JP3415176B2 - 弾性舗装体 - Google Patents

弾性舗装体

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JP3415176B2
JP3415176B2 JP23084792A JP23084792A JP3415176B2 JP 3415176 B2 JP3415176 B2 JP 3415176B2 JP 23084792 A JP23084792 A JP 23084792A JP 23084792 A JP23084792 A JP 23084792A JP 3415176 B2 JP3415176 B2 JP 3415176B2
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沢 文 夫 深
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、陸上競技場、多目的運
動場、テニスコート、バレーコート等に用いられる非透
水性の弾性舗装体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、陸上競技上や運動上等に、ウレタ
ン樹脂を用いた全天候型の弾性舗装体が用いられてい
る。ここで、この弾性舗装体はその表面が平滑で滑り易
いため、対応する競技や運動に適応しかつ競技者が滑ら
ないように、その舗装表面に凹凸の仕上げ加工が施され
る。
【0003】例えば、特開平2−27003号、同3−
96504号の各公報には、床版上に弾性体層を形成
し、その上に粒状ゴムチップを含む舗装材層をスプレー
塗布することにより、弾性舗装体表面に凹凸を形成して
滑り抵抗性を与えた弾性舗装体の施工方法が開示されて
いる。ところが、この施工方法では、粒状ゴムチップを
含む弾性体層をスプレー塗布によって吹き付けるので、
ゴムチップによってスプレーガン(ノズル)が詰まって
しまい、施工作業性が悪いという問題点がある。
【0004】また、特公昭56−40205号公報には
床版上にウレタン舗装を施して表面を平滑にした後に、
揺変性の硬化性ウレタン樹脂組成物を吹き付けて表面に
微小な凹凸を形成するウレタン樹脂舗装表面の仕上げ方
法が開示されている。ところが、この仕上げ方法を陸上
競技用のトラック等に利用する際には、施工面の計画さ
れた勾配のためにウレタン舗装を一度に必要な厚さに施
工することが困難であり、数回層を塗り重ねる必要があ
り、施工に手間と時間かかってしまう。さらに、坂など
の勾配の急なところでは現場施工型のウレタンは、硬化
前は液体のため流失してしまい施工が困難である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
従来技術の問題点を解決することにあり、ウレタン樹脂
塗布のためのスプレーガンのつまり等を引き起こすこと
なく、短期間かつ簡易な工事で、高品質な陸上競技場、
多目的運動場、テニスコート等を得ることができる弾性
舗装体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は、3〜20メッシュ粒径の加硫ゴムチップ
100重量部に対し、イソシアネート化合物およびポリ
オール化合物をイソシアネート基と水酸基との比率がイ
ソシアネート基/水酸基=2〜3.5となるように混合
して得られるウレタンプレポリマー20〜60重量部を
混合してなる、厚さ5〜50mmの弾性体層上に、揺変
性を付与した液状ウレタン樹脂によって高さ1〜3mm
の凹凸を有するウレタン樹脂層を形成してなる弾性舗装
体を提供する。
【0007】以下、本発明の弾性舗装体について詳細に
説明する。本発明の弾性舗装体は、滑り止め等のための
凹凸を有するウレタン樹脂層の下層として、3〜20メ
ッシュ粒径の加硫ゴムチップ100重量部に対し、イソ
シアネート基と水酸基との比率がイソシアネート基/水
酸基=2〜3.5であるウレタンプレポリマー20〜6
0重量部を混合してなる弾性体層を有する。本発明の弾
性舗装体は、凹凸を有するウレタン樹脂層の下層として
このような弾性体層を有することにより、急な勾配(0
〜60°程度)の斜面でも弾性舗装が施工可能になり、
一度に目的の厚さに仕上げることができる等の利点を有
する。
【0008】用いる加硫ゴムチップは公知の各種のもの
がいずれも利用可能であり、例えば、使用済タイヤを破
砕したもの、使用済のコンベアベルトを破砕したもの等
が例示される。
【0009】このような加硫ゴムチップは3〜20メッ
シュ粒径のものが用いられる。加硫ゴムチップの粒径が
6メッシュ未満では、ゴム粒子が小さくウレタンプレポ
リマーで粒子−粒子でできる中空の部分が失われ、ふく
れ等が発生してしまう等の点で不都合であり、また、加
硫ゴムチップの粒径が12メッシュを超えると、ゴム粒
子が大きすぎて、単位当たりの粒子間接点が少なく弾性
体の物理的な強度を得ることができない等の点で不都合
がある。加硫ゴムチップは、より好ましくは6〜12メ
ッシュ粒径のものが用いられる。
【0010】弾性体層は、この加硫ゴムチップ100重
量部に対して、ウレタンプレポリマー20〜60重量部
を混合して構成される。このウレタンプレポリマーは、
イソシアネート化合物とポリオールとより得られる通常
のウレタンプレポリマーであるが、イソシアネート基と
水酸基との比率がイソシアネート基/水酸基=2〜3.
