約100重量%(N×6.25)d.b.のタンパク質含量を有する単離物である。
この手順のバリエーションは、アルブミンタンパク質およびトリプシン阻害剤の含有量が低減された製品を製造するために採用することができる。そのようなバリエーションでは、濃縮され、任意選択で透析濾過された大豆タンパク質溶液を、任意選択で、約1.5から約7.0、好ましくは約4.0から約7.0、より好ましくは約5.0から約7.0の範囲内のpHに調整し、次いで水中に希釈して、アルブミンタンパク質およびトリプシン阻害剤の含有量が低減した沈殿物を得る。その沈殿物を集めて乾燥して製品を得ることができ、あるいはその沈殿物を約1.5から約4.4、好ましくは約2.0から約4.0のpHで水中で可溶化した後、乾燥させることができる。あるいは、約1.5から約4.4、好ましくは約2.0から約4.0のpHで水中で沈殿物を可溶化することによって形成された前記溶液を、任意選択で、乾燥の前に熱処理および/または精製および/又は濃縮および/又は透析濾過してもよい。
従って、本発明の別の態様では、乾燥重量基準で少なくとも約60重量%(N×6.25)の大豆タンパク質含量を有する大豆タンパク質製品を製造する方法であって、
(a)低pH、一般には約1.5から約5.0のpHにおいて、カルシウム塩水溶液、一般には塩化カルシウム溶液を用いて大豆タンパク質源を抽出して、タンパク質源からの大豆タンパク質の可溶化を引き起こし、大豆タンパク質水溶液を形成する工程、
(b)残留大豆タンパク質源から大豆タンパク質水溶液を少なくとも部分的に分離する工程、
(c)任意選択で、大豆タンパク質水溶液を希釈する工程、
(d)任意選択で、前記タンパク質水溶液のpHを、約1.5から約5.0、好ましくは約1.5から約4.4、より好ましくは約2.0から約4.0の範囲内にあり且つ抽出のpHとは異なる値に調整する工程、
(e)任意選択で、大豆タンパク質水溶液を精製して(polishing)、残留微粒子を除去する工程、
(f)選択的膜技術を用いて、イオン強度を実質的に一定に維持しながら、大豆タンパク質水溶液を濃縮する工程、
(g)任意選択で、濃縮された大豆タンパク質溶液を透析濾過する工程(diafiltering)、
(h)濃縮され、任意選択で透析濾過された大豆タンパク質溶液のpHを、任意選択で、約1.5から約7.0、好ましくは約4.0から約7.0、より好ましくは約5.0から約7.0の範囲内の値に調整する工程、
(i)濃縮され、任意選択で透析濾過され、任意選択でpH調整された大豆タンパク質溶液を水中に希釈する工程、
(j)上澄み液と呼ばれる希釈水から形成された沈殿物を分離する工程、
(k)分離した大豆タンパク質沈殿物を乾燥させる工程、
が記述される。
好ましくは、大豆タンパク質製品は少なくとも約90重量%、好ましくは少なくとも約100重量%(N×6.25)d.b.のタンパク質含量を有する単離物である。
この手順の別のバリエーションは、前記製品を製造するために採用することができる。そのようなバリエーションでは、濃縮され、任意選択で透析濾過され、任意選択でpH調整された大豆タンパク質溶液を水中に希釈し、希釈の後にpH調節する。これによって、その希釈工程で形成された沈殿が再可溶化される。得られるpH調整された溶液は、製品を得るために乾燥の前に、任意選択で熱処理され、および/または精製され、および/または濃縮され、および/または透析濾過される。
従って、本発明のさらなる態様において、乾燥重量基準で少なくとも約60重量%(N×6.25)の大豆タンパク質含量を有する大豆タンパク質製品を製造する方法であって、
(a)低pH、一般には約1.5から約5.0のpHにおいて、カルシウム塩水溶液、一般には塩化カルシウム溶液を用いて大豆タンパク質源を抽出して、タンパク質源からの大豆タンパク質の可溶化を引き起こし、大豆タンパク質水溶液を形成する工程、
(b)残留大豆タンパク質源から大豆タンパク質水溶液を少なくとも部分的に分離する工程、
(c)任意選択で、大豆タンパク質水溶液を希釈する工程、
(d)任意選択で、前記タンパク質水溶液のpHを、約1.5から約5.0、好ましくは約1.5から約4.4、より好ましくは約2.0から約4.0の範囲内にあり且つ抽出のpHとは異なる値に調整する工程、
(e)任意選択で、大豆タンパク質水溶液を精製して(polishing)、残留微粒子を除去する工程、
(f)選択的膜技術を用いて、イオン強度を実質的に一定に維持しながら、大豆タンパク質水溶液を濃縮する工程、
(g)任意選択で、濃縮された大豆タンパク質溶液を透析濾過する工程、
(h)濃縮され、任意選択で透析濾過された大豆タンパク質溶液のpHを任意選択で、約1.5から約7.0、好ましくは約4.0から約7.0、より好ましくは約5.0から約7.0の範囲内の値に調整する工程、
(i)濃縮され、任意選択で透析濾過され、任意選択でpH調整された大豆タンパク質溶液を水中に希釈する工程、
(j)希釈されたサンプルのpHを約1.5から約4.4、好ましくは約2.0から約4.0の範囲内の値に調整して、前記希釈工程によって形成されたタンパク質沈殿物を再可溶化する工程、
(k)任意選択で、選択的膜技術を用いて、イオン強度を実質的に一定に維持しながら、pH調整された大豆タンパク質溶液を濃縮する工程、
(l)濃縮され、pH調整された大豆タンパク質溶液を、任意選択で透析濾過する工程、及び
(m)濃縮され、任意選択で透析濾過され、任意選択でpH調整された大豆タンパク質溶液を乾燥させる工程、
を含む方法が記述される。
好ましくは、大豆タンパク質製品は、少なくとも約90重量%。好ましくは少なくとも約100重量%(N×6.25)d.b.のタンパク質含量を有する単離物である。
本明細書は、大豆タンパク質単離物の製造に主に言及しているが、ここに記載される濃縮および/または透析濾過工程は、より低い純度の大豆タンパク質製品、例えば少なくとも約60重量%のタンパク質含量を有する大豆タンパク質濃縮物(しかし、それは実質的に前記単離物に似た特性を有する)を製造するために操作することができる。
本発明の新規な大豆タンパク質製品を、水にそれを溶解することにより水性ソフトドリンク又はスポーツドリンクを形成するための粉末ドリンク(powdered drinks)とブレンドすることができる。このようなブレンドは、粉末飲料(powdered beverage)とすることができる。
本明細書で提供される大豆タンパク質製品は、酸性pH値で高い澄明度を有し、これらのpH値で熱安定な、その水溶液として提供することができる。
本発明の別の態様では、低pHで熱的に安定である本明細書で提供される大豆製品の水溶液が提供される。その水溶液は飲料であることができ、その飲料は澄明飲料(その中で大豆タンパク質製品は完全に可溶性で透明である)または不透明飲料(その中で大豆タンパク質製品は不透明度を増大させない)であることができる。大豆タンパク質製品は、約pH7で良好な溶解性も有する。ほぼ中性のpH、例えば約6から約8のpHで調製された大豆タンパク質製品の水溶液は、飲料であることができる。
本明細書における方法に従って製造した大豆タンパク質製品は、大豆タンパク質単離物の独特な豆の風味を持たず、酸性媒体のタンパク質強化に好適なだけでなく、タンパク質単離物の多種多様な従来の用途に使用することができる。その用途には、加工食品や飲料のタンパク質強化、油の乳化、焼いた食品のボディー形成剤(body former)、ガス封入製品の発泡剤が含まれるが、これらに限定されない。加えて、大豆タンパク質製品は、肉類似物において有用なタンパク質繊維に形成することができ、また、卵白がバインダーとして使用される食品中の卵白代用品または増量剤(extender)として使用することができる。大豆タンパク質製品は、栄養補助食品に使用することもできる。大豆タンパク質製品の他の用途は、ペットフード、動物飼料ならびに工業および化粧品用途およびパーソナルケア製品である。
発明の一般的説明
大豆タンパク質製品を提供するプロセスの最初の工程は、大豆タンパク質源から大豆タンパク質を可溶化する工程を含む。大豆タンパク質源は、大豆もしくは任意の大豆製品、または大豆加工に由来する副産物であることができ、それには大豆ミール、大豆フレーク、荒挽き大豆、および大豆粉が含まれるが、これらに限定されない。大豆タンパク質源は、全脂肪形態、部分的に脱脂された形態、または完全に脱脂された形態で用いることができる。大豆タンパク質源がかなりの量の脂肪を含有する場合、一般的には油除去工程がプロセスの間に必要である。大豆タンパク質源から回収される大豆タンパク質は、大豆において天然に生じるタンパク質であることができ、あるいは、そのタンパク質性材料(proteinaceous material)は、遺伝子操作によって改変されているが、天然タンパク質の特徴的な疎水性特性および極性特性を有しているタンパク質であることができる。
