JP3414528B2 - 可撓性のある導電シートの製造方法 - Google Patents

可撓性のある導電シートの製造方法

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JP3414528B2
JP3414528B2 JP26186194A JP26186194A JP3414528B2 JP 3414528 B2 JP3414528 B2 JP 3414528B2 JP 26186194 A JP26186194 A JP 26186194A JP 26186194 A JP26186194 A JP 26186194A JP 3414528 B2 JP3414528 B2 JP 3414528B2
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rubber
conductive sheet
sheet
conductive
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弘毅 松本
昌幸 石井
崇 西村
春夫 平沢
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Fujikura Composites Inc
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Fujikura Rubber Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は可撓性のある導電シートの
製造方法、さらに詳細には長尺で、薄く体積固有抵抗が
良好な耐酸性の可撓性のある導電シートの製造方法に関
する。
【0002】
【従来技術および問題点】導電シートは、種々のポリマ
ーマトリックスに、カーボン粒子、金属粒子などの導電
性粒子を添加したものであり、その用途により、種々の
特性を有する導電シートが開発されている。
【0003】たとえば、耐酸性、導電性が良好で可撓性
のある導電シートを製造する場合には、二重結合の少な
い耐薬品性のあるゴムマトリックスに対し、導電性粒子
を混入することによって行なわれる。
【0004】耐酸性および導電性が良好で可撓性のある
導電シートに用いられるマトリックスとしては、二重結
合の少ない、例えばブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴ
ム、エチレン−プロピレンゴムなどのゴムマトリックス
に、カーボンブラックなどの導電性粒子を添加したもの
が知られている。
【0005】このような導電性ゴムは、一般にカーボン
ブラックの充填量を増加すると、導電性及び耐酸性が向
上するが、薄い導電シートにすることは困難であった。
すなわち、たとえばカレンダー加工によって、シート状
とする場合、せいぜい厚さが200μmが限度であると
いう欠点があった。
【0006】一方、さらに薄い導電シートを製造するた
めに、マトリックスとしてプラスチックを使用すること
も考えられるが、この場合、体積固有抵抗が104Ωc
mと大きくなり、101Ωcm以下の体積固有抵抗を達
成するのは不可能である。
【0007】本発明は上述の問題点に鑑みなされたもの
であり、厚さ50μm以下と薄く、かつ180°折り曲
げで破損せず、かつ導電性、耐酸性の良好な長尺シート
を製造することを目的とするものである。
【0008】
【問題点を解決するための手段】上述の目的を達成する
ために、本発明による導電シートの製造方法は、溶剤中
に、ポリマー100重量部に対し20〜60重量部の導
電性の良好なカーボンブラックを混合したコンパウンド
を添加する工程、前記コンパウンドを添加した溶液を攪
拌し糊状にする工程、前記糊状混合物を長尺の離型シー
ト上に厚さ10〜100μmの厚さになるように塗布す
る工程、前記糊状混合物の溶剤を飛散させ、乾燥する工
程、前記乾燥シートを加硫する工程を含むことを特徴と
する。又は、コンパウンドを作成せず直接溶剤にポリマ
ー配合薬品を添加し、糊状にしてもよい。
【0009】本発明による導電シートの製造方法によれ
ば、ゴムポリマーに導電性の良好なカーボンブラックを
所定量添加すると共に、溶剤に溶解して糊状とすると共
に、離型シートに展延して加硫硬化するために、簡単に
薄い、弾性の良好な導電性ゴムシートを製造できると言
う利点がある。
【0010】本発明をさらに詳しく説明すると、本発明
によって製造される可撓性のある導電シートは、ブチル
系ゴムおよび/又はエチレンプロピレン系ゴム100重
量部に導電性カーボンブラックを20〜60重量部添加
したものを使用している。
【0011】本発明において使用されるブチル系ゴム又
はエチレンプロピレン系ゴムは不飽和結合が少ないゴム
であるために耐酸性、特に耐硫酸性が良好で、低温加硫
が可能であるという利点がある。このようなブチル系ゴ
ムとしては、例えば通常のブチルゴムおよび塩素化ブチ
ルゴムなどのハロゲン化ブチルゴムが例として挙げるこ
とができる。
【0012】このようなブチル系ゴムおよび/又はエチ
レンプロピレン系ゴムに添加される導電性カーボンブラ
ックとしては、導電性が良好で、混練時に導電性が低下
しないようなものがよい。特にカーボンブラック粒子の
表面積が200m以上のカーボンブラックであるのが
好ましい。表面積が200m未満であると、比容積が
小さくなり、導電性に問題を生じる恐れがある。具体的
にはケッチェンブラックECなどを使用することができ
る。
【0013】上述の導電性ゴム層には、前述の添加剤の
他に、従来この種のゴムに添加されることのある添加物