5である。イソシアネート基/水酸基が2未満である
と、プレポリマーがゲル化してしまい、また3.5を超
えると、発泡の原因となってしまう等の点で不都合を生
じる。なお、イソシアネート基と水酸基との量比は、よ
り好ましくはイソシアネート基/水酸基=2〜2.5程
度である。
【0011】ウレタンプレポリマーに用いられるイソシ
アネート化合物とポリオールには特に限定ははなく、通
常のウレタンプレポリマーと同様でよいが、例えば、イ
ソシアネート化合物としては、キシリレンジイソシアネ
ート(XDI)、トリレンジイソシアネート(TD
I)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、
ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)等が好適
に例示される。他方、ポリオールとしては、ポリエチレ
ングリコール(P.E.G.)、ポリプロピレングリコ
ール(P.P.G.)等が好適に例示される。
【0012】弾性体層において、加硫ゴムチップ100
重量部に対するウレタンプレポリマーの量は20〜60
重量部である。ウレタンプレポリマーの量が20重量部
未満であると、粒子−粒子の結合を得ることができず、
舗装体としてまとまらない。また、60重量部を超える
と、粒子−ウレタンプレポリマーの系に対してウレタン
プレポリマーが過剰となってしまい系の外に流失し、さ
らに中空の部分が失われてふくれの原因となる等の不都
合が生じる。加硫ゴムチップ100重量部に対するウレ
タンプレポリマーの量は20〜40重量部程度とするの
がより好ましい。
【0013】このような加硫ゴムチップとウレタンプレ
ポリマーとから形成される弾性体層の層厚は5〜50m
mである。弾性体層が5mm未満では、弾性体層を形成
する効果が低く、弾性体の下の基盤の影響を強く受けて
しまう上に、弾性体の物理的強度が出ない等の不都合が
あり、また、層厚が50mmを超える弾性体層を形成し
ても、弾性体としての効果は向上せず、経済的に不利で
ある。
【0014】弾性体層の施工方法には特に限定はなく、
加硫ゴムチップとウレタンプレポリマーとをミキサー等
によって混練して、この混合物を施工面の上にアスファ
ルトを施工するようにしてならし、引ならし機等によっ
て、床版上に可及的に平坦に敷設する。
【0015】本発明の弾性舗装体においては、このよう
な弾性体層を敷設した後に、上層に揺変性を付与した液
状ウレタン樹脂によって、高さ1〜3mmの凹凸を有す
るウレタン樹脂層を形成する。液状ウレタン樹脂として
は、前述のウレタンプレポリマーと同様、ポリオールと
イソシアネート化合物とからなる公知の各種のものがい
ずれも利用可能であるが、好ましくは、ポリプロピレン
グリコールあるいはポリエチレングリコールと、トリレ
ンジイソシアネートあるいはジフェニルメタンジイソシ
アネートとより得られる液状ウレタン樹脂等が好適に用
いられる。
【0016】本発明の弾性舗装体に用いられる液状ウレ
タン樹脂は揺変性を有するものであり、通常は前述のよ
うな液状ウレタン樹脂に揺変性付与剤を添加することに
よって得ることができる。揺変性付与剤には特に限定は
なく、液体に加えるとすみやかに分散して流体の流れ特
性をチクソトロピックに変える性質のある粉末、いわゆ
る揺変性付与剤がいずれも使用可能であるが、具体的に
は、コロイダルシリカ、タルク粉、炭酸カルシウム等が
好適に例示される。
【0017】このような、液状ウレタン樹脂のチクソト
ロピー指数には特に限定はないが、好ましくは1.2〜
4.5程度である。チクソトロピー指数を上記範囲とす
ることにより、ゴムチップ弾性舗装面への施工性等の点
で好ましい結果を得る。特に、チクソトロピー指数を
1.2〜3.5とすることにより、施工時の作業性、ウ
レタン層表面の凹凸等の点でより好ましい結果を得る。
【0018】また、液状ウレタン樹脂の粘度にも特に限
定はないが、好ましくは 5000 〜 50000cps程度であ
る。液状ウレタン樹脂の粘度を上記範囲とすることによ
り、ゴムチップ層への施工性やウレタン表面の凹凸等の
点で好ましい結果を得る。特に、粘度を30000 〜45000
cpsとすることにより、ウレタン表面の凹凸等の点で
より好ましい結果を得る。
【0019】本発明の弾性舗装体においては、前述の弾
性体層を敷設した後に、このような揺変性を有する液状
ウレタン樹脂によって、高さ1〜3mmの凹凸を有する
ウレタン樹脂層を形成する。このようなウレタン樹脂層
形成方法には特に限定はないが、凹凸を容易かつ良好