大豆タンパク質原料からのタンパク質可溶化は、塩化カルシウム溶液を用いて最も簡便に行われる。ただし、他のカルシウム塩の溶液を使用することができる。また、マグネシウム塩などの、他のアルカリ土類金属化合物を用いてもよい。さらに、大豆タンパク質源からの大豆タンパク質の抽出は、カルシウム塩溶液を塩化ナトリウムなどの別の塩溶液と組み合わせて使用して行うことができる。さらに、大豆タンパク質源からの大豆タンパク質の抽出は、水又は塩化ナトリウムなどの他の塩の溶液を用い、その後、抽出工程で生じる大豆タンパク質水溶液に塩化カルシウムを添加することで行うことができる。塩化カルシウムの添加時に形成された沈殿物は、次いで、後続の処理の前に除去される。
カルシウム塩溶液の濃度が増加するにつれて、大豆タンパク質源からのタンパク質の可溶化の程度は、初めに最大値が達成されるまで増加する。塩濃度のその後の増加は、可溶化される総タンパク質を増加させない。最大のタンパク質可溶化を引き起こすカルシウム塩溶液の濃度は、関与する塩に依存して変わる。通常、約1.0M未満の濃度値、より好ましくは約0.10Mから約0.15Mの値を用いることが好ましい。
バッチプロセスでは、タンパク質の可溶化は、約1℃から約100℃、好ましくは約15°から約65℃、より好ましくは約20℃から約35℃の温度で行われ、好ましくは、可溶化時間を減少させるために攪拌を伴い、可溶化時間は通常約1から約60分である。全体として高い製品収率を得るために、大豆タンパク質源から実質的に実施可能な限り多くのタンパク質を抽出するように可溶化を行うことが好ましい。
連続プロセスでは、大豆タンパク質源からの大豆タンパク質の抽出は、大豆タンパク質源からの大豆タンパク質の連続的抽出の実施と合致する任意の様式で実施される。一実施形態では、大豆タンパク質源が連続的にカルシウム塩溶液と混合され、その混合物が、本明細書に記載されたパラメータに応じて所望の抽出を行うのに十分な滞留時間のための、長さを有するパイプもしくは導管を通して且つ流量で、運ばれる。このような連続的手順では、可溶化工程は、大豆タンパク質源から実質的に実施可能な限り多くのタンパク質を抽出するための可溶化を行うために好ましくは、迅速に、約10分までの時間で行われる。連続的手順での可溶化は、約1℃から約100℃、好ましくは約15℃から約65℃、より好ましくは約20℃から約35℃の間の温度で行われる。
抽出は、一般的には約1.5から約5.0のpHで実施される。抽出系(大豆タンパク質源及びカルシウム塩溶液)のpHは、任意の好都合な食品グレードの酸、通常は塩酸またはリン酸を使用することにより、抽出工程のために約1.5から約5.0の範囲内の任意の所望の値に調整することができる。
可溶化工程の間のカルシウム塩溶液における大豆タンパク質源の濃度は、広く変化することができる。典型的な濃度値は、約5から約15%w/vである。
カルシウム塩水溶液を用いたタンパク質抽出工程は、大豆タンパク質源中に存在し得る脂肪を可溶化するという付加的な効果を有し、これによって次いで脂肪が水相内に存在することになる。
抽出工程から得られたタンパク質溶液は、一般的に、約5から約50g/L、好ましくは約10から約50g/Lのタンパク質濃度を有する。
カルシウム塩水溶液は酸化防止剤を含むことができる。酸化防止剤は、亜硫酸ナトリウムまたはアスコルビン酸などの任意の好都合な酸化防止剤であってもよい。使用する酸化防止剤の量は、溶液の約0.01から約1重量%まで変化することができ、好ましくは約0.05重量%である。酸化防止剤は、タンパク質溶液中の任意のフェノール類の酸化を抑制する働きをする。
抽出工程から得られた水相は、次に、残留大豆タンパク質源から分離することができるが、これは任意の都合の良い様式で、例えば、デカンタ型遠心分離機または任意の適切な濾し器を用い、その後ディスク遠心分離および/または濾過を行い、残留大豆タンパク質原料を除去することによって行うことができる。分離した残留大豆タンパク質源は、廃棄のために乾燥することができる。あるいは、分離された残留大豆タンパク質源は、ある程度の残留タンパク質を回収するために処理されてもよい。分離した残留大豆タンパク質源を新たなカルシウム塩溶液で再抽出することができ、その再抽出は約1.5から約5.0のpH範囲で実施され、澄明化(clarification)で得られたタンパク質溶液は、以下に記載するさらなる処理加工のために、最初のタンパク質溶液と組み合わされる。あるいは、分離された残留大豆タンパク質源は、従来の等電沈殿法や、かかる残留タンパク質を回収する任意の他の好都合な手順によって処理することができる。
本譲受人に譲渡され、その開示が参照によって本明細書に組み込まれる、米国特許第5,844,086号および米国特許第6,005,076号に記載されているように、大豆タンパク質源がかなりの量の脂肪を含有する場合、前記文献に記載される脱脂工程を、分離した水性タンパク質に対して行うことができる。あるいは、分離されたタンパク質水溶液の脱脂を、任意の他の好都合な手順によって達成することができる。
大豆タンパク質水溶液は、粉末活性炭または顆粒活性炭などの吸着剤で処理して、色および/または臭気化合物を除去することができる。このような吸着処理は、任意の好都合な条件下で、一般的に、分離されたタンパク質水溶液の周囲温度で、行うことができる。粉末活性炭については、約0.025%から約5%w/v、好ましくは約0.05%から約2%w/vの量が用いられる。吸着剤は、濾過などの任意の好都合な手段によって、大豆タンパク質溶液から除去することができる。
得られた大豆タンパク質水溶液は、大豆タンパク質水溶液の導電率を一般的には約90mS未満、好ましくは約4から約31mSの値に低下させるために、一般的には約0.5から約10容量(volumes)、好ましくは約0.5から約2容量の水性希釈剤で希釈することができる。このような希釈は、通常、水を用いて行われるが、最大約3mSの導電率を有する塩化ナトリウムまたは塩化カルシウムなどの希釈塩溶液を用いてもよい。
大豆タンパク質溶液と混合される希釈剤は、約2°から約70℃、好ましくは約15°から約65℃、より好ましくは約20°から約35℃の温度を有することができる。
任意選択で希釈された大豆タンパク質溶液は、塩酸またはリン酸などの任意の適切な食品グレードの酸あるいは食品グレードのアルカリ、通常は水酸化ナトリウムを必要に応じて添加することによって、抽出のpHとは異なるがそれでも約1.5から約5.0、好ましくは約1.5から約4.4、より好ましくは約2.0から約4.0の範囲内の値にpH調整をすることができる。
希釈され任意選択でpH調整された大豆タンパク質溶液は、一般的に約95mS未満、好ましくは約4から約36mSの導電率を有する。
大豆タンパク質水溶液に熱処理を施して、抽出工程の間の大豆タンパク質原料からの抽出の結果としての溶液中に存在する、トリプシン阻害剤などの熱不安定性の抗栄養因子(heat labile anti−nutritional factors)を不活性化してもよい。このような加熱工程はまた、微生物負荷(microbial load)を低減するという付加的な利点を提供する。一般的に、タンパク質溶液は、約70°から約160℃、好ましくは約80°から約120℃、より好ましくは約85℃から約95℃の温度に、約10秒から約60分、好ましくは30秒から約5分の間、加熱される。熱処理された大豆タンパク質溶液を次に、後述のようなさらなる処理のために、約2℃から約65℃、好ましくは約20°から約35℃の温度に冷却することができる。
任意選択で希釈され、任意選択でpH調整され、任意選択で熱処理されたタンパク質溶液を、任意選択で、濾過などの任意の好都合な手段によって精製して、任意の残留微粒子を除去することができる。
得られた大豆タンパク質水溶液を直接、乾燥させて、大豆タンパク質製品を製造することができる。大豆タンパク質単離物などの、不純物含量が減少し塩含有量が低減された大豆タンパク質製品を提供するために、大豆タンパク質水溶液を乾燥前に処理することができる。
大豆タンパク質水溶液を濃縮して、イオン強度を実質的に一定に維持しながら、そのタンパク質濃度を増加させることができる。このような濃縮は、一般的に、約50から約300g/L、好ましくは約100から200g/Lのタンパク質濃度を有する濃縮大豆タンパク質溶液を提供するために行われる。
濃縮工程は、バッチ操作または連続操作と合致する任意の好都合な様式で行うことができ、例えば、限外濾過または透析濾過などの、膜を用いる任意の好都合な選択的膜技術を採用することによって行うことができる。前記膜は、例えば、中空糸膜またはスパイラル膜(spiral−wound membranes)膜であり、異なる膜材料および膜の構成を考慮して約3,000から約1,000,000ダルトン、好ましくは約5,000から約100,000ダルトンなどの適切な分画分子量(molecular weight cut−off)を有し、連続操作については、タンパク質水溶液が膜を通過する際に所望の程度の濃縮を可能にするように寸法決めされる。