を任意に添加できる。例えば、通常のカーボンブラッ
ク、グラファイト、カーボン繊維、加硫促進剤、ステア
リン酸、亜鉛華などの一種以上を添加することができ
る。
【0014】このような導電性ゴム層の体積固有抵抗は
101Ωcm以下である。101Ωcmを越えると、導電
性が低く、所定の使用に耐えられない恐れがある。
【0015】さらに、前記導電性ゴム層の厚さは、50
μm以下である。
【0016】上述のような導電性ゴム層が積層される離
型シートとしては、前記導電性ゴム層を積層する際、あ
るいは運搬、保存時には有効に接着しており、前記導電
性ゴム層を剥離する際には、破損することなく容易に剥
離して導電性ゴム層を使用できるものであれば、いかな
るものでもよい。たとえばポリエチレンフィルム、シリ
コーン離型紙などを使用することができる。
【0017】本発明による可撓性のある導電シートの製
造方法によれば、まず、上述のようなブチル系ゴムおよ
び/又はエチレンプロピレン系ゴム100重量部に20
〜60重量部の導電性の良好なカーボンブラックを混合
したコンパウンドを製造する。この混合する方法は、本
発明において基本的に限定されるものではなく、例えば
オープンロールを使用して混合し、コンパウンドとする
ことができる。又はコンパウンドを製造する工程を省く
こともできる。
【0018】このように作製されたコンパウンドを溶剤
中に添加し、攪拌して糊状とする。このような溶剤とし
ては、前述のブチル系ゴムを溶解するものであれば基本
的にいかなるものでもよく、たとえば、トルエン、ベン
ゼン、キシレン、ゴム揮などを使用することができる。
【0019】この溶剤中におけるコンパウンドの濃度
は、好ましくは5〜30%重量であるのがよい。5%未
満であると、離型シートにコーティング後乾燥する前に
流れて均一なシートにならない。一方、30%をこえる
と、塗布工程で均一に、前記離型シートに塗布困難にな
る。
【0020】上述のような糊状混合物を長尺の離型シー
トに、乾燥、加硫後に厚さ50μm以下になるように塗
布し、溶剤を飛散させ、乾燥させた後、前記ブチル系ゴ
ム、エチレンプロピレン系ゴムを加硫する。このように
ブチル系ゴムおよび又はエチレンプロピレン系ゴムを乾
燥させ、加硫することにより離型シート状に導電性ゴム
層を形成することができる。
【0021】
【実施例】下記の組成の導電性ゴムコンパウンドをオー
プンロールにより製造した。
【0022】組成 塩素化ブチルゴム 100重量部 ケッチェンブラックEC (表面積800m) 50重量部 ステアリン酸 1重量部 ZnO 5重量部 加硫促進剤 1重量部
【0023】上述のようなコンパウンドをトルエン中に
20%の濃度で溶解し、攪拌した。このように製造され
た糊状混合物を50μmの厚さになるように、離型シー
ト上に塗布し、溶剤を飛散させた後、乾燥、140℃に
て加硫を行なって導電シートを作製した。
【0024】このように作製した可撓性のある導電シー
トから離型シートを剥離したのち、物性試験を行なった
結果を下記に示す。
【0025】試験結果 体積固有抵抗 0.5Ωcm 耐硫酸性 表面異常なし ゴム層表面 平滑 柔軟性 180°折り曲げで破損せず
【0026】前記諸特性のうち、耐硫酸性はJIS K
7114−1980の試験法を使用した。すなわち、
50%硫酸水溶液中に1000時間浸漬し、光沢損失、
変色、曇り、ひび割れ、亀裂、膨潤、反り、分解、溶
解、粘着の有無を観測した結果である。
【0027】
【発明の効果】本発明による可撓性のある導電シートの
製造方法によれば、ブチル系ゴムおよび/又はエチレン
プロピレン系ゴムに導電性の良好なカーボンブラックを
所定量添加すると共に、溶剤に溶解して糊状とすると共
に、離型シートに展延して加硫硬化するために、簡単に
薄い、弾性の良好な導電シートを製造できると言う利点
がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平沢 春夫 埼玉県大宮市三橋1−840 藤倉ゴム工 業株式会社大宮工場内 (56)参考文献 特開 昭60−264004(JP,A) 特開 昭61−185807(JP,A) 特開 平7−94016(JP,A) 特開 昭62−42813(JP,A) 特開 昭64−51916(JP,A) 特開 昭63−210153(JP,A) 特開 昭60−184534(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01B 13/00 501 H01B 5/00 - 5/16

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ゴムポリマーおよびゴムポリマー100重
    量部に対し20〜60重量部の導電性の良好なカーボン
    ブラックを添加した溶液を攪拌し糊状にする工程、前記
    糊状混合物を長尺の離型シート上に厚さ50μm以下の
    厚さになるように塗布する工程、前記糊状混合物の溶剤
    を飛散させ、乾燥する工程、前記乾燥シートを架橋する
    工程を含むことを特徴とする可撓性のある導電シートの
    製造方法。
  2. 【請求項2】導電性の良好なカーボンブラックは、その
    表面積が200m以上であることを特徴とする請求項
    記載の可撓性のある導電シートの製造方法。
  3. 【請求項3】前記ゴムポリマーはブチル系ゴム及び/ま
    たはエチレンプロピレン系ゴムであることを特徴とする
    請求項1または2記載の可撓性のある導電シートの製造
    方法。
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