に形成することができ、さらに、液状ウレタン樹脂中に
ゴムチップ等を有さないので、ノズルが詰まることがな
い等の点で、通常、スプレー塗布によって形成される。
【0020】凹凸の高さは1〜3mmである。凹凸の高
さが1mm未満では凹凸を形成する意味があまりなく、
また3mmを超える凹凸を形成しようとしても、材料が
タレてしまうので、3mmを超える凹凸を形成するのは
施工性等の点で不利である。
【0021】また、このようなウレタン樹脂層の厚さに
は特に限定はないが、通常2〜4mm程度(凹部の厚
さ)である。
【0022】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を挙げ、本発明
をより詳細に説明する。
【0023】乗用車用の用済ゴムタイヤから得られた、
スチレンブタジエン共重合ゴム(SBR)を主体とする
粒径6〜12メッシュの加硫ゴムチップ100kgと、ジ
フェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリエチ
レングリコールおよびポリプロピレングリコールを、イ
ソシアネート基/水酸基=2/1となるように混合した
ウレタンプレポリマー32kgとを混合して舗装材を得
た。この舗装材を、アスファルト床版上に9mm厚で敷
設して、4日間放置して人が乗っても壊れない程度に硬
化させて弾性体層を得た。
【0024】この弾性体層上に、液状ウレタン樹脂(
P.T.M.G. (ポリテトラメチレングリコール)MDIプ
レポリマーとP.P.G.(ポリエチレングリコール)
との混合物)80kgに対し、タルク粉20kgを混合して
粘度30000 〜 40000cps(B型粘度計)に調整した揺
変性を有する液状ウレタン樹脂を塗布し、高さ1〜3m
mの凹凸を有するウレタン樹脂層(凹部の厚さ4mm)
を形成した。なお、液状ポリウレタンの塗布は、スネー
クポンプを用い4〜6kgf/cm2 の圧力で吹き付けること
によって行った。このようにして得られた弾性舗装体
は、非透水性で多少の降雨によっても滑ることのない、
快適な使用感を有するものであった。
【0025】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の弾
性舗装体は2層の簡易な構成であるので、短期間かつ簡
易な工事でしかも安価である。また、ゴムチップ等を用
いて凹凸を形成せず、揺変性を有する液状ウレタン樹脂
を吹き付け塗装する等によって凹凸を有するウレタン樹
脂層を形成するので、怪我等の心配が少ない丸みのある
凹凸を容易に形成することができ、かつウレタン樹脂塗
布のためのスプレーガンのつまり等を引き起こすことも
ない。そのため、本発明の弾性舗装体は、陸上競技場、
多目的運動場、テニスコート等として幅広く用いること
ができる。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E01C 7/35 C08G 18/09 C08G 18/10 C08G 18/48 C08L 75/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】3〜20メッシュ粒径の加硫ゴムチップ1
    00重量部に対し、イソシアネート化合物およびポリオ
    ール化合物をイソシアネート基と水酸基との比率がイソ
    シアネート基/水酸基=2〜3.5となるように混合し
    て得られるウレタンプレポリマー20〜60重量部を混
    合してなる、厚さ5〜50mmの弾性体層上に、ゴムチ
    ップを含まない、粘度30000 〜45000 cps、チクソト
    ロピー指数1.2〜4.5の揺変性を付与した液状ウレ
    タン樹脂によって高さ1〜3mmの凹凸を有するウレタ
    ン樹脂層を形成してなる弾性舗装体。
  2. 【請求項2】 前記揺変性を付与した液状ウレタン樹脂
    が、コロイダルシリカ、タルク紛、炭酸カルシウムから
    なる群から選択される少なくとも一つの揺変性付与剤を
    含有するものである請求項1に記載の弾性舗装体。
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JP5385772B2 (ja) * 2009-12-15 2014-01-08 住化バイエルウレタン株式会社 屋外施設用舗装体の製法およびそれに用いられる表面仕上げ材、並びにそれによって得られる屋外施設用舗装体

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