周知のように、限外濾過および類似の選択的膜技術によって、低分子量種が膜を通過することを可能にする一方で、高分子量種の通過は妨げられる。低分子量種には、食品グレードの塩のイオン種だけではなく、炭水化物、顔料、低分子量タンパク質、およびトリプシン阻害剤などの抗栄養性因子(これら自体が低分子量タンパク質である)などの、原料から抽出された低分子量材料も含まれる。膜の分画分子量は通常、溶液中のかなりの割合のタンパク質の保持を確実にする一方で、汚染物質の通過は可能となるように、異なる膜材料および膜の構成を考慮して選択される。
濃縮された大豆タンパク質溶液は次に、水または希釈食塩水溶液を用いる透析濾過工程に供することができる。透析濾過溶液は、その天然pH、または透析濾過されるタンパク質溶液のpHに等しいpH、またはこれらの間の任意のpH値とすることができる。このような透析濾過は、約2から約40容量の透析濾過溶液、好ましくは約5から約25容量の透析濾過溶液を用いて行うことができる。透析濾過操作では、透過液(permeate)と共に膜を通過することによって、さらなる量の汚染物質が大豆タンパク質水溶液から除去される。これによって、タンパク質水溶液を精製し、その粘度を低減させることもできる。透析濾過操作は、有意なさらなる量の汚染物質または視認可能な色が透過液内に存在しなくなるまで、または、保持液(retentate)が十分に精製されて、乾燥された場合に少なくとも約90重量%(N×6.25)d.b.のタンパク質含有量を有する大豆タンパク質単離物をもたらすまで行うことができる。このような透析濾過は、濃縮工程と同じ膜を用いて行うことができる。しかし、必要に応じて、透析濾過工程は、異なる分画分子量を有する別個の膜、例えば、異なる膜材料および膜の構成を考慮して約3,000から約1,000,000ダルトン、好ましくは約5,000から約100,000ダルトンの範囲の分画分子量を有する膜を用いて行うことができる。
あるいは、透析濾過工程は、濃縮前にタンパク質水溶液に適用することができ、または部分的に濃縮されたタンパク質水溶液に適用することができる。透析濾過はまた、濃縮プロセスの間の複数のポイントで適用することができる。透析濾過が濃縮前に適用されるか、または部分的に濃縮された溶液に適用される場合、得られた透析濾過された溶液を、次いで、さらに濃縮してもよい。タンパク質溶液を濃縮しながら、複数回、透析濾過することによって達成される粘度低下によって、より高い、十分に濃縮されたタンパク質最終濃度を達成することが可能となりうる。これによって、乾燥すべき材料の体積が減少する。
濃縮工程および透析濾過工程は、ここで、その後回収される大豆タンパク質製品が約90重量%未満のタンパク質(N×6.25)d.b.、例えば少なくとも約60重量%のタンパク質(N×6.25)d.b.を含有するような様式で行うことができる。大豆タンパク質水溶液を部分的に濃縮することおよび/または部分的に透析濾過することによって、汚染物質を部分的にのみ除去することが可能である。このタンパク質溶液は、次に、乾燥されて、低純度の大豆タンパク質製品をもたらすことができる。その大豆タンパク質製品は、依然として、酸性条件下で澄明なタンパク質溶液を生成することができる。
酸化防止剤が、透析濾過工程の少なくとも一部の間、透析濾過媒体中に存在することができる。酸化防止剤は、亜硫酸ナトリウムまたはアスコルビン酸などの任意の好都合な酸化防止剤とすることができる。透析濾過媒体中で使用する酸化防止剤の量は、使用する材料に依存し、約0.01から約1重量%まで変化することができ、好ましくは約0.05重量%とすることができる。酸化防止剤は、濃縮された大豆タンパク質溶液中に存在する任意のフェノール類の酸化を抑制する働きをする。
濃縮工程および任意選択の透析濾過工程は、任意の好都合な温度、一般的に約2℃から約65℃、好ましくは約20℃から約35℃で、所望の程度の濃縮および透析濾過を行うための時間にわたって行うことができる。温度および用いられる他の条件はある程度、膜処理を行うために用いられる膜機器、溶液の所望のタンパク質濃度、および透過液に対する汚染物質の除去効率に依存する。
大豆には2つの主なトリプシン阻害剤が存在し、それはすなわち、およそ21000ダルトンの分子量を有する熱不安定性分子(heat−labile molecule)であるクニッツ(Kunitz)阻害剤、および約8000ダルトンの分子量を有するより熱安定性の分子であるボーマン−バーク(Bowman−Birk)阻害剤である。最終的な大豆タンパク質製品におけるトリプシン阻害剤活性のレベルは、様々なプロセス変数の操作によって制御することができる。
上記のように、大豆タンパク質水溶液の熱処理は、熱不安定性のトリプシン阻害剤を不活化するために用いることができる。部分的に濃縮された、または完全に濃縮された大豆タンパク質溶液もまた、熱不安定性のトリプシン阻害剤を不活化するために熱処理することができる。熱処理が、部分的に濃縮された大豆タンパク質溶液に適用される場合、得られる熱処理された溶液を次いで、さらに濃縮することができる。
さらに、濃縮工程および/または透析濾過工程は、他の汚染物質とともに透過液内へトリプシン阻害剤を除去するのに適した様式で操作することができる。トリプシン阻害剤の除去は、より大きな孔サイズ(例えば約30,000から約1,000,000ダルトン(Da))の膜を用いること、高温(例えば約30℃から約65℃)で膜を操作すること、およびより大きな容量の透析濾過媒体(例えば約20から約40容量)を用いることによって、促進される。
より低いpH(1.5〜3.0)でタンパク質溶液を抽出および/または膜処理することで、その溶液をより高いpH(3.0〜5.0)で処理するのと比較して、トリプシン阻害剤活性を低減することができる。タンパク質溶液がそのpH範囲の最低値で濃縮および透析濾過される場合、乾燥の前に保持液のpHを上昇させることが望ましい場合がある。濃縮および透析濾過されたタンパク質溶液のpHは、水酸化ナトリウムなどの任意の好都合な食品グレードのアルカリを添加することによって、所望の値、例えばpH3まで上昇させることができる。乾燥前に保持液のpHを下げることが望まれる場合、これは、塩酸またはリン酸などの任意の好都合な食品グレードの酸を添加することにより行うことができる。
さらに、トリプシン阻害剤活性の低減は、阻害剤のジスルフィド結合を分断するかまたは転位(rearrange)する還元剤に大豆材料を曝すことによって達成することができる。好適な還元剤には、亜硫酸ナトリウム、システイン、およびN−アセチルシステインが含まれる。
このような還元剤の添加は、プロセス全体のさまざまな段階で行うことができる。還元剤は、抽出工程において大豆タンパク質原料と共に添加することができ、残留大豆タンパク質原料の除去の後に澄明化された大豆タンパク質水溶液に添加することができ、透析濾過の前もしくは後で濃縮されたタンパク質溶液に添加することができ、あるいは、乾燥された大豆タンパク質製品と乾燥混合することができる。還元剤の添加は、上記の熱処理工程および膜処理工程と組み合わせることができる。
濃縮されたタンパク質溶液中に活性なトリプシン阻害剤を保持することが望ましい場合、これは、熱処理工程を排除するかまたは熱処理工程の強度を低減させること、還元剤を使用しないこと、前記pH範囲(3.0から5.0)の最高値で濃縮工程および透析濾過工程を操作すること、より小さい孔サイズを有する濃縮膜および透析濾過膜を利用すること、より低い温度で膜を操作すること、およびより小容量の透析濾過媒体を用いること、によって達成することができる。
濃縮され、任意選択で透析濾過されたタンパク質溶液は、必要に応じて、米国特許第5,844,086号および米国特許第6,005,076号に記載されているように、さらなる脱脂操作に供することができる。あるいは、濃縮され任意選択で透析濾過されたタンパク質溶液の脱脂は、任意の他の好都合な手順によって達成することができる。
濃縮され、任意選択で透析濾過されたタンパク質水溶液は、粉末活性炭または顆粒活性炭などの吸着剤で処理して、色および/または臭気化合物を除去することができる。このような吸着処理は、任意の好都合な条件下で、一般的には、濃縮されたタンパク質溶液の周囲温度で行うことができる。粉末活性炭では、約0.025%から約5%w/v、好ましくは約0.05%から約2%w/vの量が用いられる。吸着剤は、濾過などの任意の好都合な手段によって、大豆タンパク質溶液から除去することができる。
任意選択の脱脂および任意選択の吸着処理から得られる、濃縮され、任意選択で透析濾過された大豆タンパク質溶液は、低温殺菌工程に供して微生物負荷を低減することができる。このような低温殺菌は、任意の望ましい低温殺菌条件下で行うことができる。一般的には、濃縮され、任意選択で透析濾過された大豆タンパク質溶液は、約55°から約70℃、好ましくは約60°から約65℃の温度まで、約30秒間から約60分間、好ましくは約10分間から約15分間、加熱される。低温殺菌され、濃縮され、透析濾過された大豆タンパク質溶液は次に、乾燥もしくはさらなる処理のために、好ましくは約20°から約35℃の温度まで、冷却することができる。
本発明の一態様によれば、濃縮され、任意選択で透析濾過された大豆タンパク質溶液は、噴霧乾燥または凍結乾燥などの任意の好都合な技術によって乾燥して、大豆タンパク質製品を得ることができる。乾燥大豆タンパク質製品は約60重量%(N×6.25)d.b.を超えるタンパク質含量を有する。好ましくは、乾燥大豆タンパク質製品は、約90重量%タンパク質を超える、好ましくは少なくとも約100重量%(N×6.25)d.b.の高タンパク質含量を有する単離物である。
本発明の別の態様では、濃縮工程および任意選択の透析濾過工程、任意選択の脱脂工程、任意選択の吸着処理工程および任意選択の低温殺菌工程から得られた濃縮されたタンパク質溶液は、任意選択で、約1.5から約7.0、好ましくは約4.0から7.0、より好ましくは約5.0から約7.0の範囲内のpHに調整され、次いで濃縮タンパク質溶液を所望の希釈度を達成するのに必要な容積を有する水と混合することによって希釈される。本発明のこの態様の場合のように、上澄み液と呼ばれる残留水相から沈殿したタンパク質を分離することが意図される場合、希釈度は一般的には約5倍から約25倍、好ましくは約10倍から約20倍である。濃縮タンパク質溶液と混合する水は、好ましくは、約1°から約65℃、好ましくは約20°から約35℃の温度を有する。
バッチ操作では、濃縮タンパク質溶液のバッチを、上述したような所望の容量の静止した水体(body of water)に添加する。濃縮タンパク質溶液の希釈は、イオン強度を低下させ、タンパク質沈殿物の形成を引き起こす。バッチ法では、タンパク質沈殿物は水体中で沈降させられる。沈降は、遠心分離などによって、支援することができる。そのような誘導された沈降は、沈殿したタンパク質の閉塞された(occluded)塩の含有量および水分含量を減少させる。
あるいは、T字型のパイプの一つの供給口に濃縮タンパク質溶液を連続的に送り、希釈水をT字型パイプの他の供給口に供給し、パイプ中で混合が行われるようにすることで、希釈操作を連続的に行うことができる。希釈水は、濃縮タンパク質溶液の希釈の所望の程度を達成するのに十分な割合でT字型パイプに供給される。
パイプ内の濃縮タンパク質溶液と希釈水の混合によって、タンパク質沈殿物の形成が開始され、その混合物がT字型パイプの出口から連続的に沈降容器中に供給される。沈降容器が一杯になったとき、沈降容器から上澄み液がオーバーフローするようにされる。前記混合物は、好ましくは、液体(body of liquid)内の乱れ(turbulence)を最小限にするような様式で、沈降容器内の液体内に供給される。
連続処理では、タンパク質の沈殿物が沈降容器内で沈降させられ、その処理が所望の量の沈殿物が沈降容器の底に蓄積するまで続けられ、そうするとすぐに蓄積した沈殿が沈降容器の底から取り除かれる。沈降作用(sedimentation)による沈降のかわりに、沈殿物を遠心分離によって連続的に分離することができる。
バッチプロセスと比較して、大豆タンパク質沈殿物の回収のために連続プロセスを利用することにより、同レベルのタンパク質抽出のための最初のタンパク質抽出工程の時間をかなり減らすことができる。また、連続操作では、バッチ法に比べて汚染の可能性が低く、それがより高い製品品質につながり、またプロセスをより小型な機器で実施することができる。
沈降した塊(mass)から残留水相をデカンテーションすることにより、または遠心分離により、沈降した沈殿物が、残留水相もしくは上澄み液から分離される。沈殿物を、例えば約1から約10、好ましくは約2から約3容量の水で洗浄して残留する上澄み液を除去することができ、次いで、上述のように、その沈殿物を再び回収することができる。任意選択で洗浄した沈殿物は、湿潤形態で使用してもよいし、噴霧乾燥または凍結乾燥などの任意の好都合な技術によって、乾燥形態に乾燥してもよい。乾燥した沈殿物は、約60重量%タンパク質を超える、好ましくは少なくとも約90重量%のタンパク質(N×6.25)の、より好ましくは少なくとも約100重量%(N×6.25)の、高タンパク質含量を有する。
希釈工程から生じる上澄み液は、大豆タンパク質製品を提供するために乾燥させることができる。あるいは、上澄み液は、pH調整および/または熱処理および/または膜処理などの任意の好都合な手段によって処理して、その不純物含有量及び/又はそのトリプシン阻害剤活性を減少させることができる。処理された上澄み液は、次いで大豆タンパク質製品を提供するために乾燥させることができる。
上述したように、希釈工程で形成された沈降タンパク質沈殿物を直接、乾燥させて、タンパク質製品を得ることができる。あるいは、湿潤タンパク質沈殿物を、水(例えば約2から約3容量)に再懸濁し、塩酸またはリン酸などの任意の好都合な酸を用いて、約1.5から約4.4、好ましくは約2.0から約4.0に、そのサンプルのpHを調整することにより再可溶化することができる。再可溶化したタンパク質溶液は、次いで、噴霧乾燥もしくは凍結乾燥などの任意の好都合な技術によって、乾燥形態に乾燥してもよい。乾燥タンパク質製品は、約60重量%タンパク質を超える、好ましくは少なくとも約90重量%のタンパク質の、より好ましくは少なくとも約100重量%のタンパク質(N×6.25)の、タンパク質含量を有する。
さらなる代替として、再可溶化された大豆タンパク質溶液に熱処理を施して、任意の残留する熱不安定性の抗栄養因子を不活性化することができる。このような加熱工程はまた、微生物負荷を低減するという付加的な利点を提供する。一般的に、タンパク質溶液は、約70°から約160℃、好ましくは約80°から約120℃、より好ましくは約85°から約95℃の温度に、約10秒から約60分、好ましくは約30秒から約5分、加熱する。次いで、熱処理した大豆タンパク質溶液を、後述のさらなる処理のために、約2°から約65℃、好ましくは約20°から約35℃の温度に冷却することができる。
再可溶化し任意選択で熱処理されたタンパク質溶液は、任意選択で、濾過などによる任意の好都合な手段によって精製して、残留微粒子を除去することができる。
再可溶化し、任意選択で熱処理し、任意選択で精製した澄明なタンパク質溶液を濃縮して、そのタンパク質濃度を高めることができる。このような濃縮は、限外濾過または透析濾過などの、任意の好都合な選択的膜技術を用いて行われ、当該膜技術では、低分子量種(例えば、塩、炭水化物、顔料、トリプシン阻害剤およびタンパク質原料から抽出された他の低分子量材料)を透過させる一方でその溶液中の大豆タンパク質のかなりの割合を保持する、適切な分画分子量を有する膜を用いる。異なる膜材料および膜の構成を考慮して約3,000から1,000,000ダルトン、好ましくは約5,000から約100,000ダルトンの分画分子量を有する限外濾過膜を用いることができる。このようなタンパク質溶液の濃縮はまた、タンパク質回収のための乾燥に必要な液体の容積を減少させる。タンパク質溶液は、一般的に、乾燥前に、約50g/Lから約300g/L、好ましくは約100から約200g/Lのタンパク質濃度に濃縮される。このような濃縮操作は、上記のようなバッチモードまたは連続操作で行うことができる。
大豆タンパク溶液は、水を使用して、完全に濃縮する前もしくは後に、透析濾過工程にかけることができる。水は、その天然のpH、または透析濾過されるタンパク質溶液のpHと同じpH、またはそれらの間の任意のpH値とすることができる。このような透析濾過は、約2から約40容量の透析濾過溶液、好ましくは約5から約25容量の透析濾過溶液を用いて行うことができる。透析濾過操作では、透過液とともに膜を通過することによって、さらなる量の汚染物質が澄明な大豆タンパク質水溶液から除去される。透析濾過操作は、有意なさらなる量の汚染物質または視認可能な色が透過液内に存在しなくなるまで、または、保持液が十分に精製されて乾燥時に所望のタンパク質濃度の大豆タンパク質製品、好ましくは少なくとも約90重量%(N×6.25)d.b.のタンパク質含量を有する大豆タンパク質単離物をもたらすまで行うことができる。このような透析濾過は、濃縮工程用のものと同じ膜を使用して行うことができる。しかしながら、所望であれば、透析濾過工程は、異なる分画分子量を持つ別個の膜、例えば、異なる膜材料および膜の構成を考慮して約3,000から約1,000,000ダルトン、好ましくは約5,000から約100,000ダルトンの範囲の分画分子量を有する膜を用いて行うことができる。
濃縮工程および透析濾過工程は、ここで、濃縮し且つ透析濾過した保持液を乾燥することによりその後回収した大豆タンパク質製品が、約90重量%未満のタンパク質(N×6.25)d.b.、例えば少なくとも約60重量%のタンパク質(N×6.25)d.b.を含むような様式で行うことができる。大豆タンパク質水溶液を部分的に濃縮することおよび/または部分的に透析濾過することによって汚染物質を部分的にのみ除去することができる。このタンパク質溶液は次に乾燥させて、純度がより低いレベルの大豆タンパク質製品を提供すことができる。その大豆タンパク質製品は、依然として、酸性条件下で澄明なタンパク質溶液を生成することができる。
酸化防止剤が、透析濾過工程の少なくとも一部の間、透析濾過媒体中に存在することができる。酸化防止剤は、亜硫酸ナトリウムまたはアスコルビン酸などの任意の好都合な酸化防止剤とすることができる。透析濾過媒体中で使用する酸化防止剤の量は、使用する材料に依存し、約0.01から約1重量%まで変化することができ、好ましくは約0.05重量%とすることができる。酸化防止剤は、濃縮された大豆タンパク質溶液中に存在する任意のフェノール類の酸化を抑制する働きをする。
任意選択の濃縮工程と任意選択の透析濾過工程は、任意の好都合な温度、一般的に約2°から約65℃、好ましくは約20°から約35℃で、所望の程度の濃縮および透析濾過を行うための時間にわたって行うことができる。温度および用いられる他の条件はある程度、膜処理を行うために用いられる膜機器、溶液の所望のタンパク質濃度、および透過液への汚染物質の除去効率に依存する。
上記のように、再可溶化された大豆タンパク質水溶液の熱処理は、残留する熱不安定性のトリプシン阻害剤を不活化するために用いることができる。部分的に濃縮された、または完全に濃縮された再可溶化された大豆タンパク質溶液もまた熱処理して、熱不安定性のトリプシン阻害剤を不活化することができる。
さらに、濃縮工程および/または透析濾過工程は、他の汚染物質とともに透過液内へトリプシン阻害剤を除去するに適した様式で操作することができる。トリプシン阻害剤の除去は、より大きな孔サイズ(例えば、30,000から1,000,000ダルトン)の膜を用いること、高温(例えば、30°から65℃)で膜を操作すること、およびより大きな容量の透析濾過媒体(例えば、20から40容量)を用いることによって、促進される。
より低いpH(1.5から3)でタンパク質溶液を膜処理することで、その溶液をより高いpH(3から4.4)で処理するのと比較して、トリプシン阻害剤活性を低減することができる。タンパク質溶液がそのpH範囲の最低値で濃縮および透析濾過される場合、乾燥の前に保持液のpHを上昇させることが望ましい場合がある。濃縮および透析濾過されたタンパク質溶液のpHは、水酸化ナトリウムなどの任意の好都合な食品グレードのアルカリを添加することによって、所望の値、例えばpH3まで上昇させることができる。
さらに、トリプシン阻害剤活性の低減は、阻害剤のジスルフィド結合を分断するかまたは転位する還元剤に大豆材料を曝すことによって達成することができる。好適な還元剤には、亜硫酸ナトリウム、システイン、およびN−アセチルシステインが含まれる。
このような還元剤の添加は、プロセス全体のさまざまな段階で行うことができる。還元剤は、希釈工程から得られた湿潤タンパク質沈殿物に添加してもよいし、沈殿物を再可溶化することによって形成されたタンパク質溶液に添加してもよいし、透析濾過の前または後に、濃縮された溶液に添加してもよいし、乾燥大豆タンパク質製品と乾燥混合してもよい。還元剤の添加は、上記のような、熱処理工程及び膜処理工程と組み合わせることができる。
濃縮されたタンパク質溶液中に残留する活性なトリプシン阻害剤を保持することが望ましい場合、これは、熱処理工程を排除するかまたは熱処理工程の強度を低減させること、還元剤を利用しないこと、前記pH範囲(3から4.4)の最高値で濃縮工程および透析濾過工程を操作すること、より小さい孔サイズを有する濃縮膜および透析濾過膜を利用すること、より低い温度で膜を操作すること、およびより小容量の透析濾過媒体を用いること、によって達成することができる。
再可溶化され、任意選択で濃縮され、任意選択で透析濾過されたタンパク質水溶液は、粉末活性炭または顆粒活性炭などの吸着剤で処理して、色および/または臭気化合物を除去することができる。このような吸着処理は、任意の好都合な条件下で、一般的には、タンパク質溶液の周囲温度で行うことができる。粉末活性炭では、約0.025%から約5%w/v、好ましくは約0.05%から約2%w/vの量が用いられる。吸着剤は、濾過などの任意の都合の良い手段によって、大豆タンパク質溶液から除去することができる。
再可溶化され、任意選択で濃縮され、任意選択で透析濾過された大豆タンパク質水溶液は、次いで、噴霧乾燥または凍結乾燥などの任意の好都合な技術によって乾燥することができる。乾燥大豆タンパク質製品は少なくとも約60重量%(N×6.25)d.b.、好ましくは約90重量%(N×6.25)d.b.を超える、より好ましくは少なくとも約100重量%(N×6.25)d.b.のタンパク質含量を有する。
本発明の別の態様によれば、濃縮されたタンパク質溶液と希釈水との混合物を、分画(fractionation)工程なしに処理することができる。このような場合には、希釈の程度は、一般的には約1から25倍、好ましくは約3から約12倍である。濃縮タンパク質溶液と混合する水は、約1°から約65℃、好ましくは約20℃から約35℃の温度を有する。
析出したタンパク質沈殿物を含む希釈水は、塩酸やリン酸などの任意の好都合な酸を使用して、約1.5から約4.4、好ましくは約2.0から約4.0のpHに調整される。pHの調整は、希釈により析出したタンパク質の再可溶化を引き起こす。タンパク質溶液は、湿潤形態で使用してもよいし、噴霧乾燥または凍結乾燥などの任意の好都合な技術によって乾燥形態に乾燥してもよい。
さらなる代替として、タンパク質沈殿物と上澄み液との混合物をpH調整することにより形成されたタンパク質溶液は、pH調整により再可溶化された単離沈殿物について上記と同様の工程を用いて処理することができる。
任意選択で濃縮され、任意選択で透析濾過され、任意選択で熱処理され、任意選択で精製され、任意選択で吸着処理された大豆タンパク質水溶液を、次に、噴霧乾燥又は凍結乾燥などの任意の好都合な技術によって乾燥することができる。乾燥した大豆タンパク質製品は、約60重量%タンパク質を超える、好ましくは少なくとも約90重量%の、より好ましくは約100重量%(N×6.25)d.b.の、タンパク質含量を有する。
本明細書において製造される大豆タンパク質製品は、酸性の水性環境に可溶性であり、これによって当該製品が、タンパク質強化のために飲料(炭酸及び無炭酸飲料の両方)に組み込むのに理想的となる。そのような飲料は、約2.5から約5の範囲にわたる、酸性pH値の広い範囲を有する。本明細書で提供される大豆タンパク質製品は、そのような飲料にタンパク質強化を提供するために、任意の好都合な量、例えば一人前あたり少なくとも約5gの大豆タンパク質、でそのような飲料に添加することができる。添加された大豆タンパク質製品を飲料に溶解し、熱加工の後でも、飲料の澄明さを損なわない。大豆タンパク質製品は、水への溶解による飲料の再調製(reconstitution)の前に、乾燥飲料とブレンドすることができる。本発明の組成物の飲料中に溶解したままになるという能力に、飲料中に存在する成分が悪影響をおよぼし得る場合に、ときには、本発明の組成物を許容するために飲料の通常の配合を改変することが必要かもしれない。

例1:
この例は、低pHで塩化カルシウム溶液を用いる抽出を利用した、透明で熱に安定なタンパク質溶液の調製を示す。
大豆の白フレーク(10g)を0.15M塩化カルシウム溶液(100ml)と混合して、すぐにそのサンプルのpHをHClで4.8と1.5に調整した。それらサンプルを、マグネチックスターラーを用い、室温で30分間抽出した。サンプルのpHをモニターし、30分の抽出の間に、2回調整した。抽出物を、10分間10200gにおける遠心分離によって使用済み荒粉(spent meal)から分離し、遠心分離液をポアサイズ25μmの濾紙を用いた濾過によりさらに澄明化した。透過(transmission)モードで操作されるHunterLab ColorQuest XEを用いて濾液の澄明度を測定し、百分率ヘイズ値の測定値を得た。次いで、それらのサンプルを、1容量の逆浸透精製水で希釈し、ヘイズのレベルを再度測定した。次いで、それら希釈されたサンプルのpHを、必要に応じてHClもしくはNaOHを用いて、3に調整した。次いで、それらpH調整したサンプルのヘイズレベルを分析した。次いでそれらサンプルを、95℃、30秒間熱処理し、直ちに氷水中で室温に冷却し、ヘイズレベルを再評価した。
上記様々なサンプルについて測定したヘイズ値を、表1、表2に示す。
Figure 0006099632
Figure 0006099632
表1および2に示した結果から分かるように、当初の濾液はやや曇っているが、より細かいフィルタを利用することにより改善された澄明度が得られたことがある。1容量の水による希釈によって、pH1.5のサンプルの澄明度が改善されるが、しかしpH4.8のサンプルには析出がもたらされた。その希釈サンプルのpHを3に調整することにより、もともとpH4.8であったサンプルに良好な澄明度が与えられ、一方でもともとpH1.5のサンプルはおそらくわずかな曇りを有していた。熱処理後には、両方のサンプルが澄明であると考えられた。
例2:
この例では、本発明の一実施形態による大豆タンパク質単離物の調製を説明する。
脱脂され、最小限の熱処理をされた大豆粉20kgを、周囲温度で0.15Mの塩化カルシウム溶液200Lに加え、30分間攪拌し、タンパク質水溶液を得た。前記粉を塩化カルシウム溶液中に分散させた直後に、系のpHを、希釈したHClを添加することによって3に調整した。30分の抽出の間ずっとpHをモニターし、定期的に3に修正した。残留大豆粉を遠心分離によって除去し、3.37重量%のタンパク質含量を有するタンパク質溶液174Lを得た。そのタンパク質溶液を、次いで、逆浸透精製水174Lと合わせ、そのpHを3に修正した。次いで、この溶液を濾過により精製し、1.21重量%のタンパク質含量を有する、濾過したタンパク質溶液385Lを得た。
5000ダルトンの分画分子量を有するPVDF膜における濃縮によって、濾過したタンパク質溶液の容量を25Lに減らした。濃縮したタンパク質溶液を、その後、逆浸透精製水125Lを用いて透析濾過した。得られた透析濾過した濃縮タンパク質溶液は14.51重量%のタンパク質含量を有し、そして濾過したタンパク質溶液の81.3重量%の収率を示した。透析濾過した濃縮タンパク質溶液を、次いで、乾燥して、99.18%(N×6.25)d.b.のタンパク質含量を有することが見出された製品を得た。この製品を、S005−A13−09A S703と命名した。
タンパク質0.48グラムを供給するために十分なS005−A13−09A S703を15mlの逆浸透精製水に溶解し、溶液の色や澄明度を、透過モードで操作されるHunterLab Color Quest XE測定器を使用して評価した。溶液のpHをpHメーターで測定した。
pH、色、澄明度値は次の表3に記載されている。
Figure 0006099632
表3からわかるように、水中のS703の溶液は、透明ではなく、半透明であった。このサンプルのヘイズの比較的高いレベルの結果、L値が予想よりも幾分低くなった。
乾燥粉末の色も、反射(reflectance)モードでHunterLab Color Quest XE測定器で評価した。色値は、以下の表4に記載されている。
Figure 0006099632
表4からわかるように、乾燥製品の色は非常に明るかった。
例3:
この例は、例2(S703)の方法により製造された大豆タンパク質単離物の水中での熱安定性の評価を含む。
S005−A13−09A S703の溶液を、0.8gのタンパク質を供給するのに十分なタンパク質粉末を40mlのRO水に溶解させ、次いでpHを3に調整することにより、調製した。この溶液の澄明度を、HunterLab Color Quest XE測定器を用いてヘイズを測定することにより評価した。次いで、その溶液を95℃に加熱し、30秒間この温度で保持し、次いで直ちに氷浴中で室温まで冷却した。次いで、熱処理された溶液の澄明度を再度、測定した。
加熱前後のタンパク質溶液の澄明度が以下の表5に記載されている。
Figure 0006099632
表5の結果からわかるように、S005−A13−09A S703の初期溶液は非常に曇っていたことが分かった。しかし、溶液は熱に安定であり、ヘイズレベルは実際に熱処理により幾分減少した。
例4:
この例は、例2(S703)の方法により製造された大豆タンパク質単離物の水への溶解性の評価を含む。溶解度は、タンパク質溶解度(タンパク質法と称される、Morrら、J.Food Sci. 50:1715−1718の手順の修正版)と全製品溶解度(ペレット法と称される)に基づいて試験した。
タンパク質0.5gを供給するために十分なタンパク質粉末をビーカーに秤量し、次いで逆浸透(RO)精製水を少量添加し、その混合物を、滑らかなペーストが形成されるまで撹拌した。次いで、その容量が約45mlになるように、追加の水を加えた。次いで、ビーカーの内容物をゆっくりとマグネチックスターラーを用いて60分間、撹拌した。pHは、タンパク質を分散させた後直ちに測定し、希釈NaOHまたはHClで、適切なレベル(2、3、4、5、6または7)に調整した。また、一つのサンプルを、天然のpHで調製した。pHを調整した試料については、pHを測定し、60分の攪拌の間に2回、修正した。60分撹拌の後、サンプルを、RO水を補充して総容積を50mlにし、1%w/vタンパク質分散液を得た。分散液のタンパク質含量は、Leco FP528窒素測定器を用いて測定した。分散液のアリコート(aliquots)(20ml)を、次いで、100℃のオーブン中で一晩乾燥し予め秤量した遠心分離管に移し、その後デシケーター中で冷却し、管にキャップをした。サンプルを、10分間、7800gで遠心分離し、それにより不溶性材料を沈降させ、澄明な上澄み液を得た。上澄み液のタンパク質含量をLeco分析により測定し、次いで上澄み液および管の蓋を捨て、ペレット(pellet)材料を100℃に設定したオーブンで一晩乾燥させた。翌朝、管をデシケーターに移し、冷ました。乾燥ペレット材料の重量を記録した。初期のタンパク質粉末の乾燥重量を、使用した粉末の重量にファクター((100−粉末の含水率(%))/100)を乗じることによって算出した。次いで、製品の溶解度を、2種類の異なる方法で計算した。
1)溶解度(タンパク質法)(%)=(上澄み液中のタンパク質%/初期分散液中のタンパク質%)×100
2)溶解度(ペレット法)(%)=(1−(乾燥不溶性ペレット材料の重量/((分散液20mlの重量/分散液50mlの重量)×乾燥タンパク質粉末の初期重量)))×100。
例1で製造したタンパク質単離物の水中(1%のタンパク質)の天然のpH値を表6に示す。
Figure 0006099632
得られた溶解度の結果は以下の表7および8に記載されている。
Figure 0006099632
Figure 0006099632
表7及び表8の結果から分かるように、S703製品はpH値2、3および7と同様に天然のpHで、可溶性が高かった。溶解度は、pH4でわずかに低かった。
例5:
この例は、例2(S703)の方法により製造された大豆タンパク質単離物の水中での澄明度の評価を含む。
例4に記載されるように調製された1%w/vタンパク質溶液の澄明度を、600nmでの吸光度を測定することによって評価した。より低い吸光度スコアは、より高い澄明度を示す。透過モードでのHunterLab ColorQuest XE測定器によるサンプルの分析により、パーセントのヘイズ測定値、つまり澄明さの別の尺度も得た。
澄明度の結果は以下の表9および10に記載されている。
Figure 0006099632
Figure 0006099632
表9および10の結果から分かるように、S703溶液は、pH2から3において澄明からわずかに曇っていた。わずかに濁った溶液は、pH7でも得られた。
例6:
この例は、例2(S703)の方法により製造された大豆タンパク質単離物のソフトドリンク(スプライト(Sprite))、およびスポーツドリンク(オレンジゲータレード(Orange Gatorade))中での溶解性の評価を含む。溶解度は、これら飲料にpH調節無しで添加したタンパク質について測定し、これらタンパク質強化飲料のpHをもともとの飲料のpHに調節したものについて再び測定した。
pH調節なしで溶解度を評価するに際しては、タンパク質1gを供給するために十分な量のタンパク質粉末をビーカーに秤量し、飲料を少量添加し、滑らかなペーストが形成されるまで攪拌した。その容量を50mlにするように、追加の飲料を加え、次いで、その溶液を60分間マグネチックスターラーでゆっくりと攪拌し、2%タンパク質w/v分散液を得た。サンプルのタンパク質含量をLeco FP528窒素測定器を用いて分析し、次いで、タンパク質を含む飲料のアリコートを、10分間、7800gで遠心分離し、上澄み液のタンパク質含量を測定した。
溶解度(%)=(上澄み液中のタンパク質%/初期分散液中のタンパク質%)×100。
pH調節を伴う場合の溶解度を評価するに際しては、タンパク質を含まないソフトドリンク(スプライト)(3.39)とスポーツドリンク(オレンジゲータレード)(3.19)のpHを測定した。タンパク質1gを供給するに十分な量のタンパク質粉末をビーカーに量り入れ、少量の飲料を加え、滑らかなペーストが形成されるまで攪拌した。その容量が約45mlになるように追加の飲料を加え、次いで、その溶液を60分間マグネチックスターラーでゆっくりと攪拌した。そのタンパク質含有飲料のpHを測定し、次いで、必要に応じてHCl又はNaOHを用いて、もともとの無タンパク質の場合のpHに調整した。各溶液の総容量を、追加の飲料で50mlにし、2%タンパク質w/v分散液を得た。それらサンプルのタンパク質含量を、Leco FP528窒素測定器を用いて分析し、次いで、タンパク質含有飲料のアリコートを、10分間7800gで遠心分離し、上澄み液のタンパク質含量を測定した。
溶解度(%)=(上澄み液中のタンパク質%/初期分散液中のタンパク質%)×100。
得られた結果は次の表11に記載されている。
Figure 0006099632
表11の結果から分かるように、S703は、スプライトおよびオレンジゲータレード中の溶解性が高かった。S703は酸性化された製品であるので、タンパク質の添加は、飲料のpHにほとんど影響を及ぼさなかった。
例7:
この例は、例2(S703)の方法により製造された大豆タンパク質単離物のソフトドリンクおよびスポーツドリンク中の澄明度の評価を含む。
例6においてソフトドリンク(スプライト)およびスポーツドリンク(オレンジゲータレード)中で調製した2%w/vタンパク質分散液の澄明度を、例5に記載された方法を用いて評価した。600nmの吸光度の測定については、測定実行前に、分光光度計を適切な飲料でブランクした(blanked)。
得られた結果は以下の表12および13に記載されている。
Figure 0006099632
Figure 0006099632
表12および13の結果から分かるように、スプライトとオレンジゲータレード中のS703について得られた良好な溶解性の結果は、これら飲料における澄明さを意味しなかった。実際、得られた溶液は非常に曇っていた。
例8:
この例は、本発明の他の実施形態に従った大豆タンパク質単離物の製造を説明するものである。
脱脂大豆白フレーク100gを、周囲温度で、0.15MのCaCl溶液1000mlに加え、30分間攪拌し、タンパク質水溶液を得た。フレークが塩化カルシウム溶液で濡れた直後に、系のpHを塩酸の溶液で4.5に調整した。pHを監視し、30分の抽出を通じて定期的に修正した。この抽出工程の後、遠心分離および濾過によって、残留大豆白フレークを除去し、得られたタンパク質溶液を澄明化し、2.05重量%のタンパク質含量を有する濾過したタンパク質溶液578mlを製造した。
タンパク質抽出液530mlを、10,000ダルトンの分画分子量をもつポリエーテルスルホン膜上で45mlまで減量し、19.40重量%のタンパク質含有量を有する濃縮タンパク質溶液を製造した。濃縮タンパク質溶液を、次いで、2つの部分に分割した。
24℃の濃縮タンパク質溶液20mlを、24℃の温度を有する逆浸透(RO)精製水200ml中に希釈した。白い曇りが形成され、それが沈降した。次いで、サンプルを遠心分離し、上澄み液画分からタンパク質沈殿物を分離した。湿ったタンパク質沈殿物5.72gを回収し、次いで、添加されたHC1溶液を伴うRO水20mlに再可溶化して、pHを2.99に減少させた。濾過したタンパク質溶液の23.8重量%の収率で回収された、再可溶化したタンパク質沈殿物を凍結乾燥して、S703−7300と称する製品を得た。乾燥した製品は、101.75%(N×6.25)d.b.のタンパク質含量を有することが分かった。
24℃の濃縮タンパク質溶液の別の21mlを、24℃の温度を有するRO水210ml中に希釈した。サンプルのpHを、次いで、HC1溶液で4.76から2.98に低下させた。酸性化した溶液220mlの容量を、10,000ダルトンの分画分子量を有するポリエーテルスルホン膜上で、33mlに減少させ、9.76重量%のタンパク質含量を有する濃縮タンパク質溶液を製造した。濾過したタンパク質溶液の30.1重量%の収率で回収された、この濃縮タンパク質溶液を、凍結乾燥して、S703−7301と称する製品を得た。乾燥した製品は、92.21%(N×6.25)d.b.のタンパク質含量を有することが分かった。
S703−7300の溶液およびS703−7301の溶液を、0.48gのタンパク質を供給するのに十分な粉末をRO水15mlに溶解することによって調製した。溶液の色及び澄明度を、透過モードで操作したHunterLab ColorQuest XEを用いて評価した。溶液のpHは、pHメーターを用いて測定した。
pH、色、澄明度値は次の表14に記載されている。
Figure 0006099632
表14に示す結果から分かるように、S703−7300およびS703−7301の溶液は、半透明(translucent)で明るい色を有していた。
例9:
この例では、低pHで調製され、次いで希釈工程の前にpH調整された濃縮タンパク質溶液を希釈する際にタンパク質沈殿物が生成することを説明する。
脱脂大豆白フレーク100gを、周囲温度で、0.15MのCaCl溶液1000mlに加え、30分間攪拌してタンパク質水溶液を得た。フレークを塩化カルシウム溶液で湿らせた直後に、系のpHを塩酸の溶液で3.0に調整した。30分の抽出の間ずっとpHをモニターし、定期的に修正した。抽出工程の後、残留大豆白色フレークを除去し、得られたタンパク質溶液を遠心分離および濾過によって澄明化し、2.78重量%のタンパク質含量を有する濾過したタンパク質溶液568mlを製造した。
タンパク質抽出液550mlを、10,000ダルトンの分画分子量をもつポリエーテルスルホン膜上で84mlまで減少させ、15.18重量%のタンパク質含量を有する濃縮タンパク質溶液を製造した。
3.11のpHを有するその限外濾過保持液を、複数のアリコートに分割し、必要に応じて、6MのNaOHおよび0.5MのHClを用いて、pHを約4、5、6または7に調整した。そのpH調整された保持液サンプルのタンパク質含量を測定した。pH調整された保持液サンプルのアリコートを、10分間、7800gの遠心分離により澄明化し、次いで、遠心分離液(centrate)のタンパク質含量を測定した。pH調整された保持液サンプルの追加のアリコートを10容量のRO水で希釈し、ボルテックス(vortex)で混合し、それら希釈したサンプルのpH、導電率、A600およびタンパク質含量を測定した。希釈したサンプルを10分間、7800gの遠心分離により澄明化し、次いで遠心分離液のタンパク質含量を測定した。
保持液のpHを上昇させると、全てのサンプルが、最終的なpHに関係なく、より曇った。澄明化前後のタンパク質含量の測定により、サンプル中のタンパク質の約20%が、pH調整により沈殿することが示された(表15)。
Figure 0006099632
pH調整した保持液サンプルの希釈は、特に保持液がpH4以上のときに(表16)、非常に曇ったサンプルをもたらした。澄明化前後のサンプルのタンパク質濃度の分析により、全てのpH値でいくらかのタンパク質が沈殿するが、特に希釈工程前の保持液のpHが4以上のときに沈殿が起きることが示された。pH4〜7のサンプル中のタンパク質沈殿の度合いの高さは、希釈工程が、pH調整によって引き起こされるタンパク質沈殿を超えるタンパク質沈殿をもたらすことを示している。
Figure 0006099632
開示の概要
本開示を要約すれば、本発明により、低pHの塩化カルシウム水溶液を用いた大豆タンパク質原料の抽出に基づく、酸性媒体に可溶な大豆タンパク質単離物の製造方法が提供される。本発明の範囲内で改変が可能である。

Claims (36)

  1. 乾燥重量基準で少なくとも60重量%(N×6.25)の大豆タンパク質含量を有する大豆タンパク質製品の製造方法であって、
    (a)1.5から5のpHにおいて、カルシウム塩水溶液で、大豆ミール、大豆フレーク、荒挽き大豆もしくは大豆粉である大豆タンパク質源を抽出して、大豆タンパク質源からの大豆タンパク質の可溶化を引き起こし、大豆タンパク質水溶液を形成する工程、
    (b)残留大豆タンパク質源から、少なくとも部分的に、大豆タンパク質水溶液を分離する工程、ならびに、
    下記工程(A)あるいは(B)、
    (A)(c)選択的膜技術を用いて、イオン強度を実質的に一定に維持しながら、大豆タンパク質水溶液を濃縮する工程
    (d)濃縮された大豆タンパク質溶液を、水中に希釈して、沈殿物を形成する工程、
    )上澄み液と呼ばれる希釈水から沈殿物を分離する工程、および
    i)分離した大豆タンパク質沈殿物を乾燥する工程、または
    ii)分離した大豆タンパク質沈殿物を1から10容量の水で洗浄し、洗浄した沈殿物を回収する工程、または
    iii)分離した大豆沈殿物を、pH1.5〜4.4で水中に可溶化して大豆タンパク質溶液を形成する工程、
    (B)(c)選択的膜技術を用いて、イオン強度を実質的に一定に維持しながら、大豆タンパク質水溶液を濃縮する工程
    (d)濃縮された大豆タンパク質溶液を希釈して、pH調整によって希釈水中に再可溶化されて大豆タンパク質溶液を形成する沈殿物を形成する工程
    を含むことを特徴とする大豆タンパク質製品の製造方法。
  2. 前記カルシウム塩水溶液が酸化防止剤を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 工程(A)もしくは(B)の前に、大豆タンパク質水溶液を希釈することを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記大豆タンパク質水溶液を90mS未満の導電率まで希釈すること、ならびに/または、
    前記大豆タンパク質水溶液が、希釈および/またはpH調整の後で、95mS未満の導電率を有すること
    を特徴とする、請求項3に記載の方法。
  5. 記大豆タンパク質水溶液を、0.5から10容量の水性希釈剤で希釈して、4から31mSの前記大豆タンパク質溶液の導電率を得て、
    前記水性希釈剤が、2℃から70℃の温度を有し、およ
    前記大豆タンパク質溶液が、希釈おびpH調整の後で、4mSから36mSの導電率を有することを特徴とする、請求項に記載の方法。
  6. 希釈剤温度が20℃から35℃であることを特徴とする、請求項5記載の方法。
  7. 工程(A)(c)の前に、前記タンパク質水溶液のpHを、1.5から5.0の範囲内の抽出のpHと異なる値に調整することを特徴とする、請求項1から6の何れか1項に記載の方法。
  8. 前記調整されたpH値が、1.5から4.4であることを特徴とする、請求項に記載の方法。
  9. 前記調整されたpH値が、2.0から4.0であることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
  10. 工程(A)(c)の前に、前記大豆タンパク質水溶液を精製して、残留微粒子を除去し、
    ここで、工程(A)(c)の前に、前記タンパク質水溶液のpHを、1.5から5.0の範囲内の抽出のpHと異なる値に調整する場合には、当該精製はこのpH調整の後に行われる、
    ことを特徴とする、請求項1から9の何れか1項に記載の方法。
  11. 工程(B)(c)より前に、前記大豆タンパク質水溶液を精製して、残留微粒子を除去することを特徴とする、請求項1から9の何れか1項に記載の方法。
  12. 前記抽出工程を、1.0M未満の濃度を有する塩化カルシウム水溶液を用いて行うことを特徴とする、請求項1から11の何れか1項に記載の方法。
  13. 前記塩化カルシウム水溶液が、0.10から0.15Mの濃度を有することを特徴とする、請求項12に記載の方法。
  14. 前記抽出工程を、15℃から65℃の温度で行い、5から50g/Lのタンパク質濃度を有する前記大豆タンパク質水溶液を製造することを特徴とする、請求項1から13の何れか1項に記載の方法。
  15. 前記温度が20℃から35℃であることを特徴とする、請求項14に記載の方法。
  16. 前記工程(A)()または(B)()において、前記大豆タンパク質溶液を濃縮して、50から300g/Lのタンパク質濃度を有する濃縮大豆タンパク質溶液を生じさせ、
    前記濃縮工程を、3,000から1,000,000ダルトンの分画分子量を有する膜を用いた限外濾過によって行うことを特徴とする、請求項1から14の何れか1項に記載の方法。
  17. 前記濃縮大豆タンパク質溶液が、100から200g/Lのタンパク質濃度を有し、前記膜が5,000から100,000ダルトンの分画分子量を有することを特徴とする、請求項16に記載の方法。
  18. 工程(A)(c)もしくは工程(B)(c)の後に、濃縮された大豆タンパク質溶液を透析濾過することを特徴とする、請求項1から17の何れか1項に記載の方法。
  19. 前記工程(A)(c)もしくは工程(B)(c)の後の透析濾過工程を、2から40容量の水、希釈食塩水、酸性化された水または酸性化された希釈食塩水を用い、3,000から1,000,000ダルトンの分画分子量を有する膜を用いて行うことを特徴とする請求項18に記載の方法。
  20. 5,000から100,000ダルトンの分画分子量を有する膜を用いて、
    有意なさらなる量の汚染物質もしくは視認可能な色が透過液中に存在しなくなるまで、かつ/または、次の加工工程の後で乾燥時に少なくとも90重量%(N×6.25)d.b.のタンパク質含有量を有する大豆タンパク質単離物が得られるように、保持液が十分に精製されるまで、
    前記透析濾過を行うことを特徴とする請求項19に記載の方法。
  21. 前記濃縮工程(A)()および(B)()ならびに透析濾過工程を、2℃から65℃の温度で行うことを特徴とする、請求項19または20に記載の方法。
  22. 前記温度が20℃から35℃であることを特徴とする、請求項21に記載の方法。
  23. 前記濃縮工程の後に、濃縮された大豆タンパク質溶液のpHを1.5から7.0の範囲内の値または1.5〜4.4に調整することを特徴とする、請求項1から22の何れか1項に記載の方法。
  24. 前記調整されたpH、5.0から7.0、または、2.0から4.0であることを特徴とする、請求項23に記載の方法。
  25. 前記濃縮された大豆タンパク質溶液を、乾燥前に、30秒から60分、55℃から70℃の温度で低温殺菌することを特徴とする、請求項1から24の何れか1項に記載の方法。
  26. 抽出工程および/または濃縮工程および/または透析濾過工程の間に還元剤を存在させて、ならびに/あるいは、乾燥前の、濃縮され透析濾過された大豆タンパク質溶液に還元剤を添加して、ならびに/あるいは、乾燥した大豆タンパク質製品に還元剤を添加して、トリプシン阻害剤のジスルフィド結合を分断または転位し、トリプシン阻害剤活性の減少を達成することを特徴とする、請求項1から25の何れか1項に記載の方法。
  27. 前記希釈工程(A)()および(B)(の希釈を、5から25倍の水で行い、
    前記希釈を行うために用いる水が、1℃から65℃の温度を有することを特徴とする、請求項1から26の何れか1項に記載の方法。
  28. 前記希釈工程を10から20倍で行い、使用する水の温度が20℃から35℃であることを特徴とする、請求項27記載の方法。
  29. 前記工程(A)(ii)において、前記沈殿物を2から3容量の水で洗浄することを特徴とする、請求項1から28の何れか1項に記載の方法。
  30. 前記工程(A)(iii)において、前記沈殿物を、1.5から4.4のpHで、1から10容量の水中に可溶化して、大豆タンパク質溶液を形成することを特徴とする、請求項1から29の何れか1項に記載の方法。
  31. 前記可溶化を2.0から4.0のpHで、2から3容量の水を用いて行うことを特徴とする、請求項30に記載の方法。
  32. 前記大豆タンパク質溶液または濃縮された大豆タンパク質溶液を熱処理工程に供して、熱不安定性の抗栄養因子を不活性化し、
    前記熱処理工程では、10分から60分、70℃から160℃の温度で、各溶液の低温殺菌も行い、
    熱処理された大豆タンパク質溶液を、さらなる処理のために、2℃から65℃の温度に冷却することを特徴とする、請求項1から31の何れか1項に記載の方法。
  33. 前記温度が20℃から35℃であることを特徴とする、請求項32に記載の方法。
  34. 選択的膜技術を用いてイオン強度を実質的に一定に維持しながら、前記大豆タンパク質溶液を濃縮してその濃度を増加させて更なる大豆タンパク質溶液を形成することを特徴とする、請求項1から33の何れか1項に記載の方法。
  35. 大豆タンパク質溶液、濃縮された大豆タンパク質溶液、および/または更なる大豆タンパク質溶液を吸着剤で処理して、色および/または臭気化合物を除去することを特徴とする、請求項1から34の何れか1項に記載の方法。
  36. 前記大豆タンパク質溶液または更なる大豆タンパク質溶液を乾燥させて、少なくとも60重量%(N×6.25)d.b.のタンパク質含量を有する大豆タンパク質製品を形成することを特徴とする、請求項1から35の何れか1項に記載の方法。
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